JP4631046B2 - マイクロ波励起プラズマ装置及びシステム - Google Patents

マイクロ波励起プラズマ装置及びシステム Download PDF

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Description

本発明は、マイクロ波励起プラズマ装置及びシステムに係り、特に、マイクロストリップを用い、マイクロ波電力によりプラズマを発生させるための、マイクロ波励起プラズマ装置及びシステムに関するものである。本発明のマイクロ波励起プラズマ装置及びシステムは、例えば、ウエハ等の被処理基板に、プラズマを使用した化学蒸着、エッチング、アッシング等の処理を施すことができる。
現在、材料開発や生産技術等における多くの分野でプラズマプロセッシング技術は不可欠なものになっている。例えば、半導体又はマイクロ・ナノマシンの製造するプロセスにおいて、プラズマが広く用いられている。特に近年では、その微細化が進んでおり、マイクロメートルまたはナノメートルスケールの空間的に局所プロセシングが必要になってきている。そのため、断面サイズがマイクロメートルまたはナノメートルオーダーの微小プラズマが要求されている。
また、低圧力の条件下ではさまざまな処理ガスを用いた非平衡プラズマにより各種表面処理が行われているが、高価な真空装置が必要でかつすぐに試料を真空容器から取り出すことができず、装置にコストがかかるだけでなく、処理に時間がかかり、結果として製品のコストが高くなるなど、工業的には不利であった。そのため、大気圧下で非平衡プラズマを発生させる方法が要求されている。
この様な要求に答えるべく、大気圧下で直流電源、RF(radio frequency)電源、またはパルス電源を用いた非平衡マイクロプラズマを発生させる方法が提案されている。
一方、マイクロ波電源を用いたマイクロ波励起プラズマ装置の場合は、上述のような電源を用いたプラズマ装置に比べて、次のような利点が知られている。
(1) マイクロ波電源が安い。
(2) 無電極運転が可能。
(3) マッチングが簡単な素子で可能。
(4) マイクロ波とプラズマのカップリング効率がよい。
(5) マイクロ波励起プラズマは比較的に安定であり、放電維持寿命が長い。(周波数が高いのでシースとシース電圧が低い、これによりシース中のイオンを加速する際に失われるエネルギーが減少する。結果的に、装置全体の効率が上がるし、電極の損傷が低くなる。)
そこで、現在、通信分野に多く使われているマイクロストリップ技術を用いて、マイクロ波励起マイクロプラズマを発生させる方法が提案されている(非特許文献1−4参照)。
AttilaM. Bilgic, Edgar Voges, Ulrich Engel, and Jose A. C. Broekaert, "A low-power2.45GHz microwave induced helium plasma source at atmospheric pressure based onmicrostrip technology", J. Anal. At. Spectrum., 2000, 15, pp.579-580. SusanneSchermer, Nicolas H. Bings, Attila M. Bilgic, Robert Stonies, Edgar Voges, JoseA.C. Broekaert, "An improved microstrip plasma for optical emissionspectrometry of gaseous species", Spectrochimica. Acta., Part. B, Vol.58, 2003,pp. 1585-1596. FelipeIza and Jeffrey A. Hopwood, "Low-Power Microwave Plasma Source Based on aMicrostrip Split-Ring Resonator", IEEE Transaction on Plasma Science, Vol.31,No.4, August 2003, pp.782-787. Ulrich Engel, Attila M.Bilgic, Oliver Haase, Edgar Voges, and Jose A. C. Broekaert, "Amicrowave-induced Plasma Based on Microstrip Technology and Its Use for theAtomic Emission Spectrometric Determination of Mercury with the Aid of theCold-Vapor Technique", Analytical Chemistry, Vol.72, No.1, January 2000,pp.193-197.
しかし、従来提案されているいずれも大気圧の空気中では自発放電発生(self-ignition)ができないので、別度の方法を利用して初期放電発生させており、より微小空間にマイクロ波電力を効率よく注入する方法が要求されている。また、従来技術では、マイクロストリップ回路が形成されてある平面にプラズマを発生させているので、アレイ化による大規模化が困難である。
本発明は、以上の点に鑑み、低気圧に限らず高気圧及び大気圧でも低温の非平衡プラズマを安定して、小形の装置で発生させることができるマイクロ波励起プラズマ装置及びシステムを提供することを目的とする。また、本発明は、アレイ化により大規模化ができるマイクロ波励起プラズマ発生装置及びシステムを提供することを目的とする。
本発明の第1の解決手段によると、
誘電体の基板と、
前記基板の第1の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられたストリップ線路と、
前記基板の第1の面の反対の第2の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられたアース導体と、
前記基板の一方の端部において、前記ストリップ線路と前記アース導体との間にマイクロ波を入力するための入力部と、
前記基板の他の端部の断面において、前記ストリップ線路と前記アース導体との間に形成された隙間に、前記入力部から入力されて伝播したマイクロ波によりプラズマを発生するためのプラズマ発生部と、
を備えたマイクロ波励起ラズマ装置が提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
上述のようなマイクロ波励起ラズマ装置を前記ストリップ線路及び前記アース導体を共用して、積層することで、複数の隙間にプラズマを発生させるようにしたマイクロ波励起プラズマシステムが提供される。
誘電体の基板と、
前記基板の一方の端部から他方の端部に渡って前記基板の内部に設けられたストリップ線路と、
前記基板の第1の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられた第1のアース導体と、
前記基板の第1の面の反対の第2の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられた第2のアース導体と、
前記基板の一方の端部において、前記ストリップ線路と前記第1のアース導体との間及び前記ストリップ線路と第2のアース導体との間にマイクロ波を入力するための入力部と、
前記基板の他の端部の断面において、前記ストリップ線路と前記第1及び第2のアース導体との間にそれぞれ形成された第1及び第2の隙間に、前記入力部から入力されて伝搬したマイクロ波によりプラズマを発生するためのプラズマ発生部と、
を備えたマイクロ波励起ラズマシステムが提供される。
本発明によると、空気または任意のガスで、大気圧以外に低気圧および高気圧においても安定したマイクロ波励起非平衡マイクロプラズマの発生・維持が可能となる。
また、本発明によると、そのマイクロプラズマをアレイ化することにより大面積のマイクロ波励起非平衡プラズマの発生・維持が可能となる。
本発明によると、以上の結果、大気圧(又は、低気圧若しくは高気圧)でマイクロ波励起非平衡マイクロプラズマ、または大面積マイクロ波励起非平衡プラズマを用いた表面改質、エッチング、アッシング、クリーニング、酸化・窒化及びCVD(Chemical Vapor Deposition)成膜等の材料プロセシングが可能となる。
以下に、本発明による、マイクロストリップを用いたマイクロ波励起大気圧プラズマの詳細な効果を列挙する。
(1)大気圧プラズマによる効果
−真空装置が必要ない。
(2)マイクロ波励起プラズマによる効果
−電源が安い。
−装置の制作および運転コストが安い。
−大気圧でアークからグロー放電まで発生可能。
−無電極運転が可能。
−マッチングが簡単な素子で可能。
−マイクロ波とプラズマのカップリング効率がよい。
−比較的にプラズマが安定であり、タイフタイムが長い。(周波数が高いのでシースとシース電圧が低い、これによりシース中のイオンを加速する際に失われるエネルギーが減少する。結果的に、装置全体の効率が上がり、電極の損傷が低くなる。)
(3)マイクロストリップの利用による効果
−通信分野で多く使われている技術であるので、技術が確保されている。
−制作が安価で簡単に作れるし、小型が可能。
−低電力運転が可能。
−小型で安い通信用マイクロ波電源の使用が可能。
1.プラズマ発生装置
図1に、マイクロプラズマ発生装置の構成図及び断面図を示す。
本実施の形態のプラズマ発生装置は、誘電体基板1、マイクロストリップ(ストリップ線路)2、アース(アース導体)3、入力部4、プラズマ発生部5を備える。
誘電体基板1は、プラズマ発生装置にマイクロ波を伝搬するための基板である。誘電体基板1は、例えば、アルミナ、溶融石英、サファイア、ポリスチロール系、ポリスチレン系の適宜の材料が用いられる。なお、誘電体基板1は、曲げられる(フレキシブル)材料でもよい。マイクロストリップ2は、誘電体基板1の第1の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられる。なお、ここでは、一例として、マイクロストリップという語句を用いたが、マイクロ波を伝播するためのものであれば他の導体を適宜用いることができる。アース3は、誘電体基板1の第1の面の反対の第2の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられる。アース3は、誘電体基板1の前面に渡る導体で構成しても、または、部分的な導体で構成してもよい。マイクロストリップ2及びアース3は、例えば、誘電体基板1に、金や銀等の蒸着、エッチング等の通常のIC製作技術を用いて作成することや、通常の電極等の適宜の導電体で構成することができる。入力部4は、誘電体基板1の一方の端部において、マイクロストリップ2と前記アース3との間にマイクロ波を入力するためものである。例えば、SMAコネクタ、OSMコネクタ等を用いることができる。
プラズマ発生部5は、誘電体基板1の他の端部の断面において、マイクロストリップ2とアース3との間に形成された隙間に、入力部4から入力されたマイクロ波を伝播・印加することによりプラズマを発生するためのものである。プラズマ発生部5を形成する電極は、マイクロストリップ2及びアース3と一体になっていても、別の導体で電気的にそれらと接続されていてもよい。マイクロストリップ2及びアース3に電気的に接続されている隙間における電極形状は、断面形状又は平面(正面)形状が、フラットに限らず、凸、凹、V字、楔、テーパー、三角等の適宜の形状とすることができる。
このようなプラズマ発生装置において、入力部4からマイクロ波を供給し、マイクロストリップ2の基板である誘電体基板1を縦に、すなわち、マイクロ波が伝搬する方向に対して垂直に誘電体基板1を切って、その断面にマイクロストリップ2とアース3の間によるプラズマ発生部5の隙間を形成することにより電界を集中させ、そこにプラズマ、特に、低温の非平衡マイクロプラズマを発生させる。
本実施の形態では、電極配置の工夫により、具体的にマイクロ波の進行方向に対し、垂直な断面にストリップラインであるマイクロストリップ2とアース3による電極を設置することにより、放電隙間にマイクロ波電界を効率よく集中させることが主なポイントのひとつである。そして、誘電体基板1、マイクロストリップ2、アース3等の材料・素材、大きさ、厚さ、長さなどは適宜採用することができる。また、マイクロ波の周波数、波形等も適宜採用することができる。
なお、本実施の形態のマイクロ波励起プラズマ装置は、プラズマ発生環境としては大気中に限らず適宜の使用ガス(反応性ガス)中でプラズマを発生してもよく、また、運転圧力としては、大気圧以外に低気圧又は高気圧への応用も可能である。
(原理)
図2に、マイクロ波電界についての説明図を示す。
一般に、マイクロストリップ2の基板に垂直な断面を構成し、図示のようにストリップラインとアース3をつなげると断面には時変電流(周波数は電源のマイクロ波周波数と同じ)が発生する。そこで、本実施の形態のように電流が流れる断面に図に示すように隙間を作ると、両端に時変電荷が集中する。その電荷もマイクロ波周波数で変化する。その結果、隙間にマイクロ波電界が集中する。
(自発放電)
自発放電に関して、本実施の形態では、誘電体基板1の垂直な断面にストリップライン(マイクロストリップ2)とアース3による隙間(プラズマ発生部5)を設置することによって、従来の方法により少ない放射損失で選択された部分、すなわち隙間にマイクロ波電力を集中させることができる。このような構成により、本実施の形態では、大気圧(又は、低気圧若しくは高気圧)・大気中(又は、反応性ガス中)で自発放電し(self-ignition)、放電が維持できる。
一般に、自発放電を可能にするためには、放電を維持するための電界より強い放電開始電界が必要である。従来法では自発放電ができず、放電を開始するために高電圧スパーク、電気ライタからのピエゾ放電(Piezo discharge from an electric lighter)、または、低気圧で放電を開始し圧力を上げる方法を利用している。ただし、非特許文献ではヘリウムガスを利用した場合は自発放電したと報告している。しかし、アルゴンガスの場合は自発放電ができなかったと報告してある。
これに対して、本実施の形態では、大気圧(又は、低気圧若しくは高気圧)・大気中(又は、反応性ガス中)で自発放電が可能になったのは、従来法よりも放電隙間に電界を集中させる能力が優れたためだと考えられる。
(3次元計算機コードによる電界分布の計算)
以下に、マイクロ波電力の集中効率に関して、3次元計算機コードを用いて計算した電界分布について説明する。(なお、一例として、電源:2.45GHzマイクロ波、圧力:大気圧、ガス:空気、入力部4:SMAコネクタ、マイクロストリップ2:幅6mmアルミニウムテープ、誘電体基板1:厚さ2mmアルミナ板、アース3:裏面全体アルミニウムテープ、プラズマ発生部5:隙間約0.2mm、プラズマ維持電力=入射電力―反射電力:約1W、を採用することができる。)
図3に、電界強度分布の計算結果の説明図を示す。 図3(a)は、従来のマイクロストリップラインの端を開放したときの電界強度分布を示している。ストリップの開放端に電界が強くなり、電界の強い部分がマイクロ波の波長に従って分布している(図中、白部分参照)。従来の方法では、これらの電界が強い部分を利用し、マイクロストリップが形成されている平面にプラズマを発生させている。 図3(b)は、本実施の形態のプラズマ装置における電界強度分布を示している。yz断面の電界分布を見ると、図3(a)で示した電界分布と同様、電界の強い部分がマイクロ波の波長に従って分布しているが、それらの電界強度より強い電界が垂直断面に設置されている隙間に集中している(図中、白部分参照)。また、xy断面の電界分布を見ると隙間の周りに放射が少なく隙間に強い電界が集中している(図中、白部分参照)。 これらの結果から、本実施の形態の装置は従来の方法に比べ、選択された部分(隙間)に放射損失が少なくマイクロ波電界を集中させる特性を持っていると考えられる。
2.幅の長いプラズマ発生
図4は、幅の長いプラズマを発生するための構成図である。
図示のように、プラズマ発生部5は、マイクロストリップ2に電気的に接続された電極21の幅とアース3に電気的に接続された電極の幅が、マイクロストリップ2の幅より長い。このように、マイクロストリップ2の幅より長い電極を設けることで、マイクロストリップ2の幅より長いプラズマ発生に成功した。
3.無電極プラズマ
図5に、無電極プラズマ発生のための断面図を示す。
この例は、プラズマ発生部5において、隙間を形成しているマイクロストリップ2側とアース3側の両方の電極に対して誘電体バリア51をそれぞれ備えた構成である。この誘電体バリア51は、マイクロストリップ2側又はアース3側の電極に対して、一方の近傍又は一方に接してひとつだけ設けてもよいし、両方の近傍又は両方に接してふたつ又は複数設けてもよい。また、この誘電体バリア51は、基板の誘電体基板1と一体に構成してもよいし、別々に構成してよい。また、誘電体バリア51の材料は、例えばガラス板等を用いることができるが、これに限らず、誘電体基板1の材料と同じものでも異なる適宜の誘電体材料を用いてもよい。
このように、誘電体バリア51を用いることにより、熱による電極の変化が見られず、このことにより、低温のプラズマを実現することができる。また、無電極でプラズマを発生することにより、電流が制限され、マイクロ波特有の放電モードを実現することができる。
4.インピーダンスマッチング
一般に、マイクロ波の伝搬に関しては、伝送線路の特性インピーダンスを考慮しなければならない。特性インピーダンス(Z)は、誘電体基板1の誘電率(εr)と厚み(d)、ストリップラインの幅(W)と厚み(t)などに依存する。また、インピーダンスマッチングのために、マッチング素子またはストリップラインでマッチング回路を構成する必要がある。マッチング回路の具体的構成は、一般的なマイクロ波を用いた通信技術を、本実施の形態のようなプラズマ発生装置に適宜採用することができる。
図6に、マイクロストリップの回路パラメータの説明図を示す。また、この場合の特性インピーダンスZについて次式に示す(参考文献、「マイクロウェーブ技術入門講座[基礎編]」、森栄二、CQ出版社、2003年)。
これらの式から、次のことが示される。
・Wが大きくなるとZは小さくなる。
・dが小さくなるとZは小さくなる。
・εが大きくなるとZは小さくなる。
図7に、インピーダンスマッチングのためのマイクロストリップの構成図の一例を示す。
図示のように、マイクロストリップ2は、インピーダンスをマッチングするためのマッチング部22、23をさらに備えることができる。マッチングのための具体的構成は、マイクロ波を用いた通信に関する公知又は周知の技術を適宜適用することができ、図示の形状に限らない。
5.アレイ化
(1)横方向のアレイ化
図8に、マイクロプラズマのアレイ化についての構成図を示す。
マイクロストリップ2は、一方の端部にひとつの入力端25と、入力端25から入力されたマイクロ波を分岐する分岐部26と、分岐部26から分けられた複数のライン27と、複数のライン27に対応する他方の端部に複数の出力端28とを備える。プラズマ発生部5は、複数の出力端28に対応して、プラズマを発生するための複数の隙間を備える。
このように、マイクロストリップ2をアレイ化することにより、プラズマ発生部5で発生するマイクロプラズマをアレイ化し、プラズマを大規模化することができる。
本実施の形態のプラズマ発生装置は、yz平面に伝送線路を設置し、xy平面にプラズマを発生させる構造になっているので、アレイによる一次元に長いプラズマを提供することができる。なお、必要に応じて、yz平面にインピーダンスマッチング回路を設置してもよい。
また、図9に、長軸無電極マイクロ波励起プラズマ装置の構成図を示す。
本実施の形態は、マクロストリップを複数本用いてアレイ化し、且つ、プラズマ発生部5において、マクロストリップの幅より長い電極を用い、且つ、誘電体バリア51を複数の隙間に渡ってマイクロストリップ2側とアース3側の両方に設けたものである。このプラズマ装置により、大気圧(又は、低気圧若しくは高気圧)で、1次元的に長い長軸マイクロプラズマを発生することができる。
(2)縦方向のアレイ化
図10に、縦方向のアレイ化されたプラズマ発生システム(1)の構成図を示す。
このマイクロ波励起プラズマ発生システムは、図示のように、上述のプラズマ装置をマイクロストリップ2及びアース31及び32を共用して、積層することで、複数の隙間にプラズマを発生させるようにしたものである。この例では、2層構造について示すが、これに限らず、多層構造とすることができる。
また、図11に、縦方向のアレイ化されたプラズマ発生システム(2)の構成図を示す。
このプラズマ発生システムは、誘電体基板1と、マイクロストリップ2と、第1及び第2のアース31及び32と、入力部4と、プラズマ発生部5を備える。
マイクロストリップ2は、誘電体基板1の内部の一方の端部から他方の端部に渡って設けられる。第1のアース31は、誘電体基板1の第1の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられる。第2のアース32は、誘電体基板1の第1の面の反対の第2の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられる。入力部4は、誘電体基板1の一方の端部において、マイクロストリップ2と前記第1及び第2のアース31および32との間にマイクロ波を入力するためのものである。プラズマ発生部5は、誘電体基板1の他の端部の断面において、マイクロストリップ2と第1及び第2のアース31及び32との間にそれぞれ形成された第1及び第2の隙間に、入力部4から入力されたマイクロ波によりプラズマを発生するためのものである。
このようなプラズマ装置により、大気圧(又は、低気圧若しくは高気圧)で、縦方向にマイクロプラズマを重ねて発生することができる。
また、「(1)横方向のアレイ化」で示したような1次元に長いプラズマを発生する装置において、ストリップラインに縦方向にアレイ化する技術を応用すると、一次元の長いプラズマを重ねることができ、2次元の大面積プラズマの発生が可能になる。
本発明は、従来の大気圧(又は、低気圧若しくは高気圧)非平衡プラズマに比べ、プラズマが安定であり、装置の制作と運転コストが安く、かつ、反応性ガス中に限らず空気中でもプラズマが発生・維持できるので、従来の大気圧(又は、低気圧若しくは高気圧)非平衡プラズマの代わりに幅広く利用することができる。
将来、マイクロストリップ2で作製したマッチング回路を本プラズマ発生システムに追加することにより、より小電力でプラズマの発生・維持が可能になり、通信用マイクロ波発信機を利用した携帯用小型マクロプラズマ発生システムが可能になり、材料プロセスや環境応用などに携帯用プラズマ発生システムとして利用することができる。
マイクロプラズマ発生装置の構成図及び断面図。 マイクロ波電界についての説明図。 電界強度分布の計算結果の説明図。 幅の長いプラズマを発生するための構成図。 無電極プラズマ発生のための断面図。 マイクロストリップの回路パラメータの説明図。 インピーダンスマッチングのためのマイクロストリップの構成図。 マイクロプラズマのアレイ化についての構成図。 長軸無電極マイクロ波励起プラズマ装置の構成図。 縦方向のアレイ化されたプラズマ発生システム(1)の構成図。 縦方向のアレイ化されたプラズマ発生システム(2)の構成図。
符号の説明
1 誘電体基板
2 マイクロストリップ(ストリップ線路)
3 アース(アース導体)
4 入力部
5 プラズマ発生部

Claims (10)

  1. 誘電体の基板と、
    前記基板の第1の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられたストリップ線路と、
    前記基板の第1の面の反対の第2の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられたアース導体と、
    前記基板の一方の端部において、前記ストリップ線路と前記アース導体との間にマイクロ波を入力するための入力部と、
    前記基板の他の端部の断面において、前記ストリップ線路と前記アース導体との間に形成された隙間に、前記入力部から入力されて伝播したマイクロ波によりプラズマを発生するためのプラズマ発生部と、
    を備えたマイクロ波励起ラズマ装置。
  2. 前記プラズマ発生部は、前記ストリップ線路に電気的に接続され、一方の端部と他方の端部を結ぶ方向に対して垂直な面における、前記隙間を形成するための第1の電極の幅が、前記ストリップ線路の幅より長い請求項1に記載のマイクロ波励起ラズマ装置。
  3. 前記プラズマ発生部は、前記ストリップ線路に電気的に接続され、前記隙間を形成するための第1の電極と前記アース導体に電気的に接続されて前記隙間を形成するための第2の電極との間に、ひとつ又は複数の誘電体バリアをさらに備えた請求項1に記載のマイクロ波励起ラズマ装置。
  4. 前記ストリップ線路は、インピーダンスをマッチングするためのマッチング部をさらに備えた請求項1に記載のマイクロ波励起ラズマ装置。
  5. 前記ストリップ線路は、
    一方の端部にひとつの入力端と、
    前記入力端から入力されたマイクロ波を分岐する分岐部と、
    前記分岐部から分けられた複数のラインと、
    前記複数のラインに対応する他方の端部に複数の出力端と
    を備え、
    前記プラズマ発生部は、前記複数の出力端と前記アース導体との各間にプラズマを発生するための複数の隙間を備えた請求項1に記載のマイクロ波励起ラズマ装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロ波励起ラズマ装置を前記ストリップ線路及び前記アース導体を共用して、積層することで、複数の隙間にプラズマを発生させるようにしたマイクロ波励起プラズマシステム。
  7. 誘電体の基板と、
    前記基板の一方の端部から他方の端部に渡って前記基板の内部に設けられたストリップ線路と、
    前記基板の第1の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられた第1のアース導体と、
    前記基板の第1の面の反対の第2の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられた第2のアース導体と、
    前記基板の一方の端部において、前記ストリップ線路と前記第1のアース導体との間及び前記ストリップ線路と第2のアース導体との間にマイクロ波を入力するための入力部と、
    前記基板の他の端部の断面において、前記ストリップ線路と前記第1及び第2のアース導体との間にそれぞれ形成された第1及び第2の隙間に、前記入力部から入力されて伝搬したマイクロ波によりプラズマを発生するためのプラズマ発生部と、
    を備えたマイクロ波励起ラズマシステム。
  8. 前記ストリップ線路は、
    一方の端部にひとつの入力端と、
    前記入力端から入力されたマイクロ波を分岐する分岐部と、
    前記分岐部から分けられた複数のラインと、
    前記複数のラインに対応する他方の端部に複数の出力端と
    を備え、
    前記プラズマ発生部は、前記複数の出力端と前記第1のアース導体との間及び前記複数の出力端と前記第2のアース導体との間にそれぞれプラズマを発生するための複数の隙間を備えた請求項7に記載のマイクロ波励起ラズマシステム
  9. 前記プラズマ発生部は、前記ストリップ線路に電気的に接続され、前記第1及び第2の隙間を形成するための第1の電極と、前記第1及び第2のアース導体に電気的に接続され、それぞれ前記第1の隙間及び前記第2の隙間を形成するための第2及び第3の電極との間に、ひとつ又は複数の誘電体バリアをさらに備えた請求項7に記載のマイクロ波励起ラズマシステム。
  10. 大気中又は反応性ガス中で、大気圧又は低気圧又は高気圧においてプラズマを発生するようにした請求項1に記載のマイクロ波励起ラズマ装置又は請求項7に記載のマイクロ波励起ラズマシステム。
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