JP4664489B2 - 放射線治療計画システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線治療計画システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、放射線を癌や腫瘍等の病変部に照射することにより、当該病変部の組織細胞を破壊したり、分裂阻止等することで、その治癒を目指す放射線治療が広く行われるようになっている。ここで、放射線としては、例えば直線加速器(リニアアクセラレータ=LINAC)によって加速された電子を、所定の対電子線ターゲット(タングステン、金、白金等)に照射することで発生するX線、等が利用される。
【0003】
ところで、このような放射線治療を実施するにあたっては、上記病変部に対する十分な治療効果を得るために相応の放射線照射(ないし線量)が必要であるとともに、病変部以外の他の正常組織に関しては、障害が発生しないように、その許容放射線量を超えてはならない、という条件を満足しなければならない。このとき特に、病変部の近傍に、放射線に対して高感受性を有する組織(例えば、甲状腺や眼球(水晶体))が存在する場合においては、より高度の注意が必要となる。
【0004】
したがって、放射線治療を実際に開始する前には、上記条件を満足するため、病変部の位置、大きさ、形状、数等を正確に把握し(病変部の特定)、それに基づき放射線を照射する領域(照射野)、照射角度、照射門数等を決定して、当該病変部に放射線が集中するよう、かつ、当該病変部周囲の線量分布が適当なものとなるような放射線治療計画を策定する必要がある。
【0005】
このような放射線治療計画の策定は、従来において、例えばX線CT装置や放射線治療計画策定装置の利用、また「X線位置決め装置」ないしは「X線シミュレータ」と呼称される装置等の利用を通じて実施されていた。このうちX線シミュレータは、実際に放射線治療を実施する放射線治療装置の線源と被検体間の距離等その他の幾何学的配置と一致したX線管球及びX線検出器(従来、イメージインテンシファイア(いわゆる「I.I.」が利用されている。)、並びに被検体を載置する天板等を有し、被検体に関する透視像等その他のX線像を取得することが可能なものである。装置使用者は、前記放射線治療計画策定装置で治療計画を定め、該計画に基づく照射野等を前記X線シミュレータにより取得された透視像等に重畳表示したものを確認して(=シミュレーションして)、これより行おうとする放射線治療が計画通り行われるか、あるいは当該計画通りでよいか、等をチェックすることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来における放射線治療計画の策定においては、次のような問題があった。すなわち、上記X線シミュレータを使用する段において装置使用者は、その取得に係る透視像等の中で、上記病変部が呼吸性移動によりその位置あるいは大きさを時々刻々と変える場合には、その変位に応じた放射線照射が行えるように、いわゆる「照射野マージン」の決定をも行うが、この決定は、もっぱら医師等の経験に基づかざるを得ない点に問題があった。
【0007】
また、上記のような照射野マージンの決定に際しては、被検体あるいは病変部近傍に対して固定具を設置し、上記病変部の呼吸性移動「量」も観察されるが、従来においては、この移動量についても、ある許容値(例えば1cm)以内の移動量に収まっていれば、計画された照射野に特別の変更を加えることなく、そのまま治療を実施するといった運用がなされていた。なお、このような移動量の決定に関しては、例えば図7(図中、符号Tは病変部であり、矢印は当該病変部Tの呼吸性移動を示す。)に示すような十字板Jの表示が利用されていたが、図からもわかる通り、このような十字板Jを用いるのでは、当該移動量の決定は比較的大雑把なものにならざるを得ない。
【0008】
結局、従来の放射線治療計画においては、照射野マージンの決定、ないしは病変部の呼吸性移動量の決定が定量的ではないため、判断を誤ると、照射すべき部分に放射線を照射しない、あるいは無用な部分にまで放射線を照射する、等といった不具合の発生する場合があった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、病変部が呼吸性移動によりその位置、あるいは大きさを変更する場合にも、そのような病変部の位置・形状等を正確に反映した放射線治療計画の策定を行うことが可能であり、もってより正確な放射線治療を実施することが可能な放射線治療システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために以下の手段をとった。
すなわち、請求項1記載の放射線治療計画システムは、シネ映像的に取得されたX線透視像に基づいて放射線治療計画を策定する放射線治療計画システムにおいて、所定の時間間隔の間に取得されたシネ映像的な透視像を複数の透視像と認識して記憶する記憶手段と、これら記憶された複数の透視像を重ね合わせ表示する画像表示手段と、この重ね合わせ表示上における目標部位に関し放射線照射領域を規定するターゲット形状を設定・入力する入力手段と、を有することを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2記載の放射線治療計画システムは、請求項1記載の同システムにおいて、前記重ね合わせ表示に対し、さらに目盛板を重ね合わせ表示することを特徴とする。さらに、請求項3記載の放射線治療計画システムは、請求項1記載の同システムにおいて、線を発生するX線管球と、該X線管球を発し被検体を透過したX線を検出するX線検出器とを備た前記X線シミュレータを備え、前記X線検出器は二次元的に配列された画素を有する平面検出器であり、前記記憶手段は、前記X線シミュレータにより取得されたシネ映像的な透視像を複数の透視像と認識して記憶することを特徴とするものである。さらに、請求項4記載の放射線治療計画システムは、前記入力手段が、前記重ね合わせ表示上における目標部位が最も小さくなった場合の最小病変部と、最も大きくなった場合の最大病変部とを基に、前記ターゲット形状として、前記最小病変部のみを含むターゲット形状、または前記最大病変部を含むターゲット形状を選択的に設定・入力可能とすることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る放射線治療計画システムの構成例を示す概要図である。図1において、この放射線治療計画システムは、X線CT装置1、放射線治療計画策定装置(以下「RTP(Radio Therapy Planning)装置」という。)2、X線シミュレータ3及び放射線治療装置4の四つの大きな構成要素からなっている。
【0013】
X線CT装置1は、CT架台11、寝台上に設けられ被検体Pの体軸方向(図1紙面垂直方向)に移動可能に構成された天板S1から構成されている。CT架台11には、天板S1が移動するのに応じてこれが挿脱される空洞部11aが設けられており、該空洞部11aの周囲かつCT架台11内部には、その各々が対向配置され、かつ両者が被検体Pを中心に空洞部11a周囲に沿って回転可能なX線管球12及びX線検出器13が設けられている。このうちX線管球12は高電圧電源等を含むX線発生装置(不図示)と接続され、X線検出器13はデータ収集部14と接続されている。また、データ収集部14以降は、図示しない、前処理部、メモリ、画像再構成部等の公知の構成に接続されている。
【0014】
このようなX線CT装置1では、上記X線管球12より発せられるX線が、被検体Pに対し曝射され(図1中破線参照)、該被検体Pを透過したX線を上記X線検出器13により検出し、これに基づき、適当な増幅処理、A/D変換処理、キャリブレーション処理、そしてCT像再構成処理等を経て、被検体P内部のCT像等を得ることができる。
【0015】
RTP装置2は、上記X線CT装置1で取得されたCT像等を表示する画像表示部21、該画像表示部21において表示されるCT像及び該像中に現された病変部(本発明にいう「目標部位」)等に対するターゲット形状等の設定・入力や、アイソセンタ(後述)の位置入力等を実施すること等が可能な入力部22、及びこれら画像表示部21や入力部22等を制御する制御部23等を備えている。このうち入力部22は、図1に示すように、キーボード22aや、マウスあるいはトラックボール等のポインティングデバイスを備え、画像表示部21に表示された画像上の所定の位置を指定入力することが可能となっている。
【0016】
このRTP装置2では、上述したように、画像表示部21上に表示されたCT像中の病変部等を確認し、入力部22を用いて、該病変部の形状に沿うように、いわゆる「ターゲット形状」等の設定・入力を行う(この際、当該病変部の位置、大きさ、数等の要因も考慮する。)。このターゲット形状の設定により、後述する、放射線治療装置4の照射野規定手段(例えばマルチリーフコリメータ)の調整(つまり、実際の照射野の規定)が自動的に行われる。
【0017】
また、本RTP装置2では、上記ターゲット形状に関する設定・入力の他、照射角度、照射門数、あるいは被検体Pに爆射される放射線量等を演算・決定する等して、当該病変部に放射線が集中するよう、かつ、当該病変部周囲の線量分布が適当なものとなるような計画等その他放射線治療を実施する上で必要となる全般的な放射線治療計画の策定を実施することが可能となっている。
【0018】
X線シミュレータ3は、X線管球31、X線検出器32、天板S2及び画像記憶装置33等から構成されている。このうち、X線管球31、天板S2等の幾何学的配置関係は、後述する放射線治療装置4における照射ヘッド内の線源と、アイソセンタないしは被検体Pとの距離等その他の幾何学配置を考慮して、これと実質的に同様なものとなるよう構成されている。また、画像記憶装置33は、上記X線管球31及びX線検出器32により取得された被検体Pに関する透視像等その他のX線撮影像を記憶することが可能である。
【0019】
また、本実施形態において、X線検出器32は、二次元的、より詳しくは二次元マトリックス状に配列された画素(例えば、画素電極、画素容量(コンデンサ)、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ等により構成)と、X線の入射を直接に電気信号に変換する光電変換部材とから構成された、いわゆる「FPD(Flat Panel Detector)(平面検出器)」が採用されている。
【0020】
さらにまた、このX線シミュレータ3は、上記RTP装置2と相互にデータのやり取りを行うことが可能となっている。これにより、例えば該X線シミュレータ3で取得された透視像等をRTP装置2の画像表示部21において表示すること等が可能となっており、すぐ後に述べるように、X線シミュレータ3とRTP装置2との協働的な動作による放射線計画の策定を実施することができる。なお、このように両装置2及び3間でデータ交換が可能である点については、本発明に関連のあるところでもあり、後の作用説明時においても詳述する。
【0021】
このようなX線シミュレータ3では、上記RTP装置2で策定された放射線治療計画に基づいて、被検体Pの透視像等を取得し、該計画に則って実際に放射線治療を行ってよいかどうかを最終的に確認することが可能である。また、前記X線管球31及びX線検出器32を回転させる等して、被検体Pに関する種々の透視像等を取得し、その結果に基づいて、上記計画の修正や、放射線治療計画の新たな策定等をRTP装置2において行うことも可能となっている。具体的には、装置使用者が、当該透視像等を確認しつつ、RTP装置2における入力部22を通じ「照射角度」や「照射門数」等を決定、あるいは再決定(=修正)すること等が可能となる。またその他、当該透視像等に基づいて、放射線治療装置4における線源と後記回転架台41の回転中心との距離等の幾何学的条件や、後記マルチリーフコリメータ412の絞り開度等も設定可能である。
【0022】
さて最後に、放射線治療装置4は、回転架台41、これを支持する回転支持台42及び被検体Pが載置される治療台43から構成されている。回転架台41は、図1に示すように、その断面が略L字状の立体であり、該L字の一端にはX線を被検体Pに対して照射する照射ヘッド411を備えている。照射ヘッド411には、図示しない電子加速器や対電子線ターゲット等が内設されている。被検体Pに照射されるX線は、前記電子加速器により加速された電子が、前記対電子線ターゲットに照射されることで発生する(このように、放射線治療装置4においてX線発生に関与する上記電子加速器及び対電子線ターゲット等からなる構成を、本明細書では、単に「線源」という)。
【0023】
照射ヘッド411にはまた、上記発生したX線を被検体Pに対してどのような領域で照射するかを規定する、図1において示されない照射野絞り(照射野規定手段)が設けられている。この照射野絞りは、例えば一対の絞りブロック、該絞りブロックに接近して配置されるとともに、やはり一対に設けられた、複数の板状リーフからなるマルチリーフコリメータ等から構成されている。このうち絞りブロックとは、対向する一対の各々が単一体構造とされ、照射野の大まかな規定を行うための“絞り”である。
【0024】
また、マルチリーフコリメータとは、より緻密な照射野規定を行うための“絞り”である。より詳細に、マルチリーフコリメータ412は、図2に示すように、二組のリーフ群412A及び412Bを構成する複数の板状リーフ412a、及び該複数の板状リーフ412aを各別に、かつ、その長さ方向であって対向する方向又は離反する方向(図中矢印Z1及びZ2参照)に移動させる図示しない駆動機構等から構成されている。このような構成となるマルチリーフコリメータ412によれば、例えば図2に示す楕円形状等その他種々の形状となる病変部Tに、ほぼ合致し得るようなX線の照射領域を任意に規定することが可能である。
【0025】
なお、上記RTP装置2の画像表示部21上に表示される計画策定画面の中には、ちょうど図2に示すのと同様な画像を表示させるようにするとよい。
【0026】
また、照射ヘッド411は、図1に示す矢印Aに示すように回動可能部位を有し、前記マルチリーフコリメータ412の角度(ないし回転)位置の調整を通して、X線照射領域の調整を行うことも可能となっている。
【0027】
一方、回転支持台42は、上述したように略L字状となる立体である前記回転架台41における、前記照射ヘッド411を備えない方の腕41aを、図1の矢印Bに示すように、回動軸421によって回転可能に支持する。なお、この回動軸421の軸線と前記照射ヘッド411の回転軸の軸線(いずれも図1中、破線参照)とが交差する点が、この放射線治療装置4上における「アイソセンタ」に該当する。また、治療台43は、被検体Pの体軸方向(図1中矢印C1)に移動可能とされた天板S3を備えるとともに、図1中矢印C2に示すような上下動、さらには図示されていないが天板S3の中心を軸とした回転動等が可能に構成されている。
【0028】
なお、上記X線CT装置1においては天板S1が、上記X線シミュレータ3においては天板S2が、そして本放射線治療装置4において天板S3がそれぞれ備えられる点について述べたが、これら天板S1、S2及びS3は、各装置1、3及び4において共通に使用されるような形態としてよい。つまり、各装置1、3及び4に共通の天板が、あるときはCT架台11の空洞部11a内へ導入され、あるときはX線シミュレータ3のX線管球31とX線検出器32との間に配され、またあるときは放射線治療装置4の照射ヘッド411によるX線照射可能領域に位置する、等と構成することが可能である。このような構成ないし運用は、上記天板S3等に関し述べたような各種動作を適宜実施し、また、X線CT装置1、X線シミュレータ3及び放射線治療装置4を同一空間内に好適に配置すること等により、容易に実現することが可能である。
【0029】
この放射線治療装置4では、上記X線CT装置1、RTP装置2及びX線シミュレータ3を利用して策定された放射線治療計画に基づいて、上記マルチリーフコリメータ412を構成する各板状リーフ412aの配置等その他の調整を行った後、線源よりX線を発してこれを被検体Pに照射し、その治療を実施する。
【0030】
以下では、上記構成例となる本実施形態の放射線治療システムについての作用効果に関する説明を、図3に示すフローチャートに沿って行う。なお、本発明は、X線シミュレータ3により取得される透視像において、当該像中の臓器ないし病変部等に呼吸動が観測される場合に、適格な放射線治療計画を策定することを、その目的とするものであるから、以下ではこの点を中心とした説明を行う。
【0031】
まず、図3ステップS1にあるように、X線シミュレータ3のX線管球31よりX線を発して被検体Pに曝射し、該被検体Pを透過したX線をX線検出器32により検出した結果に基づいて、透視像を作成する。この透視像は、RTP装置2における画像表示部21において表示される。なお、この透視像は、これより放射線治療を行おうとする病変部を含んでいるものとする。
【0032】
次に、図3ステップS2にあるように、上記X線シミュレータ3において、いわゆるシネ映像的に取得される透視像に関し、被検体Pの呼気及び吸気間のインターバルに価する所定の時間間隔の間に取得された透視像を、いわば「複数の透視像」として認識して画像記憶装置33に記憶するとともに、これら記憶された当該複数の透視像を、画像表示部21上で重ね合わせ表示する。つまり、該時間間隔の間に取得された透視像の「加算」を行う。
【0033】
なお、上記所定の時間間隔、すなわち呼気及び吸気のインターバルとしては、具体的に例えば、「4秒」等と設定すればよい。また、この時間間隔の設定は、上記入力部22等を通じて、装置使用者が自由に行えるようになっていてもよい。
【0034】
このような透視像の重ね合わせ表示、ないし加算を行うと、図4に示すような画像が得られることになる。すなわち、図4に示す画像によれば、上記インターバルの間に取得された透視像中の病変部Tが、被検体Pの呼吸により、その大きさを変化させる様子を確認することができる。そして、この変化の様子から、当該病変部Tが最も大きくなる場合(図中符号Tb参照、以下「最大病変部Tb」という。)、及び最も小さくなる場合(図中符号Ts参照、以下「最小病変部Ts」という。)を確認することもできる(図中、最大病変部Tbは太い実線で示されている)。
【0035】
また、本実施形態においては、図4のような表示に加えて、図5に示すように、例えば病変部Tの周囲を取り囲むような、目盛板Gの表示を行うようにしてもよい。この目盛板G(における目盛)の表示は、実物に対する画像の伸張又は縮尺の度合いに合わせたスケール変換がなされている。したがって、装置使用者は、その目盛を読むだけで、病変部Tの変化の度合い、つまり呼吸性移動量の「実測値」を、正確かつ簡単に見積もることが可能となっている。この点、従来においては、十字板Jが表示されていただけ(図7参照)のことを鑑みるに、当該移動量の把握が容易となっていることが明白である。
【0036】
なお、このような目盛板Gの表示は、画像表示部21上の画面で適宜、自由に表示位置を変更可能なように構成すると便利である(図5中の矢印参照、このうち曲線の矢印は目盛板Gの回転移動が可能であることも示す)。このようにすれば、移動量の確認・決定をより正確に行うことができるのみならず、目盛板Gの(固定された)表示位置に合わせて天板S2上の被検体Pの位置を、当該目盛板表示上に病変部が重なるよう、変更する等といった理不尽な措置をとらずに済む。
【0037】
後は、図3ステップS3にあるように、装置使用者は、図4又は図5に示す画像に基づき、その変化する病変部Tの呼吸性移動量の確認及び当該病変部Tに適したターゲット形状(照射野)の設定・入力を、RTP装置2における入力部22を通じて行うようにすればよい。なお、この場合における「病変部Tに適したターゲット形状の設定・入力」とは、例えば図6に示すように、簡単には、最大病変部Tbの外周縁を取り囲むようにターゲット形状R1を設定したり、また、最大病変部Tbの外周縁と最小病変部Tsの外周縁との中間位置を、いわば縫うようなターゲット形状R2を設定したりすること等が考えられる。要するに、このターゲット形状の設定については、病変部Tの性質等により、「好適な」ものを一般に一義には定め得ないから、医師等その他の装置使用者の裁量が適宜反映され得るようにしておくと好ましい。
【0038】
さらには、上記ターゲット形状の設定については、適当な画像処理装置を利用すること等によって、最大病変部Tb及び最小病変部Tsの外周縁等をRTP装置2の制御部23が自動的に認識し、これに基づいて、該制御部23がターゲット形状を自動的に設定する、等といった形態としてもよい。この場合において、装置使用者は、その自動的に設定されたターゲット形状が好ましいものであると判断するならば、それをそのまま採用してもよいし、当該ターゲット形状が好ましくないものと判断するならば、それに対し修正入力等を行うようにしてよいことは勿論である。
【0039】
なお、上記では、病変部Tの「大きさ」が変化する場合のみについて述べたが、場合により、病変部Tの「位置」が変更する場合もある。このような場合であっても、図4又は図5に示すような画像を利用することにより、その移動量あるいはターゲット形状の設定・入力が、上記と同様に正確に行われることとなるのは言うまでもない。
【0040】
また、上記した図4、図5及び図6等の画像表示においては、マルチリーフコリメータ412の板状リーフ412の配置状況を重畳表示させるような形態とするとよい。この場合、設定されたターゲット形状に合致する当該配置状況の重畳表示、という用法(放射線治療計画の新たな策定)だけでなく、RTP装置2において一旦計画された放射線治療計画に基づく板状リーフ412の配置状況を重畳表示すれば、当該計画が好ましいものであるか否かを確認する(シミュレーションする)ことも可能である(放射線治療計画の修正)。
【0041】
後は、上記のように設定されたターゲット形状を放射線治療装置4が参照し、回転架台41の回転角度、あるいは天板S3の位置の決定、また、照射ヘッド411におけるマルチリーフコリメータ412の調整による照射領域に関する設定等を行い、放射線治療を実際に行うことになる。
【0042】
このように本実施形態における放射線治療システム、あるいはX線シミュレータ3によれば、病変部Tが呼吸性移動によりその位置、あるいは大きさを変更する場合にも、正確な放射線治療計画の策定を行うことが可能である。また、このことにより、後に予定される実際の放射線治療を正確に実施することができる。この点、従来においては、照射野「マージン」の「目算」という手法で対応していたことを考えれば、本実施形態における放射線治療システム等の優位性(従来における「経験」に基づく判断から、定量的な計測に基づく判断への移行等)は明らかである。
【0043】
また特に、本実施形態のX線シミュレータ3においては、そのX線検出器32にFPDが採用されていることにより、従来のイメージインテンシファイア(「I.I.」)のように地磁気による磁気歪の問題が発生せず、また、画像に関するデータ等はデジタル処理されることとなるから、画質の劣化等の問題を生じさせない。また、このようにFPDを用いることによれば、従来のように、透視撮影を実施しながらターゲット設定・入力等を行う必要がなく、被検体Pに対する被曝量の低減という効果を得ることもできる。なお、この効果は、例えば原体照射のシミュレーションに特に有効である(例えば、X線シミュレータ3により2°の傾角変化ごとに画像を予め収集し、該画像上に、RTP装置2で計画された、同じく2°の傾角変化ごとのマルチリーフコリメータ412の板状リーフ412の配置状況を、スーパーインポーズ表示する等)。
【0044】
なお、上記実施形態における放射線治療システムにおいては、放射線照射の対象となる病変部Tの形状等を特定することに主眼があったが、場合によっては、正常組織やX線に対する高感受性領域を、「非照射領域」として設定・入力するような機能を併せ持っていてもよい。その設定・入力は、上記したターゲット形状R1又はR2の設定・入力と全く同様に実施し得る。
【0045】
また、上記実施形態においては、ターゲット形状を一つのみ設定・入力する場合について説明したが、例えば病変部が複数存在する場合や、病変部の大きさが比較的大きい場合等、当該複数の病変部の各々に対応するターゲット形状を設定したり、当該大きい病変部に対しそれを分割するような複数のターゲット形状を設定するようにしてもよい。
【0046】
さらに、上記では、X線シミュレータ3により取得された透視像を、RTP装置2における画像表示部21に表示させるような形態となっていたが、本発明においては、このような形態ではなく、例えば画像表示部及び入力部を、RTP装置2におけるそれらとは独立に、X線シミュレータ3の側にもたせ、最終的な放射線治療計画の当否の確認を、当該X線シミュレータ3単独で実施し得るような構成としてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の放射線治療システム及びX線シミュレータによれば、病変部が呼吸性移動によりその位置、あるいは大きさを変更する場合にも、正確な放射線治療計画の策定を行うことが可能であり、もってより正確な放射線治療を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る放射線治療システムの構成例を示す概要図である。
【図2】 図1に示す放射線治療装置に設置される照射野規定手段のうちマルチリーフコリメータの構成例を示す概要図である。
【図3】 放射線治療計画の策定、特に照射野規定の過程の一処理例を示すフローチャートである。
【図4】 重ね合わせ表示された透視像の様子を示す説明図である。
【図5】 図4に対し目盛板の表示をさらに重ねた様子を示す説明図である。
【図6】 図4に対しターゲット形状の設定・入力を行った様子を示す説明図である。
【図7】 従来の放射線治療計画策定において、呼吸性移動量を見積もる際に利用されていた十字板を示す説明図である。
【符号の説明】
P 被検体
1 X線CT装置
11 架台
11a 空洞部
12 X線管球
13 X線検出器
14 データ収集部
S1 天板
2 RTP装置(放射線治療計画策定装置)
21 画像表示部
22 入力部
23 制御部
3 X線シミュレータ
31 X線管球
32 X線検出器
S2 天板
4 放射線治療装置
41 回転架台
411 照射ヘッド
412 マルチリーフコリメータ
412a 板状リーフ
42 回転支持台
43 治療台
S3 天板
G 目盛板

Claims (4)

  1. シネ映像的に取得されたX線透視像に基づいて放射線治療計画を策定する放射線治療計画システムにおいて、
    所定の時間間隔の間に取得されたシネ映像的な透視像を複数の透視像と認識して記憶する記憶手段と、
    これら記憶された複数の透視像を重ね合わせ表示する画像表示手段と、
    この重ね合わせ表示上における目標部位に関し放射線照射領域を規定するターゲット形状を設定・入力する入力手段と、
    を有することを特徴とする放射線治療計画システム。
  2. 前記重ね合わせ表示に対し、さらに目盛板を重ね合わせ表示することを特徴とする請求項1記載の放射線治療計画システム。
  3. 線を発生するX線管球と、該X線管球を発し被検体を透過したX線を検出するX線検出器とを備た前記X線シミュレータを備え
    前記X線検出器は二次元的に配列された画素を有する平面検出器であり、
    前記記憶手段は、前記X線シミュレータにより取得されたシネ映像的な透視像を複数の透視像と認識して記憶することを特徴とする請求項1記載の放射線治療計画システム。
  4. 前記入力手段は、前記重ね合わせ表示上における目標部位が最も小さくなった場合の最小病変部と、最も大きくなった場合の最大病変部とを基に、前記ターゲット形状として、前記最小病変部のみを含むターゲット形状、または前記最大病変部を含むターゲット形状を選択的に設定・入力可能とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の放射線治療計画システム
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