JP4664026B2 - コンピュータシステム、データ転送装置、及びデータ転送方法 - Google Patents
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Description
ところで、今日の情報化社会においては、情報に高い価値が認められる場合もあるため、記録媒体に記録されたデータが第三者に持ち出される虞もある。かかるデータの持ち出し方法としては、例えば、他人になりすましてコンピュータシステムにアクセスし、コンピュータシステムに用意された機能を用いてデータを持ち出す、といった方法もあるが、記録媒体それ自体を物理的に持ち去り、他のコンピュータシステムを用いてその中からデータを取得する、といった方法もある。
本実施の形態では、特別な機能を有する複数のデータ転送装置をネットワークを介して接続することによりコンピュータシステムを構成し、このコンピュータシステムがネットワークにデータを記憶する。尚、各データ転送装置は、新たに用意してもよいし、既にコンピュータシステムを構成しているコンピュータに特別なデータ転送の機能をインストールすることにより実現してもよい。
ところで、回遊データの回遊経路の決定方法には、大きく分けて2つある。1つは、どのデータ転送装置からどのデータ転送装置へ回遊データを転送するかの経路を予め定義しておく方法である。そして、もう1つは、次にどのデータ転送装置へ回遊データを転送するかをその時の通信状況に応じて動的に決定する方法である。
以下、前者を第1の実施の形態として、後者を第2の実施の形態として詳細に説明する。
図1は、本実施の形態におけるコンピュータシステムの構成を示した図である。本実施の形態では、回遊データは、上述したように、予め定義された経路で回遊する。即ち、データ転送装置101、データ転送装置102、データ転送装置103の順に転送され、データ転送装置10nまで達すると、逆に、データ転送装置10n−1、データ転送装置10n−2、データ転送装置10n−3の順に転送され、データ転送装置101に戻されるものとする。
尚、図1では、データ転送装置101〜10nを直線状に配置して図示しているが、これはあくまで予め定義された経路に従い、回遊データが2つのデータ転送装置間を往復する様子を説明するための便宜を図ったものであり、データ転送装置101〜10nの実際の配置が直線状になっていることを意味するものではない。また、本実施の形態において、データ転送装置101〜10nは、インターネットにより接続されているものとする。
まず、データ転送装置10のハードウェア構成は、一般的なコンピュータと同様のものであってよい。即ち、中央処理装置(CPU)、主記憶装置、外部記憶装置(例えば、磁気ディスク装置)、通信制御装置等を有するものである。
受信部11は、回遊データ、又は、回遊データの取得を要求するデータ(以下、「要求データ」という)を受信する機能部分であり、「受信手段」として把握することができる。データ種別判定部12は、受信したデータがこれらのいずれであるかを判定する機能部分であり、回遊経路記憶部13は、回遊データを回遊させる経路を記憶するメモリ部分である。送信先決定部14は、回遊データの送信先を決定する機能部分である。また、要求データ処理部15は、要求データを受け取って記憶する機能部分であり、「処理手段」として把握することができる。要求データ記憶部16は、要求データを記憶するメモリ部分である。送信部17は、回遊データを送信する機能部分であり、「送信手段」として把握することができる。
図3は、回遊経路情報の一例を示したものである。この回遊経路情報は、送信元コンピュータの識別情報に対し、回遊先コンピュータの識別情報を対応付けたものである。尚、図3では、説明の便宜のため、図1において各データ転送装置に付した符号を識別情報として用いているが、実際には、IPアドレスを記憶しておくのが望ましい。
図3(a)は、図1に示したデータ転送装置101の回遊経路記憶部13に記憶された回遊経路情報の例を示したものである。データ転送装置101は、データ転送装置102から回遊データを受信した場合、データ転送装置102にその回遊データを送信するので、送信元「102」に対して回遊先「102」が記憶されている。また、その他のコンピュータから回遊データを受信した場合も、データ転送装置102にその回遊データを送信するので、送信元「else」に対して回遊先「102」が記憶されている。
まず、ユーザは、端末装置で所定のアプリケーションプログラムを起動し、回遊データ又は要求データを送出する指示を行う。これにより、回遊データ又は要求データは、インターネットに送出される。その際、アプリケーションプログラムは、TCP(Transmission Control Protocol)におけるデータ部分(TCPヘッダに続く部分)に、回遊データであるか要求データであるかのフラグを付加すると共に、回遊データの場合は、その識別情報を、要求データの場合は、要求する回遊データの識別情報を付加しておく。
次いで、データ種別判定部12が、その受信したデータの種別、即ち、回遊データであるか要求データあるかを判定する(ステップ102)。具体的には、インターネット送出時にTCPにおけるデータ部分に付加された回遊データであるか要求データであるかのフラグに基づいて判定する。
一方、ステップ102での判定の結果、受信したデータが回遊データであった場合、送信先決定部14は、まず、要求データ記憶部16にその回遊データについての要求データが記憶されているかどうかを判定する(ステップ104)。即ち、回遊データのTCPにおけるデータ部分からその回遊データの識別情報を取得し、これと一致するものが、要求データ記憶部16に記憶された回遊データの識別情報の中に存在するかどうかを判定する。
一方、この判定の結果、その回遊データについての要求データが記憶されていた場合は、要求データ記憶部16に記憶された要求元を、その回遊データの送信先に決定する(ステップ106)。具体的には、要求データ記憶部16から要求元IPアドレスを取得する。そして、回遊データのIPヘッダにおける送信先IPアドレスをこの要求元IPアドレスに書き換えると共に、IPヘッダにおける送信元IPアドレスを自身のIPアドレスに書き換える。
そして、送信部17は、回遊データを、決定された送信先に送信する(ステップ107)。
まず、要求データを受信する前に回遊データを受信した場合について説明する。即ち、ユーザが回遊データをインターネットに送出後、このデータ転送装置10が初めて回遊データを受信した場合や、本実施の形態のコンピュータシステムにおいて回遊データが何往復かしているが、ユーザがその回遊データを取得する要求を出していない場合である。
ステップ101で受信部11が回遊データを受信し、ステップ102でデータ種別判定部12が回遊データであると判定し、ステップ104へ進む。次に、ステップ104で送信先決定部14が要求データなしと判定し、ステップ105へ進む。そして、ステップ105で送信先決定部14は回遊経路記憶部13に記憶された回遊先を送信先に決定し、ステップ107で送信部17が回遊データを次のデータ転送装置10に送信する。
ステップ101で受信部11が要求データを受信し、ステップ102でデータ種別判定部12が要求データであると判定し、ステップ103へ進む。次に、ステップ103で要求データ処理部15が要求データを要求データ記憶部16に記憶する。
ステップ101で受信部11が回遊データを受信し、ステップ102でデータ種別判定部12が回遊データであると判定し、ステップ104へ進む。次に、ステップ104で送信先決定部14が要求データありと判定し、ステップ106へ進む。ステップ106で送信先決定部14は要求データ記憶部16に記憶された要求元を送信先に決定し、ステップ107で送信部17が回遊データを要求データの送信元の装置に送信する。
この場合も、回遊データは、各データ転送装置10を必ずいつかは通過するので、回遊データの取得要求を受けたデータ転送装置10が、回遊データが転送されてくるのを待ち受けるという構成はそのままこの形態にも適用できる。但し、各データ転送装置10を回遊データが通過する方向は一方向のみとなるので、図3の回遊経路情報で、送信元を記憶しておく必要はない。例えば、データ転送装置102の回遊経路記憶部13には、送信元に関わらず、回遊先「103」のみを記憶しておけばよい。
図5は、本実施の形態におけるコンピュータシステムの構成を示した図である。本実施の形態では、回遊データは、上述したように、転送時における通信回線の状況等に応じて動的に決定された経路で回遊する。例えば、データ転送装置1011が回遊データを転送する場合、データ転送装置1012、データ転送装置1021のうち、帯域の空きが大きい通信回線を経由する方に転送する。また、データ転送装置1022が回遊データを転送する場合、データ転送装置1012、データ転送装置1021、データ転送装置1023、データ転送装置1032のうち、帯域の空きが大きい通信回線を経由する方に転送する。
尚、図5では、1つのデータ転送装置10から送信可能なデータ転送装置10が複数存在することを分かり易く示すために、データ転送装置1011〜10mnを格子状に配置して図示しているが、必ず格子状に配置しなければならないというわけではない。また、1つのデータ転送装置10から送信可能なデータ転送装置10の数も、図5に示すような2つ、3つ、4つには限られない。
まず、データ転送装置10のハードウェア構成は、一般的なコンピュータと同様のものであってよい。即ち、中央処理装置(CPU)、主記憶装置、外部記憶装置(例えば、磁気ディスク装置)、通信制御装置等を有するものである。
受信部11、データ種別判定部12、回遊経路記憶部13、送信先決定部14、要求データ記憶部16、送信部17は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。要求データ処理部15は、第1の実施の形態では、要求データを受け取って記憶するだけであったが、本実施の形態では、その要求データを送信する処理も行う。また、回遊経路更新部18は、回遊経路記憶部13に記憶された回遊経路情報を更新する機能部分であり、要求経路記憶部19は、要求データの送信経路の情報を記憶するメモリ部分である。
図7は、回遊経路情報の一例を示したものである。この回遊経路情報は、回遊先コンピュータの識別情報に優先順位を付加したものである。この優先順位は、その時点での帯域の空きが大きい通信回線を介して接続されたコンピュータほど高く設定するようにする。尚、図7では、説明の便宜のため、図5において各データ転送装置に付した符号を識別情報として用いているが、実際には、IPアドレスを記憶しておくのが望ましい。
図7(a)は、図5に示したデータ転送装置1011の回遊経路記憶部13にある時点で記憶されている回遊経路情報の例を示したものである。データ転送装置1011はデータ転送装置1012又はデータ転送装置1021に回遊データを送信可能であるが、ここでは、回遊経路更新部18が、通信回線の状況を見て、回遊先「1012」を優先順位「1」として記憶し、回遊先「1021」を優先順位「2」として記憶している。
まず、ユーザは、端末装置で所定のアプリケーションプログラムを起動し、回遊データ又は要求データを送出する指示を行う。これにより、回遊データ又は要求データは、インターネットに送出される。その際、アプリケーションプログラムは、TCP(Transmission Control Protocol)におけるデータ部分(TCPヘッダに続く部分)に、回遊データであるか要求データであるかのフラグを付加すると共に、回遊データの場合は、その識別情報を、要求データの場合は、要求する回遊データの識別情報を付加しておく。
次いで、データ種別判定部12が、その受信したデータの種別、即ち、回遊データであるか要求データあるかを判定する(ステップ112)。具体的には、インターネット送出時にTCPにおけるデータ部分に付加された回遊データであるか要求データであるかのフラグに基づいて判定する。
また、本実施の形態では、転送時の通信状況に応じて回遊データの回遊経路を決定しているので、このデータ転送装置10に回遊データが必ず戻ってくるという保証がない。そこで、要求データはこのデータ転送装置10に記憶しておくだけでなく、他のデータ転送装置10にも転送するようにする。即ち、要求データ処理部15は、要求経路記憶部19に記憶された要求先を送信先に決定する(ステップ114)。具体的には、要求データのIPヘッダにおける送信先IPアドレスを要求先IPアドレスに書き換えると共に、IPヘッダにおける送信元IPアドレスを自身のIPアドレスに書き換える。
一方、ステップ112での判定の結果、受信したデータが回遊データであった場合、送信先決定部14は、まず、要求データ記憶部16にその回遊データについての要求データが記憶されているかどうかを判定する(ステップ115)。即ち、回遊データのTCPにおけるデータ部分からその回遊データの識別情報を取得し、これと一致するものが、要求データ記憶部16に記憶された回遊データの識別情報の中に存在するかどうかを判定する。
一方、この判定の結果、その回遊データについての要求データが記憶されていた場合は、要求データ記憶部16に記憶された要求元を、その回遊データの送信先に決定する(ステップ117)。具体的には、要求データ記憶部16から要求元IPアドレスを取得する。そして、回遊データのIPヘッダにおける送信先IPアドレスをこの要求元IPアドレスに書き換えると共に、IPヘッダにおける送信元IPアドレスを自身のIPアドレスに書き換える。
そして、送信部17は、要求データ又は回遊データを、決定された送信先に送信する(ステップ118)。
まず、要求データを受信する前に回遊データを受信した場合について説明する。即ち、ユーザが回遊データをインターネットに送出後、このデータ転送装置10が初めて回遊データを受信した場合や、本実施の形態のコンピュータシステムにおいて回遊データが一定期間回遊しているが、ユーザがその回遊データを取得する要求を出していない場合である。
ステップ111で受信部11が回遊データを受信し、ステップ112でデータ種別判定部12が回遊データであると判定し、ステップ115へ進む。次に、ステップ115で送信先決定部14が要求データなしと判定し、ステップ116へ進む。そして、ステップ116で送信先決定部14は回遊経路記憶部13に記憶された回遊先を送信先に決定し、ステップ118で送信部17が回遊データを次のデータ転送装置10に送信する。
ステップ111で受信部11が要求データを受信し、ステップ112でデータ種別判定部12が要求データであると判定し、ステップ113へ進む。次に、ステップ113で要求データ処理部15が要求データを要求データ記憶部16に記憶し、ステップ114で要求データ処理部15は要求経路記憶部19に記憶された要求先を送信先に決定し、ステップ118で送信部17が要求データを次のデータ転送装置10に送信する。
ステップ111で受信部11が回遊データを受信し、ステップ112でデータ種別判定部12が回遊データであると判定し、ステップ115へ進む。次に、ステップ115で送信先決定部14が要求データありと判定し、ステップ117へ進む。ステップ117で送信先決定部14は要求データ記憶部16に記憶された要求元を送信先に決定し、ステップ118で送信部17が回遊データを要求データの送信元の装置に送信する。
Claims (3)
- 通信回線と、
前記通信回線に接続された複数のコンピュータとを備え、
記録すべきデータを前記複数のコンピュータの間で回遊させて、当該データが前記通信回線上に存在する状態を継続させることにより、前記通信回線に記録媒体としての機能を持たせるコンピュータシステムであり、
前記複数のコンピュータのそれぞれは、
前記複数のコンピュータ間で回遊させるデータを受信すると即座に、当該データを当該複数のコンピュータのうちの特定の送信先コンピュータに転送し、
自装置のメモリに格納され、前記データを転送する時点における通信状況を反映して決定された、当該データを回遊させる経路の情報に従い、前記特定の送信先コンピュータを決定し、
所定の要求元コンピュータから前記データの取得要求を受信したときに、当該取得要求を前記メモリに記憶するとともに前記複数のコンピュータのうちの予め定められた他のコンピュータに送信し、
所定の送信元コンピュータから前記データを受信したときに、前記メモリに当該データの前記取得要求が記憶されていれば、当該データを当該取得要求の要求元コンピュータに送信することを特徴とするコンピュータシステム。 - 記録すべきデータを複数のコンピュータの間で回遊させて、当該データが通信回線上に存在する状態を継続させることにより、当該通信回線に記録媒体としての機能を持たせるために用いられるデータ転送装置であり、
前記通信回線を回遊するデータと他の装置からの当該データの取得要求とを非同期に受信する受信手段と、
前記受信手段による前記データの受信に応じて、当該データを前記通信回線を介して送信する送信手段であって、自装置のメモリに格納され当該データを送信する時点における通信状況を反映して決定された、当該データを回遊させる経路の情報に従い、送信先のデータ転送装置を決定して、当該データを当該送信先のデータ転送装置に送信する送信手段と、
前記受信手段による前記取得要求の受信に応じて、当該取得要求を前記メモリに記憶するとともに予め定められた他のデータ転送装置に送信する処理を行う処理手段と
を備え、
前記送信手段は、前記受信手段による前記データの受信に応じて、前記メモリに当該データの取得要求が記憶されていれば、当該データを当該取得要求の要求元に送信することを特徴とするデータ転送装置。 - 記録すべきデータを複数のコンピュータの間で回遊させて、当該データが通信回線上に存在する状態を継続させることにより、当該通信回線に記録媒体としての機能を持たせるためのデータ転送方法であり、
前記通信回線を介して複数のコンピュータ間で回遊するデータを受信するステップと、
所定の要求元コンピュータから前記データの取得要求を受信するステップと、
受信した前記取得要求をメモリに記憶するステップと、
受信した前記取得要求を前記複数のコンピュータのうちの予め定められた他のコンピュータに送信するステップと、
前記データを受信した際に、前記メモリに前記取得要求が記憶されていなければ、当該データを、前記複数のコンピュータのうちの特定の送信先コンピュータであって、前記メモリに格納され、当該データを送信する時点における通信状況を反映して決定された、当該データを回遊させる経路の情報に従い決定された当該特定の送信先コンピュータに送信するステップと、
前記データを受信した際に、前記メモリに前記取得要求が記憶されていれば、当該データを前記要求元コンピュータに送信するステップと
を含むことを特徴とするデータ転送方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0486941A (ja) * | 1990-07-31 | 1992-03-19 | Nec Corp | ファイル転送方式 |
JPH11298520A (ja) * | 1998-04-15 | 1999-10-29 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 電子メール転送装置、電子メール転送プログラムを記録した記録媒体、並びに、メールサーバシステム |
JP2000036819A (ja) * | 1998-05-14 | 2000-02-02 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | データ通信システムおよび通信方法 |
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