JP4664899B2 - ガス化ガスの浄化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃プラスチックやバイオマス等の有機性廃棄物又は石炭等の固体有機物を熱分解して得られたガス化ガスの浄化方法に関する。
近年、地球環境保全とくに地球温暖化防止の一環として、エネルギーの有効利用が改めて注目されるなかで、廃プラスチックやバイオマス等の有機性廃棄物の持つエネルギーを有効利用する方法として、有機性廃棄物を熱分解し可燃性ガスを得る、いわゆるガス化が注目を集めている。
ところが、ガス化によって得られた可燃性ガス、すなわちガス化ガスには、ナフタレン、アントラセン等のタール分(炭素原子数が10以上の高分子炭化水素化合物)やベンゼン、トルエン、キシレン等の軽質油分(炭素原子数が10未満の低分子炭化水素化合物)などの常温常圧で液体若しくは固体である高沸点炭化水素化合物(本願明細書では単に「高沸点炭化水素化合物」という。ここで、「高沸点炭化水素化合物」の沸点は概ね60℃以上である。)が含まれている。これらの高沸点炭化水素化合物は、沸点以下の温度でも高い蒸気圧を持ち、冷却等によって除去することが難しく、ガス中に残存する高沸点炭水素化合物は、ガス化ガスの温度が低下すると凝縮し、ガス配管やその付帯設備に付着して設備トラブルを引き起こす原因となる。したがって、ガス化ガスの利用にあたっては、ガス化ガス中から除去する必要がある。
ガス化ガスからタール分や軽質油分を除去するガス浄化技術として、例えば特許文献1には、有機性廃棄物をガス化後、酸素及び水蒸気と反応させ、1100℃程度の高温での改質反応により、ガス化ガス中のタール分や軽質油分を低減させる技術が開示されている。しかし、このような改質反応を用いたガスの浄化技術では、改質反応に必要な熱源を得るためにガス化ガスの部分燃焼が必要となり、ガス化ガスの持つエネルギーを消費されガスカロリーが低下するという問題がある。また、改質反応に用いる酸素の製造にエネルギーを多く必要とし、廃棄物処理に必要な総エネルギーが大きくなりすぎる。
他のガス洗浄技術としては、コース炉ガスの浄化技術に見られるように、低温下でガスを油で洗浄し、ガス中のタール分及び軽質油分等を除去する技術が知られている。しかし、この技術では、低温下で洗浄を行うにあたり冷熱源を得るためにエネルギーが必要である。また、洗浄後の排水に高度な処理が必要となり、さらに油を再生する工程等が必要となり、再生時に発生するガスの処理等、設備が複雑になる傾向にある。
これに対して、ガス浄化のために特別なエネルギーを要することなく、簡単な構成でガスを浄化する技術として、例えば特許文献2及び特許文献3に活性炭を用いたガス浄化技術が開示されている。しかし、これらの特許文献のガス浄化技術は、排気ガス中の溶剤等の炭化水素、軽質油分を除去するための技術であり、この技術をそのまま有機性廃棄物のガス化ガス浄化に適用すると、ガス化ガス中には軽質油分だけでなくタール分が含まれ、タール分は活性炭から離脱しにくいため、活性炭の寿命が短くなる。とくにタール分のうちナフタレンは昇華しやすく常温でも固体となるので、活性炭に吸着されやすく、吸着されると活性炭の細孔がすぐに閉塞して活性炭の性能低下を招く。また、装置のガス配管内壁に成長し、ガス配管の閉塞を引き起こし、装置の安定稼働に支障を来す。
このように、ガス化ガスの浄化にはエネルギー効率等の点から活性炭を用いることが好ましいが、活性炭を用いてガス化ガスを浄化すると、ガス化ガス中のタール分とくにナフタレンの吸着よって活性炭の寿命が短くなるという問題がある。
特開2004−238535号公報 特開平9−215908号公報 特開2005−66503号公報
本発明が解決しようとする課題は、ガス化ガスの浄化にあたり、ガス化ガス中のナフタレンを効率的に除去することのできるガス化ガスの浄化方法を提供することにある。
本発明は、有機性廃棄物又は石炭等の固体有機物を熱分解して得られたガス化ガスを浄化するガス化ガスの浄化方法において、ガス化ガスを10〜40℃に冷却し、冷却されたガス化ガスの通路内に設けた除去媒体の表面にガス化ガス中のナフタレンを析出させて除去し、その後、ガス化ガスを加熱してその温度を10〜20℃上昇させ、加熱されたガス化ガスを活性炭吸着装置に送ることを特徴とする
本発明では、代表的には有機性廃棄物として廃プラスチック、又は固体有機物として石炭をガス化する。
有機性廃棄物又は固体有機物のガス化ガス中には、上述のとおり、高沸点炭化水素化合物が含まれる。また、高沸点炭化水素化合物としては、ナフタレン、アントラセン等のタール分とベンゼン、トルエン、キシレン等の軽質油分が含まれる。これらの高沸点炭化水素化合物は、ガス化ガスの有効利用にあたり除去する必要がある。ただし、このようなガス化ガスをいきなり活性炭式吸着装置に通すと、ガス化ガス中のタール分とくにナフタレンが活性炭吸着層に多量に吸着され、そうすると軽質油分の吸着能力が低下するとともに、再生に必要なエネルギーが大きくなる。
そこで、本発明では、ガス化ガスを冷却する冷却機構を設けるとともに、冷却されたガス化ガスの通路内にガス化ガス中のナフタレンを表面上に析出させて除去する除去媒体を設け、ガス化ガス中のナフタレンを事前に除去できるようにしている。すなわち、ガス化ガスを冷却すると、ナフタレン等の高沸点炭化水素化合物がガス中で過飽和の状態となり、とくにナフタレンは昇華しやすいことからガス化ガスの通路内に配置された除去媒体の表面上に固相として析出する。これによってガス化ガスからナフタレンが分離・除去される。なお、本発明では主にナフタレンを除去することを目的としているが、このナフタレンの除去の際に、ナフタレン以外の高沸点炭化水素化合物も、その量はともかく除去媒体やその表面に析出した結晶状のナフタレンに捕捉され除去される。
本発明において、ガス化ガスは除去媒体を通過させる前に10〜40℃に冷却する。10℃未満では冷却のためのエネルギーが大きくなり、40℃を超えるとナフタレンの析出が不十分になる。より好ましくは20〜30℃に冷却する。
ここで、本発明の上記構成のみによっては、ガス化ガスの冷却によって過飽和になったナフタレン及びその他の高沸点炭化水素化合物の一部が除去されるにとどまるため、ガス化ガスの通路となる配管途中で発生する配管流路の閉塞、配管流路の矮小化等のトラブル発生は抑制できるものの、完全なガスの浄化は期待することが難しい。したがって、本発明においては、除去媒体の後段に活性炭吸着層を備えた活性炭式吸着装置を設け、この活性炭式吸着装置によってガス化ガス中の高沸点炭化水素化合物の残分およびダイオキシン類等の有害物質を除去し、ガス化ガスをほぼ完全に浄化するようにすることが好ましい。この場合、活性炭式吸着装置の前段でガス化ガス中のナフタレンは除去されているので、活性炭吸着層の負荷が軽減される。したがって、活性炭が早期に劣化する、活性炭間の流路が狭くなるといったトラブルの発生が抑制され、活性炭の寿命が延び、ガス化ガスの浄化装置のランニングコスト低減及びメンテナンス頻度の低減を図ることができる。さらに、除去媒体の後段にガス化ガスの再加熱装置を設け、ガス温度を10〜20℃上昇させることで、後段でのナフタレン析出をより確実に防止することができる。
本発明において、除去媒体としては、ミストセパレータのような形状が複雑なものではナフタレンの析出に伴う圧損の上昇が顕著となること、その除去が困難で除去にエネルギーが必要となることから、金属製の格子状の網すなわち金網を使用することが好ましい。とくに、除去媒体を単層の金網で構成すると、一度金網に析出したナフタレンを除去した際に、再度金網の異なる部位に付着することがなくその除去効率が向上する。これに対して、除去媒体が目の細かいフィルタ状のものや積層した金網状のものであった場合、目詰まりしやすいし、内部に進入して析出したナフタレンの除去も困難になる。除去媒体としては、ガス流れに対し単層でひだ状に折り返す円筒状のものを複数配置することで、ガス流速を低減させ、除去効率を上げる、また装置をコンパクトにすることもできる。
除去媒体を金網で構成する場合、その目開きの大きさは0.5〜10mm程度とすることが望ましい。目開きの大きさ0.5mm未満では析出したナフタレンの除去が困難となり、除去媒体の寿命が短くなり、また析出したナフタレンの除去に必要なエネルギーが大きくなる。一方、目開きの大きさ10mmを超えるとガス化ガス中のナフタレンを析出させる除去媒体の表面積が小さくなり、ナフタレンの除去率が低下する。
また、本発明において、ガス化ガス中のナフタレンを除去する前にガス化ガスを冷却する冷却機構としては、除去媒体の前段にガス冷却装置を設けることができる。このガス冷却装置としては、一般的な熱交換器等を使用することができる。
また、冷却機構として、冷却水パイプを除去媒体にその一部として直接設置し、この冷却水パイプに冷却水を流すようにすることができる。このように、冷却水パイプを除去媒体にその一部として直接設置し除去媒体を冷却することで、ナフタレンの除去効果が高くなるとともに、再飛散の可能性が低くなる。さらに、ガス化ガスの流れと垂直方向に冷却水パイプを配置し、この冷却水パイプを除去媒体の一部として直接設置することで、除去媒体を冷却でき、冷却水パイプのみをガス化ガス中に配置する場合に比べ、冷却機構あるいは除去媒体としての固体表面の面積が大きくなり、ガス化ガスの冷却効果及びガス化ガス中のナフタレンの除去効果が高まる。この場合、冷却水パイプに流す冷却水の温度は5℃以上、30℃以下とすることが好ましい。冷却水の温度が5℃以下では冷却水を得るに必要なエネルギーが大きくなり、30℃以上では冷却効果が低くなる。
さらに、除去媒体をガス化ガスの通路に設けたダクト内に設け、冷却機構としてダクトの周壁を水冷する機構を設けることもできる。このように内部に除去媒体を配置したダクトを冷却することで、外気の影響を受けることなく、ナフタレンの除去が可能となる。ダクトの周壁の水冷は、ダクトの周壁を水冷ジャケット構造すなわち2重構造にすることによって容易に行うことができる。また、ダクト内の圧力が高い場合には、ダクトの周壁に冷却水パイプを設置し冷却とともに補強を行うようにしてもよい。また、ダクトの周壁の水冷に加え、上述のような構成によって除去媒体自体も冷却することで、さらにナフタレンの除去効果を高めることができる。
また、本発明においては、除去媒体によるナフタレンの除去効果を維持するために、除去媒体にある程度ナフタレンが析出したら、そのナフタレンを除去媒体から除去する機構を設けることが好ましい。その一形態としては、除去媒体に衝撃を与える槌打装置を設け、除去媒体に析出したナフタレンを槌打装置の衝撃によって落下させようにすることができる。すなわち、金網等の比較的形状の単純な除去媒体に付着したナフタレンは塩類、金属酸化物に比べ強度が低いため、槌打装置によって除去媒体に振動を加えることで容易に除去することができる。この振動による除去は蒸気等による洗浄に比べ必要なエネルギーが低く抑えられ、エネルギー合理性が高い。とくに除去媒体を金網で構成すると、槌打によって得られる振動の振幅を大きくでき、除去の効果を高めることができる。なお、槌打をする場合、除去媒体に直接打撃を加えることもできるし、除去媒体を内部に配置したダクトに打撃を加え、除去媒体に間接的に打撃を加えることもできる。除去媒体に直接打撃を加える場合には、槌打装置の駆動部が外気とダクト内のガス化ガスの間に跨って位置することになるので、外気とガス化ガスとの境界部は窒素ガス等で遮断しガスシールすることが好ましい。
除去媒体からナフタレンを除去する機構の他の形態としては、除去媒体に水を噴霧する水洗浄装置を設け、これによって除去媒体の表面上に析出したナフタレンを洗浄・除去するようにすることができる。上述したように、除去媒体に析出した付着物は強度が低く、比較的容易に除去することがであり、水による洗浄でも除去が可能である。槌打装置等の機構を持つと繰り返し応力により、取り付け部等が疲労破壊する危険性が高くなるが、水による洗浄では駆動部がなく、設備の寿命が長くなる。ただし、水による洗浄では有機廃水が発生するため、排水設備が必要となる。したがって、水で洗浄する場合、洗浄廃水を油水分離し、回収された水は再利用することで廃水量を低減することが好ましい。
さらに、除去媒体からナフタレンを除去する機構の他の形態としては、除去媒体に油を噴霧する油洗浄装置を設け、これによって除去媒体の表面上に析出したナフタレンを洗浄・除去するようにすることができる。油はナフタレン等の高沸点炭化水素化合物を溶解するため、除去媒体に油を流すことでナフタレンを液体として回収することでき、回収物のハンドリング性が向上する。この回収物(油とナフタレンの混合物)は液体燃料としてガス化炉、燃焼炉等の熱源や、化学原料として利用することができる。また、洗浄用の油としては、除去媒体の後段に活性炭式吸着装置を設けている場合、その活性炭吸着層で吸着され、回収された軽質油分を使用することができる。
またさらに、除去媒体からナフタレンを除去する機構の他の形態としては、窒素、蒸気等の酸素を含まないガスを除去媒体に噴射するガス噴射装置を設け、そのガスの噴射の衝撃によって除去媒体を振動させることで、ナフタレンを除去するようにすることができる。このようにガス噴射装置を使用すれば駆動部を設ける必要がなく、また噴射するガスとして蒸気以外のガスを使用すれば有機廃水も出すことなくナフタレンの除去が可能となる。噴射するガスの圧力は、その高圧のガスの製造に必要なエネルギーと除去効果の関係から、0.3〜1.0MPaとすることが望ましい。除去圧力が0.3MPa以下では除去効果が低く、1.0MPa以上では高圧のガスを得るに必要なエネルギーが大きくなりすぎる。
以上、除去媒体からナフタレンを除去する機構の各形態を説明したが、これらの除去機構を適用した除去媒体を並列に2系統配置し、ガス化ガスの通ガスと除去媒体からのナフタレンの除去とを交互に行うようにすれば、装置の連続運転が容易になるとともに、ナフタレンの再飛散の影響を小さくすることができる。
また、本発明においては、ガス化ガスの通路にダクトを設け、このダクト内のガス化ガスの流れを垂直方向上向きとするとともに、ダクト内に除去媒体を水平方向に設け、ダクトの下部にホッパーを設け、ホッパーにダクト内のガス化ガスと外気とを遮断した状態でナフタレンを系外に排出する排出装置を設けることができる。このような構成とすることで、除去媒体から除去され落下したナフタレンをホッパーに一時的に溜め、排出装置で外気と遮断しながら排出することで、ガス化ガスからのナフタレンの分離・除去、除去媒体からナフタレンの除去及び排出が連続的に実施可能となる。なお、排出装置には2重シールダンパ方式、ロータリーバルブ方式、水封式スクリューコンベア等を採用することができる。
さらに、本発明においては、ガス化ガスの通路にダクトを設け、このダクト内のガス化ガスの流れを水平方向とするとともに、ダクト内に複数の除去媒体を水平方向に沿って所定間隔で垂直方向に設け、ダクトの下部にホッパーを設け、ホッパーにダクト内のガス化ガスと外気とを遮断した状態でナフタレンを系外に排出する排出装置を設けることができる。上記構成のようにガス化ガスの流れを上向きとした場合、除去媒体を垂直方向に沿って複数設置すると、上方で除去したナフタレン等が下方の除去媒体に堆積・付着し、排出が困難となる。これに対して、ガス化ガスの流れを水平方向とし、除去媒体を水平方向に沿って複数設置すると、1つの除去媒体から除去されたナフタレンが他の除去媒体に堆積することなく排出できる。そして、除去媒体を複数設置することで、ガス化ガスからのナフタレンの除去効率を上げることができる。
本発明によれば、ガス化ガス中のナフタレンを効率的に除去することができる。したがって、その後さらに活性炭式吸着装置でガス化ガスの浄化を行う場合に、その負荷が軽減されて活性炭の寿命が延び、ガス化ガスの浄化装置のランニングコスト低減及びメンテナンス頻度の低減を図ることができる。
以下図面に示す実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施例を示す装置構成図である。
図1において、有機性廃棄物をガス化するガス化炉1で得られたガス化ガスは、ガス冷却装置2で20〜30℃に冷却されたのち、冷却されたガス化ガスの通路内に配置された除去媒体3を通過する。このときガス化ガスの冷却によって過飽和状態になったナフタレンが除去媒体3の表面上に析出し、分離・除去される。
ガス化炉1としては、シャフト炉、ロータリーキルン炉、流動床炉、固定床炉、噴流炉等、各種の炉を使用することができる。また、ガス化炉1の加熱方式としては、生成したガス化ガスの一部を燃焼させて熱源とする部分燃焼方式と、外部熱源を使用する外熱方式のいずれでもよい。ガス冷却装置2としては一般的な熱交換器等を使用することができる。除去媒体3としては、目開きの大きさが0.5〜10mmの範囲の単層の金網を使用することが好ましい。
ナフタレンが除去されたガス化ガスは、図示しない活性炭式吸着装置に送られる。この活性炭式吸着装置でガス化ガス中の高沸点炭化水素化合物の残分やダイオキシン類等が除去され、ガス化ガスはほぼ完全に浄化され、その後ガス利用先に送られる。なお、ガス利用先において、使用するガス化ガスに高度な浄化が必要とされていない場合は、除去媒体3を通過した後のガス化ガスをそのままガス利用先で利用することもできる。
図2は、本発明の第2実施例の要部を示す装置構成図である。
この実施例は、冷却されたガス化ガスの通路にダクト4を設け、このダクト4内のガス化ガスの流れを垂直方向上向きとするとともに、ダクト内に除去媒体として金網3を水平方向に配置したものである。
また、ダクト4の下部にはホッパー5を設けており、金網3に析出後、後述する槌打装置等によって金網3から除去され落下したナフタレンをこのホッパー5に一時的に溜めるようにしている。そして、ホッパー5の下端にはダクト4内のガス化ガスと外気とを遮断した状態でナフタレンを系外に排出する排出装置6を設けており、この排出装置6によってナフタレンを外気と遮断しながら排出することで、ガス化ガスからのナフタレンの分離・除去、金網3からナフタレンの除去及び排出を連続的に実施するようにしている。
なお、排出装置6には2重シールダンパ方式、ロータリーバルブ方式、水封式スクリューコンベア等を採用することができる。
図3(a)は本発明の第3実施例の要部を示す装置構成図、図3(b)はこの第3実施例における除去媒体部分を示す平面図である。
この実施例は、ガス化ガスを冷却する冷却機構として、冷却水パイプ7を除去媒体である金網3に直接設置したものである。冷却水パイプ7には入側ヘッダ8から冷却水が供給され、その冷却水は冷却水パイプ7を通過した後、出側ヘッダ9を介して排出される。この実施例では冷却効率を上げるために、2本の冷却水パイプ7を蛇腹状に屈曲させて、金網3の上面又は下面に接するように設置している。この冷却水パイプ7によってガス化ガスは冷却され、ナフタレンが過飽和状態になり、金網3の表面に析出する。なお、ナフタレンは金網3の表面のほか、冷却水パイプ7の表面にも析出するので、冷却水パイプ7は除去媒体の一部を構成することになる。
図4は、本発明の第4実施例の要部を示す装置構成図である。
この実施例は、ガス化ガスを冷却する冷却機構として、ダクト4の周壁を2重構造として水冷ジャケット10を設けたものである。この水冷ジャケット10に冷却水を流すことで、ダクト4内のガス化ガスを冷却する。このようにダクト4自体を冷却することで、外気の影響を受けることなく、ナフタレンの除去が可能となる。なお、ダクト4の周壁を冷却するために水冷ジャケット10を設ける代わりに、ダクト4の周壁に冷却水パイプを設置してもよい。
図5は、本発明の第5実施例の要部を示す装置構成図である。
この実施例は、ガス化ガスを冷却する冷却機構として、先に説明した第3実施例の冷却機構と第4実施例の冷却機構を組み合わせたものである。これによって、ナフタレンの除去効果をさらに高めることができる。
図6は、本発明の第6実施例の要部を示す装置構成図である。
この実施例は、除去媒体からナフタレンを除去するために槌打装置11を設けたものである。この場合、図6(a)に示すように槌打装置11によって金網3に直接打撃を加えることもできるし、図6(b)に示すようにダクト4に打撃を加え、ダクト4内の金網3に間接的に打撃を加えることもできる。
なお、除去媒体に直接打撃を加える場合には、槌打装置の駆動部11aが外気とダクト4内のガス化ガスの間に跨って位置することになるので、外気とガス化ガスとの境界部は窒素ガス等で遮断しガスシールすることが好ましい。
図7は、本発明の第7実施例の要部を示す装置構成図である。
この実施例は、除去媒体からナフタレンを除去するために水洗浄装置12を設けたものである。この水洗浄装置から金網3に水を噴射し、金網3の表面上に析出したナフタレンを洗浄・除去する。洗浄後の水とナフタレンの混合物は排出装置6から排出される。
なお、水洗浄装置12と同様の構成の油洗浄装置を設け、油によって除去媒体の表面上に析出したナフタレンを洗浄・除去するようにすることもできる。この場合、洗浄用の油としては、活性炭式吸着装置を洗浄した際に回収された軽質油分を使用し、ナフタレン洗浄後の廃油はガス化炉あるいは燃焼炉に投入し、ガス化の原料や熱源とすることが好ましい。
また、水洗浄装置12と同様の構成のガス噴射装置を設け、ガス噴射装置から酸素を含まないガスを噴射し、その噴射の衝撃によって金網3を振動させてナフタレンを除去するようにすることもできる。
図8は、本発明の第8実施例の要部を示す装置構成図である。
この実施例は、ダクト4内のガス化ガスの流れを水平方向とするとともに、ダクト内に複数の金網3を水平方向に沿って所定間隔で垂直方向に設けたものである。また、ダクト4の下部には複数のホッパー5を設け、それぞれのホッパーの下端には排出装置6を設けている。さらに、各金網3に対応させて槌打装置11を設け、これによって各金網3に析出したナフタレンを各金網3から除去するようにしている。
このように、ガス化ガスの流れを水平方向とし、金網3を水平方向に沿って複数設置すると、1つの金網3から除去されたナフタレンが他の金網3に堆積することなく排出できる。そして、金網3を複数設置しているので、ガス化ガスからのナフタレンの除去効率を上げることができる。
以上、各実施例では、有機性廃棄物を熱分解して得られるガス化ガスの浄化装置について説明したが、本発明のガス化ガスの浄化装置は、有機性廃棄物を熱分解して得られるガス化ガスだけでなく、石炭等の固体有機物を熱分解して得られるガス化ガス、例えばコークス炉ガスや石炭ガス化燃料ガスにも適用可能である。
本発明の第1実施例を示す装置構成図である。 本発明の第2実施例の要部を示す装置構成図である。 (a)は本発明の第3実施例の要部を示す装置構成図、(b)はこの第3実施例における除去媒体部分を示す平面図である。 本発明の第4実施例の要部を示す装置構成図である。 本発明の第5実施例の要部を示す装置構成図である。 本発明の第6実施例の要部を示す装置構成図である。 本発明の第7実施例の要部を示す装置構成図である。 本発明の第8実施例の要部を示す装置構成図である。
符号の説明
1 ガス化炉
2 ガス冷却装置
3 除去媒体(金網)
4 ダクト
5 ホッパー
6 排出装置
7 冷却水パイプ
8 入側ヘッダ
9 出側ヘッダ
10 水冷ジャケット
11 槌打装置
11a 槌打装置の駆動部
12 水洗浄装置

Claims (2)

  1. 有機性廃棄物又は石炭等の固体有機物を熱分解して得られたガス化ガスを浄化するガス化ガスの浄化方法において、ガス化ガスを10〜40℃に冷却し、冷却されたガス化ガスの通路内に設けた除去媒体の表面にガス化ガス中のナフタレンを析出させて除去し、その後、ガス化ガスを加熱してその温度を10〜20℃上昇させ、加熱されたガス化ガスを活性炭吸着装置に送ることを特徴とするガス化ガスの浄化方法。
  2. 除去媒体が単層の金網であり、前記ガス化ガスの冷却を、前記金網の上面又は下面に接するように設置され蛇腹状に屈曲させた冷却水パイプで行う請求項1に記載のガス化ガスの浄化方法。
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