JP4644189B2 - ポンプ装置及びそのポンプユニット - Google Patents

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Description

本発明は、熱尖端流を利用したポンプ装置に関する。
工業的に利用されている真空ポンプには、くみ出し式と溜め込み式とが存在する。くみ出し式ポンプは、気体を吸気口から吸引しポンプ内部で圧縮して排気口から排出するものである。モータで羽根や歯車を回転させて気体を圧縮する機械式ポンプはくみ出し式ポンプの一種であり、この種のポンプとしては油回転ポンプ、ダイヤフラムポンプ、ルーツポンプ、ターボ分子ポンプが実用に供されている。また、高速の油蒸気ジェットを用いて気体分子をたたき出す蒸気噴射式ポンプもくみ出し式ポンプの一種である。一方、溜め込み式ポンプは、外部からポンプ内部に気体を捕えることによって外部を減圧し、ポンプの動作終了後に捕らえた気体を大気に放出する再生作業を行うものである。この種のポンプとしてはクライオポンプ、ソープションポンプ、ゲッターポンプが利用されている。
近年、くみ出し式ポンプの一種として、クヌーセンコンプレッサと呼ばれる新型の真空ポンプが研究されている(例えば特許文献1、2及び非特許文献1参照)。このポンプ(本明細書においてコンプレッサはポンプの一概念とみなす。)は、軸に沿って温度勾配を持つパイプの内部で低温側から高温側へ気体が流れるという熱遷移流を利用したものである。クヌーセンコンプレッサは、運動する部品を用いずに気体を輸送できる点で従来の機械式ポンプと大きな相違がある。
また、気体の温度場によって発生する気体の挙動として、鋭い先端部(尖端部)を有する物体を加熱又は冷却して気体中に置いた場合、その尖端部の周囲で気体の流れが誘起されるという熱尖端流の存在が指摘され(非特許文献2)、実験的に確認されている(非特許文献3)。但し、熱尖端流を利用したポンプ装置はこれまで何ら検討されていない。
米国特許第5871336号明細書 特開2001−223263号公報 Y. Sone and H. Sugimoto, 天acuum pump without a moving part and its performance,・in Rarefield Gas Dynamics, ed. by A.D.Ketsdever and E.P.Muntz (AIP, New York, 2003) 1041-1048 K.Aoki, Y.Sone, and N.Masukawa,"A rarefield gas flow induced by a temperature field," in Rarefield Gas Dynamics, ed. by G.Lord (Oxford U.P., Oxford, 1995) 35-41 Y.Sone and M.Yoshimoto, "Demonstration of a rarefield gas flow induced near the edge of a uniformly heated plate," Phys. Fluids 9 (1997) 3530-3534.
熱遷移流を利用したクヌーセンコンプレッサでは、温度勾配が大きいほど吸気側と排気側との圧力差や排気流量が拡大する。しかしながら、大きな温度勾配を実現するためには流路内にて高温部と低温部とをできる限り近接させる必要があり、そのためには流路を構成する連続した壁面の一方をヒーターで加熱しつつ、その直ぐ近傍をクーラーで冷却する必要がある。このような構成では、高温部と低温部との間で温度勾配を打ち消すように壁面を介して熱が伝達されるためにエネルギー効率が悪く、得られるポンプ性能に比して消費エネルギーが極めて大きい。
そこで、本発明は熱尖端流を利用して従来のクヌーセンコンプレッサよりもエネルギー効率を改善したポンプ装置を提供することを目的とする。
本発明のポンプ装置は、気体の流路を横断する方向に間隔を空けて並べられた複数の低温物体を有する低温部と、前記流路を横断する方向に間隔を空けて並べられた複数の高温物体を有する高温部と、前記低温部よりも前記高温部が高温となるように前記低温部又は前記高温部の少なくともいずれか一方の温度を操作する温度操作手段と、を具備し、前記低温物体と高温物体とが前記流路の流れ方向にずらして配置され、かつ前記低温物体と前記高温物体との間には気体による断熱層が介在され、前記横断する方向に関して前記低温物体と前記高温物体とが交互に並んでいることにより、上述した課題を解決する。
熱尖端流が生じるためには、i)気体中に固体境界となる壁面が存在すること、及び、ii)壁面上の任意の点に到着する分子を考えたときに、その点を含み壁面に垂直な一方の側から飛来する気体分子の平均速度と他方の側から飛来する気体分子の平均速度との間に差があること、が必要である。本発明のポンプ装置によれば、低温物体と高温物体との近接部分においてそれらの物体の先端部が固体境界を提供し、かつ、それらの物体の近接部分の任意の点において低温物体側から飛来する気体分子と高温物体側から飛来する気体分子との間に平均速度の差が生じるから上記の二条件は満たされる。これにより、低温部から高温部へと向かう気体の一方向流れが誘起されてポンプ作用が得られる。また、本発明においては、低温物体と高温物体とが互いに接しない。つまり2つの物体は互いに離れている。このため、低温物体と高温物体との間に断熱層(この場合は気体層)が介在するようになり、低温部と高温部とが接近していても、両者が接している場合と比較して低温側と高温側との間の温度勾配を拡大してエネルギー効率を高めることが容易である。
本発明のポンプ装置の一形態においては、さらに前記低温物体と前記高温物体とが前記流れ方向に関して部分的に重複していてもよい。
本発明のポンプ装置の一形態において、前記低温部には前記横断する方向に互いに平行に並べられた第1の平板群が前記低温物体として設けられ、前記高温部には前記横断する方向に互いに平行に並べられた第2の平板群が前記高温物体として設けられてもよい。あるいは、前記低温物体又は前記高温物体の少なくともいずれか一方が柱状に構成されていてもよい。さらに、前記低温部又は前記高温部の少なくともいずれか一方に多孔質体が設けられ、前記多孔質体の透孔を囲む壁部が前記低温物体又は前記高温物体として機能するようにしてもよい。
本発明の一形態においては、前記横断する方向に隣接する低温物体同士の間隔と、前記高温物体同士の間隔とが、それぞれポンプ装置の使用圧力範囲における気体分子の平均自由行程の数百倍から数百分の一の範囲内に設定されてもよい。また、前記低温物体及び前記高温物体のそれぞれの近接部分の端部が気体分子の平均自由行程以下の曲率半径を有していてもよい。さらに、前記流れ方向に関して複数のポンプユニットが連結され、各ポンプユニットに前記低温部及び前記高温部が設けられてもよい。
本発明のポンプユニットは、気体の流路を横断する方向に間隔を空けて並べられた複数の低温物体を有する低温部と、前記流路を横断する方向に間隔を空けて並べられた複数の高温物体を有する高温部とを含み、前記低温物体と高温物体とが前記流路の流れ方向にずらして配置され、かつ前記低温物体と前記高温物体との間には気体による断熱層が介在され、前記横断する方向に関して前記低温物体と前記高温物体とが交互に並んでいることにより、上述した課題を解決する。このようなポンプユニットを単独で、又は流れ方向に複数連結して低温部と高温部との間に温度勾配を与えることにより、本発明のポンプ装置におけるポンプ作用を得ることができる。
本発明のポンプユニットの一形態において、前記低温部には前記横断する方向に互いに平行に並べられた第1の平板群が前記低温物体として設けられ、前記高温部には前記横断する方向に互いに平行に並べられた第2の平板群が前記高温物体として設けられてもよい。この場合、ポンプユニットは、ポンプハウジングを構成する中空のフランジと、前記フランジに対して熱遮断部を介して連結されたヒーターユニットとを備え、前記フランジにはそのフランジの中空部を横断するように第1の平板群が取り付けられ、前記ヒーターユニットには電熱線材を前記第2の平板群が形成されるように蛇腹状に折り曲げた発熱体が設けられてもよい。前記ヒーターユニットには、前記発熱体が取り付けられるフレームと、前記フレームの外周に張り巡らされたワイヤとが設けられ、前記ワイヤと前記フランジとを接続する接続手段とが前記熱遮断部として機能するようにしてもよい。前記フレームには複数のパイプ状の断熱部材が固定され、前記ワイヤは前記断熱部材を通されることにより前記フレームと連結され、前記接続手段は前記ワイヤと前記フランジとを接続するようにしてもよい。前記接続手段は、前記ヒーターユニットを複数点で支持するフローティング機構を含んでいてもよい。前記フランジには冷却媒体が通過する冷媒流路が設けられてもよい。
なお、本発明において、複数のポンプユニットを流れ方向に関して直列的に連結する場合には、各ポンプユニットの両端における温度を等しく設定する必要がある。また、各ポンプユニットがポンプ作用を発揮するためには、ユニット一組の幾何形状が流れ方向に折り返された系と重ならないことが必要である。そして、多数のポンプユニットを直列に連結してポンプ装置を構成した場合には、ポンプ装置の両端において大きな圧力差を実現することができる。
以上に説明したように、本発明によれば、温度が異なる低温物体群と高温物体群とをそれらの間に断熱層が介在された状態で並べることにより、低温物体と高温物体との近接部分で同一方向の熱尖端流を生じさせているので、連続した壁面上で温度勾配を生じさせていた従来のクヌーセンコンプレッサと比較して、エネルギー効率に優れたポンプ装置を実現することができる。
熱尖端流を説明するための2次元モデルを示す図。 図1Aのモデルにおける流れのシミュレーション結果を示す図。 本発明のポンプ装置の単純化された第1の形態を示す図。 図2Aの形態において予想される温度分布を示す図。 高温部を変更した第2の形態のポンプ装置を示す図。 高温部をさらに変更した第3の形態のポンプ装置を示す図。 低温部を変更した第4の形態のポンプ装置を示す図。 低温部をさらに変更した第の形態のポンプ装置を示す図。 低温部及び高温部にそれぞれ円柱状の物体を設けた第6の形態のポンプ装置を示す図。 低温部又は高温部をワイヤ又は網状に構成した例を示す図。 低温部又は高温部を多孔質体によって構成した例を示す図。 熱尖端流の他の形態における流れのシミュレーション結果を示す図。 本発明のポンプ装置の一実施例における流れ方向の断面図。 図5のポンプ装置にて使用されるポンプユニットの断面図。 図6のポンプユニットの左側面図。 図6のポンプユニットの右側面図。 図6のポンプユニットに使用されるフランジの軸方向断面図。 図9Aのフランジの側面図。 図9AのIXc部の拡大図。 図9BのIXd部の拡大図。 ポンプユニットに使用されるヒーターユニットの正面図。 図10のヒーターユニットの下面図。 図10のヒーターユニットに使用されるフレームの正面図。 図12AのXIIb−XIIb線に沿った断面図。 ヒーターユニットに使用される発熱体の正面図。 図13AのXIIIb−XIIIb線に沿った断面図。 発熱体の端部の曲げ加工を示す図。 ヒーターユニットのサブアッセンブリの正面図。 図14AのXIVb−XIVb線に沿った断面図。 ヒーターユニットのサブアッセンブリの下面図。 実験装置の概略構成を示す図。 実験結果を示す図。 比較例を示す図。 円筒体を組み合わせて平板群を構成した実施例を示す図。 平板の間隔を流れ方向において変化させた実施例を示す図。 同一平板上で温度勾配を生じさせる実施例を示す斜視図。 図19Aに示す実施例の流れ方向に沿った断面図。 本発明のポンプ装置の他の実施例を示す部分斜視図。 解析に使用するポンプユニットのモデルにおけるパラメータを示す図。 図21Aのポンプ装置における基本ユニットを示す図。 希薄度と質量流量との関係を示す図。 本発明の一形態に係るポンプ装置における流れの解析結果を示す図。 本発明の一形態に係るポンプ装置における温度場の解析結果を示す図。 基本ユニットにおける流路数と質量流量との関係を示す図。 本発明の一形態に係るポンプ装置における圧力の解析結果を示す図。 本発明の一形態に係るポンプ装置における数密度の解析結果を示す図。 本発明の一形態に係るポンプ装置における希薄度と圧縮率との関係の解析結果を示す図。 本発明の一形態に係るポンプ装置においてポンプユニットを10段連結した場合の希薄度と圧縮率との関係の解析結果を示す図。 平板同士を流れ方向に一直線に並べた形態を示す図。 図28の形態における流れの解析結果を示す図。 図28の形態における温度場の解析結果を示す図。 図3Aの形態における流れの解析結果を示す図。 図3Bの形態における流れの解析結果を示す図。 図3Cの形態における流れの解析結果を示す図。 図3Dの形態における流れの解析結果を示す図。 図3Eの形態における流れの解析結果を示す図。 図3Eの形態に対して、低温物体及び高温物体を一直線に並べた変形例における流れの解析結果を示す図。 本発明に係るポンプ装置を実用化した場合の基本形態を示す図。 図36の形態に対して排気側にポンプを追加した形態を示す図。 図37の形態に対して真空タンクを追加した形態を示す図。
符号の説明
1 容器
2 平板
3 壁面
4 流路
5 低温側の平板(低温物体)
5a 前端部
5b 後端部
6 高温側の平板(高温物体)
6a 前端部
6b 後端部
7 円筒体(平板)
11 楕円管
12 楕円柱
13、14、18 低温物体
15、16、17 高温物体
20 真空ポンプ
21 ポンプユニット
22 フランジ
23 低温平板群
24 高温平板群
25 フランジの中空部
28 フィン取付溝
33 通水孔(冷媒流路)
36 冷却フィン(低温側の平板)
40 ヒーターユニット
41 フレーム
42 発熱体
43 支持機構
45 加熱フィン(高温側の平板)
51 断熱部材
52 ワイヤ
53 支持リング
55 フローティング機構
60 ポンプハウジング
61 内部流路
62 冷却水通路
65 ヒーター電源
66 冷却水供給装置
70 発熱部
71 熱源
80 第1のガス透過性シート(低温部)
81 第2のガス透過性シート(高温部)
90 排気ポンプ
91 開閉弁
92 真空タンク
C 低温平板群(低温部)
H 高温平板群(高温部)
[第1の形態]
本発明の一形態に係るポンプ装置の理解のため、まず熱尖端流の一例について説明する。図1Aに示すように、温度Tの正方形状の容器1の中央部に温度Tの平板2が置かれている場合を考える。図1Bは容器1内の流れに関する数値シミュレーションによって得られた流れベクトル及び等温線の様子を示している。但し、図1Bに示した平板2の中心に原点を置き、平板2と直交する方向にX軸を、平板2と平行な方向にX軸を設定したときの第一象限の部分のみを図1Bに示している。また、ここに示す数値シミュレーション結果は、T/T=5、容器1内における気体分子の平均自由行程が平板2の幅の5%に相当する場合である。図1Bによれば、平板2の尖端部2aの付近において、気体の温度が急激に変化し、その低温側から高温側へ向かう流れが生じていることが判る。このような流れが熱尖端流である。
次に本発明の一形態に係るポンプ装置について説明する。図2A及び図2Bは本発明のポンプ装置の単純化された一形態を示している。このポンプ装置では、一対の壁面3によって規定される流路4に第1の平板群としての低温平板群(低温部)Cと第2の平板群としての高温平板群(高温部)Hとが設けられている。流路4における気体の流れ方向は図2BにおけるX軸正方向である。低温平板群Cにおいては、複数の平板5が流路4を横断する方向(具体的には流路における流れ方向と直交する方向)に一定間隔を空けて互いに平行に並べられている。高温平板群Hにおいても、複数の平板6が低温平板群Cの平板5と同一方向に一定間隔を空けて互いに平行に並べられている。平板5と平板6とは互いに接しないようにして流路4の流れ方向に並べられている。高温平板群Hの平板6は低温平板群Cの隣接する一対の平板5に対して等距離となる位置に、言い換えれば平板5同士の隙間を二等分する位置に配置されている。但し、平板6の位置は平板5の隙間を二等分する位置に限定されず、高温平板群Hの平板6は低温平板群Cの隣接する一対の平板5の間に平板6が配置されていればよい。また、流路4の流れ方向に関して、低温平板群Cの平板5の後端部5bと高温平板群Hの平板6の前端部6aとは一定長さに亘って互いに重複している。つまり、平板5と平板6とは、流路4を横断する方向においてそれぞれの端部5a、6aが一定間隔Wで交互に並ぶように設けられている。
以上のようなポンプ装置において、高温平板群Hの平板6の温度Tを、低温平板群Cの平板5の温度Tよりも高く設定した場合を考える。まず、平板5、6の食い違い部分(流れ方向に関してオーバーラップしている部分)における温度分布に着目すると、この部分では2つの平板群C、Hの間の温度差により周囲の気体中に大きな温度勾配が生じる。一方、平板5の前端部5aの周囲及び平板6の後端部6bの周囲では、低温又は高温の平板5又は6のみが連続しているために、平板温度T又はTとほぼ一致する一様な温度場が生じる。以上の結果から、平板群C、Hの付近の温度分布は図2Bに示すようになる。なお、図中のハッチング領域は高温部分を示す。
個々の平板5、6の温度が前端部5a、6aから後端部5b、6bまでほぼ一定であるとすれば、それぞれの平板5、6上において熱遷移流は生じない。これに対して、平板5の後端部5b及び平板6の前端部6aにおいては、周囲の気体中に温度勾配が生じているために熱尖端流が生じる。より具体的に考察すれば次の通りである。
まず、低温側の平板5の後端部5b付近の点Pにおいては、−X方向において低温の気体分子が存在し、+X方向には高温の気体分子が存在する。温度勾配が生じている環境において、気体分子はより高温側に移動する傾向を示すから、点Pでは+X方向の流れ(熱尖端流)が誘起される。次に、高温側の平板6の前端部6a付近の点Qにおいても上記と同様の現象が生じて+X方向の流れが誘起される。一方、平板5の前端部5a付近の点P′、及び平板6の後端部6b付近の点Q′においては、周囲の気体温度がT又はTでほぼ一定であるため、流れが生じない。
以上の考察から明らかなように、図2Bにおいては、平板5の後端部5b及び平板6の前端部6aの周囲のみで気体の流れが誘起され、流れ方向はいずれも+X方向である。従って装置全体においても+X方向への流れが生じる。本発明の一形態に係るポンプ装置はこのような原理によりポンプとして動作する。
本発明の一形態のポンプ装置においては、低温側の第1の平板群Cと高温側の第2の平板群Hのそれぞれが複数の平板5、6を備えている。低温側及び高温側のそれぞれに一枚ずつ平板を設けてそれらを流れ方向に並べた構成では、それぞれの平板の両端で互いに逆向きの熱尖端流が生じ、装置全体で見ればそれらの流れが打ち消し合って有効な流れを発生させることは難しい。また、本発明の一形態に係るポンプ装置においては、低温側の平板5と高温側の平板6とが互いに接しない。つまり2つの平板群C、Hは互いに離れている。このため、平板群の間に断熱層(この場合は気体層)が介在するようになり、平板群同士が接近していても、平板同士が接している場合と比較して両者間の温度勾配を拡大してエネルギー効率を高めることが容易である。なお、図2A、図2Bにおいては、流路4を横断する方向に関して低温側の平板5と高温側の平板6とを交互に並ぶように配置しているが、本発明は必ずしもこれを必須とするものではない。平板5と平板6とは互いに接しないようにして流れ方向に並べられていればよく、例えば両者を流れ方向に一直線状に並べてもよい(図28参照)。平板群間の断熱層は気体層に限らず、平板群間における熱伝導を十分に抑えられる断熱性能を有している材料からなる断熱体を両平板群の間に配置してもよい。要するに、本発明においては、両平板群の間で他の部材を介在することなく熱が交換されないように両平板群が離されていればよい。
本発明の一形態に係るポンプ装置において、両平板群の端部を流れ方向に重複させて食い違い部分を設けた場合には、その食い違い部分において互いの温度の影響が生じて各平板の温度が不均一になる可能性がある。例えば図2Bにおいて平板群Cの温度Tは食い違い部分で上昇し、平板群Hの温度Tは食い違い部分で低下する可能性がある。このような温度勾配は低温側から高温側への熱遷移流を生じさせるが、その流れ方向は上述した熱尖端流による流れ方向と同じく+X方向となる。従って、仮に上記のような温度勾配が生じてもそれはポンプ装置の効果を高める方向に作用する。
本発明の一形態に係るポンプ装置において、平板群同士の間で温度差を発生させるためには、いずれか一方の平板群のみを加熱し又は冷却する。あるいは、いずれか一方の平板群を加熱し、かつ他方の平板群を冷却してもよい。
本発明の一形態に係るポンプ装置において、流路を横断する方向に隣接する同一平板群の平板同士の間隔(図2Bの間隔D′に相当)は、ポンプ装置の使用圧力範囲における気体分子の平均自由行程の数百倍から数百分の一の範囲内(以下、この範囲を推奨エッジ間隔と呼ぶ。)に設定することが好ましい。但し、本発明のポンプ装置は、平板間隔が推奨エッジ間隔外であっても動作し、かつ実用に供される可能性があり、推奨エッジ間隔の用語はそれ以外の平板間隔の設定を否定するものではない。要するに、同一平板群の平板同士の間隔D′は、流路4に導入される気体分子の挙動の観点からみて、その気体分子の平均自由行程と実質的に同等とみなし得る範囲に設定されていればよい。
本発明の一形態に係るポンプ装置においては、流れ方向に関して複数のポンプユニットが連結され、各ポンプユニットに低温平板群C及び高温平板群Hが設けられてもよい。
[他の形態]
上記の形態では、低温物体及び高温物体のいずれもが、流れ方向の長さに比して厚さが十分に小さい平板状に形成されている。しかしながら、熱尖端流を生じさせる低温物体及び高温物体はこのような平板状のものに限られない。上述したように、熱尖端流を生じさせるためには、気体中に固体境界となるべき物体が存在し、かつ、固体境界上のある点(点Aとする。)に到着する気体分子を考えたときに、点Aを含み、物体の表面(壁面)に垂直な面の一方の側から飛来する気体分子の平均速度と他方の側から飛来する気体分子の平均速度との間に差があればよい。このような条件を満たす限りにおいて、低温物体及び高温物体は様々な形状に形成することが可能である。以下、低温物体又は高温物体を変更した他の形態について説明する。
図3Aは、図2Aの高温側の平板6に代えて、断面略正方形の柱状の高温物体13を流路4の横断方向に一定間隔D′で並べて高温部Hを構成した第2の形態を示す。この形態では、高温物体13は低温平板群Cの平板5と同数設けられており、かつ平板5と高温物体13とは流れ方向において一直線に並べられている。平板5と高温物体13とは接しておらず、両者の間には気体による断熱層が介在されている。
図3Bは、図3Aの高温物体13に代えて、断面寸法がより小さい柱状の高温物体14を流路4の横断方向に並べて高温部Hを構成した第3の形態を示す。高温物体14は流れ方向に複数列(図の例では2列)が設けられており、各列における高温物体14は流路4の横断方向に互い違いにずらされている。また、各列における高温物体14の間隔は低温側の平板5のそれよりも小さい。平板5と高温物体14とは接しておらず、両者の間には気体による断熱層が介在されている。
図3Cは、図3Bの低温平板群Cにおける平板5に代え、厚さが十分に大きい断面矩形の柱状の低温物体15を流路4の横断方向に並べて設けることにより低温部Cを構成した第4の形態を示す。低温物体15同士の間隔(ピッチ)は図2Aの平板間隔D′に等しく、低温物体15と高温物体14との間には断熱層が介在されている。
図3Dは図3Aの低温平板群Cの平板5に代えて、断面略正方形の柱状の低温物体16を流路4の横断方向に一定間隔D′で並べることにより低温部Cを構成した第5の形態を示す。この形態では、低温物体16と高温物体13とは流路4を横断する方向に関して互い違いに並べられている。低温物体16と高温物体13とは接しておらず、両者の間には気体による断熱層が介在されている。
ここまでは低温物体及び高温物体のそれぞれの壁面(表面)が流れ方向において直線的に延び、低温物体及び高温物体の近接部分においてそれらが鋭利な尖端を有する場合について説明した。しかしながら、熱尖端流を生じさせる尖端は、気体分子の平均自由行程を下回る曲率半径という意味に拡張して考えることができる。例えば、図4に示すように、温度が一様にTである楕円管11の内部に一様な温度T(T>T)の楕円柱12を置いた場合においては、楕円管11の内壁面付近で流れが生じている。このように、一見して尖端とは考えられない物体の周りにおいても熱尖端流と同じ原理による気体の流れを発生させることが可能である。従って、低温物体又は高温物体がそれらの近接部分の先端部において有限の曲率を持っている場合でも熱尖端流を利用したポンプ装置を構成することができる。図3Eはその一例としての第6の形態を示している。図3Eの形態では、円柱状(断面円形)の低温物体17と高温物体18とが図2Aの形態と同様にして配置されている。それぞれの物体17、18の曲率半径は気体分子の平均自由行程以下であればよい。なお、図3A〜図3Cに示した形態において、低温部Cと高温部Hの構成を入れ替えてもよい。すなわち、図3A及び図3Bにおいて高温部Hを平板群にて構成し、低温部Cを柱状の低温物体にて構成してもよいし、図3Cにおいて高温部Hの高温物体を断面が大きな柱状に形成し、低温部Cの低温物体を断面がより小さい柱状に形成してもよい。
以上に示した形態では、簡単のため低温部及び高温部の二次元断面を示しているが、実際には紙面と直交する方向においても同様の断面形状を有する三次元形状に低温部及び高温部を構成してもよい。この場合、図3Fに示すような格子状等に組み合わされたワイヤ又は網、あるいは図3Gに示すような多孔質体によって低温部又は高温部を構成することができる。その他にも低温物体又は高温物体をハニカム状等の種々の形状を形成するように組み合わせ、あるいはそれらの物体の表面を波板状に湾曲させる等して低温部又は高温部を構成してよい。いずれの場合でも、ポンプ内の流路を平均自由行程程度の幅の微小流路に区分する壁部分が低温物体又は高温物体として機能することになる。
次に、図5〜図14Cを参照して本発明のより具体的な実施例について説明する。図5は本発明の一実施例に係る真空ポンプの流れ方向に沿った断面図である。このポンプ20は、気体の流れ方向に連ねられた複数(図では9個)のポンプユニット21を有している。図6は各ポンプユニット21の流れ方向に沿った断面図、図7は図6における左方からの側面図、図8は図6の右方からの側面図である。図6〜図8に示すように、ポンプユニット21は、円盤状のフランジ22と、そのフランジ22に取り付けられる低温平板群(低温部)23及び高温平板群(高温部)24とを有している。
フランジ22は真空ポンプ20の外壁を構成するハウジングとして機能するものである。フランジ22は、例えば真空ポンプ20が取り付けられる配管部品用のフランジの素材に必要な追加工を施して得ることができる。図9A及び図9Bはフランジ22の一例を示し、図9Aは軸線方向の断面図、図9Bは右側面図(但し半円分のみ)である。また、図9Cは図9Aに示したIXc部の拡大図、図9Dは図9Bに示したIXd部の拡大図である。これらの図に示すように、フランジ22の中心部にはフランジ22を軸線方向に貫く中空部25が設けられている。中空部25は、フランジ22の一方の端面22aに開口する凹部26と、その凹部26の底面26aとフランジ22の他方の端面22bとの間を貫く通し孔27とを備えている。通し孔27はフランジ22の軸線方向からみて矩形状をなす角穴であり、その対向する一対の内面27aの端面22b側におけるエッジにはフィン取付溝28が一定間隔を空けて設けられている(図9C及び図9D参照)。各々のエッジにおけるフィン取付溝28の数は同数であり、かつ、一方のエッジにおけるフィン取付溝28の延長線上に他方のエッジのフィン取付溝28が対を成すように位置している。また、図9A及び図9Bに示すように、通し孔27の周囲にはフランジ端面22bと凹部26の底面26aとの間を貫くねじ通し孔30が設けられ、その外側には端面22bに開口するシール溝31が設けられている。さらに、シール溝31の外側にはフランジ22を軸線方向に貫くボルト通し孔32が周方向に等ピッチで設けられ、それらボルト通し孔32の間には冷却媒体としての冷却水を通すための通水孔(冷媒通路)33がフランジ22を軸線方向に貫くように設けられている。各通水孔33の端面22b側の口元にはシール溝34が設けられている。
フランジ22のフィン取付溝28には、図8に示すように低温平板群23を構成する冷却フィン(低温側の平板に相当)36の端部36aが固定されている。すなわち、通し孔27のエッジ上で対をなすフィン取付溝28同士の間に冷却フィン36を架け渡すことにより、通し孔27内には複数の冷却フィン36が互いに平行かつ等間隔で設けられ、それにより通し孔27内に低温平板群23が構成されている。各冷却フィン36は熱伝導性に優れた素材で形成されており、一例としてアルミナの薄板を冷却フィン36の素材として利用することができる。冷却フィン36は種々の固定手段を利用してフランジ22へ固定してよいが、一例としてアルミナ系接着剤を利用することができる。冷却フィン36同士の間隔D′は真空ポンプ20が使用される圧力に対応して定められる推奨エッジ間隔に設定する。推奨エッジ間隔の中でも特に平均自由行程の数十倍から数十分の一の範囲に設定するとさらに好ましい。
一方、フランジ22の凹部26にはヒーターユニット40が配置されている。ヒーターユニット40は高温平板群24を含み、かつその高温平板群24の温度を操作する手段を兼ねるものである。図10はヒーターユニット40の正面図、図11は側面図である。ヒーターユニット40は、フレーム41と、フレーム41に保持された発熱体42と、フレーム41を支える支持機構43とを有している。
図12A及び図12Bにも示すようにフレーム41は矩形状に形成され、互いに平行な一対の内面には収容溝44が設けられている。フレーム41は発熱体42の熱を均一化するために熱伝導性に優れた素材で形成することが望ましく、一例としてアルミナをフレーム41の素材として使用することができる。
一方、図13A及び図13Bに示すように、発熱体42は、電気抵抗が大きい素材、例えばニクロムにて形成された帯状の電熱線材を一定ピッチで蛇腹状に折り曲げてなるもので、端部42a、42b間に通電することにより全体を発熱させることができる。従って、発熱体42の折り返し部間で直線状に延びる領域が加熱フィン45として機能し、それらの加熱フィン45の集合によって高温平板群24が構成される。加熱フィン45の間隔は、冷却フィン36の間隔と一致する。発熱体42の一方の端部42aは加熱フィン45よりも外側へ延ばされており、その延長部分には図13Cに示すようにほぼ90°に曲げ返されて端子部46が形成されている。
以上のように構成された発熱体42は、図14A〜14Cに示すようにフレーム41の収容溝44にその折り返し部分を一致させるようにしてフレーム41に取り付けられる。さらに、フレーム41に取り付けられた発熱体42は適当な固定手段、例えばアルミナ系接着剤によりフレーム41に固定される。フレーム41に固定された発熱体42の端子部46には導線47を介して電極板48が溶接等の固定手段を利用して接続される。導線47には例えばステンレスワイヤが使用される。一方、発熱体42の反対側の端部42bには電極板49が溶接等の固定手段を利用して接続される。
図10及び図11に戻って、ヒーターユニット40の支持機構43は、フレーム41の四隅に接着層50を介して固定されるパイプ状の断熱部材51と、その断熱部材51を結ぶように設けられたワイヤ52と、フレーム41の各辺のほぼ中間位置の付近に設けられた支持リング53とを有している。断熱部材51には例えばジルコニアが使用される。ワイヤ52は各断熱部材51の内部に通された上で両端が接合されることにより、全体として概略八角形状の閉じた形状を描くように設けられている。支持リング53はワイヤ52の湾曲部52aに嵌め合わされてワイヤ52に連結されている。支持リング53の中心には通し孔53aが形成されている。
以上のように構成されたヒーターユニット40は、図6〜図8に示したように電極板48、49を凹部26から突出させるようにして凹部26に収容され、フローティング機構55によってフランジ22に取り付けられる。フローティング機構55は、ヒーターユニット40を複数点で支持する接続手段として機能するものであり、ねじ通し孔30(図9A及び図9B参照)に端面22b側から装着されて先端がヒーターユニット40の支持リング53の通し孔53a(図10参照)に通される皿小ねじ56と、その支持リング53から突出した皿小ねじ56がねじ込まれる一対のナット57と、凹部26の底面26aと支持リング53との間に配置されるコイルばね58とを備えている。一対のナット57は、コイルばね58が最大圧縮量よりも少ない適正量だけ圧縮されるように底面26aと支持リング53との隙間を調整する手段として機能する。
以上のようなフローティング機構55により、ヒーターユニット40はフランジ22の軸線方向に幾らか移動できる状態でフランジ22に連結される。そして、コイルばね58の圧縮反力で支持リング53が凹部26から端面22a側に脱出する方向、言い換えれば加熱フィン45が冷却フィン36から離れる方向に付勢されることにより、ヒーターユニット40は支持リング53とナット57及びコイルばね58との接触部分を除いて、フランジ22から浮いた状態に支持される。これにより、ヒーターユニット40とフランジ22との間の熱伝導が十分に抑えられる。さらに、ヒーターユニット40においても、支持リング53とフレーム41とが断熱部材51とワイヤ52とを介して接続されているのでフレーム41と支持リング53との間の熱伝導も小さく抑えられる。これらが相俟って、加熱フィン45とフランジ22との間の断熱性能が極めて高くなり、少ないエネルギーでヒーターユニット40の加熱フィン45を所望の高温域に保持できるようになる。以上のように本実施形態では、断熱部材51、ワイヤ52、支持リング53及びフローティング機構55によって熱遮断部を構成している。
図6から明らかなように、ヒーターユニット40は加熱フィン45と冷却フィン36とが図2Aに示したものと同様に、すなわち各フィンの並び方向に関しては加熱フィン45と冷却フィン36とが一定間隔で互い違いに並ぶように、かつフランジ22の軸線方向に関しては加熱フィン45と冷却フィン36との端部同士が一定長さに限って重複するようにして、フランジ22に取り付けられている。隣接する加熱フィン45と冷却フィン36との間隔は図2Aの間隔D′と同じく、真空ポンプ20が使用される圧力に応じて定まる推奨エッジ間隔に設定される。
図5に戻って、真空ポンプ20は、複数のポンプユニット21をフランジ22の軸線方向に向きを揃えかつ半径方向には交互に180°ずつ向きを変えながら連結することによって構成される。その連結はフランジ22のボルト通し孔32に通しボルトを装着してこれを反対側のナットにねじ込むことにより実現される。ポンプユニット21の連結により各フランジ22が連続して筒状のポンプハウジング60が形成され、各フランジ22の中空部25が連続して真空ポンプ20の内部流路61が形成される。ポンプハウジング60の両端は真空ポンプ20が適用される配管路に接続される。
内部流路61の気密性を確保するために、各フランジ22のシール溝31にはリング状のシール部材(図示略)が取り付けられ、それによりフランジ22同士の繋ぎ目がシールされる。また、フランジ22の連結によって通水孔33が連続し、それによりポンプハウジング60に冷却水通路62が形成される。冷却水通路62からの水漏れを防止するためシール溝34にもシール部材(図示略)が取り付けられる。さらに、フランジ22を相互に連結することにより、各ポンプユニット21の電極板48は隣接するポンプユニット21の電極板49と接触する。これにより、各ヒーターユニット40の発熱体42が直列接続される。そして、ポンプ20の一端に配置されたポンプユニット21の電極板48と、反対側の端に配置されたポンプユニット21の電極板49とはヒーター電源65に接続される。また、冷却水通路62は冷却水供給装置66に接続される。
以上のような真空ポンプ20によれば、冷却水供給装置66から冷却水通路62に冷却水を導いて各ハウジング22を冷却し、これに固定された冷却フィン36を冷却する一方で、ヒーター電源65から発熱体42に通電して加熱フィン45を加熱することにより、低温平板群23と高温平板群24との間に十分な温度差を発生させることができる。従って、ハウジング60の内部流路61の排気側(図5では左端側)をポンプ20の使用圧力領域まで減圧することにより、各ポンプユニット21の冷却フィン36と加熱フィン45との間に高温側へ向かう熱尖端流を生じさせ、それにより全体としては図5の右から左への気体の流れを誘起することができる。
以上の実施例においては、ヒーターユニット40とヒーター電源65とによって平板群24を加熱する手段が構成され、冷却水通路62と冷却水供給装置66とによって平板群23を冷却する手段が構成される。そして、これらの手段はいずれも平板群の温度を操作する手段を構成する。つまり、上記の実施例では、高温平板群24が平板群の温度を操作する手段の一部として兼用されていることになる。
なお、ポンプユニット21の個数は真空ポンプに求められる圧力差に応じて適宜に選択してよく、1以上の任意の個数が選択可能である。低温側の平板群23と高温側の平板群24との間に生じさせるべき温度差によっては冷却水による冷却を省略してもよい。冷却が必要な場合でも、水冷式の冷却に代え、空冷その他の適宜の冷却方式を適用できる。平板群24の加熱に関しても電気抵抗による発熱に限らず、各種の手段を利用してよい。上記の実施例では低温物体及び高温物体をいずれも平板状に形成しているが、これらについては図3A〜図3Eに示した柱状、厚板状、円柱状といった各種の形状に変更可能である。
[実験例について]
次に実験例を説明する。図5に示した実施例の真空ポンプ20を実際に作成し、図15に示す試験装置100によりその性能を確認した。試験装置100においては、真空ポンプ20の排気側(図において左側)に気体導入装置101及び排気ポンプ102(例えば油回転真空ポンプ)を接続して排気口の圧力を制御可能とし、吸気側には別の気体導入装置103を設置して真空ポンプ20の吸気口から内部を通って流れる気体の流量(あるいは吸気口の圧力)を制御可能とした。真空ポンプ20の吸気側及び排気側にはそれぞれ圧力計104、105を設置した。なお、真空ポンプ20におけるポンプユニット21の個数は10とした。
以上の試験装置100において、真空ポンプ20の排気口の圧力(Pout)を一定に保ちながら、真空ポンプを通過する気体の流量(V)と吸気口の圧力(Pin)との関係を調べた結果を図16Aに示す。なお、図16Bは、比較例として従来のクヌーセンコンプレッサにおいて同一実験を行った結果を示す。ユニットの消費電力は図16Aにおいてほぼ100ワット、図16Bにおいてほぼ40ワットであった。両者の比較(例えばPout、Pinがともに10Paのときの流量の比較)から、本発明の真空ポンプによれば2倍の消費エネルギーで50倍程度の流量が得られていることが判る。エネルギー効率に関しては、流量Pin、Pout(Pout<Pin)の値、真空ポンプ装置20の前後の気体温度から、気体の圧縮に要する熱力学的エネルギーの理論値を求め、消費エネルギーとの比を調べればよい。
試験装置100において測定される真空ポンプ20の前後の圧力差Pout−Pinや真空ポンプ20の消費エネルギーには、真空ポンプ20を通過する間の気体の運動量や運動エネルギーの減少による効果が含まれる。但し、これらの効果の割合は、流れのマッハ数の2乗程度の大きさである。真空ポンプ20内のマッハ数は1よりも十分に小さい。従って、測定される圧力差Pout−Pinや真空ポンプ20の消費エネルギーは真空ポンプ20の性能を表していると考えてよい。
[他の実施例について]
本発明は以上の実施例に限定されることなく、種々の変形が可能である。以下に他の実施例を説明する。但し、以下の図においては、図2Aとの共通部分に同一の参照符号を使用する。
本発明において、平板はその全体に亘って一様に平坦である必要はなく、流路に沿った断面上において流れ方向に延びる平板状に形成されていればよい。例えば、図17に示すように複数の円筒体7、8を同軸的にかつ半径方向に互い違いに組み合わせた構成であっても、軸線方向の断面においては図2Aと同様の構成が得られるものであり、このような円筒体7、8も本発明の低温物体及び高温物体としての平板の概念に含まれる。
図5の実施例では各ポンプユニット21における平板同士の間隔が一定であるが、吸気口から排気口へ向かうほど圧力が上昇して気体分子の平均自由行程が減少することに鑑みれば、平板の間隔を流れ方向の上流側よりも下流側で減少させるようにしてもよい。図18の例では流れ方向(矢印X方向)下流側に向かうほど圧力が増加して、P1<P2<P3<P4の関係が成立するから、平板群C、Hにおける平板5、6のそれぞれの間隔D′1〜D′3を圧力変化とは逆順で変化させてD′1>D′2>D′3としている。
図5の実施例では加熱フィン45の全体を均等に発熱させているが、平板上にて熱尖端流と同一方向の熱遷移流が生じるように平板の温度分布を操作してもよい。その一例を図19Aに示す。この例では、高温側平板群Hを構成する平板6の後端部6bにのみ発熱部(ハッチング部分)70を設け、それぞれの発熱部70を熱源71と接続して発熱させている。発熱部70は図5の加熱フィン45と同様にニクロム等の電熱線材でよく、熱源71は電源でよい。
このような構成によれば、図19Bに一点鎖線で示したように、低温側の平板5と高温側の平板6との間に温度勾配(T1<T2)が生じて矢印F1で示すように熱尖端流による流れが生じるとともに、高温側の平板6上においても温度勾配(T2<T3)が形成されて矢印F2で示すように熱遷移流による流れがさらに発生する。これにより、ポンプ効果のさらなる向上が期待できる。
図20はさらなる実施例を示す。この実施例では低温部として第1のガス透過性シート80を、高温部として第2のガス透過性シート81を流れ方向(矢印F方向)に交互に配置している。透過性シート80及び81は、いずれも気体分子が通過可能な多数の微細な透孔(貫通孔)を有するものであり、それらの透孔を囲む壁部が低温物体又は高温物体として機能する。一対の透過性シート80、81は不図示のスペーサ又は接着剤を適宜の箇所に挟むことにより微小な気体層(断熱層)を介して互いに対向している。スペーサ又は接着剤はシート80、81間の熱伝導を抑えるべく断熱性に優れた材料にて構成される。このような実施例においては、第1のガス透過性シート80を冷却する一方で第2のガス透過性シート81を加熱することにより、シート80、81間で温度勾配が生じ、シート80、81の透孔が図2Aに示した形態における平板5間、又は平板6間の幅D′の通路として機能して熱尖端流による一方向の流れが誘起される。シート80、81の透孔を十分に小さく設定することにより、圧力が比較的高い場合(一例として大気圧程度)でも低温物体間又は高温物体間の通路の幅D′を気体分子の平均自由行程程度に維持することができ、高圧下においても本発明のポンプ作用を得ることができる。
[数値解析について]
本発明のポンプ装置の性能を評価するため、本発明のポンプ装置をモデル化して流れを解析した結果を以下に説明する。
1.解析すべき問題について
解析対象のポンプモデルの形状を図21A、図21Bに示す。このモデルはポンプユニットの2次元モデルの全体である。この形状をポンプ装置の1ユニットと考えて数値解析を行う。ユニットの長さはL、ユニットの径(領域の高さ)はDである。ユニットの内壁の表面温度をTとする。ユニットの片方の端部(図中の左端部)は、流路に平行な複数の平板(温度T、幅dL/2)によってn等分されている。これらの平板よりもユニット中央側の部分に、流路に平行なn枚の平板(温度T、幅dL/2)が、温度Tの平板と互いに食い違うように配置されている。温度T、Tの2種類の平板群全体は、流路方向に長さbLであるとする。従って、b>dであれば、図に示すように、2種類の平板群が互いに食い込んだ形になる。
この形状のポンプユニットについて、
(A)ポンプユニットの両端の温度、圧力を等しくした場合に得られる流量、及び
(B)ポンプユニットで流量が0となる場合のユニット両端の圧力差、
を1番目の問題(問題1)として調べる。
上で述べたポンプユニットは、内部に多数の仕切り板を持っている。仕切りの数が十分に多ければ、ユニットの中央部では流路に垂直な方向に周期D′=D/nの流れが生じることが予想される。そこで、2番目の問題(問題2)として、仕切りの1組を基本領域と考えて取り出し、そのポンプ性能について、上の問題と同様に解析を行う。基本領域の形状を、図21Bに示す。長さL、幅D′の2次元領域であり、上下の壁面の中間には、幅dL/2、温度Tの水平な固体壁面がおかれているものである。上下壁面のうち、幅dL/2の部分が温度Tの固体壁面、残りは鏡面反射壁面であり、この固体部分の右端が、領域全体の左端からbLだけ離れている。
2.解析の前提
解析にあたって、次の仮定をおく。
・気体の振舞は、剛体球分子ボルツマン(Boltzmann)方程式に従う。
・固体境界面では、気体分子は拡散反射を行う。
気体領域の代表長をD′、基準の温度をT、気体領域内部の平均密度を基準の密度ρに選んで、基礎方程式と境界条件を境界条件を無次元化すると、問題のパラメータは次の通りになる。
(1)問題1(基本ユニットのシミュレーション)について
・温度比Tr=T/T
・希薄度Kn=l/D′
・基本領域の縦横比L/D′
(あるいは、領域の縦横比L/D(=(1/n)×(L/D′))
・流路数n
・駆動部分の長さd
・平板の重なりs
ここに、lは温度T、密度ρの静止した平衡状態にある気体における分子の平均自由行程である。
(2)問題2(基本流路のシミュレーション)
・温度比Tr=T/T
・希薄度Kn=l/D′
・領域の縦横比L/D′
・駆動部分の長さd
・平板の重なりs
以下では、断らない限りTr=3とする。また、近接する温度Tの平板右端と温度Tの平板左端が135度の角度をなす(sL=D′/2)場合を考える。さらに、ポンプユニットの駆動部分の長さdL−sLがL/2となるように、d=1/2+sの場合を考える。座標系は、直交座標系XiのX方向をポンプ(流路)の軸方向とし、X−Xの2次元問題として取り扱う。原点は、気体領域の中央左端である。対称性より、X>0の領域だけを解析する。解析には、DSMC直接シミュレーション法を用いる。
3.解析A(最大流量について)
ポンプユニット両端で周期境界条件を与え、ユニット内部で得られる質量流量Mを求める。これは、ポンプの両端で圧力が等しい場合に対応する。このとき、ポンプで得られる最大の質量流量が求められる。質量流量は、次のように定める。
Figure 0004644189
ここに、ρ、vは気体の密度、流速である。
問題1と問題2の質量流量を比較する便宜のため、無次元質量流量mを、
Figure 0004644189
と定める。問題1の無次元質量流量mは、
Figure 0004644189
と表せるから、問題1におけるmは、基本流路1本あたりの流量について、問題2と同じ無次元化を行った値と考えてもよい。なお、DSMC数値計算を用いたことによる結果の振動を小さくするために、MがXについて一定値をとることを利用し、
Figure 0004644189
によって数値を算出した。
最初に問題1の結果を示す。図22はL/D′=5、n=10、d=0.6、s=0.1、Tr=3に設定し、種々の希薄度Knについて、定常状態における質量流量Mを計算した結果を示したものである。この図から判るように、Kn=0.1〜1の範囲で最大の流量が得られている。L/D′=5、n=10、Kn=1.0の場合のシミュレーション結果を図23A及び図23Bに示す。図23Aが流速場の様子である。流速のスケールは図の右上に示す(Rは単位質量あたりの気体定数である。)図23Bは気体の温度Tの様子をT/T0の等値線図で示している。
これらの図から明らかなように、温度の異なる2種類の平板群の食い違い部分では大きな温度勾配が生じている。この温度勾配に比べると、食い違い部分の反対側の平板端部では、周囲の壁面の温度がすべて同じであるため、温度勾配が小さくなっている。この温度分布によって、平板の食い違い部分で、X方向の大きな熱尖端流が生じている。また、平板上およびユニットの壁面では流速が遅くなっている。このため、平板の無い部分ではユニット中央部に流れが集中する傾向が見られる。
このユニットでは、平板自身は気体の温度分布を生み出す役割をもつだけであり、流れに対しては抵抗として働くはずである。従って、平板が長過ぎると、抵抗が増えて流量が小さくなるであろう。逆に、平板が短かすぎると、気体の温度が十分に上昇せず、流量が小さくなるであろう。
次に問題2について検討する。問題1において、L/D′=5、Kn=1、d=0.6、s=0.1、Tr=3に固定し、n=10、20、40の各ケースについて質量流量を計算した結果と問題2について質量流量を計算した結果の比較を図24に示す。問題1の質量流量は、流路数nが増えるにつれて問題2の結果に近付く。両者のずれはほぼ1/nである。このことから、nが大きいシステムでは、ユニットの外壁の影響を無視し、問題2の結果から、ポンプユニットの性能を求めることができる。
4.解析B(最大圧力比について)
次に、基本ユニットで得られる圧力比を求める。ユニットをm個連結し、両端を拡散反射壁で塞いで計算を行う。計算は、L/D′=5、n=10、Tr=3、d=0.6、s=0.1で行う。
まず、流路内部の断面平均量h(X)とユニット平均量h(X)を次の通り定義する。
Figure 0004644189
定常状態における平均圧力p、p及び平均数密度ρ、ρの分布を図25A、図25Bに示す。これは、Kn=1、ポンプユニット数m=5又は10のときのデータである。なお、図中のpは、密度ρ、温度Tにおける気体の圧力である。ユニット平均量p、ρの挙動から判るように、全体としてはX方向の圧力及び密度勾配が生じている。
ポンプユニットの局所クヌーセン数KnR(X)及び圧縮率Π(X)を、
Figure 0004644189
と定める。上のデータから両者を求め、その関係をプロットした結果を図26に示す。全体のユニット数mに拘わらず、圧縮率が局所クヌーセン数によって定まる様子が判る。なお、Kn大側の末端は一致していないが、その部分はポンプ装置の終端に対応しており、そこで流路を塞いだ影響が現れていると考えられる。
そこで、ユニット10段接続(m=10)の場合で、様々なKnに対して計算を行った。計算で使用したクヌーセン数は、Kn=0.1、0.2、0.4、1、2、3.5、5である。その結果求められた圧縮率と局所クヌーセン数の関係を図27に示す。1ユニットあたりの圧縮率は最大で1.1程度である。
ここまでの結果から、モデルとして採用されたジオメトリーを採用することによって、熱尖端流によるポンプ装置を構成できることが判った。特に本発明のポンプ装置の流速を増大させるには、平板群間により大きな温度差を生じさせればよい。図2Aに示したモデルは、この点を考慮し、平板を食い違わせることによって、大きな温度勾配を形成させるものである。さらに、この形状では高温部と低温部が離れているために実際の製作も容易である。但し、図28に示したように、低温平板群の平板と高温平板群の平板とを所定の隙間sLを介して流れ方向に一直線に並べても流れを発生させることができる。図28に示したタイプのポンプ装置について、DSMC法で解析した結果の流速場の様子を図29Aに、そのときの温度場の様子を図29Bにそれぞれ示す。
さらに、上述した図3A〜図3Eの形態に対する流れ場のシミュレーション結果を図30〜図34にそれぞれ示す。なお、各図においては、上から順に流速場、温度場及び圧力場の解析結果をそれぞれ示している。但し、いずれの場合も温度比Tr=3としてシミュレーションを実施した。希薄度(クヌーセン数)Knは、図30及び図31がKn=1、図32〜図34がKn=0.5とした。これらの図から明らかなように、いずれの形態においても低温側(図において左側)から高温側へと一方向流が見られることが判る。また、図34に示した円柱状の低温物体及び高温物体を流れ方向に一直線に並べた場合のシミュレーション結果を図35に示す。図35の例においては、一方向流の強さが図34の例よりも強くなっている。低温物体及び高温物体が一直線に並ぶことにより、流れが妨げられなくなることがその原因と推察される。
[実用化システムについて]
以上に説明したポンプ装置を実用化する場合の最小限の構成を図36に示す。この例では、真空ポンプ20に電力、熱等のエネルギーを与えて吸気口から排気口へと気体を流しつつ余剰の熱を排熱するものである。図37は真空ポンプ20の排気側に別の排気ポンプ90を追加的に接続した例である。この例では排気ポンプ90を作動させて真空ポンプ20内の圧力を低下させつつ、ポンプ装置20にエネルギーを与えて熱尖端流によるポンプ作用を効率よく引き出すことができる。排気ポンプ90としては油回転ポンプ等の公知のポンプを利用してよい。ポンプ装置90から生じる汚染・振動が問題になる場合、図38に示すように真空ポンプ20と排気ポンプ90との間に開閉弁91を設け、その上流側に真空タンク92を接続してもよい。この例では、開閉弁91を開いて排気ポンプ90を作動させることにより真空ポンプ20及び真空タンク92の圧力を低下させ、その後、開閉弁91を閉じて真空ポンプ20にエネルギーを与えることにより、熱尖端流によるポンプ作用を生じさせてその真空ポンプ20からの排気を真空タンク92に導く。真空タンク92の圧力が上昇して真空ポンプ20の動作が止まるまでの間、汚染・振動なく吸気口から気体を取り込むことができる。
産業上の利用分野
本発明のポンプ装置は次のような分野において適用できる。
(a)精密工学分野、材料工学分野
この分野では低圧下で微細な加工、観察を行うことが多い。本発明のポンプ装置は、運動する部品はもとより、油などの液体、蒸気、あるいはワックス状物質を必要としないため、他の形式の真空ポンプで見られる振動、汚染を全く発生しない。これは、表面物性の観察などを行う場合、非常に重要な特性である。さらに、ポンプ装置の吸気口と排気口との間が完全に塞がれることがないため、圧力が異なる領域間にリンク等の運動伝達部材やケーブル等の情報伝達部材を配置して運動や情報の伝達を行える利点がある。
(b)半導体工学等の大流量ポンプが必要となる分野
本発明のポンプ装置は運動部分が存在しないので、大口径、大排気量のポンプ装置を容易に実現することができる。
(c)原子核工学、宇宙工学分野
本発明のポンプ装置は構造が単純で運動する部分が存在しないため、メンテナンスの必要性も少ない。従って、原子炉内や宇宙空間のような極限環境に関連する分野への適合性が高い。
(d)宇宙工学、原子核工学、化学工学分野
本発明のポンプ装置は熱源があれば動作する特性を有している。従って、これらの分野においては、太陽光や化学反応等による各種のエネルギー源を利用することが考えられる。核融合装置では低温が常用されるため、その低温と常温との温度差を利用して平板群に温度差を生じさせてもよい。
(e)マイクロ、ナノ工学分野
クヌーセンコンプレッサは、気体分子の平均自由行程に比例してスケールを変更すれば同様に動作する。構造が単純なために微細化も容易であり、常圧から高圧下で動作する微細なポンプシステムを実現することもできる。
(f)真空乾燥など、低圧の気体・蒸気の流れを扱う材料加工分野
本発明のポンプ装置は、汚染を発生させずに、低圧の気体や蒸気に流れを発生させることができる。この特徴を用いれば、真空凍結乾燥工程(フリーズドライ)において素材を汚染することなく素材の周囲の低圧蒸気を制御したり、真空槽内部で薄膜の製作や金属加工を行う場合に、真空装置内の気体流を制御することも可能である。

Claims (15)

  1. 気体の流路を横断する方向に間隔を空けて並べられた複数の低温物体を有する低温部と、前記流路を横断する方向に間隔を空けて並べられた複数の高温物体を有する高温部と、前記低温部よりも前記高温部が高温となるように前記低温部又は前記高温部の少なくともいずれか一方の温度を操作する温度操作手段と、を具備し、前記低温物体と高温物体とが前記流路の流れ方向にずらして配置され、かつ前記低温物体と前記高温物体との間には気体による断熱層が介在され
    前記横断する方向に関して前記低温物体と前記高温物体とが交互に並んでいるポンプ装置。
  2. 前記低温物体と前記高温物体とが前記流れ方向に関して部分的に重複している請求の範囲に記載のポンプ装置。
  3. 前記低温部には前記横断する方向に互いに平行に並べられた第1の平板群が前記低温物体として設けられ、前記高温部には前記横断する方向に互いに平行に並べられた第2の平板群が前記高温物体として設けられている請求の範囲1又は2に記載のポンプ装置。
  4. 前記低温物体又は前記高温物体の少なくともいずれか一方が柱状に構成されている請求の範囲1又は2に記載のポンプ装置。
  5. 前記低温部又は前記高温部の少なくともいずれか一方に多孔質体が設けられ、前記多孔質体の透孔を囲む壁部が前記低温物体又は前記高温物体として機能する請求の範囲1又は2に記載のポンプ装置。
  6. 前記横断する方向に隣接する低温物体同士の間隔と、前記高温物体同士の間隔とが、それぞれポンプ装置の使用圧力範囲における気体分子の平均自由行程の数百倍から数百分の一の範囲内に設定されている請求の範囲1〜のいずれか一項のポンプ装置。
  7. 前記低温物体及び前記高温物体のそれぞれの近接部分の端部が気体分子の平均自由行程以下の曲率半径を有している請求の範囲1〜のいずれか一項のポンプ装置。
  8. 前記流れ方向に関して複数のポンプユニットが連結され、各ポンプユニットに前記低温部及び前記高温部が設けられている請求の範囲1〜のいずれか一項のポンプ装置。
  9. 気体の流路を横断する方向に間隔を空けて並べられた複数の低温物体を有する低温部と、前記流路を横断する方向に間隔を空けて並べられた複数の高温物体を有する高温部とを含み、前記低温物体と高温物体とが前記流路の流れ方向にずらして配置され、かつ前記低温物体と前記高温物体との間には気体による断熱層が介在され
    前記横断する方向に関して前記低温物体と前記高温物体とが交互に並んでいるポンプユニット。
  10. 前記低温部には前記横断する方向に互いに平行に並べられた第1の平板群が前記低温物体として設けられ、前記高温部には前記横断する方向に互いに平行に並べられた第2の平板群が前記高温物体として設けられている請求の範囲のポンプユニット。
  11. ポンプハウジングを構成する中空のフランジと、前記フランジに対して熱遮断部を介して連結されたヒーターユニットとを備え、前記フランジにはそのフランジの中空部を横断するように第1の平板群が取り付けられ、前記ヒーターユニットには電熱線材を前記第2の平板群が形成されるように蛇腹状に折り曲げた発熱体が設けられている請求の範囲10のポンプユニット。
  12. 前記ヒーターユニットには、前記発熱体が取り付けられるフレームと、前記フレームの外周に張り巡らされたワイヤとが設けられ、前記ワイヤと前記フランジとを接続する接続手段とが前記熱遮断部として機能する請求の範囲11のポンプユニット。
  13. 前記フレームには複数のパイプ状の断熱部材が固定され、前記ワイヤは前記断熱部材を通されることにより前記フレームと連結され、前記接続手段は前記ワイヤと前記フランジとを接続する請求の範囲12に記載のポンプユニット。
  14. 前記接続手段は、前記ヒーターユニットを複数点で支持するフローティング機構を含む請求の範囲12又は13のポンプユニット。
  15. 前記フランジには冷却媒体が通過する冷媒流路が設けられている請求の範囲1014のいずれか一項のポンプユニット。
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