JP4639055B2 - ベロ毒素中和剤としてのスフィンゴ糖脂質類似体 - Google Patents

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Description

本発明はベロ毒素を中和するスフィンゴ糖脂質類似体に関する。さらに詳しくはベロ毒素中和作用を有するスフィンゴ糖脂質Gb3-セラミド類似体およびGb2-セラミド類似体に関する。
O-157を代表とする腸管出血性大腸菌が産生するベロ毒素は、赤痢菌由来志賀毒素と相同性の高いAB5ファミリーに属するタンパク毒素であり、Stx-1とStx-1よりも強い毒性を示すStx-2の2つに大別される。ベロ毒素はヒトの細胞表面に存在するGb3-セラミドやGb2-セラミドなどのスフィンゴ糖脂質を認識、接着することによって細胞内に進入し、その毒性を発現する。スフィンゴ糖脂質Gb3-セラミドとGb2-セラミドの構造中で、ベロ毒素が認識する重要な部分構造は糖鎖部分であるのは周知の事実である(例えば、非特許文献1参照)。そこで、Gb3糖鎖またはGb2糖鎖を利用して、ベロ毒素の接着過程を効果的に阻害し、ベロ毒素を中和する物質に関する研究開発が精力的に行われてきた(例えば、特許文献1、特許文献2、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4等参照)。
しかしながら、未だ医療現場で利用できるベロ毒素の特効薬は開発されるに至っておらず、腸管出血性大腸菌に対する効果的な治療法は見いだされていない。前述の中和剤のほとんどはStx-1をよく中和できるものの、より毒性の強いStx-2を中和する能力は乏しい。これらの中和剤はポリマー(高分子樹脂)にGb3糖鎖またはGb2糖鎖を固定化したものや、Gb3糖鎖またはGb2糖鎖をデンドリマー化したものであり、本来のベロ毒素受容体(Gb3-セラミドおよびGb2-セラミド)が持つ2本鎖脂質部分はベロ毒素の結合に一定の関与が推測されてきたにもかかわらず、これまでの中和剤創製では考慮されてこなかった。
特開2004-107230号公報 特開2003-73391号公報 J. Biol. Chem.誌、262巻、1779頁、1987年 The Journal of Infectious Diseases誌、189巻、360頁、2004年 Nature誌、403巻、669頁、2000年 Organic Letters誌、4巻、355頁、2002年
本発明の目的は、ベロ毒素中和活性を有し、腸管出血性大腸菌感染症の治療に臨床応用が可能なスフィンゴ糖脂質類似体を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者らは、スフィンゴ糖脂質Gb3-セラミドおよびGb2-セラミドの二本鎖脂質部分に注目し鋭意検討した結果、セラミドの代用ユニットとして、ホスファチジルエタノールアミンを用いた類似体を合成し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は下記一般式[I]で表されるスフィンゴ糖脂質類似体およびこの化合物を含むベロ毒素中和剤である。
Figure 0004639055
(式中、nは1〜3の整数を示し、R,R’はアルキル基を示し、Aは下記の、
Figure 0004639055
を示す。)
より毒性の強いベロ毒素Stx-2にも有効である。
式[I]中、R,R’は同一又は異なったアルキル基を示すが、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基が好ましく、このうち炭素数12〜18がより好ましく、炭素数15が特に好ましい。例えば、トリデカニル基、ヘプタデカニル基、ペンタデカニル基などが挙げられる。
nは1〜3の整数を示すが、1が好ましい。
Aはベロ毒素認識部分であるGb3糖鎖またはGb2糖鎖を示すが、Gb3糖鎖がより好ましい。
本発明の化合物はそれ自体公知の類似方法によって製造でき、どのような方法によっても構わないが、例えば図1に示した合成法を一例としてあげる事が出来る。
図1において、出発原料である化合物1は例えば文献既知の方法により合成できる(特開2004-99507、特開2004-99504、Tetrahedron Letters誌、44巻、1819頁、2003年参照)。この化合物1を有機溶媒中、オゾン酸化することによって、化合物2を製造し、さらに有機溶媒中、還元剤の存在下、化合物2をホスファチジルエタノールアミンと縮合することによって化合物3を製造することが出来る。化合物3の糖鎖の保護基を還元によって除去することによって、本発明のスフィンゴ糖脂質類似体を製造できる。
オゾン酸化反応では、有機溶媒中、オゾンをバブリングした後に、還元試薬を加えることによって、化合物2を製造できる。
反応に用いる有機溶媒は、周知の溶媒を使用できる。メタノール、エタノール、プロパノールなどを挙げることができるが、メタノールが好ましい。また、これらの混合物や含水物、あるいは不均一系での反応ができることは言うまでもない。
反応温度は室温〜−100℃であるが、−50〜−100℃が好ましい。反応時間は5分〜5日であるが、通常、10分〜24時間である。
オゾン処理後に用いる還元剤としてジメチルスルフィド、トリフェニルホスフィン、チオ硫酸ナトリウムなどを挙げることができるが、ジメチルスルフィドが好ましい。
縮合反応では化合物2を有機溶媒中、還元剤の存在下、ホスファチジルエタノールアミンと反応させることによって化合物3を製造できる。
反応に用いる有機溶媒は、周知の溶媒を使用できる。クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メタノール、エタノール、プロパノール、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエンなどを挙げることができる。また、これらの混合物や含水物、あるいは不均一系での反応ができることは言うまでもない。
反応に用いる還元剤は、周知の還元剤を使用できる。水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH3CN)、ボラン(BH3)、パラジウムカーボン(Pd-C)と水素ガス、水酸化パラジウム(Pd(OH)2)と水素ガス、ギ酸アンモニウム-パラジウムカーボン(Pd-C)などを挙げることができる。
反応温度は−20〜200℃であるが、50〜80℃が好ましい。反応時間は5分〜10日であるが、通常、1〜24時間である。
脱保護反応として、化合物3を有機溶媒中、触媒の存在下、水素ガスと反応させて還元することによって、化合物4を製造できる。
化合物4を製造する際に用いる、有機溶媒、反応時間については何ら制限はなく、具体的には化合物3で表される中間体の製造について述べた例と同じである。
反応に用いる還元条件は、周知の還元条件を使用できる。パラジウムカーボン(Pd-C)と水素ガス、水酸化パラジウム(Pd(OH)2)と水素ガス、ギ酸アンモニウム-パラジウムカーボン(Pd-C)などを挙げることができる。
反応温度は−20〜100℃であるが、室温が好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、その要旨を超えない限り、何ら制限を受けるものではない。
Gb3-PEDP(式[I]において、AがGb3糖鎖、nが1、R,R'がともにC 15 H 31 )の合成
Figure 0004639055
化合物6
化合物5 (208mg, 0.23mmol)のメタノール(10ml)溶液に−78℃で、オゾンを1時間バブリングし、次にオゾン臭がなくなるまで窒素をバブリングした。 ジメチルスルフィド (0.5ml)を加え、徐々に室温に戻しながら5時間撹拌した後、 反応液を濃縮し化合物6 (209mg)を得た。
化合物7
化合物6(78.3mg, 0.086mmol)のクロロホルム(5ml)、メタノール(8ml)、水(0.5ml)溶液中に、ホスファチジルエタノールアミンジパルミトイル(180mg, 0.26mmol)を加え、50℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH3CN)(163mg, 2.6mmol)を加え50℃でさらに2時間撹拌した。反応液をLH-20カラムクラマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=1:1)にて脱塩し、続いてシリカゲルクロマトグラフィー(solv. クロロホルム:メタノール:水=8:2:0.1)にて精製し、化合物7(56.4mg,41% 2steps)を白色粉末として得た。
化合物8
化合物7(19.8mg,12.5μl)のエタノール(6ml)、酢酸(1ml)混合溶液中、10%Pd/C(20mg)と4Mの塩酸ジオキサン溶液(10μl)を加えた後、水素雰囲気下、室温で6日間撹拌した。次に反応液をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(solv. クロロホルム:メタノール:水=7:3.5:0.1)にて精製し、化合物8(6.1mg, 40%)を白色粉末として得た。
[α]D=26.1° (c=0.83 in CHCl3:MeOH=1:1)
1H NMR (400MHz, CDCl3:CD3OD=1:1) : δ=0.89(t, J=7.1Hz, 6H), 1.27(m, 48H), 1.61(m, 4H), 2.33(q, J=7.6Hz, 4H), 3.30(m, 4H), 3.48(m, 1H), 3.57(m, 4H), 3.71(m, 3H), 3.85(m, 9H), 4.02(m, 3H), 4.17(m, 5H), 4.38(d, J=7.8Hz, 1H), 4.43(m, 2H), 4.97(d, J=3.4Hz, 1H), 5.24(m, 1H).
MALDI-TOF-MS: Calcd for C57H108NO24PNa (M+Na+): 1244.7, Found:1243.2.
Gb2-PEDP(式[I]において、AがGb2糖鎖、nが1、R,R'がともにC 15 H 31 )の合成
Figure 0004639055
化合物10
化合物9(58.6mg, 0.079mmol)のメタノール(5ml)溶液に−78℃で、オゾンを10分間バブリングし、 反応液が青白くなったら、 オゾン臭がなくなるまで窒素をバブリングした。ジメチルスルフィド(0.2ml)を加え、徐々に室温に戻しながら30時間撹拌した後、反応液を濃縮し化合物10(60.4mg)を得た。 無色油状物。
化合物11
化合物10(60.4mg, 0.079mmol)のクロロホルム(3ml)、 メタノール(5ml)、水(0.6ml)溶液中に、ホスファチジルエタノールアミンジパルミトイル(167.9mg, 0.243mmol)を加え、50℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH3CN)(155.2mg, 2.46mmol)を加え50℃でさらに2時間撹拌した。反応液をLH-20カラムクラマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=1:1)にて脱塩し、続いてシリカゲルクロマトグラフィー(solv. クロロホルム:メタノール:水=9:1.5:0.1)にて精製し、化合物11(59.6mg, 53% 2steps)を白色粉末として得た。
[α]D=22.3° (c=1.27 in CHCl3:MeOH=1:1)
1H NMR (400MHz, CDCl3:CD3OD=1:1): δ=0.89(t, J=7.1Hz, 6H), 1.27(m, 48H), 1.61(m, 4H), 2.31(q, J=7.3Hz, 4H), 3.25(m, 4H), 3.42(dd, J=9.6, 5.6Hz, 1H), 3.53(m, 3H), 3.63(m, 1H), 3.73-4.19(m, 13H), 4.29(m, 2H), 4.42(m, 1H), 4.49(d, J=12.7Hz, 1H), 4.54(d, J=11.5Hz, 1H), 4.75(m, 3H), 4.86(m, 2H), 4.94(d, J=3.4Hz, 1H), 5.24(m, 1H), 7.33(m, 20H).
13C NMR (100MHz, CDCl3:CD3OD=1:1): δ=14.39, 23.24, 25.46, 25.50, 29.69, 29.70, 29.89, 29.94, 30.09, 30.12, 30.22, 30.27, 32.50, 34.61, 34.75, 48.08, 60.98, 61.34, 63.07, 64.41(J=5.0Hz), 65.23, 69.40, 70.87(J=8.3Hz), 71.16, 72.11, 73.07, 73.91, 74.01, 74.90, 75.07, 75.31, 75.47, 76.70, 79.35, 80.22, 100.88, 104.12, 127.90, 128.11, 128.19, 128.27, 128.46, 128.51, 128.68, 128.70, 128.86, 128.88, 128.90, 128.93, 138.18, 138.19, 138.70, 138.82, 173.92, 174.29.
MALDI-TOF-MS: Calcd for C79H122NO19PH (M+H+): 1421.8, Found: 1421.3; Calcd for C79H122NO19PNa (M+Na+): 1442.8, Found: 1443.1; Calcd for C79H122NO19PK (M+K+): 1459.9, Found: 1458.8.
化合物12
化合物11(25.2mg, 17.7μl)のエタノール(7ml)、酢酸(1ml)混合溶液中、10%Pd/C(30mg)と4Mの塩酸ジオキサン溶液(5μl)を加えた後、水素雰囲気下(10気圧)室温で3日間撹拌した。次に反応液をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(solv. クロロホルム:メタノール:水=7:3:0.4)にて精製し、化合物12(9.5mg, 51%)を白色粉末として得た。
[α]D=21.8°(c=0.34 in CHCl3:MeOH =1:1)
1H NMR (400MHz, CDCl3:CD3OD=1:1): δ=0.89(t, J=7.1Hz, 6H), 1.28(m, 48H), 1.63(m, 4H), 2.34(q, J=7.6Hz, 4H), 3.29(m, 4H), 3.57(m, 2H), 3.67(m, 2H), 3.72(dd, J=11.7, 4.6Hz, 1H), 3.83(m, 6H), 3.95(d, J=2.7Hz, 1H), 4.01(m, 3H), 4.18(m, 4H), 4.34(d, J=6.6Hz, 1H), 4.43(dd, J=12.2, 3.2Hz, 1H), 4.98(d, J=3.7Hz, 1H), 5.26(m, 1H).
13C NMR (100MHz, CDCl3:CD3OD=1:1): δ=14.34, 23.24, 25.47, 25.51, 29.70, 29.72, 29.90, 29.94, 30.10, 30.13, 30.23, 30.25, 30.27, 32.51, 34.63, 34.77, 48.15, 60.83, 61.15, 62.32, 63.11, 64.39(J=4.7Hz), 64.98, 69.71, 70.33, 70.43, 70.91(J=7.5Hz), 71.83, 72.40, 73.77, 75.29, 79.45, 101.90, 103.93, 174.02, 174.41.
MALDI-TOF-MS: Calcd for C51H98NO19PNa (M+Na+): 1082.6, Found: 1081.1.
ベロ毒素中和活性試験
本発明の[実施例1]で合成した化合物8(Gb3-PEDP)および[実施例2]で合成した化合物12(Gb2-PEDP)のベロ毒素に対する中和活性はHeLa細胞を用いて評価した。Gb3-PEDPおよびGb2-PEDPはジメチルスルホキシド(DMSO)に2mMに溶解し、さらに10mM phosphate buffered saline(PBS、 pH7.4)で所要濃度(最終濃度:0.1〜10μM)に希釈した。ベロ毒素(Stx-1およびStx-2)は−80℃に保存し、HeLa細胞へ添加した際の最終濃度が50%傷害活性を示す濃度(1 x CD50単位/ml)となるようにPBSにて20単位/mlに用時希釈して以下の試験に供した。
培養液は、4mM L-glutamine(キシダ化学、大阪)、0.1mg/ml streptomycin(明治製菓、東京)、100 U/ml Penicillin(明治製菓)、10%非働化(56℃、30分間)Fetal calf serum(FCS、Irvine Scientific、CF、USA)、および1.6% NaHCO3を含むDulbeccos' modified Eagle medium(DMEM、ニッスイ製薬、東京)とした。
HeLa細胞を培養液に懸だくし、5×103cells/wellとなるよう96穴プレート(Nunc、Roskilde、Denmark)に藩種し、5% CO2下、37℃で24時間培養(Napco model 6300 CO2 incubator、Tualatin、OR、USA)した後、180μl/wellの新鮮培養液に置換した。前述のように希釈したベロ毒素とGb3-PEDPまたはGb2-PEDP溶液を等量混合してあらかじめ1時間37℃でインキュベートし、その20μl/wellを培養HeLa細胞に添加して48時間培養を継続した。コントロールはGb3-PEDPまたはGb2-PEDPの代わりにPBSをベロ毒素に混じたものとした。この場合のDMSOの最終濃度は0.5%以下となり、予備検討の結果0.5%以下のDMSOではHeLa細胞の増殖には影響はみられなかった。
培養終了後、培養液を10% Alamar Blue(Trek diagnostic systems Inc.、OH、USA)/Hanks液(日水製薬)200μl/wellに置換し、2時間インキュベート後、還元されたAlamar Blueの蛍光強度(Ex: 530nm、Em:590nm)をCytoFlourTM 2350 fluorescence measurement system(Millipore)により測定し、蛍光強度をもって生細胞数とした。
化合物8(Gb3-PEDP)および化合物12(Gb2-PEDP)のベロ毒素に対する中和活性についての成績を図2に示す。ベロ毒素を加えないで培養した場合の細胞数(N)に比較してStx-1を添加して培養した場合の細胞数(Control)は図2-Aに示すように約50%に減少した。これに対して10μMのGb3-PEDPまたはGb2-PEDPの添加はStx-1による細胞数の減少を有意に抑制し、Gb3-PEDPおよびGb2-PEDPは明らかにStx-1による細胞傷害の中和活性を示した。また、図2-Bに示すように、Stx-2を添加したControlでは細胞数は約25%に減少し、これに対して0.1‐10μMのGb3-PEDPまたはGb2-PEDPの添加は、Stx-2による細胞数の減少を有意に抑制した。したがって、本発明の化合物8(Gb3-PEDP)および化合物12(Gb2-PEDP)はStx-1およびStx-2のいずれのベロ毒素に対しても中和活性を示し、Stx-1に比較して毒性の強いStx-2を特に強力に中和できることが明らかである。
本発明のスフィンゴ糖脂質誘導体は容易に入手可能なホスファチジルエタノールアミンを合成困難なセラミドの代用ユニットとして用いて合成できる。効果的に2種類のベロ毒素(Stx-1、Stx-2)を中和でき、ベロ毒素の特効薬として期待される。
本発明化合物の合成法の概略。 ベロ毒素のHeLa細胞傷害活性に対する化合物8(Gb3-PEDP)および化合物12(Gb2-PEDP)の中和活性。(A)はstx-1に対する中和活性、(B)はstx-2に対する中和活性を検討した結果である。
符号の説明
図2において
N:ベロ毒素も中和剤も加えない場合の細胞数
Control:ベロ毒素(Stx-1あるいはStx-2)を加え、中和剤を加えない場合の細胞数
Gb2-PEDP:[実施例2]で合成した本発明の化合物(化合物12)をベロ毒素(Stx-1あるいはStx-2)に混合・添加した場合の細胞数
Gb3-PEDP:[実施例1]で合成した本発明の化合物(化合物8)をベロ毒素(Stx-1あるいはStx-2)に混合・添加した場合の細胞数

Claims (3)

  1. 下記式[I]で示されるスフィンゴ糖脂質類似体。
    Figure 0004639055
    (式中、nは1〜3の整数を示し、R,R’はアルキル基を示し、Aは下記の
    Figure 0004639055
    を示す。)
  2. nが1、RとR’がC1531である請求項1記載のスフィンゴ糖脂質類似体。
  3. 請求項1または請求項2記載のスフィンゴ糖脂質類似体を含むベロ毒素中和剤。
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