JP4630457B6 - 微流体装置 - Google Patents

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【0001】
本発明は、種々の生物学的プロセス、例えば、細胞培養に対する推定される生理学的活性分子のスクリーニングまたは生物学的材料の分離に使用し得る微流体装置(microfluide device)、そのような装置の製造および使用に関する。
【0002】
PCT特許出願97/21090は、生物学的および化学的分析のための微量分析/微量合成システムを記載し、それは、液体がそこを通って流れ得る入口、微小溝、検出チャンバーおよび出口を有する回転可能な微小プラットフォーム、例えば、ディスクを含む。
【0003】
装置を形成する支持体(substrate)が、異なる表面特性を有する異なる表面を有することにより、流体の流れを制御し得る微流体装置が製造できることが判明した。“微流体装置”なる用語は、微量の試薬を取扱うことができる装置を意味し、例えば、1μlより少ない、実質的に500nlより少ない、そして好ましくは1から10nlであるサンプルを装置に挿入し得る。“流体”なる用語は乾燥粉末および液体を意味し、液体中の粒子の懸濁液を意味する。
【0004】
従って、本発明の最初の態様において、装置中の流体の流れが、装置の、異なる表面特性を有する異なる表面により制御されるように適合させた微流体装置を提供する。
【0005】
流体の流れを制御する表面特性の性質は、流体自体の性質に依存する。例えば、流体が液体である場合、液体の流れを制御する表面特性は好ましくは物質の表面エネルギーであり、例えば、低エネルギー表面は通常疎水性であり、高エネルギー表面は通常親水性である。表面のエネルギーは臨界表面張力(例えば、Surface and Interfacial Aspects of Biomedical Polymers, Vol I, Plenum Press, New York, 1985, Ch.7参照)の観点で測定し得る。流体が粒子であるとき、粒子の流れを制御する表面特性は粒子の性質に依存し、例えば、表面が粒子と相互作用するように処理され、例えば、粒子が電荷を有するとき、表面は同じまたは逆の電荷を有し、同様に、粒子が磁性を有するとき、表面は永久にまたは一過性に磁性であり得る。
【0006】
一つの態様において、表面が異なる表面特性を有する領域を提供するために処理された支持体を含み、該領域が支持体を通過して通る流体の流れを制御できるように配置されている、微流体装置を提供する。例えば、支持体は多くの親水性領域が散在した疎水性表面を有し得る。あるいは、支持体は多くの疎水性領域が散在した疎水性表面を有し得る。好ましくは、支持体は水和酸化物から形成されていない。好ましくは、支持体は、ポリオレフィンまたは支持体に疎水性表面を付与する同様の材料のようなポリカーボネートまたは炭化水素ポリマー(ハロゲン化炭化水素ポリマーを含む)から形成される。支持体が、支持体に疎水性表面を提供する材料から形成されていても、この疎水性表面は、下記のように、それを親水性表面に変えるために処理できる。
【0007】
好ましくは、装置は第1のものとほぼ平行の第2の支持体を有する;第1そして所望により第2支持体は装置内の流体の流れを制御する異なる表面特性の表面領域を有する。
【0008】
支持体が親水性領域が散在した疎水性表面を含むとき、これらの親水性領域は適当には、疎水性表面に多くの親水性スポットのアレイを含む。スポットのアレイは、同じ流体通路の表面上に予定したパターンで配置された多くの、適当には10以上および好ましくは50以上、例えば200のスポットを意味する。アレイは1次元 − 即ち、スポットの線、または多次元であり得る。
【0009】
異なる表面特性の領域は、支持体の表面の領域が異なる相対的特性、例えば、液体の場合、異なる相対的疎水性または親水性を有することを意味する。このような領域の間の境界は、装置内の流体の流路を決める事実上の“壁”を形成し得る。あるいは、流体に表面の表面エネルギーの差異に打ち勝つのに十分なエネルギーを提供するまで境界を流体が越えないように防止するための、または表面の特徴が、例えば、電荷、磁場、特定の温度または光度の形で、表面の特徴を変化させることにより一時的に表面に付与され得る場合、“バルブ”の形であり得る。
【0010】
親水性および疎水性表面の間の境界が、バルブ(本明細書ではブレーキとも呼ぶ)を形成するために使用されるとき、バルブ、またはブレーキに関連する物理的パラメーターは予定したブレークスルー圧(すなわち、流体が境界を越えるのに必要な圧力)を提供するように設計し得る。このような物理的パラメーターは、導入される溝の対応する寸法と比較した広さおよび幅に関するバルブの寸法、バルブを形成する表面の疎水性、装置が回転ディスクである場合、バルブに導入される溝の長さを含む。
【0011】
通常、流体を、本発明で存在するバルブを複数回通過させることが可能である。しかし、ある流体(例えば、高タンパク質含量の血清)は、疎水性表面を親水性にする修飾をし得、バルブは1回のみしか働かない。この場合、更なる流体の添加が望まれる場合、これはまた疎水性/親水性バルブを含む、第1溝に接続された第2溝を介して挿入する。
【0012】
疎水性および親水性なる用語は、当分野で周知と考える。表面が疎水性なる用語は、水が広がらず、水滴の形で抵抗し、表面の平面から測定した接触角度が3相境界線で水表面に正接であることを意味する。従って、疎水性表面は水に対する高い接触角度、しばしば40から110度(Zettlemeyer,Hydrophobic Surfaces,Ed.F.M.Fowkes,Academic Press,(New York)を有するものとして特徴付けられる。親水性表面は、水に対する、しばしば1から25度の低い接触角度を有するものである。しかし、限定ではなく指標としての目的で、適当な疎水性表面は、ハロゲン化炭化水素ポリマーを含む炭化水素ポリマーを含み、例えば、表1参照、一方、適当な親水性表面は、ガラスおよびポリサッカライドのような非汚染金属酸化物、シリカ様(silicaceous)物質を含む。材料の表面は、その特性を変えるために修飾し得、即ち、親水性材料は、炭化水素、過フッ化炭化水素またはシリコン含有種のような疎水性材料で処理することにより疎水性特性を与え得る。同様に、疎水性材料は、荷電基またはヒドロキシル、アミドまたはポリエステル基を表面に導入することにより、疎水性にできる。疎水性表面の全体(または実質的に全体)を親水性表面に変え、次いで親水性表面上に疎水性の領域を導入することがしばしば簡便である。単一分子層の小フラクションは、表面特性を劇的に変えるのに十分である。疎水性/親水性境界が“壁”および“バルブ”を形成したとき、壁を作るために違う表面エネルギーは、バルブのものと同じまたは異なり得るが、壁のためのエネルギーの差異は、通常バルブものもより高い。
【0013】
表面(それらを疎水性または親水性にする)に散在するいつくかまたは全ては、適当にはその上での細胞の培養を可能にするために処理し得る。この培養において、装置は、例えば、細胞内事象のスクリーニングに使用し得る(これをいかにして行うかは、例えば、欧州特許650396B参照)。
【0014】
本発明の装置で使用するのに適当な液体は、好ましくは18mNm-1より大きい表面張力を有するものである。50mNm-1より大きい表面張力を有する水溶液または懸濁液が好ましい。
【0015】
本発明の装置で使用するのに適当な粒子は、200μmより小さい粒子サイズを有する粉末はビーズである。このような粉末またはビーズは、ある方法で処理し得、例えば、それらは電荷または磁性を担持し得、それらを本発明の装置を通して流すのにより敏感にする。本発明は、粒子を液体担体不存在下で本発明の装置で使用することを意図するが、それらはこのような液体担体中にも存在し得る。
【0016】
微流体装置は、好ましくは環状であり、その軸に対して回転するのに適している。そのような適合は、支持体の一つまたは両方の軸に、駆動軸を組合わせることができる穴の形を取りうる。装置を回転させる他の方法は、装置を挟み、終点を移動表面、例えば、移動輪に接触させ、または装置を回転台に乗せ、回転台を回転させることを含む。
【0017】
装置が環状である場合、流体入口は通常装置の軸に向かう。入口は装置内の輪状供給溝に結合した一つの穴であり得、または軸の周りに間隔を開けて配置された一連の穴であり得る。輪状出口は、通常装置の周辺に向かう。流体は層流形態で装置の表面を流れるか、疎水性/親水性境界によりまたは二つの支持体に接続した内壁により形成された溝を流れ得る。これらの内壁は、簡便には装置の軸の回りに放射状に配置される。溝は、通常、溝内の流体に毛管力が働くのに適した寸法である。
【0018】
装置が細胞培養に適する場合、細胞生育を助ける利用可能な気体源を有することが好ましい。この場合、装置内に1個またはそれ以上の気体の入口があり、それは簡便には培養する細胞の極めて近くに位置する。気体入口を細胞または細胞につながる流体通路に繋げる気体通路を提供し、培養媒体/栄養素および気体、例えば空気を流体通路の下に供給することを可能とする。
【0019】
装置を形成する支持体は、簡便には平行であり、好ましくは装置内の液体が毛管力の対象となることを可能とするほど近く、適当には2ミリメートルより少なく離れ、好ましくは1ミリメートルより離れていない。このように、液体を流体入口に供給し、次いで、流体通路を毛管現象により、更にエネルギーが適応されるまで流れることができなかった、バルブ、簡便には疎水性/親水性境界に到達するまで吸い込ませる。このエネルギーは、例えば、装置の回転により作られる遠心力により提供し得る。遠心力が十分になったら、液体はバルブを超えて、輪状出口に到達するまで外側への方向で流れる。表面に散在する領域が親水性である場合、流体は50mNm-1より大きい表面張力を有し、例えば、水溶液または懸濁液であり、それらが阻止性である場合、流体は疎水性、例えば、非極性有機溶媒である。このように、流体は表面の領域/スポットに引かれる。
【0020】
一つの態様において、領域は予定されたパターンの疎水性または親水性のスポットのアレイを形成する。このようなアレイは、分析する材料、例えば、抗体、オリゴヌクレオチドまたは化学ライブラリーの付着を蓄積するのに使用できる。例えば、分析する材料を含む溶媒の滴を表面に形成し、溶媒を蒸発させ、材料を付着させる。
【0021】
2の態様において、通路を平行支持体の間に形成する。この場合、流路を形成する表面はそれ自体変えられた疎水性および親水性形成アレイのスポットの領域を上記のように有する。これらの疎水性/親水性の変えられた領域は、1個または両方の支持体の表面に形成し得、例えば、一つの表面は変えられた領域を有するが、一方逆の表面は違う。
【0022】
あるいは、流路は化学的/生物学的材料を分けるための物質を含み、例えば、クロマトグラフィーまたは電気泳動のためのゲルまたはビーズをアッセイを行うための流路にトラップし得る;例えば、シンチレーションプロキシミティーアッセイまたは細胞を特異的表面認識を介して通路にトラップできる。
【0023】
表面の疎水性/親水性の領域は、当業者に既知の方法で形成し得、例えば:
1)マスキングおよびプラスマ処理
これは殆どの表面に適用でき、容易に異なる程度の親水性/疎水性を達成することが可能である。マスク(粘着テープまたは鋳造フィルム)を、全ての表面特徴に密接にフィットするように接着する。次いで、血漿処理を非マスク表面で行う。
2)親水性“フォトレジスト”
プラスチック表面を、マスクを通した照射により架橋する疎水性ポリマー(例えば、ポリビニルシンアメート)の非常に薄い表面で被覆する。非架橋ポリマーを洗い流す。
【0024】
3)架橋可能表面活性ポリマー
表面活性、反応性ポリマーを水性溶液からプラスチック表面に吸収させ、マスクを通して照射する。非架橋ポリマーを洗い出す。
4)重合可能界面活性剤
重合可能界面活性剤(例えば、Biocompatibles Ltdのジアセチレン官能性リン脂質)の単層を球週し、マスクを通して照射する。非架橋表面を洗い出す。
5)光酸化
プラスチック表面を強力な光源(例えば、Hgランプまたはuvレーザー)で、照射領域が大気酸素により酸化されるように、マスクを通して照射する。
6)電子ビーム処理
プラスチックを、照射領域が空気(または他の活性媒体)と接触し、酸化して親水性基を作るようにマスクを通して照射する。
【0025】
本発明がよりよく理解されるように、その数個の態様を実施例の方法でのみ、そして添付の図面を参照して記載する:
図1は本発明に従った表面処理の図である;
図2および3は図1と同様の図であり、異なる配置で示す;
図4は本発明に従った対の支持体微流体装置の図である;
図5は細胞生育のための親水性領域の使用を説明する図である;
図6は本発明に従った回転ディスク微流体装置の部分的平面図である;
図7は図5の一部の図であり、非常に詳述する。
【0026】
最初に図1に関して、50×50mm疎水性表面2上の各々3×3mmである6×6親水性スポット1のアレイを有するマスクを示し、これはMac DrawProで作り、レーザープリンターで印字した。印字を複写機で透明シートにコピーした。
【0027】
50×50mm表面2の25mm厚フィルムの容量は62.5mlである。この容量ポリアクリルアミド(PAA)をGelbondaeフィルムの疎水性側に付着させ、蒸気マスクを滴の上に置いた。マスクの下の領域を毛管力で湿らせた(溶液のわずかな部分は最後にマスクの外側になった)。マスクを通し多光重合化は3分の曝露時間で行った。マスクをはずし、表面を水で濯いだ。透明パターンは、PAA表面の選択的湿潤により見ることができた。
【0028】
図2は、親水性スポット1の8個の6×5アレイが形成される疎水性表面を有するディスク支持体3を説明する。図3は、疎水性表面14の上の親水性スポット1の1次元アレイを説明する。説明するように、適当な適応した力により、流体は、構造が流体の流れのための定義された溝を形成するように、スポットからスポットを通過できる。
【0029】
図4は、回転のための共通軸を有する回転可能ディスクの形の上部および底部プレート5、6を含む配置を説明する。ディスクは、明瞭さのために離して説明する;実際問題として、ディスクは、毛管現象によりプレート間を液体が移動するのに適した距離である、輪状支持壁7により定義された距離で離れている。
【0030】
上部ディスク5は液体を内部に供給するための入口8を備える。これらの整列は、底部ディスク6の上部表面の対応領域9であり、親水性である。領域9の間の軸方向での通過はまた親水性である伸長領域10である。ディスク6の上部表面の残りの部分は疎水性である。伸長領域10は領域9の間の溝を効率的に形成する。領域10の親水性表面は、両側でディスク6の親水性上部表面により結合し、液体通路が明らかに疎水性および親水性領域の間の界面により形成される“壁”により定義されることを確実にする。
【0031】
ディスクがその共通軸に対して一緒に回転した場合、遠心力が液体を領域10により形成された溝に沿って、最深部9から最外部9に液体を押すことが見られる。
【0032】
図5は、どのように細胞が親水性領域2に適用されるかを説明する。入口23は細胞および試薬の挿入のために提供され、疎水性溝24は領域2でのその生育中の細胞の呼吸および試験間の濯ぎのために提供される。
【0033】
次ぎに、複数のサンプルの複数の化学的/生物学的試験の自動および同時の実施を可能にするために、ディスクの表面に液体を向けることを可能にする疎水性および親水性領域が形成されるコンパクトディスク(CD)10の形の微流体装置を示す図6および7を参照する。
【0034】
図6は外辺部端11および、コンパクトディスクリーダー(示していない)内の回転のために取りつけ得る中心穴12を有するコンパクトディスク10のセクションを示す。コンパクトディスクの表面に、親水性スポットの40の扇形多次元アレイ16が形成される。図7の拡大図Aから明らかなように、スポットは、ディスクの中心から放射状に広がる個々の直線溝13中に配置される。角溝はべつの疎水性領域またはブレーキ14および親水性領域またはスポット15を含む。疎水性ブレーキ15は典型的に放射状方向で75μm幅である。親水性スポット15は、典型的に放射状方向で108μm幅である。
【0035】
説明の態様において、各アレイ16に20の溝があり、各溝に200の親水性スポットがある。このように、各アレイ16は4000の親水性スポットを含む。
【0036】
共通親水性領域17で始まり、共通疎水性領域18で終わる各アレイ16の溝は、ブレーキを更正する。疎水性領域18から外に放射状に位置するのは共通廃棄溝19である。
【0037】
試験を実施するために使用する液体試薬は全てのアレイ16に共通の入口輪状溝20に挿入する。溝20から伸びるのは40の放射状に伸びる疎水性ブレーキ21であり、各々、各アレイ16の親水性領域17に伸びる。試験するサンプルは22の親水性領域16に挿入する。この方法で、40の異なるサンプルを同時に試験できる。
サンプル試験は、各親水性領域14に既知の反応物、例えば、既知のオリゴヌクレオチドを適用することにより行う。装置は4000の異なる反応物に対して試験できる可能性を有することが見られる。キャップを各親水性スポットに蒸発により形成し得、正確な前濃縮が気化により行う。
【0038】
次ぎに、試薬溝20を充填し、ディスクを回転させて試薬が疎水性ブレーキ21によりもたらされる“バルブ”を超え、廃棄溝19に外側に放射状にて飛び越えるようにする。個々の溝13に沿った前進は、親水性ブレーキ14によりもたらされる有効な“バルブ”を超えて飛ぶことによる。ブレーキを乗り越えるのに必要な力は回転ディスクの遠心力により提供される。
【0039】
試薬が廃棄溝19に流出したら、ディスクを停止し、液体サンプルを22に添加する。典型的に、サンプル容量は0.1μlである。ここで、ディスクを2つの別の速度で回転させ(ハイブリダイゼーション混合のため)、その上で遠心力は液体プラグを溝13に沿って移動させ、毛管現象は液体をバックアップに移動させる。典型的に、各スポット15に必要なサンプル容量は44plである。
【0040】
試験結果の読取は個々のスポット15を適当なリーダーを使用して試験することにより行う。試験が完了した後、適当な濯ぎ液を溝20へ適用し、濯ぎ液を溝13に沿って、遠心力により外側へ移動させることにより、ディスクを濯ぎ得る。
【0041】
図8は、疎水性領域またはブレーキAを含む放射状親水性溝26および27により接続された二つの連続入口輪状親水性溝24、25を有するCD23のセクションを示す。最外部輪状溝25は、廃棄溝28の接続部位に隣接した疎水性ブレーキまたはバルブY2を有する放射状親水性オーバーフロー溝29により輪状廃棄溝28に接続している。輪状溝25はまた二つの連続して配置されたチャンバー30および31に接続し、その2番目は次ぎに廃棄溝28に接続される。輪状溝25および26およびチャンバー30および31は疎水性ブレーキまたはバルブB、CおよびDを含む溝を介して接続する。
【0042】
最深部チャンバー30はチャンバー内での細胞の生育を可能にする処理表面を有する。疎水性ブレーキを含む空気溝32が提供され、これは、別に、サンプル入口穴としても働くことができる。最外部チャンバー31は未処理親水性表面を有し、簡便にはディテクター(示していない)と共に分析ゾーンとして働く。
【0043】
試験を実施するために使用する水性試薬は、輪状溝25に挿入され、毛管現象により放射状溝に疎水性ブレーキまたはバルブBおよびY2に到達するまで供給される。次いで、CDを液体がY2を通って廃棄溝まで28まで、次いでBを通ってCに到達するまで第1回転速度で回転させる。細胞をチャンバー30で生育させ、細胞培養が必要なレベルに到達したとき、ディスクを再び第2の高い回転速度で回転させ、チャンバー30の中身をチャンバー31に移すが、疎水性ブレーキまたはバルブDにより更に移動することを妨げる。次いで、分析または更なる操作を、チャンバー31で行うことができ、その後、CDを第3の更に高い回転速度で回転させ、チャンバー31の中身がDを通って廃棄溝29に行くようにする。
【0044】
次いで、濯ぎ液を輪状溝24に挿入できる。CDを再び回転させ、溶液が親水性ブレーキまたはバルブYおよびAを通り、チャンバー30および31へ、次いで廃棄溝へ行く。
【0045】
親水性角の周りの液体の毛管“クリープ”を防止するために、図8でVと呼ぶ疎水性表面を毛管溝の片側に適用しする。(溝は通常正方形または方形断面である。ブレーキまたはバルブY、U2、A、B、CおよびDの疎水性および寸法は、液体がDを超えるのに必要な力がCより大きく、それは順番にBより大きく、それはY2より大きいように選択する。)
以下の実施例は疎水性支持体上に異なる特性を有する表面の製造を説明する。
【0046】
実施例1
表面に凹所の微小組み立て溝を有するZeonex(Nippon Zeonにより製造されたシクロオレフィンコポリマー)からなるCDディスクを、選択的に溝中の所望のスポットに粘性フィルム形成流体を適応ことによりマスクした。フィルム形成流体がOwoco Rod(合成水溶性ポリマーが基本)またはOwoco Rosa(合成ゴムラテックス分散が基本)を使用したため、両方Owoco AB,Stockhol,Sweden由来である。乾燥後、ディスクをプラズマリアクター(BOC Coating Technology,Concord Ca USA由来のPlasma Science PSO500)に置き、酸素プラズマ(5cm/分ガス流、500W RFパワー)で10分処理した。次いで、マスクを水で濯ぎ、続いてエタノールで濯いで除去した。非マスク領域は5度の水接触角を有したが、マスク領域は90度の接触角を有した。軟シリコンゴム棒をディスクを通して置き、水性色素溶液を溝に入れた。溶液は非マスク溝領域に自己吸引力により浸透するが、疎水性マスク領域ではスポットであった。ディスクを3000rpmで回転させることにより、溶液はマスク領域も通過するようになった。
【0047】
実施例2
表面に凹所の微小組み立て溝を有するポリカーボネートからなるCDディスクをプラスマリアクター(BOC Coating Technology,Concord Ca USA由来のPlasma Science PSO500)に置き、酸素プラズマ(5cm/分ガス流、500W RFパワー)で10分処理した。処理後、ディスク表面は5度の水接触角を有した。シクロヘキサン中0.5%のポリイソブチレンの溶液を選択スポットに局所的に適用し、乾燥させた。ポリイソブチレンコート領域は100度の水接触角を有した。軟シリコンゴム棒をディスクを通して置き、水性色素溶液を溝に入れた。溶液は非コード溝領域に自己吸引力により浸透するが、疎水性コート領域ではスポットであった。ディスクを3000rpmで回転させることにより、溶液はコート領域も通過するようになった。
【0048】
表面に凹所の微小組み立て溝を有するポリカーボネートからなるCDディスクをシャドーマスクを介した蒸発により金で模様をつけた。最初にクロミウムの40nmの深さの層をマスクを通して蒸発させた。次いで、CDディスクをプラスマリアクター(BOC Coating Technology,Concord Ca USA由来のPlasma Science PSO500)に置き、空気プラズマ(10cm/分ガス流、500W RFパワー)で10分処理した。処理後、ディスク表面は6度の水接触角を有した。次いで、CDディスクをガラス容器に入れ、50mlの1mMオクタデシルメルカプタンのエタノール溶液を添加した。1時間、チオール溶液中、CDディスクをエタノールで注意深く濯いだ。ポリカーボネート領域の水接触角は7度であり、金表面は79度であった。軟シリコンゴム棒をディスクを通して置き、水性色素溶液を溝に入れた。溶液は非コート溝領域に自己吸引力により浸透するが、疎水性金コート領域ではスポットであった。ディスクを3200rpmで回転させることにより、溶液はコート領域も通過するようになった。
【表1】
Figure 0004630457
* A.C. Zettlemoyer (Hydrophobic surfaces, Ed P M Fowkes, Academic Press (new York) 1969, p.1-27
** A.W. Admason Physical chemistry of Surfaces 第5版, Wiley-Interscience 1990, 9 397
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従った表面処理の図である。
【図2および3】 図1と同様の図であり、異なる配置で示す。
【図4】 本発明に従った対の支持体微流体装置の図である。
【図5】 細胞生育のための親水性領域の使用を説明する図である。
【図6】 本発明に従った回転ディスク微流体装置の部分的平面図である。
【図7】 図5の一部の図であり、非常に詳述する図である。
【図8】 疎水性領域またはブレーキAを含む放射状親水性溝26および27により接続された二つの連続入口輪状親水性溝24、25を有するCD23のセクションを示す。

Claims (19)

  1. 液体の流れのための少なくとも1つの微小溝を含む予定された通路を含む微流体装置において、バルブとしての、異なる相対的親水性もしくは疎水性を有する2つの表面領域の間の境界であって、
    a)該微小溝において、2つの親水性セクションの間の疎水性セクションによってバルブが形成されている;そして
    b)装置を回転させることによって表面領域の表面エネルギーの差異に打ち勝つのに十分なエネルギーを液体に提供しない限り、境界を越える液体の流れが妨げられる;
    境界の使用。
  2. 微流体装置が、1μl未満である試薬サンプル体積を扱うことが可能であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  3. 微流体装置が、500nl未満である試薬サンプル体積を扱うことが可能であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  4. 微流体装置が、2つの平行な支持体を含み、そして該が該支持体の間にあることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の使用。
  5. 該装置が、環状であって、該装置の軸での回転に適していることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の使用。
  6. 該装置が、装置の中心に向かう液体入口を有し、かつ装置の周辺に向かう輪状液体出口を有することを特徴とする、請求項5に記載の使用。
  7. 該装置が、軸の周りに間隔をあけて配置された一連の入口部分を含む入口を有することを特徴とする、請求項5に記載の使用。
  8. 該溝が、内で液体に毛管力が働くことが可能な寸法を有する、請求項4〜7の何れか1項に記載の使用。
  9. 液体が、毛管作用によって、液体からバルブまで吸い上げられ、液体がバルブを通過するために、該回転によって液体にエネルギーが働く、請求項8に記載の使用。
  10. 液体が>18mNm−1の表面張力を有する、請求項1〜9の何れか1項に記載の使用。
  11. 液体が>50mNm−1の表面張力を有する、水性溶液もしくは懸濁液である、請求項1〜9の何れか1項に記載の使用。
  12. 装置が、
    a)その軸での回転に適しており、その間液体の流れのための予定されている親水性溝がある2つの支持体を含む環状ディスク;および
    b)該中に存在し、そして該中の2つの親水性セクションの間に位置する疎水セクションから形成され、装置を該軸に対して回転されることによって表面領域間の表面エネルギーの差異に打ち勝つのに十分なエネルギーを液体に提供しない限り該バルブを越える液体の流れが妨げられている、バルブ;
    を含むことを特徴とする、微流体装置。
  13. 微流体装置が、1μl未満である試薬サンプル体積を扱うのに適していることを特徴とする、請求項12に記載の微流体装置。
  14. 微流体装置が、500nl未満である試薬サンプル体積を扱うのに適していることを特徴とする、請求項12に記載の微流体装置。
  15. 2つの支持体を接続した内壁がを定義する、請求項12〜14の何れか1項に記載の微流体装置。
  16. 装置の軸に向かう入口を含むことを特徴とする、請求項12〜15の何れか1項に記載の微流体装置。
  17. 該装置が、軸の周りに間隔をあけて配置された一連の入口部分を含む入口を有することを特徴とする、請求項12〜16の何れか1項に記載の微流体装置。
  18. 該装置が、装置の中心に向かう液体入口を有し、かつ装置の周辺に向かう輪状液体出口を有することを特徴とする、請求項12〜17の何れか1項に記載の微流体装置。
  19. 該溝が、内で液体に毛管力が働くことが可能な寸法を有する、請求項12〜18の何れか1項に記載の微流体装置。
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