JP4662597B2 - 液面計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業機械及び輸送機械等の機器内部に収容された液体の液面、例えばそれら機器の一部を構成するオイルタンクに収容されたオイルの油面、を機器外部から確認するための液面計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記液面計において、前端部に透明の窓板からなる窓体が設けられ、その窓体を機器の外部に向けて機器に嵌着されるケース部を有し、機器内部からケース部の内部へ導入された液体の液面を窓体を通して確認する構成のものが知られている。そのような液面計は、例えば実公昭48−35825号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記液面計は、機器内部の液体の液面を窓体、すなわち透明の窓板、を通して機器外部から見ることにより機器内部の液体量を確認するものである。従って、使用中に窓板の内面にスラッジ等の汚物が付着すると液体量を確認しにくくなり、付着した汚物を除去する必要が生じるが、その汚物の除去が厄介であるという問題があった。
すなわち、窓板の内面に付着した汚物を除去するためには、液面計を機器から取り外す等の手間のかかる作業を必要とした。また、機器外部から操作可能なブレード部材を窓板の内面に接触可能に設けて汚物を除去することも行われてきたが、十分な拭き取り効果を期待し得ないものであった。
本発明は、このような問題点を解決し、窓体に付着した汚物を容易かつ確実に除去することのできる液面計を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明は、前端部に形成された窓開口を機器の外部に向けて機器に嵌着されるケース部の内部に、少なくとも1つの軸線に対して直交する全ての断面が円形になるように形成された透明本体部を有する窓体を、その透明本体部の一部を前記窓開口から外部に露出させるようにして、回転可能に装着するとともに、前記ケース部に、前記透明本体部に常時密封接触して機器内部からケース部の内部を通して機器外部へ向う液漏れを防止するためのシール部を設けたことを特徴とする液面計を提供する。
【0005】
【発明の作用および効果】
本発明によれば、使用者は、窓体の透明本体部の、窓開口から機器外部へ露出している部分に手を触れて窓体を回転させることにより、窓体の、窓開口から機器外部へ露出していない部分に付着していた汚物を機器外部へ露出させることができる。従って、汚物を機器外部から容易かつ確実に拭取ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
図9は従来の液面計の構成例を示している。この液面計は、環状の芯金101aのまわりにゴム環101bを一体成形し、前端部(図9の右端部)に窓開口101cを形成したケース部101を備えている。このケース部101は、前端部、即ち図9の右端部を機器外部に向けて機器に嵌着されるようになっている。
ケース部101内には透明の窓板102が、窓開口101cから機器外部へ露出するように固定されている。また、ケース部101には、液導入用の複数の孔103bが形成された反射板103aを有する有底筒体103が嵌着されている。
上記した従来の液面計には、窓板102’の内面に付着した汚物を除去するのが厄介であるという、既述の問題があった。
【0007】
図1〜図4は本発明の第1実施形態の液面計を示している。この液面計は、環状の芯金1aのまわりにゴム環1bを一体成形し、前端部(図1の右端部)に窓開口1cを形成したケース部1を備えている。ケース部1の内部には、ポリカーボネート、ガラス等で球体に形成された透明本体部2aと、上下2つの支持軸2b,2cとを有する窓体2が設けられている。支持軸2b,2cはケース部1によって回転可能に支持され、透明本体部2aの一部は窓開口1cを通して外部に露出している。窓開口1cの周縁部には、環状のシール部4が、ゴム環1bと一体に成形されている。このシール部4は、透明本体部2aに常時密封接触して機器内部(図1の左側)からケース部1の内部を通して機器外部(図1の右側)へ向う液漏れを防止するようになっている。また、ケース部1の後端部(図1の左端部)には、液導入用の複数の孔3bが形成された反射板3aが設けられている。図示実施形態においては、金属製の有底筒体3の周壁部3cをケース部1に嵌着し、その有底筒体3の底壁を反射板3aとしている。
【0008】
図示実施形態においては、2つの支持軸2b,2cはケース部1の中心軸線に直交する垂直の軸線5上に設けられており、窓体2はその軸線5のまわりで回転可能になっている。しかしながら、窓体2の回転軸線は必ずしもケース部1の中心軸線に直交している必要はなく、上記軸線5に対して所定の角度で傾斜する軸線上に支持軸2b,2cを設け、窓体2がその傾斜した軸線のまわりを回転するように構成してもよい。
また、支持軸2b,2cを設けず、ケース部1と、反射板3aと、シール部4との間に透明本体部2aが回転可能に挟みこまれるような構成にしてもよい。
【0009】
透明本体部2aは、窓体2の回転軸線、即ち軸線5に対して直交する全ての断面が円形になるように形成される。透明本体部2aをこのような形状に形成することにより、シール部4が透明本体部2aに良好に密封接触した状態を維持しつつ、透明本体部2aを回転させることが可能になる。
即ち、図示実施形態においては透明本体部2aは球体から構成されているため、軸線5に対して直交する断面をみたときに、軸線5に沿ういずれの位置においても、その断面形状は円形になっている。また、上記したように軸線5に対して所定の角度で傾斜した軸線のまわりを窓体2が回転する構成にした場合にも、その傾斜した軸線に対して直交する断面の形状は、傾斜した軸線に沿ういずれの位置においても、円形となる。
また、上記したように支持軸2b,2cを設けず、ケース部1と、反射板3aと、シール部4aとの間に透明本体部2aが回転可能に挟みこまれる構成にした場合には、窓体2は任意の方向へ回転可能であり、従って、窓体2の回転軸線は多数存在することになる。そのような場合にも、透明本体部2aは球体から構成されているため、いずれの回転軸線に着眼しても、その回転軸線に対して直交する全ての断面が円形となる。
【0010】
図4(a)に示したように、有底筒体3の周壁部3cには、径方向に対向する位置に、前端3c’から後端3c”へ向けて所定距離まで延びる切り込み3d,3eが形成されている。また、図4(b)に示したように、ケース部1の芯金1aには、その後端1a’から前端1a”へ向けて所定距離まで延びる切り込み1dが形成されている。芯金1aの上半部のみを示す図4(b)には示されていないが、芯金1aの、切り込み1dと径方向に対向する位置にも、同様の切り込みが形成されている。
図1、図4(a)及び図4(b)から明らかなように、上記切り込みを形成しておけば、窓体2の支持軸2b及び2cをそれぞれ芯金1aの径方向に対向する2つの切り込み(1つの切り込み1dのみが図示されている)内に挿入しておき、支持軸2b及び2cに有底筒体3の2つの切り込み3d及び3eのそれぞれを嵌合させるようにして有底筒体3を芯金1aの内側に嵌着することによって、支持軸2bを芯金1aの切り込み1dと有底筒体3の切り込み3dで挟持し、また支持軸2cを芯金1aの図示されていない切り込みと有底筒体3の切り込み3eとで挟持して、窓体2をケース部1の内部に容易に装着することができる。
【0011】
第1実施形態の液面計は上記した構成のものであって、窓開口1cを機器の外部に向けるようにしてケース部1を機器に嵌着しておけば、機器内部から反射板3aの孔3bを通してケース部1の内部へ導入された液体の液面を窓開口1c及び窓体2を通して機器外部から視認することができる。
液面計の使用を継続するにつれて、窓体2の、機器外部に露出されていない部分にスラッジ等の汚物が付着する恐れがあるが、汚物が付着したときには、透明本体部2aの、窓開口部1cから露出している部分に手を触れて窓体2を回転させれば、透明本体部2aの、汚物が付着した部分を窓開口部1cから外部へ露出させることができ、従って汚物を機器外部から容易かつ確実に拭き取ることができる。
【0012】
なお、上記反射板3aを省略することは、もちろん可能である。しかしながら、反射板3aを設けておけば、機器外部から窓開口1cを通して導入された光が反射板3aで反射するため、ケース部1の内部へ導入された液体の液面を視認し易くなる利点が得られる。
【0013】
図5〜図8は本発明の第2実施形態の液面計を示している。この第2実施形態においては、ケース部11の内部に設けられた窓体12が、ポリカーボネート、ガラス等で円柱体に形成された透明本体部12aと、ケース部11の中心軸線に直交する垂直の軸線15上に設けられた2つの支持軸12b,12cとを有する。透明本体部12aの一部はケース部11の前端部に形成された窓開口11cから外部へ露出している。窓開口11cの周縁部には、シール部14が、ゴム環11bと一体に成形されており、このシール部14が、円柱体に形成された透明本体部12aの上下端面および円筒面に常時密封接触している。
【0014】
透明本体部12aは円柱体から構成されているため、その透明本体部12aの、軸線15に対して直交する全ての断面は円形になっている。従って、シール部14が透明本体部12aに良好に密封接触した状態を維持しつつ、透明本体部12aを回転させることが可能である。
また、透明本体部12aは、中実の円柱体に形成しても、中空の円筒体に形成してもかまわない。
第2実施形態の液面計の上記した点以外の構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0015】
上記した第1実施形態においては、ケース部1の前端部、即ち反射板3aとは反対側の端部にシール部4が設けられている。しかしながら、シール部4をケース部1の後端部、即ち反射板3aの側の端部に設けることも可能である。
同様に、上記第2実施形態においても、ケース部11の前端部にシール部14を設けず、ケース部11の後端部、即ち反射板13aの側の端部に、図5におけるシール部14と左右対称になるような形状のシール部を設けた構成にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の液面計を示す断面図で、図3のA−A断面図である。
【図2】 上記液面計の側面図である。
【図3】 上記液面計の正面図である。
【図4】 (a)は、上記液面計に設けられた有底筒状体を示す斜視図である。
(b)は、上記液面計におけるケース部の芯金の上半部を示す斜視図である。
【図5】 本発明の第2実施形態の液面計を示す断面図で、図7のA−A断面図である。
【図6】 上記第2実施形態の液面計の側面図である。
【図7】 上記第2実施形態の液面計の正面図である。
【図8】 図7のB−B断面図である。
【図9】 従来の液面計の構成例を示す、図1と同様の断面図である。
【符号の説明】
1,11 ケース部
2,12 窓体
1c,11c 窓開口
2a,12a 透明本体部
3a,13a 反射板
4,14 シール部
Claims (5)
- 機器内部に収容された液体の液面を機器外部から確認するための液面計において、前端部に形成された窓開口を機器の外部に向けて機器に嵌着されるケース部の内部に、少なくとも1つの軸線に対して直交する全ての断面が円形になるように形成された透明本体部を有する窓体を、その透明本体部の一部を前記窓開口から外部に露出させるようにして、回転可能に装着するとともに、前記ケース部に、前記透明本体部に常時密封接触して機器内部からケース部の内部を通して機器外部へ向う液漏れを防止するためのシール部を設けたことを特徴とする液面計。
- 請求項1に記載の液面計において、前記ケース部の後端部に反射板を設けたことを特徴とする液面計。
- 請求項1又は2に記載の液面計において、前記窓体が1つの回転軸線のまわりに回転可能になっていることを特徴とする液面計。
- 請求項1から3までのいずれか1項に記載の液面計において、前記窓体の前記透明本体部が球体であることを特徴とする液面計。
- 請求項1から3までのいずれか1項に記載の液面計において、前記窓体の前記透明本体部が円筒体又は円柱体であることを特徴とする液面計。
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