JP4632359B2 - せん断加工装置を具備するプレス機械 - Google Patents

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本発明は、連続素材をせん断加工してプレス加工用の単品素材を形成するためのせん断加工装置を具備するプレス機械に関する。
外部から搬入(供給)された単品素材(ブランク)に選択されたプレス加工(例えば、絞り,圧造,打抜き)を施すプレス機械では、前方に、ブランク供給装置あるいはせん断加工装置が付設されている。ブランク供給装置は、複数の単品素材を収容可能でかつ一つずつ送り出し可能である。せん断加工装置は、送り込まれた連続素材(棒材,帯状板材等)をせん断加工してプレス加工用の単品素材を形成する。形成された単品素材は、ブランク搬入手段を用いてプレス機械の最初のステージ(金型)に搬入される。
従来のせん断加工装置は、固定刃に対して可動刃を相対移動させてせん断加工を行なう構造であるから、単なる収納容器的なブランク供給装置の構造に比較して、せん断加工部自体の構造が複雑かつ大型である。また、プレス機械のクラウン内に装着された駆動源(例えば、メインモータ乃至メインシャフト)と可動刃用駆動軸との間に構造複雑な動力伝達機構(歯車列,連結桿,カム駆動部,カム等)を介装しなければならない。
また、せん断加工装置の駆動動力をプレス機械の駆動源(メインシャフト回転動力)から取っているので、プレス機械の駆動速度(メインシャフトの回転速度)が通常駆動速度(プレス加工運転中)に比較して低速度(例えば、試打ち運転中)に切替えられた場合には、せん断加工速度が遅くなる。つまり、単品素材のせん断加工面の品質・精度(直角度,バリ,粗さ等)が低下するという問題がある。
この点に関しては、せん断加工速度の低速化防止を第1義とする圧造形成装置が提案(例えば、特許文献1を参照)されている。この提案装置は、副駆動源を含む可動刃用の副駆動機構を設けかつ副駆動機構が主駆動源を含む可動刃用の主駆動機構に優先して動作可能に構築された副駆動機構優先作動構造である。ブランク供給手段として用いる場合には、圧造形成装置は従来せん断加工装置の場合と同様にプレス機械の前方に設置される。
特開2003−220443公報
ところで、かかる提案装置は、単品素材の仕上げ精度の観点に着目すれば、上記した従来せん断加工装置の場合に比較してせん断加工速度の超高速化も可能であるから、例えば超高精度な単品素材を必要とする格別的で例外的な場合に適用できると想われる。しかし、運用の実際(普及拡大)の観点からすると、普遍的な装置小型化および低コスト化の要請に応えられず、装置コスト高も招くのでプレス機械用としては受入れ難いとの指摘がある。また、優先作動用のタイミング設定やインターロック導入による取扱い上の煩わしさがある。メンテナンス作業の短期化という問題もある。
だからと言って、上記した従来せん断加工装置のままでは、せん断加工速度の絶対値をプレス駆動速度(メインシャフトの回転速度)に対応するせん断加工速度以上に大きくすることはできない。つまり、単品素材の品質低下を避けられない場合がある。また、プレス機械の一段の小型化要請に応えられなくなってしまう。
本発明の目的は、せん断加工速度の高速化を図りつつ装置小型化を達成できるせん断加工装置を具備するプレス機械を提供することにある。
上記の提案装置によれば、駆動源の駆動(回転)速度がプレス速度(例えば、spm10)に対応する通常駆動速度(rpm10)よりも低速度[rpm1=rpm10×(1/10)]に切替えられた場合でも、せん断加工速度の値を駆動速度(rpm1)に対応する低速度(Srpm1)でなく、副駆動源および副動力伝達機構を用いることによって通常駆動速度(rpm10)に対応する通常せん断加工速度の値(Srpm10)と同じ値に優先的かつ強制的に切替え可能であるとされている。
換言すれば、上記した従来せん断加工装置において、副駆動源および副動力伝達機構を設けることなく、つまり主駆動源を利用した構造でかつ主駆動源の低速度(rpm1)時におけるせん断加工速度の絶対値を通常駆動速度(rpm10)に対応する通常せん断加工速度の絶対値(Srpm10)と同じ値以上にすることができるならば、その従来問題点(低速度時のせん断加工速度の低下)を払拭しつつ装置の小型化等を促進できる筈である。
ここに、本発明は、(1)プレス機械では主駆動源の駆動速度が設定プレス速度(spm)に相当する値(rpm)に一定であっても、スライドの下降速度(Vspm)は一定ではないこと、つまり、例えば図9に示すスライドモーションのように下死点近傍での低速度(Vspml)域、その手前の高速度(Vspmh)域および当該駆動速度(spm)に対応する平均的速度域(Vspmm)等の組合せから成立されていること。(2)連続素材の材質が一般的なものである限りにおいて、せん断加工速度の絶対値には実用的上限値があり、むやみに超高速化する必要はないこと。(3)スライドを用いて駆動可能に構築することができるならば、従来の動力伝達機構(例えば、歯車列,連結桿,カム駆動部,カム等)の場合に比較して、動力伝達機構を大幅に構造簡単化かつ小型化でき、結果としてプレス機械全体の構造簡素化および小型化に有効である、とともに提案装置の場合に比較して電気的インターロック等を設けなくても完全同期運転を確実に行なえること。等のプレス機械に固有な技術事項に着目して創造されたものである。
つまり、本発明は、せん断加工装置の動力伝達機構をスライドの上下運動に同期連動しかつ増速機能を発現可能な増速リンク機構から形成したことを特徴とする。
すなわち、請求項1の発明に係るせん断加工装置を具備するプレス機械は、せん断加工により連続素材からプレス加工用の単品素材を形成するためのせん断加工装置を具備するプレス機械であって、せん断加工装置が、本体ブロックに固定された固定刃とこの固定刃に対して上下動可能に装着された可動刃とを含みかつ可動刃の下降運動によりせん断加工可能に形成されたせん断加工部と、本体ブロックに装着された支持ピンに近い方の原動節要素と遠い方の従動節要素とを有するリンクレバーを含み全体として支持ピンを中心に回動可能かつ増速機能を発現可能な増速リンク機構と、原動節要素に係合しつつスライドの下降運動に伴う原加圧力をリンクレバーに伝達可能としてスライドに取付けられた原加圧ブロックと、従動節要素に係合しつつリンクレバーの回動運動に伴う下向き従加圧力を可動刃に伝達可能な従加圧ブロックを有し、原加圧ブロックと原動節要素とが係合状態であるせん断加工領域内において、スライド下降運動に同期する増速リンク機構の連動運動により従動節要素の下降速度をスライド下降速度よりも速い速度に増速可能かつ増速後の高速度で下降運動する従動節要素から可動刃に加えられる従加圧力を利用しつつせん断加工可能に形成され、しかも、原動節要素が支持ピンと従動節要素とを結ぶ軸線に沿う方向に変位可能としてリンクレバーに装着され、原動節要素の原加圧ブロックに対する水平方向の絶対位置を調整することによりせん断加工領域の範囲を設定変更可能に形成されている、ことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、基本的構成が請求項1の発明の場合と同様とされかつ原動節要素の垂直方向の位置調整によりせん断加工領域を規定するせん断加工開始位置を設定変更可能に形成されている。
さらに、請求項3の発明は、基本的構成が請求項1の発明の場合と同様とされかつ複数の増速リンク機構を組合せた構造とされ、請求項4の発明は、基本的構成が請求項1の発明の場合と同様とされかつ原動節要素を形成する原動節ピンと原加圧ブロックとが面係合可能に形成されている。請求項5の発明は、請求項1〜4のせん断加工装置を具備するプレス機械に係る当該各本体ブロックがプレス機械の一部を構成するダイセット等から形成されている。
請求項1の発明によれば、せん断加工速度の高速化と装置小型化とを同時に達成でき、プレス加工運転に完全同期させたせん断加工運転を安定かつ確実に行なえかつ低速度なプレス駆動速度(rpm)への切替えに拘わらず単品素材の高品質を担保することができる。プレス機械全体としてのコスト低減も図れる。しかも、連続素材のせん断加工方向の寸法変化に対する適応性を拡大できる。
また、請求項2の発明によれば、請求項1の発明の場合と同様な基本的な効果を奏することができ、さらに連続素材の上下方向セット位置変化に対する適応性を拡大できる。
さらに、請求項3の発明によれば、請求項1の発明の場合と同様な基本的な効果を奏することができ、さらに高剛性・大型化を回避しつつ選択されたスライド下降速度に対応するせん断加工速度を一段と高速化できるとともに可動刃の上下動ストロークを短縮することができる。請求項4の発明によれば、請求項1の発明の場合と同様な基本的な効果を奏することができ、さらに原加圧ブロックと原動節要素との安定した係合状態を担保できかつ原動節要素の変形・磨耗等を軽減できる。また、請求項5の発明によれば、請求項1から請求項4までの各発明の場合に比較して、例えばセットされた金型乃至連続素材に最適なせん断加工速度への切替えが容易である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
本プレス機械10は、図1〜図3に示す如く、せん断加工により連続素材90からプレス加工用の単体素材91を形成可能なせん断加工装置30を具備する構造である。せん断加工装置30は、せん断加工部31と増速リンク機構51と原加圧ブロック12と従加圧ブロック61を有し、せん断加工領域内において、スライド11の下降運動に同期する増速リンク機構51の連動運動により従動節ピン57の下降速度をスライド下降速度よりも速い速度に増速可能かつ増速後の高速度で下降運動する従動節ピン57から可動刃35に加えられる従加圧力を利用しつつせん断加工可能であるとともにせん断加工領域設定変更手段100を設けて連続素材90のせん断加工方向の寸法変化に対する適応性を拡大可能に形成されている。なお、せん断加工領域設定変更手段100の詳細に関しては、段落0047の基本的な作用・動作を説明した以降で説明する。
図1〜図3において、プレス機械10は、図示しないメインモータ(駆動源)で回転駆動されるクランク機構[クランク軸(偏心部),コンロッド等]を介して、図1,図2に示すスライド11を上下方向に往復運動させることができる。スライド11には図示しない金型(上型)が取付けられている。また、スライド11の上下往復運動は、図9に示すモーションカーブ(クランク角度θ―スライド位置Pカーブ)に従う。
このモーションカーブに着目すれば、駆動源の回転駆動速度が設定されたspm(1分間当りのスライドストローク回数)に対応する一定の値(rpm)であっても、スライド速度は設定spmに相当する平均的速度(Vspmm)のみならず、クランク角度θ(スライド位置P)によって高速度(Vspmh)および低速度(Vspml)に変化するものと理解される。増速リンク機構51との関係についての詳細は後記する。
図1において、プレス機械10の一部を構成するダイセット21は、図示しない公知のベッド(またはボルスタ)に着脱自在である。ダイプレートを介する場合もある。このダイセット21には下型(金型)が取付けられる他、この実施の態様ではせん断加工装置30の一部を構成する本体ブロック(21)としても利用される。つまり、プレス機械10にせん断加工装置30を一体的に組込(具備)ための作業の容易化を図りつつ装置小型化を促進するための手段でもある。このダイセット21には、図1,図2に示す上下方向に延びる可動刃移動用空間(穴部)23と、図3に示すブロック移動用空間(穴部)22が設けられている。
さて、せん断加工装置30の主要部であるせん断加工部31は、図1に示す本体ブロック(ダイセット21)に固定された固定刃32(32U,32D)とこの固定刃32に対して上下動可能に装着された可動刃35とを含み、可動刃35の下降運動によりかつ固定側の固定刃32との協働により連続素材90をせん断加工して、単品素材(ブランク)91を得ることができる。
両刃32,35の構造・形態は特に限定されるものではないが、固定刃32は、送り込み手段(図示省略)によって所定方向(図1で右方向から左方向)に送り込まれて来た連続素材90を貫通可能な隙間を隔てて対向配設された上刃32Uと下刃32Dとから形成され、連続素材90の先端側の安定保持ができる。つまり、せん断加工を円滑・確実に行なうことができる。連続素材90の材料・形態等も限定されないが、この実施の形態では金属長寸丸棒である。帯状板材,中空棒状材等であってもよい。
この実施の形態では、予め本体ブロック(ダイセット21)に金型(下型)とこれに対応する固定刃32とを取付けてある。金型交換のためにダイセット21を交換すると、当該金型でのプレス加工対象ブランク(単品素材91)つまり連続素材90の形態に対応する形態の固定刃32(32U,32D)に自動的に交換することができる。なお、本体ブロックは、ダイセット21に代え、ダイセットプレートやプレス機械10の静止側部材(本体フレーム等)をもって形成してもよい。
図2の右方向から送り込まれて来た連続素材90の先端は、固定刃32U,32D間の隙間を通過(貫通)した後に、素材位置規制部材(ストッパー)75に当接される。連続素材90の水平方向の位置規制をすることで、単品素材(短寸丸棒)91の長さ(寸法)を一定に保てる。なお、固定刃32U,32Dは、連続素材90の位置規制前後に離隔接近可能に形成されたものでもよい。この点に関しては、可動刃35U,35Dの場合も同様に形成してもよい。
但し、この実施の形態では固定刃32の場合と同様に、可動刃35は固定刃32側から送り込まれて来た連続素材90を貫通可能な隙間を隔てて対向配設された上刃35Uと下刃35Dとから形成され、可動刃定位置保持手段80に装着(保持)されている。
この可動刃定位置保持手段80は、少なくてもせん断加工領域内では従動節ピン57側からの下向き加圧力に抗する上向き反力(付勢力)を維持しつつ可動刃35の下降運動を許容する、とともに単品素材91がプレス機械10の第1ステージ側に搬入された後でかつリンクレバー52が図1に示す初期(水平)状態に戻った後に、可動刃35Dを定位置(図1に示す位置)に戻す機能を有する。
かくして、可動刃定位置保持手段80は、バネ機構,昇降手段等を利用して構築すればよい。この実施の形態では、図1に示すシリンダ装置(シリンダ81,ピストンロッド82)から形成され、ピストンロッド82の上端部にホルダー63の下端部が連結されている。
本発明の特徴的な増速リンク機構51は、前述した従来動力伝達機構(例えば、歯車列,連結桿,カム駆動部,カム等)に代わる新規な動力伝達機構を構成するもので、本体ブロック(ダイセット21)に装着された支持ピン(支持軸)53に近い方の原動節要素(原動節ピン55)と遠い方の従動節要素(従動節ピン57)とを有するリンクレバー52を含み、全体として支持ピン53を中心に回動可能かつ増速機能を発現可能に形成されている。
図1,図3において、リンクレバー52は1対のリンクレバー要素52L,52Rから形成されている。リンクレバー全体(52)の十分な剛性を担保しつつ、一層の軽量化を企図する。各リンクレバー要素52L,52Rの対応する各位置には、支持ピン用穴52S,原動節ピン用穴52G,従動節ピン用穴52Jがそれぞれに設けられている。
支持ピン53は、左右の支持ピン用穴52Sに嵌装され、対向するリンクレバー52L,52R間に延在する。この支持ピン(支持軸)53は、左右1対のベアリングブロック25L,25Rに渡設されている。かくして、リンクレバー52は、支持ピン53を中心として回動自在である。なお、カラー54はリンクレバー要素52L,52Rの間隔一定化のために介装されている。
両原動節ピン用穴52G間には、原動節ピン55が嵌装されている。この原動節ピン55は、リンクレバー要素52L,52Rの両下端に渡設された補助プレート56Pおよび補助ブロック56Bを用いて、リンクレバー52(52L,52R)に一体的に固着されている。補助ブロック56Bは、リンクレバー要素52L,52Rの内壁面間に位置する補助プレート56Pの上面に固着されている。したがって、下向きの原加圧力が加えられても、原動節ピン55が下方向に大きく変形することがないから、原加圧力を従動節ピン57側に効率よく伝達でき、機械部品(55)の長寿命化の観点からも有効である。
すなわち、リンクレバー52が支持ピン53に対向配設された1対のリンクレバー要素52L,52Rから形成され、原動節要素が両リンクレバー要素間に延在(渡設)された原動節ピン55から形成されている。そして、原動節ピン55の上方側が原加圧ブロック12の下端面(平面)12Dに対向する平面形状(上端面55U)とされかつその下方側が両リンクレバー要素(52L,52R)間に渡設された補助ブロック56Bに一体的に係止されている。
従動節ピン用穴52J間には従動節要素を形成する従動節ピン57が嵌装され、従動節ピン57のリンクレバー要素52L,52R間に従動ローラ58が被嵌されている。
ここに、支持ピン53と原動節ピン55との中心間距離をLs(例えば、"1")、支持ピン53と従動節ピン57との中心間距離をLl(例えば、"4")とすれば、4倍「=(Ll/Ls)」の増速機能を発現できる。因みに、図9に示すモーションカーブ上において、例えば、高速度(Vspmh)の値が平均的速度(Vspmm)の値の4倍になるクランク角度(θ)範囲つまりスライド位置(P)範囲をせん断加工領域に選択しておけば、当該せん断加工速度(Sspm)は平均的速度(Vspmm)の16(=4×4)倍になる。
原加圧ブロック12は、スライド11の下面に取付けられかつ実質的に当該スライド11の一部を形成するものであり、原動節要素(原動節ピン55)に係合しつつスライド11の下降運動に伴う下向き原加圧力をリンクレバー52に伝達可能である。係合面を形成する下端面(平面)12Dに対応させて、原動節ピン55の上方側を平面形状(上端面55U)に加工してある。かくして、スライド11からの原加圧力を、密接係合する両面12D,55Uを介して、リンクレバー52に確実に伝達することができる。両面12D,55Uは水平方向に円滑に相対変位(移動)できる。
スライド11が下降するほどに、リンクレバー52が支持ピン53を中心に時計回転方向に回転(右回転)するので、上端面(平面)55Uは下端面(平面)12Dに対して図1で左方向に移動(変位)することになる。この実施の形態では、単品素材91のせん断加工終了以降は、上端面(平面)55Uの図1で右側が下端面(平面)12Dの左側に移動(離反)されるから、スライド11の原加圧力はリンクレバー52に加わらずかつスライド11は下死点に向かって下降運動することができる。この際、原加圧ブロック12は、ブロック移動用空間22内を移動(通過)できるから、スライド11の円滑な下降運動を担保できる。
次に、従加圧ブロック61は、従動節要素(従動節ピン57)に係合しつつリンクレバー52の支持ピン53を中心とする回動運動に伴う下向き従加圧力を可動刃35に伝達可能である。この実施の形態では、従加圧ブロック61は、摺動ガイド(図示省略)に摺動自在に嵌装されたホルダー63とヘッド62から形成されている。
従動ローラ58の下端面(平面)58Dを、ヘッド62の上端面(平面)62Uと対応する平面形状に形成してある。したがって、リンクレバー52(従動節ピン57)からの下向き従加圧力を、密接係合する両面58D,62Uを介して、ヘッド62(ホルダー63)側に確実に伝達することができる。
なお、ヘッド62は可動刃定位置保持手段80の上向き反力(付勢力)により上方へ付勢されているので、従動ローラ58を従動節ピン57に回転可能に被嵌装着させておけば、せん断加工領域内でリンクレバー52が傾斜しても両係合面58D,62Uの密接状態を維持することが可能となる。
ここで、せん断加工領域とは、原加圧ブロック12(12D)と原動節要素[原動節ピン55(55U)]とが密接係合している状態(範囲)を意味する。つまり、図1に示す如く、下降して来た原加圧ブロック12(12D)が原動節ピン55(55U)に係合した状態が可動刃35によるせん断加工開始位置であり、上端面55Uの右側が下端面12Dの左側に移動(離反)した状態がせん断加工終了位置である。
ただし、この実施の形態では、単品素材91のプレス機械(第1ステージ)との関係における取扱い上の便宜のために、可動刃35(単品素材91)を図2に示す位置(せん断加工位置よりも低い位置。)まで下降させるものと形成してある。
この意味において、せん断加工領域は、せん断加工終了時位置よりも下方の位置まで拡大された広範囲(領域)つまり本来のせん断加工領域よりも拡大された領域となっている。因みに、図1において、原動節ピン55(55U)を原加圧ブロック12(12D)に対して左側に位置調整しておくことで、両者(12D,55U)の係合状態を早めに解除可能にすれば、せん断加工終了時位置を本来的なせん断加工終了時位置に合わせることができる。
せん断加工領域を通過した場合は、原動節ピン55が原加圧ブロック12の左側端面12Sを滑る状態つまりリンクレバー52の回動が不能となりリンクレバー52が図2示す傾斜姿態となるので、原加圧ブロック12のさらなる降下を妨げない。なお、スライド11が上死点側に上昇移動に伴って原加圧ブロック12が図2に示す位置よりも上方に上昇移動すると、リンクレバー52は、復帰用バネ71の働きで時計回転方向と逆の方向に回転(左回転)し、図1に示す初期状態(水平状態)に復帰される。初期状態(姿態)は、復帰用バネ71とストッパー72との協働により維持される。
次に、この実施の形態の基本的な構成に関する作用・動作を説明する。
図1において、スライド11の下降運動に伴って原加圧ブロック12の下端面12Dが原動節ピン55の上端面55Uに当接(係合)する。せん断加工が開始される。つまり、原加圧ブロック12が下降すると、リンクレバー52は支持ピン53を中心に右回転する。すると、従動節ピン57(従動ローラ58)が従加圧ブロック61(ヘッド62)に下向きの従加圧力を加えるので、可動刃35が下降運動し固定刃32との関係で連続素材90をせん断加工する。可動刃定位置保持手段80(80C)は、可動刃35の下降運動を許容する。
原加圧ブロック12(12D)が相対的に左方向に移動しかつ原動節ピン55(55U)から離反して係合状態が解かれると、リンクレバー52に原加圧力が加わらなくなる。離反後の原加圧ブロック12はブロック移動用空間22内を下降するので、スライド11の下降運動を妨げない。この段階では、原動節ピン55が原加圧ブロック12の左側端面12Sに位置拘束されている。復帰用バネ71の付勢力があっても、リンクレバー52は図2に示す傾斜した状態に維持される。
図2において、従動節ピン57(従動ローラ58)が従加圧ブロック61(ヘッド62)から離れて係合状態が解かれると、従加圧ブロック61に従加圧力が加わらなくなるので、せん断加工が終了する。せん断加工により形成されたブランク(短寸丸棒)91は、所定位置において、搬入手段によりプレス機械10の第1ステージに搬入される。第1ステージは、図2において紙面に垂直な方向で奥行側に設けられている。
スライド11がプレス加工終了しかつ下死点から上死点に向かって上昇運動を開始すると、原加圧ブロック12も同期して上昇する。スライド11(下端面12D)が図2に示す位置よりも上昇すると、原動節ピン55の左側端面12Sによる位置拘束が解除されるので、復帰用バネ71の働きでリンクレバー52は支持ピン53を中心に左回転し、ストッパー72に位置拘束される。つまり、図1に示す初期状態に戻る。
その後に、可動刃定位置保持手段80が働き、可動刃35を上昇させ定位置(図2を参照)に戻す。ヘッド62(62U)は従動ローラ58(58D)に当接する。引き続き、連続素材90の先端が素材位置規制部材75に当接するまで押し込まれる。その後に、スライド11が次工程のために下降運動をする。
ここに、駆動源の駆動速度(回転速度)が設定プレス速度(例えば、spm10)に対応する一定の値(rpm10)で、当該時の平均的スライド速度がVspm10である場合を考える。従来動力伝達機構(例えば、歯車列,連結桿,カム駆動部,カム等)では、駆動速度がrpm10であると、当該せん断加工速度は通常せん断加工速度はSspm10であり、単品素材91の品質は良好である。
特許文献1では、従来動力伝達機構を前提とするので、試し打ちの場合(spmがspm1)のように駆動速度(回転速度)が低速度[rpm1=rpm10×(1/10)]に設定変更されると、せん断加工速度が通常せん断加工速度(Srpm10)の1/10の低速度(Srpm1)に落ちてしまう。つまり、せん断加工後の単品素材91の品質が劣悪化する。かくして、主駆動源とは別個の副駆動源および副動力伝達機構を設け、副駆動源を用いて強制的にSrpm10相当以上に高める策が採られている。しかるに、本発明によれば、動力伝達機構を駆動源で直接駆動するのでなくスライド駆動機構(モーションカーブ)を介して駆動するものと構築されているので、上記した駆動速度(回転速度)が低速度(rpm1)の場合であっても、せん断加工速度を通常せん断加工速度(Srpm10)以上とした運転ができる。なぜならば、試し打ち(spm1)のように平均的スライド速度が駆動速度(rpm1)に相当するVspm1である場合でも、図9に示したように、例えば3倍の高速度(Vspmh=Vspm×3)でリンクレバー52(原動節ピン55)に入力しかつこの増速リンク機構51を介して例えば4倍速として従動節ピン57に出力させることができるから、結果として12(=3×4)倍の速度Sspm(=Vspm×12)でせん断加工することができる。
ここに、せん断加工領域設定変更手段100は、原動節要素(原動節ピン55の中心)が支持ピン53と従動節要素(従動節ピン57の中心)とを結ぶ軸線(X…図6を参照)に沿う方向に変位可能としてリンクレバー52に装着され、原動節ピン55の原加圧ブロック12に対する水平方向の絶対位置(せん断加工終了位置)を調整することによりせん断加工領域の範囲を設定変更可能に形成されている。図6において、せん断加工領域設定変更手段100は、テーパーガイド部材109,テーパーブロック101および位置調整ボルト102等から形成されている。テーパーガイド部材109は、軸線(X)方向に離隔しかつ上方狭幅(下方広幅)形態を形成するテーパーガイド面109KL,109KRを有しかつ全体としてリンクレバー52L(および52R)に取付けられている。テーパーガイド面109KL,109KR間には、可動型補助ブロック56BSがX方向に変位(移動)自在に装着される。原動節ピン55は可動型補助ブロック56BSに同期変位可能に固定されている。左側テーパーブロック101Lの右側の垂直面は可動型補助ブロック56BSの左側の垂直面に係合しかつ左側のテーパー面101KLはテーパーガイド面109KLに係合する。右側テーパーブロック101Rの左側の垂直面は可動型補助ブロック56BSの右側の垂直面に係合しかつ右側のテーパー面101KLはテーパーガイド面109KLに係合する。リンクレバー56L(および56R)に取付けられた補助プレート56PRには、位置調整ボルト102L,102Rと螺合する雌ネジ部56PRSL,56PRSRが設けられている。各位置調整ボルト102L,102Rの基端部には調整操作部104L,104Rが設けられ、先端部103L,103Rは対応するテーパーブロック101L,101Rに回動可能かつ上下方向に変位不能に取付けられている。なお、105は締付ナットで、図6では位置調整ボルト102L側のみに設けてある。両側に設けてもよい。
かくして、締付ナット105を緩めてから、6角レンチを用いて位置調整ボルト102Lを操作しつつテーパーブロック101Lを上昇(下降)させかつ位置調整ボルト102Rを操作しつつテーパーブロック101Rを下降(上昇)させれば、可動型補助ブロック56BS(原動節ピン55)を右方向(左方向)に変位させることができる。原動節ピン55を左方向に変位させれば、原加圧ブロック12と上端面55Uの右端との係合解除(離反)が早まる。つまり、図9に示すスライド位置(せん断加工終了位置)Pilを上げることになる。反対に、原動節ピン55を右方向に変位させれば、原加圧ブロック12と上端面55Uの右端との係合解除(離反)が遅くなる。つまり、図9に示すスライド位置(せん断加工終了位置)Pilを下ることになる。したがって、図9に示すスライド位置(せん断加工開始位置)Pihが一定であるから、せん断加工領域の範囲(ストローク)[Pih〜Pil]を狭めあるいは広げることができる。位置調整後に、締付ナット105を締めつけて、テーパーブロック101Lを位置固定する。これにより、可動型補助ブロック56BS(原動節ピン55)およびテーパーブロック101Pの左右方向の位置を固定することができる。なお、第2,第3の実施の形態に、このせん断加工領域設定変更手段100を設けて各せん断加工領域(範囲)を設定変更可能に形成することができる。
しかして、この実施の形態によれば、原加圧ブロック12と原動節ピン55とが係合状態であるせん断加工領域内において、スライド11の下降運動に同期する増速リンク機構51の連動運動により従動節ピン57の下降速度をスライド下降速度よりも速い速度に増速可能かつ増速後の高速度で下降運動する従動節ピン57から加えられる従加圧力を利用しつつせん断加工可能に形成されているので、せん断加工速度の高速化と装置小型化とを同時に達成でき、プレス加工運転に完全同期させたせん断加工運転を安定かつ確実に行なえる。しかも、連続素材90のせん断加工方向の寸法変化に対する適応性を拡大できる。連続素材90の径寸法が大きくなる場合は、ストローク(Pih〜Pil)を広げることで完全切断することができる。また、駆動速度(rpm)の低速度への切替えに拘わらず単品素材91の高品質を担保することができる。プレス機械(10)全体としてのコスト低減を図れる。
また、動力伝達機構(増速リンク機構51)を本体ブロック(ダイセット21)に一体的に組込みできるから、プレス機械10の前方(図2で紙面に手前)にせん断加工装置専用の配設場所を必要としていた従来動力伝達機構の場合に比較して、機器設置スペースを大幅に縮小化でき、レイアウト上および取扱い上の煩わしさを軽減できる。
一方において、駆動速度(rpm)が一定の場合には、従来例の場合に比較して、例えば10倍以上のせん断加工速度を選択設定することで、一段と高精度な単体素材91を得ることも可能で有る。
また、原動節要素(原動節ピン)と原加圧ブロック12とが面係合可能に形成されているから、原加圧ブロック12と原動節要素(55)との安定した係合状態を担保できかつ原動節要素の変形・磨耗等を軽減できる。
さらに、本体ブロック12がプレス機械10の一部を構成するダイセット21から形成されているので、例えば交換セットされた新たな金型に最適なせん断加工速度への切替えが容易である。
(第2の実施の形態)
この実施の形態は、図4に示す如く、増速リンク機構51の複数(2)台を、前置された増速リンク機構51Aの従動節要素(リンク右上部端57A)が後置された増速リンク機構51Bの原動節要素(原動節ピン55)に係合可能状態として原加圧ブロック12と従加圧ブロック61との間に直列配置してなる。なお、3台以上の増速リンク機構を用いて構築することができる。
第1の実施形態のように1台の増速リンク機構51で、例えば12倍の増速を得ようとすると、リンクレバー52(52L,52R)が長大となってしまう。すると、増速リンク機構51の剛性を全体的に非常に大きくする必要があるので、装置大型化,コスト高および動作不安定化の不利がある。また、可動刃35の上下動ストロークも過大(長大)化するので、本体ブロック(ダイセット21)の大型化つまりはプレス機械10の大型化を招く。この第2の実施形態は、かかる不利を一掃するために有益である。
3倍増速型の前置増速リンク機構51Aは、第1の実施形態の場合(図1)に比較して、原動節ピン55を支持ピン53の左側下方に設けかつ従動節要素がリンクレバー52L(52R)の右上部端57Aから形成されている。なお、従動節要素は両リンクレバー52L,52R間に渡設したピン部材や板部材から形成してもよい。リンクレバー52は、スライド11(原加圧ブロック12)の下降に伴い支持ピン53を中心に左回転するので、従動節要素57Aは上昇する。
後置増速リンク機構51Bは、第1の実施形態の場合(図1)に比較して、原動節ピン55を支持ピン53の左側上方に設けられている。従動節要素(従動節ピン57)は、図1の場合と同様にリンクバー要素52Bの右側に設けられている。4倍増速型である。リンクレバー52は、スライド11(原加圧ブロック12)の下降に伴い支持ピン53を中心に右回転するので、従動節ピン57(従動ローラ58)は下降する。これにより、せん断加工速度を平均的スライド速度の12倍速に増速することができる。
可動刃35の上下動ストロークは、後置増速リンク機構51Bの従動節ピン57の上下動ストロークで決まり、前置増速リンク機構51Aの従動節要素57Aの上下動ストロークはそれに加重されない。つまり、可動刃35の上下動ストロークの長大化を防止することができる。
しかして、この実施の形態によれば、第1の実施形態の場合と同様な効果を奏することができる他、さらに高剛性・大型化を回避しつつ選択された駆動速度に対応するせん断加工速度を一段と高速化できかつ増速率に対する可動刃35の上下動ストロークの短縮ができる。
(第3の実施の形態)
図5において、増速リンク機構51等は、第1の実施形態の場合と同様であるが、せん断加工部31が帯状板材(連続素材90X)から薄板円板状(単品素材91X)をせん断加工可能に形成されている。固定刃32Xはブランク室32XDを介してダイセット21に固定された中空円板形状で、従加圧ブロック61Xはヘッド62とバネ押え64とからなり、可動刃(パンチ35X)を保持する。
可動刃定位置保持手段80Xは、バネ押え64とパンチガイド35XGとの間に設けられたバネ83を含み、パンチ35Xをせん断加工終了後に図5に示す定位置に戻す。つまり、この実施の形態によれば、連続素材90および単品素材91の形態的種類に対する適応性が広い。
第4の実施の形態
この実施の形態(図7,図9)は、基本的な構成・機能が第1の実施形態の場合と同様されているが、さらにせん断加工開始位置設定変更手段110を設けて連続素材90の上下方向セット位置変化に対する適応性を拡大可能に形成してある。
すなわち、せん断加工開始位置設定変更手段110は、原動節要素(原動節ピン55)が原加圧ブロック12の下降運動方向と同じ方向に変位可能としてリンクレバー52に装着され、原動節ピン55の原加圧ブロック12に対する垂直(Z)方向の絶対位置を調整することによりせん断加工領域を規定するせん断加工開始位置を設定変更可能に形成されている。
図7において、位置調整ボルト112等とともにせん断加工開始位置設定変更手段110を構成するテーパーブロック111は、上方側に右下り形状のテーパー面111Kを有しかつ全体として補助プレート56P上を摺動自在である。
リンクレバー52L(および52R)に取付けられたナット付きブロック119には、位置調整ボルト112と螺合する雌ネジ部119Sが設けられている。この位置調整ボルト112の基端部には6角レンチを用いる調整操作部114が設けられ、先端部113はテーパーブロック111に回動可能かつ左右方向に変位不能に取付けられている。115は締付ナットである。
可動型補助ブロック56BSは、下方側にテーパーブロック111のテーパー面111Kに対応するテーパー面56BSKが設けられ、位置固定ボルト117L,117Rの弛緩時に両者111K,56BSのX方向の相対変位が許容され、緊締時には相対変位不能である。
かくして、位置固定ボルト117L,117Rを弛緩させてから、位置調整ボルト112(114)を操作してテーパーブロック111を右方向(左方向)に変位させれば、可動型補助ブロック56BSすなわち原動節ピン55(55U)を上昇(下降)させることができる。原動節ピン55の上昇(下降)させることで、図9に示すせん断加工開始位置Pihを高い位置Piu(低い位置Pid)に調整することができる。
しかして、この実施の形態によれば、第1の実施形態の場合と同様な効果を奏し得ることに加え、さらに連続素材90の上下方向セット位置変化に対する適応性を拡大できる。つまり、ダイセット21,連続素材90,刃(32,35)の上下方向の寸法やセット位置の具体的変化に対して即応できる。
なお、第1,第2または第3の実施の形態に、このせん断加工開始位置設定変更手段110を設けて各せん断加工開始位置(ストローク)を設定変更可能に形成することができる。
第5の実施の形態
この実施の形態(図8,図9)は、構成・機能が第1の実施形態の場合と同様されているが、さらに上記したせん断加工領域設定変更手段100とせん断加工開始位置設定変更手段110とを一体的に構築したような両機能を有する領域・位置設定変更手段120を設けて連続素材90のせん断加工方向の寸法変化および上下方向セット位置変化に対する適応性を拡大可能に形成してある。
領域・位置設定変更手段120は、補助プレート56Pに一体的に固着されたケース56BC内に原動節ピン55Y(上端面55U)を保持した可動体56BSを水平方向および垂直方向に変位可能に装着し、可動体56BSの左右に挿入する横移動シム部材122の枚数変化によりせん断加工方向の寸法変化に適応可能かつその上下に挿入する縦移動シム部材121の枚数変化により上下方向セット位置変化に適応可能に形成されている。
つまり、図8において、上2・下2の縦移動シム部材121を上1・下3にすれば可動型補助ブロック56BS(上端面55U)をシム1枚分の厚さ寸法だけ上昇できる。また、左2・右2の横移動シム部材122を左1・右3にすれば可動型補助ブロック56BS(上端面55U)をシム1枚分の厚さ寸法だけ左方向に変位させることができる。
しかして、この実施の形態によれば、第4および第5の実形態の場合と比較して、さらなる小型化と、取扱い性を容易化できる。
なお、原動節ピン55と一体的な可動ピン部材を、補助プレート56P側に設けた円弧形状溝内で移動可能に構築しても、せん断加工領域の範囲およびせん断加工開始位置に関する両調整を同時に行なえる。
以上の各実施の形態では、せん断加工領域の範囲およびせん断加工開始位置の設定変更を原加圧ブロック12に対して増速リンク機構51側で調整するようにしたが、増速リンク機構51に対して原加圧ブロック12側で調整するように構築しても本願発明は適応される。
本発明は、せん断加工装置を具備するプレス機械の大幅な構造簡素化および小型化を図るに極めて有効である。
本発明の第1の実施形態を説明するための側面図で、連続素材(棒状材料)のせん断加工開始直前の状態を示す。 同じく、図1に対応する側面図で、せん断加工終了直後の状態を示す。 同じく、図1の左側から見た状態を示す背面図である。 本発明の第2の実施形態を説明するための側面図で、連続素材(棒状材料)のせん断加工開始直前の状態を示す。 本発明の第3の実施形態を説明するための側面図で、連続素材(板状材料)のせん断加工開始直前の状態を示す。 本発明の第1の実施形態に係るせん断加工領域設定変更手段を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態に係るせん断加工開始位置設定変更手段を説明するための図である。 本発明の第5の実施形態に係る領域・位置設定変更手段を説明するための図である。 プレス機械のスライドモーションとせん断加工開始位置等の関係を説明するための図である。
符号の説明
10 プレス機械
11 スライド
12 原加圧ブロック
21 ダイセット(本体ブロック)
30 せん断加工装置
31 せん断加工部
32 固定刃(32U,32D)
35 可動刃(35U,35D)
51 増速リンク機構(増速伝達機構)
52 リンクレバー(52L,52R)
53 支持ピン
55 原動節ピン(原動節要素)
56B 補助ブロック
56P 補助プレート
57 従動節ピン(従動節要素)
58 従動ローラ
61 従加圧ブロック
75 素材位置規制部材
80 可動刃定位置保持手段
90 連続素材
91 単品素材
100 せん断加工領域設定変更手段
101 テーパーブロック
102 左右位置調整ボルト
109 テーパー部材ブロック
110 せん断加工開始位置設定変更手段
111 高さ調整ブロック
112 位置調整ボルト
114 調整操作部
119 ナット付きブロック
120 領域・位置設定変更手段

Claims (5)

  1. せん断加工により連続素材からプレス加工用の単品素材を形成するためのせん断加工装置を具備するプレス機械であって、
    せん断加工装置が、本体ブロックに固定された固定刃とこの固定刃に対して上下動可能に装着された可動刃とを含みかつ可動刃の下降運動によりせん断加工可能に形成されたせん断加工部と、本体ブロックに装着された支持ピンに近い方の原動節要素と遠い方の従動節要素とを有するリンクレバーを含み全体として支持ピンを中心に回動可能かつ増速機能を発現可能な増速リンク機構と、原動節要素に係合しつつスライドの下降運動に伴う原加圧力をリンクレバーに伝達可能としてスライドに取付けられた原加圧ブロックと、従動節要素に係合しつつリンクレバーの回動運動に伴う下向き従加圧力を可動刃に伝達可能な従加圧ブロックを有し、原加圧ブロックと原動節要素とが係合状態であるせん断加工領域内において、スライド下降運動に同期する増速リンク機構の連動運動により従動節要素の下降速度をスライド下降速度よりも速い速度に増速可能かつ増速後の高速度で下降運動する従動節要素から可動刃に加えられる従加圧力を利用しつつせん断加工可能に形成され、
    しかも、原動節要素が支持ピンと従動節要素とを結ぶ軸線に沿う方向に変位可能としてリンクレバーに装着され、原動節要素の原加圧ブロックに対する水平方向の絶対位置を調整することによりせん断加工領域の範囲を設定変更可能に形成されている、せん断加工装置を具備するプレス機械。
  2. せん断加工により連続素材からプレス加工用の単品素材を形成するためのせん断加工装置を具備するプレス機械であって、
    せん断加工装置が、本体ブロックに固定された固定刃とこの固定刃に対して上下動可能に装着された可動刃とを含みかつ可動刃の下降運動によりせん断加工可能に形成されたせん断加工部と、本体ブロックに装着された支持ピンに近い方の原動節要素と遠い方の従動節要素とを有するリンクレバーを含み全体として支持ピンを中心に回動可能かつ増速機能を発現可能な増速リンク機構と、原動節要素に係合しつつスライドの下降運動に伴う原加圧力をリンクレバーに伝達可能としてスライドに取付けられた原加圧ブロックと、従動節要素に係合しつつリンクレバーの回動運動に伴う下向き従加圧力を可動刃に伝達可能な従加圧ブロックを有し、原加圧ブロックと原動節要素とが係合状態であるせん断加工領域内において、スライド下降運動に同期する増速リンク機構の連動運動により従動節要素の下降速度をスライド下降速度よりも速い速度に増速可能かつ増速後の高速度で下降運動する従動節要素から可動刃に加えられる従加圧力を利用しつつせん断加工可能に形成され、
    しかも、原動節要素が原加圧ブロックの下降運動方向と同じ方向に変位可能としてリンクレバーに装着され、原動節要素の原加圧ブロックに対する垂直方向の絶対位置を調整することによりせん断加工領域を規定するせん断加工開始位置を設定変更可能に形成されている、せん断加工装置を具備するプレス機械。
  3. せん断加工により連続素材からプレス加工用の単品素材を形成するためのせん断加工装置を具備するプレス機械であって、
    せん断加工装置が、本体ブロックに固定された固定刃とこの固定刃に対して上下動可能に装着された可動刃とを含みかつ可動刃の下降運動によりせん断加工可能に形成されたせん断加工部と、本体ブロックに装着された支持ピンに近い方の原動節要素と遠い方の従動節要素とを有するリンクレバーを含み全体として支持ピンを中心に回動可能かつ増速機能を発現可能な増速リンク機構と、原動節要素に係合しつつスライドの下降運動に伴う原加圧力をリンクレバーに伝達可能としてスライドに取付けられた原加圧ブロックと、従動節要素に係合しつつリンクレバーの回動運動に伴う下向き従加圧力を可動刃に伝達可能な従加圧ブロックを有し、原加圧ブロックと原動節要素とが係合状態であるせん断加工領域内において、スライド下降運動に同期する増速リンク機構の連動運動により従動節要素の下降速度をスライド下降速度よりも速い速度に増速可能かつ増速後の高速度で下降運動する従動節要素から可動刃に加えられる従加圧力を利用しつつせん断加工可能に形成され、
    しかも、増速リンク機構の複数台を、前置された増速リンク機構の従動節要素が後置された増速リンク機構の原動節要素に係合可能状態として原加圧ブロックと従加圧ブロックとの間に直列配置してなる、せん断加工装置を具備するプレス機械。
  4. せん断加工により連続素材からプレス加工用の単品素材を形成するためのせん断加工装置を具備するプレス機械であって、
    せん断加工装置が、本体ブロックに固定された固定刃とこの固定刃に対して上下動可能に装着された可動刃とを含みかつ可動刃の下降運動によりせん断加工可能に形成されたせん断加工部と、本体ブロックに装着された支持ピンに近い方の原動節要素と遠い方の従動節要素とを有するリンクレバーを含み全体として支持ピンを中心に回動可能かつ増速機能を発現可能な増速リンク機構と、原動節要素に係合しつつスライドの下降運動に伴う原加圧力をリンクレバーに伝達可能としてスライドに取付けられた原加圧ブロックと、従動節要素に係合しつつリンクレバーの回動運動に伴う下向き従加圧力を可動刃に伝達可能な従加圧ブロックを有し、原加圧ブロックと原動節要素とが係合状態であるせん断加工領域内において、スライド下降運動に同期する増速リンク機構の連動運動により従動節要素の下降速度をスライド下降速度よりも速い速度に増速可能かつ増速後の高速度で下降運動する従動節要素から可動刃に加えられる従加圧力を利用しつつせん断加工可能に形成され、
    しかも、リンクレバーが支持ピンに対向配設された1対のリンクレバー要素から形成され、原動節要素を形成する原動節ピンの上方側が原加圧ブロックの下端面に対向する平面形状とされかつその下方側が両リンクレバー要素間に渡設された補助ブロックに一体的に係止されている、せん断加工装置を具備するプレス機械。
  5. 前記本体ブロックがダイセットまたはダイセットプレートから形成されている、請求項1から4までのいずれかに記載されたせん断加工装置を具備するプレス機械。
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