JP4567072B2 - 車両周辺監視装置 - Google Patents
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特に、歩行者の体温と同程度の温度を持ち、歩行者と同じように縦長の形状をしているような物体は、全く歩行者との見分けがつかないという問題があった。
更に、不確定な形状を持つ歩行者や動物を、それ自身の形状判別により対象物の中から抽出しようとすると、検出精度の向上が難しいという問題があった。
以上の構成により、撮像手段により撮影した赤外線画像中に存在する複数の熱を発生する物体について、その物体の画像と基準画像との照合を行い、その物体が決まった形状を持つ人工構造物であるか、それ以外の歩行者や動物等の動く物体であるかを区別することが可能となる。
また、より注意を払うべき人工構造物以外の対象物を抽出するために、赤外線画像から抽出した対象物の中から人工構造物を除外し、残った対象物を動く物体として認識することが可能となる。
以上の構成により、対象物の中に人工構造物の特徴となりやすい直線部位があるか否かを判定することで、直線部位を持つ対象物を人工構造物として除外し、人工構造物以外の対象物を認識することが可能となる。
以上の構成により、対象物と車両との距離により発生する対象物画像と基準画像との大きさのずれを補正し、適切な大きさによって両者を照合することで、対象物が人工構造物であるか否かの検出精度を向上させることが可能となる。
従って、赤外線画像から抽出した対象物を、人工構造物とそれ以外に区別して扱うことで、車両の走行との関係で重要、かつ細心の注意を払うべき物体を、的確に把握することができるようになるという効果が得られる。
また、不確定な形状を持つ歩行者や動物を、それ自身の形状判別により対象物の中から抽出する場合に比較して、決まった形状を持つ物体を検出するので、より少ない演算量で高い検出精度による対象物の識別ができるようになるという効果が得られる。
従って、人工構造物を除外し、赤外線画像から抽出した人工構造物以外の対象物のみを扱うことで、更に重要な物体の認識度を向上させることが可能となるという効果が得られる。
また、請求項2に記載の発明によれば、対象物の中に人工構造物の特徴となりやすい直線部位があるか否かを判定することで、直線部位を持つ対象物を人工構造物として除外し、人工構造物以外の対象物を認識することが可能となる。
従って、比較的簡単に赤外線画像の中から道路構造物を除外し、不確定な形状を持つ歩行者や動物の検出精度を向上させることができるという効果が得られる。
従って、車両と対象物との距離による検出誤動作を回避し、広範囲における車両周辺の環境監視を行うことができるという効果が得られる。
このように、歩行者や動物等の動く物体と人工の道路構造物とを区別して認識することは、例えば、これらの物体の情報を車両制御に用いたり、自車両の運転者に対して情報提供や警報として表示する場合に、物体の内容や重要度によって、情報・警報の表示方法や車両の制御方法を変更する判断材料として利用でき、かつ大変有効である。
図1は、本発明の一実施の形態の車両周辺監視装置の構成を示すブロック図である。
図1において、符号1は、本実施の形態の車両周辺監視装置を制御するCPU(中央演算装置)を備えた画像処理ユニットであって、遠赤外線を検出可能な2つの赤外線カメラ2R、2Lと当該車両の車体の傾きを検出するヨーレートセンサ3、更に、当該車両の走行速度(車速)を検出する車速センサ4とブレーキの操作を検出するためのブレーキセンサ5が接続される。これにより、画像処理ユニット1は、車両の周辺の赤外線画像と車両の走行状態を示す信号から、車両前方の歩行者や動物等の動く物体を検出し、衝突の可能性が高いと判断したときに警報を発する。
また、HUD7aは、自車両10のフロントウインドウの運転者の前方視界を妨げない位置に表示画面が表示されるように設けられている。
図3は、本実施の形態の車両周辺監視装置の画像処理ユニット1における処理手順を示すフローチャートである。
まず、画像処理ユニット1は、赤外線カメラ2R、2Lの出力信号である赤外線画像を取得して(ステップS1)、A/D変換し(ステップS2)、グレースケール画像を画像メモリに格納する(ステップS3)。なお、ここでは赤外線カメラ2Rにより右画像が得られ、赤外線カメラ2Lにより左画像が得られる。また、右画像と左画像では、同一の対象物の表示画面上の水平位置がずれて表示されるので、このずれ(視差)によりその対象物までの距離を算出することができる。
図4(a)は、赤外線カメラ2Rにより得られたグレースケール画像を示し、これに2値化処理を行うことにより、図4(b)に示すような画像を得る。なお、図4(b)において、例えばP1からP4の枠で囲った物体を、表示画面上に白色として表示される対象物(以下「高輝度領域」という)とする。
赤外線画像から2値化された画像データを取得したら、2値化した画像データをランレングスデータに変換する処理を行う(ステップS5)。
ここで、面積Sは、ランレングスデータの長さを同一対象物について積算することにより算出する。また、重心Gの座標は、面積Sをx方向に2等分する線のx座標と、y方向に2等分する線のy座標として算出する。更に、縦横比APECTは、図5(c)に示すDyとDxとの比Dy/Dxとして算出する。なお、重心Gの位置は、外接四角形の重心位置で代用してもよい。
2)時刻kにおける対象物i(=A,B)の画像上での面積をSi(k)とし、時刻(k+1)における対象物j(=C,D)の画像上での面積をSj(k+1)としたとき、Sj(k+1)/Si(k)<1±ΔSであること。ただし、ΔSは面積変化の許容値である。
3)時刻kにおける対象物i(=A,B)の外接四角形の縦横比をASPECTi(k)とし、時刻(k+1)における対象物j(=C,D)の外接四角形の縦横比をASPECTj(k+1)としたとき、ASPECTj(k+1)/ASPECTi(k)<1±ΔASPECTであること。ただし、ΔASPECTは縦横比変化の許容値である。
なお、以上説明したステップS4〜S9の処理は、2値化した基準画像(本実施形態では、右画像)ついて実行する。
次に、車速センサ4により検出される車速VCAR及びヨーレートセンサ3より検出されるヨーレートYRを読み込み、ヨーレートYRを時間積分することより、図7に示すように自車両10の回頭角θrを算出する(ステップS10)。
まず、基準画像(右画像)の2値化画像によって追跡される対象物の中の1つを選択することにより、図8(a)に示すように右画像から探索画像R1(ここでは、外接四角形で囲まれる領域全体を探索画像とする)を抽出する(ステップS11)。
また同一対象物についての過去の位置データがあるときは、その位置データに基づいて探索領域R2より狭い領域R2a(図8(b)に破線で示す)を探索領域として設定する。
ここで、実空間座標(X,Y,Z)は、図2に示すように、赤外線カメラ2R、2Lの取り付け位置の中点の位置(自車両10に固定された位置)を原点Oとして、図示のように定め、画像内の座標は、画像の中心を原点として水平方向をx、垂直方向をyと定めている。
回頭角補正は、図7に示すように、時刻kから(k+1)までの期間中に自車両10が例えば左方向に回頭角θrだけ回頭すると、カメラによって得られる画像上では、図11に示すようにΔxだけx方向にずれるので、これを補正する処理である。具体的には、下記式(4)に実空間座標(X,Y,Z)を適用して、補正座標(Xr,Yr,Zr)を算出する。算出した実空間位置データ(Xr,Yr,Zr)は、対象物毎に対応づけてメモリに格納する。なお、以下の説明では、回頭角補正後の座標を(X,Y,Z)と表示する。
具体的には、近似直線LMVの方向を示す方向ベクトルL=(lx,ly,lz)(|L|=1)とすると、下記式(5)で表される直線を求める。
なお、式(5)は媒介変数uを消去すれば下記式(5a)のようになる。
(X−Xav)/lx=(Y−Yav)/ly=(Z−Zav)/lz・・・(5a)
ここで、各データ点の座標を示すPに付した()内の数値はその値が増加するほど過去のデータであることを示す。例えば、P(0)は最新の位置座標、P(1)は1サンプル周期前の位置座標、P(2)は2サンプル周期前の位置座標を示す。
このようにモニタ期間ΔT内の複数(N個)のデータから対象物の自車両10に対する相対移動軌跡を近似する近似直線を算出して相対移動ベクトルを求めることにより、位置検出誤差の影響を軽減して対象物との衝突の可能性をより正確に予測することが可能となる。
また、ステップS16において、相対移動ベクトルが求められたら、次に、検出した対象物との衝突の可能性を判定し、その可能性が高いときに警報を発する警報判定処理を実行する(ステップS17)。
なお、警報判定処理を終了したら、ステップS1へ戻り、上述の処理を繰り返す。
ここでは、図14に示すように、自車両10の進行方向に対してほぼ90°の方向から、速度Vpで進行してくる動物20がいる場合を例に取って説明する。
まず、画像処理ユニット1は、動物20が時間ΔTの間に距離Zv(N−1)から距離Zv(0)に接近したことにより、下記式(7)を用いてZ方向の相対速度Vsを算出し、衝突判定処理を行う(ステップS21)。衝突判定処理は、下記式(8)及び(9)が成立するとき、衝突の可能性があると判定する処理である。
ステップS21において、動物20との衝突の可能性があると判定した場合(ステップS21のYES)、次のステップS22に進む。
Vs=(Zv(N−1)−Zv(0))/ΔT ・・・(7)
Zv(0)/Vs≦T ・・・(8)
|Yv(0)|≦H ・・・(9)
ここで、領域AR1は、自車両10の車幅αの両側に余裕β(例えば50〜100cm程度とする)を加えた範囲に対応する領域、換言すれば自車両10の車幅方向中心部の軸の両側に(α/2+β)の幅を有する領域であって、対象物がそのまま存在し続ければ衝突の可能性がきわめて高いので、接近判定領域と呼ぶ。領域AR2、AR3は、接近判定領域よりX座標の絶対値が大きい(接近判定領域の横方向外側の)領域であり、この領域内にある対象物については、後述する侵入衝突判定を行うので、侵入判定領域と呼ぶ。なおこれらの領域は、前記式(9)に示したようにY方向には、所定高さHを有する。
続くステップS22では、対象物が接近判定領域AR1内にあるか否かを判別し、対象物が接近判定領域AR1内にあると判定された場合(ステップS22のYES)、直ちにステップS24に進む。一方、対象物が接近判定領域AR1内にないと判定された場合(ステップS22のNO)、侵入衝突判定処理を行う(ステップS23)。
ステップS23において、衝突の可能性が高いと判定した場合(ステップS23のYES)、ステップS24に進む。一方、衝突の可能性が低いと判定した場合(ステップS23のNO)、警報判定処理を終了する。
警報出力判定処理は、まずブレーキセンサ5の出力BRから自車両10の運転者がブレーキ操作を行っているか否かを判別する。
もし、自車両10の運転者がブレーキ操作を行っている場合には、それによって発生する加速度Gs(減速方向を正とする)を算出し、この加速度Gsが所定閾値GTHより大きいときは、ブレーキ操作により衝突が回避されると判定して警報判定処理を終了する。これにより、適切なブレーキ操作が行われているときは、警報を発しないようにして、運転者に余計な煩わしさを与えないようにすることができる。
また、加速度Gsが所定閾値GTH以下であるとき、または自車両10の運転者がブレーキ操作を行っていなければ、直ちにステップS25以降の処理に進んで、対象物の形状判定を行う。
なお、所定閾値GTHは、下記式(11)のように定める。これは、ブレーキ操作中の加速度Gsがそのまま維持された場合に、距離Zv(0)以下の走行距離で自車両10が停止する条件に対応する値である。
最初に、対象物の画像に直線部位を示す部分が含まれるか否かを判定する(ステップS25)。
ステップS25において、対象物の画像に直線部位を示す部分が含まれない場合(ステップS25のNO)、対象物の画像の角が直角であるか否かを判定する(ステップS26)。
ステップS27において、対象物の画像が予め登録された人工構造物の形状と一致しない場合(ステップS27のNO)、対象物の画像に同じ形状のものが複数含まれているか否かを判定する(ステップS28)。
また、ステップS28において、対象物の画像に同じ形状のものが複数含まれていない場合(ステップS28のNO)、対象物が歩行者や動物である可能性が高いので、スピーカ3を介して音声による警報を発するとともに、画像表示装置7により、例えば赤外線カメラ2Rにより得られる画像を表示し、接近してくる対象物を強調表示(例えば枠で囲んで強調する)する(ステップS29)。
図15と図16、及び図17、更に図23は、図12におけるステップS25、ステップS26、ステップS28の処理とステップS30の一部の処理を、更に詳細に示すフローチャートである。
直線部位の探索において、画像処理ユニット1は、垂直直線部位の検出(垂直直線部位判定)から開始する。図15は、垂直直線部位判定を示すフローチャートである。
従って、まず垂直直線部位を探索するために、対象物の画像と相関演算を行うための基準画像である右直線部映像パタンを選択し(ステップS31)、図3に示したフローチャートのステップS13において求めた自車両10と対象物との距離に応じて、表示画面上に投影された実空間の画像の大きさと釣り合うように、基準画像のパタンサイズを決定する(ステップS32)。
a=f×A/L ・・・(12)b=f×B/L ・・・(13)
従って、図18(a)に示すように、例えば予め用意されている右直線部映像パタンから、a×b[pixel]の直線部位パタンを切り出し、右直線部切り出しパタン「Pat_Line_R」を基準パタンとする。同様に、予め用意されている左直線部映像パタンから切り出した、a×b[pixel]の左直線部切り出しパタン「Pat_Line_L」を図18(b)に示す。
ここで、探索領域の設定は、以下のように行う。すなわち、図19に示すように、2値化で抽出された対象物の輪郭(2値化対象物画像100)は、対象物101の輪郭を正確に表現しているとは限らない。従って、2値化対象物画像(OBJ)100の外接四角形の中心102に対して、幅と高さが2値化対象物画像100の幅と高さの上下にそれぞれa[pixel]の範囲を設定し、これを相関演算による探索範囲103とする。
そして、右直線部切り出しパタン「Pat_Line_R」と相関度が高い部分が存在するか否かを判定する(ステップS35)。
ステップS35において、右直線部切り出しパタン「Pat_Line_R」と相関度が高い部分が存在する場合(ステップS35のYES)、相関度が高い部分と対象物101とが同一物体であるか否かを判定するために、前記式(2)による対象物の距離算出と同様に、OBJ_Pat104の距離を算出する(ステップS36)。
ステップS37において、対象物101とOBJ_Pat104が同一の物体であると判定された場合(ステップS37のYES)、対象物101には垂直直線部位有りと判定し(ステップS38)、垂直直線部位を持つということは人工の道路構造物であるとして(ステップS39)、垂直直線部位判定を終了する。
ステップS40において、相関演算に用いた基準パタンが左直線部映像パタンでなかった場合(ステップS40のNO)、予め用意されている左直線部映像パタンを選択し(ステップS41)、ステップS32へ戻る。
左直線部切り出しパタンによる相関演算の結果、上述のステップS35からステップS39までの動作を行い、対象物101に垂直直線部位有りと判定されると、対象物101は人工の道路構造物であるとして、垂直直線部位判定を終了する。
また、左直線部切り出しパタンによる相関演算の結果、再度ステップS40の判定へ進むと、既に右直線部切り出しパタンと左直線部切り出しパタンの両方による垂直直線部位の探索が終了しているので(ステップS40のYES)、垂直直線部位無しと判定し(ステップS42)、水平直線部位判定へ進む。
水平直線部位判定では、まず水平直線部位を探索するために、対象物の画像と相関演算を行うための基準画像である上端直線部映像パタンを選択し(ステップS51)、図3に示したフローチャートのステップS13において求めた自車両10と対象物との距離に応じて、表示画面上に投影された実空間の画像の大きさと釣り合うように、基準画像のパタンサイズを決定する(ステップS52)。
ここで、基準画像のパタンサイズの決定は、上述の垂直直線部位判定と同じように行う。すなわち、自車両10と対象物との距離が前記式(2)よりz=L[m]と算出された場合、実空間で距離L[m]の位置にある高さB[m」、幅A[m]の対象物は、表示画面上でb×a[pixel]の大きさで投影される。
b=f×B/L ・・・(15)a=f×A/L ・・・(16)
相関演算のための基準パタンサイズが求められたら、次に、対象物近傍に探索領域を設定する(ステップS53)
なお、探索領域の設定も、上述の垂直直線部位判定と同じように行う。すなわち、2値化対象物画像(OBJ)の外接四角形の中心に対して、幅と高さが2値化対象物画像の幅と高さの上下にそれぞれa[pixel]の範囲を設定し、これを相関演算による探索範囲とする。
そして、上端直線部切り出しパタン「Pat_Line_U」と相関度が高い部分が存在するか否かを判定する(ステップS55)。
ステップS55において、上端直線部切り出しパタン「Pat_Line_U」と相関度が高い部分が存在する場合(ステップS55のYES)、対象物には水平直線部位有りと判定し(ステップS56)、水平直線部位を持つということは人工の道路構造物であるとして(ステップS57)、水平直線部位判定を終了する。
ステップS58において、相関演算に用いた基準パタンが下端直線部映像パタンでなかった場合(ステップS58のNO)、予め用意されている下端直線部映像パタンを選択し(ステップS59)、ステップS52へ戻る。
下端直線部切り出しパタンによる相関演算の結果、上述のステップS55からステップS57までの動作を行い、対象物に水平直線部位有りと判定されると、対象物は人工の道路構造物であるとして、水平直線部位判定を終了する。
また、下端直線部切り出しパタンによる相関演算の結果、再度ステップS58の判定へ進むと、既に上端直線部切り出しパタンと下端直線部切り出しパタンの両方による水平直線部位の探索が終了しているので(ステップS58のYES)、水平直線部位無しと判定し(ステップS60)、直角部位判定へ進む。
直角部位判定では、まず直角部位を探索するために、対象物の画像と相関演算を行うための基準画像である右上直角部映像パタンを選択し(ステップS71)、図3に示したフローチャートのステップS13において求めた自車両10と対象物との距離に応じて、表示画面上に投影された実空間の画像の大きさと釣り合うように、基準画像のパタンサイズを決定する(ステップS72)。
ここで、基準画像のパタンサイズの決定は、上述の垂直直線部位判定や水平直線部位判定と同じように行う。すなわち、自車両10と対象物との距離が前記式(2)よりz=L[m]と算出された場合、実空間で距離L[m]の位置にある高さA[m」、幅A[m]の対象物は、表示画面上でa×a[pixel]の大きさで投影される。
a=f×A/L ・・・(17)
相関演算のための基準パタンサイズが求められたら、次に、対象物近傍に探索領域を設定する(ステップS73)。
なお、探索領域の設定も、上述の垂直直線部位判定や水平直線部位判定と同じように行う。すなわち、2値化対象物画像(OBJ)の外接四角形の中心に対して、幅と高さが2値化対象物画像の幅と高さの上下にそれぞれa[pixel]の範囲を設定し、これを相関演算による探索範囲とする。
そして、右上直角部切り出しパタン「Pat_Corner_R」と相関度が高い部分が存在するか否かを判定する(ステップS75)。
ステップS75において、右上直角部切り出しパタン「Pat_Corner_R」と相関度が高い部分が存在する場合(ステップS75のYES)、相関度が高い部分と対象物とが同一物体であるか否かを判定するために、前記式(2)による対象物の距離算出と同様に、OBJ_Patの距離を算出する(ステップS76)。
ステップS77において、対象物とOBJ_Patが同一の物体であると判定された場合(ステップS77のYES)、対象物には直角部位有りと判定し(ステップS78)、直角部位を持つということは人工の道路構造物であるとして(ステップS79)、直角部位判定を終了する。
ステップS80において、相関演算に用いた基準パタンが左上直角部映像パタンでなかった場合(ステップS80のNO)、予め用意されている左上直角部映像パタンを選択し(ステップS81)、ステップS72へ戻る。
更に、ステップS74において、対象物近傍の探索範囲内から、相関演算により、左直線部切り出しパタン「Pat_Corner_L」と相関度が高い部分(OBJ_Pat)を探索する。
また、左上直角部切り出しパタンによる相関演算の結果、再度ステップS80の判定へ進むと、既に右上直角部切り出しパタンと左上直角部切り出しパタンの両方による直角部位の探索が終了しているので(ステップS80のYES)、直角部位無しと判定する(ステップS82)。
従って、対象物は人工の道路構造物ではないと判定して(ステップS83)、直角部位判定を終了し、上述の図12における対象物の形状判定のステップS27の処理を実行する。
同一形状判定は、例えば図22に示すように、同一の形状を持つ複数の物体から構成される道路構造物50(この例では、丸いレンズが上下に配置された信号機)を、赤外線カメラにより得られた赤外線画像の中から探索する処理である。
図23に示すフローチャートを用いて説明すると、まず同一形状を探索するために、対象物の画像と相関演算を行うための基準画像である対象物パタン「Pat」を設定する(ステップS91)。
ここで、対象物パタン「Pat」は、図24(a)に示すように、例えば熱を持った道路構造物50のレンズの部分が、2値化対象物画像(OBJ)200として抽出されている場合、図24(b)に示すように、2値化対象物画像(OBJ)200よりひとまわり大きい領域を設定した基準画像である。
ここで、探索領域の設定は、以下のように行う。すなわち、図24(a)に示すように、高さが2値化対象物画像200の高さの上下にそれぞれa[pixel]、幅が2値化対象物画像200の中心に対して左右にb/2[pixel]の範囲を設定し、これをそれぞれ相関演算による上部探索範囲202、下部探索範囲203とする。
そして、対象物パタン「Pat」と相関度が高い部分が存在するか否かを判定する(ステップS94)。
ステップS94において、対象物パタン「Pat」と相関度が高い部分が存在する場合(ステップS94のYES)、対象物には同一形状物有りと判定し(ステップS95)、同一形状を持つということは人工の道路構造物であるとして(ステップS96)、同一形状判定を終了する。なお、図22に示した例では、赤外線画像の中から、同一の物体(丸いレンズ)を複数(2個)持っている道路構造物(信号機)が検出されることになる。
より具体的には、図3のS1〜S7が対象物抽出手段に相当し、図12のS25〜S28が人工構造物判定手段に相当し、図12のS30が人工構造物除外手段に相当する。更に、図15のS32、図16のS52、図17のS72が基準画像寸法変更手段に相当する。
また、例えばこれらの物体の情報を車両制御に用いる場合、物体の種類や重要度によって、車両制御の順序を変更する等の判断材料として利用できる。
2R、2L 赤外線カメラ
3 ヨーレートセンサ
4 車速センサ
5 ブレーキセンサ
6 スピーカ
7 画像表示装置
10 自車両
S1〜S7 対象物抽出手段
S25〜S28 人工構造物判定手段
S30 人工構造物除外手段
S32、S52、S72 基準画像寸法変更手段
Claims (3)
- 撮像手段により撮影された赤外線画像から、車両の周辺に存在する物体を検出する車両周辺監視装置であって、
前記赤外線画像から赤外線を発する対象物を抽出する対象物抽出手段と、
前記対象物抽出手段により抽出された対象物近傍の探索範囲画像を、人工構造物を特定する要素となる予め用意されている登録された人工構造物の形状を示す基準画像と照合し、該対象物近傍の探索範囲に前記基準画像と相関が高い部分が存在すると判定した場合にさらに、前記車両から前記相関が高い部分と前記対象物の距離が等しい場合には、人工構造物であると判定する人工構造物判定手段と、
該人工構造物判定手段により人工構造物であると判定された対象物を、前記対象物抽出手段により抽出された対象物から除外する人工構造物除外手段と、
を設けたことを特徴とする車両周辺監視装置。 - 前記基準画像は、直線部位を表す画像を含み、
前記人工構造物判定手段は、垂直直線部位または直角部位を含む対象物を人工構造物と判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両周辺監視装置。 - 前記人工構造物判定手段は、
前記基準画像の大きさを前記車両と前記対象物との距離に合わせて変更する基準画像寸法変更手段
を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両周辺監視装置。
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