JP4638223B2 - ポリペプチド切断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特異性が高く立体構造に非依存的なパラジウムにより促進されるポリペプチドの加水分解的切断方法であり、封入体(inclusion body)の形態で比較的不溶性のキメラタンパク質を切断することを含む方法を提供する。
発明の背景
組換え宿主細胞、例えば大腸菌中でペプチドをコードするDNAを発現させることにより約100アミノ酸以下の長さのペプチドを生産することは、宿主細胞内で発現されたペプチドの酵素的分解に悩まされ、しばしば部分的または完全にペプチドを損失する結果となることがよく知られている。この問題を克服するために最も一般的に用いられる手段は、宿主細胞内でペプチドを不溶化することである。これは、融合パートナーと連結したキメラタンパク質としてペプチドを発現させることにより実行可能である。通常、融合パートナーはペプチドのN末端と融合され得る。キメラタンパク質は、ペプチドがタンパク質分解酵素による分解から保護される封入体を細胞内で形成している。封入体が一旦宿主細胞から回収されれば、ペプチドはリーダー配列から分離され、精製され、活性型に戻されなければならない。リーダー配列からの切断は、適した条件下、例えば酸切断または酵素的切断で特異的に認識され切断されるアミノ酸配列を、リーダー配列とペプチドの連結部に配置することにより行うことができる。
例えば、キメラタンパク質の2つの断片間に酸に不安定なアスパルチル−プロリン結合を挿入することは、低pHにおけるそれらの切断を容易にする。この技術は、ポリペプチドから切断される産物ペプチドが酸に不安定でない場合でなければ、うまくいかない。ホルモン、例えばインスリンおよびソマトスタチンを含むキメラタンパク質は、メチオニン残基のカルボキシル側を特異的に臭化シアンで切断される。この方法は産物ペプチドがメチオニン残基を含む場合には適さない。
部位特異的タンパク質分解によるキメラタンパク質の切断についても、検討されている。チキン・プロα2・コラーゲン・リンカーを含むキメラタンパク質は、精製された微生物コラゲナーゼにより特異的に分解され得、キメラタンパク質の成分を放出する。タンパク質分解酵素の使用は酵素が高価であって、産物ペプチドの切断率が低いことが多く、また、後に所望のペプチド産物からの酵素の分離が困難であることが分かる。所望の組換えタンパク質の精製および回収のための他の方法は、ポリペプチドのC末端にポリアルギニン・テイル(poly-arginine tail)を構築することを含む。アルギニン残基は、イオン交換クロマトグラフィーによる精製を容易にするタンパク質の全体的な塩基性度の増加をもたらす。その後のカルボキシベプチダーゼBによるポリアルギニン・テイルの除去により所望のタンパク質が再生し、所望のタンパク質のpIが低下することによって塩基性混入物質からの精製が可能になる。
酸切断は、リーダー配列とペプチドの連結部に特定のジペプチドを配置することにより行われ得る。第二のアミノ酸の選択は、ジペプチド結合が酸性条件下で分解される割合(率)を決定するだろう。もちろん、所望のペプチドが酸切断可能な内生のジペプチド配列を含む場合、リーダー配列とペプチドの連結部の切断部位では、産物の許容できない損失を避けるために内部切断よりも実質的に高い率で酸切断が起こらなければならない。
Zhuらの、J. Am. Chem. Soc. 116: 5218 (1994)には、酸性条件下でパラジウム(II)酸(Pd(II))複合体を用いた、S−ヘモ−システイニル−ヒスチジン(Cys(ヘモ)−His)でのシトクロムCの選択的な切断が記載されている。Zhuらの文献に記載の反応条件下で、シトクロムCの切断を40℃で2日間行った結果、たった35〜50%の切断率であった(実際、SDS-PAGE分析は非特異的な切断の減少を示した;タンパク質に対するPdのモル比を1:1〜4:1に増加した場合、Cys(ヘモ)-His配列よりも他の部位での切断が見られた)。
Zhuらの文献の5220ページによれば、100mM HBF4、HClO4、およびCF3COOHまたは70%ギ酸がシトクロムCを切断した。前記文献はその後段に、切断が塩化物イオンの存在により阻害され、生体系から精製されたタンパク質の特記すべき欠点はほとんどの場合に塩化物イオンを含むことだと結論づけている。特に、Zhuらの文献の5219ページには、加水分解率がシトクロムCの立体構造に依存することが示されている(すなわち、切断は、切断されるペプチド断片の大きさおよび切断されるポリペプチドの配列に影響されると考えられた)。
Douらの「Preliminary Study On The Cleavage Of Chimeric protein GST-CMIV With Palladate(II) complex」、Prep. Biochem & Biotechnol.、301(1):69-78 (2000) (「Douら」)には、ギ酸、酢酸、リン酸、HBF4および[Pd(en)(H2O)2]2+を用いたセクロピン(cecropin)CMIVキメラタンパク質のパラジウム酸により促進される加水分解的切断が記載されている。Douらは、Cys-His-LysおよびCys-His-Argの2つの切断部位でそのキメラタンパク質を特異的に切断することを目指した。Douらの文献の76ページによれば、HBF4反応媒質のみが、40℃で反応時間48時間の実験条件にてキメラタンパク質を切断した。HBF4中での切断は、Cys-Hisに隣接するアミノ酸に依存し、pH依存的または非依存的なものであると言われていた。Cys-His-Lysでの切断はpH非依存的であるが、Cys-His-Argでの切断はpH依存的である(前記)。さらに、HBF4中におけるどちらかの部位での切断は共に、温度依存的である;温度が60℃に上昇するとキメラタンパク質が可溶化し、もはや選択的に切断される可能性はなくなる(前記)。Douらは、それらの反応が塩化物イオンの存在により強く阻害され、切断反応前にエクストラ(extra)イオン交換クロマトグラフィーによる精製工程を用いることを発見した。
文献中、DouらおよびZhuらは、パラジウム酸により促進されるポリペプチドの加水分解的切断は高濃度の酸性有機溶媒中で確実ではないが、切断されるポリペプチドの配列、反応温度、および実用性の高い塩化物含有パラジウム酸を含む塩化物含有種の阻害効果の可能性に依存することを示唆した。Douらは、それらのキメラタンパク質の可溶化が切断の特異性を減ずる結果となることを示している。
つまり、加水分解的ポリペプチド切断方法は高濃度の酸性媒質においてさえ、ポリペプチドの配列、反応媒質の温度または反応媒質中に存在するイオン種のいずれかにより切断率および切断の特異性が制限されることを示唆していた。
本発明の目的
本発明の目的は、ポリペプチドを加水分解的に切断する改善された方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、特異性が高く、ポリペプチド配列または切断されるペプチド産物の大きさに影響されない、ポリペプチドの加水分解的切断の改善された方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、キメラタンパク質の形態、特に比較的不溶性の封入体の形態で組換え的に発現されたポリペプチドの加水分解的切断の改善された方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、特異性が高く、不要の副産物を生成することのない、塩化物含有パラジウム酸(パラダート)種を用いた、ポリペプチドの加水分解的切断の改善された方法を提供することである。
発明の概要
上記の目的に従って、本発明の方法は、様々な反応物質濃度、温度またはpHに比較的影響を受けない反応条件下で、パラジウムにより促進されるポリペプチドの加水分解的切断を高い部位特異性で行う方法を提供する。本方法は、立体構造および配列に非依存的であり、すなわち特定の切断部位に隣接するアミノ酸基類の型(タイプ)に関わりなく高い切断率を達成する。さらに、本発明の方法は、不要な副産物の形成を抑え、塩化物を含む触媒および反応媒質の使用を可能とする条件下で、ポリペプチドを切断する。本方法は、単一コピーの組換えポリペプチド、多重コピーの組換えポリペプチド、または単一あるいは多重コピーの組換えキメラタンパク質構築物を高い特異性で切断するために用いられ得る。よって、本方法は、さらなる処理に適した多数の切断されたペプチド断片を生産し得る。
さらに具体的には、本発明は、高濃度の有機酸およびパラジウム・プロモーターを含む反応媒質中にてCys-His切断部位でポリペプチドを切断する方法を提供する。1つの態様では、Cys-His切断部位でペプチドのN末端と連結されたリーダー配列を含むキメラタンパク質は、モノカルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸およびピルビン酸;ヒドロキシ置換した酸、例えば乳酸、酒石酸およびクエン酸;ジカルボン酸、例えばシュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、コハク酸およびピメリン酸;トリカルボン酸、例えばトリカルバリル酸;糖酸(sugar acid)、例えばグルクロン酸および他のウロン酸;アルドン酸、例えばグルコン酸;および、アルダル酸、例えば糖酸(saccharic acid)からなる群から選択される高濃度の有機酸溶媒中に溶解されたパラジウム・プロモーターを含む反応混合液中にキメラタンパク質を可溶化することによって切断される。反応混合液中の有機溶媒の濃度は、約1〜22モルの間である。酢酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、酒石酸およびトリカルバリル酸は、好ましい酸である。これらの反応媒質は、前述の比較的不溶性であると見なされるキメラタンパク質または封入体を可溶化し、そのような可溶化が実際に、切断の特異性を減ずるよりもむしろ切断されたペプチドの改善された収率をもたらす。重要なことに、本方法は、切断されたペプチドの翻訳後修飾(例えば、アミド化)に必要なさらなる処理を容易にする方法で、そのようなキメラタンパク質を切断する。
好ましい態様にて、(i)反応媒質中における封入体に対するパラジウム・プロモーターのモル比は、約2:1〜約20:1であり、(ii)反応混合液の温度は、約50℃〜約70℃に維持されており;そして、(iii)溶媒は、有機酸が反応媒質中に1〜22Mの濃度で存在する。
本発明の方法に従ったパラジウムにより促進される酸切断は、封入体、例えばT7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:1)、T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-A (配列番号:2)、T7tag-Vg-G5PR-CH-PTH(1-34) (配列番号:3)またはT7tag-Vg-D4K-CH-PTH(1-84) (配列番号:4)を可溶化する前記の高濃度の酸性有機溶媒を使用することにより容易にされる。
本発明の方法は、天然に生じるペプチド、合成的に誘導されるペプチドおよび組換え的に誘導されるペプチドを切断するために用いられ得る。本発明の態様を、封入体の形態で組換え的に発現されたキメラタンパク質を切断することに関して後段に詳細に記載した。
本発明の方法は、既知の組換えDNA調製技術を用いて微生物宿主細胞中で組換え的に発現させ封入体の形態で宿主細胞から回収されたキメラタンパク質を切断するために利用され得る。組換えDNA法によるタンパク質の発現に有用であることが知られている適当な宿主細胞は、真核および原核の宿主細胞ならびに細胞株を含み、そのようなキメラタンパク質を発現するために用いられ得る。大腸菌は好ましい宿主細胞である。宿主細胞は、その宿主にてキメラタンパク質の発現を促すことのできる調節配列の制御下にそれをコードする発現ベクターと、宿主細胞にて作動する複製開始点を包含する。ベクターは、組換えDNA技術にて通常用いられる他のDNA配列、例えば選択マーカーをコードする配列を含んでいて良い。宿主体中で外来遺伝子を発現する方法もまた、当業者に周知である(例えば、Maniatis et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2nd ed., 1989を参照のこと)。
特定のポリペプチドをコードする遺伝子は、増幅、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により全ヌクレオチド配列を化学的に合成するか、目的の遺伝子をクローニングすることにより構築され得る。次に、遺伝子を適した発現ベクターにサブクローニングする。クローニングベクター、発現ベクター、プラスミドおよびウイルスベクターは、当業者に周知である(例えば、Maniatis et al., supra, and Goedell, Methods in Enzymology, Vol. 185 (Academic Press 1990)を参照のこと)。実施例1は、大腸菌におけるほ乳類タンパク質の高レベルな発現に有用なT7を用いた発現系(T7-based expression system)の調製の説明を提供する。
発現ベクターを含む宿主細胞を増殖させ、適当な条件下でキメラタンパク質を発現させる。宿主細胞が増殖しキメラタンパク質が発現する条件は、様々な因子、例えば用いた宿主細胞、プロモーターおよび発現させる特定のキメラタンパク質に依存して変化するだろう。当業者は、用いた特定の宿主/ベクター系に適した条件を決定することができる。宿主体中で外来遺伝子を発現する方法もまた、当業者に周知である(例えば、Maniatis et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2nd ed., 1989を参照のこと)。特定のポリペプチドをコードする遺伝子は、増幅、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により全ヌクレオチド配列を化学的に合成するか、目的の遺伝子をクローニングすることにより構築され得る。次に、遺伝子を適した発現ベクターにサブクローニングする。クローニングベクター、発現ベクター、プラスミドおよびウイルスベクターは、当業者に周知である(例えば、Maniatis et al., supra, and Goedell, Methods in Enzymology, Vol. 185 (Academic Press 1990)を参照のこと)。実施例1は、大腸菌におけるほ乳類タンパク質の高レベルな発現に有用なT7を用いた発現系(T7-based expression system)の調製の詳細な説明を提供する。
ポリペプチドを組換え技術により調製する場合、様々な方法、例えば部位特異的変異導入によってコードしている核酸中に適当なヌクレオチドを挿入または変異させることにより、ポリペプチドの配列内にCys-His切断部位を加えることができる。そのようなCys-His配列は、本明細書に記載のパラジウム複合体により切断される部位を供し得る。組換え法はまた、反復ポリペプチド配列(それぞれの配列がCys-His切断部位により分離される)を有するタンパク質をコードする核酸の生成に用いられ得る。この場合、パラジウム複合体により促進される切断が、ポリペプチド中の多数のCys-His部位で起こり、所望のペプチドの多数のコピーを放出することができる。
Cys-His配列を含むペプチドまたはタンパク質への本発明の方法の利用は、結果としてCys-His配列での選択的切断をもたらす。あるいは、切断を容易にするCysまたはHis残基をペプチドに存する残基に隣接する部位へ挿入し、Cys-His切断部位を作成することができる(例えば、部位特異的変異導入により)。このようにして、挿入されたCys-His部位で選択的切断が起こり、ペプチド断片を生産することができる。所望のペプチドまたはタンパク質が内在性のCys-His配列を含んでいるまれな場合にはパラジウムにより促進される切断はペプチドまたはタンパク質を望ましくない断片に切断するかもしれないが、部位特異的変異導入を用いて、CysまたはHis残基のどちらかを他のアミノ酸に変換し、そのような部位における切断を避けうる。
従って、本発明の方法は、グルカゴン様ペプチド-2(GLP-2)、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、副甲状腺ホルモン(PTH)、副甲状腺ホルモン関連ペプチド、成長ホルモン放出因子(GRF)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、エンケファリン、エンドルフィン、エキセンディン(exendin)、アミリン(amylin)、様々なオピオイドペプチド、カエル皮抗生物質ペプチド、例えばゲーグリン(gaegurin)5および6、ブレビニン(brevinin)1、ラナテリン(ranatuerin)1〜9、およびエスクレチン(esculetin)、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)、グルカゴン、モチリン、サイモポエチン(thymopoietin)、サイモシン(thymosin)、ユビキチン、血清胸腺因子、胸腺液性因子、ニューロテンシン(neurotensin)、タフトシン(tuftsin)およびこれらのペプチドの断片ならびに誘導体を含むが、これに限定されないペプチドを包含するキメラタンパク質の切断を提供する。
多くのポリペプチドが、そのC末端にアミドを有し、および/または分子内に-S-S-結合を有する。これらのペプチドの前駆体非アミド化型または還元型はそれぞれ、Cys-His切断部位を挿入された融合構築物として発現され、本発明の方法に従ってパラジウム複合体により切断され得る。その後、産物は、アミド化または酸化され、最終的に所望な分子を産し得る。そのようなペプチドの例は、ガストリン、カルシトニン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、膵臓 ポリペプチド、エンドセリン、副腎皮質刺激ホルモン放出因子、神経ペプチドY、心房性ナトリウム利尿ペプチド、アミリン、ガラニン、ソマトスタチン、血管作動性小腸ペプチド、インスリン、およびこれらのペプチドの断片ならびに誘導体を含む。
キメラタンパク質と一緒に用いることができるリーダー配列の例としては、細胞からの直接的な蛋白分泌に用いられるようなシグナル配列、構造遺伝子由来のような成熟タンパク質配列のN末端部分、リンカー配列、またはそれらの組合せを含む。
本発明の好ましい態様にて、前記キメラタンパク質は、約400〜100,000ダルトンまたはそれ以上(約1,000〜50,000ダルトンの間が好ましい)の分子量を有し、かつ天然アミノ酸、例えばAla (A)、Arg (R)、Asp (D)、Asn (N)、Glu (E)、Gln (Q)、Gly (G)、His (H)、Leu (L)、Ile (I)、Lys (K)、Met (M)、Cys (C)、Phe (F)、Pro (P)、Ser (S)、Thr (T)、Trp (W)、Tyr (Y)、Val (V) (かっこ内は1文字表記のアミノ酸コードを表す)のいずれか、またはペプチド化学に通常用いられる側鎖を修飾されたアミノ酸誘導体を含むことができる。後者のアミノ酸誘導体は、例えばニペコチン酸、1−または2−ナフチルアラニン、およびp−ベンゾイルアミノ−L−フェニルアラニンなどを含む。
封入体は、既知の方法、例えば細胞を化学的または機械的に溶解し遠心によって封入体(キメラタンパク質)を分離する方法により宿主細胞から(封入体の形態で)回収され得る。
本発明の方法に基づくパラジウムにより促進される切断中に、パラジウム・リガンド、例えばエチレンジアミン、ピコリルアミン(2-アミノメチルピリジンまたは「pic」)、メチオニン、あるいはヒスチジンを反応混合液に付加し、収率を増すことができる。尿素を、好ましくは少なくとも4Mの濃度で反応混合液に付加し、キメラタンパク質の可溶性を増すことができる。切断は、通常約50℃〜約70℃の温度で行われる。
本発明の方法の切断工程の反応条件は、用いたパラジウム複合体および切断されるポリペプチドの特性に依存して調整されることが理解されている。パラジウム複合体は、可溶化されて、反応条件に影響する。さらに、好ましい態様では、用いた反応条件は、切断されるポリペプチドを少なくとも一部変性するだろう。
本発明により、ポリペプチドの切断を促進しうるパラジウム酸(Pd (II))複合体は、[Pd(OH2)3(OH)]+、[PdCl4]2-、シス−[Pd(en)(OH2)2]2+、シス−[Pd(pn)(OH2)2]2+、シス−[Pd(pic)(OH2)2]2+、シス−[Pd(bpy)(OH2)2]2+、シス−[Pd(phen)(OH2)2]2+およびシス−[Pd(dtco-OH)( OH2)2]2+を含む。加えて、パラジウム・ヘキサクロライド(palladium hexachloride)として塩化物イオンを有するPd (IV)複合体も、効果的に切断物質を供することができる。Pd複合体は、当業者に周知の方法(例えば、(H. Hohmann et al., Inorg. Chim. Acta, 174:87 (1990);T. Rau et al., Inorg. Chem., 36: 1454 (1997);C. Drexler et al., Inorg. Chem., 30: 1297 (1991)、または米国特許番号US5,352,771を参照のこと)によって調製され得、あるいは商業的に購入され得る。好ましいパラジウム複合体は、以下の塩類を含む:[PdCl4]2-、[Pd(NCCH3)2(OH2)2]2+、[PdCl6]2-、[Pd(dppe)(OH2)2]2+、[Pd(tpp)(OH2)2]2+および[Pd(dppf)(OH2)2]2。最も好ましいパラジウム複合体は、[PdCl4]2-、[Pd(NCCH3)(OH2)2]2+および[PdCl6]2を含む。前記複合体は、無機塩基、例えばナトリウムまたはカリウムの塩として用いられる。[PdCl4]2-のナトリウム塩が好ましい。
本発明の方法にて、Cys-His部位でのキメラタンパク質の切断は、ヒスチジン残基とC末端側でヒスチジンに直接隣接する残基の間のカルボキシアミド結合で起こる。例えば、タンパク質、NH2-Ala-Ala-Cys-His-Gly-Gly-Gly-COOH (配列番号:6)は、以下のように切断される:
NH2-Ala-Ala-Cys-His-Gly-Gly-Gly-COOH (配列番号:6)+パラジウム複合体→NH2-Ala-Ala-Cys-His-COOH (配列番号:7)
(ポリペプチドは、本明細書中にてアミノ酸略号で表記され、N末端アミノ酸が左側、C末端アミノ酸が右側で左から右へ記載され、例えばNH2-Ala-Ala-Cys-His-Gly-Gly-Gly-COOH (配列番号:6)と記載される。)
本発明の方法に従って生産された切断ペプチドを、限外ろ過、沈殿、またはより好ましくはイオン交換クロマトグラフィーによってその融合パートナーから回収することができる。単離されたペプチドに適した商業的に利用可能なイオン交換カラムを用いることができる。多くの場合、イオン交換カラムから回収されたペプチドは、未変性の構造に再び畳み直されるが、特にペプチドがその活性に内生ジスルフィド結合の形成を必要とする場合、付加的工程(例えば、酸化)が、生物活性型にペプチドを回復するために必要かもしれない。
必要に応じて、さらなる精製工程を当業者に既知の技術を用いて行うことができる。そのような工程は、例えばHPLC(例えば、RP-HPLC)または付加的イオン交換クロマトグラフィーの工程を含む。
本発明の方法に従い、キメラタンパク質T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-CH(配列番号:1)は、大腸菌中で組換え的に発現され、その後封入体の形態で宿主細胞から回収されたものである。このキメラタンパク質は、システイン(cys)-ヒスチジン(his)配列で成長ホルモン放出因子ペプチド誘導体、GRF(1-44)-CHと連結されたリーダー配列を有する。T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:1)は、14残基のシグナル配列に続き、27残基の痕跡(vestigial:Vg)配列(封入体の形成と高発現を誘導する)およびCys-His切断部位を含む13残基のリンカーを共に含む。
単離された封入体を、(i)3M クエン酸、3M 酒石酸、3M マレイン酸、3M〜6Mのマロン酸、3M リンゴ酸および80%ピルビン酸のいずれか、ならびに(ii)キメラタンパク質(封入体)よりもモル比にして10倍(10:1)多いテトラクロロパラジウム酸を含む反応混合液中に可溶化することにより、パラジウムにより促進される酸切断を行った。切断反応は、約50℃〜約70℃までの温度で1〜24時間、一般に約1〜6時間行った。ある場合では、エチレンジアミン、ピコリルアミン(2-アミノメチルピリジまたは「pic」);メチオニンまたはヒスチジンを反応混合液に付加し、収率を増加した。
これらの条件下、2時間という短時間で、約30%(3M 酒石酸を用いて)〜約50%(5M マロン酸を用いて)の範囲の収率で切断されたペプチドを得た。rGRF(1-44)-CHは、本発明の好ましい態様により生産された。すなわち、約90分間の切断工程で、封入体(キメラタンパク質)を5M マロン酸およびテトラクロロパラジウム酸と反応させ(封入体(キメラタンパク質)に対するテトラクロロパラジウム酸のモル比が10:1)、約45%の切断されたタンパク質を生産し、その後HPLCにより精製した。
本発明のもう一つの態様では、PTH(1−34)をコードするDNAをバクテリア発現ベクター中のリーダー配列の下流にクローンし、大腸菌中で発現させ、キメラタンパク質T7tag-Vg-G5PR-CH-PTH(1-34) (配列番号:3)を産生させた。このキメラタンパク質を、封入体として宿主細胞から回収し、3M クエン酸、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム、およびpic、メチオニンまたはヒスチジンのいずれかを含む反応混合液中にてパラジウムにより促進される酸切断を行った。この反応は、2時間以内でほぼ100%の切断されたrPTH(1−34)を産した。
本発明のさらに他の態様では、PTH(1−84)をコードするDNAをバクテリア発現ベクター中のリーダー配列の下流にクローンし、大腸菌内で発現させ、キメラタンパク質 T7tag-Vg-D4K-CH-PTH(1-84) (配列番号:4)を産した。このキメラタンパク質を、封入体として宿主細胞から回収し、3M クエン酸または5M マロン酸のいずれかを含む反応混合液中にてパラジウムにより促進される酸切断を行った。エチレンジアミン(5.2mM)およびテトラクロロパラジウム酸(2.6mM)を、これらの2つの切断試料溶液にそれぞれ付加し、切断反応を60℃で4時間行い、HPLCによる測定の結果、約50%の切断されたrPTH(1−84)が生産された。
本発明の他の態様を、以下の実施例により開示するが、これらは例示にすぎず本発明を限定するものではない。実施例は、具体例としてT7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-A (配列番号:2)、T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:1)、T7tag-Vg-G5PR-CH-PTH(1-34) (配列番号:3)およびT7tag-Vg-D4K-CH-PTH(1-84) (配列番号:4)のパラジウムにより促進される切断を示し、一般的に用いられる方法を開示するために提供される。
実施例1
T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:1)前駆体ペプチドの発現:
T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:1)は、以下のように大腸菌中で組換え的に発現される。リーダー-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:23)ポリペプチド(図7)をコードする発現プラスミドを含む大腸菌を、トリプトン、酵母、グルコース、バッチ塩類(ナトリウムおよびカリウム、モノリン酸塩およびジリン酸塩、ならびに硫酸アンモニウム)および抗生物質を含む500mLの振とうフラスコで増殖させた。植菌した振とうフラスコを回転振とうした(200rpm、37℃)。培養液が540nmで0.8〜1.8の吸光度(OD)に達した時点でインキュベーションを終了した。
5L〜100L容量の発酵槽に、振とうフラスコ培養を用いて植菌した。媒質は、バッチ塩類、グルコースおよびキレート金属溶液(クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸・塩化第二鉄、塩化亜鉛、塩化コバルト、モリブデン酸ナトリウム、塩化マンガン、塩化カルシウムおよび硫酸銅)を含む。媒質のpHを、植菌する前に6.9に調節し、培養の間pH6.9に維持した。溶存酸素を、撹拌および酸素補給により約40%に維持した。シリコンベースまたはポリプロピレン・グリコールベースの「消泡剤」を、発酵培養液の泡形成を減ずるために「必要に応じて」無菌的に付加した。
発酵培養液のODが540nmで25に達した時、フィルター滅菌したイソプロピルチオガラクトシド(IPTG、 600 mM)を終濃度0.5mMで付加し、次にフィルター滅菌したマグネシウム誘導サプリメント(クエン酸カリウムおよび硫酸マグネシウム)を付加して組換えタンパク質の発現を誘導した。培養液をさらに6時間インキュベートし、その後10℃〜15℃に冷却した。
実施例2
封入体、T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:1)前駆体ペプチドの単離:
生じた発酵槽の細胞を遠心により発酵ブロスから採取した。細胞ペレットを集め、溶菌緩衝液(lysis buffer)(993gの水に6g トリス遊離塩基と0.93g EDTA)の適量(例えば、5Lの発酵槽由来の物質に対し2Lの溶菌緩衝液)に再懸濁し、高圧ホモジナイザー中で溶解した。
細胞固形物と封入体を含むペプチド前駆体を遠心によりペレットとし、集め、約1.0のpHで1.5M クエン酸/1.0mM EDTA溶液中でホモジナイズして溶解した(例えば、5L発酵槽からの物質に対し1.5L溶液)。この懸濁液のpHを、温度を15℃以下に維持しつつ連続的に混合しながら10M 水酸化ナトリウムをゆっくり付加して4.9に調整した。GRF前駆体ペプチドを含む沈殿物を遠心により集め、水に再懸濁して2度洗浄し、遠心してペレットとした。
実施例3
パラジウム酸切断プロモーターの調製:
以下の化学物質の略号を本明細書にて用いた:en=エチレンジアミン;pic=ピコリルアミン(または2-アミノメチルピリジン);aep=2(2-アミノエチル)ピリジン;dien=ジエチレントリアミン。
Na2PdCl4およびK2PdCl4は、Aldrich Chemical Co.とStrem Chemical Co.から購入した。
テトラクロロパラジウム酸の固形試料を適当な水性溶媒中に溶解し、約250mM濃度にした。その後、一部を反応混合液により適切な濃度まで希釈した。溶媒を、検討中の反応の酸性溶液と同様になるように選択した。
実施例4
分析方法:
以下の分析方法および装置を用いた。
HPLC 方法1:
Microsorb-MV Cyano-C8 100 Å、5μm、4.6×150 mmカラムを用いる、逆相クロマトグラフィー(Catalog #R0086800D5)。
移動相系は以下の通りであった。A=5%(v/v)アセトニトリル、0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸;B=95%(v/v)アセトニトリル、0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸。
封入体試料を定量するために用いた勾配は、以下の通りであった(t=0、時間):10〜100%B (10.8分)、100%B (0.6分)、100〜10%B (0.6分);流速1 mL/分;室温。
クエンチした反応を分析するための勾配は、以下の通りであった: 20〜30%B (3分)、30〜40%B (6分)、40〜100%B (1.5分)、100〜20%B (0.6分)、20%B (3分);流速1mL/分;30℃。
吸光度を210−320nmで測定した。
HPLC 方法2:
Waters Symmetry C18、100 Å、3.5μm、4.6×150 mmカラムを用いた逆相HPLC。移動相系は以下の通りであった:A=5%(v/v)アセトニトリル、0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸;B=95%(v/v)アセトニトリル、0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸。勾配は、25〜33%B(24 分)、33〜60%B(6 分)、60〜90%B(1分)、90〜25%B(0.5 分)、25%B(4 分);流速1mL/分;40℃。吸光度を210−320nmで測定した。
HPLC 方法3:
Waters Symmetry C18カラム、100Å、3.55μm、2.1×150 mmカラムを用いる、LC/MS法。移動相系は以下の通りであった:A=10%(v/v)アセトニトリル、0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸;B=60%(v/v)アセトニトリル、0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸。勾配は、20〜30%B(1分)、30〜50%B(25 分)、50〜100%B(4分)、100〜20%B(1 分)、20%B (7 分);流速0.25 mL/分;40℃。吸光度を210〜320nmで測定した。LCQ Duo MS検出器を、7〜19分と24〜30分の間、ソースに設定した。走査(scan)を、700−2000 m/zユニットに設定し行った。
すべての逆相HPLCデータは、フォトダイオードアレイ検出器を用いる、Beckman System Gold HPLCにて収集されたものである。LC/MSデータは、フォトダイオードアレイ検出器およびThermoQuest Finnigan LCQDuo質量検出器を備えた、ThermoQuest Surveyor HPLCにて収集されたものである。
パラジウム複合体切断反応条件では、複合体中で、パラジウムとGRFおよびPTH誘導体の結合を生じ、その結合は分析的HPLC条件下で残存するのに十分強い。それ故、GRF-A-誘導試料を注入前に、尿素/トリカルボキシエチルホスフィン(TCEP)中に終濃度6.8M 尿素および5mM TCEPとなるように10倍希釈し、強固に結合したパラジウムを除去した。
別法として、6倍希釈し終濃度20mM チオ尿素および200mM HClの溶液にすることにより、同様の効果を達成することができた。あるいは、0.4M NaClに4倍希釈し、HPLCに試料を注入する前に沈殿を遠心することにより、同様の効果を達成した。GRF(1-44)-CH分析試料を、以下に記載のように処理した。PTH(1-34)試料を、0.25M HClおよび25mM チオ尿素中に6倍希釈することにより処理した。PTH(1-84)試料を、終濃度20mM チオ尿素および7M 尿素となるように10倍希釈した。
T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:1)のパラジウム切断の最適化の間、パラジウムがC末端CH部位に強固に結合していることが分かった。このPd-GRF複合体は変化したスペクトルを有しており、ピーク領域が増加し、すなわち切断による収率が増大した。試料を調製するための処理方法(dtc処理と呼称)を開発した。処理方法は以下の通りである。試料50μLを、8M 尿素中、20mM ジエチルジチオカルバミン酸(ddtc)ナトリウム溶液425μLに付加し、5分間室温で放置する。インキュベーション後、100mM TCEPを25μL付加し、試料を遠心し、黄色のパラジウム酸沈殿物を除去する。
実施例5
クエン酸中T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-Ala(配列番号:2)のPdにより促進される加水分解的切断:
T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-Ala (配列番号:2)前駆体ペプチド(図6)を実施例1に記載した手順で調製し、封入体を実施例2のように単離し、封入体1g(湿潤重量)を3M クエン酸50mLに溶解した(ペプチド濃度3mg/mL)。その溶液を等量の2液に分け、それぞれにテトラクロロパラジウム酸を付加し、5.56mM濃度とした。一方の溶液に11mM エチレンジアミンを付加した。その溶液を60℃で5時間インキュベートし、一部を1時間毎に採取し、クエンチし、実施例4の方法1を用いるHPLCにより分析した。結果を、GRF(1-44)-Alaの理論的最大予想収率(maximum theoretically expected yield)に対する割合として表1に示した。
表1:エチレンジアミンの有無にて、クエン酸中T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-Ala (配列番号:2)を用いた、テトラクロロパラジウム酸の反応の時間コース
Figure 0004638223
エチレンジアミン処理した反応混合液におけるより高い収率は、エチレンジアミンがT7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-Ala (配列番号:2)のパラジウムにより促進される切断における、GRF(1-44)-Alaの達成可能収率を増加することを示す。
実施例6
3Mクエン酸、3M 酒石酸、3M マレイン酸、3M マロン酸、3M リンゴ酸および80%ピルビン酸中T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:1)のテトラクロロパラジウム酸により促進される加水分解的切断
3Mクエン酸、3M酒石酸、3M マレイン酸、3M マロン酸、3M リンゴ酸および80%ピルビン酸中T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:1)の可溶化および切断を検討した。それぞれの酸を、エチレンジアミンを添加して、または添加せずに調べた。それぞれの酸について、前駆体ペプチドを、〜5mg/mLまたは0.45mM 前駆体ペプチドを目指しながらプラスチック・プローブとOMNI 5000 high-sheer homogenizerを用いてホモジナイズした。可溶化後、t=0時間点で採取したそれぞれの溶液の試料を、100%理論切断率の測定に用い、それぞれ個々の酸における構築物の可溶性を試験した。テトラクロロパラジウム酸を、Cys-His1つに対し5モル過剰に、または4.5mM付加した。エチレンジアミンが存在する反応にて、パラジウムを2:1過剰に付加した。前記反応を60℃で6時間行い、1時間毎に時間点を取った。時間点を、48mM チオ尿素で6倍に希釈した(終濃度、40 mMチオ尿素)。すべての分析的分析を、実施例4の方法1に記載の方法を用いて行った。これらの実験の結果は、全ての場合の切断が時間依存的に起こり、最大収率はマロン酸を用いて約3時間で成される約63%であることを示している(図1)。マレイン酸中の反応は非常にゆっくりであった。エチレンジアミン存在下での反応は、一般にゆっくりであるが、マロン酸中で6時間後に約68%というより高い収率を達成した。
実施例7
マロン酸および酒石酸中T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:1)のテトラクロロパラジウム酸により促進される加水分解的切断における温度の効果
マロン酸および酒石酸中におけるテトラクロロパラジウム酸切断をさらに検討するために実験マトリクスを設計した。マトリクスを以下のように調製した: 5M マロン酸と4mM テトラクロロパラジウム酸、それぞれ50℃および60℃。3M 酒石酸に対し、4mM テトラクロロパラジウム酸を用いた。試料をddtc処理し、実施例4の方法2および3を用いて分析した。図3は50℃と比較し、60℃の試料がかなり早く切断したことを示す。マロン酸は、2時間以内に約55%の最大切断率に達した。同様の結果が酒石酸で見られたが、収率はかなり低かった。より低温での反応は速度が遅く、有効収率を達するために実用的でない。
実施例8
マロン酸中T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:1)の切断のためのテトラクロロパラジウム酸およびマロン酸濃度の最適化
マロン酸とテトラクロロパラジウム酸両方の濃度の効果を測定するためにマトリクスを設計した。それぞれの反応を約5mg/mLの構築物にて行った。マロン酸シリーズは、2、3、4、5および6M マロン酸と共に、5mM テトラクロロパラジウム酸および10mM エチレンジアミンを含む。第二のシリーズは、それぞれ6M マロン酸と、2、3、5および10mM テトラクロロパラジウム酸および4、6、10ならびに20mM エチレンジアミン中で行った。反応液を、60℃で2、4、6および18時間の時間点で採取した。それぞれの時間点を、8M 尿素、20mM ddtcおよびTCEPで10倍に希釈した。分析は、実施例4の方法1を用いた。図4は、至適マロン酸濃度が5Mであることを示し、図5は、3〜5mM テトラクロロパラジウム酸が同等であり高収率を供することを示す。
実施例9
T7tag-Vg-G5PR-CH-PTH(1-34) (配列番号:3)の生産
実施例1に記載の方法を用い、PTH(1-34)をコードするDNAを、バクテリア発現ベクターにおけるリーダー配列、T7tag-Vg-G5PR (配列番号:8)の下流にクローンし、T7tag-Vg- G5PR-CH-PTH(1-34) (配列番号:3)を作製した。基本的に実施例2のGRF(1-44)-CHの生産に関して記載したようにして、発現構築物で形質転換した大腸菌より、封入体調製液を得た。沈殿した封入体を水に懸濁し超音波処理して洗浄し、遠心してペレットを得た。
実施例10
テトラクロロパラジウム酸によるT7tag-Vg-G5PR-CH-PTH(1-34) (配列番号:3)の切断
実施例9からのペレットを、表1に示したようにクエン酸とパラジウム酸複合体の混合液中に6mg/mLの濃度で溶解した。
溶液を、60℃〜70℃の温度で表2に示した時間インキュベートした。以下に示したように、反応液はさらに、テトラクロロパラジウム酸より約2倍モル過剰に付加した物質を含み、産物PTH(1-34)の収率に影響し得るかどうかを測定した。規定のインキュベーション時間後、反応液を0.2mM HCl中に1:10に希釈し、16時間室温で保存した。その後、混合液を2mM チオシアン酸カリウムで処理し、未反応のPd複合体と封入体を沈殿させた。
反応中にキメラタンパク質から切断したPTH(1-34)の量を測定するためにHPLCを用いた。処理後の物質を、緩衝液A(水に5%アセトニトリル、0.1%TFA含有)中でPhenomenex 5 micron C18 逆相分析カラムにロードした。カラム溶出を、緩衝液A中にて緩衝液B(0.1%TFA中に95%アセトニトリル)の線形勾配で行った(4分間で30%B、30%Bに4分間維持し、33分に50%Bとし、その後35分に100%Bに上昇)。2つの主なペプチド含有ピークを得た:一つは15.4分、もう一つは16.6分。15.4分のピークのMALDI-TOFマススペクトルは、4119で単一のピークを与え、示したピークはPTH(1-34)のピークと同一の質量を有していた。標準品のPTH(1-34)も、HPLC分析で15.4分に単一のピークを与え、切断した物質由来の15.4分のピークがPTH(1-34)であることを示した。PTH(1-34)のテトラクロロパラジウム酸により促進された切断の全結果を表2に示した。
表2:T7tag-Vg-G5PR-CH-PTH(1-34) (配列番号:3)のテトラクロロパラジウム酸により促進された切断によるPTH (1-34)の収率
Figure 0004638223
Figure 0004638223
これらの結果は、高濃度のクエン酸中でテトラクロロパラジウム酸(II)ナトリウムと一緒に60℃−70℃でインキュベートした場合の、キメラタンパク質を含む封入体由来のPTH(1-34)の迅速かつ高収率の切断を示す;pic、D/Lメチオニンまたはヒスチジンの存在下、天然PTH(1-34)のほぼ100%の切断が、2時間以内で得られた。
実施例11
T7tag-Vg-D4K-CH-PTH(1-84) (配列番号:4)の生産
PTH(1-84)をコードするDNAを、実施例1に開示の技術を用いて、バクテリア発現ベクター中のリーダー配列T7tag-Vg-D4K(配列番号:9)の下流にクローンし、T7tag-Vg-D4K-CH-PTH(1-84)(配列番号:4)を作製した。全細胞調製液を、基本的に実施例1のGRF(1-44)-CHの生産に関する上述のように発現構築物で形質転換した大腸菌から得た。全細胞を遠心により集め、凍結保存した。少量の液を超音波処理により細胞を破壊して調べた時、前駆体ペプチドは封入体と上清液の間に分布していた。
T7tag-Vg-D4K-CH-PTH(1-84)(配列番号:4)封入体から作製した全細胞ペーストの一部の約1gを、20mLの3M クエン酸および20mLの5M マロン酸に溶解した。両溶液を遠心により分離した。遠心した両溶液からの上澄み液を、2つの試料に分けた。生じた4つの溶液それぞれが、封入体を約2mg/mL含んでいた;エチレンジアミンを1つのクエン酸試料と1つのマロン酸試料に5.2mMの濃度で付加し、2つの切断試料を作成した。テトラクロロパラジウム酸(2.6mM)を4つの切断試料それぞれに付加し、切断試料を4時間60℃に維持した。試料を、2つの切断試料それぞれから回収し、LC-MSおよびPAGEにより定性的に分析した。2つの切断試料を、尿素中でトリカルボキシエチルホスフィンと処理し、パラジウム酸を除去し、その後試料を実施例4の方法3により分析した。
切断反応は、両方の試料にて4時間で完結し、約50%の収率でのPTH(1-84)の生産が見られた(マススペクトルにより同一性確認)。図10は、ゲル電気泳動分析により測定された得られた切断の量を示す。
すべての刊行物、特許および特許出願は引用により本明細書に包含される。上述の明細書にて本発明は、その好ましい態様に関して記載され、多くの詳細な記載が例示の目的で示されているが、本発明には態様を追加する余地があり、本明細書に詳述した事項が発明の基本原則を逸脱しない範囲で相当に変更されうるということは、当業者に明らかであろう。
図1は、種々の有機酸中における6時間にわたるT7tag-D4K-CH-GRF(1-44)-CH(配列番号:5)のテトラクロロパラジウム酸切断を示す。種々の酸を以下に示す:マロン酸(長い破線)、酒石酸(丸い点線)、ピルビン酸(交互の破線)、クエン酸(短い破線)、リンゴ酸(四角の破線)、およびマレイン酸(実線)。 図2は、本発明の方法によるエチレンジアミンの存在下での種々の有機酸中における、6時間にわたるT7tag-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:5)のテトラクロロパラジウム酸切断を示す。種々の酸を以下に示す:マロン酸(長い破線)、酒石酸(丸い点線)、ピルビン酸(交互の破線)、クエン酸(短い破線)、リンゴ酸(四角の破線)、およびマレイン酸(実線)。 図3は、本発明の方法による異なる温度でのマロン酸および酒石酸中におけるT7tag-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:5)の切断収率を示す。実線:60℃におけるマロン酸、点線:50℃におけるマロン酸、破線:50℃における酒石酸、長い破線:50℃における酒石酸。 図4は、本発明の方法によるマロン酸濃度の関数としてのT7tag-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:5)の切断を示す。酸濃度は、下の曲線から上の曲線までそれぞれ2、3、4、5および6モルである。 図5は、本発明の方法によるテトラクロロパラジウム酸濃度の関数としてのT7tag-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:5)の切断を示す。テトラクロロパラジウム酸濃度は、下の曲線から上の曲線までそれぞれ、2、3、5および10mMである。 図6は、キメラタンパク質 T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-Ala (配列番号:2)のヌクレオチド配列(配列番号:14)およびアミノ酸配列(配列番号:15)を示す。 図7は、キメラタンパク質 T7tag-Vg-D4K-CH-GRF(1-44)-CH (配列番号:1)のヌクレオチド配列(配列番号:16)およびアミノ酸配列(配列番号:17)を示す。 図8は、キメラタンパク質 T7tag-Vg-G5PR-CH-PTH(1-34) (配列番号:3)のヌクレオチド配列(配列番号:18)およびアミノ酸配列(配列番号:19)を示す。 図9は、キメラタンパク質 T7tag-Vg-D4K-CH-PTH(1-84) (配列番号:4)のヌクレオチド配列(配列番号:20)およびアミノ酸配列(配列番号:21)を示す。 図10は、本発明の方法によるクエン酸およびマロン酸中におけるT7tagVgD4KCH-PTH(1-84) (配列番号:4)の切断を示す。矢印は、T7tagVgD4KCH-PTH(1-84) (配列番号:4)前駆体ペプチド、PTH(1-84)およびT7tagVgD4KCHの位置を示す。

Claims (66)

  1. パラジウム複合体により促進される加水分解的ポリペプチド切断方法であって、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ピルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、コハク酸、ピメリン酸、トリカルバリル酸、グルクロン酸、グルコン酸および糖酸からなる群から選択される、反応混合液中の濃度が1〜22モルである有機酸溶媒中に溶解されたパラジウム複合体を含む反応混合液中にポリペプチドを可溶化することを含む、ヒスチジン残基とC末端側でヒスチジンに直接隣接する残基との間のカルボキシアミド結合で起こる切断にて、ポリペプチドをCys-His切断部位で選択的に切断する方法。
  2. ポリペプチドが、封入体の形態で組換え的に発現されるキメラタンパク質であって、反応混合液中封入体に対するパラジウム複合体のモル比が2:1〜20:1である、請求項1に記載の方法。
  3. 反応混合液の温度が50℃〜70℃に維持されている、請求項1または2に記載の方法。
  4. 切断反応を1〜6時間続行させる、請求項1、2または3に記載の方法。
  5. キメラタンパク質が、切断部位のCysに隣接するリンカーを含む、請求項2に記載の方法。
  6. リンカーが、DDDD(配列番号:10)、DDDK(配列番号:11)、DTRL(配列番号:12)およびGGPR(配列番号:13)からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 有機酸溶媒が、エチレンジアミン;プロピレンジアミン;2-アミノメチルピリジン;2(2-アミノエチル)ピリジン;2(2-メチルアミノエチル)ピリジン;2,2’−ビピリジル;1,10-フェナントロリン:3-ヒドロキシ-2(ジメチルアミノメチル)ピリジン;3-ヒドロキシ-1,5-ジチアシクロオクタン;3,6-ジチアオクタン-1,8-ジオール;1,2-ジフェニルホスフィンエタン;トリフェニルホスフィン;ジフェニルホスフィンフェロセン;および、ジエチレントリアミンからなる群から選択されるリガンドを有する1つまたはそれ以上のパラジウム複合体と併用される、請求項1または2に記載の方法。
  8. パラジウム複合体が、Na2PdCl4;シス−[Pd(en)Cl2];シス−[Pd(bp)Cl2];シス−[Pd(phen)Cl2];シス−[Pd(pn)Cl2];シス−[Pd(pic)Cl2];シス−[Pd(dtco-OH)Cl2;シス−[Pd(en)(OH2)2]2+;シス−[Pd(pn) (OH2)2]2+;シス−[Pd(pic) (OH2)2]2+;シス−[Pd(bp) (OH2)2]2+;シス−[Pd(phen) (OH2)2]2+;シス−[Pd(dtco-OH) (OH2)2]2+および、[Pd(OH2)3(OH)](NO3)からなる群から選択されるパラジウム(II)複合体である、請求項1または2に記載の方法。
  9. キメラタンパク質が、宿主細胞中で組換え的に発現され、封入体の形態で宿主細胞から回収されたものである、請求項2に記載の方法。
  10. ペプチドがrGRFであり、宿主細胞が大腸菌であり、キメラタンパク質が配列番号:1のアミノ酸配列を有する、請求項9に記載の方法。
  11. ペプチドがrPTHであり、宿主細胞が大腸菌であり、キメラタンパク質が配列番号:3または配列番号:4のアミノ酸配列を有する、請求項9に記載の方法。
  12. 有機溶媒が、HCl、H3PO4、H2SO4またはHClO4からなる群から選択される無機酸と併用される、請求項1または2に記載の方法。
  13. 有機溶媒がマロン酸である、請求項1、2または9に記載の方法。
  14. 有機溶媒が5Mマロン酸または6Mマロン酸であって、パラジウム複合体がテトラクロロパラジウム酸塩である、請求項9に記載の方法。
  15. パラジウム複合体がテトラクロロパラジウム酸塩であって、キメラタンパク質に対するテトラクロロパラジウム酸塩のモル比が10:1である、請求項1、2、9または14に記載の方法。
  16. キメラタンパク質が配列番号:1のアミノ酸配列を有する、請求項14に記載の方法。
  17. 有機溶媒がクエン酸である、請求項11に記載の方法。
  18. キメラペプチドが、GLP-1、GLP-2、PTH、GRF、副甲状腺ホルモン関連タンパク質、ACTH、エンケファリン、エンドルフィン、エキセンディン、アミリン、多様なオピオイドペプチド、ゲーグリン5、ゲーグリン6、ブレビニン1、ラナテリン1〜9からなる群から選択されるラナテリン、エスクレチン、GIP、グルカゴン、モチリン、サイモポエチン、サイモシン、ユビキチン、血清胸腺因子、胸腺液性因子、ニューロテンシンまたはタフトシンである、請求項2に記載の方法。
  19. ペプチドが、ガストリン、カルシトニン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、膵臓ポリペプチド、エンドセリン、副腎皮質刺激ホルモン放出因子、神経ペプチドY、心房性ナトリウム利尿ペプチド、アミリン、ガラニン、ソマトスタチン、血管作動性小腸ペプチドまたはインスリンである、請求項2に記載の方法。
  20. キメラタンパク質が合成的に作製される、請求項18および19に記載の方法。
  21. キメラタンパク質が、宿主細胞中で組換え的に発現され、封入体の形態で宿主細胞から回収されたものである、請求項18および19に記載の方法。
  22. キメラタンパク質が大腸菌で組換え的に発現される、請求項21に記載の方法。
  23. 切断反応の温度が60℃である、請求項1または9に記載の方法。
  24. クエン酸が3M クエン酸であり、パラジウム複合体がテトラクロロパラジウム酸ナトリウムであり、反応混合液がpic(ピコリルアミン)、メチオニンまたはヒスチジンからなる群から選択されるパラジウム酸リガンドを含む、請求項17に記載の方法。
  25. ペプチド精製方法であって、以下の工程:
    (a)酢酸、クエン酸、ジカルボン酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、酒石酸、トリカルバリル酸からなる群から選択される、反応混合液中の濃度が1〜22モルである有機酸溶媒中に溶解されたパラジウム複合体を含む反応混合液中にキメラタンパク質を可溶化することにより、Cys-His切断部位で、ヒスチジン残基とC末端側でヒスチジンに直接隣接する残基との間のカルボキシアミド結合で起こる切断にて、ペプチドのN末端と結合されたリーダー配列を含むキメラタンパク質からペプチドを切断し;そして、
    (b)限外ろ過、ろ過またはイオン交換クロマトグラフィーにより工程(a)の反応混合液から切断されたペプチドを回収すること
    を含む方法。
  26. 反応混合物中における封入体に対するパラジウム複合体のモル比が2:1〜20:1である、請求項25に記載の方法。
  27. 反応混合液の温度が50℃〜70℃に維持されている、請求項25または26に記載の方法。
  28. 切断反応を1〜6時間続行させる、請求項25、26または27に記載の方法。
  29. 組換えキメラタンパク質が、切断部位のCysに隣接するリンカーを含む、請求項25に記載の方法。
  30. リンカーが、DDDD(配列番号:10)、DDDK(配列番号:11)、DTRL(配列番号:12)およびGGPR(配列番号:13)からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  31. 有機酸溶媒が、エチレンジアミン;プロピレンジアミン;2-アミノメチルピリジン;2(2-アミノエチル)ピリジン;2(2-メチルアミノエチル)ピリジン;2,2’-ビピリジル;1,10-フェナントロリン:3-ヒドロキシ-2(ジメチルアミノメチル)ピリジン;3-ヒドロキシ-1,5-ジチアシクロオクタン;3,6-ジチアオクタン-1,8-ジオール;1,2-ジフェニルホスフィンエタン;トリフェニルホスフィン;ジフェニルホスフィンフェロセン;および、ジエチレントリアミンから選択されるリガンドを有する1つまたはそれ以上のパラジウム複合体と併用される、請求項24または25に記載の方法。
  32. パラジウム複合体が、Na2PdCl4;シス−[Pd(en)Cl2];シス−[Pd(bp)Cl2];シス−[Pd(phen)Cl2];シス−[Pd(pn)Cl2];シス−[Pd(pic)Cl2];シス−[Pd(dtco-OH)Cl2;シス−[Pd(en)(OH2)2]2+;シス−[Pd(pn) (OH2)2]2+;シス−[Pd(pic) (OH2)2]2+;シス−[Pd(bp) (OH2)2]2+;シス−[Pd(phen) (OH2)2]2+;シス−[Pd(dtco-OH) (OH2)2]2+および、[Pd(OH2)3(OH)](NO3)からなる群から選択されるパラジウム(II)複合体である、請求項26に記載の方法。
  33. キメラタンパク質が、宿主細胞中で組換え的に発現され、封入体の形態で宿主細胞から回収されたものである、請求項26に記載の方法。
  34. ペプチドがrGRFであり、宿主細胞が大腸菌であり、キメラタンパク質が配列番号:1のアミノ酸配列を有する、請求項26に記載の方法。
  35. ペプチドがrPTHであり、宿主細胞が大腸菌であり、キメラタンパク質が配列番号:3のアミノ酸配列を有する、請求項26に記載の方法。
  36. ペプチドがrPTHであり、宿主細胞が大腸菌であり、キメラタンパク質が配列番号:4のアミノ酸配列を有する、請求項26に記載の方法。
  37. 有機溶媒が、HCl、H3PO4、H2SO4またはHClO4からなる群から選択される無機酸と併用される、請求項26に記載の方法。
  38. 有機溶媒がマロン酸である、請求項26に記載の方法。
  39. 有機溶媒が5Mマロン酸または6Mマロン酸であって、パラジウム複合体がテトラクロロパラジウム酸塩である、請求項26に記載の方法。
  40. パラジウム複合体がテトラクロロパラジウム酸塩であって、キメラタンパク質に対するテトラクロロパラジウム酸塩のモル比が10:1である、請求項26に記載の方法。
  41. キメラタンパク質が配列番号:1のアミノ酸配列を有する、請求項26に記載の方法。
  42. 有機溶媒がクエン酸である、請求項26に記載の方法。
  43. ペプチドがGLP-1、GLP-2、GRF、PTH、副甲状腺ホルモン関連タンパク質、ACTH、エンケファリン、エンドルフィン、エキセンディン、アミリン、多様なオピオイドペプチド、ゲーグリン 5、ゲーグリン 6、ブレビニン1、ラナテリン1〜9からなる群から選択されるラナテリン、エスクレチン、GIP、グルカゴン、モチリン、サイモポエチン、サイモシン、ユビキチン、血清胸腺因子、胸腺液性因子、ニューロテンシンまたはタフトシンである、請求項26に記載の方法。
  44. ペプチドが、ガストリン、カルシトニン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、膵臓ポリペプチド、エンドセリン、副腎皮質刺激ホルモン放出因子、神経ペプチドY、心房性ナトリウム利尿ペプチド、アミリン、ガラニン、ソマトスタチン、血管作動性小腸ペプチドまたはインスリンである、請求項26に記載の方法。
  45. キメラタンパク質が合成的に作製される、請求項26に記載の方法。
  46. キメラタンパク質が、宿主細胞中で組換え的に発現され、封入体の形態にて宿主細胞から回収されたものである、請求項26に記載の方法。
  47. 宿主細胞が大腸菌である、請求項46に記載の方法。
  48. 切断反応の温度が60℃である、請求項26に記載の方法。
  49. クエン酸が3M クエン酸であり、パラジウム複合体がテトラクロロパラジウム酸ナトリウムであり、反応混合液がpic、メチオニンまたはヒスチジンからなる群から選択されるパラジウム酸リガンドを含む、請求項26に記載の方法。
  50. ペプチドを生成する方法であって、以下の工程:
    (a)Cys-His切断部位でペプチドのN末端と結合されたリーダー配列を含むキメラタンパク質を宿主細胞中で組換え的に発現し、封入体の形態で宿主細胞からキメラタンパク質を回収し;
    (b)酢酸、クエン酸、ジカルボン酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、酒石酸およびトリカルバリル酸からなる群から選択される、反応混合液中の濃度が1〜22モルである有機酸溶媒に溶解されたパラジウム複合体を含む反応混合液中に工程(a)で回収した封入体を可溶化することによって、ヒスチジン残基とC末端側でヒスチジンに直接隣接する残基との間のカルボキシアミド結合で起こる切断にて、キメラタンパク質からペプチドを切断し;そして、
    (c)限外ろ過、ろ過またはイオン交換クロマトグラフィーによって工程(b)の反応混合液から切断されたペプチドを回収すること
    を含む方法。
  51. 反応混合物中における封入体に対するパラジウム複合体のモル比が2:1〜20:1である、請求項50に記載の方法。
  52. 反応混合液の温度が50℃〜70℃に維持されている、請求項50に記載の方法。
  53. 切断反応を1〜6時間続行させる、請求項50に記載の方法。
  54. 組換えキメラタンパク質が、切断部位のCysに隣接するリンカーを含む、請求項50に記載の方法。
  55. リンカーが、DDDD(配列番号:10)、DDDK(配列番号:11)、DTRL(配列番号:12)およびGGPR(配列番号:13)からなる群から選択される、請求項54に記載の方法。
  56. 有機酸溶媒が、エチレンジアミン;プロピレンジアミン;2-アミノメチルピリジン;2(2-アミノエチル)ピリジン;2(2-メチルアミノエチル)ピリジン;2,2’-ビピリジル;1,10-フェナントロリン:3-ヒドロキシ-2(ジメチルアミノメチル)ピリジン;3-ヒドロキシ-1,5-ジチアシクロオクタン;3,6-ジチアオクタン-1,8-ジオール;1,2-ジフェニルホスフィンエタン;トリフェニルホスフィン;ジフェニルホスフィンフェロセン;および、ジエチレントリアミンからなる群から選択されるリガンドを有する1つまたはそれ以上のパラジウム複合体と併用される、請求項51に記載の方法。
  57. パラジウム複合体が、Na2PdCl4;シス−[Pd(en)Cl2];シス−[Pd(bp)Cl2];シス−[Pd(phen)Cl2];シス−[Pd(pn)Cl2];シス−[Pd(pic)Cl2];シス−[Pd(dtco-OH)Cl2;シス−[Pd(en)(OH2)2]2+;シス−[Pd(pn) (OH2)2]2+;シス−[Pd(pic) (OH2)2]2+;シス−[Pd(bp) (OH2)2]2+;シス−[Pd(phen) (OH2)2]2+;シス−[Pd(dtco-OH) (OH2)2]2+;および、[Pd(OH2)3(OH)](NO3)からなる群から選択されるパラジウム(II)複合体である、請求項51に記載の方法。
  58. ペプチドがrGRFであり、宿主細胞が大腸菌であり、キメラタンパク質が配列番号:1のアミノ酸配列を有する、請求項51に記載の方法。
  59. ペプチドがrPTHであり、宿主細胞が大腸菌であり、キメラタンパク質が配列番号:3のアミノ酸配列を有する、請求項51に記載の方法。
  60. ペプチドがrPTHであり、宿主細胞が大腸菌であり、キメラタンパク質が配列番号:4のアミノ酸配列を有する、請求項51に記載の方法。
  61. 有機溶媒が、HCl、H3PO4、H2SO4またはHClO4からなる群から選択される無機酸と併用される、請求項51に記載の方法。
  62. 有機溶媒がマロン酸である、請求項51に記載の方法。
  63. 有機溶媒が5Mマロン酸または6Mマロン酸であって、パラジウム複合体がテトラクロロパラジウム酸塩である、請求項62に記載の方法。
  64. 反応混合物中のキメラタンパク質に対するテトラクロロパラジウム酸塩のモル比が10:1である、請求項63に記載の方法。
  65. ペプチドがGLP-1、GLP-2、GRF、PTH、副甲状腺ホルモン関連タンパク質、ACTH、エンケファリン、エンドルフィン、エキセンディン、アミリン、多様なオピオイドペプチド、ゲーグリン 5、ゲーグリン 6、ブレビニン1、ラナテリン1〜9からなる群から選択されるラナテリン、エスクレチン、GIP、グルカゴン、モチリン、サイモポエチン、サイモシン、ユビキチン、血清胸腺因子、胸腺液性因子、ニューロテンシンまたはタフトシンである、請求項51に記載の方法。
  66. ペプチドが、ガストリン、カルシトニン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、膵臓ポリペプチド、エンドセリン、副腎皮質刺激ホルモン放出因子、神経ペプチドY、心房性ナトリウム利尿ペプチド、アミリン、ガラニン、ソマトスタチン、血管作動性小腸ペプチドまたはインスリンである、請求項51に記載の方法。
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