JP4637422B2 - 無線チャネルスケジューリング方法及びその装置、移動通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、同時に複数の移動局と通信可能なスマートアンテナ基地局に用いて好適な無線チャネルスケジューリング方法及びその装置、該無線チャネルスケジューリング方法を用いた移動通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットの普及などにより、移動通信においても高速なデータ通信の実現が要望されている。そして、この要望に応えるべく、高速なパケット通信によりデータ転送可能な無線パケット移動通信システムが実用化されつつある。このような無線パケット移動通信システムとしては、例えば、標準化団体「3GPP2」による技術規格書「C.S0024 cdma2000 High Rate Packet Data Air Interface Specifications」に準拠した1xEV−DOシステムが知られている。
【0003】
また、移動通信の需要は、益々増加しており、移動通信システムにおける一基地局当りの移動局収容能力の向上が急務となっている。この課題を解決するために、スマートアンテナを適用した移動通信システムが知られている。スマートアンテナとは、任意の移動局に限定してビームを指向するものである。このスマートアンテナの技術は、例えば、科学技術出版社刊行の「アレーアンテナによる適応信号処理」に記載されている。
【0004】
図5は、スマートアンテナを備えた基地局と移動局からなる移動通信システムについて説明するための図である。この図5のシステムでは、スマートアンテナを備えた基地局(スマートアンテナ基地局)100が、3台の移動局101〜103に向けて個別に、スマートアンテナのビームA1〜A3を同時に形成している。スマートアンテナ基地局100は、これらビームA1〜A3の到達範囲内にそれぞれ位置する移動局101〜103と同時に通信することが可能である。
【0005】
他方、セクタアンテナを適用した移動通信システムも知られている。この移動通信システムにおいては、基地局のアンテナ指向性を予め2つ以上の所定数のセクタに分割する。このセクタは通常の基地局が提供するセルに対応する。また、基地局はそのセクタ数分のセクタアンテナ基地局設備を備えている。
【0006】
図6は、セクタアンテナを備えた基地局と移動局からなる移動通信システムについて説明するための図である。この図6のシステムでは、3セクタ分のセクタアンテナ用基地局設備を備えた基地局(3セクタ基地局)200が、セクタアンテナのビームB1〜B3を同時に形成している。3セクタ基地局200は、これらビームB1〜B3の到達範囲内にそれぞれ位置する移動局101〜103と同時に通信することが可能である。
【0007】
上記スマートアンテナを適用した場合とセクタアンテナを適用した場合とでは、(1)および(2)に示す点においてスマートアンテナの方が優れている。
(1)スマートアンテナを適用した方が、同一基地局に収容された移動局相互間の干渉量が少ない。
この理由は、スマートアンテナ基地局がビーム毎にヌル(ビームの利得が少ない方向)を設定可能なことにある。すなわち、ビーム毎に、電波が伝わってほしくない方向を指定することができる。これにより、スマートアンテナ基地局が、同時に形成するビーム間で互いにヌル方向を向け合うことによって、移動局間の干渉を軽減することができるようになる。
【0008】
一方、セクタ基地局は、ヌル方向を利用することができない。したがって、隣り合うセクタ間の境界付近ではビームが互いに干渉し合い、この結果、CIR(希望波信号電力対干渉波信号電力比)が劣化して、例えば、伝送速度が低下し、通信品質が悪くなる。このために、多数のセクタに分割して一セクタ当りの領域が狭くなると、セクタ間の境界付近に移動局が位置する確立が高くなり、良好な通信品質を維持することが可能な範囲が少なくなってしまう。これは、多数のセクタに分割して移動局収容能力の向上を図る際の障害となる。
【0009】
(2)スマートアンテナを適用した場合、基地局内のハンドオーバが発生しない。
この理由は、スマートアンテナ基地局が移動局の位置に応じてビームを向ける方向を自在に設定可能なことにある。したがって、移動局がスマートアンテナ基地局のカバレッジ(サービス区域)内に位置する限り、基地局内のハンドオーバは発生しない。
【0010】
一方、セクタ基地局が形成するセクタアンテナのビームは、固定の領域を覆うものであって移動するものではない。したがって、移動局が移動してセクタ間を横断する度に、基地局内のセクタ間ハンドオーバが発生する。このセクタ間ハンドオーバは、セクタ数が増加するほど発生しやすくなり、これによって、ハンドオーバ用制御信号転送量の増加、セクタ切替に伴う通信遅延量の増加などが生じる。さらに、ハンドオーバ処理用の基地局リソース(CPU処理能力、メモリ量など)の消費量が増える。これも、多数のセクタに分割して移動局収容能力の向上を図る際の障害となる。
【0011】
このように、セクタアンテナを適用した場合、セクタ分割数の増加に伴って、通信品質の悪化や基地局にかかる負荷の増大という問題が発生するので、一基地局当りの移動局収容能力を思うように向上させることができない。実際には、一基地局当り6セクタ程度が上限と言われている。
【0012】
一方、スマートアンテナを適用した場合には、例えば、基地局から見て1ビームの幅を30度にすると、最大12ビームまで同時に形成することが可能であり、セクタアンテナを適用した場合に比べて2倍の移動局収容能力を有することになる。さらに、移動局相互間の干渉量はヌル形成によって少なくすることができるので、通信品質面においても良好な状態を維持することが可能である。
これらの理由から、移動通信システムにおいて、一基地局当りの移動局収容能力を向上させるためには、スマートアンテナを適用することが有効である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、スマートアンテナを無線パケット移動通信システムに適用するためには、スマートアンテナに対応したスケジューラ機能が必要である。スケジューラ機能とは、無線パケット移動通信システムにおいて無線チャネルを移動局に割当てる機能である。具体的には、基地局のカバレッジ内に多数の移動局が位置しており、且つ基地局における同時に通信可能な移動局数がそのカバレッジ内の移動局数よりも少ない場合に、基地局と通信する最適な移動局を選択する。
【0014】
従来のスケジューラ機能におけるスケジューリング方法としては、例えば、1xEV−DOシステムのPF(Proportional Fairness)スケジューラ手法が知られている。このPFスケジューラ手法については、例えば「IEEE 国際会議,VTC 2000Spring 発表原稿 A.Japali,R.Padovani,R.Pankaj著、“Data throughput of CDMA-HDR a High Efficieney-High Data Rate Personal Communication Wireless System”」に記載されている。
【0015】
しかしながら、このPFスケジューラ手法においては、1つの基地局が1台の移動局しか下り送信対象にすることができず、同時に複数の移動局と通信可能なスマートアンテナ基地局には対応していない。このため、スマートアンテナ基地局に適したスケジューリング方法が要望されている。
【0016】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、同時に複数の移動局と通信可能なスマートアンテナ基地局に対応することができる無線チャネルスケジューリング方法及びその装置を提供することにある。
【0017】
また、本発明は、その無線チャネルスケジューリング方法を用いた移動通信システムを提供することも目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の無線チャネルスケジューリング方法は、同時に複数のビームを形成するスマートアンテナを備えた無線基地局における下り送信先の複数の移動局を選択する無線チャネルスケジューリング方法であって、前記無線基地局のカバレッジ内に位置する移動局に関して、前記ビームを向ける対象として選択可能な移動局を、通信品質が良い順に選択する移動局選択過程を含むことを特徴としている。
【0019】
請求項2に記載の無線チャネルスケジューリング方法は、前記移動局選択過程は、移動局間の方位角差が所定角度以上であることを条件として前記移動局の選択を行う処理を含み、前記所定角度は、隣接して形成されるビーム間の干渉が通信品質に影響しないような値として決定されることを特徴とする。
【0020】
請求項3に記載の無線チャネルスケジューリング方法は、前記移動局選択過程は、通信品質の指標となる評価関数値の大きな移動局から、順次選択する処理を含むことを特徴とする。
【0021】
請求項4に記載の無線チャネルスケジューリング方法は、前記移動局選択過程は、所定低伝送レートの移動局に関して、同時に下り送信先の移動局として選択する台数を所定上限値以下に抑える処理を含むことを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載の無線チャネルスケジューリング方法は、前記選択された移動局についての通信品質が、該移動局から通知された要求伝送レートを満足しているかを確認する過程をさらに含むことを特徴とする。
【0023】
請求項6に記載の無線チャネルスケジューリング方法は、前記選択された全ての移動局についての通信品質が、該移動局から通知された要求伝送レートを満足していることを条件として、前記選択された移動局を同時に下り送信する送信先として決定する過程をさらに含むことを特徴とする。
【0024】
請求項7に記載の無線チャネルスケジューリング方法は、1つでも要求伝送レートを満足しない移動局があった場合に、他の移動局向けのビームに対して、より多くの干渉を与えているビームの形成方向となる移動局を前記選択された移動局の中から削除するか、あるいは、通信品質の指標となる評価関数値が最小である移動局を前記選択された移動局の中から削除する過程をさらに含むことを特徴とする。
【0025】
請求項8に記載の無線チャネルスケジューリング装置は、同時に複数のビームを形成するスマートアンテナを備えた無線基地局における下り送信先の複数の移動局を選択する移動局選択処理を行う無線チャネルスケジューリング装置であって、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の無線チャネルスケジューリング方法により、前記移動局選択処理を実行する処理手段を具備することを特徴としている。
【0026】
請求項9に記載の移動通信システムは、同時に複数のビームを形成するスマートアンテナを備えた無線基地局と前記無線基地局のカバレッジ内に位置する複数の移動局とからなる移動通信システムであって、前記無線基地局は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の無線チャネルスケジューリング方法により、下り送信先の複数の移動局を選択することを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による移動通信システムの構成を示すブロック図であって、この移動通信システムには本発明の無線チャネルスケジューリング方法が適用されている。この図1の移動通信システムでは、スマートアンテナを備えた基地局(スマートアンテナ基地局)1のカバレッジ(サービス区域)内に複数(m台)の移動局2−1〜mが位置している。スマートアンテナ基地局1は、同時に複数のスマートアンテナのビームを形成することができる。図1では、移動局2−1,4,m−1に向けて個別に、スマートアンテナのビーム3−1,4,m−1を同時に形成している。スマートアンテナ基地局1は、これらビーム3−1,4,m−1の到達範囲内にそれぞれ位置する移動局2−1,4,m−1と同時に通信することが可能である。
【0028】
上記移動局数mはスマートアンテナ基地局1が同時に下り送信可能な移動局数nよりも大きな値である。このnの値は、スマートアンテナ基地局1が同時に形成可能なビーム数に一致している。本実施形態における無線チャネルスケジューリング方法は、スマートアンテナ基地局1が、そのm台の移動局2−1〜mの中から、同時に無線チャネルを割当てて下り送信する複数の移動局を選択するためのものである。以下、図2〜図4を参照して、この無線チャネルスケジューリング方法について詳細に説明する。
【0029】
図2は、本実施形態の無線チャネルスケジューリング方法の処理の流れを示すフローチャートである。この図2のフローチャートに示すように、先ず、ステップS1において移動局の候補一覧表を作成する。この候補一覧表の作成処理においては、スマートアンテナ基地局1のカバレッジ内に位置するm台の移動局2−1〜mを、各々の評価関数値の大きい方から順に並べる。また、候補一覧表には、移動局2−1〜mの方位角(スマートアンテナ基地局1から見た移動局の方位を示す0〜360度のいずれかの角度)も含めるようにする。
【0030】
なお、上記評価関数値とは、通信品質の指標となる値であって、この値が良いほど通信品質が良好となることを示す。この評価関数値としては、1xEV−DOシステムで用いられている評価関数「DRC/R」で算出される値を使用する。「DRC」は、移動局からスマートアンテナ基地局1へ通知された予測下りデータ通信速度である。「R」は、過去においてスマートアンテナ基地局1から移動局へ送信したデータ通信レートの平均値である。
【0031】
図3に候補一覧表10の構成例を示す。この図3の候補一覧表10は、カバレッジ内の移動局数が14台(m=14)の場合の例であって、移動局2−1〜14が各評価関数値の昇順に並べられ、評価関数値の大きい方から順に移動局NO1〜14が付与されている。また、移動局NO1〜14に対応付けて各移動局の方位角も記載されている。
【0032】
次いで、ステップS2において送信先一覧表を初期化する。送信先一覧表は、スマートアンテナ基地局1が同時に下り送信する送信先の移動局を記載する表である。初期化処理においては、送信先一覧表を空の状態にする。
【0033】
次いで、候補一覧表10の最上位移動局を、送信先一覧表の最下位に移動して候補一覧表10から削除する(ステップS3)。図3の例では、評価関数値の一番大きい移動局NO1が最上位移動局に対応する。次いで、その送信先一覧表に追加した移動局について、全ての上位移動局(既に送信先一覧表に記載されている全ての移動局)との間の方位角差が、所定角度α以上であるかを確認する(ステップS4)。
【0034】
上記方位角差とは、スマートアンテナ基地局1からみた移動局2−1〜mの方位間の角度差のことである。図1においては、例えば、移動局2−1と移動局2−2の間の方位角差はθ1であり、移動局2−2と移動局2−3の間の方位角差はθ2である。また、移動局2−1と移動局2−3の間の方位角差は(θ1+θ2)となる。
【0035】
なお、移動局間の方位角差が所定角度α以上であることが、同時にビームを形成可能な移動局の組み合わせの条件となっている。また、所定角度αは、隣接して形成されるビーム間の干渉が通信品質に影響しないような値に設定される。例えば、移動局が基地局に要求した伝送レート(要求伝送レート)を保証可能なように、所定角度αを決定する。
【0036】
次いで、ステップS4の確認の結果、所定角度α以上であった場合にはステップS5へ進み、送信先一覧表に含まれる全移動局の通信品質が、各移動局からスマートアンテナ基地局1へ通知された要求伝送レート(DRC)を満足しているかを確認する。
【0037】
なお、上記ステップS4において、スマートアンテナ基地局1が同時に形成する隣接ビーム間で極端な干渉を与え合わないように、移動局間の方位角差に関して所定角度α以上という条件を付けているが、実際の伝搬環境は複雑であるので、送信先グループ内に含まれる全移動局についての通信品質をより確実に保証するために、上記ステップS5の処理を行う。
【0038】
次いで、ステップS5の確認の結果、全移動局の通信品質が要求伝送レートを満足し、且つ送信先一覧表内の移動局数が、同時に下り送信可能な移動局数nに達した場合(ステップS6の判定結果が「YES」の場合)には、送信先一覧表に含まれる移動局を同時に下り送信する送信先として決定する。
【0039】
他方、上記ステップS4の確認結果、所定角度α未満であった場合(ステップS4の判定結果が「NO」の場合)、あるいは、上記ステップS5の確認の結果、1つでも要求伝送レートを満足しない移動局があった場合(ステップS5の判定結果が「NO」の場合)には、ステップS7へ進む。このステップS7において、今回のループ(ステップS3からS8に至るループ)で送信先一覧表に移動した移動局(すなわち、直前のステップS3の処理で送信先一覧表に移動した移動局)を、送信先一覧表から削除する。
【0040】
次いで、候補一覧表10内にまだ移動局が残っている場合には上記ステップS3へ戻り、候補一覧表10内に移動局が無い場合にはその処理を終了する(ステップS8)。なお、上記ステップS6において、送信先一覧表内の移動局数が、同時に下り送信可能な移動局数nに未達であり、判定結果が「NO」の場合にも、ステップS8の処理を行う。
【0041】
図4は、図3に示す候補一覧表10に関して、上記ステップS3からS8までの処理を、送信先一覧表内の移動局数が移動局数nに達するまで、繰り返し行って求めた送信先一覧表20の構成例を示す図であって、同時に下り送信可能な移動局数が5台(n=5)であり、所定角度αが15度の場合の例である。この図4の送信先一覧表20においては、移動局NOとその評価関数値および方位角を記載している。
【0042】
図4に示すように、移動局NO1〜4までは移動局間の方位角差が15度以上なので送信先一覧表20に記載されている。しかしながら、移動局NO5〜7の移動局については、移動局NO1〜4の移動局との間の方位角差が15度未満のため送信先一覧表20に記載されない。この結果、移動局NO1〜4の移動局との間の方位角差が15度以上ある移動局NO8の移動局が、送信先一覧表20に記載されることになり、移動局NO1〜4およびNO8の5台の移動局が、同時に下り送信する送信先として決定される。
【0043】
なお、上述した実施形態においては、候補一覧表から送信先一覧表へ移動局を移動する度に、ステップS5で全移動局の通信品質が要求伝送レートを満足するかを確認していたが、送信先一覧表へ所定角度αの条件を満たすn台の移動局を移動した後に、送信先一覧表内の全移動局の通信品質が要求伝送レートを満足するかを確認するようにしてもよい。
【0044】
この場合、1つでも要求伝送レートを満足しない移動局があった場合には、以下の基準1または基準2に準じて移動局を1台づつ削除する。そして、この削除毎に再度、全移動局の通信品質を確認する。この削除の処理については、送信先一覧表内の全移動局の通信品質が要求伝送レートを満足しない限り、送信先一覧表内の移動局数が1になるまで行う。
【0045】
基準1:他移動局向けのビームに対して、より多くの干渉を与えているビームの形成方向となる移動局を削除する。具体的には、まず、他ビームに与える干渉量を表す指標関数fを定義する。そして、評価関数値が大きな移動局向けの他ビームに干渉を与えるほど、指標関数fの値が大きくなるように重み付けを行う。その指標関数fの値が最大である移動局を送信先一覧表から削除する。指標関数fの定義例を示す。
【0046】
f=Σ[干渉量i÷移動局NO_iの評価関数値の大きさの順位]
但し、iは送信先一覧表内の移動局NOである。干渉量iは移動局NO_iの移動局向けのビームに与える干渉量である。Σ[X(i)]はiが1〜送信先一覧表内の最大移動局NOまでのX(i)の総和である。
【0047】
基準2:評価関数値が最小である移動局を送信先一覧表から削除する。
【0048】
また、上述した実施形態において、低伝送レートしか利用できない移動局に関し、同時に下り送信先の移動局として選択する台数に上限値pを設けるようにしてもよい。これは、低伝送レートの移動局ばかり選択することによって基地局全体の伝送スループットが低下することを防ぐために行う。このために、送信先一覧表内に含まれる低伝送レート移動局(要求伝送レートが所定値よりも小さい移動局)の数を計数し、p台に達した場合、それ以降の低伝送レート移動局については、送信先一覧表へ移動せず、候補一覧表から削除する。
【0049】
これにより、要求伝送レートが所定値よりも小さいp台目以降の移動局は同時に下り送信する移動局として選択されなくなるので、低伝送レートの移動局ばかりを選択することはなく、基地局全体の伝送スループットの低下を防止することができる。
【0050】
なお、上述した実施形態の無線チャネルスケジューリング方法を実現する際には、スマートアンテナ基地局1に上記無線チャネルスケジューリング方法の各過程の処理を行う無線チャネルスケジューリング装置を備えるようにする。この無線チャネルスケジューリング装置は、下り送信先の複数の移動局を選択する移動局選択処理を行う装置であって、上記無線チャネルスケジューリング方法により、該移動局選択処理を実行する処理手段を具備するものである。
【0051】
また、この処理手段は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよびCPU(中央処理装置)等により構成され、無線チャネルスケジューリング機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0052】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、無線基地局のカバレッジ内に位置する移動局に関して、ビームを向ける対象として選択可能な移動局を、通信品質が良い順に選択するようにしたので、同時に複数の移動局と通信可能なスマートアンテナ基地局に対応することができる。
【0054】
これにより、移動通信システムにスマートアンテナを適用し、セクタアンテナによっては成し遂げられなかった一基地局当りの移動局収容能力の改善を実現することができるという効果が得られる。さらに、スマートアンテナ適用時には、基地局内のハンドオーバが不要となり、また、同一基地局に収容された移動局相互間の干渉量を低減可能となるので、基地局と移動局との間の伝送スループットの改善等の効果も得られる。
【0055】
また、請求項2に記載の発明によれば、移動局間の方位角差が所定角度以上であることを条件として移動局の選択を行うようにし、その所定角度を隣接して形成されるビーム間の干渉が通信品質に影響しないような値として決定するようにしたので、選択された移動局に対する通信品質を良好に保つことができるという効果が得られる。
【0056】
また、請求項3に記載の発明によれば、通信品質の指標となる評価関数値の大きな移動局から、順次選択するようにしたので、定量的な判断によって移動局の選択を行うことが可能となり、移動局選択結果の信頼度を向上することができる。
【0057】
また、請求項4に記載の発明によれば、所定低伝送レートの移動局に関して、同時に下り送信先の移動局として選択する台数を所定上限値以下に抑えるようにしたので、低伝送レートの移動局ばかりを選択することはなく、基地局全体の伝送スループットの低下を防止することができる。
【0058】
また、請求項5に記載の発明によれば、選択された移動局についての通信品質が、該移動局から通知された要求伝送レートを満足しているかを確認するようにしたので、実際の伝搬環境が複雑であることにより、想定した通信品質を実現可能か否かが不確定な場合であっても、選択された送信先グループ内に含まれる全移動局についての通信品質を把握して提供することができる。
【0059】
また、請求項6に記載の発明によれば、選択された全ての移動局についての通信品質が、該移動局から通知された要求伝送レートを満足していることを条件として、該選択された移動局を同時に下り送信する送信先として決定するようにしたので、選択された送信先グループ内に含まれる全移動局についての通信品質をより確実に保証することができる。
【0060】
また、請求項7に記載の発明によれば、1つでも要求伝送レートを満足しない移動局があった場合に、他の移動局向けのビームに対して、より多くの干渉を与えているビームの形成方向となる移動局を該選択された移動局の中から削除するか、あるいは、通信品質の指標となる評価関数値が最小である移動局を該選択された移動局の中から削除するようにしたので、基地局全体としての通信品質を最適に保ちつつ、選択された送信先グループ内に含まれる全移動局についての通信品質をより確実に保証することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による移動通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施形態における無線チャネルスケジューリング方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】 同実施形態における候補一覧表の構成例を示す図である。
【図4】 同実施形態における送信先一覧表の構成例を示す図である。
【図5】 スマートアンテナを備えた基地局と移動局からなる移動通信システムについて説明するための図である。
【図6】 セクタアンテナを備えた基地局と移動局からなる移動通信システムについて説明するための図である。
【符号の説明】
1 スマートアンテナ基地局
2−1〜m 移動局
3−1〜m スマートアンテナのビーム
Claims (8)
- 同時に複数のビームを形成するスマートアンテナを備えた無線基地局における下り送信先の複数の移動局を選択する無線チャネルスケジューリング方法であって、
前記無線基地局のカバレッジ内に位置する移動局に関して、前記ビームを向ける対象として選択可能な移動局を、通信品質が良い順に選択する移動局選択過程を含み、
前記移動局選択過程は、所定低伝送レートの移動局に関して、同時に下り送信先の移動局として選択する台数を所定上限値以下に抑える処理を含むことを特徴とする無線チャネルスケジューリング方法。 - 前記移動局選択過程は、移動局間の方位角差が所定角度以上であることを条件として前記移動局の選択を行う処理を含み、
前記所定角度は、隣接して形成されるビーム間の干渉が通信品質に影響しないような値として決定されることを特徴とする請求項1に記載の無線チャネルスケジューリング方法。 - 前記移動局選択過程は、通信品質の指標となる評価関数値の大きな移動局から、順次選択する処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の無線チャネルスケジューリング方法。
- 前記選択された移動局についての通信品質が、該移動局から通知された要求伝送レートを満足しているかを確認する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線チャネルスケジューリング方法。
- 前記選択された全ての移動局についての通信品質が、該移動局から通知された要求伝送レートを満足していることを条件として、前記選択された移動局を同時に下り送信する送信先として決定する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無線チャネルスケジューリング方法。
- 1つでも要求伝送レートを満足しない移動局があった場合に、他の移動局向けのビームに対して、より多くの干渉を与えているビームの形成方向となる移動局を前記選択された移動局の中から削除するか、あるいは、通信品質の指標となる評価関数値が最小である移動局を前記選択された移動局の中から削除する過程をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の無線チャネルスケジューリング方法。
- 同時に複数のビームを形成するスマートアンテナを備えた無線基地局における下り送信先の複数の移動局を選択する移動局選択処理を行う無線チャネルスケジューリング装置であって、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の無線チャネルスケジューリング方法により、前記移動局選択処理を実行する処理手段を具備することを特徴とする無線チャネルスケジューリング装置。 - 同時に複数のビームを形成するスマートアンテナを備えた無線基地局と前記無線基地局のカバレッジ内に位置する複数の移動局とからなる移動通信システムであって、
前記無線基地局は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の無線チャネルスケジューリング方法により、下り送信先の複数の移動局を選択することを特徴とする移動通信システム。
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