JP4641250B2 - Nmr分析装置および試料管理装置 - Google Patents

Nmr分析装置および試料管理装置 Download PDF

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Description

本発明は、高分解能NMR(核磁気共鳴)分析装置に係り、特に試料の回転を含む試料管理機構に関する。
一般に、NMR超電導プローブは25K以下に、試験管は300K程度に維持されるので、超電導プローブと分析試料を収納した試験管の温度差は270K程度となり、試料の熱が超電導プローブ側に奪われる。試験管の温度を必要な温度に制御するために、試験管周囲に加熱用の温調ガスを試験管の下方から流しているが、超電導プローブ側に熱を奪われるため、ガスの温度は試料中央部で低くなる。このため、試験管中の試料温度も中央部で低くなり、試料中に温度勾配が生じる。
ここで使用している超電導プローブは高周波のRF波の照射と受信の両方の機能を有している。超電導プローブは試料から放出されるRF波を捉えて、分析担当者はRF信号の周波数から試料に含まれる成分に関する知見を得ることができる。ここで、試料から放出されるRF信号の周波数は、試料温度により変化する。このため、試料温度が均一でないと、試料が同一成分でも複数の周波数が現れ、複数成分の混在が疑われるなど、正確な試料分析に支障をきたすことになる。言い換えれば、同一試料でも受信RF周波数は温度勾配に応じた幅が存在することになり、いわゆる周波数分解能の低下を招くことになっている。
超電導プローブを用いるNMR分析装置の試料温度制御に関する従来例として、特許文献1に記載の「試料の均一な温度制御を備えた冷却NMRプローブヘッド」がある。ここでは、試験管と温調ガス流路を包囲して存在する内部パイプ(後述する本発明の実施例中のRF透過パイプに相当する)にヒータを巻き、試料から超電導プローブ側に奪われる熱をヒータで補償する方式で温度勾配を抑制しようとしている。
特開2001−242229号公報
特許文献1で使用するヒータコイルは導電性であり、RF信号の透過を妨げるため、超電導プローブの感度劣化の原因となる。このため、ヒータコイルの占める面積を小さくすること等で、95%以上のRF透過率を有するよう配慮しているとしている。
しかし、数%程度のRF透過率の減少によるRF信号受信感度の低下は避けられない。また、RF透過率を高めるためにはヒータ面積を狭める必要が有り、結果的にヒータ表面温度が上がることになり、試料温度上昇に寄与しない輻射量が増えることになる。これにより、極低温側ではヒータコイルの熱を吸収するために冷却能力を高める必要がある。また、コイルへの供給電源ラインが最も静磁場安定度が要求される領域を引き回す必要があるため、電源ラインのわずかの位置ずれが静磁場を乱す可能性もある。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を克服し、試験管軸方向の温度勾配を低減した温度制御を実現し、静磁場および超電導プローブ感度を損なわない試料管理装置と、それを用いたNMR分析装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、分析試料を収納する試験管を回転可能に備え、試料温度をガスで調節する手段を備えたNMR分析装置の試料管理装置において、分析試料を収納する試験管を非磁性材超音波モータのロータ部に設置したことを特徴とする。
すなわち、本発明は温調ガスの流量を従来以上に増やす方式をとる。本発明者の実験的知見によれば、温調ガス流量の増加が温度勾配抑制にとって有効である。ガス流量を増やすことでガス層の単位長さあたりの熱容量が増加するため、低温超電導プローブ側に熱が奪われても温度変化そのものは小さくでき、結果的に試料の温度勾配も小さくなる。但し、試験管下部からのガス流量を増加させると、試験管に加わる浮上力が増加し、試験管位置と試料を回転させるためのガスノズル位置との相対位置がずれて回転が不安定になり、回転停止などの不具合が生じる。そこで、本発明はガスによる浮上力によらず、超音波モータによる回転力を利用する。
本発明によれば、試験管回転機構が超音波モータを駆動力として実現することで、温調ガス流量を増大でき、試料中の温度勾配を小さくすることを可能にし、超電導プローブの感度を損なわずにNMR分析の分解能を向上する効果がある。
本発明の望ましい実施形態は以下の構成からなる。
(1)ガス流量を増やしても回転が安定に維持できる機構を採用する。具体的には、回転機構に超音波モータを導入し、試験管を回す。これにより複雑で精密なガス流路の確保が不用となる利点もある。
(2)試料の出し入れが簡便に実施できるように、超音波モータのロータに長尺の回転パイプを接合し、その中心に分析試料を入れた試験管を配置して一体化し、超音波モータごと分析位置に落としこむ方式とする。これにより、予め芯決めされた回転パイプと試験管が一体化して回転できるので、試験管のブレない回転機構が得られる。超音波モータのステータは試験管ガイドパイプの溝で固定する。
(3)試料の出し入れを確実に実施できるように、分析試料をセットした超音波モータをロープにより吊り上げ、吊り下げられる構成としている。
以下、図面を参照して、本発明の複数の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図を通して同一の符合は同じ構成要素を示す。
図1は、本発明の実施例1によるNMR分析装置の試料管理装置の構成図である。試験管ガイドパイプ101、RF透過パイプ102、温調ガスパイプ113の内部構造を詳細に示している。
本実施例による試料管理装置は、分析試料9を収納した試験管1の回転と、試験管1の試料温度を制御する機能を有する。試験管1は超音波モータ200の内部に挿入されている。超音波モータ200は、下部ステータディスク201、圧電素子203、上部ステータディスク202、ロータディスク204、ベアリング205、押さえ板206、モータ側ガイド207、回転パイプ210からなる。回転パイプ210は上部Oリング208と下部Oリング209で試験管1を保持する構造としていて、試験管1の位置決めを容易にすると共に、ブレのない安定な回転を維持する。
試験管1を保持した超音波モータ200は、試験管ガイドパイプ101の内部に配置される。試験管ガイドパイプ101の下側には、RF透過パイプ102が配置され、その外周には超電導プローブコイル103が設置されている。RF透過パイプ102の下方から温調ガスパイプ113を経て入口温調ガス104が入り、RF透過パイプ102の上端付近から出口温調ガス105となって排出する。
超電導プローブコイル103は超電導確保のため図示しない冷却装置で極低温に維持され、分析試料9は所定の温度に制御される。例えば、試料9がたんぱく質で生体内の特性に注目するのであれば、生体温度に近い温度に制御することが多い。プローブコイル103と試料9の間の距離は離れていても数cm程度であり、試料9とプローブコイル103には270K程度の大きな温度差が存在する。
なお、試験管ガイドパイプ101、RF透過パイプ102、温調ガスパイプ113それぞれは上下方向に外せる構造となっている。超電導プローブ103を交換するときは、試験管ガイドパイプ101を上に引き抜き、温調ガスパイプ113を下に引き抜き、RF透過パイプ102ごと超電導プローブ103を横方向に引き抜いて取り替える。
超音波モータ200は、試験管ガイドパイプ101の上部からモータ吊り下げロープ211により試験管ガイドパイプ101の内径が狭くなる部分に置かれる。試験管1を保持した超音波モータ200は、分析終了後は、モータ吊り下げロープ211により引き上げることができる。
図2は試験管ガイドパイプ101の上部から見た平面図であり、超音波モータが挿入されていない状態である。試験管ガイドパイプ101にはモータ側ガイド207が通る4個のモータガイド溝106が設けられている。ステータ203などがモータガイド溝106に固定されており、ロータ203と回転パイプ210が回転し、これにより試験管1が回転する構造となっている。
図3は、本発明のNMR分析装置の全体構成を示し、スプリット型超電導磁石を用いたNMR分析装置である。超電導磁石21は、左右のトロイダルコイルに分かれている。水平方向からプローブ冷却機構23を通して、超電導プローブコイル103を磁石中心に配置している。分析のためのRF信号の送受信と分析は、超電導マグネット21の中央にある超電導プローブコイル103とRF信号処理装置24により行なわれる。超電導マグネット21は、超電導マグネット筐体20に収納され、超電導マグネット制御器(図示なし)により、温度管理がなされる構成である。
分離しておかれた超電導マグネット21の中央には、上方から試験管ガイドパイプ101が挿入され、下方から温調ガスパイプ113が挿入されている。超電導マグネット21の中心にはRF透過パイプ102が存在する。上部から挿入する試験管1の回転数制御は、試験管回転数制御器26が実施し、下部からの温調ガス104の温度制御はガス温度制御器25で実施する。
試験管回転機構は、試験管を数十Hzで回転させるのが主要な機能であるが、他に要求される機能として、試験管ガイドパイプ101から試験管の出し入れが簡単にできる点にある。
従来のガスによる回転方式は、試験管を浮かして固定部に直接接触させないようにしてガスによる回転駆動力が小さくても済むようにしていた。しかし、温調ガス量を増やしても試験管が浮き上がらないようにするためには、浮上を止めるストッパが必要となる。この場合、ストッパと回転部の接触により摩擦が増えるため、ガスによる駆動力を増大させる必要がある。また、狭隘部にガス流路を配置せざるを得ないため、流路での圧損が増え、シールの耐圧強化、引き回すパイプを強度の高いものにするなどの変更が必要となるという問題がある。また、ストッパを配置すると、試験管1の出し入れがしにくく、使い勝手も悪くなる。
そこで、本発明においては、制約の少ない超音波モータ200を使用して、浮上の問題は超音波モータ200の重さで対処すると共に、出し入れのし易さを損なわない図1の構成をとっている。
回転機構部に要求される機能として、試験管に収納した試料9を、容易にプローブ部に配置でき、回転制御可能で、プローブ部からの取出しも容易であることがあげられる。
一般的なモータや超音波モータは、モータのロータ軸と回転対象の回転軸とをカップリングで結合する場合や、ギヤ、ベルトなどを介して結合することが多い。単に試験管を回転するのであれば、ロータ軸と試験管をカップリングで接続すれば良いが、芯出しが難しくなるという問題がある。また、ギヤ、ベルトなどを介して結合する場合、狭い空間に挿入しずらく、試験管の出し入れが容易にできないことが多い。
この点を解決するために、本発明では、あらかじめ回転ブレがないように製作したロータと一体化した回転パイプ210を用い、回転パイプ210の中に試験管1を収納するようにしたことで、芯出しの問題を解決する。また、回転パイプ210の長さを長尺とすることで、試験管は回転パイプ210の壁と平行に配置されることになり、傾かない。つまり、回転パイプ210に収納することで、自然に芯出しができることとなる。
また、回転パイプ210を介して超音波モータ200と試験管1を一体化して扱えるようにしたため、試料9のプローブ部への配置および取り出しも容易になっている。さらに、試験管1を回転パイプ210に容易に挿入できるように、Oリング208,209を2箇所に配置した。
ここで使用している超音波モータは、文献に示される(伊勢:「超音波モータ」、日本音響学会誌、43巻3号(1987)、pp.184−188)一般的な進行波型のモータで、その中央に回転パイプ210を配置したものである。圧電振動子203は、円周方向に半波長毎に分割し、交互に分極したものを使用している。ここでは正弦波の周波数を60kHzにして励振しているが、使用材料などにより最適な周波数は変わる。
図4に、振動子への高周波正弦波信号の印加の様相を示す。円環状振動子203の左半面を示す。振動子は半周期毎に分極方向を変えて配置しており、図の+−は分極方向を示す。高周波電源221は正弦波を出力し、高周波電源222は高周波電源221より90°進んだ正弦波を出力する。高周波電源221、222のアース側を振動子203の裏の電極に接続する。高周波電源221の信号側はマイナス分極に、高周波電源222はプラス分極部分に接続する。
これにより円環状の圧電素子203に進行波が発生して、圧電素子203に音響的に結合されているステータ上部ディスク202に進行波が伝わり、ステータ上部ディスク202に押し付けられているロータディスク204が進行波の進行方向と逆方向に回転する。
ステータ上部ディスク202とロータディスク204の摩擦力により回転力が伝播されるためである。ロータディスク204には回転パイプ210が接合されており、ロータディスク204と同様に回転する。試験管1は回転パイプ210にOリングを介して保持されているため、試験管1もロータディスク204と同期して回転する。ベアリング205は、ステータ上部ディスク202とロータディスク204を押し付けても回転できるようにラジアルベアリングからなる。ステータ上部ディスク202とロータディスク204間に摩擦で十分に回転力が伝わるように、押さえ板206で上から加圧している。
超音波モータ200は、圧電素子203をわずかに変位させ、その僅かの変位をステータ上部ディスク202に伝えて、摩擦によりロータディスク204を移動させる。このため、圧電素子の変位の大きさが結果的にロータディスク204の回転数の速さとなる。つまり、ロータの回転数の制御は、圧電素子に印加する正弦波の振幅を変化させることで行う。このほか、正弦波の周波数もロータの回転数に影響する。また、ステータ上部ディスク202とロータディスク204間の押し付け力も影響するが、回転数制御の観点からは、振幅制御が最も容易である。
従来の回転機構がガス駆動である大きな理由は、ガスは磁場を乱さない特性を有しているためである。上記の超音波モータ200で、ロータディスク204などの使用材料の選定によっては、磁場を乱す可能性がある。
本実施例では、磁場を乱すことを避けるため、超音波モータ200の使用部品はすべて非磁性材で構成している。ステータ下部ディスク201、ステータ上部ディスク202、モータ側ガイド207、押さえ板206に燐青銅を用い、ロータディスク204、ベアリング205、回転パイプ210にはプラスチックを用い、Oリング208,209にはフッ素ゴム系の材料を用いる。
従来の回転機構がガス駆動である他の理由は、ガスの流れそのものからは電気的な雑音が発生しないためである。一方、超音波モータ200を用いた場合、既に述べたように高周波電源221、222を用いるので、これが雑音源となる可能性は十分ある。
そこで、本発明においては、モータ電源線212をより線とすることで、モータ電源線212から放出する雑音を抑制する。また、モータ駆動を正弦波としているため、モータ駆動による雑音の周波数帯域は極めて狭く、帯域除去フィルタを用いることで除去できる。さらに、NMR分析で対象とする周波数が数十MHz以上であることから、超音波モータ使用による雑音の影響は小さい。
次に、使い勝手の点である。従来は試験管ガイドパイプ101の下からガスを送り、そこに試験管1を入れて、そのあと徐々にガス量を減らして試験管1の重力で所望の位置までゆっくりと下すようにしていた。取り出すときは、逆に下からのガス量を徐々に増やして試験管ガイドパイプ101の頂部まで移動させ、分析者がそれを回収するようにしていた。このため、取り出しガス量の操作を間違ったりすることで、試験管1が飛び出して破損につながることもあった。
本発明では、超音波モータを回転機構として使うので、モータ吊り下げロープ211を分析者が操作することで試験管1の出し入れが簡単にできる。このため、試験管1を破損する可能性も極めて少なくなる。
図5に温調ガス104の流量を増加させた場合の試料中の温度勾配減少の特性を示す。図1に示した試験管1の超電導プローブコイル103付近の温度勾配を測定した結果である。試験管中に微小な温度センサを挿入し、測定のために試験管1を回転させないで測定した。測定時の温調ガス流量が最小の時の値を基準にしてプロットしたものである。ガス流量を4倍にすることで温度勾配が1/10以下となっていることがわかる。このことから、ガス流量を増加させる本発明の温度勾配抑制効果が極めて高いことがわかる。
実施例1の説明においては、スプリット型のNMR分析装置について説明したが、本発明は、従来の単一型マグネットを利用したNMR分析装置でも適用可能である。また、例えば回転パイプ210の使用材料としてプラスチックを用いているが、アルミニューム、燐青銅などの非磁性材の使用も可能である。その他の、超音波モータ部品も、同様である。
本実施例特有の効果として、従来方式に比べて試験管回転のための複雑な流路の確保が不要となり、試料管理装置の簡素化が図れるようになり、経済性向上効果がある。また、試験管の出し入れで複雑な手順を踏まなくても、単に分析者が試験管1の出し入れをロープの操作で行えるので、重要試料を試験管1の破損で失うようなことがなくなり、経済性向上の効果がある。また、試験管を超音波モータが支える構造としているため、温調ガス流量が増えても試験管の振動は、試験管を浮かせている従来のガス式回転機構に比べて抑制でき、NMR分析装置の性能向上の効果がある。さらに、超音波モータはガス方式の駆動機構に比べて駆動力が大きいため、従来問題となっていた試験管の汚れや僅かの変形で回転が不安定になることがないため、試料管理装置性能向上の効果がある。従来のガス流路の汚れによる駆動力の変化が生じないため、安定した回転機能が確保できる点で、試料管理装置性能向上の効果がある。また、RF透過パイプ部にヒータをおかないため、ピーク温度が小さく、輻射による低温部への熱流入が少なく、超電導確保のため冷却部への熱浸入を小さくでき、経済性向上効果がある。
本実施例では、超電導プローブについて説明したが、常温プローブを用いた場合でも、温調ガス流量を増やすことで、温度勾配の抑制は可能である。
図6は、本発明の実施例2によるNMR分析装置の試料管理装置である。例えば、特開2003−130937号公報に示されるスプリット磁石を用いたNMR分析装置に適用した例である。
図6は、実施例1の図1と90°違った角度の断面図である。スプリット型磁石は、図3に示すように試験管を挟んで左右に近接して配置されているが、手前および奥行き方向には狭い間隙があり、この間隙に温調ガスの流路を配置している。
実施例1との違いは温調ガスの流路を上に持ってきたことである。温調ガス104は温調ガスパイプ114をとおり、ヒータ112で加熱され、温度センサ111の設置点を通り、試験管ガイドパイプ101の内部に達し、RF透過パイプ102の底部から出口温調ガス105として排出する。
図7は、試験管ガイドパイプ101の平面図である。図2との違いは、モータガイド溝106を4個から2個に減らした点である。また、温調ガスパイプ114を試験管ガイドパイプ101の外壁に取り付けた点である。
強い静磁場を発生する超電導磁石は試料に近接して配置するほど試料近傍の磁場は大きくなる。このため、試験管の周囲には極力部品を配置しないように設計される。しかし、スプリット磁石方式の場合、図3を参照して方向を示す場合、試験管の左右に磁石が配置されるが、前後には磁石のない空間が存在する。この空間に図6に示すように温調ガスパイプ114を配置する。磁石のない空間も超電導磁石21の冷却部への熱侵入量が増えないような断熱構造となっているが、温調ガスパイプ114を配置することは可能である。モータガイド溝を2個としても超音波モータ200のステータの回転を止めることはできるので機能上は問題がない。また、温調ガスパイプ114を試験管ガイドパイプ101の外壁に取り付けてあるため、超電導プローブ103を交換のとき、試験管ガイドパイプ101と温調ガスパイプ114と同時に引き抜けば、即ち、超電導プローブコイル103を外すことができるようになる。
本実施例においては、温調ガスパイプ114を試験管ガイドパイプ101の片側にだけ取り付ける場合を示した。非磁性材料といえども、磁場分布に全く影響を与えないわけではないので、試験管ガイドパイプ101の両側に温調ガスパイプ114を取り付けた方がよい。これにより、磁場の歪が左右対称となり、図に示していないシムコイルによる磁場調整が容易になる。本発明は、上部に温調ガスパイプ114を備えることを主張しているのであって、その数を限定するものではない。
本実施例特有の効果として、温調ガスパイプ114を試験管ガイドパイプ101の外壁に取り付けてあるので、超電導プローブコイル103の交換時に温調系も同時に外せる。このため、交換作業量が減り、使い勝手および作業性の向上の効果がある。また、実施例1で示した下の温調ガスパイプ導入孔を用いていないので、この導入孔に光を通して、光導入時の試料の分析ができるようになり、NMR分析装置に新たな分析機能が追加でき、NMR分析装置の性能向上の効果がある。
本発明の実施例1によるNMR分析装置の試料管理機構の構造図。 実施例1の試験管ガイドパイプの平面図。 スプリット型マグネットによるNMR分析装置の全体構成図。 超音波モータの駆動方式を示す圧電振動子の駆動電源接続図。 試料中の温度勾配と流量の関係を示す特性図。 本発明の実施例2によるNMR分析装置の試料管理機構の構造図。 実施例2の試験管ガイドパイプの平面図。
符号の説明
1…試験管、9…試料、20…超電導マグネット筐体、21…超電導マグネット、23…プローブ冷却機構、24…RF信号処理装置、25…ガス温度制御器、26…試験管回転制御器、101…試験管ガイドパイプ、102…RF透過パイプ、103…超電導プローブコイル、104…入口温調ガス、105…出口温調ガス、113,114…温調ガスパイプ、200…超音波モータ、201…下部ステータディスク、202…上部ステータディスク、203…圧電素子、204…ロータディスク、205…ベアリング、207…モータ側ガイド、210…回転パイプ、211…モータ吊下ロープ、212…モータ電源線。

Claims (6)

  1. 分析試料を収納する試験管を回転可能に備え、試料温度をガスで調節する手段を備えたNMR分析装置の試料管理装置であって、
    試験管ガイドパイプ内に非磁性材のステータ部、ロータ部、圧電素子、押さえ板で構成される超音波モータを設置し、ステータ部、圧電素子、押さえ板を試験管ガイドパイプに固定し、ステータ部と押さえ板の間に回転可能に取り付けられた前記超音波モータのロータ部に前記試験管を挿入し、前記試験管ガイドパイプの下側に配置されたRF透過パイプに前記試験管に入れられた分析試料が位置するようになし、該RF透過パイプの外周側に分析試料からのRF信号を受信するプローブコイルを配置すると共に、前記超音波モータへの給電により線を用いることを特徴とするNMR分析装置の試料管理装置。
  2. 請求項1において、
    前記超音波モータのロータに長尺の回転パイプを設置し、前記回転パイプの内側に前記試験管を挿入して一体化したことを特徴とするNMR分析装置の試料管理装置。
  3. 請求項2において、
    前記試験管と一体化した超音波モータを前記試験管ガイドパイプと着脱可能な構成としていることを特徴とするNMR分析装置の試料管理装置。
  4. 請求項1において、
    前記RF透過パイプの下部から流す温調ガスの温度を制御して、試験管内の分析試料の温度制御をするNMR分析装置の試料管理装置。
  5. 請求項1において、
    前記試験管の上部側から流す温調ガスの温度を制御して、試料の温度制御をするNMR分析装置の試料管理装置。
  6. NMR分析装置の静磁場を印加するマグネットの中央部にNMR分析装置の試料管理装置を配置し、温調ガスで試料温度を制御するように構成したNMR分析装置において、
    試験管ガイドパイプ内に非磁性材のステータ部、ロータ部、圧電素子、押さえ板で構成される超音波モータを設置し、ステータ部、圧電素子、押さえ板を試験管ガイドパイプに固定し、ステータ部と押さえ板の間に回転可能に取り付けられた前記超音波モータのロータ部に前記試験管を挿入し、前記試験管ガイドパイプの下側に配置されたRF透過パイプに前記試験管に入れられた分析試料が位置するようになし、該RF透過パイプの外周側に分析試料からのRF信号を受信するプローブコイルを配置すると共に、前記超音波モータへの給電により線を用いることを特徴とするNMR分析装置
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