JP4644242B2 - 真空排気系用バルブの使用方法 - Google Patents

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本発明は、半導体製造装置における流体制御装置等に用いられるバルブの使用方法に関し、特に、半導体製造用のプロセスチャンバーからの排気系に用いられるバルブの使用方法に関する。
一般に半導体製造設備や化学品製造設備等のプロセスチャンバーには化学的反応性に富んだガスが供給されている。そのため、このプロセスチャンバーの排気系は、これら反応性に富んだガスを安全かつ効率よく排気することが求められている。
而して、プロセスチャンバーからの排気を効率よく行なうためには、圧縮比が大で、吸入圧が低くても高い排気速度(l/min)で排気が出来るポンプを使用する必要がある。しかし、現実には圧縮比の高い真空排気用のポンプが得られないため、従来のプロセスチャンバー等からの排気系では、比較的圧縮比の小さなポンプでもってガスの排気を効率よく行い、しかも、排気系の一次側と二次側の圧力差を小さく保ってポンプの過負荷を避けると云う二つの課題を達成するため、排気系の配管口径を大口径(呼び径4インチ程度)として管路のコンダクタンスを大きく取るようにしており、バルブについても同様に、大口径を有するものが使用されている。
すなわち、流体の流れにおいては、その圧力と流路内径の関係において、粘性流領域と分子流領域に分類される。排気を効率よく行うためには粘性流領域で行うことが求められる。粘性流領域とするには、流路内径Oを、L≦D(L:ガス分子等の平均自由行程、D:流路の内径)とする必要がある。また、ガス分子等の平均自由行程Lと圧力Pの間には、L=4.98×10-3/Pなる関係がある。
即ち、配管内を粘性流領域とするための圧力と内径は上記のような関係にあるため、圧力Pをより高くすることにより平均自由行程Lを小さくでき、結果として粘性流領域を確保するための配管内径Dを小さくすることができる。
ところが、前述の通り従前のポンプでは圧縮比が比較的小さい(約10程度)ために、吐出口側の圧力を高くすることが出来ず、例えば、チャンバー側(一次側)の圧力が10-3Torrであるとすると、吐出口側は10-2Torr程度の低圧となり、従って、粘性流領域の確保をより確実なものにするためには、内径5cm以上の配管が必要とされていた。
その結果、従前の真空排気系においては、大口径の配管系を必要とするために設備が大型化するという問題が生じていた。また、真空配管系の内径が大きいため配管内の容積が大きくなり、真空排気時間が長くなるという問題もあった。更に、真空排気系をより小型に構成し、排気を効率よく短時間で行うには、圧縮比が大でしかも排気速度の大きい高能力の高価な真空ポンプを必要とすると云う問題がある。
一方、真空排気系では、真空ポンプの停止時間が長くなると、配管内に滞留したガスの解離(分解)が起こり、配管やバルブ等の配管部品の内部に分解生成物が析出して、配管部品を腐食する原因となっていた。特に、配管内のガスの解離によって生じた生成物や水分が、配管やバルブ等の配管部品の内壁に堆積したり、固着したりすると、前記腐食の問題だけでなしに、詰まりやシートリークの問題が生じ易くなる。
また、配管系を加熱してその温度を上昇させると、水分の固着は起こりにくくなり、従って腐食等の危険性も減少する。
ところが、配管内の温度が高くなると、ガスの解離(分解)が発生し、この分解した成分が配管内に析出して堆積することにより、腐食やつまり、シートリーク等が発生するという新たな問題が生じて来た。
本発明は、真空排気系の設備の小型化とこれによるコスト低減並びに真空排気時間の短縮のための真空排気系配管の小口径化に対応することができ、さらに、流体ガスの解離分解の防止並びに流体ガスの解離により生じた生成物の堆積等による内部の腐食や詰まり、シートリーク等の発生を防止できるようにした真空排気系用バルブの使用方法を提供することを、発明の主たる目的とするものである。
一般に半導体製造設備や化学品製造設備等のプロセスチャンバーには化学的反応性に富んだガスが供給されている。そのため、このプロセスチャンバーの排気系はこれら反応性に富んだガスを安全かつ効率よく排気することが求められている。
半導体製造設備の配管系は、一般的にプロセスチャンバーへのガス供給系、プロセスチャンバー、真空排気系、真空ポンプ、バルブ等で構成されている。真空排気用のポンプは、チャンバーの直後に設置された一次ポンプ(高真空タイプポンプ)、および前記一次ポンプの二次側に設置された二次ポンプ(低真空タイプポンプ)の複数のポンプが使用されており、この高真空タイプポンプにはターボ分子ポンプ(TMP)が使用され、低真空タイプポンプにはスクロールタイプのポンプが使用されている。また、排気系の配管には、前述の通り口径5cm以上の管路が使用されている。
ところが近年、ポンプ性能のアップが可能になり、具体的には圧縮比が103 〜104 程度の高圧縮比を可能としたポンプが開発され、その結果、プロセスチャンバー内の内圧が10-3Torr程度であっても一次ポンプの吐出側圧力を30〜50Torr程度にまで高めることが可能になってきた。そのため、プロセスチャンバーと真空排気系の圧力条件の最適化を図ることにより、配管内径もこれに伴なって小さくし、0.5cm程度の小口径の配管でもって粘性流領域を十分に確保できるようになってきた。
しかしながら、このように圧力を高くした場合には、真空排気系内で水分やガスが凝縮し、配管内に固着する虞れがある。また、このような設定圧力の上昇による水分やガスの凝縮固着が起こらなくとも、真空ポンプ停止時に配管内に滞留したガスの解離(分解)が起こり、配管やバルブ等の配管部品の内部に解離時の生成物が堆積して、部材の腐食を生じたり詰まりやシートリークを生じる原因となっていた。
このため、配管系内を内部のガスや水分の飽和蒸気圧以下に保持することが求められ、一般的に真空排気系では加熱が行われている(水の場合、20℃の飽和蒸気圧は、17.53torrである。)。すなわち、加熱し温度を上昇させると飽和蒸気圧は上昇し、水分やガスの凝縮固着が起こりにくくなり、従って、腐食等の危険性も減少する。そこで、真空排気系内のガス成分の種類等を考慮して、150℃程度まで温度を上昇させることが望ましいことが判っている。
しかし、配管内の温度が高くなると、前述の通りガスの解離が発生し、この解離により生じた生成物が配管内に付着堆積することにより、腐食等が発生するという新たな問題が生じていた。
ところで、上記ガスの解離(分解)という現象は、配管内壁の金属成分が触媒作用をすることにより発生することが判っている。
そこで、本願発明者等は半導体製造分野で多く使用されている図1に記載の各種ガスについて、配管原材料(金属材)とガス温度とガスの解離(分解)の状況を調査した。
図1は、金属材がNiの場合の、温度と各種ガスの解離(分解)の関係を示すものである。室温では、100ppm存在したガスが、温度上昇とともに分解して減少していく様子が判る。
また、図2は、同様に、金属材がSUS316Lの場合を示している。殆んどのガスは約150℃以下の温度で解離(分解)を起しており、このガスの分解解離を抑制するためには、真空配管内壁の金属面が触媒効果を発揮しないようにすることが求められる。
特にバルブは、配管に比べ、曲がり部やガスの停滞部分が存在するため、圧力や温度が局部的に変化する部分があり、また内容積が大きいために滞留するガスの量が多く、内表面積も大きいということで、ガスの解離により生じた生成物の付着堆積による腐食やつまり、シートリークの問題が発生し易い。
本発明者等は、このガスの解離(分解)を抑制し、解離生成物の堆積等による部材の腐食や詰まり、シートリーク等を防止する具体的な方法として、配管の内壁等の流体に接する金属部分を特定の不働態にすることにより触媒作用が発現せず、ガスの解離(分解)を抑制することができることを着想した。
一般的に、ステンレス鋼は自然に表面に酸化膜を形成し、これが不働態化していることが知られている。しかしながら、この場合の不働態膜の中には鉄の酸化物が含まれている等、不働態膜としても耐食性の面においても問題がある。
触媒作用が発現せず、従って、ガスの解離(分解)をほぼ完全に抑制できる不働態には種々が存在するが、発明者らが行った実験結果によると、図3および図4に示す通り、酸化クロム(Cr23)を主とする不働態(クロム不働態)や、酸化アルミAl2 O3 を主とする不働態(アルミ不動態)が適していることが判った。
このうち、クロム不働態の場合、図3の通り150℃以下の範囲でも分解をはじめるガスが存在する。この程度、ガスの分解を抑制できれば良い場合もあるが、さらに高温までガスの分解を抑制できる不働態としてはアルミ不働態が適していることが判った。
図4に示す通り、このアルミ不働態の場合には、150℃程度まで、全てのガスに於いてガスの分解が起こっていない特に、ガスがPH3ガス及びAS3ガスの場合には、約300℃の高温になっても殆どガスの分解が発生せず、図2乃至図3に示されているNiやUSU316Lの金属表面及びクロム不動態膜の場合に比較して、解離(分解)を起す温度が約100℃以上上昇すると云う優れた特性を有するものである。尚、この場合のアルミ不働態はAl2 O3 (アルミナ)を主体とするものであった。
なお、アルミ不働態は、アルミで製造した部品の表面に酸化または加熱あるいはこれらを組み合わせて施す方法、および同様にアルミ合金等の適切なアルミを含有する合金の表面に酸化または加熱あるいはこれらを組み合わせて施す方法、ならびに、アルミ、および、不働態を要する部分にアルミ合金等の適切なアルミを含有する合金層をメッキやコーティングで施した後に、酸化または加熱あるいはこれらを組み合わせて施すというような方法で、生成できる。
また、バルブの母材となる金属材はアルミ若しくはアルミを主体とする合金に限られることはなく、例えば重量%で数%(3〜8%)のアルミニウムを含有するオーステナイト系のステンレス鋼であってもよく、熱処理によって母材外表面にAl2 O3 を主体とするアルミ不働態膜を形成できることが確認されている。
このように、真空排気系に使用されるバルブ等の配管部品の流体が接する内表面にアルミ不働態を形成することにより、ベーキングの際に管路のの温度を上昇させてもガスの解離(分解)を抑制することが可能となり、真空排気系の小口径化に適した部品、特に腐食や分解生成物による詰まり、シートリーク等を防止できるようにしたバルブの使用方法を提供できることが確認された。
また、アルミ不働態としてはAl2 O3 又はAl2 O3 を主体とするアルミ不働態を形成するのが、前記金属表面の触媒作用の阻止や耐久性等の点で好都合であることが確認できた。
本願発明は、上述の如き過程を経て創作されたものであり、請求項1の発明は、流入路と流出路に連通する弁室の底面に弁座が設けられたボディと、前記弁座に当座または離座する金属製ダイヤフラム弁体と、前記弁体を弁座に当座させると共に弁座から離座させる駆動手段を有し、前記弁体が弁座に当座または離座することにより流路を遮断または開放して、流体ガスの流れを制御するバルブであって且つボディの流体ガスに接する面がアルミ不働態とされた真空排気系用バルブを真空排気系の流体ガス流路に設け、当該バルブの流路内壁を高温度に加熱することにより、流路内壁に於ける流体ガスの解離と水分の付着を防止するようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明に於いて、流体ガス通路を、PH3ガス又はAsH3ガスが流れる流体ガス通路とすると共に、流路内壁の加熱温度を少なくとも200℃以上とするようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、アルミ不働態をAl2 O3 を主体とすると共に、アルミ不働態の厚みを20nm以上としたものである。
請求項4の発明は、請求項1の発明に於いて、真空排気系用バルブのアルミ不働態を施した部材の材料を、アルミまたはアルミ合金若しくは数重量%のアルミを含むオーステナイト系ステンレス鋼により形成するようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項1の発明に於いて、真空排気系用バルブの金属製ダイヤフラム弁体を、流体ガスが接する部分をフッ素樹脂皮膜によりコーティングした金属製ダイヤフラムとするようにしたものである。。
請求項6の発明は、請求項1の発明に於いて、真空排気系用バルブの流路を、当該流路内の流ガスが粘性流となる内径とするようにしたものである。
請求項7の発明は、請求項1の発明に於いて、真空排気系用バルブの流路の内径を、12mm以下とするようにしたものである。
請求項8の発明は、請求項1の発明に於いて、真空排気系用バルブの流路内壁を150℃の高温度にまで加熱するようにしたものである。
請求項9の発明は、請求項5の発明に於いて、フッ素樹脂皮膜を四フッ化エチレン樹脂(PTFE)又は四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体(FEP)若しくはテトラフルオロエチレン- パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)とするようにしたものである。
真空排気系の小型化やコストダウンを達成する小口径化に対応するためには、真空排気系内のガスの解離分解や解離分解により生成した生成物の堆積固着による配管内の腐食やこれによる詰まり、シートリーク等の発生を防ぐことが必須であり、そのためには、水分やガスの配管内壁への析出・固着の防止を目的としたベーキングは不可欠である。
ところが、このベーキングによる温度上昇は、真空排気系内の金属部による触媒効果を発現させることになり、ガスの分解を促進するという問題が生じる。
本発明に係る真空排気系バルブの使用方法によれば、比較的簡単且つ安価に形成することが出来るアルミ不働態を用いて、約150℃の温度下に於いても(特に、流体ガスがPH3やAS3の場合には、図4に示されているように約300℃を越える温度下に於いても)、各種の半導体製造用ガスの解離(分解)を促進する触媒効果の発現を抑制することが可能となるため、真空排気系の小口径化に適した真空排気系用バルブの部品特に、ガスの解離に起因する分解生成物の堆積による腐食や詰まり、リーク等が生じないようにすることができ、真空排気系の小型化やコストダウンを達成する小口径化に対応することが可能となる。
さらに、アルミ不働態の厚みを20nm以上とすることにより、下地の金属に対するより優れたバリア効果を発揮することが出来るうえ、下地金属として数%のアルミニウムを含有するオーステナイト系ステンレス鋼やアルミ、アルミ合金等を適宜に選択することができ、これにより使用する真空排気系用バルブの製造コストの一層の引下げが可能となる。
また、使用する真空排気系用バルブの流路を、当該流路内の流体が粘性流となる内径とすることによって、さらに排気を効率よく行えるうえ、過大なサイズのバルブを用いる必要がなくなる。
使用する真空排気系用流体ガスがPH3ガスやAS3ガスの場合には、管路内壁を約300℃程度の高温に加熱してもガスの解離(分解)が生じないため、より高温度の加熱下でPH3ガスやAS3ガスの排気を安定して行える。
加えて、使用する真空排気系用バルブの流路部を150℃まで加熱することが可能なため、真空排気系のベーキングに対応できると共に、メタルダイヤフラムバルブに於いては、弁体を構成するダイヤフラムのみをフッ素樹脂皮膜によってコーティングすることにより、ダイヤフラムの耐熱性及び耐久力を大幅に高めることができ、結果としてバルブ寿命の延伸が可能となる。
本発明は上述の通り優れた実用的効用を奏するものである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図5は本発明で使用するバルブを示す縦断側面図である。このバルブはメタルダイヤフラムバルブと呼ばれる形式のバルブである。
メタルダイヤフラムバルブ1は、ボディ2、メタルダイヤフラム3、駆動手段4とからその主要部が構成されている。
ボディ2は、流入路5と流出路6に連通する弁室7の底面に弁座8が設けられたもので、アルミやアルミ合金等に依り作成されて居り、上方が開放した凹状の弁室7と、下方に開口して弁室7に連通する流入路5と、下方に開口して弁室7に連通する流出路6と、弁室7の底面中央に嵌着されて合成樹脂等に依り作製された弁座8と、弁室7の底面外周に形成された段部9とを備えている。流入路5と流出路6は、断面円状を呈している。
メタルダイヤフラム3は、弁室7の気密が保たれるべくボディ2に設けられて中央部が上方に膨出されたもので、ステンレス鋼等の弾性変形可能な金属製薄板に依り中央部を上方に膨出せしめた皿状に形成されて居り、その周縁部がボディ2の段部9に載置され、弁室7内へ挿入されたボンネット10の下端部とボディ2に螺着されたボンネットナット11に依り段部9側へ押圧され、気密状態で挾持固定されている。
そして、メタルダイヤフラム3の中央部が弁座7に当離座して弁の開閉が行われる様になっている。
ボンネット10は、筒形状に形成されて居り、ボディ2の弁室7内に挿入され、ボンネットナット11を締め込む事によりボディ2側へ押圧固定されている。
駆動手段4は、メタルダイヤフラム3を弁座8に当座させると共に原形状に自己復帰させて弁座8から離座させるもので、空圧式にしている。
流入路5と流出路6の内径は8mmとされており、外径9.52mmの配管に接続される。
尚、ダイヤフラムの接液部もアルミ不働態とする場合には、アルミやアルミ合金で製作したダイヤフラムを用いても良い。
また、ステンレス鋼やその他の特殊金属の表面にメッキやコーティングによりアルミやアルミ合金の層を設け、これを不働態化しても良い。
更に、駆動手段4は、先の例では、空圧式であったが、これに限らず、例えば手動式や電磁式や電動式や油圧式等でも良い。さらにバルブをダイヤフラム弁としているが、その他の形式のバルブでも良い。
上記実施形態に於いては、バルブボディ2の材質としてアルミまたはアルミを主体とするアルミ合金を用いる場合について述べたが、ボディ2の材質としては重量%で数%(3〜8wt%)のアルミニウムを含有するオーステナイト系のステンレス鋼を使用するようにしてもよい。
上記数%のアルミニウムを含有するオーステナイト系のステンレス鋼は、適宜の熱処理を施すことにより、その表面に厚さ20〜200nmのAl2 O3 を主体とする不働態様を形成できることが確認されている。
また、アルミ不働態としては、上記Al2 O3 のみに限定されるものではなく、アルミ酸化物であれば如何なるもの例えばアルマイト等であっもよい。
更に、アルミ不働態の厚さは20nm〜60nm程度が最適であり、20nm以下の厚みでは耐久性等の点に難点があり、また逆に200nm以上の場合には、アルミ不働態の形成費が嵩むうえ、アルミ不働態そのものの機械的強度等の点に問題が生ずる可能性がある。
加えて、上記実施例に於いては、メタルダイヤフラムバルブ1を構成するダイヤフラム3にアルミ不働態を直接形成するようにしているが、金属製ダイヤフラムは弁座8への当座や弁座8からの離座時に彎曲を繰り返すため、アルミ不働態の機械的破損を生ずる恐れがある。
そのため、メタルダイヤフラム3の流体と接する面(下面側)にフッ素樹脂皮膜(例えばテフロン(登録商標)であるFEP・四フッ化エチレン六プロピレン共重合体やPTFE・四フッ化エチレン樹脂、PFA・テトラフルオロエチレン- パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)の皮膜を形成するようにしてもよい。フッ素樹脂皮膜は弾性に富み、ダイヤフラム3の繰返し彎曲にも十分に耐えることが出来るうえ、ガスの解離分解を起生する金属の触媒作用を完全に防止することができ、更に150℃程度の高温にも十分に耐えることができるからである。
本実施形態の前記ダイヤフラムバルブは、プロセスチャンバーと1次ポンプ間や1次ポンプと2次ポンプ間等の真空排気系に使用される。
図6は、前記のダイヤフラムバルブを4個連結したもので、4連バルブ12と称されているものである。夫々のバルブの入口流路13、14、15、16を持ち、出口流路17に夫々のバルブが連結されている。
上記4連バルブは、4台のプロセスチャンバーの真空排気系を集合させて、排気するような場合に使用される。連結されるバルブの数は任意に選ぶことができ、必要な数のバルブが連結して使用される。
Niの場合の、温度と半導体製造用の各種ガスの分解の関係を示す図である。 SUS316Lの場合の、温度と半導体製造用の各種ガスの分解の関係を示す図である。 クロム不働態の場合の、温度と半導体製造用の各種ガスの分解の関係を示す図である。 アルミ不働態の場合の、温度と半導体製造用の各種ガスの分解の関係を示す図である。 この発明に係るバルブの縦断側面図である。 この発明に係る他のバルブ(4連バルブ)を示すものであり、(a)はその平面図、(b)はその正面図である。
符号の説明
1はバルブ、2はボディ、3はダイヤフラム、4は駆動手段、5は流入路、6は流出路、7は弁室、8は弁座、12は4連バルブ、13は流入路、14は流入路、15は流入路、16は流入路、17は流出路。

Claims (9)

  1. 流入路と流出路に連通する弁室の底面に弁座が設けられたボディと、前記弁座に当座または離座する金属製ダイヤフラム弁体と、前記弁体を弁座に当座させると共に弁座から離座させる駆動手段を有し、前記弁体が弁座に当座または離座することにより流路を遮断または開放して、流体ガスの流れを制御するバルブであって且つボディの流体ガスに接する面がアルミ不働態とされた真空排気系用バルブを真空排気系の流体ガス流路に設け、当該バルブの流路内壁を高温度に加熱することにより、流路内壁に於ける流体ガスの解離と水分の付着を防止することを特徴とする真空排気系用バルブの使用方法。
  2. 流体ガス通路を、PH3ガス又はAsH3ガスが流れる流体ガス通路とすると共に、流路内壁の加熱温度を少なくとも200℃以上とするようにした請求項1に記載の真空排気系用バルブの使用方法。
  3. アルミ不働態をAl2 O3 を主体とすると共に、アルミ不働態の厚みを20nm以上とした請求項1に記載の真空排気系用バルブの使用方法。
  4. 真空排気系用バルブのアルミ不働態を施した部材の材料を、アルミまたはアルミ合金若しくは数重量%のアルミを含むオーステナイト系ステンレス鋼により形成するようにした請求項1に記載の真空排気系用バルブの使用方法。
  5. 真空排気系用バルブの金属製ダイヤフラム弁体を、流体ガスが接する部分をフッ素樹脂皮膜によりコーティングした金属製ダイヤフラムとした請求項1に記載の真空排気系用バルブの使用方法。
  6. 真空排気系用バルブの流路を、当該流路内の流ガスが粘性流となる内径とした請求項1に記載の真空排気系用バルブの使用方法。
  7. 真空排気系用バルブの流路の内径を、12mm以下とした請求項1に記載の真空排気系用バルブの使用方法。
  8. 真空排気系用バルブの流路内壁を150℃の高温度にまで加熱するようにした請求項1に記載の真空排気系用バルブの使用方法。
  9. フッ素樹脂皮膜を四フッ化エチレン樹脂(PTFE)又は四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体(FEP)若しくはテトラフルオロエチレン- パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)とした請求項5に記載の真空排気系用バルブの使用方法。
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