JP4657655B2 - 燃料電池システムの圧力制御装置 - Google Patents
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Description
また、湿ったままの水素が通るので、バルブ装置の内部に水が溜まりやすい。
更に、バルブの摺動クリアランスにはシール用のミニYパッキン等が設けられているが、このパッキンの摺擦熱防止用の潤滑油によってコンタミネーションを招くおそれがある。
改質器からの水素ガスを燃料電池で反応させ、モータ駆動用の電力を得るとともに、前記燃料電池からの排出ガスを還路にて前記改質器へ戻す燃料電池システムにおける、前記排出ガスの圧力制御を行う装置であって、
(a)前記還路に介在されたバルブと、このバルブにパイロット圧を付与するパイロット圧室を有し、前記パイロット圧にて前記バルブが変位し、これにより前記還路の圧力を調節するバルブ装置と、
(b)前記パイロット圧室へのパイロット圧路に設けられた圧力調節部材と、この圧力調節部材に接続された電磁アクチュエータと、この電磁アクチュエータに付設された制御回路とを含み、この制御回路が、前記バルブより燃料電池側の還路の圧力と指定圧力とに基づいて制御信号を出力し、この制御信号により前記電磁アクチュエータが前記圧力調節部材を駆動して前記パイロット圧を調節するパイロット装置と、
を備え、前記バルブ装置には、それより燃料電池側の還路に連なる導入路と、改質器側の還路に連なる導出路と、上下に延びるバルブ挿通孔とが形成され、前記バルブ挿通孔の側部に前記導入路が連なり、前記バルブが前記バルブ挿通孔に上下にスライド可能に挿通され、前記導入路との連通部分を含んで該連通部分より下側の前記バルブ挿通孔の内周と前記バルブの外周との間の環状の空間が前記排出ガスを下方へ流す通路になり、前記バルブ挿通孔の下端には弁座部材が設けられ、前記弁座部材に前記バルブ挿通孔に連なる弁孔が形成され、前記弁孔の下側に前記導出路が連なっており、前記バルブが、前記弁孔を上側から開度調節することを特徴とする。
これによって、水素還路上のバルブ装置には電気が通されることがなく、一方、電気を通すパイロット装置は水素還路から離して配置できる。これによって、引火のおそれを防止することができる。
前記パイロット圧用のガスは、窒素等の不活性ガスを用いるのが好ましい。
前記背圧室が、バルブ装置より燃料電池側の還路に連なるとともに、その底面から水抜き路が延び、この水抜き路の先端部にプラグが着脱可能に設けられていることが望ましい。
これによって、背圧室に水が溜まった場合、水抜き路から抜くことができる。
これによって、シール部材用の潤滑油が不要となり、コンタミネーションを防止することができる。
前記第1ダイヤフラムは、相対的に大面積であり、前記第2ダイヤフラムは、相対的に小面積であることが好ましい。
前記第1ダイヤフラムの受圧面積は、前記弁孔の断面積に対し、十分に大きい(例えば150倍程度)ことが好ましい。これによって、バルブの保持力を増大させることができ、高精度の圧力制御が可能になるとともに、バルブ装置を水が通過しても圧力変動を低減することができる。
図1は、電気自動車用燃料電池システムを示したものである。この燃料電池システムは、改質器1と高分子電解質型燃料電池3を基本構成として備えている。
改質器1は、含水素原料のメタノールを改質して水素を生成する。この生成ガスには、水素の他、二酸化炭素や微量の一酸化炭素も含まれている。一酸化炭素は、反応器2で酸化又は選択除去される。反応器2を通過後のガスは、燃料電池3へ供給される。燃料電池3は、供給水素と、別途取り込んだ空気中の酸素を反応させ、電力を得る。この電力によってエンジンモータ4が駆動される。燃料電池3からの水素を含む排ガスは、還路5を経て改質器1へ戻される。燃料電池システムには、この還路5の流量変動にかかわらず圧力を所定にすべく、圧力制御装置Mが設けられている。
図3に示すように、バルブ装置10は、ボディ11と、このボディ11に収容されたシャフト12を有している。ボディ11の一側部には、入口ポート10aと出口ポート10dが設けられている。入口ポート10aに、還路5の前段路部分5aが接続されている。ボディ11には、入口ポート10aから延びる導入路10bと、その下側に並行して設けられた導出路10cとが形成されている。この導出路10cに出口ポート10dが接続され、この出口ポート10dから還路5の後段路部分5bが延びている。
ボディ11には、背圧室10gから下側へ延びる水抜き路10qが形成されている。ボディ11の側部には、水抜き路10qのボディ外面側の端部を塞ぐプラグ18が設けられている。
バルブ挿通孔10hの下側部分に、上記導入路10bが連なっている。
弁下部孔10mの下端部に導出路10cが連なっている。
圧力制御室21aから出力路42が延び、バルブ装置10のパイロットポート10pひいてパイロット圧室10fに連なっている。
正圧路41と圧力制御室21aと出力路42とより特許請求の範囲の「パイロット圧路」が構成されている。
燃料電池3からの排出水素ガスは、還路5の前段路部分5aを通ってバルブ装置10の入口ポート10aへ導かれる。そこから導入路10b、弁孔14a、弁下部孔10m、導出孔10cの順に経て、出口ポート10dから出され、後段路部分5bを通って改質器1へ送られる。
導入路10bのガス圧(ひいては前段路部分5aのガス圧)は、背圧路10nを介して背圧室10gに導入される。これによって、第1ダイヤフラム15に上向きの背圧が働く。また、シャフト12の上端部には圧縮ばね17による上向きのばね力が働く。これによって、シャフト12が押し上げられ、ひいてはバルブ13が上方へ変位される。これによって、弁孔14aが開き、上記排出水素ガスの流通が確保される。
一方、湿った水素ガスは、背圧室10gにも導入されるため、この背圧室10g内に水が溜まることがある。そこで、定期メンテナンス等の際にプラグ18を外し、水抜き路10qを開放する。これによって、背圧室10gに溜まった水を簡単に抜き取ることができる。更に、パイロット圧を導入してバルブ13を弁座部材14に着座させ、弁孔14a全閉するとともに、入口ポート10aから窒素ガスを導入することにすれば、この窒素ガスで背圧室10gの水を押し出すことができ、確実に水抜きすることができる。
本発明の対象になる電気自動車用燃料電池システムは、性能評価を行なうためのものであってもよく、電気自動車そのものに搭載されるものであってもよい。
さらに、本発明は、電気自動車に限られず、種々の燃料電池システムに適用できる。
1 改質器
3 燃料電池
4 エンジンモータ
5 水素還路
5a 前段路部分(バルブより燃料電池側の還路)
5b 後段路部分(バルブより改質器側の還路)
10 バルブ装置
10a 入口ポート
10b 導入路
10c 導出路
10d 出口ポート
10e ばね収容室
10f パイロット圧室
10g 背圧室
10h バルブ挿通孔
10k 弁座収容孔
10m 弁下部孔
10n 背圧路
10p パイロットポート
10q 水抜き路
11 ボディ
12 シャフト
13 バルブ
14 弁座部材
14a 弁孔
15 第1ダイヤフラム
16 第2ダイヤフラム
17 圧縮ばね
18 プラグ
20 パイロット装置
21 ケーシング
21a 圧力制御室
22,23 ノズル
24 フラッパ(圧力調節部材)
25 電磁アクチュエータ
25a 回転軸
26 制御回路
30 圧力センサ
40 窒素ガスタンク(パイロット圧供給源)
41 正圧路(パイロット装置より供給源側のパイロット圧路)
42 出力路(パイロット装置よりバルブ装置側のパイロット圧路)
Claims (3)
- 改質器からの水素ガスを燃料電池で反応させ、モータ駆動用の電力を得るとともに、前記燃料電池からの排出ガスを還路にて前記改質器へ戻す燃料電池システムの圧力制御装置において、
(a)前記還路に介在されたバルブと、このバルブにパイロット圧を付与するパイロット圧室を有し、前記パイロット圧にて前記バルブが変位し、これにより前記還路の圧力を調節するバルブ装置と、
(b)前記パイロット圧室へのパイロット圧路に設けられた圧力調節部材と、この圧力調節部材に接続された電磁アクチュエータと、この電磁アクチュエータに付設された制御回路とを含み、この制御回路が、前記バルブより燃料電池側の還路の圧力と指定圧力とに基づいて制御信号を出力し、この制御信号により前記電磁アクチュエータが前記圧力調節部材を駆動して前記パイロット圧を調節するパイロット装置と、
を備え、前記バルブ装置には、それより燃料電池側の還路に連なる導入路と、改質器側の還路に連なる導出路と、上下に延びるバルブ挿通孔とが形成され、前記バルブ挿通孔の側部に前記導入路が連なり、前記バルブが前記バルブ挿通孔に上下にスライド可能に挿通され、前記導入路との連通部分を含んで該連通部分より下側の前記バルブ挿通孔の内周と前記バルブの外周との間の環状の空間が前記排出ガスを下方へ流す通路になり、前記バルブ挿通孔の下端には弁座部材が設けられ、前記弁座部材に前記バルブ挿通孔に連なる弁孔が形成され、前記弁孔の下側に前記導出路が連なっており、前記バルブが、前記弁孔を上側から開度調節することを特徴とする圧力制御装置。 - 前記バルブ装置の前記バルブ挿通孔より上側には、前記バルブに接続された第1ダイヤフラムが設けられ、この第1ダイヤフラムにて前記パイロット圧室と背圧室が上下に仕切られるように画成されており、
前記背圧室が、バルブ装置より燃料電池側の還路に連なるとともに、その底面から水抜き路が延び、この水抜き路の先端部にプラグが着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧力制御装置。 - 前記連通部分より上側の前記バルブ挿通孔の内周面とバルブとの間の隙間が、第2ダイヤフラムにてシールされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力制御装置。
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JP2004183713A (ja) * | 2002-11-29 | 2004-07-02 | Keihin Corp | 燃料電池用開閉弁 |
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