JP4664932B2 - 浮遊物滞留防止方法および浮遊物滞留防止設備 - Google Patents

浮遊物滞留防止方法および浮遊物滞留防止設備 Download PDF

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Description

本発明は、橋に浮遊物等が引っかかることを防止する浮遊物滞留防止方法およびこの浮遊物滞留防止方法に使用される浮遊物滞留防止設備に関する。
従来、橋の上流側に、流木避けを設置する場合がある。このような従来の流木避けは、橋の橋脚の上流側に配置されることで、流下してきた流木等の浮遊物が直接橋脚に衝突することを防止して、橋が倒壊することを防止するものである。
ところが、洪水時等において、多量の流木等の浮遊物Tが流下してきた場合には、流木避けの有無に関わらず、橋Bに浮遊物Tがひっかかることにより、河川の水の流れがせき止められる場合がある(図5参照)。浮遊物Tにより、河川の流れがせき止められると、越流により左右岸の設置道路や建物等の構造物に損傷が生じる場合があることや、橋Bに乗り上げた浮遊物Tの重量やせき止められた水の水圧等により、橋Bが倒壊する場合がある。
そのため、特許文献1には、図6に示すように、河川の横断方向に対して斜めに流木等の浮遊物Tを誘導する循環条材102を配置し、この循環条材102の端部に、誘導された浮遊物Tを回収するピット103を備えた浮遊物滞留防止設備101が開示されている。
かかる浮遊物滞留防止設備101は、上流から流下してきた浮遊物Tを、循環条材102を介してピット103へと誘導し、ピット103に誘導された浮遊物Tを別途配置された回収装置(図示省略)により回収し、搬出することにより、浮遊物Tが橋Bに到達する前に除去して、橋Bに浮遊物Tが滞留することのないようにしている。
特開2006−97464号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、橋Bの上流側に河川を横断する大規模な浮遊物滞留防止設備101を構成する必要があり、この装置の設置、維持管理等に費用と手間がかかるという問題点を有していた。
また、ピット103を構築するための用地やピット103内に誘導された浮遊物Tを搬出する輸送手段を配置するための用地の確保など、橋Bの上流側に、大規模な装置を設置するため用地を確保することが出来ない場合があった。
さらに、ピット103に溜まった浮遊物Tの除去に手間と費用が嵩むという問題点も有していた。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、簡易な構成により浮遊物が橋に滞留することを防止し、維持管理が容易で、かつ、安価に構成することが可能な、浮遊物滞留防止方法およびこの浮遊物滞留防止方法に使用される浮遊物滞留防止設備を提案することを課題とする。
ここで、本明細書における橋とは、河川の横断方向に構築された構造物であって、鉄道用や道路用の橋梁、水管橋や水路橋、桟橋等も含むものとする。
前記の課題を解決するために、本発明の浮遊物滞留防止方法は、流下してきた浮遊物が橋の下を潜り抜けるように橋の上流側において下降流を発生させることを特徴としている。
かかる浮遊物滞留防止方法によれば、上流から流下してきた浮遊物は、下降流により橋の下を潜り抜けるため、橋にひっかかることで滞留することがなく、河川の水の流れをせき止めることが防止される。このため、増水時に左右岸への越流や、橋が倒壊することが防止される。
また、浮遊物は、下降流により、下流に流下するため、浮遊物の除去等の手間も省略することが可能となり、維持管理も容易である。さらに、浮遊物を誘導、除去するための大規模な設備も必要としないため、安価である。
また、本発明の浮遊物滞留防止設備は、上端が上流側となるように傾いた状態で橋の上流側に設置される斜材を備えることを特徴としている。
かかる浮遊物滞留防止設備は、橋の上流側に設置された斜材により、橋の上流において下降流を発生させることで、流下してきた浮遊物が橋の下を潜り抜けるようにするものである。これにより、上流から流下してきた浮遊物等は、橋にひっかかることなく下流へと流下し、浮遊物が橋に滞留することが防止される。
前記浮遊物滞留防止設備において、前記斜材の上端が前記橋の橋桁よりも高くなるように配置されていれば、橋桁を越流する増水時の水流に対して、下降流を橋の手前で発生されることが可能となるため、好適である。
また、前記浮遊物滞留防止設備において、前記斜材が、河川の幅方向に対して所定の間隔を有して配置された複数本の斜杭により構成されていれば、構成が簡易なため、維持管理が容易で、かつ、安価に構築することが可能である。
また、前記浮遊物滞留防止設備において、前記斜材が、邪魔板であれば、より強い下降流を発生されることが可能となる。
本発明の浮遊物滞留防止方法および浮遊物滞留防止設備によれば、簡易な構成により浮遊物が滞留することを防止し、維持管理が容易で、かつ、安価に構成することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
ここで、図1は、本実施形態に係る浮遊物滞留防止設備の概要を示す斜視図である。また、図2は、図1に示す浮遊物滞留防止設備の側面図である。また、図3は、図1に示す浮遊物滞留防止設備の変形例を示す斜視図である。
本実施形態に係る浮遊物滞留防止方法は、増水時において、流下してきた浮遊物Tが橋桁B1の下を潜り抜けるように橋梁Bの上流側において下降流を発生させるものである。本実施形態では、図1に示すように、橋梁Bの上流側において、上端が上流側となるように傾いた状態で設置された斜材を備えた浮遊物滞留防止設備1を利用して下降流を発生させるものとする。
なお、斜材の構成は、橋梁Bの上流側に下降流を発生させることが可能であれば、限定されるものではないが、本実施形態では、河川の幅方向に対して所定の間隔を有して配置された複数本の斜杭2を使用している。
本実施形態に係る斜杭2は、直線状の鋼管からなり、図1および図2に示すように、下端が河床に挿入された状態で、かつ、上端が、橋桁B1よりも高い位置であって、想定される増水時の水面WLから突出するように配置されている。
図2に示すように、斜杭2は、斜杭2の近傍に立設された補助杭3により支持されている。本実施形態では、斜杭2と補助杭3は、斜杭2の上下方向略中間付近において補助杭3と交差しており、この交差部2cにおいて、斜杭2と補助杭3とが固定されている。斜杭2の交差部2cよりも上側の上部2aは、補助杭3よりも上流側、交差部2cよりも下側の下部2bは、補助杭3よりも下流側となるように構成されている。さらに、斜杭2と補助杭3は、上端において連結部材4を介して連結されている。
また、斜杭2は、鋼管を河床に打ち込むことにより、斜杭2の下端を所定長地中Gに貫入することで配置されている。なお、斜杭2の施工方法は限定されるものではなく、適宜公知の施工方法により行えばよい。
斜杭2の配置箇所(橋梁Bから斜杭2の上端までの距離L)は、想定される増水時の流量および流れの強さに応じて適宜設定すればよいが、本実施形態では、橋梁Bの桁下から河床までの長さ(高さ)の1.0倍〜2.0倍の範囲内、好ましくは1.5倍程度の位置となるように配置するものとする。
また、斜杭2の角度φも、橋梁Bからの距離L、想定される増水時の流量および流れの強さ等に応じて、適宜設定すればよいが、本実施形態では35°〜60°の範囲内、好ましくは45°程度となるように、設定する。
また、本実施形態では、隣り合う斜杭2同士の間隔(ピッチ)を、橋梁Bの桁下から河床までの長さ(高さ)の1.0倍〜1.5倍の範囲内、好ましくは1.3倍程度とする。なお、隣接する斜杭2同士の間隔は、前記の範囲に限定されるものではなく、適宜設定すればよいが、下降流を発生させることが可能であるとともに、流下する浮遊物Tが引っかからない程度の間隔を有している必要がある。
また、本実施形態では、斜杭2を、橋脚B2の上流側および橋脚B2同士の中間付近の上流側に配置するものとするが、斜杭2の設置箇所は、これに限定されるものではない。例えば、橋脚B2の前方のみや、橋脚B2同士の間のみでもよい。
本実施形態では、斜杭2の一部が水面WLから突出した状態で配置されているため、河川の流れ(水流W)は斜杭2の傾斜に沿って下方向に向かうことになる。つまり、図2に示す水流Wのように、河川の流れに下降流が生成される。そして、流下してきた浮遊物Tは、この下降流により一旦、沈められ、橋梁Bの下を潜り抜けることが可能となる。
なお、本実施形態では、斜杭2として、鋼管を使用するものとしたが、斜杭2を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、コンクリート系材料や形鋼等により構成するなど、適宜公知の材料の中から選定して採用すればよい。
また、斜杭2の上端は、流下してきた浮遊物Tを下流側に配置された橋梁Bの下を潜り抜けさせる下降流を生成することが可能であれば、必ずしも、水面から突出している必要はない。
また、適切な下降流を生成することが可能であれば、斜杭2が曲部を有していてもよい。さらに、適切な下降流を生成することが可能であれば、斜杭2は、必ずしも河床から立設されている必要はない。なお、浮遊物Tが橋桁B1を潜り抜けることが可能な下降流を生成する概念からすれば、斜材(斜杭2)の下端は橋桁B1の下端面以下の高さに位置しているのが望ましい。
本実施形態では、斜杭2として、直径(幅)を0.3〜0.5mの鋼管を使用する。なお、斜杭2の直径(幅)は、前記のものに限定されるものではなく、流下してきた浮遊物Tが衝突した場合に破損することがない程度に十分な耐力を有しているとともに、効果的な下降流を生成することが可能となるように、想定される増水時の流量や流れの強さ、斜杭2の設置間隔、角度等に応じて、適宜設定すればよい。
また、斜杭2の断面形状は限定されるものではなく、円形、楕円形、矩形、その他の多角形等、適宜公知の形状により設定することが可能である。
補助杭3は、図2に示すように、河床から略垂直に立設された鋼管により構成されている。補助杭3は、高さ方向の中間付近において斜杭2の上部2aが補助杭3の上流側、下部2bが補助杭3の下流側となるように交差している。そして、斜杭2と補助杭3とは、この交差部2cにおいて、接合されている。
さらに、補助杭3は、補助杭3の上端に配置された連結部材4により斜杭2と連結されている。
補助杭3は、交差部2cと上端の連結部材4により斜杭2と連結されていることで、斜杭2を支持している。なお、斜杭2と補助杭3との交差部2cの位置は限定されるものではない。
なお、本実施形態では、補助杭3を略垂直に立設するものとしたが、補助杭3の角度は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
また、本実施形態では、補助杭3として、鋼管を使用するものとしたが、補助杭3を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、コンクリート系材料や形鋼等により構成するなど、適宜公知の材料の中から選定して採用すればよい。
また、補助杭3の上端は、斜杭2を支持することが可能であれば、必ずしも水面WLから突出している必要はない。
ここで、補助杭3の施工は、斜杭2と同様に、鋼管を打ち込むことにより、補助杭3の下端を所定長地中Gに貫入させることにより行う。なお、補助杭3の施工方法は限定されるものではなく、適宜、公知の方法から選定して行えばよい。
連結部材4は、鋼管により構成されており、一方の端部が補助杭3の上端、他方の端部が斜杭2の上端にそれぞれ固定されている。
ここで、本実施形態では、斜杭2と補助杭3との上端の高さが同程度であるため、連結部材4は、略水平に配置される。なお、連結部材4は、水平に配置される必要はないことは、いうまでもない。
連結部材4の斜杭2および補助杭3への固定方法は、限定されるものではなく、適宜公知の方法により行えばよいが、本実施形態では、溶接により固定するものとする。
なお、連結部材4の設置箇所は、斜杭2と補助杭3の上端に限定されるものではなく、適宜、設定することが可能であるが、下降流を生成する観点からすれば、想定される増水時の水面WLよりも高い位置に配置されていることが好ましい。
本実施形態では、連結部材4を鋼管により構成するものとしたが、連結部材4を構成する材料は限定されるものではなく、斜杭2および補助杭3への固定が可能な材料の中から、適宜選定して使用すればよい。
また、本実施形態では、浮遊物滞留防止設備1として、斜杭2、補助杭3および連結部材4をそれぞれ連結することにより構成するものとしたが、これらを予め一体に形成した部材を使用してもよいことはいうまでもない。
以上、本発明の浮遊物滞留防止設備1および浮遊物滞留防止方法によれば、斜杭2を橋梁Bの上流側に配置するのみの簡易な構成により、下降流を発生させることが可能となるため、増水時に流木等の浮遊物Tが流下してきても、このような浮遊物Tが橋梁Bの下を潜り抜けて滞留することがない。
つまり、上流から流下してきた水流Wは、上端が上流側に傾いた状態で配置された斜杭2に沿って流下することで、斜杭2と橋梁Bとの間において下降流が発生する。
そして、上流から流下してきた流木等の浮遊物Tも下降流の勢いにより下降し、橋梁Bの下を潜り抜けるため、橋梁Bに引っかかることや橋梁Bの上に乗り上げることが防止される。
また、浮遊物滞留防止設備1は、線状部材である斜杭2により構成されているため、増水時に水流Wに下降流を生成するものの、平常時の河川の流れに及ぼす影響は少なく、周辺の生態系等への影響も最小限で済む。
また、浮遊物滞留防止設備1を設置するための用地も最小限ですむため、浮遊物滞留防止設備1を設置することによる周辺の環境への影響も最小限で済む。
また、浮遊物滞留防止設備1は、斜杭2のみの簡易な構成のため、施工が容易で、かつ、維持管理が容易である。故に、浮遊物滞留防止設備1を構成するための施工費および維持管理費が安価である。
また、斜杭2は、鋼管等の一般的な材料により構成することが可能であるため、特殊な材料を手配する必要がなく、材料を安価かつ容易に手配することが可能である。
なお、より大きな(強い)下降流を発生させることを目的として、図3に示す浮遊物滞留防止設備1’のように、邪魔板(斜材)5を斜杭2,2に横設してもよい。
邪魔板5は、水を通水させるための開口が複数形成された板状の部材により構成するものとし、本実施形態では、網状の板材を使用する。
そして、邪魔板5は、河川を横断するように、隣接する複数の斜杭2に跨って横設されている。
本実施形態では、邪魔板5は、斜杭2の上部(補助杭3との交差部分よりも上方)2aに固定されており、邪魔板5の上端は斜杭2の上端と略同位置となるように配置されている。つまり、邪魔板5の上端は、橋桁B1よりも高い位置であって、想定される増水時の水面WLから突出するように配置されている。さらに、本実施形態にかかる邪魔板5の下端の高さは橋桁B1の下端面以下となるように配置されている。
なお、邪魔板5を構成する材料は限定されるものではなく、複数の孔が形成された板材等、適宜公知の材料から選定して構成すればよい。
また、邪魔板5は、隣接する複数の斜杭2に跨って横設されている必要はなく、斜杭2のそれぞれに所定幅からなる邪魔板5を備えていてもよい。
また、邪魔板5の上端は、流下してきた浮遊物Tを下流側に配置された橋梁Bの下を潜り抜けさせる下降流を生成することが可能であれば、必ずしも、水面から突出している必要はない。同様に、邪魔板5の下端の位置も限定されるものではない。
浮遊物滞留防止設備1’には、邪魔板5が設置されていることにより、河川の水流Wは、邪魔板5の角度に沿って流下し、下降流が橋梁Bの上流側に生成される。
そのため、上流から流下してきた流木等の浮遊物Tも下降流の勢いにより下降し、橋梁Bの下を潜り抜けるため、橋梁Bに引っかかることや橋梁Bの上に乗り上げることが防止される(図2参照)。
邪魔板5には、網状の板材等により形成されているため、下降流を生成するための抵抗力を水流Wに与えるとともに、水を通水するため、水流Wの水圧により浮遊物滞留防止設備1’が倒壊することが防止されている。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、橋梁の上流に配置された斜杭により下降流を生成するものとしたが、下降流の生成方法は、これに限定されるものではなく、適宜公知の手段により生成すればよい。
また、前記実施形態では、斜杭について近傍に立設された補助杭により支持する構成としたが、補助杭は、必要に応じて配置すればよく、必ずしも配置する必要はない。また、斜杭の補強方法は限定されるものではなく、適宜公知の手段から選定して、補強すればよい。
また、前記実施形態では、斜杭を河床から立設するものとしたが、平常時の河川の流れへの影響を最小限にすることを目的として、平常時の水面よりも上方であって、増水時に水中に配置されるように、斜杭を配置してもよい。
また、前記実施形態では、増水時の場合について、下降流を生成する旨を説明したが、下降流を発生される場合における河川の状況は限定されるものではない。
また、前記実施形態では、より大きな(強い)下降流を生成することを目的として邪魔板を配置するものとしたが、下降流の生成は板材に限定されるものではなく、格子状の部材を配置することにより構成してもよい。
また、斜材の配置方法は、斜杭による方法に、限定されるものではなく、適宜公知の手段により配置すればよい。例えば、橋の上流側に立設された補助杭から、連結部材を介して、補助杭の上流側に、上端が橋桁の上端面よりも上、下端が橋桁の下端面以下となるように斜材を設置してもよい。また、橋桁から直接、上流方向に連結部材を延設し、この連結部材の先端に、上端が橋桁の上端面よりも上、下端が橋桁の下端面以下となる斜材を設置してもよい。
次に、橋梁の上流に斜杭を設置することによる、下降流の発生について、実証実験を行った結果を示す。
ここで、図4(a)〜(c)は、本実証実験の結果を示すグラフであって、横軸を流れ方向の距離、縦軸を水理模型の水面の高さである。本実証実験では、水位として、橋桁B1の上端面を0mとする。なお、図4(a)〜(c)では、橋梁B付近における水面は越流により乱れているため、水面の測定ができないため、橋梁B付近におけるおおよその水面の形状を点線により表示している。
本実証実験では、図4(a)に示すように、斜杭2等の浮遊物滞留防止設備1が配置されていない比較例と、図4(b)に示すように、橋梁Bの上流側に斜杭2が配置されたケース1と、図4(c)に示すように、橋梁Bの上流側に配置された斜杭2に、邪魔板が配置されたケース2について、それぞれ流量Qおよび流れの強度Frを変化させた場合について、水および浮遊物の流れを計測した。
比較例1では、図4(a)に示すように、いずれの流量および流れの強度においても、橋梁Bの上流において下降流が生じないため、水流Wは橋梁Bにまっすぐぶつかり、水面が下がらずに橋梁Bを越流する結果となった。そのため、河川の流れとともに流下した流木等の浮遊物Tは、橋梁に乗り上げる結果となった。
ケース1では、図4(b)に示すように、いずれの流量および流れの強度においても、橋梁Bの上流側に配置された斜杭2により、橋梁Bの直前において水面が下がり、下降流(水流W)が生じることが示されている。
ケース1では、橋梁Bの直前で発生した下降流により、水面の浮遊物Tが、水流Wの勢いにより沈められ、橋梁Bの下を潜り抜ける。そのため、流木等の浮遊物Tが橋梁Bに乗り上げないことが実証された。なお、水流Wの一部W’は、橋梁Bに衝突して、橋梁Bを越流している。
さらに、ケース2では、図4(c)に示すように、いずれの流量および流れの強度においても、ケース1よりもさらに水面が下がる下降流が生じる結果となった。
このため、斜杭2に邪魔板5を横設することにより、より効果的に下降流を生じさせることが実証された。したがって、斜杭2のみでは下降流の発生が弱い河川においても、邪魔板5を配置することにより、浮遊物Tが橋梁Bの下を潜り抜けるように構成することが可能となった。
ケース2では、ケース1と同様に、橋梁Bの直前で発生した下降流により、水面の浮遊物Tが、水流Wの勢いにより沈められ、橋梁Bの下を潜り抜ける。そのため、流木等の浮遊物Tが橋梁Bに乗り上げないことが実証された。なお、水流Wの一部W’は、橋梁Bに衝突して、橋梁Bを越流している。
本発明の好適な実施の形態に係る浮遊物滞留防止設備の概要を示す斜視図である。 本発明の好適な実施の形態に係る浮遊物滞留防止設備を示す側面図である。 本発明の他の好適な実施の形態に係る浮遊物滞留防止設備を示す斜視図である。 本発明の実証実験結果を示すグラフであって、(a)は比較例、(b)および(c)は各ケースを示している。 橋梁への浮遊物の滞留状況を示す側面図である。 従来の浮遊物滞留防止設備を示す平面図である。
符号の説明
1 浮遊物滞留防止設備
2 斜杭(斜材)
3 補助杭
4 連結部材
5 邪魔板(斜材)
B 橋梁(橋)
T 浮遊物
W 水流

Claims (5)

  1. 流下してきた浮遊物が橋の下を潜り抜けるように橋の上流側において下降流を発生させることを特徴とする、
    浮遊物滞留防止方法。
  2. 橋の上流側に設置される浮遊物滞留防止設備であって、上端が上流側となるように傾いた状態で設置される斜材を備えることを特徴とする、
    浮遊物滞留防止設備。
  3. 前記斜材が、上端が前記橋の橋桁よりも高くなるように配置されていることを特徴とする、
    請求項2に記載の浮遊物滞留防止設備
  4. 前記斜材が、河川の幅方向に対して所定の間隔を有して配置された複数本の斜杭からなることを特徴とする、
    請求項2または請求項3に記載の浮遊物滞留防止設備。
  5. 前記斜材が、邪魔板であることを特徴とする、
    請求項2乃至請求項3のいずれか1項に記載の浮遊物滞留防止設備。
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