JP4652763B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、硬化性樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂は、硬化物の強度特性、耐熱性等に優れることから、種々の用途に用いられている。例えば、特許文献1に記載されているベアリングレスロータフレックスビーム、特許文献2に記載されているテンション・トーション・ストラップ(またはタイバー)等の航空機用部材が挙げられる。
しかしながら、エポキシ樹脂は、強度特性に優れる一方で、捩り剛性が高いため、エネルギー消費量が大きいという問題があった。特に、ベアリングレスロータにおいては、この問題が大型化の障害となっていた。
一方、エポキシ樹脂組成物に、ウレタン樹脂を用いて、柔軟性を付与する技術が知られている。
例えば、特許文献3には、(a)エポキシ樹脂100重量部当り、遊離NCO基30重量%以下を有するポリエーテルポリオールと有機ジイソシアナートとの付加物5〜40重量部と、(b)上記エポキシ樹脂とは反応せずに、上記の遊離NCO基と反応するのに充分な量でOHとSHとからなる組の少くとも1種の活性基を含んでいる化合物とからなる変性剤を特徴とするエポキシ樹脂、変性剤および硬化剤からなる硬化性エポキシ樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献4には、(A)塩化ビニル系重合体、(B)可塑剤、(C)ウレタン変性エポキシ樹脂またはウレタン変性エポキシ樹脂とエポキシ樹脂、(D)潜在性硬化剤を含むことを特徴とする接着剤組成物が記載されている。
また、特許文献5には、(1)活性のポリイソシアネートおよびイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、(2)エポキシ樹脂及び(3)水分解型潜在性硬化剤を必須成分として含有することを特徴とする1液型硬化性組成物が記載されている。
また、特許文献6には、(a)エポキシ樹脂、(b)ブロックドウレタン樹脂、(c)潜在性硬化剤、(d)フィラー、を必須成分とする高強度シーリング材組成物が記載されている。
特開平10−287297号公報 特開平6−219396号公報 特公昭48−10398号公報 特開平2−228384号公報 特開平9−136939号公報 特開平5−59347号公報
しかしながら、特許文献3および4に記載されている組成物は、いずれも低反応性であるという問題があった。
また、特許文献5に記載されている組成物は、水分解型潜在性硬化剤として用いられるケチミンから発生するケトンが硬化物中に残留するため、硬化物の強度特性に劣るという問題があった。
また、特許文献6に記載されている組成物は、ブロックドウレタン樹脂から発生するブロック剤が硬化物中に残留するため、硬化物の強度特性に劣るという問題があった。
したがって、本発明は、反応性が適度で硬化速度および可使時間のバランスに優れ、かつ、硬化物の柔軟性および強度特性に優れ、更に、航空機用部材等に好適に用いることができる硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、エポキシ樹脂を用いた硬化性樹脂組成物において、イソシアネート基が芳香環に含まれない第二級または第三級炭素原子に結合しているウレタンプレポリマーと、芳香族アミン化合物とを用いることによって、反応性を硬化速度および可使時間のバランスに優れるものとし、かつ、硬化物の柔軟性および強度特性を優れたものとし、更には、硬化物の捩り剛性を低くすることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(9)を提供する。
ウレタンプレポリマーと、エポキシ基含有化合物と、芳香族アミン化合物とを含有する硬化性樹脂組成物であって、
前記エポキシ基含有化合物の含有量が、前記ウレタンプレポリマーおよび前記エポキシ基含有化合物の合計の20質量%以上であり、
前記芳香族アミン化合物の含有量が、[(前記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基のモル数と前記エポキシ基含有化合物のエポキシ基のモル数との合計)/前記芳香族アミン化合物のアミノ基のモル数]=0.5〜4となる量であり、
前記ウレタンプレポリマーが、ポリオール化合物と、テトラメチルキシリレンジイソシアネートとを反応させて得られ、
前記ポリオールと前記テトラメチルキシリレンジイソシアネートとの混合の割合が、前記ポリオールのヒドロキシ基1当量あたり、前記テトラメチルキシリレンジイソシアネートのイソシアネート基が1.2〜10当量である、硬化性樹脂組成物。
)前記ポリオール化合物が、ポリカーボネートおよび/またはシリコーンを骨格に有するポリオールである、上記(1)に記載の硬化性樹脂組成物。
)強化繊維に、上記(1)または(2)に記載の硬化性樹脂組成物を含浸させ、シート状にされた一方向プリプレグ。
)上記()に記載の一方向プリプレグを用いたベアリングレスロータフレックスビーム。
)前記一方向プリプレグの硬化後の面内せん断弾性率が2GPa以下である、上記()に記載のベアリングレスロータフレックスビーム。
)上記()に記載の一方向プリプレグを用いたテンション・トーション・ストラップ。
)前記一方向プリプレグの硬化後の面内せん断弾性率が2GPa以下である、上記()に記載のテンション・トーション・ストラップ。
本発明の硬化性樹脂組成物は、反応性が適度で硬化速度および可使時間のバランスに優れ、かつ、硬化物の柔軟性および強度特性に優れる。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化物の捩り剛性が低いため、エネルギー消費量が少なく、航空機用部材に好適に用いられる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」という。)は、ウレタンプレポリマーと、エポキシ基含有化合物と、芳香族アミン化合物とを含有する硬化性樹脂組成物であって、前記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基が、芳香環に含まれない第二級または第三級炭素原子に結合している、硬化性樹脂組成物である。
本発明に用いられるウレタンプレポリマーは、上述したように、イソシアネート基が芳香環に含まれない第二級または第三級炭素原子に結合している。このようなウレタンプレポリマーを用いることにより、反応性を抑制することができ、硬化剤として後述する芳香族アミン化合物を用いると、十分な可使時間を確保することができる。したがって、プリプレグの製造が容易になる。また、プリプレグを積層して積層板を製造する際に、タックおよびドレープ性が十分となる。
本発明においては、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基が、ジメチルメチレン基を介して芳香環に結合しているのが好ましい。これにより、反応性を適度とすることができる。
このようなウレタンプレポリマーは、イソシアネート基が芳香環に含まれない第二級または第三級炭素原子に結合しているポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを、ヒドロキシ基の量に対するイソシアネート基の量が過剰になるように反応させて得ることができる。
イソシアネート基が芳香環に含まれない第二級または第三級炭素原子に結合しているポリイソシアネート化合物は、複数のイソシアネート基のうち少なくとも一つが芳香環に含まれない第二級または第三級炭素原子に結合していればよい。例えば、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が挙げられる。TMXDIとしては、例えば、m−TMXDI、p−TMXDIが挙げられる。
これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、およびこれらの混合ポリオールが挙げられる。
具体的には、ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールから選ばれる少なくとも1種に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等から選ばれる少なくとも1種を付加して得られるポリオール;ポリオキシテトラメチレンオキサイドが好適に例示される。
ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパンその他の低分子ポリオールから選ばれる少なくとも1種と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸その他の低分子カルボン酸またはオリゴマー酸から選ばれる少なくとも1種との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン等の開環重合体が好適に例示される。
その他のポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール、シリコーンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール等;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールが好適に例示される。
これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、ポリカーボネートおよび/またはシリコーンを骨格に有するポリオールが好ましい。これらを用いると、本発明の組成物の硬化物の耐水性が優れたものとなる。したがって、屋外で用いられるような用途に好適に用いられる。
上述したポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを得る際のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との混合の割合は、通常、ポリオール化合物のヒドロキシ基1当量あたり、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基が1.2〜10当量であるのが好ましく、1.5〜5当量であるのがより好ましい。
ウレタンプレポリマーの製造は、所定量比の両化合物を混合し、通常、30〜120℃、好ましくは50〜100℃で加熱かくはんすることによって行うことができる。
本発明においては、ウレタンプレポリマーを2種以上併用することもできる。
また、本発明の目的を損わない範囲で、芳香環に直接結合したイソシアネート基を有しないウレタンプレポリマーを少量併用することもできる。
本発明に用いられるエポキシ基含有化合物は、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物である。
分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物としては、例えば、エポキシ樹脂が好適に挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノール化合物とジシクロペンタジエンの共重合体を原料とするエポキシ樹脂、ジグリシジルレゾルシノール、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(例えば、トリスグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルキシレンジアミン)、脂環式エポキシ樹脂(例えば、ビニルシクロヘキセンジエポキシド等)が挙げられる。これらは、1種単独で用いることもでき、2種以上を併用することもできる。
中でも、接着性に優れる点で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
エポキシ基含有化合物の含有量は、得られる組成物の硬化速度、硬化物の柔軟性、捩り剛性および強度特性等により適宜決定することができる。エポキシ基含有化合物の含有量は、作業性および硬化物の強度特性の点で、エポキシ基含有化合物およびウレタンプレポリマーの合計の20質量%以上であるのが好ましく、30〜70質量%であるのがより好ましい。
本発明に用いられる芳香族アミン化合物は、芳香環にアミノ基が直接結合した化合物であれば、特に限定されない。例えば、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)、ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)、ジアミノジエチルジフェニルメタンが挙げられる。市販品としては、例えば、エピキュアW(ジャパンエポキシレジン社製)、エタキュア300(アルベマール社製)、カヤハードA−A(日本化薬社製)、アデカハードナーEH−549L(旭電化工業社製)が挙げられる。これらは、1種単独で用いることもでき、2種以上を併用することもできる。
また、本発明の目的を損わない範囲で、芳香族アミン化合物以外のアミン化合物を少量併用することもできる。
芳香族ポリアミン化合物の含有量は、増粘が大きくなく、硬化後の物性に優れる点で、(エポキシ基とイソシアネート基との合計)/アミノ基が、モル比で、0.5〜4となる量であるのが好ましく、1〜3となる量であるのがより好ましい。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、可塑剤、充填剤、触媒、溶剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、難燃剤、補強剤、老化防止剤、酸化防止剤、揺変性付与剤、界面活性剤(レベリング剤を含む。)、分散剤、脱水剤、防錆剤、接着付与剤、帯電防止剤等の配合剤を含有することもできる。これらの配合剤としては、通常、エポキシ樹脂組成物および/またはウレタン樹脂組成物に用いられるものを用いることができる。配合剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混練する方法を用いることができる。
本発明の組成物は、上述したように、反応性が適度で硬化速度および可使時間のバランスに優れ、かつ、硬化物の柔軟性および強度特性に優れるので、種々の用途に好適に用いられる。具体的には、好ましい用途の一つとして、本発明の組成物と他の材料とからなる複合体成形体が挙げられる。
複合体成形体に用いられる他の材料の材質、形状等は、特に限定されず、例えば、金属、樹脂成形品、強化繊維、繊維強化プラスチック(FRP)が挙げられる。
中でも、複合体成形体がプリプレグであるのが好ましい態様の一つである。プリプレグは、炭素繊維等の強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させ、シート状にして得られる成形用中間材料であり、固定翼航空機、ヘリコプタ、自動車等の構造材料等に用いられている。従来、プリプレグに用いられるマトリックス樹脂としては、力学的特性、耐熱性等に優れるため、エポキシ樹脂が多く用いられている。
複合体成形体が、本発明の組成物を用いたプリプレグであると、柔軟性、強度特性(例えば、層間せん断強度、層間せん断伸び)が優れたものとなるので、極めて好ましい。
プリプレグに用いられる強化繊維は、特に限定されず、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維が挙げられる。
本発明において、プリプレグは、例えば、本発明の組成物を加熱により低粘度化させ、強化繊維に含浸させる方法(いわゆるホットメルト法またはドライ法)により製造することができる。
ホットメルト法としては、例えば、本発明の組成物を離型紙などの上にコーティングして樹脂のフィルムを作成し、ついで、強化繊維の両側または片側からそのフィルムを重ね、加熱加圧することにより樹脂を含浸させてプリプレグを製造する方法、強化繊維束を引き出しながら、加熱された本発明の組成物中に浸せきさせて含浸させる方法が挙げられる。
このようにして得られるプリプレグを積層した後、圧力下で、本発明の組成物を加熱硬化させることにより、積層板が得られる。熱および圧力を付与する方法としては、例えば、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、シートワインディング法、内圧成形法が挙げられる。
複合体成形体の用途は、特に限定されないが、硬化物の捩り剛性が低いため、ベアリングレスロータフレックスビーム、テンション・トーション・ストラップ(またはタイバー)等の航空機用部材等に好適に用いられる。
ベアリングレスロータは、フレックスビームと呼ばれる複合材製の板ばねの捩れ変形によって、機体コントロールに必要なピッチ角変化を可能とする。このフレックスビームを捩る時に捩り剛性が大きいと、サーボ・アクチュエータのエネルギー消費量が大きく、非効率である。
また、フレックスビームには、ブレードの遠心力による引張荷重に耐えるだけの十分な断面積の確保が必要であるため、機体が大型化すると必要とされる断面積が増加し、それに伴って、捩り剛性が大幅に増加する傾向にある。捩り剛性の増加に対処するためには、ブレードのピッチ角を変化させる大出力のサーボ・アクチュエータ能力が必要となり、エネルギー消費量の増大および重量の増加といった問題がある。
図1は、ベアリングレスロータの一例を示す斜視図である。図1に示されるベアリングレスロータ10は、フレックスビーム12を備えている。フレックスビーム12は、本発明の組成物を用いて製造されている。
具体的には、本発明の組成物を用い、硬化後の面内せん断弾性率が2GPa以下である一方向プリプレグにより構成されているベアリングレスロータフレックスビームが好ましい。このベアリングレスロータフレックスビームは、従来のベアリングレスロータフレックスビームに比べて、エネルギー消費量が好ましくは40%以上削減されている。これにより、従来実現することができなかった中大型ベアリングレスロータを実現することができる。
テンション・トーション・ストラップ(またはタイバー)は、上述したフレックスビームと同様に、ブレードのピッチ角変化を可能とする機能を持つ部材であり、主に航空機に用いられている。また、上述したフレックスビームと同様に、テンション・トーション・ストラップ(またはタイバー)を捩る時に捩り剛性が大きいと、エネルギー消費量が大きく、非効率である。
図2(A)は、テールロータの一例を示す側面図である。図2(B)は、図2(A)中のテールロータのテールロータブレードを示す側面図である。図2に示されるテールロータ20は、テールロータブレード22を備えており、テールロータブレード22は、テンション・トーション・ストラップ24を有している。テンション・トーション・ストラップ24は、本発明の組成物を用いて製造されている。
具体的には、本発明の組成物を用い、硬化後の面内せん断弾性率が2GPa以下である一方向プリプレグにより構成されているテンション・トーション・ストラップ(またはタイバー)が好ましい。このテンション・トーション・ストラップ(またはタイバー)は、従来のテンション・トーション・ストラップ(またはタイバー)に比べて、エネルギー消費量が好ましくは40%以上削減されている。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.硬化性樹脂組成物の調製
(実施例1〜ならびに比較例1〜3
下記第1表に示す各成分を、第1表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合させて硬化性樹脂組成物を得た。
2.硬化性樹脂組成物の評価
(1)可使時間
硬化性樹脂組成物を調製した後、50℃の雰囲気中で放置した。50℃に放置した後、硬化性樹脂組成物が十分に流動性を保持し、後述するプリプレグの作製が可能であった時間により、可使時間を評価した。
結果を第1表に示す。
(2)プリプレグのタック
硬化性樹脂組成物を調製した後、−30℃で冷凍した。その後、冷凍された硬化性樹脂組成物を室内に放置して室温に戻した。その後、硬化性樹脂組成物を用いて後述するようにプリプレグを作製し、プリプレグの表面に、積層板を作製するのに十分なタックがあるか否かを観察した。
結果を第1表に示す。表中、十分なタックがあったものを○、十分なタックがなかったものを×で表した。
(3)プリプレグの作製
上記で得られた硬化性組成物を用いて、以下のようにしてプリプレグを製造した。
硬化性樹脂組成物をリバースロールコーターを用いて、離型紙上に塗布して、樹脂フィルムを作製した。ついで、シート状に一方向に配列させた炭素繊維(トレカ T800HB、東レ社製、引張弾性率294GPa)を、上記で得られた樹脂フィルム2枚で上下から挟み、50℃程度に加熱した状態で、加圧により樹脂を含浸させ、一方向プリプレグを得た。得られた一方向プリプレグは、炭素繊維の目付が263±5g/cm2であり、マトリックス樹脂の割合が33質量%であった。
(4)ガラス転移温度
上記で得られた一方向プリプレグを、炭素繊維の方向が同一になるように、10枚積層した。その後、オートクレーブを用いて、昇温速度2℃/分の条件で第1表に示す温度まで加熱した後、第1表に示す温度において、0.59MPaの条件で2時間保持して、積層板を成形した。
プリプレグを10枚積層して得られた積層板から、繊維方向の長さ3mm、繊維方向に垂直な方向の長さ3mm、厚さ2mmの部分を切り出し、熱機械分析装置(TMA:Thermomechanical Analyzer)により、ガラス転移温度(Tg)を測定した。
結果を第1表に示す。
(5)層間せん断強度および層間せん断伸び
上記で得られた一方向プリプレグを、炭素繊維の方向が同一になるように、25枚積層した。その後、オートクレーブを用いて、昇温速度2℃/分の条件で第1表に示す温度まで加熱した後、第1表に示す温度において、0.59MPaの条件で2時間保持して、積層板を成形した。
プリプレグを25枚積層して得られた積層板から、繊維方向の長さ20mm、繊維方向に垂直な方向の長さ10mm、厚さ5mmの部分を切り出し、上下の異なる位置に深さ2.5mm(厚さの1/2)の切り欠きを入れ、試験片とした。この試験片について、繊維方向に引っ張る引張試験を行い、層間せん断強度および層間せん断伸び(破断時の伸び)を求めた。
結果を第1表に示す。
(6)面内せん断弾性率
上記で得られた一方向プリプレグを、炭素繊維の方向が交互に垂直になるように、8枚積層した。その後、オートクレーブを用いて、昇温速度2℃/分の条件で第1表に示す温度まで加熱した後、第1表に示す温度において、0.59MPaの条件で2時間保持して、積層板を成形した。
プリプレグを8枚積層して得られた積層板から、繊維方向の長さ25mm、繊維方向に垂直な方向の長さ250mm、厚さ1.6mmの試験片を切り出した。この試験片を用いて、各繊維方向と45°の方向になるように引っ張る引張試験を行い、面内せん断弾性率を求めた。具体的には、SACMA(Suppliers of Advanced Composite Materials Association) SRM 7に準拠した。
(7)耐水性
上記プリプレグを10枚積層して得られた積層板から、繊維方向の長さ3mm、繊維方向に垂直な方向の長さ3mm、厚さ2mmの部分を切り出し、80℃の温水中に3日間浸せきさせた後、TMAによりガラス転移温度(Tg)を測定し、吸水率を算出して、耐水性を評価した。
Figure 0004652763
第1表中の各成分は、以下のとおりである。
・エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、YD−128、東都化成社製
・ウレタンプレポリマー1:数平均分子量2,000のポリカーボネートジオール(PCD220、ダイセル化学工業社製)と、m−TMXDI(Cytec社製)とをNCO/OH(モル比)が2.0となる割合で反応させて得られたウレタンプレポリマー(NCO基含有量:3.3質量%)
・ウレタンプレポリマー2:ポリカーボネートジオールの代わりに、数平均分子量3,000のPPG(エクセノール3020、旭硝子社製)を用いた以外は、ウレタンプレポリマー1と同様の方法により得られたウレタンプレポリマー(NCO基含有量:2.4質量%)
・ウレタンプレポリマー3:数平均分子量1,000の両末端カルビノール変性シリコーン(X−22−160AS、信越化学工業社製)と、TDI(コスモネートT−80、三井化学社製)とをNCO/OH(モル比)が2.0となる割合で反応させて得られたウレタンプレポリマー(NCO基含有量:5.5質量%)
・芳香族アミン化合物:エピキュアW、ジャパンエポキシレジン社製
・ジシアンジアミド(DICY):DICY−15、ジャパンエポキシレジン社製
・脂肪族アミン化合物:1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−BAC、三菱ガス化学社製
第1表から明らかなように、本発明の組成物(実施例1〜)は、可使時間が十分に確保され、かつ、プリプレグを冷凍保存した後のタックの発現も良好であった。これに対して、芳香族アミン化合物を用いず、脂肪族アミン化合物を用いた場合(比較例2)は、可使時間が短く、また、プリプレグのタックがなかった。
また、本発明の組成物(実施例1)を用いた積層板は、ウレタンプレポリマーを用いない場合(比較例1)に比べて、層間せん断強度、層間せん断伸びおよび柔軟性に優れていた。
更に、ポリカーボネートを骨格に有するポリオールをウレタンプレポリマーの原料として用いた場合(実施例1および2)、積層板が、吸水率が低く、耐水性に優れることが分かった。
ベアリングレスロータの一例を示す斜視図である。 (A)は、テールロータの一例を示す側面図であり、(B)は、(A)中のテールロータのテールロータブレードを示す側面図である。
符号の説明
10 ベアリングレスロータ
12 フレックスビーム
20 テールロータ
22 テールロータブレード
24 テンション・トーション・ストラップ

Claims (7)

  1. ウレタンプレポリマーと、エポキシ基含有化合物と、芳香族アミン化合物とを含有する硬化性樹脂組成物であって、
    前記エポキシ基含有化合物の含有量が、前記ウレタンプレポリマーおよび前記エポキシ基含有化合物の合計の20質量%以上であり、
    前記芳香族アミン化合物の含有量が、[(前記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基のモル数と前記エポキシ基含有化合物のエポキシ基のモル数との合計)/前記芳香族アミン化合物のアミノ基のモル数]=0.5〜4となる量であり、
    前記ウレタンプレポリマーが、ポリオール化合物と、テトラメチルキシリレンジイソシアネートとを反応させて得られ、
    前記ポリオール化合物と前記テトラメチルキシリレンジイソシアネートとの混合の割合が、前記ポリオール化合物のヒドロキシ基1当量あたり、前記テトラメチルキシリレンジイソシアネートのイソシアネート基が1.2〜10当量である、硬化性樹脂組成物。
  2. 前記ポリオール化合物が、ポリカーボネートおよび/またはシリコーンを骨格に有するポリオールである、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 強化繊維に、請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物を含浸させ、シート状にされた一方向プリプレグ。
  4. 請求項に記載の一方向プリプレグを用いたベアリングレスロータフレックスビーム。
  5. 前記一方向プリプレグの硬化後の面内せん断弾性率が2GPa以下である、請求項に記載のベアリングレスロータフレックスビーム。
  6. 請求項に記載の一方向プリプレグを用いたテンション・トーション・ストラップ。
  7. 前記一方向プリプレグの硬化後の面内せん断弾性率が2GPa以下である、請求項に記載のテンション・トーション・ストラップ。
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