JP4651038B2 - 塗料および顔料ペーストを湿式測定するための高精度反射率センサ - Google Patents

塗料および顔料ペーストを湿式測定するための高精度反射率センサ Download PDF

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Description

本発明は、光学ユニット、試料分析ユニットおよびシステムコントロールユニットから構成される反射率センサと、液体の顔料調製物の形態をとる試料の反射率を測定する方法と、液体の顔料調製物の作製、処理および適用する間のさまざまな方法ステップにおいてこの液体の顔料調製物の反射率を測定する、本発明による反射率センサの使用方法とに関する。
塗料の混合物またはエナメルの混合物、顔料ペースト、白の混合物または他の色の混合物などの液体の顔料調製物を作製する際には、再現可能な色および混合物の隠蔽力が重要である。再現可能性は、液体の顔料調製物を作製する際の定期的な製品管理により、視覚的に、または分光学的手法によって保証される。従来技術では上記の管理は、所望の色の混合物を混合し、基板に被着し、乾燥、硬化または焼付けを行い、引き続いて得られた着色層を分析することによって行われる。この方法は確かに正確ではあるが、長い時間がかかってしまう。
時間の大きな節約はつぎのようにして達成することができる。すなわち上記の測定を液体の顔料調製物において直接行って、基板への着色層の被着および引き続いて行われるこれらの層の乾燥が必要でないようにすることによって達成することができる。
基本的にこの課題に対して市販の色測定装置はすべて適している。反射率で動作するいずれのVISセンサもこれに適している。
例えばEP-A 0 472 899には、分散系において光が伝搬する際の減衰度を測定する測光式測定装置が記載されている。この装置は、少なくとも1つの光導波体を光接続するための少なくとも1つの側方の開口部を有し、検査すべき試料に対する貫流可能なキュベットから構成されている。光源からは光導波体接続部が、検査すべき試料を有するキュベットの内部に続いており、またそこから測定信号を形成する光検出器に続いている。直接の光導波体接続部が光源から、基準信号を形成する光検出器に直接続いている。さらに上記の測光式装置には、光検出器に接続されている評価装置が含まれている。
WO 98/16822には、塗料、顔料ペーストまたは類似の系の物理的の特性を分析する分析システムが記載されており、このシステムは、所定の厚さを有する塗料、顔料ペーストおよび類似の系の薄膜を構成する装置と、検査すべき塗料、検査すべき顔料ペーストまたは類似の系を照明するための光源とから構成されており、ここでは光と、塗料、顔料ペーストまたは類似の系との間の相互作用が発生して測定信号が形成される。またこのシステムは、この測定信号を記録する装置と、測定信号を記録する装置に接続された検出器とから構成されている。
このシステムの欠点は、測定精度が不十分なことであり、ここでこの測定精度は従来技術から公知の測定装置によって達成することのできる精度である。
したがって本発明の課題は、高い測定精度によって際立っており、また高速かつ高い信頼性で適切な測定データを提供して、液体の顔料調製物の色および隠蔽力が求められるようにする製品の反射率を測定する方法と、反射率センサと、本発明の測定方法を利用して顔料調製物の反射率を測定するさまざまな方法とを提供することである。
測色法はそれ自体公知である。これらの手法をここで説明するのは、本発明のセンサがこれらのすべての手法に有利であることを明瞭にするためだけである。反射率測定により、まず製品の反射率スペクトルが得られ、これはつぎに標準白色の反射率スペクトルに関連づけられる。つぎに正規化されたこの反射率から、色の表現によく使用されるLab値も計算することができる。反射率測定により、隠蔽力ないしは顔料調製物のいわゆる吸収および散乱スペクトルを直接得ることはできない。しかしながら調製物の非隠蔽層の厚さを黒についてまた白について測定することよって、ないしは一連の白の混合物および黒の混合物を測定することによってこれらの値を求めることができるのである。
上記の課題は、反射率センサ(実施形態(I))によって解決され、ここでこれは、
a) 光学ユニット(A)と、
b) 試料分析ユニット(B)と、
c) システムコントロールユニット(C)とから構成されており、
上記の光学ユニット(A)は、
aa)ランプの形態の光源(Aa)および
ab)光導波体(Ab)を含むファイバ光学系を含んでおり、ここで少なくとも1つの光導波体は基準導波体であり、
上記の試料分析ユニット(B)は、
ba) 測定窓(Ba)および
bb) 試料分析セル(Bb)を含んでおり、
この試料分析セルはブロックであり、上記の測定窓は、このブロックの前面の中央部に、この前面に対して平行に配置されており、上記のブロックの背面から上記前面に貫通する2つの孔が、上記の測定窓の中心垂直線を含む平面に対して対称に設けられており、これらの2つの孔は、上記の中心垂直線にあらかじめ定めた角度で交わっており、上記の中心垂直線を中心軸とする上記のブロックの別の孔に、先端部がくさび状になったディスプレーサが挿入されており、上記の測定窓の一方の側には上記の光ユニットが配置されており、この測定窓の他方の側には試料分析セルが配置されており、ここでこの配置は、試料分析セルが測定窓に押しつけられて測定窓と試料分析セルとの間に間隙が形成され、液体の顔料調製物の形態の測定すべき試料がこの間隙を必ず横断することになり、ここでこの間隙を横断する際に試料が大きくせん断され、
上記のシステムコントロールユニット(C)は、測定データを記録する検出器(Ca)およびこれに接続された評価装置(Cb)を含んでおり、ここで
少なくとも1つの光導波接続部が、光源(Aa)から測定窓(Ba)に、また測定窓(Ba)からさらに検出器(Ca)に導かれており、これによって測定信号(作製物の反射率)が形成され、また少なくとも1つの基準導波接続部が光源(Aa)から検出器(Ca)に、または測定窓(Ba)から検出器(Ca)に直接導かれて、基準信号(内部反射)が形成される。
反射率において、光導波体に接続されている透明な面素子の測定窓との境界面において拡散して反射されるが、ふつうは境界面そのものの反射ではない光が測定される。しかしながら後者は、通例、白の反射率の1%〜0.001%にある干渉性の下層を形成する。
すなわち、窓における照明の直接反射は、作製物によって散乱された光を受光する受光ファイバによって見えるべきではない。それはこれは極めて大きな、不所望の下層成分に結びつくからである。しかしながら直接の反射は、別のファイバにおいて極めて良好に受光することができ、照明輝度の(付加的または唯一の)監視部として使用可能である。
「液体の顔料調製物」とは、本発明の反射率センサによる反射率測定に有利なすべての顔料調製物のことであると理解されたい。本発明の反射率センサは、液体の顔料調製物の作製、処理および適用のさまざまな方法ステップにおいて存在する液体の顔料調製物の測定に有利である。本発明の反射率センサは、例えば、作製ステップ中に液体の顔料調製物を判定するために使用可能であるか、または適用時に液体の顔料調製物の品質を判定するために(例えば塗装装置における色適合化を行うため)に使用可能であるか、または貯蔵またはせん断による液体の顔料調製物の後の色変化をコントロールするために使用可能である。
ここで「色」とは顔料調製物の吸収+散乱のことであると理解されたい。典型的な「液体の顔料調製物」(「着色された」調製物)は、塗料および着色剤ならびにペーストと一般的なコーティングである。
このような「液体の顔料調製物」は、有利には塗料またはエナメルの混合物、顔料ペースト、白の混合物または別の色の混合物、または雲母またはメタリック、すなわちアルミニウム薄片などの効果顔料を含む混合物であり、これらの懸濁液またはエマルジョンの形態をとる。
本発明の反射率センサの別の実施形態(実施形態(II))によれば、着色された固体の表面、例えば成形体(Formkoerper)用プラスティック、プレート(例えば塗装された金属板)およびシートを測定することができる。
したがって本発明の別の対象は、つぎのような反射率センサ(実施形態(II))であり、これは、
a) 光学ユニット(A)と、
b) 試料分析ユニット(B′)と、
c) システムコントロールユニット(C)とから構成されており、ここで
上記の光学ユニット(A)は、
aa) ランプの形態の光源(Aa)、および
ab) 光導波体(Ab)を含むファイバ光学系を含んでおり、ここで少なくとも1つの光導波体は基準導波体であり、
上記の試料分析ユニット(B′)は、
b′a) 測定窓(B′a)および
b′b) 固体の表面を有する試料に対するホルダ(B′b)を含んでおり、
上記のシステムコントロールユニット(C)は、測定データを記録するための検出器(Ca)およびこれに接続された評価装置(Cb)を含んでおり、
光波導波体接続部が上記の光源(Aa)から測定窓(B′a)に、またこの測定窓(B′a)からさらに上記の検出器(Ca)に導かれており、これによって測定信号が形成され、また基準導波体接続部が光源(Aa)から上記の検出器(Ca)に、または上記の測定窓(B′a)から検出器(Ca)に直接導かれており、これによって基準信号が形成される。
液体の調製物において、例えば塗装時にすでに反射率を決定することができる場合には、多くの作製物に対して格段にコスト的に有利である。
液体の作製物における反射率測定には付加的な適用領域がある。それは(部材の表面またはコーティングとして)表面の形成に対して直接的に使用されない「その他」の作製物においても、特定の作製物特性およびプロセス特性を反射率から求めることができ、またこれらを分散状態(例えば、粒子サイズ分布、形状、濃度)についてまたは材料特性(例えば、屈折率、結晶変化(Kristallmodifikation)、化学組成)について解釈できるのである。
この際に区別しなければならないのは、慣用の調製物(アイソメトリックな調製物ないしはアイソメトリックな「その他」の粒子を有する慣用の塗料"UNI")であるか、または処理後に整列された形状になる効果剤(例えば、メタリック、すなわちアルミニウム薄片、または雲母などの効果顔料、ないしは非アイソメトリックな、すなわち針状または小さな板状の「その他」の粒子)であるかである。
a) 光学ユニット(A)
上記の光学ユニットは、本発明によれば、1つまたは複数の光源(Aa)ならびにファイバ光学系(Ab)全体を有する。以下で説明する光学ユニットの特徴は、液体の調製物を測定するための本発明による反射率センサ(実施形態(I))に対しても、着色された固体の表面を測定する反射率センサ(実施形態(II))にも共に有効である。
上記の光源は、十分な強度および輝度を有し、これによって分光計が100〜600msの範囲の積分時間(Integrationszeit)で作動できるようにしなければならない。さらにランプのスペクトルの状態を調整して、白の場合に分光計のすべての波長が、補正なしのランプにおいて5%〜95%、有利には10%〜95%で調整され、補正を有するランプにおいて25%〜95%で調整されるようにする。この際に可能な限りに高いパーセント数(例えば95%)が殊に望ましい。カラーフィルタによってランプのスペクトルをさらに改善することができる。これらのフィルタができるのは、平坦に経過するランプスペクトルを「まっすぐに伸ばす」ことだけである。多くのガス放電ランプが、比較的多く有する極めて急峻に経過する個々の極大値は補正することができない。
さらに時間的および空間的な均一性があることが望ましい。ハロゲンランプを使用する場合、これは有利にはデフォーカシングによって、また散乱ディスクによって改善される。ファイバ(=光導波体)の開口角は、均一に「光で満たされ」なければならない。このファイバは、大きく曲げすぎてはならない。改善のための手段はいずれも輝度に負担をかけることになる。
上記の光源はランプであり、ここでは例えば、LED、ガス放電ランプおよび白熱コイルを有するランプが適当であるが、有利なのはハロゲンランプである。殊に有利であるのは、シャッタが組み込まれたランプである。しかしなから有利には、約3またはそれ以下のダイナミックが達成されるスペクトルを有する別のランプを使用することも可能である。同時に上記のランプは、小さな輝度変動および十分な明るさを有するべきである。有利に使用されるハロゲンランプはふつう、安定化されたDC電源部を有する。
殊に有利であるのは、シャッタ動作を有するランプである。例えば白熱コイル(ハロゲン)またはガス放電などの緩慢な光源の場合、これは機械的または例えば光電子式シャッタ(可能であることは当業者には公知である)によって解決され、例えばダイオードまたはフラッシュランプのような高速な光源ではこれは電気的な駆動制御によって実現される。
本発明によれば、有利にはハロゲンランプであるランプの後段に補償フィルタが配置されている配置構成が有利である。ここで「ランプの後段」とは、上記の補償フィルタが、ランプの光ビームの進む方向に見てランプの後ろに配置されることであると理解されたい。有利な実施形態に使用される補償フィルタにより、ランプのスペクトルが線形化され、これによってランプから放射されるビームの最大輝度と最小輝度の間の差が最大で4、有利にも3〜4であり、従来技術では通例である10〜20ではない。これは市販のフィルタガラスからなる多層フィルタによって達成される。
別の有利な実施形態では、有利にはハロゲンランプであるランプの後段に(補償フィルタを使用する際には有利にはランプとこの補償フィルタとの間に)IR阻止フィルタ、コンデンサおよび散乱ディスクが配置される。ここでも本発明の意味で「ランプの後段」とは、光ビームの進む方向に見てランプの後ろということを意味する。上記のIR阻止フィルタは、ランプによって試料、光導波体、補償フィルタおよび反射率センサの他のユニットに及ぼされる熱負荷を低減するために使用される。上記のコンデンサは、ランプのビームをファイバ光学系の入力側に集束するために使用される。上記の散乱ディスクは、光導波体の開口角および位置にわたって、ランプのビームの明るさが構造を有せず、均一に経過するために使用される。本発明による反射率センサに有利なIR阻止フィルタ、コンデンサおよび散乱ディスクの有利な実施形態は当業者には公知である。
有利にはランプに組み込まれる本発明のシャッタは、有利には電気機械式シャッタであり、これは照明ファイバを完全に遮光することができる。このシャッタによって暗くすることによって暗電流の測定が行われる。
すなわち上記のシャッタにより、ランプから照明ファイバに至る光の流れが遮られるのである。これは分光計の暗電流を測定するために必要であり(この電流はつねに流れ、完全に暗い場合であっても発生する)、作製物の測定値から減算しなければならない。分光器は読み出しによって消去されるが約99%までだけであり、分光器における最後の測定の残りはそのままである。このため最初の暗所測定(Dunkelmessung)は正しい値にならない。連続する暗所測定の2つ目から上記の値は正しい値になる。
本発明の反射率センサのファイバ光学系には光導波体(=ファイバ)が含まれている。これらのファイバは、1つまたは複数の基準ファイバ、1つまたは複数の受光ファイバおよび1つまたは複数の照明ファイバである。基本的には基準ファイバを有しない実施形態も可能である。しかしながらファイバ光学系はふつう少なくとも1つの基準ファイバを有する。この少なくとも1つの基準ファイバはふつう、光源(Aa)から検出器(Ca)に直接導かれている。しかしながら少なくとも1つの基準ファイバが測定窓(Ba)から検出器(Ca)に導かれるようにすることも可能である。
複数の光源を使用することによって照明強度が増大し、相異なる光源を使用する際には一層均一な照明スペクトルを得ることができる。各光源にはそれぞれ、少なくとも1つの照明ファイバおよび少なくとも1つの基準ファイバが必要である。
上記の光導波体は有利には100,200,400,600または800μmのファイバ直径を有するファイバである。殊に有利には基準導波体として使用されるファイバは、適合化された直径を有し、有利には残りの光導波体よりも一層小さな直径を有する。それは有利にはハロゲンランプである、使用されるランプはそれ自体で高い光強度を有するからである。
高い測定精度を得るため、上記の光導波体は、本発明の方法の有利な実施形態において機械的に保護される。このような機械的な保護のため、光導波体は保護チューブに導かれ、全長にわたって支持フレームによって支えられる。一般に保護チューブは、当業者に公知のふつうの材料、例えば金属またはポリマから構成される。上記の保護フレームは、有利には金属フレームであり、上記の光導波体はこの保護フレームに慣用の固定材料、例えばケーブルバインダまたは接着テープによって固定される。
基準導波体は、本発明の反射率センサの有利な実施形態において、減衰素子、すなわち散乱ディスクが組み込まれた正確な間隔素子を介して導かれ、フルの開口角が維持される。
光導波体(ファイバ装置)は、液体の顔料調製物の反射率が測定できるように配置しなければならない。反射率の際には、光導波体を閉じる透明の面素子の媒体側の境界面、すなわち測定窓の境界面において、拡散して反射される光が測定される。しかしながらここではふつう、この境界面そのものの反射は測定されない。
散乱性の調製物ないしは粒子における反射をここでは(プレート表面における鏡面反射に対して)拡散と称する。このことは、例えば配向されたプレートの場合に生じ得るのと同様(グロス角(Ganzwinkel)、フロップ)にこの反射が角度に依存し得ないことを意味しない。
基本的には反射率光学系は少なくとも2つの光導波体(ファイバ)と、場合によってはレンズと、シェードと、散乱ディスクと、共通の前額面素子とからなり、ここで受光ファイバへ至る途中で照明ファイバの光がこの前額面素子を突き抜けると共に作製物に反射散乱(反射)する光もこれを突き抜ける。この前額面素子は有利には透明の材料からなる平坦なディスクであるが、基本的にはプリズム、レンズ、ロッド、シリンダまたはファイバとして実現することができ、極端な場合には薄膜付きまたは薄膜のないエアパッドとすることさえも可能である。
基本的には本発明の反射率センサにおいてさまざまファイバ配置構成を考えることできる。有利なファイバ配置構成は、つぎの判定条件に基づいて当業者が求めることができる。すなわち、
A) 光感度。これは、上記のセンサの所要の積分時間に影響を与える。ランプの光出力は制限されており、またファイバ直径も、上記のセンサの感度も同様に制限されているため、50〜2000msの積分時間がふつうである。理想値は100〜600msである。2000ms以上の長い積分時間は不利である。それはこの場合に暗電流成分が上昇し、信号エラーが増大するからである。比較的長い測定時間(エラーを最小化するため測定を何回も繰り返す場合にはじめて得られる)は得られたとしても不利である。暗電流を低減するためのセンサの冷却には極めて大きなコストがかかる。
B) 安定性。反射率の0.05〜0.2%の再現可能性は、殊に有利である。色に応じてこれは0.02〜0.08のdEに相応する。(従来技術において公知の反射率センサによれば、液体の試料を測定する際に1〜10%の再現可能性が得られる)。ここでタイムスケールは、分の範囲であり、すなわち直に続く2つの測定(同じ作製物による測定または作製物タイプの比較における測定)間の差異であるか、または2つの較正の間の時間間隔(例えば24時間)、ならびに繰り返される較正による長期安定性である。ここでの重要なファクタは、光学部分およびファイバの劣化、機械的なずれ、材料の膨れおよび縮み、熱負荷の変化によるクリープ過程および疲労、較正時の機械的な位置決めの繰り返し、光源の劣化および交換、作製物に接触する面の摩滅などである。さまざまな幾何学的寸法は、これらのファクタに対して同程度に影響を受けるのではない。
C) クロストーク減衰。ここでこれは、理想的な黒の作製物が前額面ディスク(測定窓)に載置されている場合に、基準の白(100%、標準白色、白ペースト)によって反射される光量に対して、制御されずに光源から受光ファイバに達する光量の比のことである。ここでは10%(10−1)から0.01%(10−4)またはそれ以上までを達成することができる。暗い作製物の反射率は約1%である。下層は計算で減算することもができるが、これは精度に影響する。ファクタ30以上、有利にはファクタ100以上で作製物の反射率よりも小さいクロストーク減衰が有利である。
D) 濃度依存性。塗料および顔料調製物に対する測色は、所定の範囲内で調製物の濃度には依存しない。このことは、検査される層厚が、不透明である限り有効である。慣用の色測定装置は、ふつうの適用範囲において、不透明である作製物の場合に濃度依存性はない。すなわち反射率は、浸透の深さには依存しないのである。ここで説明する幾何学的配置の多数は、驚いたことに領域的な濃度依存性を示すのである。
図1にはさまざまなセンサヘッド(幾何学的配置)に対する特性曲線が示されている。ここでは横座標に波長がnmで、また縦座標に相対透過率(relative Transmission)が示されている。最も下のグラフ(三角形)は図3に示した幾何学的配置に対する特性曲線を、中央のグラフ(菱形)は図4に示した幾何学配置に対する特性曲線を、また最も上のグラフ(矩形)は図2に示した幾何学配置に対する特性曲線をそれぞれ示している。
濃度依存性は、有利な構造によって約1%まで低減することができ、また残りの1%は計算によって補正可能であるため、濃度依存性は測定精度には影響を与えない。
ファイバの配置構成(反射の幾何学的配置)は一般に、前額面素子を光学装置の出発点することによって構成される。この前額面素子は本発明の反射率センサにおいて測定窓(Ba)である。ふつう重要であるのは、測定窓の材料、屈折率、厚さおよび平坦性である。測定窓の厚さは一般的には1〜12mm、有利には2〜8mm、殊に有利には2〜3mmが有利であり、直径は10〜80mm、殊に有利には20〜60mm、さらに極めて有利には30〜50mmである。材料としては光学的に透明な任意の光学材料、例えばガラス(石英)、準貴石(サファイア)またはダイヤモンドが適している。この順序で硬度が増大することは有利であり、また価格が高くなり屈折率が増す(反射が増す)ことは不利である。これらのすべてに対して内部的な反射防止コーティングは有利である。測定窓の(プレートの)中心垂直線は、基準系(プレート軸)を形成する。
照明ファイバおよび受光ファイバは、考え方としてまずそれらの中心軸により、上記のプレート軸にしたがって配向される。これらはつぎに半径方向にこの軸からズラすことができ、また接線方向にこの軸の周りに回転される。さらにこれらは半径方向に(また基本的には接線方向にも)傾けられる。有利には1つの受光ファイバおよび1つ以上の照明ファイバが使用される。これらのファイバは約10°の開口角を有する。
殊に重要であるのは、つぎの2つの角度、すなわち照明ファイバと受光ファイバとの間の角度ならびにプレート軸に対するファイバの傾斜角である。良好なクロストーク減衰のために重要であるのは、ファイバを傾けて、測定窓の(プレートの)外側および内側において、照明ファイバ(光円錐)の鏡面反射が、受光ファイバから直接「見えない」ようにすることである。(最初の鏡面反射は、別個の受光ファイバによって基準として利用可能である)。これは有利な幾何学的構成によって保証することができる。図2〜4は、有利な幾何学的配置の3つの例を示している。図示した幾何学的配置はすべて、高精度の反射率測定に有利である。図2および3の幾何学的位置は有利であり、図2の幾何学的配置は殊に極めて有利である。
図2aおよび2bには本発明の反射率センサにおける照明ファイバおよび受光ファイバの幾何学的配置構成が示されており、ここでは照明ファイバと受光ファイバとの間の角度は22°であり、またプレート軸に対する受光ファイバの傾斜角は0°である。ここでは複数の照明ファイバが受光窓の周りに円形に配置されている(=センサ0°/22°円形)。照明のために1つ以上、有利には4〜12個、殊に有利には6〜8個のファイバが利用される。0°で受光または照明する場合、照明ファイバと受光ファイバとの間の角度は一般に5°〜75°、有利には15°〜65°、殊に有利には20°〜45°である。
図2aおよび2bにおいて、
1 取り付けのためのアダプタ
2 測定窓
3 散乱ディスク(オプション)
4 照明ファイバ
5 照明ファイバ用ファイバプラグ
6 レンズを有するレンズホルダ
7 受光ファイバを有するファイバサポート
8 基体
9 遮光装置(オプション)
である。
図2aには反射率センサのファイバ幾何学的配置の側面図が、また図2bにはその平面図が示されており、ここでは照明ファイバが円形に配置されていることがわかる。
図3aおよび3bには本発明の反射率センサにおける照明ファイバおよび受光ファイバの幾何学的配置構成が示されており、ここでは照明ファイバと受光ファイバとの間の角度は0°であり、またプレート軸に対する受光ファイバの傾斜角は27°である。ここでは複数の照明および受光ファイバがプレート軸の周りに円形に配置されている(=センサ27°/0°円形)。
照明のために1つ以上、有利には4〜12個、殊に有利には6個のファイバが利用される。
並行して受光および照明する場合、このファイバ系と上記の垂直線との間の角度は一般に5°〜75°、有利には15°〜65°、殊に有利には20°〜45°である。
図3aおよび3bにおいて、
1 基体
2 測定窓
3 第1反射
4 第2反射
5 作製物におけるビーム路
6 ファイバ
6a 照明用
6b 受光用
7 ファイバプラグ
8 遮光装置(オプション)
である。
図3aには反射率センサのファイバの幾何学的配置の側面図が、また図3bにはその平面図が示されており、ここでは照明および受光ファイバが円形に配置されていることがわかる。
図4aおよび4bには本発明の反射率センサにおける照明ファイバおよび受光ファイバの幾何学的配置構成が示されており、ここでは照明ファイバと受光ファイバとの間の角度は56°であり、またプレート軸に対する照明ファイバの傾斜角は25°である(=センサ25°/56°)。
2つの自由な角度を有する幾何学的配置では、これらの角度は一般的には5°〜57°、有利には15°〜65°、殊に有利には20°〜45°の範囲で変化することができ、これは垂直線に対する傾斜角にも、互いの角度にも共に当てはまる(2つの角度は等しくなくてもよい)。
さらにここでは複数の照明ファイバを、1つ以上の傾けた受光ファイバの周りに配置することも可能であり、この際に有利には受光ファイバに対して比較的小さな角度を使用するとよい(図2aおよび2bと類似の幾何学的配置)。
図4aおよび4bにおいて、
1 基体
2 測定窓
3 第1反射
4 作製物におけるビーム路
5 照明ファイバ
6 受光ファイバ
7 ファイバプラグ
8 遮光装置(オプション)
である。
図4aは反射率センサのファイバの幾何学的配置の側面図を示しており、また図4bはその平面図を示しており、ここでは照明ファイバと受光ファイバとの間の角度がわかる。
対象物におけるビームの分布を均一化するために使用される散乱ディスクは、必ずしも必要ではないが、さまざまな幾何学的配置において使用される(d/5°=5°の受光において拡散的に照明する)。
基体(サポート)はワークピースであり、この中にまたはこれにすべての小部品が固定される。
上記の遮光装置はビーム反射または散乱ビームをつねに抑止または阻止するために使用され、多くの場合、使用すると有利である。
しかしながら良好に較正できるようにするためには大きく角度は不利である。つまり、最適な角度の大きさは、良好な較正を行い得ることが保証され維持されるように選択すべきである。
ファイバと測定窓(プレート)との間にはさらにレンズ、ブラインドおよび散乱ディスクを配置することがき、これによってクロストーク、ビーム強度および均一性を最適化することができる。
ここで判明したのは、さまざまな方向から、すなわち同心で照明し、また例えば本発明による短いせん断間隙長と両立させて観察スポットよりも照明スポットを大きくする場合、進入の深さが小さければ、濃度依存性が小さいことである。したがって照明スポットは観察スポットよりも大きくすると有利である。殊に有利には照明スポットの直径は4〜20mm、さらに有利には8〜14mmであり、また観察スポットの直径は1〜10mm、殊に有利には2〜5mmである。これによって本発明の反射率センサは、例えば、液体の顔料調製物における正確な反射率測定に有利になる。
これらの関係を考慮すると、当業者は、適用に対する最適解を実験的に求めることができる。
光導波体(=ファイバ)を光源および検出器に接続するため、一般的には市販のSMAプラグを使用する。
殊に有利な実施形態において、実施形態(I)による本発明の反射率センサないしは実施形態(II)による本発明の反射率センサは、付加的に以下の特徴のうちの少なくとも1つを有する。すなわち、
ac) ランプの後段には補償フィルタが配置されており、これはランプのスペクトルを線形化して、ランプから放射されるビームの最大輝度と最小輝度との間の差分ができるだけ小さく、例えば最大で4倍であるようにする。
ad) (補償フィルタをランプと補償フィルタとの間に使用する際)ランプの後段にIR阻止フィルタ、コンデンサおよび散乱ディスクが配置されている、
ae) 上記の光導波体は、保護チューブに導かれ、全長にわたって支持フレームにより支持されている、
af) 基準導波体は、散乱ディスクが組み込まれた正確な間隔素子を介して導かれ、所定のように減衰される。
ac),ad),ae)およびaf)による個々の特徴は、上ですでに述べた。殊に有利には実施形態(I)による本発明の反射率センサないしは実施形態(II)による本発明の反射率センサは付加的に少なくとも特徴ac)およびad)を有し、殊に有利には少なくとも特徴ac),ad)およびae)を有し、例えば特徴ac),ad),ae)およびaf)を有する。
有利には上記の光学ユニット(A)は精密孔(Praezisionsbohrung)に導かれ、所定のスペーサによって測定窓に押しつけられる。
b) 試料分析ユニット(B)
試料分析ユニット(B)には、測定窓(Ba)および試料分析セル(Bb)が含まれている。
液体の顔料調製物を測定する本発明の反射率センサ(実施形態(I))における測定窓(Ba)についての以下の実施例は、着色された固体の表面を測定する本発明の反射率センサ(実施形態(II))における測定窓(B′a)に対しても同様に有効である。
上記の測定窓(Ba)は一般的には平坦プレートである。この平坦プレートに有利な材料は、光学的に透明な任意の材料、例えばガラス(石英)、準貴石(サファイヤ)ならびにダイヤモンドである。上記の平坦プレートは、一般的には1〜20mm、有利には2〜10mmの、殊に有利に有利には4〜8mmの厚さと、一般的には10〜80mm、有利には20〜60mmの、殊に有利には30〜50mmの直径を有する。上記の平坦プレートは、ブロック、有利には金属ブロック、例えばチタンまたはステンレス製の金属ブロックに圧力および溶媒に対して耐性を有するように挿入される。このために上記の平坦プレートは例えば接着されるか、または別の接合技術によってブロックに入れられる。本発明の1実施形態では、圧力および溶媒に対して耐性を有する上記の挿入のためにサファイヤ製の平坦プレートに金が蒸着される。上記の測定窓それ自体は、有利には数μm,一般的には0〜100μm,有利には0〜50μm、殊に有利には10〜20μm突出している。この測定窓は一般的に垂直に立っているため、試料分析ユニットに液体の顔料調製物を簡単に充填し、また溶媒を簡単に排出することができる。この測定窓は有利には円形である。上記の金属ブロック(例えば実施形態(I)において)液滴用エッジを形成し、これにより、試料として使用される液体の顔料調製物から、この箇所において所期のように液滴が形成されて、これが反射率センサの影響を受けやすい箇所に到達しないようにする。
測定窓の他方の面(すなわち、光学ユニットとは反対の測定窓の面)には本発明の反射率センサの実施形態(I)において試料分析セルが配置される。ここでこれは、この試料分析セルが測定窓に押しつけられ、測定窓と試料分析セルとの間に間隙が形成されて、測定すべき液体の顔料調製物がこの間隙を必ず横断するように行われるのであり、この間隙を横断する際に試料のせん断が発生する。このせん断は、この間隙における圧力損失が有利には1〜15mmの長さにわたって0.1〜3bar、殊に有利には1〜5mmの長さにわたって0.5〜1barになることによって達成される。試料分析セルを測定窓の一方の面に押しつける(かつ取り外し可能である)ことにより、上記の光学ユニットならびに場合によっては測定窓を簡単に洗浄して較正することができる。
試料分析セルは有利にはブロックであり、このブロックには、このブロックの前額面の垂直線に対して一般に+/−20°〜+/−70°,有利には約+/−45°の角度で2つの孔が開けられる(ここで「垂直線」とは平坦プレート(測定窓)の中心垂直線のことであると理解されたい)。これらの2つの孔のまさに対称面に、円筒形から加工され、くさび状に前方に傾斜したディスプレーサが設けられており、これによって測定窓と試料分析セルとの間の間隙が形成される。つまり、試料は、測定窓とディスプレーサとの間のこの間隙を必ず横断するのである。ここでこの間隙は、一般的に2〜15mm、有利には3〜5mm、殊に有利には約3mmの長さであり、また2〜40mm、有利には6〜25mm、殊に有利には8〜16mmの幅であり、一般的には0.05〜5mm、有利には0.2〜2.5mm,殊に有利には0.5〜1.5mmの高さを有する。ここでこの間隙の高さは、反射率センサの有利な実施形態において可変に調整可能である。本発明の1実施形態において試料分析セルは、有利には4つのガイドロッドに導かれ、有利には4つの急速締め付けナットによってねじ留めされる。
光学ユニットに対する試料分析セルのシーリングは、当業者に公知の任意のすべての方法にしたがって行うことができる。上記のディスプレーサは、間隙の高さが可変に調整できる反射率センサの実施例において、有利にはレバーによって前方にすなわち測定窓の方向に移動されてロックされる。この際には有利には文字が入れられた間隔素子(プレート)によって、所定の間隔が調整される。この有利な実施形態の利点は、作製物で満たされた状態においてもこの間隔を変更できることである。択一的な実施形態においてはこの代わりに、電気機械的なリニアモータユニットを有するレバーによって上記のディスプレーサを調整することができる。
測定間隙における作製物の大きなせん断は、所定の試料状態を得るためにも、また測定窓の自己洗浄を達成するためにも決定的なファクタである。すなわち上記のせん断によって例えば顔料粒子からなる凝集物が分解するのであり、また試料が大きくせん断することによってつねに上記の測定窓から、場合によって測定窓に引っかかって残っていた調合剤粒子が取り除かれるのである。作製物のこのようなせん断およびこれに伴う所定の作製物状態の形成、ならびに測定窓の自己洗浄は、従来技術には記載されていない。
上記のせん断は有利な実施形態においてつぎのようにして得られる。すなわち、上記の測定間隙において、試料がこの間隙に入る箇所からこれを出る箇所までに、1〜15mmの長さにわたって0.1〜3barの、有利には1〜5mmの長さにわたって0.5〜1barの圧力を低下させることによって得られる。この測定窓の自己洗浄の殊に大きな利点は、これが測定中にもアクティブであるため、洗浄を目的として反射率センサを頻繁にスイッチオンおよびオフは不要になる。これは殊に、例えば連続的な製造過程で製造される顔料ペーストを検査するために反射率センサを使用する際には有利である。特定の作製物においてこの自己洗浄が十分でない場合だけ、付加的にワイパーを測定窓の面に導くことができる。これは例えば、テフロンストライプを上記の間隙に押し込むことによって行われる。この場合、これにより、間隙の間隔を適切に調整しなければならないが、これは本発明の方法の有利な実施形態によって行うことができる。殊に有利にはこの変形実施形態において間隙調整は電気機械式に行われる。
所定の試料状態を維持し、ひいてはこれに相当する測定データを得るため、試料の一定したせん断が必要である。これは有利には入口圧力、すなわち液体の顔料調製物が間隙に入る箇所の圧力を連続して監視することによって実現される。
上記の圧力監視は、測定箇所における所定のせん断を得るために必要である。これが別の手段によって保証される場合(例えば、既知のポンプ出力、粘度および間隔幅)、圧力測定を省略することができる。圧力測定には複数の変形実施例が考えられ、すなわちT構成,V構成,環流式の圧力ピックアップによる測定ならびに作製物セルにおける孔が考えられる。上に挙げた構成の構造は当業者に公知である。選択判定基準は、比較的小さな圧力が十分な精度で測定されること、圧力変動に対して影響を受けにくいこと(例えば、パルスを発生させるポンプによって作製物が搬送される場合)、ならびに簡単に洗えること(手の届かないスペースがない)または少なくとも洗浄できることである。
本発明の反射率センサの殊に有利な実施形態では、圧力測定器は、極めて容積の小さな測定室に組み込まれ、また極めて薄いテフロンシートにより、試料として使用される液体の顔料調製物の進入から保護される。供給管は有利な実施形態では上方を向いており、これによってたとえ2barまで圧力が上昇したとしても作製物が測定室に到達することはできない。これにより、試料交換を行う場合、チューブだけを新しくすればよい。入口圧力の調整は、例えば、試料として使用される液体の顔料調製物の粘度ならびに隠蔽力に依存する。試料として例えば隠蔽力の強くない塗料が使用される場合に必要であるのは、比較的隠蔽力の強い塗料を使用する場合よりも大きな測定間隙を選択することである。この場合に上記の圧力損失は新たに調整しなければならない。
図5には液体の顔料調製物において反射率測定(湿式測定)を行うための作製物セルの有利な実施形態が示されており、ここでこれには試料分析セル(Bb)、測定窓(Ba)ならびに光学ユニット(A)のファイバ光学系(Ab)に対するホルダ(支持台)が含まれている。
ここで
1 ベースプレート(取付プレート)
2 測定窓用ホルダ
3 測定窓
4 系に対するホルダ(ガイド素子)
5 液滴用エッジ
6 作製物セルの基体
7 作製物の流出口
8 作製物の流入口
9 せん断間隙
10 せん断間隙を変化させるための装置
11 可変のシーリングシステム
である。
上記の試料分析セル(Bb)は、本発明の反射率センサにおいて取り出して、固体の試料、例えば金属板、シート、プラスティック表面によって、または較正用の標準によって交換することができる。試料分析セルを取り除き、固体の表面を有する試料に対するホルダ(B′b)が設けられている場合、実施形態(II)による本発明の反射率センサが得られる。したがって本発明の反射率センサによって可能になるのは、湿式の測定も乾式の測定も共に行うことである。これによって例えば、1作製物の液体の試料、例えば塗料と、固体の試料との比較が可能である。したがって本発明の反射率センサにより、湿式測定と乾式測定との簡単な比較が可能になるのである。
上記により、実施形態(I)による本発明の反射率センサの別の有利な特徴は、試料分析セル(Bb)が取り外し可能なことである。ここでこの試料分析セルの取り外しは問題なしに行うことができ、またこの試料分析セルを取り外した後、得られる反射率センサの部分は、固体の試料を測定する(乾式測定)のに適しており、この際に試料分析セルを取り外した後に得られる反射率センサの部分において改造を行う必要はない。
したがって本発明の別の対象は、以下から較正される反射率センサ(実施形態(II))である。すなわち、この反射率センサは、
a) 光学ユニット(A)と、
b) 試料分析ユニット(B′)と、
c) システムコントロールユニット(C)とから構成されており、ここで
上記の光学ユニット(A)は、
aa) シャッタが組み込まれたランプの形態の光源(Aa)、および
ab) 光導波体(Ab)を含むファイバ光学系を含んでおり、ここで少なくとも1つの光導波体は基準導波体であり、
上記の試料分析ユニット(B′)は、
b′a) 測定窓(B′a)、および
b′b) 固体の表面を有する試料に対するホルダ(B′b)を含んでおり、
上記のシステムコントロールユニット(C)は、測定データを記録するための検出器(Ca)と、これに接続された評価装置(Cb)とを含んでおり、ここで
光波導波体接続部が上記の光源(Aa)から測定窓(B′a)に、またこの測定窓(B′a)からさらに上記の検出器(Ca)に導かれており、これによって測定信号が形成され、また基準導波体接続部が光源(Aa)から上記の検出器(Ca)に、または上記の測定窓(B′a)から検出器(Ca)に直接導かれており、これによって基準信号が形成される。
上記の光学ユニット(A),測定窓(B′a)およびシステムコントロールユニット(C)は、液体の顔料調製物を測定する本発明の反射率センサ(実施形態(I))について説明した光学ユニット(A),測定窓(Ba)およびシステムコントロールユニット(C)に相応する。またはシステムコントロールユニットについては以下に説明するものに相応する。
固体の表面を有する試料(=固体試料)、すなわち例えば金属板、シート、プラスティックまたは較正用標準に対するホルダ(B′b)として、当業者に公知の任意のホルダが適している。有利にはこの固体の試料は、ガイドロッドによって支持され、押しつけ素子によって測定窓に押しつけられ、ばね素子によって弾力を持たされている。
固体の試料を測定する本発明の反射率センサは、例えば金属板、シートまたはプラスチックの着色された表面を測定するため、または較正標準を測定するために使用可能である。
図6には、着色された固体の表面における反射率測定(乾式測定)を行うためのいわゆる金属板セルの有利な実施形態が示されており、これには固体の表面を有する試料に対するホルダ(B′b)、測定窓(B′a)ならびに光学ユニット(A)のファイバ光学系(Ab)に対するホルダ(ガイド素子)が含まれている。ここで、
1 ベースプレート(取付プレート)
2 測定窓用ホルダ
3 測定窓
4 ファイバ系に対するホルダ(ガイド素子)
5 液滴用エッジ
6 スペーサ
7 固体試料
8 ばね素子
9 押しつけ素子
10 ガイドロッド
である。
図7には基準となる標準(有利には白のガラスディスク)の反射率を測定する(乾式測定)ためのいわゆる基準セルの有利な実施形態が示されており、ここでこれには基準標準用ホルダ(B′b)、測定窓(B′a)ならびに光学ユニット(A)のファイバ光学系(Ab)に対するホルダ(ガイド素子)が含まれている。
ここで
1 ベースプレート(取付プレート)
2 測定窓用ホルダ
3 測定窓
4 ファイバに対するホルダ(ガイド素子)
5 液滴用エッジ
6 基体 基準セル
7 スペーサ
8 基準標準
9 可変の押しつけシステム
である。
ベースプレート(支持台)はワークピースであり、このワークピース内にまたはここにすべての部分が固定されて位置決めされる。
上記のスペーサは、測定窓に対して正確かつ再現可能に対象物の間隔を調整するために使用される。反射率測定は間隔に依存するため、これは極めて重要である。干渉のため、接触は避けなければならない。
したがって本発明には反射率センサのさまざまな実施形態、すなわち、
− 液体の顔料調製物を測定する(湿式測定)(反射率センサ実施形態(I))
− 色づけされた固体の表面を測定する(乾式測定)反射率センサ(実施形態(II))
− 較正のための反射率センサ(「乾式測定」)(実施形態(II))
が含まれる。
図5〜7にはこれらの実施形態の測定セルが示されている。
c) システムコントロールユニット(C)
上記のシステムコントロールユニットには、測定データを記録するための検出器と、これに接続された評価装置とが含まれている。有利には上記の検出器は、ファイバ光学系モノリシックダイオードライン分光器であり、これは少なくとも15ビットの分解能が可能である。
当業者に公知の任意のすべての検出器を使用可能であるが、有利にはこれはファイバ光学式に結合されたモノリシックダイオードライン分光器である。それはこれが極めて頑強であり、信号が安定しているからである。これはできる限り高い分解能、少なくとも10ビット、有利には12ビット以上、殊に有利には15ビット以上を有するとよい。
上記の反射率センサの殊に有利な実施形態において、反射率センサのすべてのユニット、すなわち光学ユニット、試料分析ユニットおよびシステムコントロールユニットは共通のケーシングに収容され、このケーシングでは有利には換気およびサーモスタット制御の熱排出が、殊に有利には冷却水を介して行われる(クーラ/ファン)。このケーシングは有利には容易に使用箇所に搬送できる移動可能なケーシングであり、例えばキャスター付きのケーシングである。一定の温度は測定精度の改善につながるため、このケーシングは温度調整される。また同時に、機械的な変化につながり得る温度変化による負荷も回避される。さらこのケーシングにより、光導波体ならびに反射率センサの別の素子との接触も回避され、また光が漏れないことも保証される。したがって上記の共通のケーシングにより、反射率センサの測定精度の向上が達成されるのである。
コントロールユニットの有利な実施形態では、少なくとも1つの光減衰器を使用することにより、さまざまな光信号(基準、測定)の明るさが調整され、これによって分光器を同じにひいては最大限にレベル調整することができる。このことにより、測定精度が最適化される。この減衰器は、調整された減衰を一定に維持し、また有利には連続的に調整可能であり、殊に有利には電気機械式または圧電式の高精度駆動器を有する。この減衰器は、ファイバ光学系に対する入力側と分光器への出力側とを有する。これは、ブラインド、スペーサ、散乱ディスク、変換フィルタおよび中性フィルタから構成することができ、安定性および開口部の完全な照明を維持することに注意しなければならない。
図8aおよび8bには減衰器の殊に有利な実施形態が示されている。
ここで、
1 SMAブッシュ受け
2 基体
3 散乱ディスク(オプション)
4 中性フィルタ(オプション)
5 変換フィルタ(オプション)
6 SMAブッシュ送り
7 クランプ装置
8 ピストン
9 ガイドロッド(オプション)
10 スリット(オプション)
11 駆動ロッド(オプション)
12 モータ支持部(オプション)
13 モータ(オプション)
である。
図8aには減衰器の正面図が、または図8bには平面図がそれぞれ示されている。
図9には反射率測定に有利に使用されるシステムが示されている。
ここでは図9aに側面図、図9bに正面図が示されている。
ここで、
1 光源
2 光減数器(1個〜最大8個)を有する分光器および増幅器
3 クーラ
4 AD(アナログ/デジタル)コンバータを有するPC
5 ポンプ
6 作製物セル
7 測定窓
8 ファイバホルダ
9 ファイバ(有利にはガラスファイバ)
10 圧力測定部
11 見本容器
12 攪拌機(例えば磁気攪拌機)
13 移動可能なケーシング
である。
1個〜最大8個の分光器とは、測定すべき各光路が、個別のスペクトル検出器(分光器)を有するということである。すなわち、
− 光路1 ふつうは反射光
− 光路2 ふつうはランプからの直接の基準光
− 光路3 ふつうはディスクからの基準光
− 光路4 オプションの第2の反射方向
− 光路5 …
である。
反射率センサの最大の測定精度(実施形態(I)による反射率センサの最大の測定精度も、実施形態(II)による反射率センサの最大の測定精度も共に)が得られるのは、この反射率センサにおいて上記のすべての特徴が満たされる場合である。したがって液体の顔料調製物を測定する実施形態(I)による本発明の反射率センサにより、一般的に<0.5〜0.05dEの極めて高い絶対的な測定精度を達成することができる。これは生測定データ(反射強度)の0.1%の絶対的の測定精度によって達成される。これと比較して、従来技術による着色された固体の表面の測定(乾式測定)においては0.1dEの絶対的な測定精度が得られる。したがって本発明の反射率センサ(実施形態(I))は、コストのかかる乾式測定を置き換えるのに有利である。これは本発明の反射率センサのセンサ特性によって達成される。これに対して従来技術によるふつうの反射率センサは単に約1〜10%の絶対精度が得られるだけである。その原因は、例えば、ランプの明るさの変動、ファイバの伝送特性の変動、暗電流の変動、測定箇所における作製物が更新されないこと、測定箇所における作製物の状態が不定であること、測定窓の焼付物(Verbackung)の成長、作製物供給部の手の届かないスペースから色の異なる残留物が徐々に排出されること、ならびに光検出器の変動などである。これらの原因は、本発明の反射率センサによって、殊に本発明の有利な実施形態によって取り除かれる。
測定を始める前に反射率センサは(実施形態(I)による反射率センサも、実施形態(II)による反射率センサも共に)較正しなければならない。これは基本的に当業者に公知である任意のいずれの手法で行うことができる。上記の反射率センサを較正するために有利であるのは、白のガラスディスクを使用することである。その理由は、これが、慣用的に使用される光沢のない表面よりもはるかに汚れにくいからである。このガラスは、光沢のない表面に比べて、劣化しない、また所定のように繰り返して洗浄できるという利点を有する。このガラスによる鏡面反射は問題にならない。それは上記の反射率センサはふつういずれにせよ、このように鏡面反射された反射光を弱めるように構成されるからである。較正のため、実施形態(I)の反射率センサの試料分析セルは取り出される。
有利な実施形態では、上記の白いガラスディスク(較正ディスク)は、有利な実施形態において慣用的に試料分析ユニットを支持するガイドロッドにおいて、測定窓に向かって、精密ホルダに導かれ、また位置決めピンによって位置決めされる。白のガラスディスクと測定窓との再現可能かつ所定の間隔は、スペーサによって得られる。この間隔は有利には50〜500μmの値、殊に有利には約100μmに調整される。上記のガラスディスクおよびスペーサは弾性的に支持され、有利には可変の押しつけシステムを介して、例えばばね弾性力またはエラストマによって支持されるため、これらは所定の押しつけ力でつねに平らに測定窓に載置される。この較正の再現可能性は約0.1%である。
本発明の反射率センサの別の利点は、試料分析セルが固定の試料、例えば金属板およびシートによって交換される場合、上記の装置により、測定、例えば液体の顔料調製物に代わる固体の試料、例えば金属板およびシートの着色された表面との比較測定も行うことができることである。このためにガイドロッド、例えば上側のガイドロッドを取り外すことができる。測定ヘッド(すなわちホルダ付きの測定窓)はふつうスペーサが被されている。下側のロッドには金属板が置かれ、これは、このロッドによって導かれる押しつけ素子によって測定窓に向かって押しつけられる。この押しつけは、測定窓の大きさの弾性的に吊された平坦プレートによって行われる。
同じ光学系によって固体の試料、例えば金属板も所定の間隔および所定のアラインメントで測定できることは、測定窓の平らな実施および取り外し可能な製品セルの特徴である。これが可能であることによって、湿式測定を乾式測定に簡単に移行することができる。
本発明の別の対象は、液体の顔料調製物の形態をとる試料の反射率を測定する方法であり、ここでこの方法では、
i) 所定の厚さを有する試料の流れを形成し、
ii) 光源から送出された電磁ビームによってこの試料の流れを照明し、ここでこの電磁ビームと試料とが相互作用を引き起こし、このビームの一部が、試料との相互作用の後、拡散されて反射され、
iii) 拡散されて反射されたビームを反射率信号として受光して検出し、
iv) 基準信号を受光して検出し、ここでこの基準信号は、上記の試料の流れを照明するのに使用したのと同じ光源から送出され、上記の試料とは相互作用を起こしていない電磁ビームであり、
また上記の反射率信号および基準信号を同時に検出する。
これによって達成されるのは、2つの信号、すなわち反射率信号および基準信号が、偶然の同じ変動を受けることである。これはファイバ光学系モノリシックダイオードライン分光器を使用することによって達成され、この分光器によって有利には少なくとも15ビットの分解能が可能になり、またこの分光器は、4ms〜6000msの積分時間で実際の明るさに適合される。このようなダイオードライン分光器によって測定される値は、ダイオードの数に関係し、また固定の波長に補間しなければならない。この補間は、スプラインを使用すると殊に正確であり、有利である。しかしながらこのためには前もって個々のダイオードの感度差を調整しなければならない。それはこのようにしなければ、オーバーシュートするからである。この調整は、補間の前に、センサ素子に特徴的のパターン(pattern)によって信号を分けることによって行われる。
有利な実施形態では、本発明の方法を実施形態(I)による本発明の反射率センサによって実施する。本発明の反射率センサの有利な実施形態はすでに説明した。
したがって本発明の別の対象は、液体の顔料調製物の形態を取る試料の反射率を測定する実施形態(I)による本発明の反射率センサの使用方法である。図10〜12には本発明の反射率センサによる反射率測定の結果が示されている。
図10には白と赤との混合物の反射率測定の結果が示されている。
横座標には波長がnmで、また縦座標には反射率が示されている。
これらの種々異なる線図は、種々異なる赤/白の比における測定結果を表している。
− 最も下にあり、最も明るい線図は、100%の赤からなる調製物に関する線図であり、
− その上にある線図は、70%の赤と30%の白からなる混合物に関する線図であり、
− さらにその上にある線図は、9%の赤と91%の白からなる混合物に関する線図であり、
− 最も上にあり、最も暗い線図は、100%の白からなる調製物に関する線図である。
図11には感度テストの結果が示されている。このテストに対して、白の塗料に種々異なる色ペーストを混ぜた。
横座標には波長がnmで、また縦座標には反射率が示されている。
− 600nmの波長において最も下にある線図は、0.34%の黒を有する白の塗料に関する線図であり、
− 600nmの波長においてその上に線図は、0.26%の青を有する白の塗料に関する線図であり、
− 600nmの波長においてさらにその上にある線図は、0.17%の緑を有する白の塗料に関する線図であり、
− 600nmの波長においてさらにその上にある線図は、0.26%の赤を有する白の塗料に関する線図であり、
− 600nmの波長において最も上にありかつ最も暗い線図は、純粋な白の塗料に関する線図である。
図12にも同様に感度テストの結果が示されている。このテストに対して(図11と同様に)白の塗料に種々異なる色ペーストを混ぜた。
横座標には波長がnmで、また縦座標には相対的な反射率が示されている。
− 420nmの波長において最も下にある線図は、0.34%の黒を有する白の塗料に関するものであり、
− 420nmの波長においてさらにその上にある線図は、0.17%の緑を有する白の塗料に関するものであり、
− 420nmの波長においてさらにその上にある線図は、0.26%の赤を有する白の塗料に関するものであり、
− 420nmの波長においてさらにその上にある線図は、0.26%の青を有する白の塗料に関するものであり、
− 420nmの波長においてさらにその上にある線図は、純粋な白の塗料に関するものである。
有利には液体塗料である液体顔料調製物の色と、ここから作製され、着色され、有利には固体の塗膜である固体の表面の色とは大きく異なる。しかしながら有利には塗料である2つの液体顔料調製物の色の違いと、有利には塗膜である2つの固体の表面の色の違いとの関係がわかれば、基本的に、有利には液体塗料である液体顔料調製物の測定は、有利には塗膜である着色された固体の表面の色についてのデータを得るのに有利である。
ここでの問題は、有利には液体塗料である液体顔料調製物において、測定箇所における色は通例、有利には塗料であるこの顔料調製物の代表ではないことである。これは例えば、運動する表面の光沢反射、凝集、沈殿などに起因するものである。
このことは、有利には液体塗料である液体顔料調製物における測定が、ここから作製され、着色され有利には固体の塗膜である固体の表面についての十分な情報を提供できないことになる。
したがって基本的には、塗装された対象物における正確な測定が最も確実である。しかしながらこのことは、塗装された試料テーブルを作製するための大きなコストと、塗装処理に必然的に伴う変動とに結びついている。本発明の反射率センサを提供することによって、有利には塗料である液体試料(顔料調製物)の高精度の測定が可能である。このような高精度の測定により、有利には塗料である液体試料の色と、ここから得られる着色された有利には塗膜の固体の表面の色とを正確に相関づけることができるのである。
したがって本発明の反射率センサは、例えばつぎのような適用に使用可能である。
1. 分散過程の制御
着色された塗料または顔料ペーストの分散において今日、公知技術となっているのは、所定のエネルギー入力値または所定の細かさに到達した後、この過程を停止することである。ここでは品質管理のため試料が取り出され、塗装された試料テーブルを手掛かりにした判定が必要なことが多い。本発明の反射率センサによって液体の顔料調製物を測定することにより、色を判定する塗装過程を省略することが可能である。
2. 顔料分散を品質判定するための白の混合物の置き換え
分散の過程において顔料ペーストの反射率特性は変化する。しかしながら殊に暗い顔料では反射率は小さいため、十分な精度でさまざまな分散状態を区別することは不可能である。したがって実践的には白顔料を付け加えて、反射率を大きくする。反射率測定のために一層正確で感度の高い方法が得られるのであれば、エラーを発生し易いこのような過程を省略することができる。
3. 塗料作製の直接的な品質判定
膜特性の測定および適用による顔料ペーストまたは顔料ペースト混合物の判定はできないことが多い。それはこの顔料ペースト混合物が膜を形成しないか、または十分な隠蔽力を有しないからである。膜の形成に対して必要な他の成分による「重ね塗り(Auflacken)」には必然的にエラーの原因となる。液体の顔料ペーストの高精度測定により、作製過程と測定量との間の直接的な関係が表され、ひいてはこれらの間の一層良好な関係が表される。この測定によって、塗装の過程なしに単独で塗料作製過程を判定することができる。
4. 調量装置
(簡単な湿式測定によって、着色された試料テーブルの時間のかかる作製を置き換えるという)利点は、例えば調量装置によってさまざまの液体を混ぜることによって、塗料を製造する際にも有効である。この場合、所望の色を得るために分散過程ではなく、調量過程を制御する。
5. 塗料製造時における自動制御の色調整
正確な色に塗料を調整すること、すなわち「着色(Toenen)」(=色調整のために「補助顔料」を添加すること)は、今日、手動で試料を採取し、場合によっては適用、測定、顔料分散物の追加を順に繰り返し行うことによって得られる。インライン式反射率測定を用いたこの過程の自動化は、利用可能な測定装置の精度が十分でないため不可能である。インラインで使用可能であり、精度の高い反射率測定装置があれば、自動制御される色調整過程の可能性が開かれるのである。
6. 塗装装置における色適合化
塗料の色は、塗装の直前にも適合化させることができる。ここでこれは、色ペーストに対する調量装置を塗装装置に組み込むことによって行われ(PPG社のカラーオンデマンドを参照されたい)、 また調量の制御は、液体塗料の色測定を介して行われ、ここでこの制御はこの場合、有利にはインラインで行われる。
7.後に発生する色変化のコントロール
劣化またはせん断負荷によって、顔料ペーストまたは塗料の色は後に変わることがある。(有利にはインラインで使用される)高精度の測定方法によって色が一定であることが監視されれば、大いに役に立つ。
したがって本発明のさらに別の対象は、実施形態(I)による本発明の反射率センサの使用方法であり、これは、液体の顔料調製物の作製、処理および適用時の任意の方法ステップにおいて液体の顔料調製物の反射率測定を行うため、有利には、着色された塗料および顔料ペーストを分散させる際に品質管理を行うため、塗料を作製する際に品質判定を行うため、さまざまな液体を混合することによって塗料を作製する際に調量装置を制御するため、塗料製造時に着色によって自動制御で色調整を行うため、色ペーストに対する調量装置を有する塗装装置において塗料の色の色調整を行うため、および/または着色された塗料または顔料ペーストの劣化またはせん断負荷によって後に生じる色変化の制御を行うための使用方法である。
本発明のさらに別の対象は、本発明の方法を実施するための本発明の反射率センサの使用方法である。
本発明のさらに別の対象は、着色された固体の表面、例えば金属板、シートまたはプラスチックを有する試料の反射率測定を行うための実施形態(II)による本発明の反射率センサの使用方法である。
実施形態(I)による本発明の反射率センサならびに本発明の方法によって、液体の顔料調製物、例えば塗料、顔料ペーストおよび白の混合物の反射率を正確かつ迅速に決定することができ、これにより、吹き付けられた面における同様に高精度の測定(dE〜0.1)に比べて、経済的に重要な格段の時間節約が得られるのである。
同じ光学系によって固体の試料、例えば金属板も、所定の間隔および所定のアラインメントで測定できることは、測定窓の平坦な実施および取り外し可能な作製物セルの特徴である。この可能性により、湿式測定を乾式測定に簡単に移行することができるのである。
さまざまなセンサヘッド(幾何学的配置)に対する特性曲線を示す線図である。 本発明の反射率センサにおける照明ファイバおよび受光ファイバの幾何学的配置構成を示す図である。 本発明の反射率センサにおける照明ファイバおよび受光ファイバの別の幾何学的配置構成を示す図である。 本発明の反射率センサにおける照明ファイバおよび受光ファイバのさらに別の幾何学的配置構成を示す図である。 液体の顔料調製物において反射率測定(湿式測定)を行うための作製物セルの有利な実施形態を示す図である。 着色された固体の表面における反射率測定(乾式測定)を行うためのいわゆる金属板セルの有利な実施形態を示す図である。 基準となる標準(有利には白のガラスディスク)の反射率を測定するためのいわゆる基準セルの有利な実施形態を示す図である。 減衰器の殊に有利な実施形態を示す正面図(a)および平面図(b)である。 反射率測定に有利に使用されるシステムの側面図(a)および正面図(b)である。 白と赤との混合物の反射率測定の結果を示す線図である。 感度テストの結果を示す線図である。 別の感度テストの結果を示す線図である。

Claims (13)

  1. 反射率センサにおいて、
    該反射率センサは、
    a) 光学ユニット(A)と、
    b) 試料分析ユニット(B)と、
    c) システムコントロールユニット(C)とから構成されており、
    前記光学ユニット(A)は、
    aa)ランプの形態の光源(Aa)および
    ab)光導波体(Ab)を含むファイバ光学系を含んでおり、ここで少なくとも1つの光導波体は基準導波体であり、
    前記試料分析ユニット(B)は、
    ba) 1つの測定窓(Ba)および
    bb) 試料分析セル(Bb)を含んでおり、
    該試料分析セルはブロックであり、
    前記の測定窓は、前記のブロックの前面の中央部に、当該の前面に対して平行に配置されており、
    前記のブロックの背面から前記前面に貫通する2つの孔が、前記の測定窓の中心垂直線を含む平面に対して対称に設けられており、
    当該の2つの孔は、前記の中心垂直線にあらかじめ定めた角度で交わっており、
    前記の中心垂直線を中心軸とする前記のブロックの別の孔に、先端部がくさび状になったディスプレーサが挿入されており、
    前記の測定窓の一方の側には光ユニットが配置されており、測定窓の他方の側ベースプレートに試料分析セルが配置されており、ここで当該配置は、前記の試料分析セルが測定窓に押しつけられて前記の測定窓と試料分析セルとの間に間隙が形成され、液体の顔料調製物の形態の測定すべき試料がこの間隙を必ず横断することになり、該間隙を横断する際に試料がせん断され、
    前記システムコントロールユニット(C)は、測定データを記録する検出器(Ca)および該検出器に接続された評価装置(Cb)を含んでおり、ここで
    少なくとも1つの光導波体接続部が光源(Aa)から測定窓(Ba)に、また測定窓(Ba)からさらに検出器(Ca)に導かれており、これによって測定信号が形成され、また少なくとも1つの基準導波体接続部が光源(Aa)から検出器(Ca)に、または測定窓(Ba)から検出器(Ca)に直接導かれて、基準信号が形成され、
    前記試料分析セル(Bb)は、ベースプレートから取り外し可能であり、当該の試料分析セル(Bb)が固体の試料によって置き換え可能であることを特徴とする
    反射率センサ。
  2. 前記のランプは、LED,ガス放電ランプおよび白熱コイルを有するランプからなるグループから選択される、
    請求項1に記載の反射率センサ。
  3. 前記ランプは、組み込まれたシャッタを有する、
    請求項1または2に記載の反射率センサ。
  4. 前記光導波体は、100,200,400,600または800μmのファイバ直径を有するファイバである、
    請求項1から3までのいずれか1項に記載の反射率センサ。
  5. 前記の基準導波体として使用されるファイバは、残りの光導波体に適合化された直径を有する、
    請求項1から4までのいずれか1項に記載の反射率センサ。
  6. 前記反射率センサは、付加的に以下の特徴、すなわち、
    ac) 前記のランプの後段には補償フィルタが配置されており、該補償フィルタによってランプのスペクトルが線形化されて、ランプから放射されるビームの最大輝度と最小輝度との間の差分ができるだけ小さく、例えば最大で4倍であるようにされる、
    ad) (補償フィルタをランプと補償フィルタとの間に使用する際)前記のランプの後段にIR阻止フィルタ、コンデンサおよび散乱ディスクが配置されている、
    ae) 上記の光導波体は、保護チューブに導かれ、全長にわたって支持フレームにより支持されている、
    af) 基準導波体は、散乱ディスクが組み込まれた正確な間隔素子を介して導かれ、所定のように減衰される、
    のうちの少なくとも1つの特徴を有する、
    請求項1から5までのいずれか1項に記載の反射率センサ。
  7. 前記測定窓は、平坦プレートであり、ガラス、準貴石またはダイヤモンド製の平坦プレートであり、1〜12mmの厚さおよび10〜80mmの直径を有する、
    請求項1から6までのいずれか1項に記載の反射率センサ。
  8. 前記間隙の長さは2〜15mmであり、幅は2〜40mmであり、高さは0.05〜5mmであり、
    正確な高さは、可変に調整可能である、
    請求項1〜7までのいずれか1項に記載の反射率センサ。
  9. 前記の試料の大きなせん断は、試料が前記間隙に入る箇所からこれを出る箇所までに、1〜15mmの長さにわたって0.1〜3barの圧力が当該間隙において降下することによって得られる、
    請求項1〜8までのいずれか1項に記載の反射率センサ。
  10. 前記システムコントロールユニットは、少なくとも15ビットの分解能が可能であるファイバ光学系モノリシックダイオードラインセンサの形態の検出器を有する、
    請求項1から9までのいずれか1項に記載の反射率センサ。
  11. 前記の反射率センサのすべてのユニットを共通のケーシングに収容し、
    該ケーシングでは換気およびサーモスタット制御の熱排出が行われる、
    請求項1から10までのいずれか1項に記載の反射率センサ。
  12. 液体の顔料調製物の形態をとる試料の反射率を測定する方法において、
    i) 所定の厚さを有する試料の流れを形成し、
    ii) 光源から送出された電磁ビームによって当該の試料の流れを照明し、ここで当該電磁ビームと試料とが相互作用を引き起こし、当該ビームの一部が、試料との相互作用の後、拡散されて反射され、
    iii) 当該の拡散されて反射されたビームを反射率信号としては受光して検出し、
    iv) 基準信号を受光して検出し、ここで当該基準信号は、前記の試料の流れを照明するのに使用したのと同じ光源から送出され、前記の試料とは相互作用を起こしていない電磁ビームであり、
    前記の反射率信号および基準信号を同時に検出することを特徴とする、
    液体の顔料調製物の形態をとる試料の反射率を、請求項1から11までのいずれか1項に記載の反射率センサによって測定する方法。
  13. 前記の液体の顔料調製物は、当該の液体の顔料調製物の作製、処理および適用時の任意の所望の方法ステップにあり、当該ステップは
    色された塗料および顔料ペーストを分散させる際に品質管理を行う、
    塗料を作製する際に品質判定を行う、
    さまざまな液体を混合することによって塗料を作製する際に調量装置を制御する、
    塗料製造時に着色によって自動制御で色調整を行う、
    色ペーストに対する調量装置を有する塗装装置にて塗料の色の色調整を行う、および/または
    着色された塗料または顔料ペーストの劣化またはせん断負荷によって後に生じる色変化を制御するステップであることを特徴とする、
    請求項12に記載の方法。
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