JP4664633B2 - 通信ネットワークにおけるブロードキャストおよびマルチキャスト情報の信号方式 - Google Patents

Description

本発明は、ブロードキャスト／マルチキャスト・サービス（ＢＣＭＣＳ）をサポートする通信システムまたは通信ネットワークにおける信号情報（信号伝達情報）に関する。

現在の第２世代および第３世代の無線システムは、基本的にユニキャストの音声およびデータ・サービスをサポートするように設計されている。こうしたエンド・ユーザ向けのユニキャスト・サービスのサポートは、さまざまな無線技術およびネットワーキング技術の進歩によって実現されてきた。現在、３ＧＰＰや３ＧＰＰ２のような国際標準化機構で重視しているのは、発展するネットワークを使用したブロードキャスト／マルチキャスト・サービス（ＢＣＭＣＳ）のサポートを可能にするプロトコルと手順の設計である。ＢＣＭＣＳは、情報の１つのストリームを多数の受信者に同時に配信することでトラフィックを削減する帯域幅節約技術である。こうしたサービスの例には、音声ディスパッチまたはプレストーク（ＰＴＴ）タイプのサービスやブロードキャスト／マルチキャスト・ストリームなどがある。

最近の業界の関心は公衆・セーフティ無線ネットワーク（ＰＳＷＮ）の状況にあり、中でもＢＣＭＣＳのサポートは無線リソースを管理する上で特に重要である。無線リソース管理手順に対して、ＢＣＭＣＳコンテンツを確立し、配信するときの遅延を短縮すること、さまざまなマルチキャスト・グループ数および／またはさまざまなマルチキャスト・グループごとのユーザ数に対応できること、高度なサービス機能（たとえば、複数のＢＣＭＣＳストリームのコンテンツを監視し、抽出する機能）を提供することが求められている。さらに、無線リソース管理手順には、高スペクトル効率を実現すること、セキュリティ（認証、暗号化、ＩＤ保護）を提供すること、およびモバイル・ステーションのバッテリの寿命を延長することも求められている。このように、スペクトル効率を高め、バッテリの寿命を延ばし、柔軟なサービスを提供する無線リソース管理手順は、ネットワーク・オペレータの関心事である。

こうして、音声とデータを組み合わせたサービスを提供する第３世代の無線通信システムのスペクトル効率を上げ、サービスをより柔軟にするための無線リソース管理手順を設計するために、新しい技術的な課題が生まれつつある。音声とデータを組み合わせたサービスの需要を満たす上で、ＢＣＭＣＳストリームまたはフローを送信するにはシステム・オーバーヘッド情報を搬送する必要がある。このシステム情報には、具体的にはたとえば無線チャネル構成、論理チャネルから物理チャネルへのマッピング、隣接リスト情報などがある。

ブロードキャスト・サービス・パラメータ・メッセージ（ＢＳＰＭ）と呼ばれるメッセージによって、このＢＣＭＣＳに関連する信号情報（信号伝達情報）が搬送される。ＢＳＰＭのサイズは、セクタ内で論理チャネルから物理チャネルへのマッピング（ＬＰＭ）を確立するブロードキャスト／マルチキャスト（ＢＣＭＣ）セッションの数などの要因によって変わる。ＬＰＭによって、転送リンクでどのＢＣＭＣＳコンテンツがどの物理チャネル（たとえばｃｄｍａ２０００の転送ブロードキャスト補助チャネル（Ｆｏｒｗａｒｄ Ｂｒｏａｄｃａｓｔ Ｓｕｐｐｌｅｍｅｎｔａｌ Ｃｈａｎｎｅｌ）（Ｆ−ＢＳＣＨ）など）で搬送されるかが指定される。ＢＳＰＭの長さは数百バイトに及ぶこともある。ＢＳＰＭを適切なタイミングで配信するには、数ｋｂｐｓ程度の転送速度が要求される。

ＢＳＰＭフローのＢＣＭＣコンテンツの可用性を迅速に通知したり、特定のＢＣＭＣフローのコンテンツ配信を迅速に開始したりできるように、「タイミング重視（タイム・クリティカル）」のＢＳＰＭを短い遅延で配信できる効率のよいＢＳＰＭ搬送方法を設計し、定義する必要がある。また、ＢＳＰＭはスペクトル効率の高いチャネルを使用して送信する必要があり、ＢＣＭＣに対応するモバイル・ステーションのバッテリの寿命に大きく影響してはならない。さらに、ＢＳＰＭ（とその送信）はＢＣＭＣに対応しないモバイル・ステーションのバッテリの寿命への影響を最小限に抑える必要がある。

ｃｄｍａ２０００ ３Ｇ．１ｘなどの第３世代無線通信ネットワークにおける現在のＢＳＰＭ送信技術には、ページング・チャネル（ＰＣＨ）および／または転送共通制御チャネル／転送ブロードキャスト制御チャネル（Ｆ−ＣＣＣＨ／Ｆ−ＢＣＣＨ）の使用が含まれる。ｃｄｍａ２０００ ３Ｇ．１ｘ拡散スペクトル・システムなどの第３世代無線通信ネットワークにおいて、ＰＣＨはベース・ステーションからモバイル・ステーションに制御情報およびページを送信するための転送ＣＤＭＡチャネル内のコード・チャネルである。ページング・チャネル・スロットは、ＰＣＨ上で８０ミリ秒間隔で定義される。スロット・モードで動作するモバイル・ステーションでは、ベース・ステーションからのメッセージを監視する専用のスロットが割り当てられる。アイドル状態とスロット・モードで動作するモバイル・ステーションはＰＣＨおよびＦ−ＣＣＣＨの選択されたスロットのみを監視するので、バッテリの寿命が長くなる。

「クイック・ページング」と呼ばれる機能を使用すると、スロット・モードの動作による節約以上にモバイル・ステーションのバッテリ電力がさらに節約される。クイック・ページング・チャネル（ＱＰＣＨ）は、ベース・ステーションから送信されるコード化されていないオン／オフ キー（ＯＯＫ）付きの拡散スペクトル信号であり、アイドル状態で動作するスロット・モードのモバイル・ステーションにＰＣＨまたは転送共通制御チャネル（Ｆ−ＣＣＣＨ）を監視するかどうかを通知する。ＰＣＨと同様に、ＱＰＣＨの間隔は８０ミリ秒である。ページング・インディケータは、ＱＰＣＨで送信される１ビットのデータである。クイック・ページング・インディケータは、ハッシング・アルゴリズムによって対でモバイル・ステーションに関連付けられる。モバイル・ステーションに割り当てられたＱＰＣＨスロット内の両方のページング・インディケータの値は、アイドル状態で動作するスロット・モードのモバイル・ステーションに対して、モバイル・ステーションが次のスロットでＰＣＨまたはＦ−ＣＣＣＨの開始を監視する必要があることを警告する機能を果たす。

一般に、ＰＣＨ技術には、ＢＳＰＭが変更されたことを示すためのページングとＰＣＨでどんなＢＳＰＭが送信されたかを示すためのページングが含まれる。ＰＣＨ上のＢＳＰＭ送信の場合は、データ転送速度が比較的低い（最大約９．６ ｋｂｐｓにすぎない）。また、スペクトル効率が低いので、タイミング重視の長いＢＳＰＭを送信するには効率が悪い。

現在、ＰＣＨプロトコルは２とおりのブロードキャスト・メッセージ送信方法、（ａ）マルチスロット・ブロードキャスト・メッセージ送信と（ｂ）周期的ブロードキャスト・ページングを提供する。各方法により、スロット・モードまたは非スロット・モード（スロット・モードに対比する定義）で動作するモバイル・ステーションはブロードキャスト・メッセージを受信できる。（ａ）の方法では、ブロードキャスト・メッセージが割当て済みの多くのスロットで送信されるので、スロット・モードで動作するすべてのモバイル・ステーションはこのメッセージを受信できる。したがって、割り当てられたすべてのスロットで１スロット・サイクル内にＢＳＰＭが送信されるので、転送リンク・リソースが効率よく利用されない可能性がある。

（ｂ）の方法では、ブロードキャスト・メッセージを受信するように構成されたモバイル・ステーションが特定のブロードキャスト・スロット（たとえばブロードキャスト・ページング・サイクルの最初のスロット）を監視する。送信されるすべてのブロードキャスト・メッセージがブロードキャスト・ページング・サイクルの最初のスロットに入る場合は、そのすべてがこのブロードキャスト・スロットで送信される。送信するブロードキャスト・メッセージが唯一の場合は、唯一のブロードキャスト・メッセージがこのブロードキャスト・スロットの先頭部分で送信される。

あるいは、１つまたは複数のブロードキャスト・ページをブロードキャスト・ページング・サイクルの最初のスロットで送信することもできる。各ブロードキャスト・ページは、後続のブロードキャスト・スロットに関連付けられる。ブロードキャスト・ページごとに、関連付けられた後続のブロードキャスト・スロットで関連のブロードキャスト・メッセージを送信できる。（ｂ）で問題となるのは、ＱＰＣＨをサポートするＢＣＭＣ非対応のモバイル・ステーションでＢＳＰＭのデコードが「実行」されることである。したがって、この方法ではこうしたＢＣＭＣに対応しないモバイル・ステーションのバッテリの寿命が短くなる。

ＢＳＰＭをＦ−ＣＣＣＨに送信する場合は、Ｆ−ＣＣＣＨ上のページングを使用してスロット・モードのモバイル・ステーションにＢＳＰＭの送信を通知し、Ｆ−ＢＣＣＨを使用してＢＳＰＭを搬送する。Ｆ−ＣＣＣＨのページングに使用できる１つの方法は、マルチスロットの拡張ブロードキャスト・ページを使用することである。ただし、この方法にはＰＣＨのマルチスロット・ブロードキャスト・メッセージ送信と同じ問題がある。つまり、ＢＳＰＭは割り当てられたすべてのスロットで１スロット・サイクル内に送信されるので、転送リンク・リソースが効率よく利用されない可能性がある。

Ｆ−ＣＣＣＨ上でＢＳＰＭを送信するもう１つの方法として、周期的拡張ブロードキャスト・ページの使用がある。ただし、この方法にはＰＣＨに関連して記述した周期的ブロードキャスト・ページング（Ｐｅｒｉｏｄｉｃ Ｂｒｏａｄｃａｓｔ Ｐａｇｉｎｇ）と同様の問題がある。換言すれば、ＢＣＭＣＳをサポートしないモバイル・ステーションのバッテリの寿命という同じ問題である。また、最小のブロードキャスト・ページング・サイクルは５．１２秒であり、「タイミングを重視する」ＢＳＰＭを配信するときの遅延の要件に悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、ＢＳＰＭ情報技術が頻繁に変更されると、（ＢＣＭＣＳに関連のない）他のシステム情報に変更がない場合でも、従来のモバイル・ステーションではＦ−ＢＣＣＨを監視する必要がある。

典型的な実施形態は、ブロードキャスト／マルチキャスト・サービスをサポートする通信ネットワーク内のユーザのグループに宛てた情報の信号伝達方法を対象としている。グループに関連する信号情報の送信を示すためにインディケータ・ビット列の１つまたは複数のインディケータ・ビットを割り当てることができる。このビット列が最初のチャネルでグループに送信され、グループに関連する信号情報が２番目のチャネルで送信される。
本発明の典型的な実施形態は、以下の詳細な説明と添付の図面からより詳細に理解できる。図面には、同様な要素を同様な参照番号で示しており、例示のみを目的とする。したがって、以下に示す本発明の典型的な実施形態への制限を意味するものではない。

以下の説明は、ブロードキャスト／マルチキャスト・サービス（ＢＣＭＣＳ）をサポートする一般的な無線通信ネットワークまたはシステムに基づいて記述されており、この典型的な状況に関して記述されているが、ここに示し、説明する典型的な実施形態は単に例示を目的とするものであり、いかなる制限を意味するものでもないことに注意されたい。したがって、現在ＢＣＭＣＳをサポートしているかサポートするように構成されており、本明細書による教示で意図するたとえば３Ｇ−１ｘ ＥＶ−ＤＯ、３Ｇ−１ｘ ＥＶ−ＤＶ、ＵＭＴＳ技術に基づく無線通信システムまたはネットワークに適用する上で、さまざまな変更が可能であることは当業者には明らかであろう。

また、「ユーザ」という用語を以下で使用する場合は、ユーザの装置、講読者、ＢＣＭＣＳ加入者、モバイル・ステーション、リモート・ステーション、アクセス端末などと同義と見なされるが、無線通信ネットワーク内の無線リソースのリモート・ユーザを表す。ユーザは、マルチキャスト・メッセージの受信者を指すこともある。ＢＣＭＣＳのユーザのグループを、簡単に「ＢＣＭＣグループ」または「マルチキャスト・グループ」と呼ぶ場合もある。

用語「ベース・ステーション」および「ノードＢ」は同義と見なされ、ネットワークと１つまたは複数のモバイル・ステーションとのデータ接続を可能にする装置を表す。システムまたはネットワーク（アクセス・ネットワークなど）には、１つまたは複数のベース・ステーションを配置できる。

ＢＣＭＣＳなどのポイントツーマルチポイント・サービスを使用すると、唯一のソース・エンティティのデータを複数のエンドポイントに送信できる。ＢＣＭＣＳの目的は、無線チャネルを介してデータを送信するときに無線／ネットワーク・リソースを効率的に利用することである。データは、ネットワークで定義するマルチキャスト領域に送信できる。ネットワークでは、マルチキャスト・グループのメンバーが属するマルチキャスト領域内のセクタにＢＣＭＣＳコンテンツを選択的に送信できる。

ユーザが受信するＢＣＭＣＳには、１つまたは複数の連続するマルチキャスト・セッションを含めることができる。ＢＣＭＣＳは、（たとえばマルチメディア・ストリームのように）実行中の唯一のセッションでもよいが、（メッセージのように）長時間にわたる複数の不連続なＢＣＭＣＳセッションで構成されていてもよい。ＢＣＭＣＳを利用するアプリケーション、したがって本発明の典型的な実施形態を利用するアプリケーションには、音声ディスパッチやプレストーク（ＰＴＴ）タイプのサービス、ブロードキャスト／マルチキャスト・ストリーム、テレビ会議、企業広報、通信教育、オンライン入札、オンライン・ゲーム、ソフトウェア配布、株価情報配信、ニュース配信などが含まれるが、これらに限定はされない。

一般に、本発明の典型的な実施形態はブロードキャスト／マルチキャスト・サービス（ＢＣＭＣＳ）をサポートする無線通信ネットワークまたはシステムにおけるユーザ・グループへの信号情報の送信とユーザ・グループによる信号情報の受信を対象としている。以下の説明では、ユーザのグループは「ＢＣＭＣグループ」、「マルチキャスト・グループ」と見なす。あるいは簡単に「グループ」と表す。

典型的な実施形態は、「ブロードキャスト・サービス・パラメータ・メッセージ（Ｂｒｏａｄｃａｓｔ Ｓｅｒｖｉｃｅ Ｐａｒａｍｅｔｅｒｓ Ｍｅｓｓａｇｅ）」（ＢＳＰＭ）と呼ばれるシステム・オーバーヘッド・メッセージが各ＢＣＭＣグループに送信されるブロードキャスト／マルチキャスト・サービス（ＢＣＭＣＳ）をサポートする通信ネットワーク内のユーザのグループに宛てた信号方式を目的としている。ページング・チャネルまたは制御チャネルで搬送されるＢＳＰＭには、たとえばクイック・ページング・チャネルの指定された１つまたは複数のスロットに配置された１つまたは複数のインディケータ・ビットが割り当てられ、グループ内の１人または複数のユーザに送信される。あるいは、クイック・ページング・チャネルには、チャネルのスロット内の所与のビット位置にインディケータを配置できる。インディケータは、グループ内の１人または複数のユーザが購読する所与のブロードキャスト／マルチキャスト・サービス・コンテンツ・フローの一意のフローＩＤ（ＢＣＭＣＳフローＩＤ）として有効にする信号情報にマップされる。

もう１つの典型的な実施形態は、ページング・チャネルまたは共通制御チャネルがユーザのグループに送信される、ユーザのグループに宛てた信号方式を対象としている。ページング・チャネルまたは共通制御チャネル（ＰＣＨ／Ｆ−ＣＣＣＨ）には、グループ内の１人または複数のユーザが購読するブロードキャスト／マルチキャスト・サービスの信号情報を含むページング・スロットを配置できる。ページング・スロットを、たとえばブロードキャスト／マルチキャスト（ＢＣＭＣ）スロットと呼ぶこともある。

もう１つの典型的な実施形態は、ＱＰＣＨ内のＢＳＰＭインディケータの割当てとＰＣＨ／Ｆ−ＣＣＣＨ内のＢＣＭＣページング・スロットの使用を組み合わせてＢＣＭＣＳに関連する信号情報を搬送する、ユーザのグループに宛てた信号方式を目的としている。まずＱＰＣＨが送信され、それからページング・スロットを使用してＰＣＨ／Ｆ−ＣＣＣＨが送信される。ページング・スロットには、グループ内の１人または複数のユーザが購読するブロードキャスト／マルチキャスト・サービスの信号情報（ＢＳＰＭなど）が含まれる。

もう１つの典型的な実施形態は、信号情報がブロードキャスト／マルチキャスト・サービス・コンテンツを伴って物理チャネルでグループ１人または複数のユーザに送信されるグループに宛てた信号方式を対象としている。換言すれば、Ｆ−ＢＳＣＨなどの１つの物理チャネルを使用してＢＳＰＭおよびＢＣＭＣＳコンテンツを送信できる。

もう１つの典型的な実施形態は、信号情報の一部が最初のチャネルで送信され、信号情報の別の一部が２番目のチャネルで送信され、ブロードキャスト／マルチキャスト・サービス・コンテンツを伴ってグループの１人または複数のユーザに送信される、グループに宛てた信号方式を対象としている。たとえば、最初のチャネルがＱＰＣＨで２番目のチャネルがＦ−ＢＳＣＨでもよい。

図１は、本発明の典型的な実施形態によるクイック・ページング・チャネルのスロット構造を示す図である。図１を参照すると、クイック・ページング・チャネル（ＱＰＣＨ） １００のスロット構造が示されており、ブロードキャスト・スロット１６５でＢＳＰＭなどの信号情報を搬送するＰＣＨ／Ｆ−ＣＣＣＨ １５０とＱＰＣＨ １００との関係が示されている。

ＢＳＰＭは、転送ＰＣＨにオーバーヘッド・メッセージとしてセクタごとに連続的に送信できるが、Ｆ−ＢＣＣＨに搬送することもできる。ユーザ（モバイル・ステーション）はＢＳＰＭをデコード（解読）し、トラフィック・チャネル（Ｆ−ＢＳＣＨ）を介してＢＣＭＣＳコンテンツを受信するのに必要な関連の信号情報を取得する。たとえば、ＢＣＭＣＳコンテンツを搬送する各Ｆ−ＢＳＣＨのデータをＢＳＰＭに含めることができる。このデータには、Ｆ−ＢＳＣＨの無線チャネル構成、データ転送速度、フレーム・サイズ、チャネル化コード・データ、多重化オプション、チャネル周波数を含めることができる。さらに、ＢＣＭＣＳコンテンツごとに、ＢＣＭＣＳコンテンツ識別子（たとえばＢＣＭＣＳフローＩＤ）、ＢＣＭＣＳ送信インディケータ、１つまたは複数の論理チャネルから物理チャネルへのマッピング（ＬＰＭ）などのデータをＢＳＰＭに含めることができる。各ＬＰＭには、隣接するＢＣＭＣＳ構成と隣接するＢＣＭＣＳパラメータを含めることができる。これを簡単に「隣接リスト」と呼ぶ場合もある。

もう一度図１を参照すると、ＱＰＣＨ １００には複数のＱＰＣＨスロット１２０を含めることができる。各スロットの間隔は約８０ミリ秒であるが、このスロット・サイズは８０ミリ秒に限定されず、他の値でもよい。個々のＱＰＣＨスロット１２０には、クォーター・スロット１２５を配置できる。図１に示すように、クォーター・スロット１２５ごとに１つのインディケータ・ビットを搬送できる。こうしたインディケータ・ビットは、対で（Ａ１，Ａ２）および（Ｂ１，Ｂ２）と表される。このようなインディケータ・ビットは「ＢＳＰＭインディケータ」と呼ばれる。この場合、このＢＳＰＭインディケータは特定のＢＣＭＣグループに固有でなく、すべてのＢＣＭＣグループで使用するインディケータである。無線通信ネットワークでは、ＱＰＣＨ １００ごとにすべてのＢＣＭＣＳフローに関する２つのインディケータ・ビット位置をＱＰＣＨスロット１２０に割り当てることができる。換言すると、たとえばＢＣＭＣＳフロー「Ａ」が「ＨＢＯ」（ネットワーク・プログラミング）を表す場合、ＢＣＭＣＳフロー「Ａ」の２つのインディケータ・ビット位置はＡ１とＡ２である。

図１で、ＢＳＰＭインディケータ（Ａ１，Ａ２）と（Ｂ１，Ｂ２）はＱＰＣＨスロット１２０で搬送され、ＰＣＨ／Ｆ−ＣＣＣＨ １５０の対応するブロードキャスト・スロット１６５に先行する。図１に示すように、ＱＰＳＫスロット１２０にはＰＣＨ／Ｆ−ＣＣＣＨ １５０のブロードキャスト・スロット１６５から約１００ミリ秒のオフセットがある。図１では、ＢＳＰＭインディケータが各クォーター・スロット１２５の最初のビット位置に示されている。ＢＳＰＭインディケータは、ＱＰＣＨ １００内で現在予約されているビット位置でもＱＰＣＨ １００用に新しく定義したビット位置でもなく、ＱＰＣＨ １００内の既存のインディケータ・ビット位置に設定できる。

ＢＣＭＣグループなどのユーザ・グループに信号情報を送信するには、ネットワークでＱＰＣＨチャネル１００にＢＳＰＭインディケータを割り当ててから（たとえば図１に示すようにクォーター・スロット１２５の所与のビット位置を使用）、ＱＰＣＨチャネル１００をグループに送信する。

ユーザ・サイドでＢＣＭＣＳ関連の信号情報を受信するには、ユーザがＢＣＭＣに対応し、スロット・モードで動作し、さらにＱＰＣＨをサポートしている必要がある。ユーザはＱＰＣＨスロット１２０をデコードしてクォーター・スロット１２５に配置されたインディケータを解読し、後続のＢＳＰＭのブロードキャスト・スロット１６５を監視するかどうかを判断する必要がある。両方のＢＳＰＭインディケータ（Ａ１，Ａ２）および／または（Ｂ１，Ｂ２）が有効な場合（たとえばユーザが両方のＢＳＰＭインディケータが「ＯＮ」であることを認識した場合）、ユーザはＢＳＰＭのＱＰＣＨスロット１２０の直後に続くブロードキャスト・スロット１６５を監視する。それ以外の場合は、少なくとも１つのＢＳＰＭインディケータが「ＯＦＦ」（有効でない）なので、ユーザ（モバイル）はＢＳＰＭのＱＰＣＨスロット１２０の後に続くブロードキャスト・スロット１６５を監視しない。

図１に関連して説明する信号方式では、ＢＣＭＣＳをサポートせず、ＱＰＣＨをサポートするモバイル・ステーションのバッテリの寿命が大幅に延長されており、それ以外のユーザには全く影響を及ぼさない。また、図１の構造では、スロット・サイクル内でＢＳＰＭを繰り返すことがないので、転送リンク上で効率的なＢＳＰＭ送信が実現する。

ＱＰＣＨをサポートし、ＢＣＭＣに対応するユーザは、１ブロードキャスト・ページング・サイクルの間、ＱＰＣＨ １００の唯一のスロット１２０について２つの追加ビットを監視すればよい。このことでモバイル・ステーションが特に複雑になることはない。ＢＣＭＣに対応するがＱＰＣＨをサポートしないユーザにもなんら悪影響はない。ユーザは、ＢＳＰＭにユーザが監視しようとしているＢＣＭＣフローの情報が含まれているかどうかにかかわらず、ＢＳＰＭをデコードする。

図２は、本発明のもう１つの典型的な実施形態によるクイック・ページング・チャネルのスロット構造を示す図である。図２は、セクタ内またはセル内のすべてのＢＣＭＣグループに関するＢＳＰＭインディケータ位置でなく、指定されたＢＣＭＣグループのＢＳＰＭインディケータ位置を設定したＱＰＣＨを示している。図２は図１とほぼ同じなので、相違点のみを説明する。

図２では、モバイル・ステーションにＱＰＣＨ １００のハッシング手順を採用でき、ＢＣＭＣＳフローＩＤなどの信号情報を使用してＱＰＣＨ １００の２つのインディケータ・ビット位置に「ハッシング」する。ＱＰＣＨ １００のＱＰＣＨスロット１２０には、ＰＣＨ／Ｆ−ＣＣＣＨ １５０のブロードキャスト・スロット１６５から１００ミリ秒のオフセットがある。ＢＳＰＭインディケータ・ビットは、ＱＰＣＨ １００内で現在予約されているビット位置でもＱＰＣＨ １００用に新しく定義したビット位置でもなく、ＱＰＣＨ １００内の既存のインディケータ・ビット位置に設定できる。

図１の典型的な実施形態とは異なり、図２のＱＰＣＨ １００では先頭と３番目のクォーター・スロット１２５にＢＳＰＭインディケータＡ１とＡ２が配置されているが、矢印１２４と１２６で一般的に示すようにクォーター・スロット１２５ごとに位置が異なる。同様に、図２のＱＰＣＨ １００では２番目と４番目のクォーター・スロット１２５にＢＳＰＭインディケータＢ１とＢ２が配置されているが、矢印１２７と１２９で一般的に示すようにクォーター・スロット１２５ごとに位置が異なる。これらのＢＳＰＭインディケータは、フロー・パラメータ（ＢＣＭＣＳフローＩＤ）によって変わるので、図１に示す実施形態とは異なり、フローに固有のインディケータである。

図２は、以下の例に関連して参照できる。ＨＢＯに対応するＢＣＭＣフロー「Ａ」とＣＮＮに対応するＢＣＭＣフロー「Ｂ」について考察する。ＢＳＰＭインディケータ位置１２４と１２６（Ａ１，Ａ２）はＨＢＯに対応し、位置１２７と１２９（Ｂ１，Ｂ２）はＣＮＮに対応する。これらの位置のＢＳＰＭインディケータ・ビットは、ブロードキャスト・スロット１６５に先行するＱＰＳＫスロット１２０に搬送される。この実施形態では、ＢＳＰＭインディケータがフローに固有なので、ＣＮＮに関心のあるモバイル・ステーション（ユーザ）は（Ｂ１，Ｂ２）のみを監視し、両方のＢＣＭＣＳコンテンツ（ＨＢＯ，ＣＮＮ）に関心のあるユーザはスロット１２０のインディケータ対（Ａ１，Ａ２）と（Ｂ１，Ｂ２）の両方を監視する。ここで、ＨＢＯインディケータとＣＮＮインディケータは別のクォーター・スロット対に示されているが、このように配置する必要はない。たとえば、複雑性を最小限に抑えるには、個々のモバイル・ステーションでスロット内の唯一のクォーター・スロット対を監視すればよい。このような場合は、ＨＢＯインディケータとＣＮＮインディケータを重複するクォーター・スロット対に配置する必要があろう。

したがって、ユーザ・サイドで信号情報を受信するためには、ＢＣＭＣグループ内のユーザがＱＰＣＨ １００をデコードしてマップされるＢＳＰＭインディケータを解読し、ＢＣＭＣグループ内の１人または複数のユーザが購読する所与のブロードキャスト／マルチキャスト・サービス・コンテンツ・フローの一意のフローＩＤを有効にする。この操作により、前の実施形態で説明したように、ユーザは信号情報（ＢＳＰＭ）のＰＣＨ／Ｆ−ＣＣＣＨ １５０を監視すべきかどうかを判断することができる。

換言すると、ＢＣＭＣグループの１人のユーザ（または複数のユーザ）がそのユーザが購読する特定のブロードキャスト／マルチキャスト・サービス・コンテンツ・フローに対応するＱＰＣＨスロット１２０のＢＳＰＭインディケータ、すなわちＢＣＭＣフローＩＤに対応するＢＳＰＭインディケータを監視する必要がある。次に、ＱＰＣＨスロット１２０をデコードした結果が、購読されている少なくとも１つのブロードキャスト／マルチキャスト・サービス・コンテンツ・フローについて２つのＢＳＰＭインディケータ・ビットが有効（「ＯＮ」）であることを示す場合、ユーザはＱＰＣＨスロット１２０に続くブロードキャスト・スロット１６５のＢＳＰＭ送信を監視する。それ以外の場合は、ＢＳＰＭインディケータが有効でない（「ＯＦＦ」）と見なされるので、ユーザはブロードキャスト・スロット１６５のＢＳＰＭを監視しない。

上の実施形態では、ＢＣＭＣフローＩＤからＢＳＰＭインディケータへのハッシングで示されるように、モバイル・ステーションで関心のあるＢＣＭＣフローの信号情報がＢＳＰＭに含まれていない場合はモバイル・ステーションがＢＳＰＭをデコードしない。したがって、上の信号方式ではモバイル・ステーションのバッテリの寿命がさらに長くなる。

図３は、本発明のもう１つの典型的な実施形態によるクイック・ページング・チャネルのスロット構造と、ページング・チャネルまたは制御チャネルのＢＣＭＣスロットを示す図である。もう１つの典型的な実施形態は、ＢＣＭＣグループに送信されるＰＣＨ／Ｆ−ＣＣＣＨにページング・スロットが含まれる、ユーザのグループに宛てた信号方式を対象としている。ページング・スロット（「ＢＣＭＣスロット」と呼ぶ）には、グループ内の１人または複数のユーザが購読するブロードキャスト／マルチキャスト・サービスの信号情報が含まれる。このＢＣＭＣスロットの定義は、ＰＣＨ／Ｆ−ＣＣＣＨに指定されたブロードキャスト・スロットと同様である。

ここで図３を参照するが、簡略化のために図１および図２との相違点のみを説明する。図３は、図１および／または図２の典型的な実施形態で説明したように、ＢＣＭＣスロットをＢＳＰＭインディケータの割当てと組み合わせて使用できることを示している。ＢＳＰＭは、ＰＣＨ／Ｆ−ＣＣＣＨ １５０の特定のＢＣＭＣスロット３６５に送信される。ＢＣＭＣスロット３６５は、ＢＣＭＣページング・サイクルの最初のスロットでもよい。ＰＣＨ／Ｆ−ＣＣＣＨ １５０のＢＣＭＣページング・サイクルの間隔は、Ｂ＋Ｎの関係を満たす（ただし、Ｂ＝２^ｉ×１６、ただしｉはｉ_１およびｉ_２を境界とする構成パラメータ（ｉ_ｌ≦ｉ≦ｉ_２））。したがって、パラメータｉは正または負の整数である。パラメータｉは負の値を想定できるので、タイミングを重視するアプリケーションにはより短いページング・サイクルを指定できる。ＢＣＭＣページング・サイクルがブロードキャスト・ページング・サイクルと異なるかぎりは、定数Ｎは任意の正の整数でよい（Ｎ＝０，１，．．．Ｎ−１）。ＢＳＰＭとブロードキャストのページング・サイクルが異なれば、両者間の競合を最小限に抑えることができる。さらに、ユニキャスト・サービスのページングへの影響をユニキャスト・モバイル全体に効率よく分散できる。前述のように、パラメータｉは負の値をとることができるので、「負のＢＣＭＣページング・サイクル」を指定できる。したがって、前述の関係を使用して標準で現在のブロードキャスト・ページング・サイクルより小さいＢＣＭＣページング・サイクルを使用できる。

図１および図２と同様に、ＢＳＰＭインディケータ（前述）はＢＣＭＣスロット３６５からのオフセットが１００ミリ秒のＱＰＣＨスロット１２０で搬送される。ＱＰＣＨをサポートするＢＣＭＣ対応のユーザが信号情報を受け取る手順は、図１および図２に関連して上に説明した手順と同様なので、詳細は省略する。たとえば、ＢＳＰＭインディケータがフローに固有でなく、両方のＢＳＰＭインディケータが有効（「ＯＮ」）の場合は、モバイル・ステーションはＱＰＣＨスロット１２０に続くＢＣＭＣスロット３６５でＢＳＰＭを監視する。ＢＣＭＣ対応でＱＰＣＨ １００をサポートしないモバイルは、ＰＣＨ／Ｆ−ＣＣＣＨ １５０の各ＢＣＭＣスロット３６５でＢＳＰＭを監視する。

もう１つの典型的な実施形態は、唯一のチャネルを使用して信号情報とＢＣＭＣＳコンテンツを送信する、グループに宛てた信号方式を目的としている。たとえば、Ｆ−ＢＳＣＨでＢＳＰＭ送信が可能なので、信号データはブロードキャスト／マルチキャスト・サービス・コンテンツとともに唯一のトラフィック・チャネルでＢＣＭＣグループのユーザに送信される。たとえば、ＳＲ＿ｉｄ ０００のように指定されたフィールドを保持するネットワークによってＦ−ＢＳＣＨでのＢＳＰＭ送信が可能であり、対応するパケット・データ単位（ＰＤＵ）送信が実際にはＢＳＰＭであることを示している。したがって、この典型的な実施形態はＢＣＭＣフローを監視するモバイル・ステーションへのＢＳＰＭ送信に適しているが、共通チャネル（Ｆ−ＣＣＣＨ／ＢＣＣＨ）でそうしたモバイル・ステーションに大きなＢＳＰＭを送信するスペクトル効率の高い方法を提供することはできない。

もう１つの典型的な実施形態は、信号情報の一部が最初のチャネルで送信され、信号情報の別の一部が２番目のチャネルで送信され、ブロードキャスト／マルチキャスト・サービス・コンテンツを伴ってグループの１人または複数のユーザに送信される、グループに宛てた信号方式を対象としている。たとえば、最初のチャネルがＱＰＣＨで、２番目のチャネルがＦ−ＢＳＣＨでもよい。

たとえば、ＢＣＭＣグループでＢＳＰＭを監視するかどうかを判断するには、ＢＳＰＭデータの一部のみを送信すればよい。前述の一部のデータにはブロードキャスト／マルチキャスト・サービス・コンテンツ識別子（ＢＣＭＣフローＩＤ）を含めることができ、かつ／または論理チャネルから物理チャネルへのマッピング・データ（ＬＰＭ）をＱＰＣＨ １００または代替としてＰＣＨ／Ｆ−ＣＣＣＨ １５０で送信できる。残りのＢＳＰＭデータは、ＢＣＭＣＳコンテンツを伴ってＦ−ＢＳＣＨなどのトラフィック・チャネルで送信できる。

本発明の典型的な実施形態にはいくつかの利点がある。ページングを使用してＱＰＣＨ上でＢＣＭＣＳのＢＳＰＭインディケータを割り当てることでＢＳＰＭ送信を示すことが可能である。必要に応じて、ＰＣＨおよびＦ−ＣＣＣＨ上でＢＣＭＣページング・スロットを定義できる。ＰＣＨを使用するだけでなく、必要に応じてＦ−ＣＣＣＨを使用してＢＳＰＭを送信できる。これで、従来Ｆ−ＣＣＣＨでは不可能だった最大３８．４ ｋｂｐｓの高速データ転送が可能になる。さらに、典型的な実施形態によるＢＳＰＭ送信は、スペクトル効率の向上を実現し、タイミング重視のＢＳＰＭを効率よく送信するのに適している。

また、共通制御チャネルだけでなくＦ−ＢＳＣＨなどのトラフィック・チャネルを使用したＢＳＰＭ送信により、可用性が向上し、ネットワーク・オペレータの選択肢が広がる。さらに、本信号方式は、ＢＣＭＣＳをサポートしないモバイル・ステーションのバッテリの寿命への影響を最小限に抑え、転送リンク・リソースを効率よく使用してＢＳＰＭを送信するように設計されている。したがって、「タイミング重視」のＢＳＰＭを適切なタイミングでユーザに送信でき、前述の方法によって、共通チャネルを監視せずにＢＣＭＣフローを監視するユーザにＢＳＰＭを送信できる。

さらに、本発明の典型的な実施形態により、ＢＳＰＭの更新を更新の受信者として指定した特定のＢＣＭＣグループ宛てに送信でき、ＢＳＰＭメッセージ全体を何度も繰り返す必要はない。ＢＳＰＭ全体の周期的送信（現在のＢＳＰＭ送信方法および／または周期的ブロードキャスト・ページングと同様）が有効な場合は、ＣＯＮＦＩＧ＿ＭＳＧ＿ＳＥＱのようにＢＣＭＣに固有のインディケータ列によってＢＣＭＣに対応しないモバイル・ステーションのバッテリの寿命を節約するので、ここに記載する方法を使用すればバッテリの寿命を節約しながらタイミング重視のＢＳＰＭのスペクトル効率のよい更新が可能になる。更新には、ＢＳＰＭメッセージ全体でなく変更のみを含めればよい（新しいＢＣＭＣフローＩＤ、隣接リストの変更など）。

本発明の典型的な実施形態について説明してきたが、同じ形態を様々に変更できることは言うまでもない。こうした変更形態は、本発明の典型的な実施形態の精神と範囲を逸脱しているとはみなされない。さらに、こうした修正形態のすべてが前述の特許請求の範囲に含まれることは当業者には明白であろう。

本発明の典型的な実施形態によるクイック・ページング・チャネルのスロット構造を示す図である。 本発明のもう１つの典型的な実施形態によるクイック・ページング・チャネルのスロット構造を示す図である。 本発明のさらにもう１つの典型的な実施形態によるクイック・ページング・チャネルのスロット構造と、ページング・チャネルまたは制御チャネルのＢＣＭＣスロットを示す図である。

Claims (6)

1. 情報をユーザのブロードキャスト／マルチキャスト・グループに信号送信する方法であって、
   前記グループに関連するブロードキャスト／マルチキャスト・サービスに関するシグナリング情報の送信を示すために、インディケータ・ビット列のうちの複数のインディケータ・ビットを割り当てるステップであって、該複数のインディケータ・ビットはクイック・ページング・チャネルのスロット全体を構成する各クォーター・スロット内の各ビット位置に配置されるものである、ステップ、及び
   前記ビット列及び前記グループに関連する前記信号情報を前記グループに送信するステップ
   を備え、
   前記インディケータ・ビットが、少なくとも１つのグループにＢＳＰＭ送信を通知する少なくとも１つのブロードキャスト・サービス・パラメータ・メッセージ（ＢＳＰＭ）のインディケータであり、前記ＢＳＰＭが１つ以上のＢＣＭＣグループに宛てた信号情報を含み、前記インディケータ・ビットが、特定のＢＣＭＣグループについてクォーター・スロット毎に異なる位置に配置される、方法。
   
2. 前記ビット列が前記クイック・ページング・チャネルで送信され、ブロードキャスト／マルチキャスト・サービスに関連する前記信号情報が第２のチャネルで送信される、請求項１に記載の方法。
   
3. 前記割り当てるステップは１つ以上のインディケータ・ビットを前記クイック・ページング・チャネルの指定されたクォーター・スロットに割り当てるステップを含む、請求項２に記載の方法。
   
4. 前記割り当てるステップは、ブロードキャスト／マルチキャスト・サービス・コンテンツ・フローに関する複数のインディケータ・ビットを前記クイック・ページング・チャネルのスロットに割り当てるステップを含み、前記スロットが前記第２のチャネルの指定されたスロットから１００ミリ秒オフセットされている、請求項２に記載の方法。
   
5. 前記指定されたスロットが前記第２のチャネルのブロードキャスト・スロットである、請求項４に記載の方法。
   
6. 前記指定されたスロットが前記第２のチャネルの所与のブロードキャスト／マルチキャスト・スロットである、請求項４に記載の方法。

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