JP2000230432A - ガスタービン発電プラント - Google Patents

ガスタービン発電プラント

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JP2000230432A
JP2000230432A JP3231699A JP3231699A JP2000230432A JP 2000230432 A JP2000230432 A JP 2000230432A JP 3231699 A JP3231699 A JP 3231699A JP 3231699 A JP3231699 A JP 3231699A JP 2000230432 A JP2000230432 A JP 2000230432A
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Japan
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gas turbine
humidifier
water
power plant
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JP3231699A
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Yasuko Ajiro
泰子 網代
Masahiko Yamagishi
雅彦 山岸
Nobuhiro Seiki
信宏 清木
Shigeo Hatamiya
重雄 幡宮
Mitsugi Nakahara
中原  貢
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラントの負荷変動に対して供給される湿分の
応答特性を早めて、プラントの負荷変動に関わらず省燃
費,低NOx化を実現するガスタービン発電プラントを
供給する。 【解決手段】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮
された空気に水を噴霧する第1の加湿装置と、該第1の
加湿装置で加湿された空気と燃料とを燃焼させる燃焼器
と、該燃焼器で燃焼された燃焼ガスで駆動されるガスタ
ービンと、該ガスタービンから排出される排ガスと前記
第1の加湿装置を経た加湿された空気とを熱交換させる
熱交換器と、該熱交換器を経た排ガスと前記第1の加湿
装置に導かれる水とを熱交換する給水加熱器と、前記第
1の加湿装置を経て前記熱交換器に導かれる加湿された
空気に水を噴霧する第2の加湿装置とを備えたガスター
ビン発電プラント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、増湿塔を用いた高
湿分ガスタービン発電プラントに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高湿分ガスタービン(以下HAT
と称する)発電プラントが注目されている。このHAT
発電プラントとは、技術的には熱交換器と増湿塔をガス
タービンに組合せて構成されたもので、これまでガスタ
ービンと蒸気タービンとを組合せた複合サイクルと比
べ、省燃費,低NOx化と、サイクルの単一化による操
作性,信頼性の向上が期待できる。このようなHAT発
電プラントについては、例えば火力原子力発電Vol.4
3,No.12,P.65−70(1587)「HATサ
イクル」等に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】HAT発電プラント
は、ガスタービンの起動特性を生かしたミドルあるいは
ピーク用電源としての用途が多いと想定されるため、素
早い負荷応答特性が求められる。しかし、これまでは負
荷追従の運転制御に関して議論がされていなかった。
【0004】プラントは大別してガス系統と水系統に分
けられ、ガス系統の温度・流量の変化に応じて水系統の
温度・流量を制御する必要がある。温度と流量とは互い
に関連し合う変数なので、制御を簡単にするため、通常
は水系統の流量を一定にした運転が考えられている。こ
の時、制御の鍵となるのは増湿塔である。
【0005】増湿塔に供給される空気は、ここで噴霧さ
れる高温水と接触することで昇温及び加湿され、増湿塔
出口ではほぼ相対湿度100%の状態となる。また加湿
空気は、噴霧される水の給水温度が高いほど増湿塔出口
での温度が上昇する。また、水の蒸発量が増えるので加
湿量が多くなり、加湿空気の増湿器出口での流量は増加
する。一方、増湿塔で噴霧される高温水は蒸発潜熱を奪
われながら増湿塔内を下降し、最終的に供給空気の温度
以下まで冷却される。
【0006】ただし基礎実験から、増湿塔で噴霧される
高温水の給水温度の変化に対して、加湿空気の温度はす
ぐに応答するのに対し、加湿量の応答時間は2倍以上か
かることが判明している。また、水の増湿塔出口温度は
加湿量の増減に対応して変化するため、加湿量と同じく
応答が遅いことが判明している。すなわち、燃料流量を
増減させてプラント負荷を変化させると、ガスタービン
排ガス温度が変化し、それに対応して増湿塔の給水温度
が変化する。この時、増湿塔出口における加湿空気の温
度はすぐに変化して定常状態になるが、湿分が定常状態
になるには時間遅れが出てしまうという問題があった。
【0007】本発明の目的は、プラントの負荷変動に対
して供給される湿分の応答特性を早めて、プラントの負
荷変動に関わらず省燃費,低NOx化を実現するガスタ
ービン発電プラントを供給することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のガスタービン発電プラントは、空気を圧縮
する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された空気に水を噴霧す
る第1の加湿装置と、該第1の加湿装置で加湿された空
気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、該燃焼器で燃焼され
た燃焼ガスで駆動されるガスタービンと、該ガスタービ
ンから排出される排ガスと前記第1の加湿装置を経た加
湿された空気とを熱交換させる熱交換器と、該熱交換器
を経た排ガスと前記第1の加湿装置に導かれる水とを熱
交換する給水加熱器と、前記第1の加湿装置を経て前記
熱交換器に導かれる加湿された空気に水を噴霧する第2
の加湿装置とを備えた。
【0009】また、前記ガスタービン発電プラントは、
前記圧縮機から前記第1の加湿装置に圧縮された空気を
導く経路の途中から分岐し、前記圧縮された空気を前記
第2の加湿装置に導く分岐経路を備えた。
【0010】また、前記ガスタービン発電プラントは、
前記第1の加湿装置で噴霧され該第1の加湿装置内に貯
った噴霧水を前記第2の加湿装置の噴霧水として供給す
る供給経路を備えた。
【0011】また、前記ガスタービン発電プラントは、
前記分岐した経路を通過する圧縮空気の流量を調整する
空気流量調整装置と、前記第2の加湿装置で噴霧される
水の量を調整する噴霧水量調整装置とを備えた。
【0012】また、前記ガスタービン発電プラントは、
前記第1の加湿装置または第2の加湿装置で噴霧される
噴霧水の粒径を調整する噴霧水粒径調整装置を備えた。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の第1の実施例で
あるガスタービン発電プラントの系統図を示す。なお、
図中の実線はガス系統、点線は水系統を示す。
【0014】同図に示すようにガスタービン発電プラン
トは、ガスタービン15,発電機10,圧縮機11が一
軸に結合されており、圧縮機11で圧縮された空気1に
増湿塔13で湿分を加え、増湿・増量した加湿空気3を
燃料2とともに燃焼器14で燃焼させ、この燃焼ガスに
よりガスタービンが駆動される。この増湿塔13では圧
縮空気に湿分を加えており、燃焼ガスに多量の水分を含
ませてその重量流量を増加させている。また、水蒸気の
比熱は空気よりも大きいため、内部により多くのエネル
ギーを保有できるため、通常のガスタービンよりも出力
を増加させることができる。ここで、増湿塔13で噴霧
される高温水は蒸発潜熱を奪われながら増湿塔内を下降
し、最終的に供給空気の温度以下まで冷却される。ま
た、ガスタービン15から排出された排ガスは、再生器
16と給水加熱器17によって熱エネルギーが回収され
る。また、排ガス中の水分は水回収装置18で回収され
る。このように、水回収装置18で排ガス中の水4を回
収させることで、外部からの補給水を最小限に抑えると
ともに、熱エネルギーの回収を行い発電効率の向上を図
っている。また、燃焼用空気に含まれた湿分が燃焼時の
局所的な高温部の発生を押さえるため、サーマルNOx
の発生が減少し、プラント排出NOx量を低減すること
ができる。
【0015】本実施例では、上記の構成に加えて、増湿
塔13で加湿した空気をさらに加湿する加湿装置19
と、圧縮機11から圧縮空気の一部を加湿装置19に導
くラインXと、増湿塔13から加湿装置19に水を供給
するラインYと、このラインYに設けられたポンプ23
とを備えている。さらには、燃焼器14に供給される燃
料2の流量を調整する調整弁22a,ラインXに設けら
れ加湿装置19に供給する空気の流量を調整する調整弁
22b,ラインYに設けられ加湿装置19に供給する水
の流量を調整する調整弁22cを備えており、これら調
整弁は制御装置21によって制御される。
【0016】ここで、プラント負荷を大きくした場合に
は空気の湿分、即ち加湿量は温度に対して不足状態にな
るので、増湿塔13で加湿した空気をさらに加湿装置1
9を利用して補助的に加湿する。加湿装置19で噴霧さ
れる噴霧水は、増湿塔13の捕集水をラインYにより給
水ポンプ23にて供給される。この補助加湿により、燃
焼器入口には高負荷に対応する定常状態に近い湿分の空
気を供給できる。
【0017】この時、補助加湿はプラント負荷の上昇率
が小さい場合には水蒸気を利用してもよいが、プラント
負荷の上昇率が大きい場合には噴霧水を利用するほうが
好ましい。増湿塔出口の水の定常状態温度は、プラント
負荷が大きい場合より小さい場合のほうが高く、かつ負
荷応答性が遅い。すなわち、プラントの負荷変化直後は
給水加熱器17で回収できる熱容量が小さくなっている
ので、プラント負荷が上がってガスタービンの排ガス温
度が急激に上昇すると、一時的に給水加熱器17の給水
が沸騰し、発生した気泡によって流量が不安定になる恐
れがある。したがって、増湿塔13で加湿した空気をさ
らに加湿装置19において噴霧水で加湿することによ
り、加湿空気中の噴霧水が再生器16を通過中に蒸発し
て大きな蒸発潜熱を奪うので、給水加熱器17に供給さ
れるガス温度が下がり、給水の沸騰を防ぐことができ
る。
【0018】また、噴霧水は水回収装置18の回収水4
を利用してもよいが、増湿塔13の捕集水を利用するほ
うが好ましい。捕集水の温度は回収水よりも10〜20
℃程度高いので、加湿装置19でより多く加湿できる効
果がある。また捕集水を噴霧水に利用すると、それによ
って不足する流量分の回収水4が増湿塔13へ補給され
て、増湿塔出口の水の温度を下げることができる。すな
わち、増湿塔出口の水の温度が高負荷に対応する定常状
態により早く達する方向に働き、前述した給水の沸騰を
防ぐことができる。
【0019】一方、プラント負荷を小さくする場合には
空気の湿分は温度に対して過剰状態になるので、空気圧
縮機11で圧縮した空気の一部をラインXにて分岐し、
増湿塔13の出口と再生器16の入口とをつなぐガスラ
インの途中に供給する。圧縮空気の分岐により増湿塔1
3で加湿する空気量は少なくなるので、燃焼器14の入
口には低負荷に対応する定常状態に近い湿分の空気を供
給できる。圧縮空気の分岐は、図1では空気冷却器12
の前段で行っているが、空気冷却器12の後段で行って
もよい。
【0020】なおプラント負荷を変える場合には、湿分
調整された加湿空気が燃焼器14に達する時間遅れを算
出しておき、前述した方法による湿分調整を行ってから
算出遅延時間後に、燃焼器14に供給される燃料2の流
量を調整することが好ましい。
【0021】図5は、本実施例におけるガスタービン発
電プラントの制御ロジック図である。負荷変化要求があ
った場合には、増湿塔出口空気の絶対湿度の測定値W1
と設定値W0とを比較し、湿分が不足している場合には
不足分dWを補正するよう調整弁22cに開度指令を出
す。湿分が過剰な場合には過剰分dWを補正するよう調
整弁22bに開度指令を出す。絶対湿度の測定値W1と
測定値W0とがほぼ同等の場合には定常運転指令を出し
て調整弁22d/22cを閉じ、この状態が一定時間M
0以上続いた場合には、定常状態が達成されたと判断す
る。実際のプラントでは、流体が各々の機器間の配管を
移動するための時間遅れが生ずるので、この時間遅れを
修正するような先行制御を行うことが望ましい。
【0022】図6は、ガスタービン入口の空気湿度及び
絶対湿度の状態変化を示す図である。図中の細い実線
は、従来のガスタービン発電プラントでの空気湿度及び
絶対湿度の状態変化を示しており、負荷、即ち燃料流量
が変化することで、ガスタービン入口空気温度が急激に
上下すること、またガスタービン入口空気絶対湿度は燃
料流量の変化に対して追従性が遅いことを示している。
【0023】これに対して図中の太い実線は、本実施例
のガスタービン発電プラントによる空気湿度及び絶対湿
度の状態変化を示しており、燃料流量の変化に対してガ
スタービン入口の空気温度が急激に上下することを防止
し、負荷に対応する定常状態に早く到達できていること
がわかる。また、燃料流量の変化に対してガスタービン
入口の空気絶対湿度についても従来と比べて負荷に対応
する定常状態に早く到達できていることがわかる。
【0024】図2は、本発明の第2の実施例であるガス
タービン発電プラントの系統図である。本実施例では、
増湿塔13から給水加熱器17に水を供給するラインX
に設置された給水ポンプ23と、給水加熱器17から供
給される水を増湿塔13の捕集水へ導くラインYと、ラ
インYに設けられ増湿塔13に供給される水の流量を調
整する調整弁22dと、燃料2の流量を調整する調整弁
22aと、ポンプ23の流量を調整するポンプ流量調整
装置25と、これら調整弁とポンプ流量調整装置25を
制御する制御装置21とを備えたことを特徴とする。
【0025】プラント負荷を大きくする場合には、空気
の湿分は温度に対して不足状態になるので、ラインXに
設けられた給水ポンプ23により、給水加熱器17に供
給する水の流量を増加させる。これにより増湿塔13に
おける噴霧水量が多くなるので、空気と噴霧水との接触
面積が増えて空気の加湿量が増加する。したがって、燃
焼器14の入口には高負荷に対応する定常状態に近い湿
分の空気を供給できる。
【0026】この時、給水加熱器17に供給する水量を
増加させることにより、給水加熱器17で回収できる熱
容量が大きくなるので、前述した第1の実施例の加湿装
置19において噴霧水を加湿するのと同じように、給水
の沸騰を防ぐ効果を期待できる。
【0027】一方、プラント負荷を小さくする場合には
空気の湿分は温度に対して過剰状態になるので、給水加
熱器17から増湿塔13に供給される給水の一部をライ
ンYにて分岐し、増湿塔下部の捕集水へ合流させる。給
水の一部分岐により増湿塔13における噴霧水量を少な
くすることで、空気と噴霧水との接触面積が減り、空気
の加湿量が減少するので、燃焼器入口には低負荷に対応
する定常状態に近い湿分の空気を供給できる。
【0028】なお、分岐させる給水の量の目安は、給水
の一部を混合した捕集水の温度が、低負荷に対応する定
常状態の温度と同程度とすることが好ましい。例とし
て、負荷を100%から30%へと低下させる場合で
は、給水加熱器17から増湿塔13へ供給される給水流
量の概略10%を増湿塔下部の捕集水へ分岐する。これ
により増湿塔出口の水の温度が上昇するので、増湿塔出
口の水の温度が低負荷に対応する定常状態により早く達
する方向に働く効果を期待できる。
【0029】なおプラント負荷を変える場合には、湿分
調整された加湿空気が燃焼器14に達する時間遅れを算
出しておき、前述した方法による湿分調整を行ってから
算出遅延時間後に燃料流量を調整することが好ましい。
【0030】図6は、本実施例におけるガスタービン入
口の空気湿度及び絶対湿度の状態変化を示す図である。
図中の細い実線は、従来のガスタービン発電プラントで
の空気湿度及び絶対湿度の状態変化を示し、図中の太い
実線は、本実施例のガスタービン発電プラントによる空
気湿度及び絶対湿度の状態変化を示している。図示した
ように、本実施例によれば、燃料流量の変化に対してガ
スタービン入口の空気温度が急激に上下することを防止
し、負荷に対応する定常状態に早く到達できていること
がわかる。また、燃料流量の変化に対してガスタービン
入口の空気絶対湿度についても従来と比べて負荷に対応
する定常状態に早く到達できていることがわかる。
【0031】図3は、本発明の第3の実施例であるガス
タービン発電プラントの系統図である。本実施例では、
増湿塔13の上部に設置したタンク20と、タンク20
へ水を供給するラインYと、タンク20から増湿塔13
へ噴霧水を供給するラインXと、ラインYに設けられ供
給される水量を調整する調整弁22eと、ラインXに設
けられ増湿塔13へ供給される噴霧水を調整する22f
と、燃料2の流量を調整する調整弁22aと、これら調
整弁を制御する制御装置21とを備えている。本実施例
は、プラントの一日の運転形態が負荷変化率が小さく、
高負荷時間と低負荷時間とがほぼ同程度であるようなケ
ースを想定したものである。このようなケースでは加湿
空気の湿分調整量が小さいので、増湿塔13の下部貯水
量が増湿塔13から空気冷却器12と給水加熱器17へ
供給される合計水量に対して通常2〜3倍の容量がある
ことを利用し、これをバッファとして加湿空気の湿分調
整を行うものである。
【0032】ここで、プラント負荷を大きくする場合に
は、空気の湿分は温度に対して不足状態となるので、調
整弁22eを閉じて調整弁22fを開き、増湿塔13へ
供給する水の流量を増加させる。したがって、増湿塔1
3へ供給する噴霧水量が多くなるので、空気と噴霧水と
の接触面積が増えて空気の加湿量を増加させることがで
きる。よって、燃焼器入口には高負荷に対応する定常状
態に近い湿分の空気を供給することができる。
【0033】逆に、プラント負荷を小さくする場合には
空気の湿分は温度に対して過剰状態になるので、調整弁
22fを閉じて調整弁22eを開き、増湿塔13へ供給
する水の流量を減少させる。増湿塔13における噴霧水
量が少なくなることにより、空気と噴霧水との接触面積
が減って空気の加湿量が減少するので、燃焼器入口には
低負荷に対応する定常状態に近い湿分の空気を供給する
ことができる。
【0034】なおプラント負荷を変える場合には、湿分
調整された加湿空気が燃焼器14に達する時間遅れを算
出しておき、前述した方法による湿分調整を行ってから
算出遅延時間後に燃料流量を調整することが好ましい。
【0035】図6は、ガスタービン入口の空気湿度及び
絶対湿度の状態変化を示す図である。図中の細い実線
は、従来のガスタービン発電プラントでの空気湿度及び
絶対湿度の状態変化を示し、図中の太い実線は、本実施
例のガスタービン発電プラントによる空気湿度及び絶対
湿度の状態変化を示している。本実施例によれば、燃料
流量の変化に対してガスタービン入口の空気温度が急激
に上下することを防止し、負荷に対応する定常状態に早
く到達できていることがわかる。また、燃料流量の変化
に対してガスタービン入口の空気絶対湿度についても従
来と比べて負荷に対応する定常状態に早く到達できてい
ることがわかる。
【0036】図4に、本発明の第4の実施例であるガス
タービン発電プラントの系統図を示す。本実施例では、
増湿塔13で噴霧される噴霧水の粒径を調整する噴霧水
粒径調整装置24と、燃料2の流量を調整する調整弁2
2aと、これら調整弁と噴霧水粒径調整装置24を制御
する制御装置21とを備えている。
【0037】ここで、プラント負荷を大きくする場合に
は、空気の湿分は温度に対して不足状態になるので、増
湿塔13で噴霧される噴霧水の粒径を、噴霧水粒径調整
装置24にて通常状態より一時的に小さくなるように調
整する。これにより、空気と噴霧水との接触面積が増え
て空気の加湿量を増加させることができる。したがっ
て、燃焼器入口には高負荷に対応する定常状態に近い湿
分の空気を供給することができる。
【0038】この時、噴霧水の粒径を小さく調整するこ
とで噴霧水の一部が水滴のまま空気の流れに乗って再生
器16に供給されるので、第1の実施例で述べた加湿装
置19での噴霧水加湿と同じように、給水の沸騰を防ぐ
効果を期待できる。なお、噴霧水の粒径は一部のみを小
さくしてもよく、その場合には、増湿塔入口ではなく出
口近辺の粒径を小さくするほうが好ましい。
【0039】噴霧水の粒径は、例えば噴霧水圧により調
整できる。あるいは増湿塔内に複数の噴霧口径の異なる
配水管を設置し、使用する配水管を切り替えることでも
よい。
【0040】一方、プラント負荷を小さくする場合には
空気の湿分は温度に対して過剰状態になるので、増湿塔
13における噴霧水の粒径を通常状態より一時的に大き
くする。空気と水滴との接触面積を小さくすることで空
気の加湿量を抑えることができるので、燃焼器入口には
低負荷に対応する定常状態に近い湿分の空気を供給でき
る。
【0041】なおプラント負荷を変える場合には、湿分
調整された加湿空気が燃焼器14に達する時間遅れを算
出しておき、前述した方法による湿分調整を行ってから
算出遅延時間後に燃料流量を調整することが好ましい。
【0042】図6は、本実施例によるガスタービン入口
の空気湿度及び絶対湿度の状態変化を示す図である。図
中の細い実線は、従来のガスタービン発電プラントでの
空気湿度及び絶対湿度の状態変化を示し、図中の太い実
線は、本実施例のガスタービン発電プラントによる空気
湿度及び絶対湿度の状態変化を示している。本図に示す
ように、本実施例によれば、燃料流量の変化に対してガ
スタービン入口の空気温度が急激に上下することを防止
し、負荷に対応する定常状態に早く到達できていること
がわかる。また、燃料流量の変化に対してガスタービン
入口の空気絶対湿度についても従来と比べて負荷に対応
する定常状態に早く到達できていることがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、ガスタービンに供給さ
れる空気の湿分を補正するように調整することで、プラ
ントの負荷変動に対して供給される湿分の応答特性を早
めて、プラントの負荷変動に関わらず省燃費,低NOx
化を実現するガスタービン発電プラントを提供できると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるガスタービン発電
プラントの系統図を示す。
【図2】本発明の第2の実施例であるガスタービン発電
プラントの系統図を示す。
【図3】本発明の第3の実施例であるガスタービン発電
プラントの系統図を示す。
【図4】本発明の第4の実施例であるガスタービン発電
プラントの系統図を示す。
【図5】本発明のガスタービン発電プラントの制御ロジ
ック図を示す。
【図6】ガスタービン入口の空気湿度及び絶対湿度の状
態変化を示す図である。
【符号の説明】
1…空気、2…燃料、3…加湿空気、4…回収水、10
…発電機、11…圧縮機、12…空気冷却器、13…増
湿塔、14…燃焼器、15…ガスタービン、16…再生
器、17…給水加熱器、18…水回収装置、19…加湿
装置、20…タンク、21…制御装置、22…調整弁、
23…給水ポンプ、24…噴霧水粒径調整装置、25…
ポンプ流量調整装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清木 信宏 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 幡宮 重雄 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 中原 貢 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮
    された空気に水を噴霧する第1の加湿装置と、該第1の
    加湿装置で加湿された空気と燃料とを燃焼させる燃焼器
    と、該燃焼器で燃焼された燃焼ガスで駆動されるガスタ
    ービンと、該ガスタービンから排出される排ガスと前記
    第1の加湿装置を経た加湿された空気とを熱交換させる
    熱交換器と、該熱交換器を経た排ガスと前記第1の加湿
    装置に導かれる水とを熱交換する給水加熱器と、前記第
    1の加湿装置を経て前記熱交換器に導かれる加湿された
    空気に水を噴霧する第2の加湿装置とを有することを特
    徴とするガスタービン発電プラント。
  2. 【請求項2】前記ガスタービン発電プラントは、前記圧
    縮機から前記第1の加湿装置に圧縮された空気を導く経
    路の途中から分岐し、前記圧縮された空気を前記第2の
    加湿装置に導く分岐経路を備えたことを特徴とする請求
    項1に記載のガスタービン発電プラント。
  3. 【請求項3】前記ガスタービン発電プラントは、前記第
    1の加湿装置で噴霧され該第1の加湿装置内に貯った噴
    霧水を前記第2の加湿装置の噴霧水として供給する供給
    経路を備えたことを特徴とする請求項1に記載のガスタ
    ービン発電プラント。
  4. 【請求項4】前記ガスタービン発電プラントは、前記分
    岐した経路を通過する圧縮空気の流量を調整する空気流
    量調整装置と、前記第2の加湿装置で噴霧される水の量
    を調整する噴霧水量調整装置とを備えたことを特徴とす
    る請求項2記載のガスタービン発電プラント。
  5. 【請求項5】前記ガスタービン発電プラントは、前記第
    1の加湿装置または第2の加湿装置で噴霧される噴霧水
    の粒径を調整する噴霧水粒径調整装置を備えたことを特
    徴とする請求項1記載のガスタービン発電プラント。
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