JP4647648B2 - 車両周辺監視装置 - Google Patents
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Description
従って、対象物の画面での重心座標が距離に対して固定化できないため、上述の従来の装置のように、形状判定のみで歩行者の抽出を行った場合、歩行者のみを安定して抽出できない可能性があった。
従って、対象物の画像から輝度分散が歩行者を撮影した画像と異なる物体の画像を除去し、歩行者の検出精度を向上させることができるという効果が得られる。
従って、例えば壁のように、歩行者を撮影した画像と同様の輝度分散の特徴を持つ物体を対象物の画像から除去し、歩行者の検出精度を向上させることができるという効果が得られる。
図1は、本発明の一実施の形態の車両周辺監視装置の構成を示すブロック図である。
図1において、符号1は、本実施の形態の車両周辺監視装置を制御するCPU(中央演算装置)を備えた画像処理ユニットであって、遠赤外線を検出可能な2つの赤外線カメラ2R、2Lと当該車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ3、更に、当該車両の走行速度(車速)を検出する車速センサ4とブレーキの操作を検出するためのブレーキセンサ5が接続される。これにより、画像処理ユニット1は、車両の周辺の赤外線画像と車両の走行状態を示す信号から、車両前方の歩行者や動物等を検出し、衝突の可能性が高いと判断したときに警報を発する。
また、HUD7aは、自車両10のフロントウインドウの運転者の前方視界を妨げない位置に表示画面が表示されるように設けられている。
図3は、本実施の形態の車両周辺監視装置の画像処理ユニット1における歩行者等の対象物検出・警報動作を示すフローチャートである。
まず、画像処理ユニット1は、赤外線カメラ2R、2Lの出力信号である赤外線画像を取得して(ステップS1)、A/D変換し(ステップS2)、グレースケール画像を画像メモリに格納する(ステップS3)。なお、ここでは赤外線カメラ2Rにより右画像が得られ、赤外線カメラ2Lにより左画像が得られる。また、右画像と左画像では、同一の対象物の表示画面上の水平位置がずれて表示されるので、このずれ(視差)によりその対象物までの距離を算出することができる。
図4(a)は、赤外線カメラ2Rにより得られたグレースケール画像を示し、これに2値化処理を行うことにより、図4(b)に示すような画像を得る。なお、図4(b)において、例えばP1からP4の枠で囲った物体を、表示画面上に白色として表示される対象物(以下「高輝度領域」という)とする。
赤外線画像から2値化された画像データを取得したら、2値化した画像データをランレングスデータに変換する処理を行う(ステップS5)。ランレングスデータにより表されるラインは、2値化により白となった領域を画素レベルで示したもので、いずれもy方向には1画素の幅を有しており、またx方向にはそれぞれランレングスデータを構成する画素の長さを有している。
対象物の抽出が完了したら、次に、抽出した対象物の重心G、面積S及び外接四角形の縦横比ASPECTを算出する(ステップS8)。
更に、縦横比ASPECTは、対象物の外接四角形の縦方向の長さDyと横方向の長さDxとの比Dy/Dxとして算出する。
なお、ランレングスデータは画素数(座標数)(=run[i])で示されているので、実際の長さは「−1」する(1を減算する)必要がある(=run[i]−1)。また、重心Gの位置は、外接四角形の重心位置で代用してもよい。
また、このようにして認識された各対象物の(重心の)位置座標は、時系列位置データとしてメモリに格納され、後の演算処理に使用される。
次に、車速センサ4により検出される車速VCAR及びヨーレートセンサ3より検出されるヨーレートYRを読み込み、ヨーレートYRを時間積分することより、自車両10の回頭角θrを算出する(ステップS10)。
まず、基準画像(右画像)の2値化画像によって追跡される対象物の中の1つを選択することにより、右画像から探索画像R1(ここでは、外接四角形で囲まれる領域全体を探索画像とする)を抽出する(ステップS11)。
また同一対象物についての過去の位置データがあるときは、その位置データに基づいて探索領域R2より狭い領域R2aを探索領域として設定する。
次に、ステップS10における回頭角θrの算出と、ステップS13における対象物との距離算出が完了したら、画像内の座標(x,y)及び距離zを実空間座標(X,Y,Z)に変換する(ステップS14)。
ここで、実空間座標(X,Y,Z)は、図2に示すように、赤外線カメラ2R、2Lの取り付け位置の中点の位置(自車両10に固定された位置)を原点Oとして、図示のように定め、画像内の座標は、画像の中心を原点として水平方向をx、垂直方向をyと定めている。
なお、以下の説明では、回頭角補正後の座標を(X,Y,Z)と表示する。
次いで、最新の位置座標P(0)=(X(0),Y(0),Z(0))と、(N−1)サンプル前(時間ΔT前)の位置座標P(Nー1)=(X(N−1),Y(N−1),Z(N−1))を近似直線LMV上の位置に補正し、補正後の位置座標Pv(0)=(Xv(0),Yv(0),Zv(0))及びPv(N−1)=(Xv(N−1),Yv(N−1),Zv(N−1))を求める。
このようにモニタ期間ΔT内の複数(N個)のデータから対象物の自車両10に対する相対移動軌跡を近似する近似直線を算出して相対移動ベクトルを求めることにより、位置検出誤差の影響を軽減して対象物との衝突の可能性をより正確に予測することが可能となる。
ステップS17において、自車両10と検出した対象物との衝突の可能性がないと判定された場合(ステップS17のNO)、ステップS1へ戻り、上述の処理を繰り返す。
また、ステップS17において、自車両10と検出した対象物との衝突の可能性があると判定された場合(ステップS17のYES)、ステップS18の警報出力判定処理へ進む。
もし、自車両10の運転者がブレーキ操作を行っている場合には、それによって発生する加速度Gs(減速方向を正とする)を算出し、この加速度Gsが所定閾値GTHより大きいときは、ブレーキ操作により衝突が回避されると判定して警報出力判定処理を終了し(ステップS18のNO)、ステップS1へ戻り、上述の処理を繰り返す。
これにより、適切なブレーキ操作が行われているときは、警報を発しないようにして、運転者に余計な煩わしさを与えないようにすることができる。
なお、所定閾値GTHは、ブレーキ操作中の加速度Gsがそのまま維持された場合に、対象物と自車両10との距離Zv(0)以下の走行距離で自車両10が停止する条件に対応する値である。
図5は、本実施の形態の警報判定処理動作を示すフローチャートである。
警報判定処理は、以下に示す衝突判定処理、接近判定領域内か否かの判定処理、進入衝突判定処理、歩行者判定処理、及び人工構造物判定処理により、自車両10と検出した対象物との衝突の可能性を判定する処理である。以下、図6に示すように、自車両10の進行方向に対してほぼ90°の方向から、速度Vpで進行してくる対象物20がいる場合を例に取って説明する。
なお、進入判定領域AR2、AR3も所定高さHを有する。
また、ステップS34において、対象物は歩行者の可能性があると判定された場合(ステップS34のYES)、更に判定の信頼性を上げるために、対象物が人工構造物であるか否かを判定する人工構造物判定処理を行う(ステップS35)。人工構造物判定処理は、対象物画像に、例えば以下に示すような歩行者にはあり得ない特徴が検出された場合、該対象物を人工構造物と判定し、警報の対象から除外する処理である。
(1)対象物の画像に直線エッジを示す部分が含まれる場合。
(2)対象物の画像の角が直角である場合。
(3)対象物の画像に同じ形状のものが複数含まれている場合。
(4)対象物の画像が予め登録された人口構造物の形状と一致する場合。
図8において、まず、画像処理ユニット1は、図3に示したフローチャートのステップS8において算出された2値化対象物の重心G(xc、yc)(図14に示す2値化対象物の重心G100)、面積S(図14に示す2値化対象物面積S101)、更に対象物の外接四角形の縦横比ASPECT、及びステップS13において算出された自車両10と対象物との距離zに加えて、図14に示す2値化対象物の外接四角形の高さhbと幅wb、及び外接四角形重心座標(xb、yb)(図14に示す外接四角形重心102)の値を利用して、実空間での2値化対象物の形状の特徴を示す2値化対象物形状特徴量を算出する(ステップS41)。なお、求める2値化対象物形状特徴量は、カメラの基線長D[m]、カメラ焦点距離f[m]、画素ピッチp[m/pixel]、及び左右映像の相関演算によって算出される視差量Δd[pixel]を用いて算出する。
Rate=S/(hb×wb) ・・・(1)
外接四角形の縦横比ASPECTを表すAspは、
Asp=hb/wb ・・・(2)
自車両10と対象物との距離zは、
z=(f×D)/(Δd×p) ・・・(3)
と表されるので、
実空間における2値化対象物の幅ΔWbや高さΔHbは、
ΔWb=wb×z×p/f
ΔHb=hb×z×p/f ・・・(4)
Xc=xc×z×p/f
Yc=yc×z×p/f
Zc=z ・・・(5)
対象物外接四角形重心座標(Xb,Yb,Zb)は、
Xb=xb×z×p/f
Yb=yb×z×p/f
Zb=z ・・・(6)
2値化対象物の上端位置座標(Xt,Yt,Zt)は、
Xt=xb×z×p/f
Yt=yb×z×p/f−ΔHb/2
Zt=z ・・・(7)で算出することができる。
そして、画像上でのグレースケール対象物の領域の高さHeight(pixel)を算出し、(8)式によりグレースケール対象物の高さΔHgを算出する。
ΔHg=z×Height×p/f ・・・(8)
まず、画像処理ユニット1は、2値化対象物の高さ、幅、存在高さ、輝度平均値、輝度分散について、歩行者として適当な範囲内の値か否かを判定する。
具体的には、歩行者を対象とするため、2値化対象物の幅ΔWbが閾値TH1以上TH2以下(歩行者の幅として適当な値)か否かを判定する(ステップS44)。
ステップS44において、2値化対象物の幅ΔWbが閾値TH1以上TH2以下であった場合(ステップS44のYES)、2値化対象物の高さΔHbが閾値TH3(歩行者の高さとして適当な値)未満で、かつグレースケール対象物の高さΔHgが閾値TH4(歩行者の高さとして適当な値)未満か否かを判定する(ステップS45)。
また、ステップS46において、路面からの対象物の上端高さ位置Ytが閾値TH5未満であった場合(ステップS46のYES)、マスク領域AREA3の輝度分散Var_A3が閾値TH6より大きいか否かを判定する(ステップS47)。この処理を、図16の対象物が歩行者の一部あるいは全体である場合や壁の場合のマスク領域AREA3の輝度分散を示した図を用いて説明する。
従って、ステップS47では、マスク領域AREA3の輝度分散Var_A3が閾値TH6より大きいか否かを判定することで、対象物が歩行者であるか否かを判定する。
具体的には、歩行者の2値化対象物を対象とするため、2値化対象物形状が時間的に大きく変化することはないと考えられる。このため、規定時間内の外接四角形の面積と2値化対象物の面積比率であるRateの最大値Max_Rateと最小値Min_Rateの差分が閾値TH7未満であるか否かを判定する(ステップS48)。
具体的には、まず、路面からの対象物の上端高さ位置Ytが閾値TH8(歩行者の上半身と下半身を区別できる高さとして適当な値)より大きいか否かを判定する(ステップS50)。
ステップS50において、路面からの対象物の上端高さ位置Ytが閾値TH8以下であった場合(ステップS50のNO)、図9のステップS51へ進み、歩行者の下半身であるか、座った歩行者として、2値化対象物の幅ΔWbが閾値TH9(歩行者の胴体幅として適当な値)以下か否かを判定する(ステップS51)。
ステップS53において、マスク領域AREA1の輝度平均値Ave_A1が閾値TH11より大きかった場合(ステップS53のYES)、更に胴体部位は衣服の影響により熱を発散しにくい場合が有るため、グレースケール画像上で輝度パタンがある対象物として、マスク領域AREA2の輝度分散Var_A2が閾値TH18より大きいか否かを判定する(ステップS53−1)。
そして、ステップS53−1において、マスク領域AREA2の輝度分散Var_A2が閾値TH18より大きかった場合(ステップS53−1のYES)、領域AREA0に捉えられた対象物は歩行者であると判定して(ステップS54)歩行者判定処理を終了し、図5に示すステップS34のYESとして図5のステップS35へ進み、人工構造物判定を行う。
ステップS56において、2値化対象物の路面からの対象物の上端高さ位置Ytが閾値TH12よりも大きかった場合(ステップS56のYES)、2値化対象物の外接四角形の縦横比ASPECTを表すAspが、閾値TH13以上TH14以下(歩行者として適当な値)か否かを判定する(ステップS57)。
Dis_c=SQRT((Xb−Xc)2+(Yb−Yc)2) ・・・(9)
ステップS58において、距離Dis_cが閾値TH15未満であった場合(ステップS58のYES)、例えばΔWbが1.0m以下で、ΔHgが1.0m未満の対象物には歩行者以外の対象物、具体的には車輌の前部などが含まれるため、2値化対象物の上部マスク領域AREA1において、予め登録した頭部パタンと相関度が高い部位が存在するか否かを判定する(ステップS59)。
また、ステップS62において、マスク領域AREA2の輝度分散Var_A2が閾値TH18より大きかった場合(ステップS62のYES)、まず頭部、あるいは上半身が2値化処理により抽出された歩行者を判定するために、2値化対象物の幅ΔWbが閾値TH19(歩行者の頭部、あるいは上半身を区別できる幅として適当な値)以下か否かを判定する(ステップS63)。
更に、ステップS64において、2値化対象物の幅ΔWbが閾値TH9より大きかった場合(ステップS64のNO)、複数の歩行者が並列歩行を行っているか否かを判定するために、2値化対象物の幅ΔWbが閾値TH2(歩行者の胴体幅として適当な値)以下か否かを判定する(ステップS65)。
ステップS68において、距離Dis_cが閾値TH15未満であった場合(ステップS68のYES)、領域AREA0に捉えられた対象物は歩行者であると判定して(ステップS69)歩行者判定処理を終了し、図5に示すステップS34のYESとして図5のステップS35へ進み、人工構造物判定を行う。
ステップS73において、2値化対象物の上部マスク領域AREA1に予め登録した頭部パタンと相関度が高い部位が存在する場合(ステップS73のYES)、領域AREA0に捉えられた対象物は歩行者であると判定して(ステップS74)歩行者判定処理を終了し、図5に示すステップS34のYESとして図5のステップS35へ進み、人工構造物判定を行う。
ステップS78において、距離Dis_cが閾値TH15未満であった場合(ステップS78のYES)、領域AREA0に捉えられた対象物は歩行者であると判定して(ステップS79)歩行者判定処理を終了し、図5に示すステップS34のYESとして図5のステップS35へ進み、人工構造物判定を行う。
これにより、例えば対象物の画像の幅が歩行者として不自然な場合や、対象物の画像の高さが歩行者として不自然な場合、これらの物体を対象物の画像から除去すると共に、これらを満たす歩行者の特徴として、輝度分散が高く頭部に相当する部分があるか、あるいは輝度分散が高く胴部に相当する部分があるか、更には壁等の輝度分散の低いものではないか等の判定を行い、対象物の画像から輝度分散が歩行者を撮影した画像と異なる物体の画像を除去し、歩行者の検出精度を向上させることができるという効果が得られる。
2R、2L 赤外線カメラ
3 ヨーレートセンサ
4 車速センサ
5 ブレーキセンサ
6 スピーカ
7 画像表示装置
10 自車両
S1〜S132 値化対象物抽出手段
S41〜S42 グレースケール対象物抽出手段
S43〜S80歩行者判別手段
S1〜S13 対象物抽出手段
S45、S46、S47、S52、S53、S53−1、S60、S61、S62 蓄熱体抽出手段
S48〜S50、S54〜S59、S63〜S80 歩行者認識手段
Claims (1)
- 2つの赤外線カメラにより捉えられた画像を利用して、歩行者を認識する車両周辺監視装置であって、
前記画像のグレースケール画像を2値化処理することにより、前記グレースケール画像から2値化対象物を抽出する2値化対象物抽出手段と、
所定の大きさのマスク領域を、2値化対象物外接四角形の上端から複数個並べてグレースケール画像上に設定し、マスク領域内の輝度変化が大きく、かつ左右の画像間のマスク領域の相関度が高いと共に、更に2値化対象物と同距離であるマスク領域を包含する領域をグレースケール対象物の領域として抽出するグレースケール対象物抽出手段と、
前記グレースケール対象物の領域に、横方向の大きさを2値化対象物画像の横幅とし、縦方向の大きさをグレースケール対象物画像の高さとした全体領域を、対象物の頭部から下半身にかけての形状変化の存在判定に使用する全体マスク領域として設定する全体マスク領域設定手段と、
前記全体マスク領域設定手段によって設定された前記全体マスク領域の輝度分散が所定値よりも大きいか否かを判定し、少なくとも該判定結果に基づいて前記グレースケール画像中の歩行者を認識する歩行者判別手段と
を備えたことを特徴とする車両周辺監視装置。
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