JP4651337B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置に関し、特に、携帯情報端末(例えばPDA)、携帯電話、車載用液晶ディスプレイ、デジタルカメラ、パソコン、アミューズメント機器、テレビなどに好適に用いられる液晶表示装置に関する。
近年、液晶表示装置は、薄型で低消費電力であるという特長を生かして、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話、電子手帳などの情報機器、あるいは液晶モニターを備えたカメラ一体型VTRなどに広く用いられている。
高コントラスト化および広視野角化を実現できる表示モードとして、垂直配向型液晶層を利用した垂直配向モードが注目されている。垂直配向型液晶層は、一般に、垂直配向膜と誘電異方性が負の液晶材料とを用いて形成される。
例えば、特許文献1には、画素電極に液晶層を介して対向する対向電極に設けた開口部の周辺に斜め電界を発生させ、開口部内で垂直配向状態にある液晶分子を中心に周りの液晶分子を傾斜配向させることによって、視角特性が改善された液晶表示装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている構成では、画素内の全領域に斜め電界を形成することが難しく、その結果、電圧に対する液晶分子の応答が遅れる領域が画素内に発生し、残像現象が現れるという問題が生じる。
この問題を解決するために、特許文献2は、画素電極または対向電極に規則的に配列した開口部を設けることによって、放射状傾斜配向を呈する複数の液晶ドメインを画素内に有する液晶表示装置を開示している。
さらに、特許文献3には、画素内に規則的に複数の凸部を設けることによって、凸部を中心に出現する放射状傾斜配向の液晶ドメインの配向状態を安定化する技術が開示されている。また、この文献には、凸部による配向規制力とともに、電極に設けた開口部による斜め電界を利用して液晶分子の配向を規制することによって、表示特性を改善できることを開示している。
一方、近年、屋外または屋内のいずれにおいても高品位な表示が可能な液晶表示装置が提案されている(例えば特許文献4および特許文献5)。この液晶表示装置は、半透過型液晶表示装置と呼ばれ、画素内に反射モードで表示を行う反射領域と、透過モードで表示を行う透過領域とを有している。
現在市販されている半透過型液晶表示装置は、ECBモードやTNモードなどが利用されているが、上記特許文献3には、垂直配向モードを透過型液晶表示装置だけでなく、半透過型液晶表示装置に適用した構成も開示されている。また、特許文献6には、垂直配向型液晶層の半透過型液晶表示装置において、透過領域の液晶層の厚さを反射領域の液晶層の厚さの2倍にするために設ける絶縁層に形成した凹部によって液晶の配向(多軸配向)を制御する技術が開示されている。凹部は例えば正八角形に形成され、液晶層を介して凹部に対向する位置に突起(凸部)またはスリット(電極開口部)が形成された構成が開示されている(例えば、特許文献6の図4および図16参照)。
また、特許文献3および特許文献7では、基板上に凸部を形成して液晶ドメイン内の液晶分子の放射状配向を実現させる技術について記載されている。これらの凸部は電圧印加状態において、一方の基板に設けられた配向規制構造と他方の基板に設けられた液晶層側の凸部の効果により放射状傾斜配向が安定化することが記載されている。
特開平6−301036号公報 特開2000−47217号公報 特開2003−167253号公報 特許第2955277号公報 米国特許第6195140号明細書 特開2002−350853号公報 特開2003−315803号公報
特許文献2または特許文献3に開示されている技術は、画素内に凸部または開口部を設けて複数の液晶ドメインを形成し(すなわち、画素分割し)、液晶分子に対する配向規制力を強めているが、本発明者の検討によると、十分な配向規制力を得るためには、液晶層の両側(互いに対向する一対の基板の液晶層側)に、凸部や開口部などの配向制御構造を形成することが必要であり、製造工程が複雑になるという課題がある。また、画素内に配向規制構造を設けると画素の実効開口率の低下を招いたり、画素内の凸部の周辺から光漏れが発生するためにコントラスト比が低下することもある。配向規制構造を両方の基板に設ける場合には、基板のアライメントマージンの影響を受けるので、実効開口率の低下および/またはコントラスト比の低下はさらに顕著になる。
また、特許文献6に開示されている技術では、多軸配向を制御するために設けられる凹部と反対側に凸部または電極開口部を配置することが必要となり、上記従来技術と同様の問題が発生する。
さらに、上記特許文献2、3、6および7に記載されている技術では、両側の基板に配向規制構造を設けても、中間調表示における応答速度が遅い、および/または、パネル面が押圧されたときに発生する残像が消えるまでに時間が掛かるという問題があり、特に、モバイル用途の液晶表示装置として利用するのは困難であった。
本発明は上記の諸点に鑑みてなされたものであって、その目的は、画素内に複数の放射状傾斜配向ドメインを有する液晶表示装置において、片側の基板上にのみ放射状傾斜配向の配向制御構造を設けた比較的簡便な構成で、液晶の配向を十分に安定化でき、従来と同等以上の表示品位が得られる液晶表示装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、液晶の配向をさらに安定化し、従来の液晶表示装置よりも中間調表示における応答時間が短い、または、パネル面が押圧されたときに発生する残像が消えるまでの時間を短い液晶表示装置を提供することにある。
本発明の液晶表示装置は、第1基板と、前記第1基板に対向するように設けられた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた垂直配向型の液晶層とを有し、
それぞれが、前記第1基板上に形成された第1電極と、前記第2基板上に形成された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に設けられた前記液晶層とを含む複数の画素を備え、前記第1電極の前記液晶層側に規則的に配置された壁構造体を有し、前記液晶層は、少なくとも所定の電圧を印加した時に、前記壁構造体によって実質的に包囲された領域内に放射状傾斜配向状態をとる少なくとも1つの液晶ドメインを形成することを特徴とする。
ある実施形態において、前記第1電極は、所定の位置に形成された複数の開口部または切欠き部を有し、前記壁構造体は前記複数の開口部または切欠き部内に形成された第1壁部分を含む。
ある実施形態において、前記複数の開口部または切欠き部のそれぞれは矩形部分を含み、前記壁構造体は、前記矩形部分に平行に設けられた前記第1壁部分を含む。
ある実施形態において、前記複数の開口部または切欠き部のそれぞれは矩形部分を含み、前記壁構造体は、前記第1壁部分から延設された第2壁部分を含む。
ある実施形態において、前記第1壁部分の幅WWは、当該第1壁部分が設けられている開口部または切欠き部の幅EWに対して、0.4EW<WW<0.8EWの関係を満足する。
ある実施形態において、前記第1電極は透過領域を規定する透明電極を含み、前記複数の開口部または切欠き部の幅EWは、前記透過領域の前記液晶層の厚さdtに対して、1.8dt<EW<2.5dtの関係を満足する。
ある実施形態において、前記壁構造体は、前記第1電極を包囲する領域に設けられた第3壁部分を含む。
ある実施形態において、前記第2基板の前記液晶層側に設けられ誘電体構造体を更に有する。
ある実施形態において、前記誘電体構造体は、前記少なくとも1つの液晶ドメインの略中央に配置されている。
ある実施形態において、前記誘電体構造体は、前記壁構造体によって実質的に包囲された領域内の略中央に配置されている。
ある実施形態において、前記壁構造体によって実質的に包囲された前記領域の面積をSdとし、前記領域の略中央に配置されている前記誘電体構造体の底面の面積をSbとし、Sa=(Sb/Sd)×100とするとき、2≦Sa≦25の関係を満足する。
ある実施形態において、前記壁構造体および前記誘電体構造体の少なくとも一部は、遮光領域に配置されている。
ある実施形態において、前記液晶層は、厚さの異なる複数の領域を有する。
ある実施形態において、前記第1電極は、透過領域を規定する透明電極と反射領域を規定する反射電極とを含み、前記透過領域内の前記液晶層の厚さdtは、前記反射領域の前記液晶層の厚さdrよりも大きい。
ある実施形態において、前記開口部または切欠き部は、前記透過領域と前記反射領域との間に設けられた開口部または切欠き部を含む。
ある実施形態において、前記壁構造体の高さWHは、前記透過領域内の前記液晶層の厚さdtに対して、0.25dt<WH<0.4dtの関係を満足する。
ある実施形態において、前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方は、前記液晶層の厚さを規定する支持体を有する。
ある実施形態において、前記第1基板は、前記複数の画素のそれぞれに対応して設けられたアクティブ素子をさらに有し、前記第1電極は、前記複数の画素毎に設けられ、前記アクティブ素子に接続された画素電極である。
ある実施形態において、前記第1基板および前記第2基板を介して互いに対向するように配置された一対の偏光板を有し、前記第1基板および/または前記第2基板と前記一対の偏光板との間に少なくとも1つの2軸性光学異方性媒体層をさらに有する。
ある実施形態において、前記第1基板および前記第2基板を介して互いに対向するように配置された一対の偏光板をさらに有し、前記第1基板および/または前記第2基板と前記一対の偏光板との間に少なくとも1つの1軸性光学異方性媒体層をさらに有する。
本発明の液晶表示装置は、第1電極(例えば画素電極)が形成されている第1基板の液晶層側に壁構造体が設けられており、この壁構造体の傾斜側面のアンカリング作用(配向規制力)によって、垂直配向型液晶層の液晶分子が電界によって傾く方向が規定される。その結果、少なくとも所定の電圧(閾値以上の電圧)が印加されたとき、壁構造体によって実質的に包囲された領域に放射状傾斜配向をとる液晶ドメインが安定に形成される。従って、第1基板に対向する第2基板の液晶層側に電極開口部や切欠き部あるいは凸部などの配向規制構造を設けることなく、従来よりも簡単な構成で、液晶の配向を十分に安定化でき、従来と同等以上の表示品位が得られる。
さらに、第1電極に開口部または切欠き部を設け、この開口部内に壁構造体を形成すると、電圧印加時に開口部または切欠き部の周辺に形成される斜め電界による配向規制力が、壁構造体による配向規制力とともに、液晶分子が傾く方向を規定するので、さらに放射状傾斜配向を安定化することができる。また、斜め電界による配向規制力は電圧が低いと弱くなるのに対し、壁構造体による配向規制力は電圧に依存しないので、中間調表示状態においても配向規制力を発揮し、液晶分子が傾く方向を安定に規定する。その結果、中間調表示における表示品位を改善することができる。
さらに、第2電極(例えば対向電極)が形成されている第2基板の液晶層側の所定の位置に誘電体構造体(凸部)を設けることによって、放射状傾斜配向がさらに安定化し、中間調表示における応答特性の改善や、パネル面を押圧したときに発生する残像に対しても改善効果が大きくなる。
以下に、図面を参照しながら本発明による実施形態の液晶表示装置の構成を説明する。
まず、図1および図2を参照しながら、本発明による実施形態の液晶表示装置において放射状傾斜配向が形成されるメカニズムを説明する。
図1は、画素電極6に設けた開口部14および壁構造体15による配向規制力の作用を説明するための図であり、(a)は電圧無印加時、(b)は電圧印加時の液晶分子の配向状態を模式的に示している。図1(b)に示した状態は中間調を表示している状態である。図2は、中間調表示状態の液晶分子の配向状態を基板法線方向から見た図(平面図)である。
図1に示した液晶表示装置は、透明基板1上に、開口部14を有する画素電極6、配向膜12をこの順に有している。他方の透明基板17上には、対向電極19および配向膜32がこの順で形成されている。両基板間に設けられた液晶層20は、負の誘電異方性を有する液晶分子21を含む。
図1(a)に示すように、電圧無印加時には、液晶分子21は垂直配向膜12および32の配向規制力により基板表面に対して略垂直に配向する。なお、典型的には、垂直配向膜12は壁状構造体15を覆うように形成され、壁状構造体15の傾斜した側面の近傍では液晶分子21は側面に略垂直に配向するが、簡単のために、図では省略している。ここでは、図2に示すように、十字を構成するように矩形部分を配置した4つの開口部14を設け、壁構造体15は、開口部14内に矩形部分に平行に設けられており、壁構造体による配向規制力の方向(液晶分子が傾斜する方向)が開口部14によって生成される斜め電界による配向規制力の方向と整合するように配置される。
電圧印加時には、図1(b)に示すように、誘電異方性が負の液晶分子21は分子長軸が電気力線に対して垂直になろうとするので、開口部14の周辺に形成される斜め電界によって、液晶分子21が倒れる方向が規定されることになる。図2に示すように、十字の開口部14および壁構造体15を設けると、開口部14および壁構造体15で実質的に包囲された領域に放射状傾斜配向の液晶ドメインが形成される。この放射状傾斜配向ドメイン内では液晶ダイレクタは全方位(基板面内の方位)に配向しているため、視野角特性が優れる。ここで、放射状傾斜配向とは軸対称配向と同義であり、液晶分子は、放射状傾斜配向の中心(軸対称配向の中心軸)の周りにはディスクリネーションラインを形成することなく連続的に配向しており、液晶分子の長軸を放射状(radial)、同心円状(tangential)、渦巻き状に配向している状態をいう。また、いずれの場合も、液晶分子の長軸が配向の中心から放射状に傾斜した成分(斜め電界に平行な成分)を有している。
ここでは、壁構造体15とともに開口部14を設けた例を説明したが、開口部14を省略しても、壁構造体15の傾斜側面にアンカリング作用(配向規制力)によって、垂直配向型液晶層の液晶分子が電界によって傾く方向が規定され、その結果、閾値以上の電圧が印加されたとき、壁構造体15によって実質的に包囲された領域に放射状傾斜配向をとる液晶ドメインが安定に形成される。例示したように、壁構造体15とともに開口部14を設けると、電圧印加時に開口部または切欠き部の周辺に形成される斜め電界による配向規制力が、壁構造体による配向規制力とともに、液晶分子が傾く方向を規定するので、さらに放射状傾斜配向を安定化することができる。また、斜め電界による配向規制力は電圧が低いと弱くなるのに対し、壁構造体による配向規制力は電圧に依存しないので、中間調表示状態においても配向規制力を発揮し、液晶分子が傾く方向を安定に規定する。その結果、中間調表示における表示品位を改善することができる。
なお、壁構造体15または開口部14が「実質的に包囲する領域」とは、その領域内の液晶分子に連続的に配向規制力を作用し、1つの液晶ドメインを形成すればよく、完全に包囲する必要は無い。すなわち、図2に示したように、隣接する壁構造体15または開口部14の間が分断されていて、その中に1つの液晶ドメインが形成されれば良い。
また、ここでは、開口部14の周りに形成される斜め電界の作用を説明したが、画素電極6のエッジ部に形成される切欠き部(例えば図3の切欠き部13参照)の近傍においても、同様に斜め電界が形成され、液晶分子21が電界によって傾く方向が規定される。
次に、図3(a)から(c)を参照しながら、切欠き部13(または開口部14)および壁構造体15の配置について説明する。図3(a)および(b)は、画素電極6の中央付近に一対の矩形状の切欠き部13を設けた場合の壁構造体15の配置例を示す平面図である。ここで示す切欠き部13が画素電極6内に形成された開口部14であっても同様である。
電圧印加時に放射状傾斜配向をとる液晶ドメインが形成される領域(1つの液晶ドメインが形成される領域を「サブ画素」ということもある。)は、上述したように、その周囲すべてを壁構造体15で囲む必要はないため、図3(a)の右側に示すように壁構造体15を切欠き部13(または開口部14内)内にだけ形成しても良いし、図3(a)の左側に示すように、切欠き部13内に形成された壁構造体15を連結するように壁構造体15を延設してもよい。すなわち、基板法線方向から見たときに、壁構造体15が点線状に見えるように設けてもよいし、実線に見えるように設けてもよい。
次に、図3(b)および(c)を参照しながら、矩形状の切欠き部13(または開口部14)内にそれと平行に壁構造体15を設ける場合の好ましい構成を説明する。
矩形状の切欠き部13の幅をEW(図3(b))とし、壁構造体15の幅をWWとすると、0.4EW<WW<0.8EWの関係を満足するように構成することが好ましい。0.4EW>WWの場合、壁構造体15による配向規制力が電極領域の液晶ドメインに及ぼす影響が小さくなり、画素電極領域の液晶ドメインを安定化させることが困難となることがある。逆に、WW>0.8EWの場合、製造プロセスのアライメント誤差により、切欠き部13内に壁構造体15が配置されないという状況(ミスアライメント)が発生することがある。壁構造体15の側面近傍の液晶分子は垂直配向から傾斜しているので、黒表示状態において光漏れを発生するので好ましくない。
また、切欠き部幅EWは透過領域の液晶層の厚さdtに対して1.8dt<EW<2.5dtとするのが好ましい。印加電圧により発生する斜め電界により画素毎に安定的な配向をさせるためには切欠き部幅EWを液晶層の厚さdtに対して大きくし、電極層が存在しない領域での等電位線を十分に歪ませるようにし、画素ごとで配向状態が連続しないようにできる。
ただし、切欠き部13(または開口部14)の幅EWを大きくしすぎると、画素内における表示部分が小さくなり、電圧印加時においても表示状態が変化する領域が少なくなるので好ましくない。また、液晶層の厚さdtを小さくすると、電界、すなわち単位V/μmが大きくなり、単位厚さ当たりの電界の変化量が大きくなり、切欠き部幅EWを大きくした場合と実質的に同じ効果が得られる。すなわち、あるセル厚(液晶層の厚さ)において、画素ごとに良好な放射状傾斜配向ドメインを形成でき、かつ、可能な限り有効開口率(実質的に表示に寄与する面積の画素面積に対する割合)を大きくするためには、切欠き部幅EWと透過領域の液晶層の厚さdtとが、1.8dt<EW<2.5dtとするのが好ましい。1.8dt>EWの場合、単位厚さ辺りの電界が弱く、画素において液晶の放射状傾斜配向が安定化せず、放射状傾斜配向の中心の位置が複数の画素間でばらつくことがある。逆に、EW>2.5dtの場合、適正な液晶層の厚さに対して切欠き部13(または開口部14)が大き過ぎる結果、有効開口率が低下するので好ましくない。
また、壁構造体15の高さWHは、液晶層の透過領域の厚さdtに対して0.25dt<WH<0.4dtとするのが好ましい。WH<0.25dtの場合、壁構造体15による配向規制力が弱くなり、安定な配向状態が得られないことがある。逆に、WH>0.4dtの場合、基板(アクティブマトリクス基板)1と基板(対向基板)17との間に液晶材料を注入する際、画素電極上に規則的に配置された壁構造体15が液晶注入の阻害となり、注入に時間がかかってしまう、または注入が不完全となる領域が発生する可能性が高くなる。特に、半透過型液晶表示装置の場合、反射領域の液晶層の厚さdr(例えば図4参照)は、光学最適設計のためには、透過領域の厚さdtのほぼ半分に設定されるので、ほとんど液晶材料が入らなくなってしまう可能性すらある。したがって、0.25dt<WH<0.4dtとするのが好ましい。
上記の例では、切欠き部13および/または開口部14に対応させて壁構造体15を設けた構成を例示したが、これに限られず、図3(b)に示したように、画素電極6を包囲する領域に壁構造体15を設けてもよい。画素電極6の周辺領域は、例えば、TFTやゲート信号配線、ソース信号配線などが形成され、あるいは、対向基板にブラックマトリクスが形成されるので、表示に寄与しない遮光領域となる。従って、この領域に形成された壁構造体15は表示に悪影響を及ぼすことが無い。
また、壁構造体15は、個々の液晶ドメインを形成する領域(サブ画素)を実質的に包囲するように形成してもよい。サブ画素ごとに壁構造体15を形成しないと、電圧が低い場合に切欠き部13または開口部14による配向規制力が十分でなく、液晶ドメインの放射状傾斜配向の中心の位置を安定に維持することができず、複数の画素間でばらつくことがある。特に、半透過型液晶表示装置では、少なくとも透過領域と反射領域との間に、開口部または切欠き部を設けることが好ましく、さらに、これに代えて、またはこれとともに、壁構造体15を形成することが好ましい。透過領域と反射領域との間に壁構造体15を形成していない場合、印加電圧が低い場合、壁構造体15を形成している領域側の配向規制力が他方よりも強く、放射状傾斜配向の中心位置が透過領域あるいは反射領域におけるサブが素領域の中心からずれてしまうことがある。
次に、図4を参照しながら、本発明による実施形態の液晶表示装置のさらに具体的な構成例を説明する。
図4に示す液晶表示装置は、バックライトと、半透過型液晶パネル50と、半透過型液晶パネル50を介して互いに対向するように設けられた一対の偏光板40および43と、偏光板40および43と液晶パネル50との間に設けられた1/4波長板41および44と、1/4波長板41および44と液晶パネル50との間に設けられた光学異方性が負の位相差板42および45とを有している。液晶パネル50は、透明基板(アクティブマトリクス基板)1と透明基板(対向基板)17との間に垂直配向型液晶層20とを有している。液晶パネル50として、例えば、後に図6を参照しながら説明する液晶表示装置200と同様の構成を有するものを用いる。
図4に示した液晶表示装置の表示動作を以下に簡単に説明する。
反射モード表示については、上側からの入射光は偏光板43を通り、直線偏光となる。この直線偏光は、偏光板43の透過軸と1/4波長板44との遅相軸とが45°になるように1/4波長板44に入射すると円偏光となり、基板17上に形成したカラーフィルタ層(不図示)を透過する。なお、ここでは法線方向から入射する光に対して位相差を与えない位相差板45を用いている。
電圧無印加時には、液晶層20中の液晶分子は基板面に略垂直に配向しているために入射光は位相差がほぼ0で透過し、下側の基板1に形成した反射電極により反射される。反射された円偏光は再び液晶層20中を通過してカラーフィルタ層を通り、再度、光学異方性が負の位相差板45を円偏光で通り、1/4波長板44を経て、最初に入射して偏光板43を透過した際の偏光方向と直交する偏光方向の直線偏光に変換されて偏光板43に到達するために、光は偏光板43を透過できず黒表示となる。
一方、電圧印加時には、液晶層20中の液晶分子は基板面に垂直な方向から水平方向に傾くため、入射した円偏光は液晶層20の複屈折により楕円偏光となり、下側の基板1に形成した反射電極により反射される。反射された光は液晶層20で偏光状態がさらに崩され、再び液晶層20中を通過してカラーフィルタ層を通り、再度、光学異方性が負の位相差板45を通り、1/4波長板44に楕円偏光として入射するため、偏光板43に到達するときに全ての光が入射時の偏光方向と直交した直線偏光とはならず、一部の光が偏光板43を透過する。特に、印加電圧を調節することで液晶分子の傾く方向が制御できて、反射光が偏光板43を透過できる光量が変調され、階調表示が可能となる。
また、透過モードの表示については、上下2枚の偏光板43および偏光板40は各々その透過軸が直交するように配置されており、光源から出射された光は偏光板40で直線偏光となり、この直線偏光は、偏光板40の透過軸と1/4波長板41との遅相軸が45°になるように1/4波長板41に入射すると円偏光になり光学異方性が負の位相差板42を経て下側の基板1の透過領域Aに入射する。なお、ここでは法線方向から入射する光に対して位相差を与えない位相差板42を用いている。
電圧無印加時には、液晶層20中の液晶分子は基板面に略垂直に配向しているため、入射光は位相差がほぼ0で透過し、下側の基板1に円偏光の状態で入射し、円偏光の状態で液晶層20および上側の基板17を経て上側の光学異方性が負の位相差板45を透過して1/4波長板44に到る。ここで、下側の1/4波長板41と上側の1/4波長板44の遅相軸が90°交差して配置することで、上側の1/4波長板44からは偏光板40での直線偏光と直交した直線偏光となり、偏光板43で吸収されて黒表示となる。
一方、電圧印加時には、液晶層20中の液晶分子21は基板面に垂直な方向から水平方向に傾くために液晶表示装置への入射した円偏光は液晶層20の複屈折により楕円偏光となり、上側のCF基板17や上側の光学異方性が負の位相差板45および1/4波長板44を楕円偏光として偏光板43に到るために入射時の偏光成分と直交した直線偏光にはならず、偏光板43を通して光が透過する。特に、印加電圧を調節することで液晶分子の傾く方向が制御できて、反射光が偏光板43を透過できる光量が変調され、階調表示が可能となる。
光学異方性が負の位相差板は液晶分子が垂直配向状態での視野角を変化させた場合の位相差の変化量を最小に抑え、広視野角側での黒浮きを抑える。また、光学異方性が負の位相差板と1/4波長板を一体化させた2軸性位相差板を用いても良い。
本発明のように電圧無印加時に黒表示を行い、電圧印加時に白表示となるノーマリーブラックモードを放射状傾斜配向ドメインで行った場合、液晶表示装置(液晶パネル)の上下に一対の1/4波長板を設けることによって、偏光板に起因する消光模様を解消させて明るさを改善することも可能となる。また、上下の偏光板の透過軸を互いに直交して配置してノーマリーブラックモードを放射状傾斜配向ドメインで行った場合には、原理的にはクロスニコルに配置した一対の偏光板と同程度の黒表示を実現できることから、極めて高いコントラスト比を実現できると共に、全方位的な配向に導かれた広い視野角特性が達成できる。
(透過型液晶表示装置)
まず、本発明による実施形態の透過型液晶表示装置100の構成を図5を参照しながら説明する。図5は、透過型液晶表示装置100の1つの画素の構成を模式的に示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は図5(a)中の5B−5B’線に沿った断面図である。
液晶表示装置100は、透明基板(例えばガラス基板)110aと、透明基板110aに対向するように設けられた透明基板110bと、透明基板110aと110bとの間に設けられた垂直配向型の液晶層120とを有する。基板110aおよび110b上の液晶層120に接する面には垂直配向膜(不図示)が設けられており、電圧無印加時には、液晶層120の液晶分子は、垂直配向膜の表面に対して略垂直に配向している。液晶層120は、誘電異方性が負のネマティック液晶材料を含み、必要に応じて、カイラル剤を更に含む。
液晶表示装置100は、透明基板110a上に形成された画素電極111と、透明基板110b上に形成された対向電極131とを有し、画素電極111と対向電極131との間に設けられた液晶層120とが画素を規定する。ここでは、画素電極111および対向電極131のいずれも透明導電層(例えばITO層)で形成されている。なお、典型的には、透明基板110bの液晶層120側には、画素に対応して設けられるカラーフィルタ130(複数のカラーフィルタをまとめて全体をカラーフィルタ層130ということもある。)と、隣接するカラーフィルタ130の間、すなわち、隣接する画素の間に設けられるブラックマトリクス(遮光層)132とが形成され、これらの上に対向電極131が形成されるが、対向電極131上(液晶層120側)にカラーフィルタ層130やブラックマトリクス132を形成しても良い。
ここで、画素電極111は、所定の位置に形成された、2つの切欠き部113を有している。また、透明基板110aの液晶層120側には、壁構造体115が設けられており、壁構造体115は、画素電極111を包囲するように設けられた壁部分および、矩形状の切欠き部113内にこれと平行に設けられた壁部分と、さらにこれらを連結するように延設された壁部分とを含んでいる。
この液晶層に所定の電圧を印加すると、壁構造体115で包囲された領域内にそれぞれが放射状傾斜配向を呈する2つの液晶ドメインが形成される。ここで例示した壁構造体115は、連続した壁として設けられているが、これに限らず複数の壁に分断されていても良い。この壁構造体115は液晶ドメインの境界を規定するように作用するので、ある程度の長さを有することが好ましい。例えば、壁構造体を複数の壁で構成した場合、個々の壁の長さは、隣接する壁の間の長さよりも長いことが好ましい。
液晶層120の厚さ(セルギャップともいう。)を規定するための支持体133を遮光領域に形成すれば、表示品位を低下させることが無いので好ましい。支持体133は、例えば、感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィ工程で形成することができる。支持体133は、透明基板110aおよび110bのどちらに形成しても良く、例示したように、遮光領域に設けられた壁構造体115上に設ける場合に限られない。壁構造体115上に支持体133を形成する場合は、壁構造体115の高さと支持体133の高さとの和が液晶層120の厚さとなるように設定される。壁構造体115が形成されていない領域に支持体133を設ける場合には、支持体133の高さが液晶層120の厚さとなるように設定される。
なお、透明基板110aの液晶層120側には、例えばTFTなどのアクティブ素子およびTFTに接続されたゲート配線およびソース配線などの回路要素(いずれも不図示)が設けられる。また、透明基板110aと、透明基板110a上に形成された回路要素および上述した画素電極111、壁構造体115、支持体133および配向膜などをまとめてアクティブマトリクス基板ということがある。一方、透明基板110bと透明基板110b上に形成されたカラーフィルタ層130、ブラックマトリクス132、対向電極131および配向膜などをまとめて対向基板またはカラーフィルタ基板ということがある。
また、上記の説明では省略したが、液晶表示装置100は、透明基板110aおよび110bを介して互いに対向するように配置された一対の偏光板をさらに有する。一対の偏光板は典型的には透過軸が互いに直交するように配置される。さらに、前述したように、2軸性光学異方性媒体層または1軸性光学異方性媒体層を設けても良い。
(半透過型液晶表示装置)
次に、図6を参照しながら、本発明による実施形態の半透過型液晶表示装置200の構成を説明する。
本発明による実施形態の透過型液晶表示装置200の1つの画素の構成を模式的に示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は図6(a)中の6B−6B’線に沿った断面図である。
液晶表示装置200は、透明基板(例えばガラス基板)210aと、透明基板210aに対向するように設けられた透明基板210bと、透明基板210aと210bとの間に設けられた垂直配向型の液晶層220とを有する。両方の基板210aおよび210b上の液晶層220に接する面には垂直配向膜(不図示)が設けられており、電圧無印加時には、液晶層220の液晶分子は、垂直配向膜の表面に対して略垂直に配向している。液晶層220は、誘電異方性が負のネマティック液晶材料を含み、必要に応じて、カイラル剤を更に含む。
液晶表示装置200は、透明基板210a上に形成された画素電極211と、透明基板210b上に形成された対向電極231とを有し、画素電極211と対向電極231との間に設けられた液晶層220とが画素を規定する。透明基板210a上には、後述するようにTFTなどの回路要素が形成されている。透明基板210aおよびこの上に形成された構成要素をまとめてアクティブマトリクス基板210aということがある。
また、典型的には、透明基板210bの液晶層220側には、画素に対応して設けられるカラーフィルタ230(複数のカラーフィルタをまとめて全体をカラーフィルタ層230ということもある。)と、隣接するカラーフィルタ230の間、すなわち、隣接する画素の間に設けられるブラックマトリクス(遮光層)232とが形成され、これらの上に対向電極231が形成されるが、対向電極231上(液晶層220側)にカラーフィルタ層230やブラックマトリクス232を形成しても良い。透明基板210bおよびこの上に形成された構成要素をまとめて対向基板(カラーフィルタ基板)基板210bということがある。
画素電極211は、透明導電層(例えばITO層)から形成された透明電極211aと、金属層(例えば、Al層、Alを含む合金層、およびこれらのいずれかを含む積層膜)から形成された反射電極211bとを有する。その結果、画素は、透明電極211aによって規定される透明領域Aと、反射電極211bによって規定される反射領域Bとを含む。透明領域Aは透過モードで表示を行い、反射領域Bは反射モードで表示を行う。
ここで、画素電極211は、所定の位置に形成された、切欠き部213を有している。また、透明基板210aの液晶層220側には、壁構造体215が設けられており、壁構造体215は、画素電極211を包囲するように設けられた壁部分および、矩形状の切欠き部213内にこれと平行に設けられた壁部分と、さらにこれらを連結するように延設された壁部分とを含んでいる。
この液晶層に所定の電圧を印加すると、壁構造体215で包囲された領域内にそれぞれが放射状傾斜配向を呈する3つの液晶ドメインが形成される。ここで例示した壁構造体215は、連続した壁として設けられているが、これに限らず複数の壁に分断されていても良い。この壁構造体215は液晶ドメインの境界を規定するように作用するので、ある程度の長さを有することが好ましい。例えば、壁構造体を複数の壁で構成した場合、個々の壁の長さは、隣接する壁の間の長さよりも長いことが好ましい。
図6には、透過領域Aに2つの液晶ドメインを形成し、反射領域Bに1つの液晶ドメインを形成する例を示したが、これに限定されない。なお、個々の液晶ドメインは略正方形の形状にすることが、視野角特性および配向の安定性の観点から好ましい。
液晶表示装置200は、隣接する画素の間に設けられる遮光領域の透明基板210a上に壁構造体215を有している。ここで例示した壁構造体215は、画素を包囲するように連続した壁として設けられているが、これに限らず複数の壁に分断されていても良い。この壁構造体215は液晶ドメインの画素の外延近傍に形成される境界を規定するように作用するので、ある程度の長さを有することが好ましい。例えば、壁構造体215を複数の壁で構成した場合、個々の壁の長さは、隣接する壁の間の長さよりも長いことが好ましい。
液晶層220の厚さ(セルギャップともいう。)を規定するための支持体233を遮光領域に形成すれば、表示品位を低下させることが無いので好ましい。支持体233は、例えば、感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィ工程で形成することができる。支持体233は、透明基板210aおよび210bのどちらに形成しても良く、例示したように、遮光領域に設けられた壁構造体215上に設ける場合に限られない。壁構造体215上に支持体233を形成する場合は、壁構造体215の高さと支持体233の高さとの和が液晶層220の厚さとなるように設定される。壁構造体215が形成されていない領域に支持体233を設ける場合には、支持体233の高さが液晶層220の厚さとなるように設定される。
次に、透過モードの表示と反射モードの表示の両方を行うことができる半透過型液晶表示装置200に特有の好ましい構成を説明する。
透過モードの表示では、表示に用いられる光は液晶層220を一回通過するだけであるのに対し、反射モードの表示では、表示に用いられる光は液晶層220を2回通過する。したがって、図6(b)に模式的に示したように、透過領域Aの液晶層220の厚さdtを反射領域Bの液晶層220の厚さdrの約2倍に設定することが好ましい。このように設定することによって、両表示モードの光に対して液晶層220が与えるリタデーションを略等しくすることができる。dt=0.5drが最も好ましいが、0.3dt<dr<0.7dtの範囲内にあれば両方の表示モードで良好な表示を実現できる。勿論、用途によっては、dt=drであってもよい。
液晶表示装置200においては、反射領域Bの液晶層220の厚さを透過領域Aの液晶層の厚さよりも小さくするために、ガラス基板210bの反射領域Bにのみ透明誘電体層234を設けている。なお、対向電極231は、図示したように、透明誘電体層234を覆うように(すなわち液晶層220側に)設けることが好ましい。このように対向基板210b側に透明誘電体層234を設ける構成を採用すると、反射電極211bの下に絶縁膜などを用いて段差を設ける必要がないので、アクティブマトリクス基板210aの製造を簡略化できるという利点が得られる。さらに、液晶層220の厚さを調整するための段差を設けるための絶縁膜上に反射電極211bを設けると、絶縁膜の斜面(テーパ部)を覆う反射電極によって透過表示に用いられる光が遮られる、あるいは、絶縁膜の斜面に形成された反射電極で反射される光は、内部反射を繰り返すので、反射表示にも有効に利用されない、という問題が発生するが、上記構成を採用するとこれらの問題の発生が抑制され、光の利用効率を改善することができる。
さらに、この透明誘電体層234に光を散乱する機能(拡散反射機能)を有するものを用いると、反射電極211bに拡散反射機能を付与しなくても、良好なペーパーホワイトに近い白表示を実現できる。透明誘電体層234に光散乱機能を付与しなくても、反射電極211bの表面に凹凸形状を付与することによって、ペーパーホワイトに近い白表示を実現することもできるが、凹凸の形状によっては放射状傾斜配向の中心の位置が安定し無い場合がある。これに対し、光散乱機能を有する透明誘電体層234と平坦な表面を有する反射電極211bとを用いれば、反射電極211bに形成する開口部214によって中心の位置をより確実に安定化できるという利点が得られる。なお、反射電極211bに拡散反射機能を付与するために、その表面に凹凸を形成する場合、凹凸形状は干渉色が発生しないように連続した波状とすることが好ましく、放射状傾斜配向の中心を安定化できるように設定することが好ましい。
また、透過モードでは表示に用いられる光はカラーフィルタ層230を一回通過するだけであるのに対し、反射モードの表示では、表示に用いられる光はカラーフィルタ層230を2回通過する。従って、カラーフィルタ層230として、透過領域Aおよび反射領域Bに同じ光学濃度のカラーフィルタ層を用いると、反射モードにおける色純度および/または輝度が低下することがある。この問題の発生を抑制するために、反射領域のカラーフィルタ層の光学濃度を透過領域のカラーフィルタ層よりも小さくすることが好ましい。なお、ここでいう光学濃度は、カラーフィルタ層を特徴付ける特性値であり、カラーフィルタ層の厚さを小さくすれば、光学濃度を小さくできる。あるいは、カラーフィルタ層の厚さをそのままで、例えば添加する色素の濃度を低下させて、光学濃度を小さくすることもできる。
以下、試作した液晶表示装置の表示特性を具体的に説明する。
(試作例1)
信号線およびTFT(薄膜トランジスタ)が形成されたアクティブマトリクス基板上に図7(a)に示すような画素電極(ITO層:透明電極)6および壁構造体15を形成した。このとき、切欠き部13の幅は8μm、壁構造体15の幅は6μmとした。壁構造体15とは別の場所にセル厚を規定するための支持体を形成した。この支持体の高さは4.0μmとした。
以上のように作製したアクティブマトリクス基板とカラーフィルタ層、電極層を形成した対向基板(カラーフィルタ基板)に垂直配向剤を塗布し、焼成することで基板上に垂直配向層を形成した。アクティブマトリクス基板および対向基板を貼り合わせ、負の誘電率異方性を有する液晶材料(Δn=0.101、Δε=−5.0)を注入、封止して液晶表示装置を作製した。続いて、この液晶表示装置の構成基板の両面に光学フィルムを配置して液晶表示装置を得た。
本試作例の液晶表示装置の構成は、上から順に偏光板(観察側)、1/4波長板(位相差板1)、光学異方性が負の位相差板(位相差板2(NR板))、液晶層(上側;カラーフィルタ基板、下側;アクティブマトリクス基板)、光学異方性が負の位相差板(位相差板3(NR板))、1/4波長板(位相差板4)、偏光板(バックライト側)の積層構造とした。なお、液晶層の上下の1/4波長板(位相差板1と位相差板4)では互いの遅相軸を直交させ、各々の位相差を140nm(可視光(560nmの4分の1)とした。
光学異方性が負の位相差板(位相差板2と位相差板3)は光軸(フィルム面に垂直)とフィルム面に平行な方向での位相差を135nmとした。また、2枚の偏光板(観察側、バックライト側)では、透過軸を直交させて配置した。
液晶表示装置に駆動信号を印加(液晶層に4V印加)して表示特性を評価した。試作例1は、図8に示す良好な電圧−透過率特性を有していた。また、透過表示での視角−コントラストの特性結果を図9に示す。透過表示での視野角特性はほぼ、全方位的で対称な特性を示し、CR>10(太線の領域)の領域は±80°と良好であり、透過コントラストも正面で300:1以上と高いものであった。また、中間調における応答速度に関しても8階調レベルでの6→7階調(黒に近い低電圧)応答での応答時間が20msecと壁構造体がない場合に比べて高速応答特性を示した。
(試作例2)
アクティブマトリクス基板上に試作例1と同様な形状の切欠き部13を有する画素電極6を形成した。その後、壁構造体をITO電極上に図のように形成した。このとき切欠き部13の幅は6μm、壁構造体の幅は3μmであった。セルギャップを規定する支持体の高さは3.0μmであった。その後の工程は試作例1と同様に行い、液晶表示装置を作製した。本試作例の液晶表示装置も全方位にわたり良好な視野角特性かつ高コントラスト特性を有していた。
(試作例3)
試作例1と同様な画素電極6、壁構造体15を形成したアクティブマトリクス基板上に壁構造体15とは別の場所(遮光領域)にセル厚を規定するための支持体を形成した。この支持体の高さは4.5μmとした。その後の工程は試作例1と同様に行い、液晶表示装置を作製した。
本試作例のパネルを広視野角側から観察した場合、画素にざらつきが観察されるものがあった。ざらつきが見られた画素を偏光顕微鏡でクロスニコル観察したところ、放射状傾斜配向の中心が各画素において画素の中心からずれていた。このことから切欠き部の幅が液晶層の厚さに対して大きすぎると好ましくないことがわかる。
(試作例4)
試作例1と同様な画素電極6および壁構造体15を形成した。このとき、切欠き部13の幅は6μm、壁構造体15の幅は1μmであった。セルギャップを規定する支持体の高さを3.0μmに規定した。その後の工程は試作例1と同様に行い、液晶表示装置を作製した。
本試作例のパネルを広視野角側から観察した場合に画素にざらつきが観察されるものがあった。ざらつきが見られた画素を偏光顕微鏡でクロスニコル観察したところ、放射状傾斜配向の中心が各画素において画素の中心からずれていた。このことから、壁構造体の幅が切欠き部の幅よりも極端に小さいと好ましくないことがわかる。
(試作例5)
試作例1と同様の画素電極6を形成したアクティブマトリクス基板上に、幅8μmの壁構造体15を形成した。その後、試作例1と同様な工程を経て液晶表示装置を作製した。
本試作例の液晶表示装置を観察したところ、黒表示において、黒が浮いているように感じられるものがあった。画素を偏光顕微鏡で観察したところ、壁構造体が透過領域周辺に存在し、光漏れが発生していた。このことから、壁構造体の幅が切欠き部の幅よりも大きいと好ましくないことがわかる。
(試作例6)
試作例1と同様な画素電極6を形成したアクティブマトリクス基板上に壁構造体を形成した。このときの切欠き部13の幅は8μm、壁構造体幅は5μmであった。このアクティブマトリクス基板上に壁構造体とは別の場所にセルギャップを規定するための支持体を形成した。この支持体の高さは2.5μmであった。その後、試作例1と同様な工程を経て液晶表示装置を作製した。
本試作例の液晶表示装置では電圧信号変化に基づくリタデーション変化が小さく、液晶層の透過率が低いため、表示が比較的暗かった。このことから、透過領域の液晶層の厚さが切欠き部13の幅より小さいと好ましくないことがわかる。
(試作例7)
アクティブマトリクス基板上に試作例1と同様な形状の切欠き部13を有する画素電極6を形成した。壁構造体を形成せずに、このアクティブマトリクス基板上に壁構造体とは別の場所にセルギャップを規定するための支持体を形成した。この支持体の高さは3.6μmであった。その後、試作例1と同様な工程を経て液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置の8階調レベルでの中間調(6→7階調)における応答時間を評価したところ、約120msecと非常に遅い応答特性を示した。これは切欠き部による黒表示における規制力が少ない場合において、液晶分子の配向が安定するのに時間がかかるためである。
(試作例8)
アクティブマトリクス基板上に図7(b)に示すような透明電極(ITOパターン)および反射電極(Alパターン)を形成し、それぞれ透過領域、反射領域とした。電極上に壁構造体を形成した。このときの切欠き部13の幅は8μm、壁構造体15の幅は6μmであった。また、セルギャップの厚さ設定用の支持体を表示外領域に形成した。この支持体の高さは3.6μmであった。
このアクティブマトリクス基板の対向基板として、カラーフィルタ層を形成した後、反射領域に約1.8μm厚の段差を形成し、この基板上にITO電極層を形成し、対向基板(カラーフィルタ基板)を作製した。
得られたアクティブマトリクス基板および対向基板上に垂直配向剤を塗布、次いで180℃で1.5h焼成し基板上に垂直配向層を形成した。これらの基板を貼り合わせ、負の誘電率異方性を有する液晶材料を注入、封止することで液晶表示装置を作製した。このとき、カラーフィルタ基板上に形成した段差1.8μmとセルギャップ調整用の支持体3.6μmにより、透過領域の液晶層の厚さは3.6μm、反射領域の液晶層の厚さは1.8μmであった。この後、試作例1と同様、光学フィルム設定に基づいてフィルムを液晶表示装置に貼付し、液晶表示装置を作製した。透過表示の特性はほぼ試作例1と同様な良好な表示特性を得た。また、反射表示の特性として標準拡散板を基準としても約8.5%(開口率100%換算)、コントラスト比は20であった。図10に示すような良好な電圧ー反射率特性を示した。
上述したすべての試作例における切欠き部13の幅、壁構造体の幅、透過領域の液晶層の厚さの数値を変化させた場合の表示の良否を表1にまとめて示す。
以上のように、本発明の実施形態によると、片側の基板(例示ではアクティブマトリクス基板)に配向制御用に電極切欠き部および傾斜した側面を有する壁構造体を形成することで、全方位に渡り優れた視野角特性を有し、高コントラスト特性を有する液晶表示装置を作製することができた。
次に、本発明による他の実施形態の液晶表示装置を説明する。
以下に説明する実施形態の液晶表示装置は、壁構造体を設けた基板(第1基板、例えばアクティブマトリクス基板)と反対側の基板(第2基板、例えば対向(CF)基板)に更に誘電体構造体(凸部)を有している点において、先の実施形態の液晶表示装置と異なる。以下の説明では、先の実施形態の液晶表示装置と共通する構成要素は共通の参照符号で示し、ここでは説明を省略する。
先の実施形態の液晶表示装置は、片側の基板上に配向制御構造(壁構造体、電極開口部および/または電極切欠き部)を設けた単純な構成で、液晶層の放射状傾斜配向を安定化しているが、本実施形態の液晶表示装置では、片方の基板に設けられた壁構造体によって実質的に囲まれた領域内の他方の基板に誘電体構造体を配置して、液晶層を介して互いに対向する上下基板から液晶分子の配向を規制することによって、放射状傾斜配向がさらに安定化される。その結果、例えば、パネル面を押圧した場合の復元力も大きくなり、配向乱れが起こりにくくなる、あるいは、配向乱れが起こっても短時間で回復する。加えて、中間調表示状態における応答時間も短縮されるという効果が大きくなる。
図11および図12を参照しながら、本実施形態の液晶表示装置における液晶分子の配向状態を説明する。
図11(a)および(b)は、先の実施形態の液晶表示装置についての図1(a)および(b)に対応し、図11(a)は電圧無印加時、図11(b)は電圧印加時の液晶分子の配向状態を模式的に示している。
図1(a)および(b)を参照しながら説明したように、画素電極6に設けられた開口部14によって生成される斜め電界および開口部14内に設けられた壁構造体15の傾斜側面による配向規制力(アンカリング効果)によって、開口部14および壁構造体15によって実質的に包囲された領域(サブ画素)に放射状傾斜配向をとる液晶ドメインが形成される。本実施形態の液晶表示装置は、上側の基板17の液晶層20側のサブ画素のほぼ中央に誘電体構造体25を更に有しており、誘電体構造体25の傾斜側面の配向規制力(アンカリング効果)によって、液晶分子21の放射状傾斜配向が更に安定化される。なお、図11では簡略化して図示しているが、垂直配向膜32は誘電体構造体25を覆うように形成されている。
図11(b)からわかるように、第2基板(対向基板)17の液晶層20に設けられた誘電体構造体25の傾斜側面による配向規制力は、第1基板(アクティブマトリクス基板)に設けられた配向規制構造(壁構造体や電極開口部など)による配向規制力と同じ方向に液晶分子21を配向させるように作用するので、サブ画素内の液晶分子の放射状傾斜配向がさらに安定化する。またサブ画素の略中心に設けられた誘電体構造体25を中心に放射状傾斜配向が形成されるので、放射状傾斜配向の中心が誘電体構造体25の近傍に固定されることになる。
このとき、誘電異方性が負の液晶分子は、電界が印加されると電界の方向に直交するように(液晶分子の長軸が基板面に平行になるように)倒れるが、図11(b)に矢印で示した様に、誘電体構造体25の傾斜側面に対して外側に倒れるように配置することが好ましい。これと逆方向に倒れると、ディスクリネーションラインが発生することがある。
このように、第1基板に設けた配向規制構造(壁構造体や電極開口部など)によって主にサブ画素の周辺の液晶分子の配向方向を規制し、第2基板に設けた配向規制構造(誘電体構造体)によってサブ画素の略中心部の液晶分子の配向を規制することによって、中間調表示における応答時間を短くする、あるいは、パネル面が押圧されたときに発生する残像が消えるまでの時間を短くすることができる。図12(a)から(c)を参照しながら、その理由を説明する。
図12(a)から(c)は、本実施形態の液晶表示装置のサブ画素内の液晶分子の配向を模試的に示す図であり、(a)は電圧無印加時、(b)は電圧印加直後、(c)は電圧印加後十分な時間が経過した状態を示している。なお、図12においては、サブ画素の周囲に設けられた配向規制構造(サブ画素を包囲する壁構造体および電極開口部など)を図示していない。
図12(a)に示すように、電圧無印加状態では、液晶分子21は基板面にほぼ垂直に配向している。但し、誘電体構造体25の傾斜側面近傍の液晶分子は、傾斜側面に対して垂直に配向しようとするため傾斜(プレチルト)しているが、図では無視している。
電圧を印加すると、図12(b)に示すように、サブ画素の周囲に設けられた配向規制構造の配向規制力を受けるサブ画素の周囲の液晶分子、および誘電体構造体25の配向規制力を受ける中央付近の液晶分子から、傾きはじめる。
その後、時間の経過とともに、サブ画素の周囲に設けられた配向規制構造と誘電体構造体25との間に存在する液晶分子が連続的に配向していく。
このように、サブ画素の略中央に誘電体構造体25を設けることにより、誘電体構造体25の近傍とサブ画素の周辺の配向規制構造との両方から液晶分子の配向規制が進むことから、中間調表示状態における応答時間の短縮化効果や、パネルの押圧に対する復元力が増大する効果が得られる。
〔誘電体構造体〕
誘電体構造体は、壁構造体によって実質的に包囲された各領域内の所定の位置、すなわち各領域の略中央部にあたる位置の対向する基板の液晶層側に形成することが好ましい。ここで、壁構造体により実質的に包囲されたとは、画素の表示領域を規則的に配置してパターニング形成した壁構造体(連続した段差構造物あるいは不連続の段差構造物)により必要に応じて区切って囲むことをいい、本発明では各細分化した領域内において、壁構造体および誘電体構造体などの配向規制構造による作用により、液晶領域が放射状傾斜配向をとることになる。
なお、誘電体構造体は、壁構造体などによって実質的に包囲されたサブ画素の略中心に配置することが好ましい。また、サブ画素(液晶ドメイン)の面積Sdに対する誘電体構造体の底面積Sbの比率の百分率をSa(%)とすると、Saの値が2≦Sa≦25の関係を満足することが好ましい。Saの値が上記の範囲よりも小さい場合には液晶分子の配向状態を安定化できる作用が十分に得られないことがある。一方、Sa値が上記の範囲よりも大きい場合には、画素内に配置された誘電体構造体が占める面積比率が大きくなりすぎて、実効開口率の減少が顕著となり、表示輝度の低下を招くことになる。さらに、誘電体構造体の傾斜部(側面)の近傍において、偏光板の偏光軸に対して傾斜した方向に配向した液晶分子が通過する偏光に位相差を与えるため、その結果、光漏れが起こりコントラスト比が低下することがある。このため、誘電体構造体の大きさは上記の範囲内にあることが好ましい。
また、誘電体構造体の近傍における光漏れを防止するために、必要に応じて、基板210b上に遮光層を設けてもよい。遮光層は、遮光性の金属膜や遮光機能を有する絶縁膜(例えば黒色樹脂膜)を公知の方法でパターニングすることによって形成すればよい。遮光層を設けることによってコントラスト比の低下を抑制することができる。なお、この遮光層は、誘電体構造体に対向する位置のアクティブマトリクス基板に設けても良い。
誘電体構造体の断面形状(基板面に平行な面内での断面形状)は、画素またはサブ画素の形状に合わせることが好ましく、例えば矩形状の画素(またはサブ画素)に対しては、矩形や正方形あるいはこれらの角に曲面を有する形状、または円形あるいは楕円形などが好ましい。特に断面形状に曲面を含む場合には、誘電体構造体の周囲の液晶分子が連続的に放射状傾斜配向をとりやすくなることからディスクリネーションの発生を抑制できる。
次に、誘電体構造体を設けた半透過型液晶表示装置の例を図13に示す。図13(a)は平面図を示し、図13(b)は、図13(a)中の13B−13’線に沿った断面図である。
図13に示した半透過型液晶表示装置200’は、図6に示した先の実施形態の半透過型液晶表示装置200において、3つのサブ画素のそれぞれに略中心に誘電体構造体(凸部)225を設けたものに相当する。但し、画素電極211と壁構造体215との間に間隙を設けている点、および、壁構造体215を画素電極211の周辺と切欠き部213内にだけ設け、画素電極211上には設けていない。画素電極211上の壁構造体215を省略することによって、開口率の低下および/または光漏れを抑制することができる。
本実施形態の液晶表示装置200’は、先の実施形態の液晶表示装置200よりも、放射状傾斜配向の安定性が高く、パネル面を押圧した際に形成される配向乱れが解消するのに要する時間が短く、更に、中間調表示における応答特性にも優れる。
以下に試作例9〜13についての評価結果を例示する。試作例9〜13は、基本的に上述した試作例1と同様の方法で作製した。
ここでは、サブ画素の大きさを55μm×60μm(Sd=3300μm2)として、各サブ画素の略中心に対応する第2基板210b上の位置に誘電体構造体225を形成した。誘電体構造体225は、透明な感光性樹脂を用いて、フォトリソグラフィプロセスで形成した。
誘電体構造体225の底面積Sbは、試作例9が78μm2(底面の直径が10μmの円錐台形)、試作例10が845μm2(底面の直径が32.8μmの円錐台形)、試作例11が480μm2(20μm×24μmの曲面付矩形の底面を有する角錐台形)、試作例12が64μm2(底面の直径が9μmの円錐台形)、試作例13が908μm2(底面の直径が34μmの円錐台形)であった。また、これらの液晶表示装置は試作例1と同様に、この液晶表示装置の構成基板の両面に光学フィルムを配置して液晶表示装置を得た。光学フィルムの構成も試作例1と同じであった。
各液晶表示装置に駆動信号を印加(液晶層に4V印加)して表示特性を評価した。表示特性については電圧4V印加時の正面コントラスト(CR)値と、1kgf/cm2の圧力でパネルを押圧したときの耐押圧性(残像が消えるまでの時間)を評価した。
さらに、中間調表示状態の応答時間については、8階調レベルで階調数6から階調数7(黒表示に近い低電圧レベル)の応答に要する時間を評価した。正面コントラスト値については、設計値を300とし、下限許容値を270とした。また、耐押圧性評価では、加圧後の配向復元力について評価し、1分以内で不良配向が解消(視認できなくなることをさす)した場合を○、1分以上5分以内で不良配向が解消した場合を△(許容下限)、10分以上経過後も配向乱れが残った場合を×とした。
これらの評価結果を表2に示す。
表2に示した結果からわかるように、誘電体構造体を設けることにより、中間調応答時間が短くなり、耐押圧性が向上する。また、試作例12の結果からわかるように、Saが2%未満であると、誘電体構造体を設けた効果が十分に発揮されない。一方、試作例13の結果から、Saが25%を超えると、中間調応答時間が短くなり、耐押圧性が向上するものの正面コントラスト比が低下するので好ましくない。これらを総合すると、誘電体構造体は、2≦Sa≦25の関係を満足するように設けることが好ましいと言える。もちろん、用途に応じて、優先する特性に応じて、Saの範囲を変えてもよい。
さらに、試作例11と同様の構成のパネルにおいて、誘電体構造体の近傍からの光漏れを防止するために遮光層を配置したところ、正面コントラスト比が380に上昇することが確認できた。なお、ここでは、第2基板210b上の位置に誘電体構造体225を形成する前のブラックマトリクス(遮光層)232を形成する工程において、誘電体構造体225を形成する位置に誘電体構造体225の底面よりも大きな面積の遮光層を形成した。
このように、誘電体構造体25を配置することで、上述した作用により放射状傾斜配向の安定化が大幅に改善して、中間調応答時間短縮やパネルの面押し衝撃に対する復元性向上が達成された。
上述したように、本発明による液晶表示装置は、優れた表示品位の液晶表示装置を比較的簡単な構成で実現できる。本発明は、透過型液晶表示装置および半透過型(透過・反射両用)型液晶表示装置に好適に適用される。特に、半透過型液晶表示装置は、携帯電話などのモバイル機器の表示装置として好適に利用される。
本発明による実施形態の液晶表示装置の動作原理を説明する概略図であり、(a)は電圧無印加時、(b)電圧印加時をそれぞれ示す。 本発明による実施形態の液晶表示装置の動作原理を説明する概略図であり、電圧印加時の液晶分子の配向状態を示す平面図である。 (a)から(c)は、本発明による実施形態の液晶表示装置における切欠き部13(または開口部14)および壁構造体15の好ましい構成を説明するための図である。 本発明による実施形態の液晶表示装置の構成一例を示す模式図である。 本発明による実施形態の透過型液晶表示装置100の1つの画素の構成を模式的に示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は図5(a)中の5B−5B’線に沿った断面図である。 本発明による実施形態の半透過型液晶表示装置200の1つの画素の構成を模式的に示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は図6(a)中の6B−6B’線に沿った断面図である。 (a)は試作例1〜7における画素電極における切欠き部と壁構造体の配置を示す平面図であり、(b)は試作例8における画素電極における切欠き部と壁構造体の配置を示す平面図である。 試作例1における電圧−透過率特性図である。 試作例1における等コントラスト特性図である。 試作例8における電圧−反射・透過率特性図である。 本発明による他の実施形態の液晶表示装置における液晶分子の配向状態を説明するための図であり、(a)は電圧無印加時、(b)は電圧印加時を示す。 本発明による他の実施形態の液晶表示装置のサブ画素内の液晶分子の配向を模試的に示す図であり、(a)は電圧無印加時、(b)は電圧印加直後、(c)は電圧印加後十分な時間が経過した状態を示している。 本発明による他の実施形態の半透過型液晶表示装置200’の1つの画素の構成を模式的に示す図であり、(a)は、平面図であり、(b)は(a)中の13B−13B’線に沿った断面図である。
符号の説明
1 透明基板(TFT基板)
6 画素電極
12、32 配向膜
13 切欠き部
14 開口部
15 壁構造体
17 透明基板(対向(CF)基板)
19 対向電極
20 液晶層
21 液晶分子
25 誘電体構造体(凸部)
50 液晶パネル
40、43 偏光板
41、44 1/4波長版
42、45 光学異方性が負の位相差板(NR板)
100 透過型液晶表示装置
110a アクティブマトリクス基板
110b 対向基板(カラーフィルタ基板)
111 画素電極
113 切欠き部
115 壁構造体
130 カラーフィルタ層
131 対向電極
133 支持体
200、200’ 半透過型液晶表示装置
210a アクティブマトリクス基板
210b 対向基板(カラーフィルタ基板)
211 画素電極
213 切欠き部
215 壁構造体
225 誘電体構造体(凸部)
230 カラーフィルタ層
231 対向電極
232 遮光層(ブラックマトリクス)
233 支持体
234 透明誘電体層(反射部段差)

Claims (18)

  1. 第1基板と、前記第1基板に対向するように設けられた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた垂直配向型の液晶層とを有し、
    それぞれが、前記第1基板上に形成された第1電極と、前記第2基板上に形成された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に設けられた前記液晶層とを含む複数の画素を備え、
    前記第1基板の前記液晶層側に規則的に配置された壁構造体を有し、前記壁構造体は、前記第1電極を包囲する領域に設けられた壁部分を含み、
    前記液晶層は、少なくとも所定の電圧を印加した時に、前記壁構造体によって実質的に包囲された領域内に放射状傾斜配向状態をとる少なくとも1つの液晶ドメインを形成し、
    前記第1電極は、所定の位置に形成された複数の開口部または切欠き部を有し、前記壁構造体は前記複数の開口部または切欠き部内に形成された第1壁部分を含み、
    前記第1壁部分の幅WWは、当該第1壁部分が設けられている開口部または切欠き部の幅EWに対して、0.4EW<WW<0.8EWの関係を満足する、液晶表示装置。
  2. 前記複数の開口部または切欠き部のそれぞれは矩形部分を含み、前記壁構造体は、前記矩形部分に平行に設けられた前記第1壁部分を含む、請求項に記載の液晶表示装置。
  3. 前記複数の開口部または切欠き部のそれぞれは矩形部分を含み、前記壁構造体は、前記第1壁部分から延設された第2壁部分を含む、請求項または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記第1電極は透過領域を規定する透明電極を含み、前記複数の開口部または切欠き部の幅EWは、前記透過領域の前記液晶層の厚さdtに対して、1.8dt<EW<2.5dtの関係を満足する、請求項からのいずれかに記載の液晶表示装置。
  5. 前記第2基板の前記液晶層側に設けられ誘電体構造体を更に有する、請求項1からのいずれかに記載の液晶表示装置。
  6. 前記誘電体構造体は、前記少なくとも1つの液晶ドメインの略中央に配置されている、請求項に記載の液晶表示装置。
  7. 前記誘電体構造体は、前記壁構造体によって実質的に包囲された領域内の略中央に配置されている、請求項またはに記載の液晶表示装置。
  8. 前記壁構造体によって実質的に包囲された前記領域の面積をSdとし、前記領域の略中央に配置されている前記誘電体構造体の底面の面積をSbとし、Sa=(Sb/Sd)×100とするとき、2≦Sa≦25の関係を満足する、請求項からのいずれかに記載の液晶表示装置。
  9. 前記壁構造体および前記誘電体構造体の少なくとも一部は、遮光領域に配置されている、請求項からのいずれかに記載の液晶表示装置。
  10. 前記液晶層は、厚さの異なる複数の領域を有する、請求項からのいずれかに記載の液晶表示装置。
  11. 前記第1電極は、透過領域を規定する透明電極と反射領域を規定する反射電極とを含み、前記透過領域内の前記液晶層の厚さdtは、前記反射領域の前記液晶層の厚さdrよりも大きい、請求項から10のいずれかに記載の液晶表示装置。
  12. 前記開口部または切欠き部は、前記透過領域と前記反射領域との間に設けられた開口部または切欠き部を含む、請求項11に記載の液晶表示装置。
  13. 前記壁構造体の高さWHは、前記透過領域内の前記液晶層の厚さdtに対して、0.25dt<WH<0.4dtの関係を満足する、請求項11または12に記載の液晶表示装置。
  14. 前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方は、前記液晶層の厚さを規定する支持体を有する、請求項1から13のいずれかに記載の液晶表示装置。
  15. 前記第1基板は、前記複数の画素のそれぞれに対応して設けられたアクティブ素子をさらに有し、前記第1電極は、前記複数の画素毎に設けられ、前記アクティブ素子に接続された画素電極である、請求項1から14のいずれかに記載の液晶表示装置。
  16. 前記第1基板および前記第2基板を介して互いに対向するように配置された一対の偏光板を有し、前記第1基板および/または前記第2基板と前記一対の偏光板との間に少なくとも1つの2軸性光学異方性媒体層をさらに有する、請求項1から15のいずれかに記載の液晶表示装置。
  17. 前記第1基板および前記第2基板を介して互いに対向するように配置された一対の偏光板をさらに有し、前記第1基板および/または前記第2基板と前記一対の偏光板との間に少なくとも1つの1軸性光学異方性媒体層をさらに有する、請求項1から15のいずれかに記載の液晶表示装置。
  18. 前記少なくとも1つの液晶ドメインは2以上の液晶ドメインを含み、前記2以上の液晶ドメインは1列に配列されている、請求項1から17のいずれかに記載の液晶表示装置。
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