JP4648152B2 - ガスタービンシステム及びガスタービンシステムの運転方法 - Google Patents

ガスタービンシステム及びガスタービンシステムの運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガスタービンシステムに係わり、特に圧縮機で圧縮した空気を加湿して燃焼器にこの加湿空気を供給する増湿器を備えたガスタービンシステムと、そのガスタービンシステムの運転方法に関する。
ガスタービンの燃焼器に供給する気体(空気)に水分を注入して加湿し、出力及び効率の向上を図る高湿分ガスタービン発電プラント(以下高湿分ガスタービンシステム)は、従来のガスタービン発電プラントに比して高効率であること、またガスエンジン,ディーゼルエンジンなどに比して窒素酸化物などの排出量を低く運転可能であることから、工場向け小規模発電、あるいは熱電併給(コジェネレーション)用途としての利用が期待されている。小規模発電プラントやコジェネレーションでは、日々の電力需要,蒸気需要の変動に応じてプラントを逐次起動停止・負荷変化する必要があることから、負荷追従性の向上や負荷変化可能な出力帯(運用負荷帯)の拡大が課題となる。空気加湿を行う前記高湿分ガスタービンシステムでは、ガスタービン燃料の増減に加えて、空気への加湿量の変化によっても出力が変動するため、負荷運転時には燃料流量とともに空気への加湿量を安定に制御して負荷追従性の向上を図る必要がある。
特許文献1には、空気への加湿量を制御する手段として、圧縮機から加湿装置(増湿塔)に至る空気配管から分岐して空気の一部を燃焼器に導くバイパス系統を設け、バイパス系統を流れる空気量,加湿装置の散布水の温度及び流量を制御してガスタービン燃焼器への空気加湿量を調整する方法が記載されている。
特開平11−148372号公報
特許文献1に記載の運転方法は、運用負荷帯内において増湿塔への水散布が継続されている場合を前提としている。しかしながら、広い運用負荷帯での負荷運転を実施する場合には、増湿塔への水散布を開始(増湿塔起動)及び停止(増湿塔停止)する運転ポイントを含めた負荷運用を考慮する必要があるが、上記文献に記載の技術では増湿塔の起動・停止を含めた広い運用負荷帯での負荷運転は考慮されていない。よって、増湿塔の起動・停止の過渡状態では散布水が急激に蒸発して加湿量が変動する現象が生じ、ガスタービン燃焼器の燃空比の変動,発電機出力の変動等を引き起こすトラブルの原因となり得る。
本発明の目的は、増湿塔の起動・停止を含めた広い運用負荷帯内での負荷追従運転が可能なガスタービンシステム、並びにその運転方法を提供することにある。
本発明の増湿器を備えたガスタービンシステムは、空気を圧縮する圧縮機と、燃料と空気を燃焼させる燃焼器と、該燃焼器で燃焼した燃焼ガスにより駆動するタービンと、該圧縮機で圧縮した空気を加湿して前記燃焼器に加湿空気を供給する増湿器を備えたガスタービンシステムにおいて、前記増湿器に散布する水を供給する給水系統と、該増湿器をバイパスして該給水系統の水を前記水回収装置に排出する排水系統とを配設し、前記燃焼器における燃空比を、燃焼器への燃料流量,圧縮機から吐出される空気圧力、及び増湿器から燃焼器に供給される空気温度から算出される加湿量に基づいて演算し、失火限界となる燃空比の値には加算すべき閾値を設定し、前記閾値は燃焼器の燃料流量を増加する場合の閾値が燃料流量を減少する場合の閾値よりも大きくなるよう設定し、この演算した前記燃空比が失火限界の燃空比に閾値を加算した値よりも大きくなるように、前記給水系統、及び排水系統の少なくとも一方の系統を流れる水の流量を制御することにより前記増湿器の水散布の運転を行う制御装置を設けるように構成したものである。
また、本発明の増湿器を備えたガスタービンシステムの運転方法は、空気を圧縮する圧縮機と、燃料と空気を燃焼させる燃焼器と、該燃焼器で燃焼した燃焼ガスにより駆動するタービンと、該圧縮機で圧縮した空気を加湿して前記燃焼器に加湿空気を供給する増湿器を備えたガスタービンシステムの運転方法において、前記燃焼器における燃空比を燃焼器への燃料流量,圧縮機から吐出される空気圧力、及び増湿器から燃焼器に供給される空気温度から算出される加湿量に基づいて演算し、失火限界となる燃空比の値には加算すべき閾値を設定し、前記閾値は燃焼器の燃料流量を増加する場合の閾値が燃料流量を減少する場合の閾値よりも大きくなるよう設定し、この演算した前記燃空比が失火限界の燃空比に該閾値を加算した値よりも大きくなるように、前記給水系統、及び排水系統の少なくとも一方の系統を流れる水の流量を制御することによって前記増湿器の水散布の運転を行うように構成したものである。
本発明によれば、増湿塔の起動・停止を含めた広い運用負荷帯内での負荷変化への追従性を大幅に向上する増湿塔を備えたガスタービンシステムを実現できる。
増湿塔を備えたガスタービンシステムにおける増湿塔の起動・停止を含めた広い運用負荷帯内での負荷変化への追従性を大幅に向上するという目的を、燃焼器の燃空比が失火限界より大きくなるように増湿塔への水の供給量を制御することにより実現した。
本発明を適用した高湿分ガスタービンシステムの実施例1を図1に示す。図1において、高湿分ガスタービンシステムは、空気を圧縮する圧縮機2と、燃料と空気を燃焼させる燃焼器3と、該燃焼器3で燃焼した燃焼ガスにより駆動するタービン1と、該圧縮機2で圧縮した空気を加湿して前記燃焼器3に加湿空気を供給する増湿塔8(増湿器)と、タービン1により駆動され負荷をとる発電機4を備えている。圧縮機2及び発電機4はタービン1とシャフト20で連結されており、タービン1により圧縮機2及び発電機4を駆動するようになっている。燃焼器3には燃料ポンプ5及び燃料流量調整弁6を設けた配管47を通じて燃料が供給されており、圧縮機2から吐出され、配管7,配管9,配管13を通じて送給されて、空気冷却器32,増湿塔8,再生熱交換器11を順次経由する過程で加湿,加熱された空気と共にこの燃料が燃焼器3にて燃焼されて燃焼ガスを生成する。
増湿塔8には、その内部に散布水を流下させて気液接触させて空気を加湿する充填物
8bと、この充填物8bに加湿用の水を散布させる散水ノズル8aが配設されている。増湿塔8の下部には、外部から給水する給水ポンプ22を備えた配管45を通じて供給されている。そして、増湿塔8の下部に溜まった給水は、増湿器である増湿塔8に散布する水を供給する給水系統を構成する増湿塔循環水ポンプ24を備えた配管41と、増湿塔入口流量調整弁16を備えた配管42を通して前記散水ノズル8aに散布用の水を供給するようになっている。また、この給水系統を構成する配管42から分岐して、この給水系統を流れる水を系外に排出する排水系統を構成する増湿塔ブロー弁17を備えた配管26が配設されている。
タービン1を駆動して該タービン1から排出された燃焼排ガスは、煙道14を通じて大気に排出されるが、この煙道14には前記再生熱交換器11が設置されており、燃焼排ガスから熱を回収した加湿空気を、配管13を通じて燃焼器3に供給している。再生熱交換器11を経た燃焼排ガスを流下する煙道28には給水過熱器12が設置されており、増湿塔8の下部に溜まった給水を循環させている前記配管41から分岐した配管43を通じて給水過熱器12にて燃焼排ガスから熱を給水に回収した後に配管44,混合器18を通じて前記配管42に合流させて増湿塔8の散水ノズル8aに散布用の水の一部として供給するようになっている。
また、追って詳細に説明するが、配管42の増湿塔入口流量調整弁16及び配管26の増湿塔ブロー弁17の開度を制御する増湿塔制御装置101、並びに、配管47の燃料流量調整弁6の開度を制御する燃料流量制御装置102を夫々制御する上位のガスタービン制御装置100が設置されている。
上述した増湿塔を備えたタービンプラントにおいて、空気は圧縮機2で加圧された後、配管7および空気冷却器32を経て増湿塔8に供給され、この増湿塔8の内部で散水ノズル8aからの散布水によって加湿される。加湿された空気は、配管9を経て再生熱交換器11で燃焼排ガスから熱回収して昇温した後に、配管13を経て燃焼用空気として燃焼器3に供給され、配管47を通じて供給される燃料と共に燃焼される。
空気冷却器32は、圧縮機2で得られた圧縮空気から増湿塔8に供給する散布水に熱を回収する装置である。この空気冷却器32は、圧縮器2から吐出された高温の圧縮空気が増湿塔8の内部に流入した際、増湿塔内を流下する散布水と気液接触して散布水が沸騰・蒸発するのを防止するもので、増湿塔8における加湿空気に含まれる加湿量の急激な増加を防止する。圧縮空気から回収した熱量は、増湿塔8に供給する給水の予熱に用いる。給水は増湿塔8の下部から増湿塔循環水ポンプ24によって配管41を通じて空気冷却器
32へと供給され、さらに混合器18を経て給水系統を構成する配管42を通じて散布水として供給され、増湿塔8の内部に散水ノズル8aから散布される。そして、増湿塔8の水散布停止時には、配管42の増湿塔入口流量調整弁16を閉じ、排水系統を構成する配管26の増湿塔ブロー弁17を開いて、散布水を配管26を通じて系外にブローする。また、増湿塔8の水散布開始時には、逆に、配管42の増湿塔入口流量調整弁16を開き、配管26の増湿塔ブロー弁17を閉じる。
増湿塔8は、塔内に封入された充填物8bを介して圧縮空気を加湿する装置である。塔上部の散水ノズル8aから噴霧した散布水は充填物8bの表面上を流下しながら、気液接触により圧縮空気を飽和点まで加湿して加湿空気を生成する。
増湿塔8に供給する給水は該増湿塔8の内部に貯蔵された給水を用い、増湿塔循環水ポンプ24を駆動して配管43,配管44,配管42を通じて給水加熱器12と増湿塔8とを循環する構成、或いは、増湿塔循環水ポンプ24を駆動して配管41,配管42を通じて空気冷却器32と増湿塔8とを循環する構成とし、増湿塔8の塔内底部に貯蔵した給水が所定量より不足した場合に給水ポンプ22を用いて補給するようにしている。
また、再生熱交換器11では、増湿塔8から送給される加湿空気にタービン1から煙道14を通じて流下する燃焼排ガスから熱回収して加熱する。この熱回収によって加湿空気はタービンの燃焼排ガスの温度付近まで上昇する。
燃焼器3では、再生熱交換器11で加熱された加湿空気、すなわち燃焼用空気と、燃料ポンプ5で加圧して配管47を通じて供給された燃料とを混合して燃焼する。燃料流量は燃料流量調整弁6で制御する。燃焼器3で発生した燃焼ガスは、ガスタービン1を駆動した後に煙道14,煙道28を経てタービン系外へ排気される。タービン系外に排気された燃焼排ガスの熱エネルギーの一部は再生熱交換器11で回収して加湿空気の加熱に用いる。
給水加熱器12は、再生熱交換器11を経た燃焼排ガスからさらに熱を回収する装置であり、給水加熱器12で熱回収された給水は配管44,混合器18,配管42を通じて増湿塔8に散布水の一部として供給されるようになっている。
ガスタービン1で得られた駆動力はシャフト20を通じて圧縮機2及び発電機4を駆動するが、この駆動力の一部は圧縮機2において空気の加圧に用い、発電機4では駆動力を電力に変換する。
本発明の実施例である増湿塔を有するガスタービンシステムの制御方法について説明する。
図1及び図2において、ガスタービン制御装置100は、中央給電指令所からの負荷要求指令(Unit Demand:UD)を受けて、ガスタービンシステムの発電出力指令(Mega Watt Demand:MWD) を演算する装置である。一般にUDは、系統に接続した大規模工場の電力使用計画量や気象条件,季節,時刻などの変動要因を元に、系統内の各発電プラントに向けて送出される出力指令を指す。UDの波形には矩形波や三角波などがあり、各発電プラントでは、この信号波形になるべく近い形で運用することが望ましい。
一方、各発電プラントにおいては、プラントの性能,安全上の制限などから負荷変化率・運用負荷帯が定められている。そこで、各発電プラントでは、前記ガスタービン制御装置100でUDを入力し、プラントが定める負荷変化率,運用負荷帯に沿って、変化率制限(レートリミッタ),上下限制限などの信号処理を施すが、この信号処理後の信号が
MWDである。
燃料流量制御装置102は、前記ガスタービン制御装置100で求めたMWDを受けて、ガスタービンシステムの発電出力及び発電機の周波数(タービン回転数)を制御する装置である。増湿塔を備えていない従来の一般的なガスタービンシステムと同様、本実施例の増湿塔を備えたガスタービンシステムにおいても、発電出力,タービン回転数は燃料流量によって制御する。すなわち、発電出力を増加(負荷上昇)する場合には燃料流量を増量し、逆に出力を減少(負荷低下)する場合には燃料流量を減量する。従って、MWDに応じて燃料調整弁開度信号Vfを計算し、本信号Vfに基づき燃料流量調整弁6の開度を制御する。なお、発電出力の増加・減少に伴い回転数もわずかながら増減することから、回転数の管理値との偏差に応じても燃料流量を増減する。
なお、燃料流量制御装置102には、各種ガスタービンの保護手段や起動停止に必要な各種制御手段も含まれる。保護手段の一例に、タービンの排気温度が上昇して管理値を超えた場合に燃料流量を減量する排気温度制御があり、起動停止手段の一例には、ガスタービン起動時の回転数上昇を制御する昇速制御がある。排気温度制御ではタービン排気温度、昇速制御ではタービン回転数を計測して燃料流量を制御する。
一方、増湿塔制御装置101には、入力データとして、ガスタービン制御装置100からの発電量指令MWDと、混合器18の出口の配管42に設けた温度検出器Twで検出された散布水温度計測値Twと、増湿塔8の出口の配管9に設けた温度検出器Taで検出された加湿空気温度計測値Taと、ガスタービンのシャフト20の回転数を検出する回転数検出器Nで検出されたタービン回転数計測値Nと、圧縮機2の出口の配管7に設けた圧力検出器Pcで検出された圧縮空気圧力計測値Pcと、配管47に設けた燃料流量計Gfで検出された燃料流量計測値Gfとが入力され、給水系統を構成する配管42に設置された増湿塔入口流量調整弁16の開度指令V1、及び排水系統を構成する配管26に設置された増湿塔ブロー弁17の開度指令V2を出力する。
次に、増湿塔制御装置101における開度指令V1,V2の計算アルゴリズムを、図2を用いて説明する。
空気流量計算手順110では、圧縮機2の出口の空気圧力Pc及びガスタービンのシャフト20の回転数Nの計測値から、予め関数として入力してある圧縮機特性曲線を用いて圧縮機2の出口空気流量、すなわち増湿塔8の入口空気流量Gaを求める。前記圧縮機特性曲線は圧縮機の形式(軸流,遠心式)および圧縮機の性能により定まる。前記空気流量計算手順110による空気流量Gaの演算には、空気圧力Pcの計測値に代えて空気流量の検出値を利用してもよい。また、空気流量Gaの概算値を演算する場合には、回転数Nが一定であることを前提にして空気圧力Pcの計測値を単独に用いても可能である。
次に、最大空気加湿量計算手順111では、増湿塔8の出口の配管9に設けた出口空気温度Ta,増湿塔8に散布水を供給する配管42に設けた散布水温度Tw,増湿塔8で散水する散布水流量の設定値である散布水流量Gw0,圧縮機2の出口の配管7に設けた空気圧力Pc,前記空気流量計算手順110で演算した増湿塔8の入口空気流量Gaに基づいて、加湿後の最大空気加湿量Gawを計算する。前記の概算値を演算する場合には、散布水温度Twが一定を前提にして、出口空気温度Taの計測値と空気流量計算手順110で演算した入口空気流量Gaとから演算しても可能である。
この最大空気加湿量計算手順111にて、前記最大空気加湿量Gawを厳密に計算する方法としては、熱物質収支及び充填物性能に基づく熱物質移動係数特性とから推定する方法があるが、より簡便な計算方法として、空気の飽和圧力Psから数1を用いて空気加湿量Gawを求めても良い。
Figure 0004648152
このとき、空気の飽和圧力Psは飽和蒸気表fstm_sat 及び増湿塔出口空気温度Taあるいは散布水温度Twから数2を用いて求める。
(数2)
Ps=fstm_sat(max(Ta,Tw))
空気温度Taに対して散布水温度Twが高い場合には、散布水が空気を加温することにより空気温度が加湿水温度Twに近づくと考えられる。そのため、数2では飽和圧力の計算にTaとTwのうち高い数値を採用している。なお、実現象では加湿水からの空気への伝熱には時間遅れを伴う。そのため、数1の最大空気加湿量Gawは、空気が含みうる湿分の将来値に相当する。
次に、加湿後燃空比計算手順112では、燃料流量計Gfで検出された燃料流量Gf、前記空気流量計算手順110で演算した空気流量Ga及び前記最大空気加湿量計算手順
111で演算した最大空気加湿量Gawに基づいて、数3を用いて加湿後の燃空比rFAwを求める。
Figure 0004648152
次に、加湿後失火限界燃空比計算手順113では、前記燃料流量Gf,空気流量Ga及び最大空気加湿量Gawに基づいて、燃焼器3が失火すると考えられる燃空比(失火限界燃空比)rFAwxを求める。なお、rFAwxは予め関数として入力してある図4に示す特性関数あるいは特性テーブルと、燃料流量Gfとの関係から求める。尚、前記加湿後失火限界燃空比計算手順113では、上記演算に代えて、予め設定してある燃料流量Gfに対応した失火限界燃空比の設定値rFAwx0を用いてもよい。
次に、増湿塔起動指令計算手順114では、前記加湿後燃空比計算手順112で演算した加湿後燃空比rFAw、加湿後失火限界燃空比計算手順113で演算した失火限界燃空比rFAwx、或いは失火限界燃空比の設定値rFAwx0に基づいて、現在時刻における増湿塔8の運転指令状態V0′から次時刻における増湿塔8の運転指令状態V0を求める。
前記運転指令V0を決定する方法について、図3を用いて説明する。図3では、現在時刻の増湿塔8の状態V0′と、現在時刻の燃焼器3における燃空比の失火までの余裕度
(燃空比マージン)ΔrFAを、ΔrFA=rFAw−rFAwxとして算出し、この
ΔrFAの値に基づいて、次時刻の増湿塔の状態V0を決定している。
燃空比マージンΔrFAが、設定値ΔrFA1よりも大きく(ΔrFA>ΔrFA1)、且つ、増湿塔8の運転が停止している場合には、増湿塔8の運転を起動状態(V0=起動)とする。増湿塔8を起動すると、燃焼空気中の湿分量が急激に上昇して燃空比ΔrFAが過渡的に低下する。そこで、過渡的な燃空比低下の絶対値をΔrFA1とすれば、
ΔrFAがΔrFA1よりも大きい場合には、燃空比マージンΔrFAは常に正となる。すなわち、燃空比の過渡的な低下によっても燃焼器3は失火することなく増湿塔8の運転を安全に起動できる。
また、燃空比マージンΔrFAが、設定値ΔrFA0よりも小さく(ΔrFA≦
ΔrFA0)、且つ、増湿塔8が起動している場合には、増湿塔8の運転を停止状態
(V0=停止)とする。増湿塔8を停止すると、燃焼空気中の湿分量が急激に低下して燃空比ΔrFAが過渡的に上昇する。そこで、ΔrFA0を燃空比ΔrFAの推定誤差の絶対値とすると、ΔrFAがΔrFA0を下回らない範囲で増湿塔8の運転を停止することにより、増湿塔8が起動中における燃焼器3の失火を防ぐことができる。
増湿塔8の加湿開始前後の燃焼器3における燃空比と、失火限界燃空比及びマージンの関係を図4に示す。図において、横軸は燃料流量Gf、縦軸は燃空比を示し、rFAは燃焼器3における加湿の無い燃空比を、rFAwは加湿後燃空比を、rFAwxは加湿後失火限界燃空比を夫々表す。そして、増湿塔8を起動すると、燃焼器3における燃空比の値は、rFAからrFAwへと低下する。rFAwがrFAwxを下回る点A以下となる燃料流量で増湿塔8を起動した場合には、燃焼器3が失火する。そのため、増湿塔8の運転起動時にはマージンΔrFAが閾値(本実施例ではΔrFA1)以上となった場合に増湿塔8からの加湿を開始する。加湿により、燃空比は線分B(rFAの線上でb1からb2を通り、rFAwの線上のb3に至る太線で示した線分)に示す特性で変化する。増湿塔からの加湿を開始した場合には過渡的に燃空比がrFAwより小さな値となるが、マージンとしてΔrFA1を設定しており燃焼器への失火は防ぐことができる。尚、線分B上でb2,b3は加湿開始点を示す。
一方、増湿塔8の運転を停止すると、燃焼器内の燃空比はrFAwからrFAへと上昇するため、rFAwがrFAwxを下回る点Aより大きな値の空燃比の領域で増湿塔8の運転を停止する必要がある。そこで、増湿塔8の運転停止時においてもマージンΔrFAが閾値(本実施例ではΔrFA0)以下となった場合に増湿塔8からの加湿を停止する。このときの燃空比は線分C(rFAwの線上でc1からc2を通り、rFAの線上のc3に至る太線で示した線分)に示す特性となる。尚、線分C上でc2,c3は加湿停止点を示す。
なお、ΔrFA0に対してΔrFA1を大きく設定する理由は、増湿塔8の運転起動時の過渡状態において、燃空比が、計画された静的安定点を下回る(アンダーシュート)ことが原因である。燃料流量の過渡的なアンダーシュートにより、マージンΔrFAはさらに小さくなる。本実施例ではこのアンダーシュート量を考慮しΔrFA0に比してΔrFA1を大きく設定している。なお、アンダーシュートについては後述する。
再び図2を用いて説明する。
記憶手段115は、現在の時刻tにおける増湿塔8の状態を記憶するメモリを表す。増湿塔入口流量調整弁開度指令計算手順116は、現在の増湿塔8の状態V0′に基づいて増湿塔入口流量調整弁16の開度を求め、開度指令V1として増湿塔入口流量調整弁16の駆動装置に送信する。また、増湿塔ブロー弁開度指令計算手順117は、数4及び数5を用いて開度指令V1から増湿塔ブロー弁17の開度を求め、開度指令V2として増湿塔ブロー弁17の駆動装置に送信する。
(数4)
V1=V0
(数5)
V2=100%−V1 (但しV1=0〜100%)
なお、本実施例では、増湿塔起動指令計算手順114に負荷指令MWDを入力している。これは、規定負荷以下において燃空比マージンが閾値を超えた場合(例えばタービン起動の際の昇速運転中)に、誤って増湿塔8が起動しないよう負荷に対して制限を設けたものである。
本発明の実施例である高湿分ガスタービンシステムの負荷運転でタービン負荷を最低負荷から定格負荷に増加、又は定格負荷から最低負荷に減少する場合における増湿塔制御装置101の制御状況を、図5を用いて説明する。
図5において、本発明を適用した場合の実施例である高湿分ガスタービンシステムの負荷運転制御では、タービン負荷を最低負荷から定格負荷に増加、又は定格負荷から最低負荷に減少する場合の発電出力指令(MWD)に応じて増湿塔8の運転を制御して散布水量(Gw0)をゼロから所定の流量に、又は所定の流量からゼロに切り替える。具体的には、増湿塔制御装置101において、ガスタービン制御装置100からの発電量指令MWDと、加湿後燃空比計算手順112で演算した加湿後の燃空比rFAwと、加湿後失火限界燃空比計算手順113で演算した失火限界の燃空比rFAwxとから、増湿塔起動指令計算手順114にて現在時刻tにおける増湿塔8の運転指令状態V0′から次時刻における増湿塔8の運転指令状態V0を求める。そして、燃空比の失火までの余裕度(燃空比マージン)ΔrFAを考慮して次時刻t02又はt1の増湿塔の状態V0を決定して増湿塔8の運転を安全に起動又は停止することによって燃焼器3の失火を防いでいる。
そして、この増湿塔入口流量調整弁開度指令計算手順116で増湿塔入口流量調整弁
16の開度を求めて開度指令V1として次時刻t02又はt1に増湿塔入口流量調整弁
16を制御し、また、増湿塔ブロー弁開度指令計算手順117で増湿塔ブロー弁17の開度を求めて次時刻t02又はt1に開度指令V2を制御する。
また、上述した各制御機器により増湿塔8の運転を行う増湿塔入口流量調整弁16及び増湿塔ブロー弁17の開度を制御するタイミングは以下の通りである。
最低負荷から定格負荷への負荷上昇時には、MWDに応じてタービン負荷である発電出力MWが増加し始める時刻t02よりT2時間だけ早い時刻t2において増湿塔8の散布水をゼロから定格の流量に対応した開度指令V1で先行して増加させ散布を開始する。そのため、時刻t2で開度指令V1を0%から100%に切り替え、当該切り替えに伴い、開度指令V2は100%から0%となる。そうすると、増湿塔8の出口における空気加湿量Gawが時刻t2から徐々に増加するので、発電出力MWの増加に応じた燃料流量Gfの増量に対応して負荷追従性が向上し、燃焼ガス温度や排気ガス温度には変化を与えずにほぼ一定に保持できる。よって、MWDとタービン負荷の発電出力(MW)との間に生じる偏差を大幅に抑制できる。なお、本実施例の制御では、発電出力を最低負荷から定格負荷に負荷上昇させる際の代表的な負荷変化率である8.3%/minの場合、負荷指令の出力に対して実出力との偏差(通常約15%の偏差発生)を20%以上も低減することができ、大きな改善効果を得られた。
次に、定格負荷から最低負荷への負荷減少時には、MWDに応じてタービン負荷である発電出力MWが減少し始める時刻t01よりT1時間遅い時刻t1から増湿塔8の散布水を定格の流量よりゼロに対応した開度指令V1で後行して減少させ散布を停止する。そうすると、増湿塔内に残留する散布水が負荷変化中の時刻t1から除々に蒸発するので、増湿塔8の出口における空気加湿量Gawが時刻t1から定格より徐々に減少して、燃料流量のアンダーシュート幅は小さくなり、発電出力MWの減少に応じた燃料流量Gfの減量に対応でき、燃焼ガス温度や排気ガス温度には大きな変化を与えずにほぼ一定に保持できる。よって、MWDとタービン負荷の発電出力(MW)との間に生じる偏差を大幅に抑制できる。
したがって、燃焼器の燃空比は常に失火限界を回避した値に保持され、タービンのトリップは防止される。
なお、本実施例の増湿塔制御装置101では、空気流量Gaを計算する手段として空気流量計算手順110を設けたが、圧縮機入口あるいは圧縮機出口から燃焼器入口までの空気配管に流量計を設け、この流量計測結果から増湿塔入口における乾燥空気の流量Gaを求めてもよい。
また、同じく本実施例の増湿塔制御装置101では、最大空気加湿量Gawを計算する手段として最大空気加湿量計算手順111を設けたが、増湿塔出口から燃焼器入口までの空気配管に湿度計,露点計を設け、これら計測結果から増湿塔出口における最大空気加湿量Gawを求めてもよい。
なお、本実施例の高湿分ガスタービン装置では、空気冷却器32及び給水加熱器12からの散布水を混合器18で混合し、増湿塔入口流量調整弁16及び増湿塔ブロー弁17で増湿塔8への流路を切り替えたが、流量調整弁16及びブロー弁17をそれぞれ混合器
18の上流に配し、これらの弁の切り替えにより増湿塔を起動・停止する構成としてもよい。
次に、本発明の実施例である高湿分ガスタービンシステムの負荷運転でタービン負荷を部分負荷L1から定格負荷に増加、又は定格負荷から部分負荷L1に減少する場合における増湿塔制御装置101の制御状況を、図6を用いて説明する。
図6において、タービン負荷を部分負荷L1から定格負荷に増加、又は定格負荷から部分負荷L1に減少する場合の発電出力指令(MWD)に応じて増湿塔8の運転を制御して散布水量(Gw0)をGw01から所定の流量に、又は所定の流量からGw01に切り替える。具体的には、増湿塔制御装置101において、ガスタービン制御装置100からの発電量指令MWDと、加湿後燃空比計算手順112で演算した加湿後の燃空比rFAwと、加湿後失火限界燃空比計算手順113で演算した失火限界の燃空比rFAwxとから、増湿塔起動指令計算手順114にて現在時刻tにおける増湿塔8の運転指令状態V0′から次時刻における増湿塔8の運転指令状態V0を求める。そして、燃空比の失火までの余裕度(燃空比マージン)ΔrFAを考慮して次時刻t2′又はt1′の増湿塔の状態V0を決定して増湿塔8の運転を安全に起動、又は停止することによって燃焼器3の失火を防いでいる。
そして、この増湿塔入口流量調整弁開度指令計算手順116で増湿塔入口流量調整弁
16の開度を求めて開度指令V1として次時刻t02′又はt1′に増湿塔入口流量調整弁16を制御し、また、増湿塔ブロー弁開度指令計算手順117で増湿塔ブロー弁17の開度を求めて次時刻t02′又はt1′に開度指令V2を制御する。
また、上述した各制御機器により増湿塔8の運転を行う増湿塔入口流量調整弁16及び増湿塔ブロー弁17の開度を制御するタイミングは以下の通りである。
部分負荷L1から定格負荷への負荷上昇時には、MWDに応じてタービン負荷である発電出力MWが増加し始める時刻t02′よりT2′時間早い時刻t2′において増湿塔8の散布水をGw01から所定の流量に対応した開度指令V1で増加させて先行して散布を開始する。そのため、時刻t2′で開度指令V1は散布水量Gw01だけ供給するために必要な開度から、100%に切り替える。当該切り替えに伴い、開度指令V2は数5に基づいてその開度を変更する。そうすると、増湿塔8の出口における空気加湿量Gawが時刻t2′からGaw1より徐々に増加するので、発電出力MWの増加に応じた燃料流量
Gfの増量に対応して負荷追従性が向上し、燃焼ガス温度や排気ガス温度には変化を与えずにほぼ一定に保持できる。よって、MWDとタービン負荷の発電出力(MW)との間に生じる偏差を大幅に抑制できる。
次に、定格負荷から部分負荷L1への負荷減少時には、MWDに応じてタービン負荷である発電出力MWが減少し始める時刻t01′よりT1′時間遅い時刻t1′において増湿塔8の散布水を定格の流量よりGw01に対応した開度指令V1で後行して減少させ散布水量を減じる。そのため、時刻t1′で開度指令V1は100%から散布水量Gw01だけ供給するために必要な開度に切り替える。当該切り替えに伴い、開度指令V2は数5に基づいてその開度を変更する。そうすると、増湿塔内の散布水が負荷変化中の時刻
t1′から徐々に蒸発するので、増湿塔の出口における空気加湿量Gawが時刻t1′から定格よりGaw1に徐々に低下して、燃料流量のアンダーシュート幅は小さくなり、発電出力MWの減少に応じた燃料流量Gfの減量に対応でき、燃焼ガス温度や排気ガス温度には大きな変化を与えずにほぼ一定に保持できる。よって、MWDとタービン負荷の発電出力(MW)との間に生じる偏差を大幅に抑制できる。
したがって、燃焼器の燃空比は常に失火限界を回避した値に保持され、タービンのトリップは防止される。
以上のように本実施例では、増湿器である増湿塔8に散布する水を供給する給水系統
42と、給水系統42から分岐してこの給水系統の水を系外に排出する排水系統26とを配設し、加湿後燃空比計算手順112から得られる燃焼器3における燃空比rFAwを演算して、この燃空比が失火限界となる燃空比rFAwxよりも大きくなるように給水系統及び排水系統の少なくとも一方の系統を流れる水の流量を制御している。即ち、図4において増湿塔を起動した場合、燃焼器3における加湿のない燃空比rFA(点b2)が、本来予測される加湿後燃空比rFAw(点b3)より低下した場合でも、失火限界となる燃空比rFAwxより大きくなるように給水系統を構成する配管42、及び排水系統を構成する配管26の少なくとも一方の系統を流れる水の流量を制御する。そのため、発電出力MWの増加に応じた燃料流量Gfの増量に対応して増湿塔の起動・停止を含めた広い運用負荷帯内での負荷追従性が大幅に向上し、燃焼ガス温度や排気ガス温度には変化を与えずにほぼ一定に保持できる。よって、MWDとタービン負荷の発電出力(MW)との間に生じる偏差を大幅に抑制できる。
また、本実施例では、増湿塔8に散布する水を供給する給水系統42と、増湿塔8をバイパスして給水系統の水を系外に排出する排水系統26とを配設し、増湿塔8である増湿器から燃焼器3に供給される加湿空気の空気温度Taに基づき加湿量を演算し、この加湿量に基づき燃焼器3における燃空比を演算して、この燃空比が失火限界となる燃空比よりも大きくなるように給水系統及び排水系統の少なくとも一方の系統を流れる水の流量を制御している。即ち、図2において空気加湿量を計算する際に、散布水温度Twを一定として、数1及び数2に基づき、加湿空気の空気温度Taのみで簡易に空気加湿量Gawを求めることが可能である。
また、本実施例では、増湿塔8に散布する水を供給する給水系統42と、増湿塔8をバイパスして給水系統の水を水回収装置29に排出する排水系統26とを配設し、燃焼器における燃空比を、燃焼器3への燃料流量Gf,圧縮機2から吐出される空気圧力Pc、及び増湿器である増湿塔8から燃焼器3に供給される空気温度Taによる加湿量Gawに基づいて演算し、この燃空比が失火限界となる燃空比よりも大きくなるように給水系統及び排水系統の少なくとも一方の系統を流れる水の流量を制御する。このように、図2において、空気流量計算手順110で増湿塔8の入口空気流量Gaを求める際に、タービン回転数Nが一定であることを前提にすることで簡易に空気流量Gaを計算しておくことが出来る。
また、本実施例では、増湿塔8に散布する水を供給する給水系統42と、増湿塔8をバイパスして給水系統の水を水回収装置29に排出する排水系統26とを配設し、燃焼器3における燃空比を、燃焼器3への燃料流量Gf,圧縮機2から吐出される空気圧力Pc、及び増湿器である増湿塔8から燃焼器3に供給される空気温度Taから算出される加湿量Gawに基づいて演算し、失火限界となる燃空比の値には加算すべき閾値としてΔrFAを設定し、この閾値は燃焼器3の燃料流量を増加する場合の閾値ΔrFA1が燃料流量を減少する場合の閾値ΔrFA2よりも大きくなるよう設定し、この演算した燃空比が失火限界の燃空比に閾値を加算した値よりも大きくなるように、給水系統及び排水系統の少なくとも一方の系統を流れる水の流量を制御する。即ち、燃焼器3の燃料流量を増加する場合の閾値ΔrFA1が燃料流量を減少する場合の閾値ΔrFA2よりも大きくなるよう設定することで、増湿塔8の運転起動時の過渡状態において燃空比が計画された静的安定点を下回っても(アンダーシュート)、燃焼器の燃空比が失火限界燃空比を下回らないようにすることが可能である。
また、本実施例では、増湿塔8に散布する水を供給する給水系統42と、増湿塔8をバイパスして給水系統の水を水回収装置29に排出する排水系統26とを配設し、水回収装置29で回収した水を水回収装置29から増湿塔8に供給する供給水系統である配管45を配設し、燃焼器3に供給する燃料の流量を計測する燃料流量検出器Gfと、圧縮機2から吐出される圧縮空気の圧力を計測する空気圧力検出器Pcと、増湿塔8から燃焼器3に供給される空気温度を計測する空気温度検出器Taを夫々設置し、燃焼器における燃空比を、これらの各検出器で検出された燃料流量,空気圧力、及び空気温度による加湿量に基づいて演算して、この燃空比が失火限界となる燃空比よりも大きくなるように給水系統及び排水系統の少なくとも一方の系統を流れる水の流量を制御する。このように、増湿塔8をバイパスして給水系統の水を水回収装置29に排出する排水系統26を配設し、水回収装置29で回収した水を水回収装置29から増湿塔8に供給する供給水系統である配管
45を備えることで、燃焼器3で燃料の燃焼により生成された水分を燃焼排ガスから回収しているため、ガスタービンシステムの系外から供給する水量を低減することが出来る。
また、本実施例では、増湿塔8に散布する水を供給する給水系統42と、増湿塔8をバイパスして給水系統の水を系外に排出する排水系統26とを配設し、燃焼器3に供給する燃料の流量を計測する燃料流量検出器Gfと、圧縮機2から吐出される圧縮空気の圧力を計測する空気圧力検出器Pcと、増湿塔8から燃焼器3に供給される空気温度を計測する空気温度検出器Taを夫々設置し、燃焼器における燃空比を、これらの各検出器で検出された燃料流量,空気圧力、及び空気温度による加湿量に基づいて演算して、この燃空比が失火限界となる燃空比よりも大きくなるように給水系統及び排水系統の少なくとも一方の系統を流れる水の流量を制御する。このように、図2において、空気流量計算手順110で増湿塔8の入口空気流量Gaを求める際に、タービン回転数Nが一定であることを前提にすることで簡易に空気流量Gaを計算しておくことが出来る。
また、本実施例では、増湿塔8に散布する水を供給する給水系統42と、増湿塔8をバイパスして給水系統の水を系外に排出する排水系統26とを配設し、タービンの負荷増加時に、給水系統42、及び排水系統26の少なくとも一方の系統を流れる水の流量を、負荷増加に先行させて増加させ、タービンの負荷減少時に、給水系統42、及び排水系統
26の少なくとも一方の系統を流れる水の流量を、負荷減少に後行させて減少させるように制御する。即ち、図5に示すように、負荷増加(発電出力の増加)させるt02より
T2時間だけ先行させて給水系統42を流れる水の流量を増加させている。そうすると、増湿塔8の出口における空気加湿量Gawが時刻t2から徐々に増加するので、発電出力MWの増加に応じた燃料流量Gfの増量に対応して負荷追従性が向上し、燃焼ガス温度や排気ガス温度には変化を与えずにほぼ一定に保持できる。よって、MWDとタービン負荷の発電出力(MW)との間に生じる偏差を大幅に抑制できる。また、負荷減少(発電出力の減少)させるt01よりT1時間だけ後行させて給水系統42を流れる水の流量を減少させている。そうすると、増湿塔内に残留する散布水が負荷変化中の時刻t1から除々に蒸発するので、増湿塔8の出口における空気加湿量Gawが時刻t1から定格より徐々に減少して、燃料流量のアンダーシュート幅は小さくなり、発電出力MWの減少に応じた燃料流量Gfの減量に対応でき、燃焼ガス温度や排気ガス温度には大きな変化を与えずにほぼ一定に保持できる。よって、MWDとタービン負荷の発電出力(MW)との間に生じる偏差を大幅に抑制できる。燃焼器の燃空比は常に失火限界を回避した値に保持され、タービンのトリップは防止される。
本発明の高湿分ガスタービンシステム及び制御装置の第2の実施例を図7に示す。
図7において、本件第2の実施例における高湿分ガスタービンシステムは、図1に示した第1の実施例における高湿分ガスタービンシステムと基本構成は共通しているのでこれら共通した基本構成の説明、並びに図5,図6に関する高湿分ガスタービンシステムの負荷運転制御の状況の説明は省略して、相違している部分につき以下に説明する。
この第2の実施例では、増湿塔停止時に不要となる増湿塔8への散布水を回収する水回収装置29と、増湿塔8での散布が不要となった散布水を配管26を通じて水回収装置
29に供給する系統を備えたものである。水回収装置29では、排ガス中に含まれる水分、すなわち増湿塔8で加湿した空気加湿分及び燃焼器3で燃料の燃焼により生成された水分を燃焼排ガスから回収する。前記水回収装置29は水を貯留するタンクの機能を有し、貯留した下部水を給水ポンプ34,熱交換器33,除熱装置35,配管48を通じて供給し、ノズル30から水回収装置29の内部で散布して、排ガス中の水分を凝縮・落下させて水を回収する。また、燃焼排ガスは煙道28を通じて水回収装置29に導かれた後に排気塔31から外部に排出される。また、水回収装置29からは貯留した下部水を配管45を通じて給水として増湿塔8の底部に供給している。
本実施例の高湿分ガスタービンシステムでは、増湿塔8の運転停止時には増湿塔入口流量調整弁16を閉じる一方、増湿塔ブロー弁17を開くことにより、増湿塔8では不要となった散布水を配管26を通じて水回収装置29にブローする。また、水回収装置29に貯留された水は配管45に備えられた給水ポンプ22により増湿塔8に供給して、水回収装置29と増湿塔8との間を給水が循環する構成とする。そして、給水循環時には空気冷却器32及び給水加熱器12で回収した熱により散水ノズル8aから散布される噴霧水温度が上昇するので、本実施例では水回収装置29内の給水を熱交換器33及び除熱装置
35で冷却する構成とし、除熱した給水を装置上部から散布している。
本実施例により、ガスタービンの負荷変化への追従性を大幅に向上する増湿塔を備えたガスタービンシステム、及びその運転方法を提供することができる。
本発明の実施例によれば、増湿塔の起動・停止を含めた広い運用負荷帯内で燃焼器における燃空比を考慮した増湿塔運転が可能となる。そのため、増湿塔起動時及び停止時を含めた広い運用負荷帯内におけるガスタービン燃焼器の燃焼安定性が保証される。また、燃料流量に応じた増湿塔起動停止運転が可能となる。特に高湿分ガスタービンシステムは、その特性として負荷変化時に燃料流量が静的な安定点に対して行き過ぎる特性となるため、負荷変化時にこの特性を利用して増湿塔への先行的な水散布が可能となる。その結果、負荷追従性が向上する。また、増湿塔の起動・停止状態にかかわらずプラントを負荷運転することが可能となり、より柔軟なプラント運用が可能となる。
増湿塔を有するガスタービンシステムに適用可能である。
本発明の一実施例である高湿分ガスタービンプラントを示すプラント構成図。 本発明の実施例である図1の高湿分ガスタービンプラントに適用する増湿塔制御装置の一例を示す制御構成図。 本発明の実施例である図2の増湿塔制御装置による増湿塔の運転の概略を示す説明図。 本発明の実施例である図2の増湿塔制御装置による増湿塔の運転の概略であるガスタービン燃焼器の燃空比と失火限界との関係を示す説明図。 本発明の実施例である図2の増湿塔制御装置による高湿分ガスタービンプラントと増湿塔の運転状況との関係を示す制御特性図。 本発明の実施例である図2の増湿塔制御装置による高湿分ガスタービンプラントと増湿塔の運転状況との関係を示す部分負荷運転時の制御特性図。 本発明の他の実施例における高湿分ガスタービンプラントを示すプラント構成図。
符号の説明
1…タービン、2…圧縮機、3…燃焼器、4…発電機、5…燃料ポンプ、6…燃料流量調整弁、7…配管、8…増湿塔、8a…散水ノズル、8b…充填物、10…水位調整弁、11…再生熱交換器、12…給水加熱器、9,13,26,41,44,45,47,
48…配管、14,28…煙道、16…増湿塔入口流量調整弁、17…増湿塔ブロー弁、18…混合器、20…シャフト、22,34…給水ポンプ、24…増湿塔循環水ポンプ、29…水回収装置、30…ノズル、31…排気塔、32…空気冷却器、33…熱交換器、35…除熱装置、100…ガスタービン制御装置、101…増湿塔制御装置、102…燃料流量制御装置、110…空気流量計算手順、111…最大空気加湿量計算手順、112…加湿後燃空比計算手順、113…加湿後失火限界燃空比計算手順、114…増湿塔起動指令計算手順、115…記憶手段、116…増湿塔入口流量調整弁開度指令計算手順。

Claims (2)

  1. 空気を圧縮する圧縮機と、燃料と空気を燃焼させる燃焼器と、該燃焼器で燃焼した燃焼ガスにより駆動するタービンと、該圧縮機で圧縮した空気を加湿して前記燃焼器に加湿空気を供給する増湿器を備えたガスタービンシステムにおいて、
    前記増湿器に散布する水を供給する給水系統と、該増湿器をバイパスして該給水系統の水を前記水回収装置に排出する排水系統とを配設し、
    前記燃焼器における燃空比を、燃焼器への燃料流量,圧縮機から吐出される空気圧力、及び増湿器から燃焼器に供給される空気温度から算出される加湿量に基づいて演算し、失火限界となる燃空比の値には加算すべき閾値を設定し、前記閾値は燃焼器の燃料流量を増加する場合の閾値が燃料流量を減少する場合の閾値よりも大きくなるよう設定し、この演算した前記燃空比が失火限界の燃空比に閾値を加算した値よりも大きくなるように、前記給水系統、及び排水系統の少なくとも一方の系統を流れる水の流量を制御することにより前記増湿器の水散布の運転を行う制御装置を設けたことを特徴とするガスタービンシステム
  2. 空気を圧縮する圧縮機と、燃料と空気を燃焼させる燃焼器と、該燃焼器で燃焼した燃焼ガスにより駆動するタービンと、該圧縮機で圧縮した空気を加湿して前記燃焼器に加湿空気を供給する増湿器を備えたガスタービンシステムの運転方法において、
    前記燃焼器における燃空比を燃焼器への燃料流量,圧縮機から吐出される空気圧力、及び増湿器から燃焼器に供給される空気温度から算出される加湿量に基づいて演算し、失火限界となる燃空比の値には加算すべき閾値を設定し、前記閾値は燃焼器の燃料流量を増加する場合の閾値が燃料流量を減少する場合の閾値よりも大きくなるよう設定し、この演算した前記燃空比が失火限界の燃空比に該閾値を加算した値よりも大きくなるように、前記給水系統、及び排水系統の少なくとも一方の系統を流れる水の流量を制御することによって前記増湿器の水散布の運転を行うことを特徴とするガスタービンシステムの運転方法
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