JP4645747B2 - 復号化方法および動き補償方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、動き補償予測を行う場合には、リフレッシュ完了部分において、フレーム間差分量を最小とする動きベクトルとしてリフレッシュ未完了の部分の方向を検出すると、フレーム間差分はリフレッシュ未完了部分との間でとられてしまうことになる。仮にリフレッシュ未完了部分にエラーを含んでいればリフレッシュ完了部分にエラーが移行してしまい、周期的リフレッシュが完全に行なわれないという問題が生じる。
近年の映像信号のディジタル化への潮流は、広範囲な分野に広まりつつあり、その波及は放送分野にまで及んでいる。現在の映像信号の高能率符号化方式の主流は、動き補償予測と変換符号化方式を組み合わせた方式であり、これを用いた数種の規格が制定されつつある。
動き補償予測は、基本的には時間領域の予測符号化であるため、初期値を設定する必要がある。また、符号化後に偶発的に発生したエラーの伝播を防ぐために、適当な周期で初期値に設定する必要がある。
この周期的な初期値設定の作業を一般に周期的リフレッシュと称している。動き補償予測と変換符号化を用いた方式の場合の周期的リフレッシュは、具体的には動き補償予測を行わない同一画面内での変換符号化となる。
前記観点からはリフレッシュ周期は短い方が好ましいが、過度なリフレッシュ、すなわち頻繁な同一画面内での変換符号化は、圧縮効率の劣化を招くため、実際にはリフレッシュ周期は0.3 〜0.5 秒程度に設定される。
画面分割リフレッシュ方式の場合には、たとえば画面を10程度の領域に分割し、1画面に対し1領域ずつリフレッシュを行うことになる。
従来例で述べているように、動き補償予測を適用するシステムでは、画面分割リフレッシュ方式における分割の境界において、動き補償予測範囲をせばめるという制限が必要となる。なぜならば画面の分割境界面に発生するリフレッシュ未完了部分からの予測は、所望画像の獲得を永久に妨げることになるからである。 画面分割リフレッシュ方式は、その分割手法により様々な方式が考えられる。図9に主な分割手法を示す。
しかしながら、図9(b) の例では以下の証明のように下境界のみにその制限を緩和することができる。(図9(c) も同様な考察が可能である。)
図10のようにリフレッシュ領域1001が画面最上部に位置している第F画面から復号化が開始された場合、第F画面のリフレッシュ領域位置に対応する第F+1画面におけるリフレッシュ完了領域1003(領域1004を含む)は、上境界における未完了領域からの予測による汚染は存在しないため、下境界における領域1004に属するブロックのみ予測範囲制限が行われていればよい。また第F+1画面のリフレッシュ領域位置に対応する第F+2画面におけるリフレッシュ完了領域1007(領域1008を含む)も、上境界における未完了領域からの予測による汚染は存在しないため、下境界における領域1008に属するブロックのみ予測範囲制限が行われていればよい。つまり当初の画面(第F画面)において画面最上部から復号化が開始された場合はこのようにして下境界の制限のみで周期的リフレッシュが完了することになる。
このとき、画面をn領域に分割している場合には、n画面にてリフレッシュが完了することになる。
図11のようにリフレッシュ領域が画面最上部以外に位置している第F画面から復号化が開始した場合、第F画面のリフレッシュ領域位置に対応する第F+1画面におけるリフレッシュ完了領域は、上境界において未完了領域からの予測による汚染が存在する可能性がある。この汚染領域を領域1105として図に示す。
1画面のライン数をLライン、垂直方向の予測範囲を±yラインとしたとき、f画面後にリフレッシュが完了しているライン数は、
{(L/n)×f}−{y×(f−1)}
となる。これがLラインより大きくなればリフレッシュは完了されたことになるから、
{(L/n)×f}−{y×(f−1)}≧L
{(L/n)−y}×f+y≧L
となり、
f≧(L−y)/{(L/n)−y}
となる。f以上の最も小さな整数をfint とすると、fint 画面経過後にリフレッシュは完全に実施されることになる。
復号化開始時のリフレッシュ領域が第i領域である場合のリフレッシュ完了時間Trは、
Tr=min[n+{n−(i−1)},fint ] (単位:画面時間)
となる。
尚、リフレッシュ方式が異なる場合も同様な手法にて、リフレッシュ完了時間Trを得ることができる。
以下、この発明の第1の実施例について説明する。
図1はこの発明の第1の実施例における動き補償予測の概念図である。
従来の実施例では、下境界において動き補償範囲を制限することにより周期的リフレッシュを実行していた。しかしながら、第1の実施例では、図1のようにリフレッシュ領域をオーバーラップさせて周期的リフレッシュを実施する。
第F+1画面を例に説明する。領域107 は画面を分割し割り当てられたリフレッシュ領域である。領域106 はリフレッシュ領域のオーバーラップ領域として付加された領域である。領域106 をオーバーラップされたリフレッシュ領域とすることにより、領域106 における未完了領域からの予測を防ぐことができる。これにより、完全に周期的リフレッシュを完了することができる。
以下、この発明の第2の実施例について説明する。
図2はこの発明の第2の実施例における動き補償予測の概念図である。
従来の実施例では、動き補償予測の参照画面は1画面に限られていた。
第2の実施例は、複数の参照画面より動き補償予測する場合の周期的リフレッシュ方式に関する。
図2は、2枚の参照画面より動き補償予測する場合の周期的リフレッシュ方式の概念図である。
図2において第F+2画面における参照画面は、第F+1画面と第F画面の2画面である。このとき、図2のようにリフレッシュ完了領域における動き補償予測範囲がリフレッシュ未完了領域を含まないようにリフレッシュ完了領域の動き補償予測範囲を制限するとともに参照画面も制限する。
尚、予測範囲および参照画面の制限は、リフレッシュ未完了領域を含まなければ、どのように制限してもよい。
以下、この発明の第3の実施例について説明する。
図3はこの発明の第3の実施例における動き補償予測の概念図である。
第3の実施例も、複数の参照画面より動き補償予測する場合の周期的リフレッシュ方式に関する。
図3は、2枚の参照画面より動き補償予測する場合の周期的リフレッシュ方式の概念図である。
第F+2画面を例に説明する。領域312 は画面を分割し割り当てられたリフレッシュ領域である。領域311 および領域310 はリフレッシュ領域のオーバーラップ領域として付加された領域である。領域311 および領域310 をリフレッシュ領域とすることにより、領域311 および領域310 における未完了領域からの予測を防ぐことができる。これにより、完全に周期的リフレッシュを完了することができる。
以下、この発明の第4の実施例について説明する。
図4はこの発明の第4の実施例における動き補償予測の概念図である。
第4の実施例も、複数の参照画面より動き補償予測する場合の周期的リフレッシュ方式に関する。
図4は、2枚の参照画面より動き補償予測する場合の周期的リフレッシュ方式の概念図である。このとき、図4のように2画面毎にリフレッシュ領域を変更し、リフレッシュ完了領域における動き補償予測範囲がリフレッシュ未完了領域を含まないようにリフレッシュ完了領域の動き補償予測範囲を制限する。
第F+2画面および第F+3画面を例に説明する。第F+2画面において、領域411 は画面を分割し割り当てられたリフレッシュ領域である。このとき、予測範囲制限領域410 は第F画面および第F+1画面の下方からの予測は禁止される。また、第F+3画面において、領域415 は画面を分割し割り当てられたリフレッシュ領域である。このとき、予測範囲制限領域414 は第F+1画面の下方からの予測は禁止される。これにより、完全に周期的リフレッシュを完了することができる。
尚、予測範囲および参照画面の制限は、リフレッシュ未完了領域を含まなければ、どのように制限してもよい。
以下、この発明の第5の実施例について説明する。
図5はこの発明の第5の実施例における動き補償予測の概念図である。
第5の実施例も、複数の参照画面より動き補償予測する場合の周期的リフレッシュ方式に関する。
図5は、2枚の参照画面より動き補償予測する場合の周期的リフレッシュ方式の概念図である。このとき、図5のように2画面毎にリフレッシュ領域を変更し、リフレッシュ完了領域における動き補償予測範囲がリフレッシュ未完了領域を含まないようにリフレッシュ領域をオーバーラップさせる。
以下、この発明の第6の実施例について説明する。
図6はこの発明の第6の実施例における復号器の概略ブロック図である。
図6において、入力端子1より入力される符号化されたデータ系列601 は、復号化回路3を介して画像メモリ4および選択回路5の第1の入力に与えられる。画像メモリ4の出力603 は選択回路5の第2の入力に与えられる。選択回路の第3の入力にはフリーズ信号発生回路6よりフリーズ信号604 が与えられる。選択回路5の出力は画像信号605 として出力端子2よりされる。
第6の実施例は、復号器における処理に関する。
前述したように、たとえば、テレビジョン画像受信における電源投入時あるいはチャンネル変更時には、リフレッシュが完全に実施されるまで、所望の画像を再生できる保証はない。よって、上記のような場合には、リフレッシュが完全に実施されるまでは、特定の画像あるいは正確に復号された最新の画像をフリーズする。
min[n+(n−i),fint ]
また、
n+(n−i)
あるいは、
fint
としてもよい。
また、
min[n+(n−i),fint ]
よりも大きな値ならば他の近似を行ってもよい。
尚、リフレッシュ方式が異なる場合も前記と同様な手法にて、不正確画像復号期間を得ることができる。
2 出力端子
3 復号化回路
4 画像メモリ
5 選択回路
6 フリーズ信号発生回路
Claims (2)
- 動き補償方法を用いて符号化された画像情報の復号処理を行う復号化方法であって、
上記動き補償方法は、
入力画像情報を構成する画像フレーム列に含まれる現フレームと、当該現フレームよりも時間的に前にある複数の参照フレームとに基づいて、上記現フレーム内の動き補償の対象領域内の各ブロックについて動き補償を行う動き補償方法であって、
上記各ブロックは、上記現フレーム内の上記対象領域を矩形形状に分割されたブロックであり、
上記各ブロックについて行われる動き補償は、上記参照フレーム内における動き補償範囲から求められた動きベクトルに従って行われ、
上記各ブロックにおける動き補償に用いる参照フレームは、当該各ブロックにおいて複数の上記参照フレームのうち少なくとも上記現フレームの時間的に1つ前或いは2つ前にある参照フレームから選択され、上記現フレームには、1つ前の参照フレームから動き補償されたブロックと、2つ前の参照フレームから動き補償されたブロックを含み、
上記参照フレームは、所定フレームから時間的に後にあるフレームであり、
上記所定フレームは、当該所定フレームよりも時間的に前にあるフレームを上記参照フレームとして用いないためのものであり、
上記復号化方法は、
上記所定フレームを復号する所定フレーム復号ステップと、
上記1つ前の参照フレーム内の動き補償範囲として使用される第1の領域および上記2つ前の参照フレーム内の動き補償範囲として使用される第2の領域を復号する参照フレーム復号ステップと、
上記現フレーム内のブロックを、上記1つ前の参照フレーム内の動き補償範囲から求められた動きベクトルと復号された上記第1の領域とを用いて、上記所定フレームよりも時間的に前にあるフレームを用いずに復号すると共に、上記現フレーム内の他のブロックを、上記2つ前の参照フレーム内の動き補償範囲から求められた動きベクトルと復号された上記第2の領域とを用いて、上記所定フレームよりも時間的に前にあるフレームを用いずに復号する現フレーム復号ステップとを備えるものであり、
上記動き補償方法を用いて符号化された画像情報の復号化処理時に、リフレッシュ完了前における復号が正確にできない期間を検出し、復号が正確にできるまでの期間において、特定の画像あるいはそれ以前に正確に復号された直前の画像をフリーズ表示することを特徴とする復号化方法。 - 画像情報を構成する画像フレーム列に含まれる現フレームと、当該現フレームよりも時間的に前にある複数の参照フレームとに基づいて、上記現フレーム内の動き補償の対象領域内の各ブロックについて動き補償を行う動き補償方法であって、
上記各ブロックは、上記現フレーム内の上記対象領域を矩形形状に分割されたブロックであり、
上記各ブロックについて行われる動き補償は、上記参照フレーム内における動き補償範囲から求められた動きベクトルに従って行われ、
上記各ブロックにおける動き補償に用いる参照フレームは、当該各ブロックにおいて複数の上記参照フレームのうち少なくとも上記現フレームの時間的に1つ前或いは2つ前にある参照フレームから選択され、上記現フレームには、1つ前の参照フレームから動き補償されたブロックと、2つ前の参照フレームから動き補償されたブロックを含み、
上記参照フレームは、所定フレームから時間的に後にあるフレームであり、
上記所定フレームは、当該所定フレームよりも時間的に前にあるフレームを上記参照フレームとして用いないためのものであることを特徴とする動き補償方法。
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2009-02-18 JP JP2009035207A patent/JP4645747B2/ja not_active Expired - Lifetime
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