JP4649768B2 - ヒートポンプの冷却回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジエータに向かうエンジン冷却水の流量がサーモスタット及び電動三方弁で自動的にコントロールされるヒートポンプの冷却回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、図5のヒートポンプの冷却回路1においては、エンジン12や排気熱交換器18で加熱されて高温となったエンジン冷却水をウォーターポンプ11でラジエータ13に導くことにより、エンジン冷却水の温度を低くしている。もっとも、エンジン12が冷えすぎても不調をきたすので、サーモスタット14によって、ラジエータ13に向かうエンジン冷却水の流量とバイパス流路15に向かうエンジン冷却水の流量とを自動的にコントロールしている。
【0003】
そして、サーモスタット14の開度は、エンジン冷却水の温度に応じて作動させており、例えば、図6に示すように、エンジン冷却水の温度がT1以下では、サーモスタット14に流入したエンジン冷却水のうち全流量をバイパス流路15に流し、エンジン冷却水の温度がT1を越えると、その一部をラジエータ13にも流し、エンジン冷却水の温度がT2以上では、その全流量をラジエータ13に流すようにしている。この点は、特開平10−103810号にも記載されている。
【0004】
さらに、図5のヒートポンプの冷却回路1においては、ヒートポンプの暖房能力の向上などを図るために、高温のエンジン冷却水で冷媒を加熱することにより冷凍サイクルの蒸発工程を行う熱交換器17を設けており、電動三方弁16によって、熱交換器17に向かうエンジン冷却水の流量とサーモスタット14に向かうエンジン冷却水の流量とを自動的にコントロールしている。
【0005】
そして、電動三方弁16の開度は、例えば、特開平10−103810号で記載しているように、熱交換器17における冷媒への要求熱供給量に対応して作動させたり、あるいは、特開平11−257794号で記載しているように、熱交換器17における冷媒過熱度(熱交換器17内の冷媒温度と熱交換器17の出口側冷媒温度との偏差によって定義されるもの)に応じて調節させている。
【0006】
尚、ラジエータ13の下流側に設けられたラジエータ・キャップ20は、ラジエータ13内の圧力を調節することによりエンジン冷却水の蒸発量を少なくするものであり、その圧力は大気圧より高く設定される。また、ラジエータ・キャップ20の上流側で分岐して設けられたリザーブ・タンク19は、エンジン冷却水の蒸気が冷えて液体に戻ったものを溜めるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5のヒートポンプの冷却回路1において、電動三方弁16の開度を、上述したように、熱交換器17における冷媒への要求熱供給量に対応して作動させたり、熱交換器17における冷媒過熱度に応じて調節したりすると、エンジン冷却水の温度が異常に低下することがあり、それに伴って、エンジンオイルの温度も低下して、エンジンオイルが白濁するおそれがあった。
【0008】
もっとも、エンジンオイルの白濁を防止する観点からすれば、電動三方弁16の開度の制御をエンジン冷却水の温度に基づいて行うことが考えられるが、例えば、図7に示すように、エンジン冷却水の温度TCとエンジンオイルの温度TOの関係は、エンジン12の回転数にも影響されるので、エンジン冷却水の温度TCのみに基づいて電動三方弁16の開度を制御すると、エンジン12の回転数によっては、熱交換器17に向かうエンジン冷却水の流量が過剰気味となり、エンジン冷却水の温度TCが異常に低下し、それに伴って、エンジンオイルの温度TOも基準温度(図7では55℃)より低下して、エンジンオイルが白濁するなどの不都合が生じる。
【0009】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、電動三方弁の開度の制御でエンジンオイルの温度を確保することができるヒートポンプの冷却回路を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、ヒートポンプの駆動源であるエンジンと、前記エンジンで加熱されたエンジン冷却水が放熱するためのラジエータと、前記エンジンと前記ラジエータとの間で前記エンジン冷却水を循環させるウォーターポンプと、前記ラジエータの上流側から分流するとともに前記ラジエータの下流側に合流するバイパス流路と、前記バイパス流路の分流点に設けられることにより前記ラジエータに向かう前記エンジン冷却水の流量を前記エンジン冷却水の温度に基づいて自動的にコントロールするサーモスタットと、前記サーモスタットの上流側と前記ラジエータの下流側の間に設けられるとともに前記エンジン冷却水を高温流体とする熱交換器と、前記熱交換器の分流点に設けられることにより前記サーモスタットに向かう前記エンジン冷却水の流量を自動的にコントロールする電動三方弁と、を有したヒートポンプの冷却回路において、前記エンジンの回転数及び前記エンジン冷却水の温度に基づいて前記電動三方弁の開度を制御することにより、前記電動三方弁に流れ込む前記エンジン冷却水に対し、前記サーモスタットに向かうエンジン冷却水の流量と前記熱交換器に向かうエンジン冷却水の流量との流量比を制御し、前記エンジンのエンジンオイルの温度を自動的にコントロールすること、を特徴としている。
【0011】
このような特徴を有する本発明のヒートポンプの冷却回路では、エンジンとラジエータとの間においてエンジン冷却水がウォーターポンプにより循環するが、ラジエータの上流側にあるバイパス流路の分流点に設けられたサーモスタットによって、サーモスタットに流れ込むエンジン冷却水に対し、ラジエータに向かうエンジン冷却水の流量とバイパス流路に向かうエンジン冷却水の流量との流量比をエンジン冷却水の温度に基づいて自動的にコントロールしている。さらに、サーモスタットの上流側にある熱交換器の分流点に設けられた電動三方弁によって、電動三方弁に流れ込むエンジン冷却水に対し、サーモスタットに向かうエンジン冷却水の流量と熱交換器に向かうエンジン冷却水の流量との流量比をエンジンの回転数及びエンジン冷却水の温度に基づいて自動的にコントロールしている。
【0012】
すなわち、本発明のヒートポンプの冷却回路では、エンジン冷却水の温度に基づき、ラジエータに向かうエンジン冷却水の流量とバイパス流路に向かうエンジン冷却水の流量との流量比を自動的にコントロールするサーモスタットの上流側において、エンジンオイルの温度を変動させるエンジンの回転数及びエンジン冷却水の温度に基づき、サーモスタットに向かうエンジン冷却水の流量と熱交換器に向かうエンジン冷却水の流量との流量比を自動的にコントロールする電動三方弁を設けているので、電動三方弁の開度の制御でエンジンオイルの温度を確保することができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載するヒートポンプの冷却回路であって、前記エンジンの回転数に対する第1基準値で前記電動三方弁の開度の制御内容を区分けしたこと、を特徴としている。
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載するヒートポンプの冷却回路であって、前記エンジン冷却水の温度に対する第2基準値で前記電動三方弁の開度の制御内容を区分けしたこと、を特徴としている。
【0014】
もっとも、エンジンの回転数及びエンジン冷却水の温度に基づいて電動三方弁の開度の制御すると言っても、エンジンの回転数とエンジン冷却水の温度の組合せは相当数に及ぶことから、本発明のヒートポンプの冷却回路において、エンジンの回転数に対する第1基準値やエンジン冷却水の温度に対する第2基準値で電動三方弁の開度の制御内容を区分けすれば、電動三方弁の開度の制御が単純となるので、実用化に資することとなる。
【0015】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載するヒートポンプの冷却回路であって、前記第1基準値又は前記第2基準値を複数設けたこと、を特徴としている。
【0016】
また、エンジンの回転数及びエンジン冷却水の温度がエンジンオイルの温度を変動させるといっても、エンジンオイルの温度・エンジンの回転数・エンジン冷却水の温度の特性は、ヒートポンプごとに固有なものであり、単調なものから複雑なものまで存在するので、本発明のヒートポンプの冷却回路において、第1基準値又は第2基準値を複数設ければ、電動三方弁の開度の制御を単純にしつつも、個別具体的な対応が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。本実施の形態のヒートポンプの冷却回路の構成は、従来技術の欄で説明した図5のヒートポンプの冷却回路1と同じである。従って、本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1においては、図6に示すように、サーモスタット14の開度がエンジン冷却水の温度に応じて作動するとともに、エンジンオイル温度TO・エンジン12の回転数・エンジン冷却水の温度TCの特性は図7に示すようになる。
【0018】
そして、本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1は、図4に示すヒートポンプ2の空気調和機に組み込まれている。そこで、先ず、図4のヒートポンプ2の冷媒回路について説明すると、図4のヒートポンプ2の冷媒回路には、エンジン12で駆動する圧縮機21と、冷媒と冷凍機油を分離するオイルセパレータ22、冷房・暖房の冷媒回路に切り替える四方弁23、室外空気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器24、冷媒回路中の冷媒の流量を調整する膨張弁23、室内空気と冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器22、エンジン冷却水と冷媒との間で熱交換を行う熱交換器17(本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1に設けられているもの)、液冷媒とガス冷媒を分離するアキュムレータ25などが設けられている。
【0019】
尚、オイルセパレータ22は、キャピラリー29を介して、圧縮機21の吸入口とアキュムレータ25に接続されている。
【0020】
ここで、図4のヒートポンプ2の空気調和機が冷房運転を行うときは、以下のような冷房サイクルが行われる。すなわち、四方弁23が冷房の冷媒回路に切り替えると、圧縮機21で高温・高圧となった冷媒は、四方弁23を介して室外熱交換器24へと流入する。このとき、室外熱交換器24では、室外空気と冷媒との間で熱交換を行うことにより、冷媒が凝縮される。そして、室外熱交換器24を流出した冷媒は、膨張弁23で膨張した後に、室内熱交換器22へと流入する。このとき、室内熱交換器22では、室内空気と冷媒との間で熱交換を行うことにより、冷媒が加熱されて蒸発する一方、冷媒の蒸発熱により室内空気が冷却されて冷風となり、冷房効果が生じる。さらに、室内熱交換器22を流出した冷媒は、四方弁23を介して熱交換器17(本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1に設けられているもの)へと流入する。このとき、熱交換器17(本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1に設けられているもの)では、エンジン冷却水と冷媒との間で熱交換を行うことにより、エンジン冷却水が冷却される一方、冷媒が加熱されて蒸発する。そして、熱交換器17(本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1に設けられているもの)を流出した冷媒は、アキュムレータ25で液冷媒が分離された後に圧縮機21に戻る。
【0021】
一方、図4のヒートポンプ2の空気調和機が暖房運転を行うときは、以下のような暖房サイクルが行われる。すなわち、四方弁23が暖房の冷媒回路に切り替えると、圧縮機21で高温・高圧となった冷媒は、四方弁23を介して室内熱交換器22へと流入する。このとき、室内熱交換器22では、室内空気と冷媒との間で熱交換を行うことにより、冷媒が凝縮する一方、冷媒の凝縮熱により室内空気が加熱されて温風となり、暖房効果が生じる。そして、室内熱交換器22を流出した冷媒は、膨張弁23で膨張した後に、室外熱交換器24へと流入する。このとき、室外熱交換器24では、室外空気と冷媒との間で熱交換を行うことにより、冷媒が加熱されて蒸発する。さらに、室外熱交換器24を流出した冷媒は、四方弁23を介して熱交換器17(本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1に設けられているもの)へと流入する。このとき、熱交換器17(本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1に設けられているもの)では、エンジン冷却水と冷媒との間で熱交換を行うことにより、エンジン冷却水が冷却される一方、冷媒が加熱されて蒸発する。そして、熱交換器17(本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1に設けられているもの)を流出した冷媒は、アキュムレータ25で液冷媒が分離された後に圧縮機21に戻る。
【0022】
従って、上述した暖房サイクルでは、室外熱交換器24及び熱交換器17(本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1に設けられているもの)での冷媒の蒸発熱量が多くなるほど、室内熱交換器22での室内空気の加熱量を大きくすることができるので、熱交換器17(本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1に設けられているもの)において、エンジン冷却水と冷媒との間で熱交換をできる限り多く行うことが暖房能力の増加につながることなる。
【0023】
但し、熱交換器17(本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1に設けられているもの)において、エンジン冷却水と冷媒との間で熱交換をできる限り多く行うと、エンジン冷却水の温度TCが異常に低下することがあり、それに伴って、エンジンオイルの温度TOも低下して、エンジンオイルが白濁するおそれがある。そこで、図4のヒートポンプ2の空気調和機においては、本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1に対し、電動三方弁16の開度の制御を図1のフローチャートで行わせることにより、熱交換器17に向かうエンジン冷却水の流量をコントロールしている。
【0024】
そこで、次に、電動三方弁16の開度を制御する図1のフローチャートについて説明すると、図1のフローチャートでは、先ず、S11〜S13において、エンジン12の回転数が1500rpm未満であるか否かを判断し(S11)、エンジン冷却水の温度のTCが55℃以下であるか否かを判断し(S12)、エンジン冷却水の温度のTCが50℃以下であるか否かを判断している(S13)。
【0025】
そして、エンジン12の回転数が1500rpm未満であると判断し(S11:Yes)、かつ、エンジン冷却水の温度TCが55℃以上であると判断した場合(S12:Yes)、あるいは、エンジン12の回転数が1500rpm未満であると判断せず(S11:No)、かつ、エンジン冷却水の温度TCが50℃以上であると判断した場合には(S13:Yes)、S14に進んで、図2の制御マップ1を選択する。一方、エンジン12の回転数が1500rpm未満であると判断し(S11:Yes)、かつ、エンジン冷却水の温度TCが55℃以上であると判断しない場合(S12:No)、あるいは、エンジン12の回転数が1500rpm未満であると判断せず(S11:No)、かつ、エンジン冷却水の温度TCが50℃以上であると判断しない場合には(S13:No)、S17に進んで、図3の制御マップ2を選択する。
【0026】
ここで、エンジン12の回転数の1500rpmと、エンジン冷却水の温度TCの55℃、エンジン冷却水の温度TCの50℃、図2の制御マップ1、図3の制御マップ2は、エンジンオイルの白濁を防止する観点から、図7のエンジンオイル温度TO・エンジン12の回転数・エンジン冷却水の温度TCの特性に基づいて設定・作成されたものであり、後述するS15,S18の計算と相俟って、エンジンオイルの温度TOを基準温度の55℃以上に保つことを目的にしている。
【0027】
尚、図1のフローチャートで制御される電動三方弁16の開度は、820個ののステップで等分割されており、ステップ数が0〜40では、電動三方弁16に流入したエンジン冷却水のうち全流量をサーモスタット14に流し、ステップ数が40を越えると、その一部を熱交換器17にも流し、ステップ数が780〜820では、その全流量を熱交換器17に流すようにしている。
【0028】
そして、S14に進んで、図2の制御マップ1を選択したときは、S15において、電動三方弁16の開度の目標値を計算する。このS15では、図2の制御マップ1からエンジン冷却水の温度TCに対応する修正量を読み取り、現在の電動三方弁16の開度のステップ数に当該修正量を加算することにより、電動三方弁16の開度の目標値を計算する。その後は、S16において、電動三方弁16の開度をその目標値に移動させて、図1のフローチャートが終了する。
【0029】
一方、S17に進んで、図3の制御マップ2を選択したときは、S18において、電動三方弁16の開度の目標値を計算する。このS18では、先ず、エンジン冷却水の目標温度とエンジン冷却水の温度TCの差を求める。このとき、エンジン12の回転数が1500rpm未満である場合には(S11:Yes)、エンジン冷却水の目標温度に55℃が代入され、エンジン12の回転数が1500rpm以上である場合には(S11:No)、エンジン冷却水の目標温度に50℃が代入される。そして、図3の制御マップ2から、エンジン冷却水の目標温度とエンジン冷却水の温度TCの差に対応する修正量を読み取り、現在の電動三方弁16の開度のステップ数に当該修正量を加算することにより、電動三方弁16の開度の目標値を計算する。その後は、S19において、電動三方弁16の開度をその目標値に移動させて、図1のフローチャートが終了する。
【0030】
以上詳細に説明したように、本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1は、図4や図5に示すように、ヒートポンプ2の駆動源であるエンジン12と、エンジン12で加熱されたエンジン冷却水が放熱するためのラジエータ13と、エンジン12とラジエータ13との間でエンジン冷却水を循環させるウォーターポンプ11と、ラジエータ13の上流側から分流するとともにラジエータ13の下流側に合流するバイパス流路15と、バイパス流路15の分流点に設けられることによりラジエータ13に向かうエンジン冷却水の流量をエンジン冷却水の温度TCに基づいて自動的にコントロールするサーモスタット14と(図6参照)、サーモスタット14の上流側とラジエータ13の下流側の間に設けられるとともにエンジン冷却水を高温流体とする熱交換器17と、熱交換器17の分流点に設けられることによりサーモスタット14に向かうエンジン冷却水の流量を自動的にコントロールする電動三方弁16と、を有したものである。
【0031】
従って、本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1では、エンジン12とラジエータ13との間においてエンジン冷却水がウォーターポンプ11により循環する。そして、ラジエータ13の上流側にあるバイパス流路15の分流点に設けられたサーモスタット14は、図6に示すようにして、サーモスタット14に流れ込むエンジン冷却水に対し、ラジエータ13に向かうエンジン冷却水の流量とバイパス流路15に向かうエンジン冷却水の流量との流量比をエンジン冷却水の温度TCに基づいて自動的にコントロールしている。さらに、サーモスタット14の上流側にある熱交換器17の分流点に設けられた電動三方弁16は、図1のフローチャートに示すようにして、電動三方弁16に流れ込むエンジン冷却水に対し、サーモスタット14に向かうエンジン冷却水の流量と熱交換器17に向かうエンジン冷却水の流量との流量比をエンジン12の回転数及びエンジン冷却水の温度TCに基づいて自動的にコントロールしている。
【0032】
すなわち、本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1では(図4及び図5参照)、エンジン冷却水の温度TCに基づき(図6参照)、ラジエータ13に向かうエンジン冷却水の流量とバイパス流路15に向かうエンジン冷却水の流量との流量比を自動的にコントロールするサーモスタット14の上流側において、エンジンオイルの温度TOを変動させるエンジン12の回転数及びエンジン冷却水の温度TCに基づき(図7参照)、サーモスタット14に向かうエンジン冷却水の流量と熱交換器17に向かうエンジン冷却水の流量との流量比を自動的にコントロールする電動三方弁16を設けているので、電動三方弁16の開度の制御でエンジンオイルの温度TOを確保することができる(図1参照)。
【0033】
もっとも、エンジン12の回転数及びエンジン冷却水の温度TCに基づいて電動三方弁16の開度の制御すると言っても、エンジン12の回転数とエンジン冷却水の温度TCの組合せは相当数に及ぶ。この点、本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1は、エンジン12の回転数に対する第1基準値(図1のS11における1500rpm)やエンジン冷却水の温度TCに対する第2基準値(図1のS12における55℃や図1のS13における50℃)で、電動三方弁16の開度の制御内容を図2の制御マップ1又は図3の制御マップ2に区分けしており(図1のS14又は図1のS17)、電動三方弁16の開度の制御が単純となるので、実用化に資するものである。
【0034】
また、エンジン12の回転数及びエンジン冷却水の温度TCがエンジンオイルの温度TOを変動させるといっても、エンジンオイルの温度TO・エンジン12の回転数・エンジン冷却水の温度TCの特性は、ヒートポンプ1ごとに固有なものであり、単調なものから複雑なものまで存在し、図7はその一例にすぎない。この点、本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1は、第2基準値(図1のS12における55℃や図1のS13における50℃)を複数設けており、電動三方弁16の開度の制御を単純にしつつも、個別具体的な対応を行っている。
【0035】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1では、第1基準値(図1のS11における1500rpm)が一つだけ設けられているが、エンジンオイルの温度TO・エンジン12の回転数・エンジン冷却水の温度TCの特性によっては、第1基準値を複数設けてもよく、これにより、電動三方弁16の開度の制御を単純にしつつも、個別具体的な対応を図ることができる。
【0036】
また、本実施の形態のヒートポンプの冷却回路1では、第2基準値(図1のS12における55℃や図1のS13における50℃)を2つ設けているが、第2基準値を3つ以上設けてもよく、これによっても、電動三方弁16の開度の制御を単純にしつつも、個別具体的な対応を図ることができる。もっとも、エンジンオイルの温度TO・エンジン12の回転数・エンジン冷却水の温度TCの特性が単調であれば、第2基準値は一つだけでもよいこともある。
【0037】
【発明の効果】
本発明のヒートポンプの冷却回路では、エンジン冷却水の温度に基づき、ラジエータに向かうエンジン冷却水の流量とバイパス流路に向かうエンジン冷却水の流量との流量比を自動的にコントロールするサーモスタットの上流側において、エンジンオイルの温度を変動させるエンジンの回転数及びエンジン冷却水の温度に基づき、サーモスタットに向かうエンジン冷却水の流量と熱交換器に向かうエンジン冷却水の流量との流量比を自動的にコントロールする電動三方弁を設けているので、電動三方弁の開度の制御でエンジンオイルの温度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のヒートポンプの冷却回路において、電動三方弁の開度の制御内容を示したフローチャート図である。
【図2】本発明の一実施形態のヒートポンプの冷却回路において、電動三方弁の開度の制御内容の一例を示した制御マップ図である。
【図3】本発明の一実施形態のヒートポンプの冷却回路において、電動三方弁の開度の制御内容の一例を示した制御マップ図である。
【図4】本発明の一実施形態のヒートポンプの冷却回路を具備したヒートポンプの回路図である。
【図5】本発明の一実施形態及び従来技術のヒートポンプの冷却回路を示した図である。
【図6】本発明の一実施形態及び従来技術のヒートポンプの冷却回路において、サーモスタットの特性の一例を示した図である。
【図7】本発明の一実施形態及び従来技術のヒートポンプの冷却回路において、エンジンオイルの温度・エンジンの回転数・エンジン冷却水の温度の特性の一例を示した図である。
【符号の説明】
1 ヒートポンプの冷却回路
2 ヒートポンプ
11 ウォーターポンプ
12 エンジン
13 ラジエータ
14 サーモスタット
15 バイパス流路
16 電動三方弁
17 熱交換器
TC エンジン冷却水の温度
TO エンジンオイルの温度
Claims (4)
- ヒートポンプの駆動源であるエンジンと、前記エンジンで加熱されたエンジン冷却水が放熱するためのラジエータと、前記エンジンと前記ラジエータとの間で前記エンジン冷却水を循環させるウォーターポンプと、前記ラジエータの上流側から分流するとともに前記ラジエータの下流側に合流するバイパス流路と、前記バイパス流路の分流点に設けられることにより前記ラジエータに向かう前記エンジン冷却水の流量を前記エンジン冷却水の温度に基づいて自動的にコントロールするサーモスタットと、前記サーモスタットの上流側と前記ラジエータの下流側の間に設けられるとともに前記エンジン冷却水を高温流体とする熱交換器と、前記熱交換器の分流点に設けられることにより前記サーモスタットに向かう前記エンジン冷却水の流量を自動的にコントロールする電動三方弁と、を有したヒートポンプの冷却回路において、
前記エンジンの回転数及び前記エンジン冷却水の温度に基づいて前記電動三方弁の開度を制御することにより、前記電動三方弁に流れ込む前記エンジン冷却水に対し、前記サーモスタットに向かうエンジン冷却水の流量と前記熱交換器に向かうエンジン冷却水の流量との流量比を制御し、前記エンジンのエンジンオイルの温度を自動的にコントロールすること、を特徴とするヒートポンプの冷却回路。 - 請求項1に記載するヒートポンプの冷却回路であって、
前記エンジンの回転数に対する第1基準値で前記電動三方弁の開度の制御内容を区分けしたこと、を特徴とするヒートポンプの冷却回路。 - 請求項1又は請求項2に記載するヒートポンプの冷却回路であって、
前記エンジン冷却水の温度に対する第2基準値で前記電動三方弁の開度の制御内容を区分けしたこと、を特徴とするヒートポンプの冷却回路。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載するヒートポンプの冷却回路であって、
前記第1基準値又は前記第2基準値を複数設けたこと、を特徴とするヒートポンプの冷却回路。
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2001
- 2001-05-08 JP JP2001136789A patent/JP4649768B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2002332841A (ja) | 2002-11-22 |
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