JP4660874B2 - 廃棄物の二段ガス化システムの運転制御方法 - Google Patents

廃棄物の二段ガス化システムの運転制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温ガス化炉と高温ガス化炉とを用い各種の可燃性廃棄物を低温および高温の二段階の工程を経てガス化し、CO(一酸化炭素)およびH(水素)を多量に含有する有用なガスを得る廃棄物の二段ガス化システムの運転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
NH(アンモニア)は硝酸、各種肥料(硝安、硫安、尿素)、アクリロニトリル、カプロラクタム等の原料として、大量生産されている化学工業上の基礎原料である。このNHはN(窒素)とHから高圧下で触媒を用いて合成されるが、Hは天然ガス、ナフサなどのスチームリフォーミングか、石油、石炭、石油コークスなどの炭化水素の部分燃焼、いわゆるガス化により得られてきた。
一方、都市ゴミ、廃プラスチック、廃FRP、バイオマス廃棄物、自動車廃棄物に代表される廃棄物は、焼却により減容化されるか、あるいは未処理のまま埋立処分されてきた。直接、間接を問わず、これらがリサイクル利用される量は全体から見ればごく僅かであった。
【0003】
最近、廃棄物を再利用可能な資源とみなし、廃棄物を二段ガス化システムを用いてガス化することにより、廃棄物中に含まれる金属や灰分をリサイクル利用可能な状態で回収するとともに、COおよびHを多量に含有するガスを回収しNH(アンモニア)等の原料にしようとする提案がなされている。この試みは、ガス化溶融技術、すなわち廃棄物の二段燃焼システムを応用することにより、廃棄物をマテリアルリサイクルおよびケミカルリサイクルにより有効利用するものである。
【0004】
図20は上述の提案された廃棄物二段ガス化システムの炉本体部の一例を示す概略図である。
図20においては、低温ガス化炉には、流動媒体eを流動層2の中央部と周辺部の間で旋回させるタイプの流動層ガス化炉1を、高温ガス化炉には、低温ガス化炉からの可燃ガスとガス化剤を旋回しながら高温でガス化するタイプの旋回溶融炉30を用いている。
ロックホッパ(図示せず)等を介してガス化炉1に供給された廃棄物aは、所定温度、好ましくは550〜850℃に保持された流動層2中で酸素b、スチームcと接触することにより熱分解ガス化される。不燃物dは流動媒体eと共にガス化炉1の炉底より抜き出され、スクリーン7で分級され、不燃物dのみがロックホッパ8を介して外部に排出され、流動媒体eは何らかの搬送手段を用いることによりガス化炉1に戻される。熱分解ガス化により生成したガス、タール、チャーは、後段の旋回溶融炉30の燃焼室31に供給され、1200〜1500℃の高温でガス化される。同時に、チャー中の灰分は溶融スラグ化される。生成したガスは溶融スラグとともに水槽34の水中に吹き込まれ急冷される。こうして、スラグ分離室32の水槽34からガラス状のスラグ粒fが回収される。符号36はロックホッパ、符号37はスラグスクリーンである。
【0005】
旋回溶融炉30を出た生成ガスgは、スクラバー38でスラグミストやHClを水洗浄により除去し、COシフト(CO+HO→CO+H)やCO(炭酸ガス)除去の工程(図示せず)を経た後に、合成ガス(CO+H)として回収される。このように、本システムでは廃棄物を合成ガスに転換利用するため、ガス化炉及び旋回溶融炉へはガス化剤として酸素bとスチームcの混合ガスが供給される。また、炉内の圧力は通常1.013〜4.053MPa(10〜40気圧)の加圧状態で操作されることが多い。なお、符号kは補給水、符号faは微細スラグである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図20に示す廃棄物の二段ガス化システムは、計画段階初期における提案であるために、実証レベルのプラントを設計し稼働させようとすると、以下に列挙する課題が存在している。
1)廃プラスチック主体の廃棄物を固形化燃料化して前処理した場合、廃プラスチック全体を溶融させると消費エネルギーが大きく、また強固に固まるので流動層中での熱分解速度が遅く炉床当りの処理負荷を上げることができない。
2)流動層ガス化炉と旋回溶融炉とを接続し流動層ガス化炉から旋回溶融炉にガス状物を供給するダクトには、ダクトへのチャー等固体状物の堆積を避けるため、ダクトの中央部を高くした山形のダクトにするか、ダクト内を流れるガス状物質の流速を大きくする必要がある。
3)高温ガス化炉である旋回溶融炉は1200℃以上の高温で運転するため、起動バーナを高温ガス化炉に設けると、運転時の破損を避けるため、高温ガス化炉の起動後に起動バーナを抜き取るか、又は、運転中に起動バーナの周辺を多量のスチームまたは不活性ガスによってパージし続ける必要がある。
4)原料が廃プラスチックの場合、原料の供給時に流動層ガス化炉に連結された原料供給機内で原料が溶着する恐れがある。
5)二段ガス化システムによって生成される生成ガスの量をガス精製や最終生成物反応器等の後段の設備で要求される量に合致させることが困難である。
6)停電時、あるいは緊急遮断時に、低温ガス化炉である流動層ガス化炉への原料、流動化ガスの供給を全て停止してしまうと、流動層中の未分解物が原因となって粗大な塊状物が生成し、そのままでは炉の再起動が難しいという事態が発生する。また、停止後も長時間ガスが発生し、定常時とは質の異なるガスがガス精製系に流入する恐れがある。
7)低温ガス化工程で発生するダイオキシン類が1200℃以上の高温ガス化工程で完全に分解されないと、高温ガス化以降のガスの冷却・洗浄工程において洗浄水中にダイオキシンが混入することが懸念される。
【0007】
本発明は、従来の廃棄物の二段ガス化システムが有する上述の1)〜7)の問題点を解決し、廃棄物中に含まれる金属や灰分をリサイクル利用可能な状態で回収するとともに、COおよびHを多量に含有するガスを回収しNH(アンモニア)等の合成用原料にすることができる廃棄物の二段ガス化システムの運転制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、廃棄物からなる原料を流動層ガス化炉にて低温で熱分解ガス化し、得られるガス状物質とチャーを溶融炉に導入して高温で熱分解ガス化する廃棄物の二段ガス化システムにおいて、前記流動層ガス化炉に供給する原料は、廃プラスチックを含む廃棄物を固形化燃料として前処理したものを使用し、前記固形化燃料は、流動層の中で壊れやすいように表面のみを溶融固化させて成形した
廃棄物として、廃プラスチックを用いる場合には、廃プラスチックを圧縮成形して嵩密度を上ることが好ましく、この場合、廃プラスチック全体を溶融固化させるのではなく、圧縮成形物の表面のみを固化させるように外側から熱を加えて成形することにより、圧縮成形する際の消費エネルギーの低減を図ることができる。こうして表面のみを固化させた圧縮成形物は、流動層へ投入した時に容易に壊れやすいので、流動層中でのガス化に要する時間が短くて済み、したがって、炉床熱負荷を上げることが可能となる。
【0009】
棄物からなる原料を流動層ガス化炉にて低温で熱分解ガス化し、得られるガス状物質とチャーを溶融炉に導入して高温でガス化する廃棄物の二段ガス化システムにおいて、前記流動層ガス化炉と溶融炉とを接続するダクトは、略水平な直管状のダクトとし、該ダクトの入口ガス温度を800℃以下、好ましくは600℃以下とし、かつガス流速を15m/s以下、好ましくは10m/s以下とする。これにより、アルカリ金属塩等の低融点物質が溶融することに起因する、ダクトへの固着トラブルを回避できる。
【0010】
棄物からなる原料を流動層ガス化炉にて低温で熱分解ガス化し、得られるガス状物質とチャーを溶融炉に導入して高温でガス化する廃棄物の二段ガス化システムにおいて、前記溶融炉の起動は、前記流動層ガス化炉から高温の燃焼ガスを溶融炉に導入し、該高温の燃焼ガスによって溶融炉に供給された燃料を着火させることにより行う。前記流動層ガス化炉で生成される高温の燃焼ガスは、流動層ガス化炉に設置された起動バーナにより生成された燃焼ガスと、前記起動バーナの下流側で前記流動層ガス化炉と前記溶融炉とを接続するダクトに至るまでの経路にて供給された燃料の燃焼による燃焼ガスとからなる。
上述の構成によれば、高温ガス化炉である溶融炉にはバーナを設ける必要はなく、燃料(例えばLPG)と空気又は酸素又は酸素、スチームの混合ガス(又は酸素)の供給口のみ設けるだけでよい。昇温は低温ガス化炉である流動層ガス化炉側からの高温の燃焼ガス、または火炎により燃料を着火して行う。これにより、バーナを抜き取る操作が不要となり手順が簡素化でき、また大量のパージガスが不要となりガス化効率の低下が防げる。これは、高温ガス化炉の炉材はスラグのセルフコーティングによってしか保護することができず、このため水冷構造とする必要がある。したがって、バーナを抜き取る操作の間に高温ガス化炉が急速に冷えてしまうためである。
【0011】
棄物からなる原料を流動層ガス化炉にて低温で熱分解ガス化し、得られるガス状物質とチャーを溶融炉に導入して高温でガス化する廃棄物の二段ガス化システムにおいて、前記流動層ガス化炉に原料を供給する原料供給系に、前記流動層ガス化炉に接続されたスクリューコンベヤからなる原料供給機を設け、該原料供給機のケーシング内面に搬送方向に沿ったリブを設け、該リブによってスクリューの回転と一緒に原料が共回りすることを抑制しつつ流動層ガス化炉に原料を供給する。
上述の構成によれば、原料が廃プラスチックの場合に、原料供給機内で原料が溶着することを防止できるため、低温ガス化炉である流動層ガス化炉へ原料を安定して供給することができる。
【0012】
本発明の1態様によれば、廃棄物からなる原料を流動層ガス化炉にて低温で熱分解ガス化し、得られるガス状物質とチャーを溶融炉に導入して高温でガス化する廃棄物の二段ガス化システムにおいて、前記溶融炉から排出される生成ガスの流量を計測し、この計測値を設定値と比較し、この比較された結果に基づいて前記流動層ガス化炉の原料供給量と前記流動層ガス化炉の酸素供給量を制御することを特徴とするものである。これにより、常に所望量の生成ガスを安定して得ることができる。
【0013】
前記生成ガスの流量の計測値が設定値よりも多い場合には、原料供給量調節計の設定値を下げるよう信号を出力し、その後流動層ガス化炉の流動層温度が設定値より高くなると、流動層ガス化炉の流動層温度調節計から流動層ガス化炉の酸素流量調節計へ酸素流量を減らす信号が送られる。
その後前記溶融炉の温度が設定値より高くなると、溶融炉の温度調節計から溶融炉の酸素流量調節計へ酸素供給量を減らす信号が送られる。これにより、所望量の生成ガスを安定して得ることができる。
【0014】
棄物からなる原料を流動層ガス化炉にて低温で熱分解ガス化し、得られるガス状物質とチャーを溶融炉に導入して高温でガス化する廃棄物の二段ガス化システムにおいて、停電時あるいは緊急遮断時には、低温ガス化炉の流動化用スチームのみ継続して供給し、低温ガス化炉、高温ガス化炉へのその他の供給は一切停止する。或いは高温ガス化炉の酸素希釈用のスチームも継続して供給する。
また高温ガス化炉以降の生成ガスの送給先をガス精製側から燃焼排気側へ切換える。これにより、低温ガス化炉の流動層中に塊状物が形成されないばかりか、発生ガスを燃焼排気することにより、ガス精製系にトラブルを発生させず、また、設備の周囲に未燃ガス放出による悪臭公害等を引き起こさなくてすむ。したがって、非常電源設備としては、計装、制御、スチーム発生、ガス燃焼排気用の容量を確保するだけでよい。
【0015】
棄物からなる原料を流動層ガス化炉にて低温で熱分解ガス化し、得られるガス状物質とチャーを溶融炉に導入して高温でガス化する廃棄物の二段ガス化システムにおいて、原料である廃棄物中にS(硫黄)を含有する物質、例えば石炭等や加硫ゴム等をS(硫黄)/Cl(塩素)のモル比にて0.1〜1.0程度添加することにより、低温ガス化炉におけるダイオキシンの生成を抑制することが可能となる。これは、低温ガス化の際に発生するCl(塩素ガス)がHCl生成用に消費されるためと考えられている。Clは未燃物質を強力に塩素化する作用を有しており、この時にダイオキシン類も生成するとされている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る廃棄物の二段ガス化システムの実施の形態を図1乃至図19を参照して説明する。
図1は本発明の廃棄物の二段ガス化システムの構成を示す概略図である。図1に示すように本発明の廃棄物の二段ガス化システムにおいては、低温ガス化炉として流動層ガス化炉1を用い、高温ガス化炉として旋回溶融炉30を用いている。流動層ガス化炉1に廃棄物を供給する原料供給系10は、移動床式貯留ヤード11、原料搬送コンベヤ12、原料ホッパ13、原料ロックホッパ14、原料切出機ホッパ15、原料切出機16、インパクトライン流量計17、原料供給機18とから構成されている。
【0017】
流動層ガス化炉1の内部には、流動化ガスを上方に噴出して炉内に流動層2を形成するための流動化ガス分散装置3が配置されている。流動層2の流動媒体には硅砂等の砂が用いられる。流動層ガス化炉1の上部にはフリーボード4が形成されており、底部には不燃物排出口5が形成されている。
流動層ガス化炉1に流動媒体を循環させる流動媒体循環系20は、不燃物排出口5の下方に配置された不燃物抜出コンベヤ21、流動媒体抜出ロックホッパ22、流動媒体エレベータ23、流動媒体供給ロックホッパ24、流動媒体投入コンベヤ用ホッパ25、流動媒体投入コンベヤ26とから構成されている。
【0018】
一方、流動層ガス化炉1で生成されたガス、タール、チャー等からなるガス状物を高温でガス化する旋回溶融炉30は、燃焼室31と、スラグ分離室32とを備えている。スラグ分離室32内には、下降管33と、冷却水を貯留した水槽34とが配置されている。
【0019】
図1に示した二段ガス化システムに適用可能な可燃性廃棄物には、都市ごみ、固形化燃料(RDF)、スラリー化燃料、廃プラスチック、廃FRP、バイオマス廃棄物、自動車廃棄物、低品位石炭等がある。ここで、固形化燃料とは都市ごみを破砕選別後、生石灰等を添加して圧縮成形したもの、スラリー化燃料とは都市ごみを破砕後水スラリー化し、高圧下で水熱分解により油化したものである。FRPは繊維強化プラスチックのことであり、廃バイオマスには上下水廃棄物(夾雑物、下水汚泥)、農産廃棄物(もみがら、稲わら)、林産廃棄物(のこくず、バーク、間伐材)、産業廃棄物(パルプチップダスト)、建築廃材等がある。低品位石炭には、石炭化度の低い泥炭、もしくは選炭時に出るボタ等がある。
【0020】
図1に示す構成において、不燃物除去、圧縮固形化等の前処理後に移動床式貯留ヤード11に貯留された廃棄物aは、該貯留ヤード11から所定量ずつ切り出され、原料搬送コンベヤ12および原料ホッパ13を介して原料ロックホッパ14に供給される。廃棄物aは、原料ロックホッパ14にて、所定圧力、例えば1.013〜4.053MPa(10〜40気圧)程度に昇圧された後に、原料切出機ホッパ15、原料切出機16、インパクトライン流量計17、原料供給機18を介して流動層ガス化炉1に定量供給される。
【0021】
廃棄物aとして、特に廃プラスチックを用いる場合には、廃プラスチックを圧縮成形することが好ましい。この場合、廃プラスチックの全体を溶融固化させるのではなく、成形物の表面のみを固化させるように外側から熱を加えて成形している。これにより、成形物の中心付近まで溶融させる必要がないので、成形する際の消費エネルギーの低減を図ることができる。また表面のみ溶融固化した成形物は、流動層2の中で壊れやすいので、流動層内でのガス化に要する時間が短くて済み、炉床熱負荷を上げることが可能となる。これにより、流動層ガス化炉のコンパクト化が達成できる。また、廃プラスチックに塩化ビニール等が含まれしかもその場に酸素が存在すると、発生する高濃度HClの一部がClに変換され、これが未燃物質を塩素化する際にダイオキシン類を合成する。これを未然に防ぐには、廃プラスチックの圧縮成形時に微量のS含有物、例えば石炭や加硫ゴムを添加してやると、ダイオキシンの生成が抑制される。
【0022】
ガス化炉1内の流動化ガス分散装置3からは酸素(又は空気)bとスチームcの混合ガスがガス化剤兼流動化ガスとして流動層2に送入され、流動媒体eが流動化される。廃棄物aはガス化炉内の流動層2に投入され、500〜850℃好ましくは500〜600℃に保持された流動層2内で高温の流動媒体やガス化剤である酸素、スチームと接触することにより、速やかに熱分解ガス化される。ガス化炉1の炉底にある不燃物排出口5からは不燃物抜出コンベヤ21により流動媒体eが不燃物dとともに間欠的又は連続的に排出され、流動媒体抜出ロックホッパ22で減圧された後に、分級機(図示せず)により流動媒体eと不燃物dとが分離され、不燃物は外部に排出され、流動媒体eは流動媒体エレベータ23で上方に搬送される。流動媒体エレベータ23で上方へ搬送された流動媒体は、流動媒体供給ロックホッパ24、流動媒体投入コンベヤ用ホッパ25、流動媒体投入コンベヤ26を介して昇圧され、ガス化炉1に戻される。不燃物中に含まれる金属は、ガス化炉内が還元雰囲気であるため、酸化されない状態で回収される。
【0023】
投入された廃棄物aの熱分解ガス化によりガス、タール、チャーが生成するが、チャーは流動層2におけるガス化剤のアタックと撹乱運動により微粉砕される。固形物であるチャーは多孔質で軽く微粉状であるため、ガス状物であるガス、タールの上方向への流れに同伴されて運ばれる。ガス化炉1を出たガス状物gは旋回溶融炉30に供給され、燃焼室31に導入される。そこで吹き込まれた酸素bとスチームcの混合ガスと旋回流中で混合しながら、1200℃以上の高温で酸化分解される。生成した水素(H)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、スチーム(HO)主体のガスはスラグfと共に、スラグ分離室32内に設置された下降管33内を下降した後に、水槽34の水中に吹き込まれることにより洗浄急冷される。スラグ分離室32を出たガスgは、次のガススクラバー(図示せず)にてガス中に残存するダストや塩化水素等を除去された後、合成ガスとして水素、メタノール、メタン等の製造に利用される。スラグ分離室32の下部からは水槽34に堆積したスラグ粒fが排出される。回収されたスラグ粒は主としてセメントの原料や土木建築用の資材として有効利用される。
【0024】
次に、本発明の廃棄物の二段ガス化システムを構成する各部の詳細構造について説明する。
図2乃至図6は、原料供給系10の移動床式貯留ヤード11の詳細構造を示す図である。図2は移動床式貯留ヤードの詳細構造を示す平面図である。
図1および図2に示すように、移動床式貯留ヤード11は、フレーム51上に支持された移動床52と、移動床52の前端部および両側部から立設された側壁54とを備えている。移動床52は、図2に示すように、細長い平板状の移動板P〜Pが多数並列した構成を有し、全長で幅Lの寸法を有している。移動床52の下方に設置された原料搬送コンベヤ12は、速度v(m/s)で図2の右方向に搬送するように運転されている。並列した移動板は3つの移動板P,P,Pを1つのユニットとして構成され、移動床式貯留ヤード11の下方に配設された原料コンベヤ12の搬送方向に、その配列が繰り返されている。そして、各ユニットの移動板P、各ユニットの移動板P、各ユニットの移動板Pは、それぞれ異なった駆動装置に連結されるため、3枚おきに配列された移動板は、時間差(1/4τ)をもって同じ動きをするようになっている。なお、移動板の幅は150mm程度のものが用いられる。
【0025】
図3(a)および図3(b)は、図2に示す移動床式貯留ヤード11の一部を示している。図3(a)に示す状態では、全ての移動板P〜Pが前進した状態にある。図3(b)に示す状態では、移動板Pが距離2lだけ後退した状態にある。移動床52を構成する各移動板P〜Pの前進端から距離lだけ後方の位置は、原料搬送コンベヤ12の中心線と大略一致している。なお、移動板の距離に関するdの長さはおよそ200mm程度とすることが好ましい。
【0026】
図4(a)および図4(b)は、図2に示す移動床式貯留ヤード11の側面図であり、図4(a)は移動床式貯留ヤード11における原料の落下部直下に原料搬送コンベヤ12が配設されている場合を示し、図4(b)は移動床式貯留ヤード11と原料搬送コンベヤ12が上述の位置関係になく、両者の間に傾斜板35が配設されている場合を示す。図4(a)および図4(b)に示す例においては、移動床52における各ユニットの移動板が作動して後退し、移動床式貯留ヤード11上の搬送物である廃棄物aの一部が原料搬送コンベヤ12上に供給される状態を示している。
【0027】
図5(a)乃至図5(e)は、移動床式貯留ヤード11の動作説明図である。図5(a)乃至図5(e)においては、1枚の移動板P,P,Pからなる1つのユニットのみを示している。図5(a)に示すように、移動床52における全ての移動板P〜Pは、時刻T=0において廃棄物(図示せず)を載置した状態で前進位置にある。そして、時刻T=(1/4)τにおいて、図5(b)に示すように、移動板Pは距離2l後退する。このとき、移動板Pに載置されていた廃棄物の一部が原料搬送コンベヤ12(図4参照)上に落下する。
【0028】
次に、時刻T=(2/4)τにおいて、図5(c)に示すように、移動板Pは距離2l後退する。このとき、移動板Pに載置されていた廃棄物の一部が原料搬送コンベヤ12上に落下する。そして、時刻T=(3/4)τにおいて、図5(d)に示すように、移動板Pは距離2l後退する。このとき、移動板Pに載置されていた廃棄物の一部が原料搬送コンベヤ12上に落下する。最後に、時刻T=τにおいて、図5(e)に示すように、全ての移動板P〜Pは廃棄物を載置した状態で後退位置から距離2l前進する。図5(a)〜図5(e)に示すサイクルが繰り返されることにより、廃棄物である原料が移動床式貯留ヤード11から原料搬送コンベヤ12に切り出される。
【0029】
原料搬送コンベヤ12の搬送速度v(m/sec)と移動床52の全長L(m)(図2参照)と上記サイクル時間τ(sec)との関係は、L/v≧τに設定されている。したがって、原料搬送コンベヤ12には移動床式貯留ヤード11から廃棄物aが途切れることなく供給される。そして、3枚おきに配列された移動板(P〜P)毎に、時間差(1/4τ)をもって移動することにより、移動毎に廃棄物が移動床52から原料搬送コンベヤ12上に落下するため、原料搬送コンベヤ12の下流側の機器に搬送される廃棄物の供給量はほぼ平準化される。したがって、原料搬送コンベヤ12の下流側の機器設備容量を過大にする必要がない。
【0030】
図6は移動床式貯留ヤードの変形例を示す斜視図である。移動床式貯留ヤード11の出口の原料搬送コンベヤ12を下流の機器配置等の関係から傾斜させなければならない場合(θ:傾斜角度)、図示するように移動床52をいくつかのユニット(図6に示す例では3つのユニット)に分割し、階段状に配置することによって対応する。なお、図6に示す例では、各ユニット1,2,3は4枚の移動板P,P,P,Pから構成されている。作用および効果は、図2乃至図5に示す例と同様である。移動床式貯留ヤードの搬送能力は、移動板が前進する長さで決まってくるが、通常は0.07〜0.6m/minとすることが好ましい。
【0031】
図7は、原料供給系10における原料ホッパ13から低温ガス化炉である流動層ガス化炉1に至る経路の詳細構造を示す側面図である。図7に示すように、原料搬送コンベヤ12より原料ホッパ13に供給された廃棄物は、原料ロックホッパ14、原料切出機ホッパ15、原料切出機16、インパクトライン流量計17、原料供給機18を介して流動層ガス化炉1に供給される。
流動層ガス化炉1には、原料である廃棄物を間欠的ではなく、連続に近い形で供給することが必要とされる。図7に示す例においては、原料切出機16にスクリューコンベヤを採用し、原料供給機18にスクリューコンベヤを採用し、即ち、原料供給系に2段スクリュー方式を採用している。そして、原料切出機16と原料供給機18との間にインパクトライン流量計17を設置している。したがって、大粒径塊の廃棄物を、スクリュー方式の原料切出機16で砕きながらインパクトライン流量計17に定量供給し、インパクトライン流量計17によりオンラインで計測しながら原料供給機18によって炉内に供給することができる。即ち、原料切出機16、インパクトライン流量計17、原料供給機18の組合せにより、廃棄物をインパクトライン流量計17へ連続かつ平準化供給が可能なので、インパクトライン流量計17の測定精度を高めることができる。また、廃棄物を大粒径塊状にするときも、スクリューコンベアで容易に破砕できる堅さにすればよい。因みに、原料が廃プラスチックの場合、φ60mmに固形燃料化するための加熱温度×加熱時間は、通常150℃×10〜15秒とすることが好ましい。
【0032】
また原料供給機18の先端部にはパージ用スチーム55が供給されるようになっている。そして、原料切出機ホッパ15にはパージ用空気56が供給されるようになっている。したがって、原料供給機18の先端部は常にスチームでパージされているので、多少炉内圧が変化しても炉内の可燃ガスと原料ロックホッパ14で使用する空気が原料供給機18の内部で直接接触しない。また、原料供給機18内の温度を低く維持できるため、廃棄物がプラスチックであっても溶融付着することはなく、廃棄物の流動層ガス化炉1への供給に支障を来すことがない。また、原料供給機18を介して上流側に向かって炉内のガス状物質が逆流しても原料切出機ホッパ15に供給されるパージ用空気56により、この逆流を阻止することができる。なお、原料ロックホッパ14の昇圧時には昇圧用空気57が供給され、同じく降圧時には原料ロックホッパ14内の空気が排気されるようになっている。また緊急時にはパージ用窒素58が原料ロックホッパ14、原料切出機ホッパ15に供給されるようになっている。
【0033】
図8は、流動層ガス化炉1の詳細構造を示す図である。図8(a)は部分断面を有した正面図、図8(b)は図8(a)におけるA部拡大図である。図8(a)に示すように、流動層ガス化炉1にはチャーオーバーフロー管61が設けられている。チャーオーバーフロー管61はオーバーフロー内管62とオーバーフロー外管63と内外管62,63にサンドイッチされた保温材64とから構成されている。即ち、チャーオーバーフロー管61は二重管構造とし、高温のチャーや流動媒体に接する内管62には耐圧機能を持たせず、外管63にて耐圧機能を持たせ、最外部は管内部にパージされたスチームの凝縮防止、および外管温度管理のためのスチームトレース66を施している。チャーオーバーフロー管61の一端は流動層の表面よりやや上方に開口し、他端は不燃物抜出コンベヤ21に接続されている。チャーオーバーフロー管61の下端部にはバルブ65が設置されている。またチャーオーバーフロー管61の分岐部61aよりチャーをサンプリングできるようになっている。
【0034】
不燃物排出口5に連なる不燃物シュート6および不燃物抜出コンベヤ21の外面もスチームトレース66により覆われている。また流動層ガス化炉1の側壁にはのぞき窓67が設置され、こののぞき窓67の外には炉内モニタリング用の工業用テレビ68が設置されている。
【0035】
従来の流動層ガス化炉においては、チャーが流動層上に堆積し廃棄物のガス化を阻害することがあった。そのため酸素吹き込み等によるチャー燃焼が必要となった。こうした現象はチャー生成率の高い原料(例えば、ウレタンゴム、木、石炭)では顕著である。本発明においては、工業用テレビ68や流動層の差圧により流動層2の表面上にチャーが堆積したことを監視し、所定量以上のチャーの堆積が確認されたら、バルブ65を開き、チャーオーバーフロー管61によってチャーを抜き出すようにしている。これにより、チャーのみを選択的に炉外に排出し、必要に応じて粉砕後ガス化炉に戻すようにしているので、チャー発生率の高い原料でも安定した運転が可能となる。
【0036】
また、図8(a)に示すように、流動層ガス化炉1のフリーボード4に二次酸素供給ノズル69を設置している。二次酸素供給ノズル69から必要に応じフリーボード4に酸素好ましくは酸素とスチームの混合ガスを供給することにより、流動層2で生成されたガスをフリーボード4で一部燃焼させることができる。フリーボード4ではブドワール反応、水性ガス化反応(C+HO→CO+H)等の吸熱反応が進みガス温度が下がるので、タールが凝縮する恐れがあるが、必要に応じて、二次酸素供給ノズル69から酸素好ましくは酸素とスチームの混合ガスを供給することにより、フリーボード4を300℃以上、好ましくは400℃以上に高温化できるので、ガス温度が低下することによるタール凝縮を回避できる。
【0037】
また本発明の流動層ガス化炉1においては、図8(a)および図8(b)に示すように、鋼板製の圧力容器71の両側(内外)に断熱層72,73を設けている。断熱層72は断熱材からなり、断熱層73は保温材からなっている。そして、断熱層72の内側には耐火層74を設けている。
【0038】
生成ガス中に含まれる塩化水素が圧力容器内面に結露すると腐食の原因となるため、結露が起こらない温度以上(但し、容器の設計温度範囲内)に容器内面の温度コントロールを行う必要がある。従来、これを行うために、圧力容器にジャケットを設けるか、あるいはボイラ構造とし温度管理する必要があり、コスト的に問題があった。本発明においては、圧力容器71の内外面に断熱層72,73を設けている。これにより、炉内温度、外気温度の変動に対し影響を受けにくくすることができ、所定の外気温、炉内運転温度にて、適切な温度範囲内に圧力容器71を置くことが可能となる。また、比較的炉内運転温度の低い炉下部の不燃物シュート6やオーバーフロー管61はスチームトレース66を施すことで、塩化水素の結露温度以上に保持している。この塩化水素を含んだ水分結露温度は炉内圧1.621MPa(16気圧)で160℃程度と、純粋な水の沸点より若干低いと考えられる。
【0039】
図9乃至図12は、流動層ガス化炉1内に設置された流動化ガス分散装置3およびその周辺機器の詳細構造を示す図である。図9は流動層ガス化炉の要部断面図、図10は流動層ガス化炉および流動化ガス分散装置を模式的に示す斜視図である。
流動層とは、0.4〜1.0mm程度の珪砂や酸化鉄等の流動媒体粒子を充填した粒子充填層の下からガスを供給して流動媒体を流動化させ、流動層を形成したもので、流動層反応装置とはその流動層の持つ流動性・均一性・熱容量の大きさ・表面積の大きさ等を利用して化学反応を早く、安定かつ均質に行わせようとするもので、石油精製の接触分解や、石炭等固体燃料の燃焼や焼却に応用され、多くの実績がある。
【0040】
流動層を利用した反応装置においては、設計通りの流動化状態を得ることが重要であるが、実際の流動層反応装置では流動状態に水平方向の分布があるのが普通である。この流動化状態に分布を生じる主な原因は、流動層下部の流動化ガス分散装置から吹き出すガス流量が場所によって異なることである。この流動化ガス吹き出し量の違いは、流動化ガス分散装置に流動化ガスを供給する風箱内の静圧分布によるものと考えられ、設計通りの流動化ガスの吹き出し速度を得るためには、風箱内の静圧分布を極力なくすことが重要となる。
【0041】
しかしながら、通常の流動層反応装置の設計においては風箱に流入する流動化ガスに動圧が存在するため、風箱内の静圧分布を無くすことは容易でなく、流動化の均一性を保持するためには、流動化ガス吹き出しノズルの通風抵抗を静圧分布幅と比べて大きくなるよう設計することによって、静圧分布の影響を相対的に小さくするようにしている。しかしながら、流動化ガス分散ノズルの通風抵抗が大きいことはエネルギーロスを生じるため、省エネルギーのためにはできるだけ静圧分布を生じない風箱形状とすることが望まれる。
【0042】
本発明は上記のことに鑑みてなされたものであり、流動化ガスのエネルギーロスが小さく、かつ均一な流動化状態を得ることのできる流動化ガス分散装置を提供するものである。
下式はベルヌーイの定理を式化したものであるが、左辺は全圧で、右辺第1項が静圧、第2項が動圧、第3項が位置圧(ヘッド)である。
P=p+1/2ρv+ρgh
動圧を持った流動化ガスが風箱に流入した後、流速を減じせしめられると、流動化ガスの持っていた運動エネルギー(動圧)が静圧に変換される。したがって、単純なパイプを利用した風箱で片側から流動化ガスを供給する場合や、箱形の風箱の1箇所から流動化ガスを供給する場合は、どうしても風箱内端部で流速が減じせしめられるので、端部の静圧が上昇する傾向があり、静圧が上昇した部分から流動化ガスが供給される分散ノズルでは、分散ノズルからの流動化ガス吹き出し量が他のノズルと比べて相対的に多くなってしまうのである。したがって、流動化ガスの風箱を設計するにあたっては、端部を作らないようにすることが重要である。閉じた空間で端部のない代表的なものは円環である。
【0043】
したがって、本発明の流動化ガス分散装置においては、図9および図10に示すように、円環状の風箱を用いている。すなわち、流動層ガス化炉1内部の流動化ガス分散装置3内に円環状の風箱81a,81bが設けられている。ガス化炉が円筒形状であるため、円環形状の風箱は形状的適合性に優れているが、単に球や円環を風箱として用いるだけでは内部の静圧分布はなくならない。
【0044】
図11は円環状風箱の1例を示す詳細図であり、図11(a)は円環状風箱の平面図、図11(b)は円環状風箱の正面図である。図11(a)および図11(b)に示すように、風箱81aには、流動化ガス供給管82と、流動化ガス吹き出しノズル83を先端に有する複数の流動化ガス吹き出し管84とが接続されている。図11に示す例のように、単純に1箇所から流動化ガス60を供給すると、図内矢印に示すように流動化ガスが流れ、供給管接続部の反対側“A”部で流れが衝突し、動圧が静圧に変換されるので“A”部の静圧が上昇し、“A”部近傍に接続されている分散ノズル供給管からの流動化ガス量が他と比べて多くなってしまう。流動化ガス供給箇所を1箇所でなく、2箇所以上に増やしても、流れが衝突し動圧が静圧に変換される部分が形成されてしまうと、その部分の静圧が上昇し、流動化ガス吹き出し量が不均一になってしまうことになる。したがって、動圧を静圧に変換せしめないようにすることが流動化ガスの吹き出し量の不均一を防止する上では重要となる。
【0045】
図12は円環状風箱の他の例を示す詳細図であり、図12(a)は円環状風箱の平面図、図12(b)は円環状風箱の正面図、図12(c)は図12(b)のB矢視図である。風箱81a内の流動化ガス供給管82の出口部にガイド85a,85bを設け、風箱81a内の流動化ガスが一方向に流れるようにしたものである。ガイド85a,85bの形状は流動化ガスの流れを一方向に導くことができる形状であれば、どのような形状でも構わないが、万が一、風箱内に流動媒体が落下してきてもそれを流動化ガス供給管82から排出できるように、風箱の底部近傍が開口しているのが望ましい。図11(c)に示す例においては、符号86が流動媒体排出口である。本発明の風箱においては、ガス流れが一定方向であるので、風箱内に落下した流動媒体は流動化ガス供給管82へ向けて吹き寄せられるため、風箱内に堆積しにくい。図中、符号87は流動媒体が流動媒体排出口86を介して排出される際の流れを示している。この円環状風箱内は、流動化ガスの滞留時間が0.1〜0.2secとなるよう設計されることが好ましい。
【0046】
また、円環状風箱内を一周して戻ってきた流動化ガスの動圧が静圧に変換されないようにするため、ガイド85aの上部は開口していなければならない。ガイド85aはガス流れの大部分の流れを制御するため、流動化ガス供給管82の管径全体を覆うように配置されるのがよい。図12に示す例においては、ガイドは85a,85bの2枚で構成されているが、必ずしも2枚である必要はなく、1枚であっても良いし必要に応じて増やしてもよい。ガイドの形状は単純な平板でも構わないが、好ましくは、図12に示すように、ガスの流れに応じた曲面で構成されるのがよい。流動層ガス化炉において円環状風箱にこのようなガイドを設けることによって、少ない空気供給口でも、風箱内の静圧を均一に保つことができ、流動状態を均一にできる。また、万が一、流動媒体が風箱内に落下しても排出が容易になる。なお、本廃棄物二段ガス化システムは1.013MPa(10気圧)以上で運転されることが多いので、用いる流動媒体の粒径は0.1〜0.5mm程度としている。
【0047】
図13は、流動媒体循環系20の要部詳細構造を示す正面図である。図13においては、流動媒体供給ロックホッパ24、流動媒体投入コンベヤ用ホッパ25および流動媒体投入コンベヤ26が示されている。流動媒体投入コンベヤ26にはスクリューコンベヤを用い、かつ流動媒体投入コンベヤ26は水平面に対して流動層ガス化炉1に向かって上向きに所定角度(θ)だけ傾斜している。この角度(θ)は10〜20゜に設定されている。そして、流動媒体投入コンベヤ用ホッパ25にパージ用空気90を供給する。すなわち、本発明においては、流動媒体投入コンベヤ26にスクリューコンベヤを用い、かつ流動媒体投入コンベヤ26を炉に向かって上向きに傾斜して取り付け、コンベヤ内部を空気でパージする構成を採用している。したがって、ガス化炉への流動媒体の投入口は、パージを行わないと凝縮したタールによって閉塞してしまうが、流動媒体投入コンベヤ26が傾斜したスクリューコンベヤでコンベヤ内に流動媒体を充満させることができるので、流動媒体の投入口に供給するパージガス量は少なくて済む。このため、空気を用いてもガス化効率への影響は少ない。流動媒体供給ロックホッパ24には昇圧用空気93が供給されるようになっている。また流動媒体供給ロックホッパ24内の空気は排気可能になっている。
【0048】
図14は、流動層ガス化炉と旋回溶融炉とを接続するダクトの構造を示す正面図である。図14に示す例においては、流動層ガス化炉と旋回溶融炉とを接続するダクト95は、水平な直管状のダクトを使用している。図14においては、ダクト95は内部構造が示されていないが、ダクト95の内部は所定内径の直管状に形成されている。本発明においては、ダクト95の入口ガス温度を800℃以下、好ましくは600℃以下に制御し、かつダクト95内のガス状物質の流速vを15m/s以下、好ましくは10m/s以下に制御している。この方法によりダクト入口ガス温度を下げ、かつガス流速を下げているので、アルカリ金属塩等の低融点物質が溶融することなく固化しており、ダクトへの固着トラブルを回避できる。
【0049】
図15は、廃棄物の二段ガス化システムの起動および停止方法を説明するための説明図である。
図1に示す廃棄物の二段ガス化システムにおいては起動時に下記のような問題や課題がある。
1)高温のため高温ガス化炉に起動バーナを設けると、通常運転時の破損を避けるため昇温後にバーナを抜き取る操作が必要となる。また、高温ガス化炉は炉材保護のため、水冷構造となっているので、バーナを抜く操作の間に高温ガス化炉内の温度低下が急速に進んでしまう。
2)上記を防止するためには多量のスチームまたは不活性のガスのパージを行う必要があるが、顕熱ロスによりガス化効率の低下を招く。
3)酸素が残存する酸化雰囲気から可燃ガスが存在する還元雰囲気に移行の際、爆発燃焼を避けるためには高温ガス化炉下流側設備に酸素が所定濃度以上あってはならない。
4)可燃性ガスは爆発燃焼や悪臭公害があるため、生ガスのまま大気放出してはならない。
【0050】
上記を解決するため、本発明においては、図15に示すように、流動層ガス化炉1には起動バーナ96が設置されており、起動バーナ96にはLPGおよび空気が供給されるようになっている。上下の二次酸素供給ノズル69のうち、上段のノズルには空気、酸素、スチーム、LPGが供給可能になっており、下段のノズルにはスチーム、酸素が供給可能になっている。流動層ガス化炉1の炉頂部に設置されたLPGインジェクタ97には空気とLPGが供給されるようになっている。また、ダクト95の途中には空気が供給されるようになっている。
一方、旋回溶融炉30の上部にはLPG/酸素インジェクタ98が設置され、LPG、酸素(又は空気)、スチームが供給可能になっている。また旋回溶融炉30の燃焼室31には、ノズル99a〜99dによってスチーム、酸素(又は空気)が供給可能になっている。
【0051】
上述の構成により、高温ガス化炉である旋回溶融炉30にはバーナを設けず、燃料(LPG)と酸素(又は空気)の供給口98のみ設け(少量の保護用パージガスで済む)、昇温は低温ガス化炉である流動層ガス化炉1側からの高温燃焼ガス、または火炎により着火して行う。これにより、バーナを抜き取る操作が不要となり手順が簡素化できる。また大量のパージガスが不要となりガス化効率の低下が防げる。
【0052】
またガス化炉内の雰囲気を酸化状態から還元状態に移行する際、還元状態に移行する前に高温ガス化炉の下流側設備から酸素を充分に排気する必要がある。但し、高温の可燃ガスを排気すると大気と混合した際に爆発の危険があるため、生ガスのまま大気中へ排気できない。そのため、バーナおよびインジェクタによる昇温時に、空気量を徐々に低下させていき、排ガス中の酸素濃度を0%近くまで低下させた後に、排気先を直接大気から燃焼排気設備であるフレアユニットに切り替え、さらなる空気量調整により還元状態に移行してから原料投入を開始することにより、還元状態を持続したまま通常運転に移行できる。こうして、定常状態到達後に生成ガスの行き先をガス精製設備に切替えることになる。
【0053】
次に、図15に示す構成を用いた主要起動手順を説明する。
1)流動層ガス化炉:起動バーナ96を着火する。
2)流動層ガス化炉:空気により流動層2の流動化を開始する。
3)流動層ガス化炉:二次酸素供給ノズル69によりLPGを供給し、フリーボード4を昇温する。流動層ガス化炉内を600℃以上とする。
4)流動層ガス化炉:LPGインジェクタ97によりLPGを供給し、原ガスダクト95内を昇温する。原ガスダクト95の出口を800℃以上とする。
5)旋回溶融炉:LPG/酸素インジェクタ98よりLPGを供給し、旋回溶融炉を昇温する。旋回溶融炉内を1100℃以上とする。
6)空気供給量を調整し還元雰囲気とする。
7)起動バーナ96を停止後、原料を投入し、還元状態のまま運転を開始する。
8) 原料、酸素、スチーム量を調整し、負荷を上昇する。
【0054】
また、図1に示す廃棄物の二段ガス化システムにおいては停止時に下記のような問題点がある。
1)停止後、流動媒体が冷却されないうちに低温ガス化炉の流動層中に残留した原料を処理する必要がある。特に、残留した原料中の揮発分を完全に追い出してやる必要がある。
2)停止後、旋回溶融炉の下流側設備には可燃ガスが残留しているため、酸素の流入を防ぐ処置が必要である。このため、原料供給停止に際し、酸素または空気が炉内に流入するのを防ぐ必要がある。
3)停止後、両ガス化炉の冷却は耐火物保護のため徐々に行う必要がある。
【0055】
上記問題点を解決するため、本発明においては、以下の対策をとっている。
原料停止時、原料が流動層ガス化炉内に残った状態で流動化を停止してしまうと、原料が溶融して、大きな固まりとなり、次回起動時の障害となるため原料を処理して揮発分を抜く必要がある。ところで、残った原料を処理するために酸素を供給し続けると、所定温度以上に昇温する可能性があり、また酸素が残存した状態でガスを旋回溶融炉下流の設備に流してしまうと、そこで残存している可燃ガスと混合して爆発燃焼する可能性がある。また、炉の減圧を行う際に原料供給系を空気でパージしていると、原料ロックホッパ14内の空気がガス化炉に流入する危険がある。これらを防ぐため、減圧前に窒素でパージして可燃ガスを排出させようとすると、大量の窒素により耐火材が急冷され、損傷を起こす。
【0056】
次に、図15に示す構成を用いた主要停止手順を説明する。
1)圧力を保持したまま最小負荷までロードダウンする。
2)原料ロックホッパ14内の空気を窒素でパージする。但し、原料供給系に窒素パージを採用している場合は不要である。
3)パージ用(保護用)空気56を停止する。
4)酸素の供給を停止する。
5)原料の供給を停止する。
6)スチームによる流動化を継続しながら、徐々に減圧させる。排ガスはフレアユニットへ供給する。
7)スチームを停止する。
8)流動層ガス化炉1を窒素パージする。
【0057】
次に、上述の起動方法によって起動された後の加圧二段ガス化システムの運転制御方法を説明する。
加圧二段ガス化システムを構成する要素技術として最も重要なもののひとつが原料供給技術である。大粒径の廃棄物圧縮成形原料を加圧部へ供給する抗圧供給技術は依然として未踏の領域であり、確実に供給できる方法が求められている。また、ガス化プロセスにとって「原料切れ」は燃焼による高温化を招く恐れがあるため、万が一の場合に備えて、原料供給の状況をリアルタイムに確実に検知できる方法が求められている。
【0058】
1.原料の供給方法
原料中にプラスチック系のものが含まれている場合、150℃以上になると溶けて様々なトラブルを引き起こす。例えばポリエチレンペレットのようなものは、空気輸送を行うと簡単に輸送管内面に融着し、閉塞トラブルを生じる。またロータリーバルブで払い出す場合でも、機器内部温度が50℃程度になるとロータリー羽根の先端にペレットが融着し、ケーシングとの摩擦抵抗が増大しオーバーロードを引き起こす。
【0059】
図1に示すように流動層ガス化炉1に原料供給機18で供給する場合、原料供給機18の内部で常温から供給機先端部の高温部(炉内からの輻射、対流熱伝達による)までの温度上昇が避けられず、供給機の原料受け入れ部から先端まで間に150℃近辺の危険領域が存在する。この危険領域にどのように対応するかが、低温ガス化炉へ原料を安定に供給するためには重要となる。
危険領域で生ずるトラブルとして考えられるのは、
▲1▼スクリュー翼周に廃プラスチックが溶着するために、ケーシングとの間の摩擦抵抗が増大し、モータがオーバーロードに陥る。
▲2▼スクリュー翼表面に廃プラスチックが溶着し、搬送能力を低下させ、供給機閉塞を招く。
【0060】
上記トラブルの発生を防止するためには原料供給機としてケーシング内面に搬送方向に沿ったリブを設けたスクリューコンベヤを用いるのがよい。図16(a)および図16(b)は原料供給機の1例を示す図であり、図16(a)は部分断面を有する正面図、図16(b)は図16(a)のC−C線断面図である。図16(a)および図16(b)に示すように、原料供給機18は、ケーシング110内にスクリュー翼111とスクリュー軸112とからなるスクリュー113が回転自在に収納され、ケーシング110の内面に複数のリブ114が設けられた構成を具備している。ケーシング110には入口110aと出口110bとが形成されている。原料の溶融等によってスクリュー113に付着が起きると、共回りにより搬送性能が低下する一方、コンベヤ内の充満率が高まる。そうするとケーシング110への押しつけ力が徐々に増してくるので、原料はケーシング内面に設けられたリブ114によってスクリュー113と一緒に共回りすることを抑制される。共回りを抑制されるとスクリュー113と原料の接触面にも摩擦力とすべりによるセルフクリーニングが作用し、スクリュー113への付着が抑制される。なお、リブの高さは10〜15mm程度で十分である。
【0061】
リブ114によりスクリュー翼周への付着も改善される。スクリュー翼周とリブとのクリアランスを小さくしておけば、掻き取り効果も期待でき、またスクリュー翼との接点はリブのあるところのみということになり、スクリュー翼周全面が摩擦力を受けることも避けることができる。
また、上述のように原料が圧密された状態であればマテリアルシールしていることにもなり、スチームでパージする必要も少なくなる。
なお、スクリューの駆動用動力としては原料の付着によって生じる摩擦抵抗力を上回ることが必要であるが、プラスチック系原料の場合、付着トラブルを生じる部分は150℃前後の温度域のみであり、それより高温では逆に溶融によって抵抗力が減少するので、150℃近くの温度域の部分で発生する摩擦抵抗力+α程度を考慮すればよい。付着力に対する駆動力の余力が小さいと、前述のポリエチレンペレットにおけるトラブル事例のようにオーバーロードに陥る可能性が高くなる。
原料供給機の型式については2軸スクリューでもかまわないが、原料供給機は基本的に充満率の低い高速搬送で計画するのが良く、コンベヤ入り口の原料の飲み込み性能が重要である。従って、好ましくは空間率が相対的に大きく、かつスクリューピッチも大きくとれる1軸式が好ましい。
【0062】
2.原料切れの監視方法
図17は、二段ガス化システムの運転制御ループ図である。図17には、低温ガス化炉である流動層ガス化炉1と高温ガス化炉である旋回溶融炉30とそれらの周辺機器を監視する監視機器の配置状態が示されている。
原料切れの可及的速やかに検知する方法を下表に示す。
【表1】
Figure 0004660874
複数の要素を総合的に監視することにより、高い精度で原料切れを検知することができる。
なお、旋回溶融炉30の後段には、生成ガス洗浄用のスクラバ101と、コンデンセートセパレータ102が配置されている。
【0063】
3.運転制御方法
次に、図17に従って、加圧2段ガス化システムの運転制御方法を説明する。
まず、生成ガス流量が設定値よりも多い場合に、負荷を減らす際の制御方法を説明する。生成ガス調節計(FIC-10)において設定値よりも流量が多いと原料流量調節計(FIC-1)の設定値を下げるよう信号を出力する。原料流量調節計は原料切出機の回転数調節計(SIC-1)に回転数を減らすよう信号を送り、原料供給量が減る。
原料供給量が減ると低温ガス化炉の酸素比が高くなるので、流動層の温度が上昇する。この温度が低温ガス化炉の設定温度より高くなると、流動層温度調節計(TIC-1)から酸素流量調節計(FIC-2)へ酸素流量を減じせしめるべく信号が送られる。酸素流量を減らした後、希釈用のスチームも酸素量に比例して減らされる(FIC-4)。低温ガス化炉のフリーボード温度も層温と同様に温度調節計(TIC-2)及び酸素流量調節計(FIC-5)、スチーム流量調節計(FIC-6)によって調節される。
【0064】
低温ガス化炉と同様、原料供給量が減少すると高温ガス化炉である旋回溶融炉30の温度が上昇するので、高温ガス化炉内温度調節計(TIC-3)からの信号で高温ガス化炉への酸素流量調節計(FIC-7)が作用し高温ガス化炉への酸素供給量が減らされる。
【0065】
しかしながら高温ガス化炉の内部温度は1350℃以上と非常に高く、厳しい腐食環境にあるので未だ耐久性のある信頼性の高い温度計が開発されていないのが実状である。従って、高温ガス化炉に供給する酸素流量を、高温ガス化炉の炉内温度計の指示値に頼ることなく調節できるようにしたのが図18に示す実施形態である。
図18に示す実施形態では、高温ガス化炉内に供給すべき酸素量は原料供給量と1対1の比例関係にあるとして、原料流量調節計に出力される信号で高温ガス化炉の酸素流量を制御している。但し原料流量変化の時間的遅れ、及び原料の熱分解ガス化反応の遅れ、また両ガス化炉のガス滞留時間分の遅れ等を考慮する必要があるので、この方法で高温ガス化炉への酸素流量を調節する際にはタイマー等を設ける必要がある。
【0066】
図19に示す実施形態は図17に示す実施形態をさらに発展させたもので、低温ガス化炉と高温ガス化炉の両炉に吹き込む酸素量が原料供給量と1対1の比例関係にあるとして、原料供給量と低温ガス化炉への酸素供給量の2要素で高温ガス化炉への酸素供給量を調節している。
負荷を上げる場合は、原則として上記と反対の操作をすることになるが、ここで注意しなければならないのは、酸素を希釈しているスチームの制御である。純酸素は非常に反応性が高く、高濃度で供給すると高温化や酸化により様々なトラブルを引き起こす恐れがあることからスチームで希釈して供給している。従って、酸素流量を増やす場合はまず先に希釈用のスチームを増やしてから酸素を増やし、逆に酸素を減らす場合は先に酸素を減らしてから希釈用のスチームも減らすといった操作手順とする必要がある。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、以下に列挙する効果を奏する。
1)廃棄物として、廃プラスチックを用いる場合には、廃プラスチックを圧縮成形することが好ましく、この場合、廃プラスチックの全体を溶融固化させるのではなく、成形物の表面のみを固化させるように外側から熱を加えて成形することにより、成形物の中心付近まで溶融させる必要がなくなり、圧縮成形する際の消費エネルギーの低減を図ることができる。こうして成形された廃棄物は、流動層中で壊れやすいので、流動層内でのガス化に要する時間が短くて済み、炉床熱負荷、即ち単位炉床面積当りの処理量を上げることが可能となる。
2)流動層ガス化炉と溶融炉とを接続するダクトを略水平な直管状とし、ダクトの入口ガス温度を800℃以下、好ましくは600℃以下に制御し、ガス流速を15m/s以下、好ましくは10m/s以下に制御することにより、アルカリ金属塩等の低融点物質は溶融することなく固化しており、ダクトへの固着トラブルを回避できる。
【0068】
3)高温ガス化炉である旋回溶融炉にはバーナを設けず、燃料(例えばLPG)と空気(又は酸素)の供給口のみ設け、昇温は低温ガス化炉である流動層ガス化炉側からの高温燃焼ガス、または火炎により着火して行う。これにより、バーナを抜き取る操作が不要となり手順が簡素化でき、また大量のパージガスが不要となりガス化効率の低下が防げる。
4)原料が廃プラスチックの場合に、原料供給機内で原料が溶着することを防止できるため、低温ガス化炉である流動層ガス化炉へ原料を安定して供給することができる。
【0069】
5)溶融炉から排出される生成ガスの量を計測し、この計測値を設定値と比較し、この比較された結果に基づいて流動層ガス化炉への原料供給量と酸素供給量を制御することにより、常に所望量の生成ガスを安定して得ることができる。
6)溶融炉から排出される生成ガスの量を計測し、この計測値を設定値と比較し、この比較された結果に基づいて溶融炉への酸素供給量を制御することにより、常に所望量の生成ガスを安定して得ることができる。
【0070】
7)停電もしくは緊急遮断時に、二段ガス化システム全体を安全、無公害に停止することができ、また、再起動に際してもそのまま立ち上げることができる。
8)原料廃棄物に微量のS含有物質を添加することにより、低温ガス化炉におけるダイオキシン発生を最大限に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物の二段ガス化システムの構成を示す概略図である。
【図2】図2は移動床式貯留ヤードの詳細構造を示す平面図である。
【図3】図3(a)および図3(b)は、図2に示す移動床式貯留ヤードの一部を示す図であり、図3(a)に示す状態では、全てのグループの移動板が前進した状態を示し、図3(b)に示す状態では、1つのグループの移動板が2lだけ後退した状態を示している。
【図4】図4(a)および図4(b)は、図2に示す移動床式貯留ヤードの側面図であり、図4(a)は移動床式貯留ヤードの直下に原料搬送コンベヤが配設されている場合を示し、図4(b)は移動床式貯留ヤードと原料搬送コンベヤとの間に誘導板が配設されている場合を示す。
【図5】図5(a)乃至図5(e)は、移動床式貯留ヤードの動作説明図である。
【図6】移動床式貯留ヤードの変形例を示す斜視図である。
【図7】原料供給系における原料ホッパから流動層ガス化炉に至る経路の詳細構造を示す側面図である。
【図8】流動層ガス化炉の詳細構造を示す図であり、図8(a)は部分断面を有した正面図、図8(b)は図8(a)におけるA部拡大図である。
【図9】流動層ガス化炉の要部断面図である。
【図10】流動層ガス化炉および流動化ガス分散装置を模式的に示す斜視図である。
【図11】円環状風箱の1例を示す詳細図であり、図11(a)は円環状風箱の平面図、図11(b)は円環状風箱の正面図である。
【図12】円環状風箱の他の例を示す詳細図であり、図12(a)は円環状風箱の平面図、図12(b)は円環状風箱の正面図、図12(c)は図12(b)のB矢視図である。
【図13】流動媒体循環系の要部詳細構造を示す正面図である。
【図14】流動層ガス化炉と旋回溶融炉とを接続し流動層ガス化炉から旋回溶融炉にガス状物を供給するダクトの構造を示す正面図である。
【図15】廃棄物の二段ガス化システムの起動および停止方法を説明するための説明図である。
【図16】原料供給機の一例を示す図であり、図16(a)は部分断面を有する正面図、図16(b)は図16(a)のC−C線断面図である。
【図17】二段ガス化システムの運転制御ループの一例を示す図である。
【図18】二段ガス化システムの運転制御ループの他の例を示す図である。
【図19】二段ガス化システムの運転制御ループの更に他の例を示す図である。
【図20】従来の廃棄物の二段ガス化システムの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 流動層ガス化炉
2 流動層
3 流動化ガス分散装置
4 フリーボード
5 不燃物排出口
6 不燃物シュート
7 スクリーン
8,36 ロックホッパ
10 原料供給系
11 移動床式貯留ヤード
12 原料搬送コンベヤ
13 原料ホッパ
14 原料ロックホッパ
15 原料切出機ホッパ
16 原料切出機
17 インパクトライン流量計
18 原料供給機
20 流動媒体循環系
21 不燃物抜出コンベヤ
22 流動媒体抜出ロックホッパ
23 流動媒体エレベータ
24 流動媒体供給ロックホッパ
25 流動媒体投入コンベヤ用ホッパ
26 流動媒体投入コンベヤ
30 旋回溶融炉
31 燃焼室
32 スラグ分離室
33 輻射ボイラ
34 水槽
37 スラグスクリーン
38 スクラバー
51 フレーム
52 移動床
54 側壁
55 パージ用スチーム
56 パージ用空気
57,93 昇圧用空気
58 パージ用窒素
60 流動化ガス
61 チャーオーバーフロー管
61a 分岐部
62 オーバーフロー内管
63 オーバーフロー外管
64 保温材
65 バルブ
66 スチームトレース
67 のぞき窓
68 工業用テレビ
69 二次酸素供給ノズル
71 圧力容器
72,73 断熱層
74 耐火層
81a,81b 風箱
82 流動化ガス供給管
83 流動化ガス吹き出しノズル
84 流動化ガス吹き出し管
85,85a,85b ガイド
86 流動媒体排出口
87 流動媒体の流れ
95 原ガスダクト
96 起動バーナ
97 LPGインジェクタ
98 LPG/酸素インジェクタ
99a,99b,99c,99d ノズル
101 スクラバ
102 コンデンセートセパレータ
110 ケーシング
110a 入口
110b 出口
111 スクリュー翼
112 スクリュー軸
113 スクリュー
114 リブ
P,P,P,P 移動板
a 廃棄物
b 酸素
c スチーム
d 不燃物
e 流動媒体
f スラグ粒
fa 微細スラグ
g 生成ガス
k 補給水

Claims (3)

  1. 廃棄物からなる原料を流動層ガス化炉にて低温で熱分解ガス化し、得られるガス状物質とチャーを溶融炉に導入して高温でガス化する廃棄物の二段ガス化システムにおいて、
    前記溶融炉から排出される生成ガスの流量を計測し、この計測値を設定値と比較し、この比較された結果に基づいて前記流動層ガス化炉の原料供給量と前記流動層ガス化炉の酸素供給量を制御し、
    前記生成ガスの流量の計測値が設定値よりも多い場合には、原料供給量調節計の設定値を下げるよう信号を出力し、その後流動層ガス化炉の流動層温度が設定値より高くなると、流動層ガス化炉の流動層温度調節計から流動層ガス化炉の酸素流量調節計へ酸素流量を減らす信号が送られ、
    前記溶融炉の温度が設定値より高くなると、溶融炉の温度調節計から溶融炉の酸素流量調節計へ酸素供給量を減らす信号が送られることを特徴とする廃棄物の二段ガス化システムの運転制御方法。
  2. 前記流動層ガス化炉および前記溶融炉に供給する酸素は、スチームで希釈して供給することを特徴とする請求項1記載の廃棄物の二段ガス化システムの運転制御方法。
  3. 酸素供給量を減らす場合は、酸素を減らして後にスチームを減らす操作をすることを特徴とする請求項2記載の廃棄物の二段ガス化システムの運転制御方法。
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