JP4634733B2 - 波長フィルタ及び波長可変フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、波長フィルタ及び波長可変フィルタに関し、より詳細には、波長多重光通信システムの重要な光部品である半導体波長可変フィルタ及び透過帯域可変フィルタに関する。
波長可変フィルタ及び帯域可変フィルタは、大容量光通信ネットワークで欠かすことのできない重要な光部品である。波長多重光通信用の光合分波器に用いる波長フィルタは、波長多重された光信号のバンドフィルタリング及びソリトンファイバレーザ(例えば、非特許文献1参照)やスーパコンティニューム(Supercontinuum)ファイバ(例えば、非特許文献2参照)を用いた極短パルス発生のような応用で重要な役割を果たす。特に、サブピコ秒に及ぶ極短パルス発生の場合、発生される光パルスのスペクトル特性及びパルス波形は波長フィルタの波長スペクトル特性及び透過帯域で決まるため、帯域可変波長フィルタはこのような応用で強く求められつつある。
これまで、アレー導波路格子(AWG;arrayed waveguide grating)型帯域可変フィルタ(例えば、非特許文献3参照)、リング共振型帯域可変フィルタ(例えば、非特許文献4参照)、及びトランスバーサル型帯域可変フィルタ(例えば、非特許文献5参照)が報告されている。
図24は、従来の帯域可変波長フィルタの構造を概念的に示す説明図で、AWG型帯域可変波長フィルタを示している。図中符号241は入力導波路、242は入力側スラブ導波路、243はアレー導波路、244は出力側スラブ導波路、245は出力導波路を示している。
このAWG型帯域可変波長フィルタは、導波路幅の異なる複数の入出力導波路ペア241,245を用いることにより、帯域可変動作を実現している。フィルタ帯域及び帯域可変の自由度はそれぞれ入出力導波路幅及び入出力導波路本数で決定する。AWG型帯域可変フィルタは、入出力導波路が空間的に分離しているため、光フィルタ前後に光合分波器を用いる必要があり、構成が複雑になるという欠点がある。
図25は、従来の帯域可変波長フィルタの構造を概念的に示す説明図で、リング共振型帯域可変波長フィルタを示している。図中符号251は入力導波路、252は結合率可変2×2カプラ、253はリング共振器、254は出力導波路を示している。
このリング共振型帯域可変波長フィルタは、リング共振器253と結合率可変カプラ252及び入出力導波路251,254で構成されていて、帯域可変動作させると、選択波長が変化してしまう問題や可変範囲によってフィルタ消光比も大きくばらつくことがあるという欠点である。
図26は、従来の帯域可変波長フィルタの構造を概念的に示す説明図で、トランスバーサル型帯域可変波長フィルタを示している。図中符号261は結合率可変カプラ、262は遅延線、263は位相シフタ、264は合波器を示している。
このトランスバーサル型帯域可変波長フィルタは、タップ(結合率可変カプラ)261と遅延線262及び位相シフタ263で構成されていて、周波数特性はインパルス時間応答のフーリエ変換により得られる。また、トランスバーサル型帯域可変波長フィルタは、良好な帯域可変特性が得られたものの、波長可変特性の面では可変範囲が100GHz程度と比較的に狭いことや素子サイズも比較的に大きい(68*71mm)ことが懸念されている。
K.Tamura et al, IEEE Photon. Technol. Lett.,6,(1994),pp1433-1435 T.Morioka et al, Electron. Lett.,30,(1994),pp1166-1168 K.Okamoto et al, Electron. Lett.,31,(1995),pp1592-1593 T.Kominato et al, IEEE Photon. Technol. Lett.,5,(1993),pp560-562 E.Pawlowski et al, Electron. Lett.,32,(1996),pp113-114 S.Matsuo et al, IEEE Photon. Technol. Lett.,7,(2003),pp1114-1116
通常、帯域可変波長フィルタは、応用範囲を格段に広げるために波長可変性を有することが望ましい。これは極短パルス発生のような応用では極めて重要な要素である。なぜなら、波長多重光信号において、等しい時間分解能を有する光信号パルスを生成するためには、各波長成分に対して求められる波長フィルタの帯域が異なってくるためである。
現状では、図26で説明したトランスバーサル型帯域可変波長フィルタのみ、帯域可変及び波長可変動作を同時に行えるフィルタ素子である。この場合、タップ及び位相シフタは、それぞれフーリエ係数の複素振幅及び複素偏角を制御する役割をする。従って、帯域可変動作はタップの結合率の制御により得られ、波長可変動作は位相シフタの位相制御により得られる。しかし、トランスバーサル型帯域可変波長フィルタは、波長可変動作を得るために、図26で示す位相シフタの位相をそれぞれ独立にかつ精確よく調整する必要があり、制御が難しいという欠点がある。実際、0.8nm(100GHz)という比較的に狭い波長可変範囲の中でフィルタ波長スペクトルのクロストークが大きく変動することが報告されている(例えば、非特許文献5参照)。
一方、帯域可変波長フィルタは、応用範囲を格段に広げるために平坦性波長特性を有することが望ましい。平坦性波長スペクトルは、フィルタ素子そのものの温度制御の許容範囲を広げることだけでなく、波長多重光信号を状況に応じてフィルタ帯域を変化させて取り出す応用では非常に重要の特性であると考えられる。通常、波長スペクトルの平坦性を評価するパラメータとしてシェイプファクタが用いられ、−1dBと−10dBの透過スペクトル帯域幅の比で定義される。従って、シェイプファクタが1に近づくほど矩形のような波長スペクトルを示す。ラダー干渉型波長フィルタの場合、AWG型素子と同様にガウス関数型スペクトルを示すために、フィルタ波長特性のシェイプファクタは、0.32近傍で決まり、平坦性波長スペクトルと特性を得ることが困難である。
以上のように、波長フィルタの帯域可変かつ波長可変性及びフィルタスペクトルの平坦性は、必要不可欠な要素にもかかわらず、上述した特性を示す波長フィルタは、これまで報告されていないことが現状である。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、広帯域波長可変動作が得られるラダー干渉型波長フィルタを用い、フィルタ透過帯域が数百GHz範囲で可変できる帯域可変波長フィルタ及び平坦性波長スペクトル特性を有する波長フィルタ及び波長可変フィルタ提供することにある。
のような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、第1及び第2の端部を有する入力導波路であって、前記第1の端部は光が入射される入射端である入力導波路と、第3及び第4の端部を有する出力導波路であって、前記第4の端部は光が出射される出射端である出力導波路と、前記入力導波路一定の間隔で配置されたN個(Nは2以上の自然数)の光結合器で構成された第1の組の光結合器と、前記出力導波路に一定の間隔で配置されたN個の光結合器で構成された第2の組の光結合器と、前記第1の組の光結合器を構成する各光結合器と前記第2の組の光結合器を構成する各光結合器とを、前記入力導波路の前記入射端および前記出力導波路の前記第3の端部の側から、前記入力導波路の第2の端部および前記出力導波路の前記出射端の側にかけて順次一対一に接続するN個のアレー導波路とを備え、前記N個のアレー導波路の長さは、前記入力導波路の前記入射端および前記出力導波路の前記第3の端部の側から、前記入力導波路の第2の端部および前記出力導波路の前記出射端の側にかけて、順番に同じ長さの差で増加あるいは減少、前記第1および第2の組の光結合器を構成する各光結合器として結合率可変カプラを用いることにより、フィルタ帯域が可変できるようにしたことを特徴とする。
また、発明の第2の態様は、第1の態様において、熱、電圧引加あるいは電流注入により、前記入力導波路及び出力導波路の屈折率を変化させることで選択波長が可変で、かつ選択波長可変動作及び帯域可変動作を独立に行うことができるようにしたことを特徴とする。
また、本発明の第3の態様は、第1の態様において、N段目のアレー導波路と(N−1)段目のアレー導波路との間の光路長差のみを前記同じ長さの差より整数倍(0倍および1倍を除く。)大きくあるいは小さく設定することにより、フィルタ周波数スペクトル特性が平坦性を有することを特徴とする。
また、発明の第4の態様は、第3の態様において、前記結合率可変カプラを用いることにより、平坦性フィルタスペクトル特性を保ちながら、選択波長の透過帯域が可変できるようにしたことを特徴とする。
また、本発明の第5の態様は、第3又は第4の態様の波長フィルタにおいて、熱、電圧引加あるいは電流注入により、前記入力導波路及び出力導波路の屈折率を変化させることで選択波長が可変で、かつ屈折率変化領域長をアレー導波路間の光路長差に比例し調整することにより波長可変動作の際に平坦性スペクトル波長特性が一定に保てること、及び選択波長可変動作及び帯域可変動作を独立に行うことができるようにしたことを特徴とする波長可変フィルタである。
本発明によれば、波長フィルタ及び波長可変フィルタの透過帯域を可変することができ、極短パルス発生のような応用分野で重要な役割を果たす。また、本発明によれば波長フィルタ及び波長可変フィルタの透過帯域を平坦化することもでき、光源として用いられる半導体レーザ及び素子そのものの厳密な温度制御を緩和することができる。また、本発明の帯域可変特性及び平坦性スペクトル特性を有する波長可変フィルタは、波長多重された光信号のバンドフィルタリングのように応用で重要や役割を果たす。
さらに、本発明の実施例ではInP系の化合物半導体を用いているが、PLC、GaAs系やSOIと高分子材料で構成される材料を用いても同様の動作が可能であり、さらなる低コストパフォーマンスが実現できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明に係るラダー干渉型波長フィルタを説明するための構成図で、図中符号11は入力導波路、12−1〜12−Nは入力導波路側の光結合器、13−1〜13−Nはアレー導波路、14は出力導波路、15−1〜15−Nは出力導波路側の光結合器を示している。なお、Nはアレー導波路の本数を示している。
このラダー干渉型波長フィルタは、一対の入力導波路11及び出力導波路14と、入力導波路11及び出力導波路14に一定の間隔で配置された光結合器12−1〜12−N,15−1〜15−Nと、光結合器12−1〜12−N,15−1〜15−Nを介して入出力導波路間を接続するN個(N;2以上の自然数)のアレー導波路13−1〜13−Nとから構成されている。
つまり、アレー導波路長が左から順次ΔSずつ増大すると、次式を満足する波長(λ)で透過率が最大になる。
λ=(neffΔS)/m
ここで、neff及びmは、それぞれ光導波路の実効屈折率及びラダー干渉計の回折次数である。図1に示すように、アレー導波路13−1〜13−Nから入射する光と出力導波路14から入射する光が出力導波路側の光結合器15−1〜15−Nで干渉するが、等位相の光以外の波長は放射損失を受けるため、上式を満足する所望の波長のみが出力導波路14を伝搬し、波長フィルタとして機能する。
図2は、図1で示したラダー干渉型波長フィルタの光結合器の光結合率(k)を0.85と設定した場合、アレー導波路本数(N)に対する周波数スペクトル特性を示す図である。ここでは、m=120及びλ=1550nmとなっている。図2に示すように、ラダー干渉型波長フィルタは、アレー導波路本数に対して周波数スペクトル帯域が変化することが分かる。この場合、3−dB周波数帯域幅は、N=8からN=15まで順次に155(N=8)、125(N=10)、105(N=12)、85(N=15)及び62〔GHz〕(N=20)である。従って、出力導波路側の光結合器15−1〜15−Nでそれぞれの光信号を取り出せば、アレー導波路本数に相当する離散的なスペクトル帯域可変が可能になる。しかし、上述したフィルタ特性は、光結合器のkを特定の値(図2の例ではk=0.85)に定めたときのみ得られる。
つまり、図1に示したラダー干渉型波長フィルタの入力及び出力導波路は、全てのアレー導波路にわたって共有されている構造であり、N段目のアレー導波路以前のN−n段目(nは自然数)のアレー導波路までラダー干渉した光信号を取り出すことはできない。つまり、図1に示す波長フィルタは、出力ポートが一つしか存在しないことから、光結合器として多モード干渉(MMI;multimode interference)結合器あるいは方向性結合器を用いると、光結合器のkは導波路パラメータにより一律に決まってしまうので、上述したような帯域可変波長スペクトルを得ることができない。
一方、ラダー干渉計で光結合器のkによって生じる損失は、アレー導波路本数に依存するため、それぞれのアレー導波路本数に対して光結合器のkを適正な値に制御する必要があるが、一律なkを示す光結合器ではラダー干渉に起因する損失が異なり、良好な帯域可変フィルタ特性が得られない難点も生じる。図2に示すように、光結合器のkが0.85と一定の場合、ラダー干渉型波長フィルタのλの透過率は−3.87(N=20)、−2.84(N=15)、−2.66(N=12)、−2.83(N=10)及び3.35(N=8)〔dB〕となり、アレー導波路本数に依存してばらついていることが分かる。
本発明のラダー干渉型波長フィルタでは、結合率可変光結合器を用いるラダー干渉計により、帯域可変フィルタ動作及び透過帯域の透過率が一定に保つことを可能にしている。通常、任意のkを得るためには光結合器に屈折率変化領域を設ける必要があるが、その光結合器構造としてハイメサ導波路構造を用いるマッハ・ツェンダー干渉計(MZI:Mach-Zehnder Lnterferometer)は、上述した目的を達成するためにもっとも有効と考えられる。
図3は、2つの3dBMMI結合器を含むMZIの構造図で、図中符号31は光導波路、31aは屈折率変化領域、32は3dB結合器を示している。通常、MZIでは2本のアームの光路長が等しい場合、入力ポートから入射した光波はすべてクロスポートに出力する(k=1)。しかし、図3に示すように、片方のマッハ・ツェンダー干渉計のアームに屈折率変化領域31aを設けると、導波路の実効屈折率が異なるため、2本のアーム間の光路長が異なり、バーポートにもその光路長差に応じて光が出力する。図3に示す屈折率変化領域31aを構成するためには、熱、電圧引加あるいは電流注入構造を設けて屈折率を制御する方法が有効である。
この場合、電極形成による電流注入構造の場合、屈折率変化量と屈折率変化領域長(電極長)はトレードオフ関係にある。つまり、電極長が長ければ長いほど、小さい屈折率変化で所望のkが得られるものの、光結合器長が長くなり、素子サイズ及び素子の挿入損失が増大する。従って、電極長は電流注入により得られる屈折率変化で任意のkが得られる範囲内で設定すれば良い。
図4は、図3に示したMZIの光結合器の屈折率変化領域での屈折率変化量に対する結合係数を示す図で、InP基板上にコア層としてバンドギャップ波長(λ)1.4μmの化合物半導体GaInAsPを用いるウェハを用い、導波路幅(W)1.6μm及び電極長100μmのハイメサ導波路構造を形成した場合、屈折率変化に対するMZI光結合器のkを示している。屈折率変化がない場合、k=1であるが、電流注入による屈折率変化量が増すにつれて、kは小さくなり、0.23〔%〕程度の屈折率変化でkは0まで変化する。つまり、屈折率変化に従って、任意のkを得ることができる。
図5は、本発明のラダー干渉型波長フィルタの実施形態1を説明するための構成図で、図3に示したMZIを光結合器として用いたラダー干渉型波長フィルタの構成図で、つまり、光結合器として結合率可変MZIを用いたラダー干渉型波長フィルタの構成図である。図中符号51は入力導波路、52−1〜52−Nは入力導波路側の光結合器、53−1〜53−Nはアレー導波路、54は出力導波路、55−1〜55−Nは出力導波路側の光結合器を示している。
このラダー干渉型波長フィルタは、一対の入力導波路51及び出力導波路54と、入力導波路51及び出力導波路54に一定の間隔で配置された光結合器52−1〜52−N,55−1〜55−Nと、光結合器52−1〜52−N,55−1〜55−Nを介して入出力導波路間を接続するN個(N;2以上の自然数)のアレー導波路53−1〜53−Nとから構成されている。
しかも、入射端から出射端までの長さが入射端側に接続されたアレー導波路53−1〜53−Nを経路から順番に同じ長さの差で増加あるいは減少するようなラダー干渉の構造で構成され、光結合器52−1〜52−N,55−1〜55−Nとして結合率可変カプラを用いることにより、フィルタ帯域が可変できるように構成されている。
図1に示したラダー干渉型波長フィルタ構造に比べると、光結合器のkが可変性を有し、任意のkに制御可能な構造である。この場合、光結合器のkが可変できるため、N−n段目アレー導波路以降の光結合器のkを1に設定(電流注入なし)することにより、擬デジタルな帯域可変動作が可能になる。
図6は、図5に示したラダー干渉型波長フィルタの帯域可変特性図で、N−n段目アレー導波路以前の光結合器のkは、アレー導波路本数に従い、λの透過率が一定になるように光結合器のkを制御した場合の波長スペクトル特性を示している。アレー導波路本数においてMZI光結合器のkを調整することにより、λの透過率が−2.8dB近傍で一定になることが確認できた。この場合、アレー導波路本数に対する適正なkはそれぞれk=0.89(N=20)、k=0.85(N=15)、k=0.82(N=12)、k=0.85(N=10)及びk=0.82(N=8)である。
図6に示した波長フィルタ特性の消光比は12dB程度であり、比較的に小さい。しかし、ラダー干渉型波長フィルタの消光比は、MZI光結合器のkを分布的に変化させる(Apodization)ことにより増大することが可能である。
図7は、図3に示したMZIの光結合器のアポディゼーションを施したラダー干渉型波長可変フィルタの構成図で、図中符号71は入力導波路、72−1〜72−Nは入力側導波路の光結合器、73−1〜73−Nはアレー導波路、74は出力導波路、75−1〜75−Nは出力側導波路の光結合器を示している。
ラダー干渉計で光結合率のアポディゼーション(Apodization)は入力導波路側の光結合率を任意のkから任意のk(k>k)まで減少させ、出力導波路側の光結合率を上述したkから任意のkまで増大するように設定することにより達成する。この場合、kはλの透過率に関係し、k−kの絶対値はλの透過率、波長スペクトル特性の消光比及びフィルタ帯域に関係する。一般的に、kは1に近いほど、λの透過率が増大し、kが減少するにつれ、λの透過率も減少する。
一方、k−kの絶対値は大きければ大きいほど、波長スペクトルの消光比が増大すると同時に、透過帯域幅も増大する。
図8は、図7に示したラダー干渉型波長フィルタの帯域可変特性図で、MZI光結合器のkに線形的に変化するアポディゼーションを施した場合のアレー導波路本数に対する周波数スペクトル特性を示している。この場合、k及びkは一定のλの透過率を示すように制御した。なお、帯域可変動作を得るために、N−n段目アレー導波路以降の光結合器のkは1に制御した。図8に示すように、いずれの周波数帯域においても周波数スペクトルの消光比は27dB以上に増大した。
(実施形態2)
本発明の実施形態2について以下に説明する。上述した実施形態1で説明したラダー干渉型波長フィルタでは、光結合器のkを制御することにより、アレー導波路本数に相当する帯域可変動作が実現したが、アレー導波路本数に対するフィルタ波長スペクトルの帯域変化は比較的に小さい。
図9は、実施形態2に係るラダー干渉型波長フィルタのアレー導波路本数における周波数帯域特性図で、図6に示しているラダー干渉型波長フィルタのアレー導波路本数に対する3−dB周波数帯域を示している。図9に示すように、アレー導波路が20本から13本までの3−dB周波数帯域変化は、アレー導波路1本ごとに約5GHz周波数間隔となり、アレー導波路が12本から10本まで場合は、アレー導波路1本ごとに約10GHz周波数間隔となる。しかし、アレー導波路本数が10本より減少すると、3−dB周波数帯域変化が急激に増大してしまい、細かい周波数帯域変化が困難になる。
従って、デジタル的な周波数帯域変化が可能なアレー導波路本数が限定され、周波数帯域の可変帯域が数十GHz程度に制限される。可変帯域を増大するためにはラダー干渉型波長フィルタの回折次数を減少させることが有効である。この場合、回折次数が減少すると、フィルタ周波数帯域も増大し、可変できるフィルタ帯域も増大する。狭いフィルタ周波数スペクトルを得るためにはアレー導波路本数を回折次数変化に反比例して変化させれば、高い回折次数の場合と同様なフィルタ周波数特性が得られる。しかし、回折次数を減少させ、アレー導波路本数を増大したラダー干渉型波長フィルタの場合、図6で説明したように、それぞれのアレー導波路本数に対する適正なkの数も増大し、図3に示したMZI光結合器のkの制御が複雑になる。これは図8で説明したアポディゼーションでも同様である。
つまり、フィルタ消光比の増大及びラダー干渉計の回折損失を最小化するためのk及びkの制御もアレー導波路本数が増大するにつれ、複雑になる。この問題はMZI光結合器のkを制御してラダー干渉計の回折次数を変化させることにより解決可能である。
図10は、本発明に係るラダー干渉型波長フィルタの実施形態2を説明するための構成図で、フィルタ周波数帯域を数十GHzから数百GHzまで可変できる帯域可変ラダー干渉型フィルタの構成図を示している。図中符号101は入力導波路、102−1〜102−Nは入力導波路側の光結合器、103−1〜103−Nはアレー導波路、104は出力導波路、105−1〜105−Nは出力導波路側の光結合器を示している。
実施形態2のラダー干渉型波長フィルタは、m=20のラダー干渉型波長フィルタである。この場合、2×p(pは整数)番目に相当する光結合率k2,k,k,kなどを1に制御すると、そのラダー干渉型波長フィルタはm=40の素子に等しい。もし、(3×p)−1及び3×p番目の光結合率k,k,k,kなどを1に制御すると、m=60の素子に等しいてラダー干渉型波長フィルタになる。ここで、過剰光路長差が増大する場合、pは正となり、過剰光路長差が減少する場合、pは負となる。従って、光結合率の制御により、回折次数の倍数に相当するラダー干渉計が形成可能になる。
図11は、図10に示したラダー干渉型波長フィルタの帯域可変特性図で、ラダー干渉型波長フィルタの回折次数において、アレー導波路本数に対する3−dB周波数帯域を示している。いずれの場合においても、アレー導波路本数10から20の間では、ほぼ線形的な変化を示すものの、アレー導波路本数が10以下になると、3−dB周波数帯域が急激に増大することが分かる。図11に示すように、m=20(N=20)、m=40(N=10)及びm=80(N=5)それぞれの3−dB周波数帯域は一致し、m=40(N=20)及びm=80(N=10)の3−dB周波数帯域も一致している。
つまり、m×Nが一定であれば、フィルタ周波数帯域は変わらないことを意味する。この場合、N=10からN=20間でのフィルタ帯域変化はほぼ線形的であることから、フィルタ周波数帯域を数十GHzから数百GHzまで擬デジタル的に可変できるラダー干渉型波長フィルタが可能になる。特に、図10に示した構成の利点はそれぞれのアレー導波路本数に相当する適正な光結合率kは、ラダー干渉計の回折次数には依存しないことにある。
つまり、アレー導波路本数が等しい場合は、全ての回折次数における適正な光結合率kは同じである。従って、アレー導波路本数のみによる帯域可変特性の場合に比べ、制御すべき光結合率kの数が大幅に減少し、良好なフィルタ特性が期待できる。
(実施形態3)
図12は、本発明に係るラダー干渉型波長フィルタの実施形態3を説明するための構成図で、波長可変動作のために、電極による電流注入構造を設けたラダー干渉型波長フィルタの構造図である。図中符号121は入力導波路、121aは入力導波路側の波長可変制御用電極、122−1〜122−Nは入力側導波路の光結合器、123−1〜123−Nはアレー導波路、124は出力導波路、124aは出力導波路側の波長可変制御用電極、125−1〜125−Nは出力側導波路の光結合器を示している。
この実施形態3のラダー干渉型波長フィルタは、アレー導波路本数に従って透過帯域が変化するため、所望の帯域が得られるアレー導波路以降の光結合器のkを1に設定すれば、透過帯域の可変が可能になる。なお、それと独立にL及びLの屈折率を変化させると波長可変動作も実現できる。
図13は、図12に示したラダー干渉型波長可変フィルタのエピタキシャル基板の層構造を示す図で、図中符号131はInP基板、132はn型InP層、133はGaInAsP層(λg=1.4μm)、134はp--InP層、135はp+-InP層、136はp+-InGaAs層を示している。
n型InP基板131上に、nドープInP層132と、厚さ0.5μmのノンドープGaInAsP層133と、厚さ1.2μmのpドープInP層134と、厚さ0.3μmのpドープInP層135と、厚さ30nmのpドープInGaAs層136が成膜されている。pドープInGaAs層136上及びn型InP基板131の裏面にそれぞれAuZnNi電極及びAuGeNi電極を形成している。
また、nドープInP層132のドーピング濃度は1×1018cm−3で、pドープInP層134のドーピング濃度は5×1017cm−3で、pドープInP層135のドーピング濃度は1×1018cm−3で、pドープInGaAs層136のドーピング濃度は8×1018cm−3である。
図14は、図12に示したラダー干渉型波長フィルタの波長可変特性図で、ラダー干渉型波長フィルタの帯域可変及び波長可変動作の周波数スペクトルを示している。この場合、回折次数は120であり、λは1550nmと設定している。電極長L及びLを100μmと設定した場合、0.18〔%〕程度の光導波路の実効屈折率変化により、選択波長がそれぞれ短波長側及び長波長側にわたって1.2THzの波長可変動作が得られた。なお、帯域可変動作は波長可変動作と独立に制御できるため、制御可能な波長範囲内で帯域可変が可能になる。
(実施形態4)
本発明の実施形態4について以下に説明する。上述した実施形態1乃至3で示したラダー干渉型波長フィルタの場合、帯域可変特性は得られたものの、フィルタスペクトルの平坦性を得ることはできない。ラダー干渉型波長フィルタの周波数応答はAWG型フィルタと同様にガウス関数型になるため、矩形に近い周波数応答を得ることが困難である。しかし、本実施形態4で用いるラダー干渉型波長フィルタではN個のアレー導波路を経由して従属接続されたラダー干渉計からなる入出力伝達関数を変化させることにより、矩形に近い周波数応答を可能にしている。
図1に示したラダー干渉型波長フィルタで用いる光結合器は、MMI結合器、方向性結合器あるいはMZI結合器いずれの場合も、2×2カプラーであるため、光結合器で干渉する光は片方の出力ポートへ結合し、干渉しない光は残りのポートへ結合する。この場合、干渉する光波長がどちらのポートへ結合するかは光結合器のkに密接な依存性を有する。本実施形態4で用いるラダー干渉型波長フィルタでは、N段目のアレー導波路に接続する光結合器の出力ポートを変化させることにより、平坦性周波数スペクトルを有するラダー干渉型波長フィルタの入出力伝達関数を得ている。
図15(a),(b)及び図16(a),(b)は、図1に示したラダー干渉型波長フィルタの光結合器のバーポートでの特性図で、図15(a)は、光結合器の結合係数kが0.85、図15(b)kが0.72、図16(a)は、kが0.5、図16(b)は、kが0.15の場合の透過特性を示している。つまり、図1に示したラダー干渉型波長フィルタのN段目のアレー導波路に接続された光結合器のkを0.85、0.72、0.5及び0.15に設定したときのバーポートへのλの透過率を表わしている。
比較のために図中の破線で示す波長スペクトル特性は光結合器のkを0.85に設定したときのクロスポートへのλの透過率、つまり、通常のラダー干渉型波長フィルタの波長特性である。バーポートへのλの透過率はkが小さくなるにつれて増大する。この場合、図16(a)に示すように、光結合器のkを適切に設定することによりフィルタスペクトル特性が平坦性を有することが分かる。この場合、シェイプファクタは0.52となり、既存のラダー干渉型フィルタの0.32より1.6倍改善している。但し、図16(a)に示すフィルタスペクトルは平坦性を有するものの、λの透過率は、点線で示す既存のラダー干渉型波長フィルタのλの透過率より5.2dB低いほか、フィルタのクロストークも増大し、消光比も6dB程度と比較的に小さい。また、スペクトルの平坦化に伴い、透過帯から阻止帯への遷移領域が若干広がり、ロールオフの急峻さかが低下する問題がある。
選択波長の透過帯で損失が増大した理由は光結合器のkが大きく、出力ポート(バーポート)へ結合する光成分が減少したことにある。この場合、透過帯での損失を最小化するためには光結合器のkを減少させ、バーポートへ結合する光成分を増大させることが有効であるものの、図16(b)に示すように、スペクトルの平坦性を失う問題が生ずる。これらの問題はN段目のアレー導波路とN−1段目のアレー導波路のラダー干渉計で生じる光路長差のみをN−1段目のアレー導波路までの光路長差より整数倍大きくあるいは小さくすることで改善することができる。
図17は、本発明に係るラダー干渉型波長フィルタの実施形態4を説明するための構成図で、図中符号171は入力導波路、172−1〜172−Nは入力側導波路の光結合器、173−1〜173−Nはアレー導波路、174は出力導波路、175−1〜175−Nは出力側導波路の光結合器を示している。
N段目のアレー導波路のみp×ΔS(pは整数)に相当する過剰な光路長差が設けられ、N段及びN−1段目のラダー干渉計だけN−2段目までのラダー干渉計の光路長差よりp倍大きい過剰光路長差が発生する。つまり、この構成は一番右端のラダーのみ回折次数がp倍高いラダー干渉計である。過剰光路長差が増大する場合、pは正となり、過剰光路長差が減少する場合、pは負となる。
図18は、図17に示したラダー干渉型波長フィルタの平坦性波長スペクトル特性図である。ここでは、回折次数120、アレー導波路数15本(N=15)、λ=1.55μm、14本目と15本目のアレー導波路の光路長差は8×ΔSになっている。出力導波路の光結合器のkは0.15と設定し、バーポートから出力した波長スペクトル特性である。細い点線及び太い点線で示す波長特性はそれぞれ従来のラダー干渉型は波長フィルタ及び図16(a)に示す波長スペクトルである。従来のラダー干渉型波長フィルタの波長スペクトル(細い点線)と比較すると、λの透過率は1dB程度低下したものの、平坦性スペクトル及びロールオフの改善が達成されている。また、シェイプファクタは0.57と見積もられ、従来のラダー干渉型波長フィルタの0.32より約1.8倍大きい。
一方、アレー導波路の光路長差を適正化していない場合(太い点線)と比べると、λの透過率は4dB増大し、ロールオフも急峻になっており、波長フィルタとして特性の改善をしていることが確認できた。
(実施形態5)
図19は、本発明に係るラダー干渉型波長可変フィルタの実施形態5を説明するための構成図で、平坦性波長スペクトルを有する帯域可変ラダー干渉型波長フィルタの構造を表わしている。図中符号191は入力導波路、192−1〜192−Nは入力側導波路の光結合器、193−1〜193−Nはアレー導波路、194は出力導波路、195−1〜195−Nは出力側導波路の光結合器を示している。
実施形態1で説明したラダー干渉型波長フィルタの場合、光結合器のkを制御することにより、帯域可変動作を得ることができたものの、波長スペクトルの平坦性は得られない。本実施形態5に示したラダー干渉型波長可変フィルタでは、平坦性波長スペクトルを保ちながら帯域可変動作を可能にする。上述した実施形態4で説明したように、平坦性波長スペクトルを有するラダー干渉型波長フィルタの出力導波路は、全てのアレー導波路にわたって共有されていない構造である。
つまり、図19に示したラダー干渉型波長可変フィルタの出力導波路は、次のアレー導波路と干渉する光波が伝搬する導波路と空間的に分離されている構造となっているため、N−n段目のアレー導波路本数に値する波長スペクトルを個別に取り出すことができる。この場合、波長スペクトルの出力以降のアレー導波路に接続されている光結合器のkは1に設定(電流注入なし)する必要がある。平坦性スペクトルを有する帯域可変ラダー干渉型波長フィルタの出力ポートは、最大(N−2)個になってしまい、それぞれの光出力を合波する結合器(T×1合波器:Tは出力ポート数)が必要となる。この際、光出力強度は1/T倍に減少してしまい、可変帯域のバリエーションが増えるにつれてラダー干渉型波長フィルタの光出力強度は、大幅に減少することや素子サイズも増大する欠点がある。
図20は、図19に示したラダー干渉型波長可変フィルタの問題を解決したラダー干渉型波長フィルタの構成図で、アレー導波路を伝搬してMZI光結合器で干渉した光波は、N×2個のMZI光結合器を介して出射される。この場合、(N−n)段目のアレー導波路本数に対する透過帯域を有する波長スペクトルはMZI光結合器のkを制御することにより出力ポートから出射することになる。つまり、図20に示す出力ポート側の最初のMZI光結合器のkを0及びそれ以降のkを1に制御すれば、アレー導波路本数に値する平坦性波長スペクトルが得られる。このラダー干渉型波長可変フィルタは、可変帯域のバリエーションと関係なく出力光強度が減少しないことが特徴である。なお、いずれのアレー導波路本数に対する波長スペクトルにおいても同様の経路を伝搬するため、光結合器などで生じる過剰損失も一定になる特徴を有する。
図21は、図20に示したラダー干渉型波長可変フィルタの平坦性波長スペクトル帯域可変特性図で、アレー導波路本数に対する周波数スペクトル特性を示している。MZI光結合器のkを制御することにより、アレー導波路本数に対する帯域可変動作と同時に、フィルタ周波数スペクトルも平坦性を有する。この場合、3dB周波数帯域幅はN=8からN=20まで順次に245(N=8)、190(N=10)、155(N=12)、125(N=15)及び92〔GHz〕(N=20)である。なお、帯域可変動作に伴い、いずれのアレー導波路本数に対しても平坦性スペクトル特性を現すシェイプファクタは0.54と一定であることが確認できた。図20に示す波長フィルタ特性の消光比は12dB程度であり、比較的に小さいが、実施形態1で説明したように、MZI光結合器のkにアポディゼーションを施すことによりラダー干渉型波長フィルタの消光比が増大できることは言うまでもない。
一方、実施形態2で説明したことは、図20に示す実施形態5でも全く同様に適用可能である。従って、数百GHz範囲にわたる可変帯域範囲を有する平坦性周波数スペクトルフィルタも可能になる。
(実施形態6)
図22は、本発明に係るラダー干渉型波長可変フィルタの実施形態6を説明するための構成図で、波長可変動作のために、電極による電流注入構造を設けたラダー干渉型波長フィルタの構造である。図中符号221は入力導波路、221aは入力導波路側の波長可変制御用電極、222−1〜222−Nは入力側導波路の光結合器、223−1〜223−Nはアレー導波路、224は出力導波路、224aは出力導波路側の波長可変制御用電極、225−1〜225−Nは出力側導波路の光結合器を示している。
本実施形態6で用いたエピタキシャル基板の層構造は、上述した図13に示した構造と同じである。波長可変動作は、実施携帯2の場合と同様に、本実施形態6に示したラダー干渉型波長可変フィルタのL及びLの屈折率を変化させることにより得ることができる。また、帯域可変動作は、実施形態5で説明したように、MZI光結合器のkを制御することにより得られる。但し、アレー導波路の過剰光路長差により平坦性波長スペクトルを波長可変動作時、一定に保つためには過剰光路長差を与えているラダー間の電極長を最適化する必要がある。
つまり、上述した電極長を最適化しないと、波長可変動作時に屈折率変化量に比例して波長スペクトル形状が段々崩れると同時に波長スペクトルの平坦性も失ってしまう。この問題は過剰光路長変化分(p×ΔS:pは整数、但しp≠0)に比例して電極長を調整することで解決する。図22に示したフィルタ素子の構造では、過剰光路長変化はMZI光結合器のkを任意の値から1に制御することにより得られる。この場合、それぞれのアレー導波路間をつなぐ入出力導波路側の電極長L及びLを一定に設定すれば、ラダー干渉計を伝搬する光波に過剰光路長変化(p×ΔS)を与えたときの電極長はp×L及びp×Lとなる。従って、波長可変動作時、平坦性波長スペクトル形状を一定に保つことが可能になる。
図23は、図22に示したラダー干渉型波長可変フィルタの波長可変及び帯域可変特性図で、ラダー干渉型波長フィルタの帯域可変及び波長可変動作を示している。この場合、L電極に電流を注入すると、λは短波長側にシフトし、L電極に電流を注入すると、λは長波長側にシフトする。但し、入力導波路から入射した光が伝搬するについて光路長差が減少するラダー干渉計の場合は、L電極に電流を注入すると、λは長波長側にシフトし、L電極に電流を注入すると、λは短波長側にシフトする。この場合、回折次数は120であり、λは1550nmと設定している。図23に示すように、電極L及びLに電流注入を行い、光導波路の実効屈折率を0.18%変化させることにより、1.25THz周波数範囲で波長可変できることが分かる。
なお、MZI光結合器のkを制御することによりアレー導波路本数に相当する平坦性周波数スペクトルの透過帯域が波長可変動作と独立に制御できること及び波長可変動作時に平坦性周波数スペクトルが一定に保たれる(シェイプファクタ=0.54)ことが確認できた。
平坦性周波数スペクトルを有するラダー干渉型波長フィルタは、回折次数だけを変化させれば、帯域可変範囲及び波長可変範囲を数THz及び数十THzまで容易に増大することが可能である。本発明のフィルタ素子の導波路パラメータと全く同様であり、回折次数だけが7と設定されたラダー干渉型波長フィルタの場合、0.22%の屈折率変化で帯域可変範囲及び波長可変範囲はそれぞれ1及び250THzまで増大することが可能である。
本発明に係るラダー干渉型波長フィルタを説明するための構成図である。 図1で示したラダー干渉型波長フィルタの光結合器の光結合率(k)を0.85と設定した場合、アレー導波路本数(N)に対する周波数スペクトル特性を示す図である。 2つの3dBMMI結合器を含むMZIの構造図である。 図3に示したMZIの光結合器の屈折率変化領域での屈折率変化量に対する結合係数を示す図である。 本発明のラダー干渉型波長フィルタの実施形態1を説明するための構成図である。 図5に示したラダー干渉型波長フィルタの帯域可変特性図である。 図3に示したMZIの光結合器のアポディゼーションを施したラダー干渉型波長可変フィルタの構成図である。 図7に示したラダー干渉型波長フィルタの帯域可変特性図である。 実施形態2に係るラダー干渉型波長フィルタのアレー導波路本数における周波数帯域特性図である。 本発明に係るラダー干渉型波長フィルタの実施形態2を説明するための構成図である。 図10に示したラダー干渉型波長フィルタの帯域可変特性図である。 本発明に係るラダー干渉型波長フィルタの実施形態3を説明するための構成図である。 図12に示したラダー干渉型波長可変フィルタのエピタキシャル基板の層構造を示す図である。 図12に示したラダー干渉型波長フィルタの波長可変特性図である。 図1に示したラダー干渉型波長フィルタの光結合器のバーポートでの特性図で、(a)は光結合器の結合係数kが0.85、(b)はkが0.72の場合の透過特性を示している。 図1に示したラダー干渉型波長フィルタの光結合器のバーポートでの特性図で、(a)は、kが0.5、(b)は、kが0.15の場合の透過特性を示している。 本発明に係るラダー干渉型波長フィルタの実施形態4を説明するための構成図である。 図17に示したラダー干渉型波長フィルタの平坦性波長スペクトル特性図である。 本発明に係るラダー干渉型波長可変フィルタの実施形態5を説明するための構成図である。 図19に示したラダー干渉型波長可変フィルタの問題を解決したラダー干渉型波長フィルタの構成図である。 図20に示したラダー干渉型波長可変フィルタの平坦性波長スペクトル帯域可変特性図である。 本発明に係るラダー干渉型波長可変フィルタの実施形態6を説明するための構成図である。 図22に示したラダー干渉型波長可変フィルタの波長可変及び帯域可変特性図である。 従来の帯域可変波長フィルタの構造を概念的に示す説明図で、AWG型帯域可変波長フィルタを示す図である。 従来の帯域可変波長フィルタの構造を概念的に示す説明図で、リング共振型帯域可変波長フィルタを示す図である。 従来の帯域可変波長フィルタの構造を概念的に示す説明図で、トランスバーサル型帯域可変波長フィルタを示す図である。
符号の説明
11,51,71,101,121,171,191,221 入力導波路
12−1〜12−N,52−1〜52−N,72−1〜72−N,102−1〜102−N,122−1〜122−N,172−1〜172−N,192−1〜192−N,222−1〜222−N 入力側導波路の光結合器
13−1〜13−N,53−1〜53−N,73−1〜73−N,103−1〜103−N,123−1〜123−N,173−1〜173−N,193−1〜193−N,223−1〜223−N アレー導波路
14,54,74,104,124,174,194,224 出力導波路
15−1〜15−N,55−1〜55−N,75−1〜75−N,105−1〜105−N,125−1〜125−N,175−1〜175−N,195−1〜195−N,225−1〜225−N 出力側導波路の光結合器
31 光導波路
31a 屈折率変化領域
32 3dB結合器
121a,221a 入力導波路側の波長可変制御用電極
124a,224a 出力導波路側の波長可変制御用電極
131 InP基板
132 n型InP層
133 GaInAsP層(λg=1.4μm)
134 p--InP層
135 p+-InP層
136 p+-InGaAs層

Claims (5)

  1. 第1及び第2の端部を有する入力導波路であって、前記第1の端部は光が入射される入射端である入力導波路と、
    第3及び第4の端部を有する出力導波路であって、前記第4の端部は光が出射される出射端である出力導波路と、
    前記入力導波路に一定の間隔で配置されたN個(Nは2以上の自然数)の光結合器で構成された第1の組の光結合器と、
    前記出力導波路に一定の間隔で配置されたN個の光結合器で構成された第2の組の光結合器と、
    前記第1の組の光結合器を構成する各光結合器と前記第2の組の光結合器を構成する各光結合器とを、前記入力導波路の前記入射端および前記出力導波路の前記第3の端部の側から、前記入力導波路の第2の端部および前記出力導波路の前記出射端の側にかけて順次一対一に接続するN個のアレー導波路と
    を備え、
    前記N個のアレー導波路の長さは、前記入力導波路の前記入射端および前記出力導波路の前記第3の端部の側から、前記入力導波路の第2の端部および前記出力導波路の前記出射端の側にかけて、順番に同じ長さの差で増加あるいは減少し、
    前記第1および第2の組の光結合器を構成する各光結合器として結合率可変カプラを用いることにより、フィルタ帯域が可変できるようにしたことを特徴とする波長フィルタ。
  2. 熱、電圧引加あるいは電流注入により、前記入力導波路及び出力導波路の屈折率を変化させることで選択波長が可変で、かつ選択波長可変動作及び帯域可変動作を独立に行うことができるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の波長フィルタ。
  3. N段目のアレー導波路と(N−1)段目のアレー導波路との間の光路長差のみを前記同じ長さの差より整数倍(0倍および1倍を除く。)大きくあるいは小さく設定することにより、フィルタ周波数スペクトル特性が平坦性を有することを特徴とする請求項1に記載の波長フィルタ。
  4. 前記結合率可変カプラを用いることにより、平坦性フィルタスペクトル特性を保ちながら、選択波長の透過帯域が可変できるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の波長フィルタ。
  5. 請求項3又は4に記載の波長フィルタにおいて、熱、電圧引加あるいは電流注入により、前記入力導波路及び出力導波路の屈折率を変化させることで選択波長が可変で、かつ屈折率変化領域長をアレー導波路間の光路長差に比例し調整することにより波長可変動作の際に平坦性スペクトル波長特性が一定に保てること、及び選択波長可変動作及び帯域可変動作を独立に行うことができるようにしたことを特徴とする波長可変フィルタ。
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