JP4635072B2 - 統計的タイミング解析装置および統計的タイミング解析方法 - Google Patents

統計的タイミング解析装置および統計的タイミング解析方法 Download PDF

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Description

本発明は統計的タイミング解析装置および統計的タイミング解析方法に関し、特に、プロセス条件や動作環境の変動に起因して発生する半導体集積回路の遅延のばらつきを解析する方法に適用して好適なものである。
近年の半導体集積回路の微細化に伴い、プロセス条件や動作環境の変動に起因して発生する半導体集積回路の遅延のばらつきが大きくなってきている。このような遅延のばらつきが発生した半導体集積回路の動作を保証するために、静的タイミング解析にて遅延のばらつきを検証することが行われている。
この静的タイミング解析では、このような遅延のばらつきをコーナとして扱うことが一般的に行われている。すなわち、あるばらつき要因のばらつきを検証する場合、そのばらつき要因が最小値をとる場合と最大値をとる場合の2つのケースで静的タイミング解析を行うことにより、そのばらつき要因が最小値から最大値まで変動した場合の回路動作を保証することが行われている。
しかしながら、遅延のばらつきをコーナとして扱う方法では、ばらつき要因数が多くなると、静的タイミング解析の実行時間が著しく増加するという問題がある。すなわち、複数のばらつき要因がある場合には、全てのばらつき要因の最小値と最大値の組み合わせで静的タイミング解析を実行しなければならないため、ばらつき要因数nに対して2回の静的タイミング解析を全てのパスの本数分だけ実行する必要があり、多数のばらつき要因がある場合には現実的ではない。
また、特許文献1には、まず少ない数のコーナ(一般には、ベスト条件とワースト条件の2つのコーナ)で静的タイミング解析を行い、その解析結果を元に動作タイミングが厳しい部分回路を抽出し、その部分回路に対して全てのコーナで静的タイミング解析を行う方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、1回目の静的タイミング解析にて抽出された部分回路に対しては全てのコーナで2回目の静的タイミング解析を行う必要があるため、1回目の静的タイミング解析にて抽出された部分回路が小さい場合には解析時間が短くなるものの、1回目の静的タイミング解析にて抽出された部分回路が大きい場合には解析時間が長くなるという問題がある。動作タイミングが厳しいクリティカルパスは、一般的な回路では数千本以上存在する場合が多く、このような回路に対しては、特許文献1に開示された方法では、十分に短い解析時間で静的タイミング解析を行うことはできない。
また、特許文献2には、半導体集積回路の遅延のばらつき要因を確率変数として表現し、さらに遅延をその確率変数の線形和として表現することにより、静的タイミング解析を統計的に行う方法が開示されている。この特許文献2に開示された方法では、コーナ解析を行うことなく、ばらつきを考慮した静的タイミング解析を1回の統計的静的タイミング解析で行うことができる。
しかしながら、特許文献2に開示された方法では、範囲で扱うばらつき要因を全ての範囲に渡って考慮することができないため、解析精度が劣化するという問題があった。ここで、範囲で扱うばらつき要因とは、例えば、回路が動作保証される電源電圧や温度である。範囲で扱うばらつき要因は、最小値と最大値を持ち、その範囲での回路動作を保証する必要がある。例えば、範囲で扱うばらつき要因が電圧と温度の2つの場合、範囲で扱うばらつき要因の範囲は矩形状になるのに対し、統計的静的タイミング解析で解析される範囲は円形状になり、統計的静的タイミング解析では、電圧と温度が共に最大値をとる条件の解析は行われないことになる。
USP7181713号公報 特開2005−92885号公報
そこで、本発明の目的は、タイミング解析の実行時間の増加を抑制しつつ、範囲で扱うばらつき要因を全ての範囲に渡って考慮することが可能な統計的タイミング解析装置および統計的タイミング解析方法を提供することである。
上述した課題を解決するために、本発明の一態様によれば、半導体集積回路の統計的静的タイミング解析を実行する統計的静的タイミング解析実行部と、前記統計的静的タイミング解析結果に基づいて、n(nは2以上の整数)個のばらつき要因が統計的に考慮された統計的スラック値を計算し、前記統計的スラック値が最小になるように、前記半導体集積回路のコーナ条件を決定するコーナ条件決定部と、前記コーナ条件に基づいて、前記半導体集積回路の静的タイミング解析を実行するパスタイミング解析実行部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様によれば、半導体集積回路の統計的静的タイミング解析に基づいて、n(nは2以上の整数)個のばらつき要因が統計的に考慮された統計的スラック値をコンピュータが計算するステップと、前記統計的スラック値が最小になるように、前記半導体集積回路のコーナ条件をコンピュータが決定するステップと、前記コーナ条件における静的タイミング解析に基づいて、前記半導体集積回路のスラック値をコンピュータが計算するステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様によれば、半導体集積回路の統計的静的タイミング解析に基づいて、n(nは2以上の整数)個のばらつき要因が統計的に考慮された統計的スラック値をコンピュータが計算するステップと、前記統計的スラック値に基づいて、前記半導体集積回路のクリティカルパスをコンピュータが選択するステップと、前記統計的スラック値が最小になるように、前記クリティカルパスのコーナ条件をコンピュータが決定するステップと、前記コーナ条件における静的タイミング解析に基づいて、前記クリティカルパスについてのスラック値をコンピュータが計算するステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様によれば、半導体集積回路の統計的静的タイミング解析に基づいて、n(nは2以上の整数)個のばらつき要因が統計的に考慮された統計的スラック値をコンピュータが計算するステップと、前記統計的スラック値に基づいて、前記半導体集積回路のクリティカルパスをコンピュータが選択するステップと、前記統計的スラック値が最小になるように、前記クリティカルパスのコーナ条件をコンピュータが決定するステップと、前記コーナ条件におけるクリティカルパス数をコンピュータが集計するステップと、前記クリティカルパス数に基づいて、前記半導体集積回路全体を解析するコーナ条件をコンピュータが選択するステップと、前記半導体集積回路全体を解析するコーナ条件に基づいて、前記半導体集積回路全体のスラック値をコンピュータが計算するステップと、
前記クリティカルパス数に基づいて、前記半導体集積回路のパス毎に解析するコーナ条件をコンピュータが選択するステップと、前記半導体集積回路のパス毎に解析するコーナ条件に基づいて、前記半導体集積回路のパス毎のスラック値をコンピュータが計算するステップとを備えることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、タイミング解析の実行時間の増加を抑制しつつ、範囲で扱うばらつき要因を全ての範囲に渡って考慮することが可能な統計的タイミング解析装置および統計的タイミング解析方法を提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施形態に係る統計的タイミング解析装置について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る統計的タイミング解析装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、統計的タイミング解析装置11aには、統計的静的タイミング解析実行部12a、クリティカルパス情報保存部13、スラック値線形和表現保存部14、コーナ条件決定部15a、パスタイミング解析実行部16a、パス解析結果保存部17、レポート出力部18が設けられている。
ここで、統計的静的タイミング解析実行部12aは、半導体集積回路の統計的静的タイミング解析に基づいて、n(nは2以上の整数)個のばらつき要因が統計的に考慮された統計的スラック値としてスラック値線形和表現を計算することができる。クリティカルパス情報保存部13は、統計的静的タイミング解析実行部12aにて選択されたクリティカルパスの情報を保存することができる。スラック値線形和表現保存部14は、統計的静的タイミング解析実行部12aにて計算されたスラック値線形和表現を保存することができる。コーナ条件決定部15aは、スラック値線形和表現保存部14に保存されたスラック値線形和表現に基づいて、クリティカルパスのコーナ条件を決定することができる。パスタイミング解析実行部16aは、コーナ条件決定部15aにて決定されたコーナ条件における静的タイミング解析に基づいて、クリティカルパスについてのスラック値を計算することができる。パス解析結果保存部17は、パスタイミング解析実行部16aにて計算されたクリティカルパスについてのスラック値を保存することができる。レポート出力部18は、クリティカルパス情報保存部13に保存されたクリティカルパスの情報およびパス解析結果保存部17に保存されたそのクリティカルパスについてのスラック値をタイミングレポート19として出力することができる。
なお、スラック値は、半導体集積回路に搭載されたデジタル回路のタイミング要件が適合または不適合になるタイミングマージンの指標として用いられるもので、正のスラック値は要件に適合するタイミングマージンを示し、負のスラック値は要件に適合しないタイミングマージンを示すことができる。
また、スラック値線形和表現を用いた統計的スラック値sは、以下の(1)式で表すことができる。
Figure 0004635072
ただし、sはスラック値の平均値、ΔXはばらつき要因Xの平均値からのシフト量、sはばらつき要因Xに対するスラック値の感度、sn+1はばらつき要因X以外のランダムばらつき要因に対するスラック値の感度、Rは感度sn+1の係数である。また、ばらつき要因Xのうち、XからXまでは範囲で扱うばらつき要因を表し、Xm+1からXまでは統計的に扱うばらつき要因を扱うものとする。なお、ランダムばらつき要因は、例えば、チップ内のばらつきを示し、統計的に扱うばらつき要因は、例えば、トランジスタのチャネル幅やゲート酸化膜の膜厚のばらつきを示すことができる。
ここで、スラック値線形和表現保存部14は、スラック値の平均値s、ばらつき要因Xに対するスラック値の感度s、ばらつき要因X以外のランダムばらつき要因に対するスラック値の感度sn+1を保持することができる。
また、クリティカルパスの情報は、クリティカルパスを一意に特定することができ、例えば、クリティカルパスが通過する全ピンのピン名、そのピンを信号が通過する際の信号遷移方向を含むことができる。
また、タイミングレポート19は、パスのスラック値をパスごとに記述することができ、スラック値の平均値およびばらつき量などを含むことができる。
そして、統計的静的タイミング解析実行部12aには、回路接続情報21、回路RC情報22、ばらつき範囲情報23、ばらつき統計値情報24およびセンター解析用遅延計算ライブラリ25が入力される。
なお、回路接続情報21は、回路接続関係を示すもので、Verilog−HDLやVHDL等の記述言語で記述することができる。回路RC情報22は、回路中の配線の抵抗や容量を示すもので、SPEFやDSPF等の書式で記述することができる。ばらつき範囲情報23は、回路の動作を保証する電圧や温度の範囲など統計値として扱うことができないばらつき情報を示すもので、ばらつき要因名、最小値および最大値の3つの情報をばらつき要因ごとに持つことができる。ばらつき統計値情報24は、製造工程のばらつきなど統計値として扱うことができるばらつき情報を示すもので、ばらつき要因名、平均値および標準偏差の3つの情報をばらつき要因ごとに持つことができる。センター解析用遅延計算ライブラリ25は、素子の遅延を計算するために統計的静的タイミング解析にて使用されるライブラリで、例えば、素子入力波形の信号遷移時間と、素子出力容量値から遅延値を求めるルックアップテーブルで構成することができる。
このセンター解析用遅延計算ライブラリ25から求められる遅延値dは遅延の平均値とばらつき値を含むことができ、例えば、以下の(2)式で表すことができる。
Figure 0004635072
ただし、dは遅延の平均値、ΔXはばらつき要因Xの平均値からのシフト量、dはばらつき要因Xに対する遅延の感度、dn+1はばらつき要因X以外のランダムばらつき要因に対する遅延の感度である。ここで、センター解析用遅延計算ライブラリ25は、遅延の平均値d、はばらつき要因Xに対する遅延の感度d、ばらつき要因X以外のランダムばらつき要因に対する遅延の感度dn+1を保持することができる。
そして、統計的静的タイミング解析実行部12aは、回路接続情報21、回路RC情報22、ばらつき範囲情報23、ばらつき統計値情報24およびセンター解析用遅延計算ライブラリ25を参照しながら統計的静的タイミング解析を実行することで、回路のクリティカルパスおよびそのスラック値線形和表現を求める。そして、そのクリティカルパスの情報をクリティカルパス情報保存部13に保存し、クリティカルパスのスラック値線形和表現をスラック値線形和表現保存部14に保存する。
そして、コーナ条件決定部15aは、統計的静的タイミング解析実行部12aにて求められたクリティカルパスのスラック値線形和表現をスラック値線形和表現保存部14から読み出し、そのクリティカルパスのコーナ条件を決定し、パスタイミング解析実行部16aに出力する。なお、このコーナ条件の決定では、(1)式で与えられるスラック値sが最小になるように、範囲で扱うばらつき要因Xのシフト量ΔXを決定することができる。
そして、パスタイミング解析実行部16aは、クリティカルパスのスラック値線形和表現をスラック値線形和表現保存部14から読み出し、コーナ条件決定部15aから出力されたコーナ条件に基づいて、そのクリティカルパスについての静的タイミング解析を実行することで、そのクリティカルパスについてのスラック値を計算し、パス解析結果保存部17に保存する。そして、レポート出力部18は、クリティカルパス情報保存部13に保存されたクリティカルパスの情報およびパス解析結果保存部17に保存されたそのクリティカルパスについてのスラック値を読み出し、タイミングレポート19として出力する。
図2は、回路の動作保証範囲と統計的静的タイミング解析の解析範囲の違いを示す図である。
図2において、範囲で扱うばらつき要因が電圧と温度の2つの場合、その電圧のばらつきは最小値Vminと最大値Vmaxを持ち、その温度のばらつきは最小値Tminと最大値Tmaxを持つ。そして、電圧の最小値Vminと最大値Vmaxとの間および温度の最小値Tminと最大値Tmaxとの間の範囲内が回路の動作保証範囲とされる。
一方、統計的静的タイミング解析の解析範囲は、電圧の最小値Vminと最大値Vmaxおよび温度の最小値Tminと最大値Tmaxを通る円となる。このため、統計的静的タイミング解析では、例えば、電圧と温度が共に最大値をとる点P1、電圧が最大値かつ温度が最小値をとる点P2、電圧が最小値かつ温度が最大値をとる点P3、電圧と温度が共に最小値をとる点P4の解析は行われないことになる。
これに対して、図1の統計的静的タイミング解析実行部12aは、1回の統計的静的タイミング解析で、例えば、電圧と温度が点P1´〜P4´におけるクリティカルパスの統計的スラック値を出力することができる。そして、コーナ条件決定部15aは、この統計的スラック値が最小になるようにクリティカルパスのコーナ条件を決定することで、点P1´〜P4´のクリティカルパスにおけるコーナ条件として点P1〜P4をそれぞれ求めることができる。
そして、パスタイミング解析実行部16aは、点P1〜P4のコーナ条件における静的タイミング解析に基づいて、統計的静的タイミング解析にて選択されたクリティカルパスについてのスラック値を計算することができる。
これにより、静的タイミング解析におけるコーナ条件を統計的静的タイミング解析にて決定することができ、1回の統計的静的タイミング解析によって静的タイミング解析におけるコーナ条件を絞り込むことができる。このため、ばらつき要因が多数ある場合においても、タイミング解析の実行時間の増加を抑制しつつ、範囲で扱うばらつき要因を全ての範囲に渡って考慮することが可能となり、半導体集積回路の微細化が進展した場合においても、タイミング解析を精度よく行うことができる。
図3は、図1の統計的タイミング解析装置におけるタイミング解析処理を示すフローチャートである。
図3において、ステップS1では、図1の統計的静的タイミング解析実行部12aは、回路接続情報21、回路RC情報22、ばらつき範囲情報23、ばらつき統計値情報24およびセンター解析用遅延計算ライブラリ25を参照することで統計的静的タイミング解析を実行し、その結果得られたクリティカルパスの情報をクリティカルパス情報保存部13に保存するとともに、(1)式のスラック値線形和表現をスラック値線形和表現保存部14に保存する。
次に、ステップS2において、図1のコーナ条件決定部15aは、クリティカルパス情報保存部13に保存されたクリティカルパスから、未選択のクリティカルパスを1つ選択する。そして、ステップS3において、コーナ条件決定部15aは、そのクリティカルパスについてのスラック値線形和表現からコーナ条件として(1)式のΔX・・・ΔXの値を決定する。このΔX・・・ΔXの値は、(1)式の感度sの符号から容易に決定できる。すなわち、感度sが正の時は、ΔXが小さいほどスラック値sは小さくなるため、スラック値が最小となるΔXはXの範囲の最小値Xi_minとなり、sが負の時は、ΔXが大きいほどスラック値sは小さくなるため、スラック値が最小となるΔXはXの範囲の最大値Xi_maxとなる。
次に、ステップS4において、図1のパスタイミング解析実行部16aは、コーナ条件決定部15aにて決定されたコーナ条件でのクリティカルパスのスラック値を計算する。このスラック値は、ステップS3で求めたXの値をXicornerとすると、以下の(3)式で表すことができる。
Figure 0004635072
ただし、感度sが正の時はXicorner=Xi_min、感度sが負の時はXicorner=Xi_maxである。
次に、ステップS5において、未選択のクリティカルパスがあるかどうかを判断し、未選択のクリティカルパスがある場合にはステップS2に戻り、未選択のクリティカルパスがなくなるまで以上の処理を繰り返す。そして、ステップS6において、図1のレポート出力部18は、ステップS4で求められたスラック値をタイミングレポート19として出力することができる。なお、このタイミングレポート19は、例えば、スラック値を平均値saveと標準偏差sstddevで表すことで、利用者に分かり易い形式で表現することができ、例えば、以下の(4)式で表現することができる。
Figure 0004635072
ただし、σは、統計的に扱うばらつき要因Xの標準偏差である。
このように、上述した第1実施形態では、静的タイミング解析におけるコーナ条件を統計的静的タイミング解析にて決定することができ、1回の統計的静的タイミング解析によって静的タイミング解析におけるコーナ条件を絞り込むことができる。このため、ばらつき要因が多数ある場合においても、タイミング解析の実行時間の増加を抑制しつつ、範囲で扱うばらつき要因を全ての範囲に渡って考慮することが可能となり、半導体集積回路の微細化が進展した場合においても、タイミング解析を精度よく行うことができる。
なお、図3のフローチャートでは、統計的静的タイミング解析にて選択された全クリティカルパスに対してスラック値を計算する方法について示したが、このスラック値の計算は、(3)式に示すように、符号判定と単純な加減算と乗算にて実行することができ、ステップS1の統計的静的タイミング解析に比べて無視できる程度に小さな実行時間であるため、タイミング解析全体の実行時間に与える影響は無視することができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る統計的タイミング解析装置の概略構成を示すブロック図である。
図4において、統計的タイミング解析装置11bには、図1のパスタイミング解析実行部16aの代わりにパスタイミング解析実行部16bが設けられている。図1のパスタイミング解析実行部16aは、センター解析用遅延計算ライブラリ25から素子の遅延値を求めるのに対し、パスタイミング解析実行部16bは、コーナ解析用遅延計算ライブラリ26から素子の遅延値を求めることができる。ここで、コーナ解析用遅延計算ライブラリ26は、範囲で扱うばらつき要因X、X、・・・、Xに対して、ベスト条件およびワースト条件の全ての組み合わせの遅延計算ライブラリの集合である。例えば、範囲で扱うばらつきパラメータが3つの場合には、2=8つの条件の遅延計算ライブラリの集合となる。
図5は、図4のコーナ解析用遅延計算ライブラリ26の具体的な構成を示すブロック図である。
図5において、範囲で扱うばらつき要因が3つあり、各要因についての最大値をX1max、X2max、X3max、各要因についての最小値をX1min、X2min、X3minとすると、コーナ解析用遅延計算ライブラリ26には、これら最小値および最大値の全ての組み合わせの8つの条件のコーナ解析用遅延計算ライブラリ26a〜26hを設けることができる。
ここで、コーナ解析用遅延計算ライブラリ26a〜26hから求められる遅延値dは、範囲で扱うばらつき要因X、X、・・・、Xはばらつきとして扱わないようにすることができ、この遅延値dは以下の(5)式で表すことができる。
Figure 0004635072
(5)式と(2)式を比較すると、範囲で扱うばらつき要因X、X、・・・、Xは、(2)式では遅延項として現れるのに対し、(5)式では遅延項として現れないようにすることができる。
図6は、図4の統計的タイミング解析装置におけるタイミング解析処理を示すフローチャートである。
図6において、ステップS11では、図4の統計的静的タイミング解析実行部12aは、回路接続情報21、回路RC情報22、ばらつき範囲情報23、ばらつき統計値情報24およびセンター解析用遅延計算ライブラリ25を参照することで統計的静的タイミング解析を実行し、その結果得られたクリティカルパスの情報をクリティカルパス情報保存部13に保存するとともに、(1)式のスラック値線形和表現をスラック値線形和表現保存部14に保存する。
次に、ステップS12において、図4のコーナ条件決定部15aは、クリティカルパス情報保存部13に保存されたクリティカルパスから、未選択のクリティカルパスを1つ選択する。そして、ステップS13において、コーナ条件決定部15aは、そのクリティカルパスについてのスラック値線形和表現からコーナ条件として(1)式のΔX・・・ΔXの値を決定する。
次に、ステップS14において、コーナ条件決定部15aにて決定されたコーナ条件に基づいて、コーナ解析用遅延計算ライブラリ26a〜26hを選択する。例えば、X、X、Xの3つの範囲で扱う要因を持つ環境で、コーナ条件がX1min、X2max、X3minと導出された場合には、そのコーナ条件X1min、X2max、X3minに対応したコーナ解析用遅延計算ライブラリ26fを選択することができる。
次に、ステップS15において、図4のパスタイミング解析実行部16bは、ステップS14で選択されたコーナ解析用遅延計算ライブラリ26a〜26hを使用してタイミング解析を行うことで、コーナ条件決定部15aにて決定されたコーナ条件でのクリティカルパスのスラック値を計算する。なお、このスラック値は、以下の(6)式で表すことができる。
Figure 0004635072
ただし、s´は、コーナ条件決定部15aにて決定されたコーナ条件での遅延平均値であり、センター解析用遅延計算ライブラリ25から求めたスラック値の平均値sとは異なる。また、s´、sn+1´は、コーナ条件決定部15aにて決定されたコーナ条件でのスラック値の感度である。この(6)式では、範囲で扱うばらつき要因X、X、・・・、Xは、スラック値の項として現れないようにすることができる。
次に、ステップS16において、未選択のクリティカルパスがあるかどうかを判断し、未選択のクリティカルパスがある場合にはステップS12に戻り、未選択のクリティカルパスがなくなるまで以上の処理を繰り返す。そして、ステップS17において、図4のレポート出力部18は、ステップS15で求められたスラック値をタイミングレポート19として出力する。
このように、上述した第2実施形態では、パスタイミング解析実行部16bは、図5のコーナ解析用遅延計算ライブラリ26a〜26hを用いることにより、コーナ条件に対応した遅延値に基づいてスラック値を計算することができ、センター解析用遅延計算ライブラリ25を用いた場合に比べて解析精度を向上させることができる。
図7−1は、図1のセンター解析用遅延計算ライブラリ25を用いて計算されるスラック値と実際のスラック値との関係を示す図、図7−2は、図4のコーナ解析用遅延計算ライブラリ26を用いて計算されるスラック値と実際のスラック値との関係を示す図である。
図7−1において、スラック値が範囲で扱うばらつき要因X、X、・・・、Xの線形和で表されているため、図1のセンター解析用遅延計算ライブラリ25を用いると、範囲で扱うばらつき要因Xに対して実際の遅延値が線形ではない場合には、計算誤差が発生する。
一方、図7−2において、図5のコーナ解析用遅延計算ライブラリ26a〜26hを用いた場合、コーナ条件に対応した遅延値に基づいてスラック値を計算することができるため、計算誤差が発生せず、正確な計算結果を得ることができる。
(第3実施形態)
図8は、本発明の第3実施形態に係る統計的タイミング解析装置の概略構成を示すブロック図である。
図8において、統計的タイミング解析装置11cには、図4のパスタイミング解析実行部16bの代わりにパスタイミング解析実行部16cが設けられるとともに、コーナ別パス数カウント部31、コーナ別パス数保存部32、回路全体タイミング解析実行部34および回路全体解析結果保存部35が別途設けられている。
ここで、コーナ別パス数カウント部31は、コーナ条件決定部15aにて決定されたコーナ条件ごとのパス数をカウントすることができる。コーナ別パス数保存部32は、コーナ別パス数カウント部31にてカウントされたコーナ別のパス数を保存することができる。回路全体タイミング解析実行部34は、タイミング解析される回路全体のタイミング解析を実行することができる。回路全体解析結果保存部35は、回路全体タイミング解析実行部34にて解析されたタイミング解析結果を保存することができる。
そして、統計的静的タイミング解析実行部12aは、回路接続情報21、回路RC情報22、ばらつき範囲情報23、ばらつき統計値情報24およびセンター解析用遅延計算ライブラリ25を参照しながら統計的静的タイミング解析を実行することで、回路のクリティカルパスおよびそのスラック値線形和表現を求める。そして、そのクリティカルパスの情報をクリティカルパス情報保存部13に保存し、クリティカルパスのスラック値線形和表現をスラック値線形和表現保存部14に保存する。
そして、コーナ条件決定部15aは、統計的静的タイミング解析実行部12aにて求められたクリティカルパスのスラック値線形和表現をスラック値線形和表現保存部14から読み出し、そのクリティカルパスのコーナ条件を決定し、コーナ別パス数カウント部31に出力する。
そして、コーナ別パス数カウント部31は、コーナ条件決定部15aにてコーナ条件が決定されると、そのコーナ条件ごとのパス数をカウントし、コーナ別パス数保存部32に保存する。そして、パスタイミング解析実行部16cは、コーナ条件決定部15aにて決定されたコーナ条件のパス数が閾値以上かどうかを判断し、そのコーナ条件のパス数が閾値に満たない場合、クリティカルパスのスラック値線形和表現をスラック値線形和表現保存部14から読み出す。そして、コーナ解析用遅延計算ライブラリ26を参照しつつ、コーナ条件決定部15aから出力されたコーナ条件に基づいて、そのクリティカルパスについての静的タイミング解析を実行することで、そのクリティカルパスについてのスラック値を計算し、パス解析結果保存部17に保存する。
また、回路全体タイミング解析実行部34は、コーナ条件決定部15aにて決定されたコーナ条件のパス数が閾値以上かどうかを判断し、そのコーナ条件のパス数が閾値以上の場合、コーナ解析用遅延計算ライブラリ26を参照しつつ、コーナ条件決定部15aから出力されたコーナ条件に基づいて、回路全体の静的タイミング解析を実行することで、その回路全体についてのスラック値を計算し、回路全体解析結果保存部35に保存する。
そして、レポート出力部18は、クリティカルパス情報保存部13に保存されたクリティカルパスの情報およびパス解析結果保存部17に保存されたそのクリティカルパスについてのスラック値または回路全体解析結果保存部35に保存された回路全体についてのスラック値を読み出し、タイミングレポート19として出力する。なお、回路全体タイミング解析とパスタイミング解析で異なるのは解析時間のみであり、クリティカルパスについてのスラック値と回路全体についてのスラック値とは同じであることから、回路全体タイミング解析とパスタイミング解析のいずれを用いた場合においても、同一の出力を得ることができる。
図9は、図8の統計的タイミング解析装置におけるタイミング解析処理を示すフローチャートである。
図9において、ステップS21では、図8の統計的静的タイミング解析実行部12aは、回路接続情報21、回路RC情報22、ばらつき範囲情報23、ばらつき統計値情報24およびセンター解析用遅延計算ライブラリ25を参照することで統計的静的タイミング解析を実行し、その結果得られたクリティカルパスの情報をクリティカルパス情報保存部13に保存するとともに、(1)式のスラック値線形和表現をスラック値線形和表現保存部14に保存する。
次に、ステップS22において、図8のコーナ条件決定部15aは、クリティカルパス情報保存部13に保存されたクリティカルパスから、未選択のクリティカルパスを1つ選択する。そして、ステップS23において、コーナ条件決定部15aは、そのクリティカルパスについてのスラック値線形和表現からコーナ条件として(1)式のΔX・・・ΔXの値を決定する。
次に、ステップS24において、コーナ別パス数カウント部31は、コーナ条件カウンタをインクリメントし、ステップS25において、未選択のクリティカルパスがある場合にはステップS22に戻り、未選択のクリティカルパスがなくなるまで以上の処理を繰り返す。
次に、ステップS26において、コーナ別パス数カウント部31にてカウントされたコーナ別のパス数が1以上のコーナ条件を1つ選択する。そして、ステップS27において、そのコーナ条件に対応したコーナ解析用遅延計算ライブラリ26を選択する。そして、ステップS28において、コーナ条件決定部15aにて決定されたコーナ条件のパス数が閾値以上かどうかを判断し、そのコーナ条件のパス数が閾値以上の場合、回路全体タイミング解析実行部34は、コーナ解析用遅延計算ライブラリ26を参照しつつ、コーナ条件決定部15aから出力されたコーナ条件に基づいて、回路全体の静的タイミング解析を実行する。
一方、コーナ条件決定部15aにて決定されたコーナ条件のパス数が閾値に満たない場合、ステップS32において、コーナ条件決定部15aにて決定されたコーナ条件のクリティカルパスを1つ選択する。そして、パスタイミング解析実行部16cは、コーナ解析用遅延計算ライブラリ26を参照しつつ、ステップS32で選択されたコーナ条件に基づいて、そのクリティカルパスについての静的タイミング解析を実行する。
次に、ステップS34において、未選択のクリティカルパスがある場合にはステップS32に戻り、未選択のクリティカルパスがなくなるまで以上の処理を繰り返す。
そして、ステップS30において、未選択のコーナ条件があるかどうかを判断し、未選択のコーナ条件がある場合にはステップS26に戻り、未選択のコーナ条件がなくなるまでステップS26からステップS34までの処理を繰り返す。そして、ステップS31において、図8のレポート出力部18は、ステップS29またはステップS33で求められたスラック値をタイミングレポート19として出力する。
このように、上述した第3実施形態では、コーナ別のパス数に応じて回路全体タイミング解析とパスタイミング解析とを使い分けることで、パスタイミング解析のうち、より実行時間の短い解析方法を選択することができ、タイミング解析全体にかかる時間を短くすることができる。
図10は、コーナ条件ごとにカウントされたパス数の一例を示す図である。
図10において、範囲で扱うばらつき要因が3つあり、各要因についての最大値をX1max、X2max、X3max、各要因についての最小値をX1min、X2min、X3minとすると、図8のコーナ別パス数カウント部31では、例えば、(X1max、X2max、X3min)というコーナ条件ではパス数が3、(X1min、X2max、X3max)というコーナ条件ではパス数が1、(X1min、X2min、X3max)というコーナ条件ではパス数が125とカウントすることができる。
そして、例えば、図9のステップS28の閾値が100であるとすると、(X1max、X2max、X3min)および(X1min、X2min、X3max)というコーナ条件では、ステップS29の回路全体タイミング解析を実行し、(X1min、X2minx、X3max)というコーナ条件では、ステップS33のパスタイミング解析を実行することができる。
図11は、各コーナ条件ごとのパス数とタイミング解析にかかる計算時間との関係を示す図である。
図11において、回路全体タイミング解析はパス数に関係なくほぼ一定の実行時間であるのに対し、パスタイミング解析はパス数に比例する実行時間を必要とする。このため、コーナ別のパス数が閾値を超える場合には、回路全体タイミング解析の実行時間の方がパスタイミング解析の実行時間よりも短くなることから、回路全体タイミング解析を選択することで、タイミング解析全体の実行時間を短縮することができる。
(第4実施形態)
図12は、本発明の第4実施形態に係る統計的タイミング解析装置の概略構成を示すブロック図である。
図12において、統計的タイミング解析装置11dには、図1の統計的静的タイミング解析実行部12aの代わりに統計的静的タイミング解析実行部12bが設けられ、スラック値統計情報保存部41およびスラック値線形和表現生成部42が別途設けられている。
ここで、統計的静的タイミング解析実行部12bは、半導体集積回路の統計的静的タイミング解析に基づいて、n個のばらつき要因が統計的に考慮された統計的スラック値としてスラック値統計情報を計算することができる。
なお、スラック値統計情報を用いた統計的スラック値sは、以下の(7)式で表すことができる。
Figure 0004635072
ただし、sはスラック値の平均値、σはスラック値の標準偏差、σはばらつき要因Xの標準偏差、cはらつき要因Xとスラック値の相関係数、N(0,1)は平均値がゼロで標準偏差が1である標準正規分布である。
スラック値統計情報保存部41は、統計的静的タイミング解析実行部12bにて計算されたスラック値統計情報を保存することができる。なお、スラック値統計情報保存部41は、スラック値統計情報として、スラック値の平均値s、スラック値の標準偏差σ、ばらつき要因Xとスラック値の相関係数cを保存することができる。スラック値線形和表現生成部42は、スラック値統計情報保存部41に保存されたスラック値統計情報からスラック値線形和情報を生成することができる。
なお、(1)式のsおよびsn+1を、以下の(8)式のように置くと、スラック値統計情報をスラック値線形和表現に変換することができる。
Figure 0004635072
図13は、図12の統計的タイミング解析装置におけるタイミング解析処理を示すフローチャートである。
図13において、ステップS41では、図12の統計的静的タイミング解析実行部12bは、回路接続情報21、回路RC情報22、ばらつき範囲情報23、ばらつき統計値情報24およびセンター解析用遅延計算ライブラリ25を参照することで統計的静的タイミング解析を実行し、その結果得られたクリティカルパスの情報をクリティカルパス情報保存部13に保存するとともに、スラック値統計情報をスラック値統計情報保存部41に保存する。
次に、ステップS42において、スラック値線形和表現生成部42は、スラック値統計情報保存部41からスラック値統計情報を読み出し、(1)式のsおよびsn+1を、(8)式のように置くことで、スラック値統計情報をスラック値線形和表現に変換し、スラック値線形和表現保存部14に保存する。
次に、ステップS43において、図12のコーナ条件決定部15aは、クリティカルパス情報保存部13に保存されたクリティカルパスから、未選択のクリティカルパスを1つ選択する。そして、ステップS44において、コーナ条件決定部15aは、そのクリティカルパスについてのスラック値線形和表現からコーナ条件として(1)式のΔX・・・ΔXの値を決定する。
次に、ステップS45において、図12のパスタイミング解析実行部16aは、コーナ条件決定部15aにて決定されたコーナ条件でのクリティカルパスのスラック値を計算する。
次に、ステップS46において、未選択のクリティカルパスがあるかどうかを判断し、未選択のクリティカルパスがある場合にはステップS43に戻り、未選択のクリティカルパスがなくなるまで以上の処理を繰り返す。そして、ステップS47において、図12のレポート出力部18は、ステップS45で求められたスラック値をタイミングレポート19として出力することができる。
このように、上述した第4実施形態では、スラック値統計情報をスラック値線形和表現に変換することができ、市販の統計的静的タイミング解析ツールがスラック値線形和表現を出力する機能を持たない場合においても、タイミング解析の実行時間の増加を抑制しつつ、タイミング解析を精度よく行うことができる。
なお、上述した第4実施形態では、センター解析用遅延計算ライブラリ25を用いてスラック値を計算する方法について説明したが、図4のコーナ解析用遅延計算ライブラリ26を用いてスラック値を計算するようにしてもよい。また、図8に示すように、コーナ別のパス数をカウントし、そのコーナ別のパス数に応じて回路全体タイミング解析とパスタイミング解析とを使い分けるようにしてもよい。
(第5実施形態)
図14は、本発明の第5実施形態に係る統計的タイミング解析装置の概略構成を示すブロック図である。
図14において、統計的タイミング解析装置11eには、図1の統計的静的タイミング解析実行部12aの代わりに統計的静的タイミング解析実行部12cが設けられ、スラック値線形和表現保存部14の代わりにスラック値2次式表現保存部51が設けられ、コーナ条件決定部15aの代わりにコーナ条件決定部15bが設けられている。
ここで、統計的静的タイミング解析実行部12cは、半導体集積回路の統計的静的タイミング解析に基づいて、n個のばらつき要因が統計的に考慮された統計的スラック値としてスラック値の2次式を計算することができる。スラック値2次式表現保存部51は、統計的静的タイミング解析実行部12cにて計算されたスラック値の2次式を保存することができる。ここで、スラック値の2次式を用いた統計的スラック値sは、以下の(9)式で表すことができる。
Figure 0004635072
ただし、sijはばらつき要因の2次項ΔXΔXに対するスラック値の感度である。なお、(9)式では統計的に扱うばらつき要因は考慮せず、n=mとした。
コーナ条件決定部15bは、スラック値2次式表現保存部51に保存されたスラック値の2次式に基づいて、クリティカルパスのコーナ条件を決定することができ、例えば、(9)式の統計的スラック値sが最小になるように、ばらつき要因Xの平均値からのシフト量ΔXを決定することができる。ここで、スラック値の2次式からコーナ条件を決定する方法として、以下の(10)式の最適化問題を解く方法を用いることができる。
Figure 0004635072
この(10)式の最適化問題は一般的な2次計画問題であり、ニュートン法などを用いて解くことができる。
図15は、図14の統計的タイミング解析装置におけるタイミング解析処理を示すフローチャートである。
図15において、ステップS51では、図14の統計的静的タイミング解析実行部12cは、回路接続情報21、回路RC情報22、ばらつき範囲情報23、ばらつき統計値情報24およびセンター解析用遅延計算ライブラリ25を参照することで統計的静的タイミング解析を実行し、その結果得られたクリティカルパスの情報をクリティカルパス情報保存部13に保存するとともに、(9)式のスラック値の2次式をスラック値2次式表現保存部51に保存する。
次に、ステップS52において、図14のコーナ条件決定部15bは、クリティカルパス情報保存部13に保存されたクリティカルパスから、未選択のクリティカルパスを1つ選択する。そして、ステップS53において、コーナ条件決定部15bは、そのクリティカルパスについてのスラック値の2次式からコーナ条件として(9)式のΔX・・・ΔXの値を決定する。
次に、ステップS54において、図14のパスタイミング解析実行部16aは、コーナ条件決定部15bにて決定されたコーナ条件でのクリティカルパスのスラック値を計算する。ここで、このスラック値の計算は、ステップS53にて導出されたばらつき要因Xの平均値からのシフト量ΔXを(9)式のスラック値の2次式表現に代入することにより行うことができる。
次に、ステップS55において、未選択のクリティカルパスがあるかどうかを判断し、未選択のクリティカルパスがある場合にはステップS52に戻り、未選択のクリティカルパスがなくなるまで以上の処理を繰り返す。そして、ステップS56において、図14のレポート出力部18は、ステップS54で求められたスラック値をタイミングレポート19として出力することができる。
このように、上述した第5実施形態では、統計的スラック値をスラック値の2次式で表現することができ、スラック値の線形性が低い場合にもスラック値を精度良く求めることが可能となることから、タイミング解析の精度を向上させることができる。
なお、上述した第5実施形態では、センター解析用遅延計算ライブラリ25を用いてスラック値を計算する方法について説明したが、図4のコーナ解析用遅延計算ライブラリ26を用いてスラック値を計算するようにしてもよい。また、図8に示すように、コーナ別のパス数をカウントし、そのコーナ別のパス数に応じて回路全体タイミング解析とパスタイミング解析とを使い分けるようにしてもよい。
本発明の第1実施形態に係る統計的タイミング解析装置の概略構成を示すブロック図。 回路の動作保証範囲と統計的静的タイミング解析の解析範囲の違いを示す図。 図1の統計的タイミング解析装置におけるタイミング解析処理を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態に係る統計的タイミング解析装置の概略構成を示すブロック図。 図4のコーナ解析用遅延計算ライブラリ26の具体的な構成を示すブロック図。 図4の統計的タイミング解析装置におけるタイミング解析処理を示すフローチャート。 図1のセンター解析用遅延計算ライブラリ25を用いて計算されるスラック値と実際のスラック値との関係を示す図。 図4のコーナ解析用遅延計算ライブラリ26を用いて計算されるスラック値と実際のスラック値との関係を示す図。 本発明の第3実施形態に係る統計的タイミング解析装置の概略構成を示すブロック図。 図8の統計的タイミング解析装置におけるタイミング解析処理を示すフローチャート。 コーナ条件ごとにカウントされたパス数の一例を示す図。 各コーナ条件ごとのパス数とタイミング解析にかかる計算時間との関係を示す図。 本発明の第4実施形態に係る統計的タイミング解析装置の概略構成を示すブロック図。 図12の統計的タイミング解析装置におけるタイミング解析処理を示すフローチャート。 本発明の第5実施形態に係る統計的タイミング解析装置の概略構成を示すブロック図。 図14の統計的タイミング解析装置におけるタイミング解析処理を示すフローチャート。
符号の説明
11a、11b、11c、11d、11e 統計的タイミング解析装置、12a、12b、12c 統計的静的タイミング解析実行部、13 クリティカルパス情報保存部、14 スラック値線形和表現保存部、15a、15b コーナ条件決定部、16a、16b、16c パスタイミング解析実行部、17 パス解析結果保存部、18 レポート出力部、19 タイミングレポート、21 回路接続情報、22 回路RC情報、23 ばらつき範囲情報、24 ばらつき統計値情報、25 センター解析用遅延計算ライブラリ、26 コーナ解析用遅延計算ライブラリ、26a〜26h 遅延計算ライブラリ、31 コーナ別パス数カウント部、32 コーナ別パス数保存部、34 回路全体タイミング解析実行部、35 回路全体解析結果保存部、41 スラック値統計情報保存部、42 スラック値線形和表現生成部、51 スラック値2次式表現保存部

Claims (5)

  1. 半導体集積回路の統計的静的タイミング解析を実行する統計的静的タイミング解析実行部と、
    前記統計的静的タイミング解析結果に基づいて、n(nは2以上の整数)個のばらつき要因が統計的に考慮された統計的スラック値を計算し、前記統計的スラック値が最小になるように、前記半導体集積回路のコーナ条件を決定するコーナ条件決定部と、
    前記コーナ条件に基づいて、前記半導体集積回路の静的タイミング解析を実行するパスタイミング解析実行部とを備えることを特徴とする統計的タイミング解析装置。
  2. 半導体集積回路の統計的静的タイミング解析に基づいて、n(nは2以上の整数)個のばらつき要因が統計的に考慮された統計的スラック値をコンピュータが計算するステップと、
    前記統計的スラック値が最小になるように、前記半導体集積回路のコーナ条件をコンピュータが決定するステップと、
    前記コーナ条件における静的タイミング解析に基づいて、前記半導体集積回路のスラック値をコンピュータが計算するステップとを備えることを特徴とする統計的タイミング解析方法。
  3. 半導体集積回路の統計的静的タイミング解析に基づいて、n(nは2以上の整数)個のばらつき要因が統計的に考慮された統計的スラック値をコンピュータが計算するステップと、
    前記統計的スラック値に基づいて、前記半導体集積回路のクリティカルパスをコンピュータが選択するステップと、
    前記統計的スラック値が最小になるように、前記クリティカルパスのコーナ条件をコンピュータが決定するステップと、
    前記コーナ条件における静的タイミング解析に基づいて、前記クリティカルパスについてのスラック値をコンピュータが計算するステップとを備えることを特徴とする統計的タイミング解析方法。
  4. 半導体集積回路の統計的静的タイミング解析に基づいて、n(nは2以上の整数)個のばらつき要因が統計的に考慮された統計的スラック値をコンピュータが計算するステップと、
    前記統計的スラック値に基づいて、前記半導体集積回路のクリティカルパスをコンピュータが選択するステップと、
    前記統計的スラック値が最小になるように、前記クリティカルパスのコーナ条件をコンピュータが決定するステップと、
    前記コーナ条件におけるクリティカルパス数をコンピュータが集計するステップと、
    前記クリティカルパス数に基づいて、前記半導体集積回路全体を解析するコーナ条件をコンピュータが選択するステップと、
    前記半導体集積回路全体を解析するコーナ条件に基づいて、前記半導体集積回路全体のスラック値をコンピュータが計算するステップと、
    前記クリティカルパス数に基づいて、前記半導体集積回路のパス毎に解析するコーナ条件をコンピュータが選択するステップと、
    前記半導体集積回路のパス毎に解析するコーナ条件に基づいて、前記半導体集積回路のパス毎のスラック値をコンピュータが計算するステップとを備えることを特徴とする統計的タイミング解析方法。
  5. 前記統計的スラック値が、スラック値の平均値部分、範囲で扱うばらつき要因に対する部分、前記範囲で扱うばらつき要因に対する感度部分を含み、前記範囲で扱うばらつき要因に対する感度部分の係数の符号が正の場合は前記ばらつき要因の最小値に設定し、前記感度部分の係数の符号が負の場合は前記ばらつき要因の最大値に設定することで前記コーナ条件を決定することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の統計的タイミング解析方法。
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