JP4629002B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同じ構図で露出値をオーバー側からアンダー側方向又はその逆方向に変化させて複数枚の静止画像を撮影するブラケット撮影の機能を有するカメラ等の撮像装置に関する。
一般的な撮像装置(カメラ)における自動露出(AE:オートエクスポージャー、自動露光)制御では、例えば、被写体の状態(、及び、撮影者の操作入力)に応じて輝度信号値を解析することで適正な露出の値(EV:エクスポージャーバリュー、露光量)を得ている。その際に、撮像画面を複数の所定寸法の測光窓に分割し、各測光窓毎の輝度信号値を選択し、解析している。例えば、中央重点測光のAE制御では、撮像画面の中央部の輝度積算値を用いて露出値を決定している。
絞りを撮影者が先に操作入力で設定してカメラがシャッター速度を制御するのが絞り優先AEで、逆にシャッタースピードを撮影者が先に操作入力で設定してカメラが絞りを制御するのがシャッター優先AEと称される。カメラのフィルム感度(ISO感度)は、受光面の光を感じる能力であり、ISO感度が高ければ、絞り優先AEならシャッター速度を早くすることができ、シャッター優先AEなら絞り値を絞り込むことができる。シャッター速度を早めることは、例えば、手振れ対策や速い被写体の撮影時に有効であり、絞り値を絞り込むことは、例えば、被写界深度を深くして手前のものから奥側のものまでピントを合わせたい時に有効である。
カメラの自動露出制御では、例えば、明るさが1000ルクスで、フィルム面(受光面)の適正露光量がフィルム濃度1.0を与える1ルクス・秒とした場合に、反射率18%のグレー板の露光量が1ルクス・秒となるようにシャッタースピードと絞り値を制御する。明るさが500ルクスなら、その環境下で反射率18%のグレー板の露光量が1ルクス・秒(1000ルクスの時と同じ露光量)となるようにシャッタースピードと絞り値を制御する。
カメラにより自動露出制御で決定される適正露出値は上記のように決定されるが、一方で、撮影者にとっての画像の適正露出値、つまり、撮影者個人にとっての「画像のちょうど良い明るさ」は、撮影者毎の感性及び被写体の構成により異なる値になる場合がある。例えば、撮影者の「明るめ(露出オーバー気味)にしたい」、「暗め(露出アンダー気味)にしたい」、「手前の被写体が暗く見えなくなっても明るい背景を白とびさせずに表示させたい」等の撮影意図によって適正露出値が変化する。さらに、多様な撮像被写体、昼間・夜間・室内など複雑な照明環境、撮像素子のダイナミックレンジが周辺環境の照明状態と比べて狭い等、複雑な撮影条件によっても、撮影者の感性及び被写体の構成から画像の適正露出値は変わる。従って、撮影者にとっての適正露出値をカメラのAE制御機能で得ることには限界があった。
特に、複雑な撮影条件下や、高精度な露出制御が必要な撮影時には、撮影者にとっての適正露出値が、カメラに設定されたAE制御機能(固定露出を含む)では得られない場合があり、又、そのような場合にマニュアル操作で適正露出値を得ることも、撮影者に経験や技術が要求されることから難しかった。
ブラケット撮影(ブラケッティング)は、元々は銀塩フィルムを用いたスチールカメラにて用いられていた技術で、上記したような場合、すなわち撮影時にマニュアル操作で適正露出を決定することが難しい場合や、固定露出や自動露出の設定内容では適正な露出が得られない場合等に、まず、同じ構図で露出値をオーバー側(例えば+2EV)からアンダー側(例えば−2EV)の降順方向又はその逆の昇順方向に、段階的(例えば2EV毎)に一律幅で変化(切替)させて複数枚の静止画像を撮影する方法である。又、変化させる露出段数を設定しておくことでカメラが自動的にブラケット撮影を実施する機能をオートブラケットと言い、撮影者は、その撮影された複数枚の同構図画像の中から最適な露出の画像を選択することで、最終的に適正露出の画像を得ることができる。
AE制御機能を備える一部の撮像装置には、上記したようなブラケット撮影に設定されたコマ数で、カメラの露出を自動的に切り替えながら撮影する自動段階露光(AEB:オートエクスポージャーブラケッティング)機能が備えられている。近年のデジタルカメラ(電子スチールカメラ)にもAEB機能付きの製品が公表されているが、一般的に、デジタルカメラでは1枚撮影する毎にメモリに記録する前に各撮像画像に対して画像処理時間が必要であるため、デジタルカメラでブラケット撮影する場合には、銀塩フィルムカメラよりも長い処理時間が必要となる場合が多くなっている。
このようなブラケット撮影の機能を備える従来の電子スチールカメラとしては、例えば、撮影者によりブラケット撮影の指示が入力される操作部、及び、撮影した画像データの露出を補正する露出変更回路を備え、カメラの設定値又は撮影者の設定値で撮影した最初の画像データに対して、ブラケット撮影に指定された露出の補正段階レベルに従って段階的に一律幅で補正することで露出値の異なる画像データを生成する撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の撮像装置の操作部にブラケット撮影の指示が入力されている場合、指示入力に従い撮影された画像データに対して、露出変更回路では、ブラケット撮影で指定された露出の補正段階レベルに従って露出を補正した画像データを生成する。従って、実際に複数枚を撮影することなく、同じ構図で露出値を段階的に変化させた複数枚の静止画像を得ることができ、ブラケット撮影の撮影時間を短縮させることができる。
また、従来の別のブラケット撮影の機能を備える電子スチールカメラとしては、露出のEV値に代えてISO感度値を変化させて、ISO感度値の異なる画像データをオートブラケッティングして得る撮像装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この撮像装置には、アナログ信号段階でゲイン調整するアナログゲイン調整手段と、デジタル信号段階でレベル補正及びガンマ補正等を実施する露出レベル調整手段と、ブラケット撮影に指定されたISO感度値の補正レベルに従って段階的に一律幅となるように両調整手段を組み合わせて補正する制御手段とを備えている。
露出量(露光量)の多少により撮像画像の明暗が変化し、ISO感度値の大小によっても撮像画像の明暗が変化するため、最適な画像の明るさを得るという目的のためには、露光量の制御に代えてISO感度値を制御しても良い場合がある。従って、上記のようにISO感度値を制御してもブラケット撮影は可能である。
又、アナログゲイン調整手段は、一般的に高感度(高ゲイン)にするほどS/N比が悪化することから、ノイズが目立ってしまう場合がある。又、露出レベル調整手段では、ノイズリダクションの画像処理で高感度側のノイズを目立たなくできるが、大幅に感度調整(デジタルゲイン調整)を実施すると、ハイライト部又はシャドー部の階調が失われたり、ダイナミックレンジが減少し不自然な画像になる場合がある。そのため、特許文献2の撮像装置では、撮影条件及び補正方向により、アナログゲイン調整手段と露出レベル調整手段の各々の調整量の割合を制御することで、S/N比、階調特性、及び、ダイナミックレンジを改善させていた。
特開平11−4380号公報 (第6−8頁、第1図) 特開2005−142607号公報 (第21−23頁、第4図)
従来の撮像装置では、ブラケット撮影で複数枚が撮影された画像データにおける露出の補正値は、カメラの自動露出機能又は撮影者のマニュアル操作により得られた当初の露出値に対して、例えば、露出値を+/−1EV又は+/−0.5EV等のオーバー側とアンダー側に等間隔に1段階以上の固定幅で変化させた補正値、又は、撮影者が指定した+/−等間隔の固定幅で変化させた補正値である。これは特許文献2のようにISO感度値による補正の場合でも、同様に撮影者が指定した+/−等間隔に固定幅で変化させた補正値である。
その場合、例えば、最適な補正値が固定幅で変化させた2補正値の中間にある場合でも、その2補正値の何れかに適合するように補正されてしまい、その2補正値の中間値には補正できなかった。つまり、露出の補正値の精度を高めることはできないという問題があった。
特に、暗い場所で被写体を撮影する場合には、ブラケット撮影で露出がオーバー側に補正された画像データが選択されることになるが、補正幅が等間隔で一律であるので、露出の補正値の精度が高くない場合には、わずかでも露出がアンダーであると一気に過剰にオーバーな補正値になりやすかった。その場合、アナログゲイン調整が高ゲインになるとS/N比が悪化することから、画像が劣化するという問題があった。
又、従来の撮像装置で補正の精度を高めるためには、例えば、露出を変化させるための等間隔(固定値)の補正幅を1/2等に狭くし、その分だけ撮影枚数を2倍に増加させる等の方法が考えられる。しかし、その場合には、撮影枚数の増加に対応して撮像処理時間が余分に必要になり、ブラケット撮影にかかる時間が長くなるという問題があった。デジタルカメラでは、撮影後の画像処理の時間が必要であるため、特にブラケット撮影の時間が長くなるという問題があった。
以上のブラケット撮影を実施する撮像装置の問題は、その撮像装置を、例えば、画像の認証装置に適用する場合には特に顕著になる。例えば、人物、顔、指紋、文字等を被写体として、その形状又は色等の特徴画像を検出して登録内容との一致を認証する認証装置では、露出の補正値の精度を高めることができないことは、即ち、画像の細部の認識精度も高めることができないことになり、認証精度を向上させることができないことになるためである。
又、画像の認証装置は、暗い場所で被写体を撮影する場合も多く、従って、過剰に高ゲインになる場合が多くなることは、S/N比を悪化させて認証性能を低下させる場合も多くなるという問題がある。
更に、画像の認証装置は、認識精度を高めるためには画像の認識精度を高める必要があり、その場合には、例えば、上記したように撮像装置の露出を等間隔の固定値で変化させる補正幅を狭くすることが考えられる。しかし、その場合には、撮影枚数が増加する。そして、その増加した撮影枚数に対応させて、撮像処理時間が必要であることに加えて、認証処理時間も余分に必要となる。認証処理時間とは、どの画像データのどの位置に認証すべき被写体が撮像されているか、又は、どの画像データに撮像されている被写体が適切な露出であるか等を検出する処理である。つまり、ブラケット撮影を実施する撮像装置を使用した画像の認証装置では、認識精度を向上させようとすると、認識処理時間が長くなるという問題があった。
以上のように、ブラケット撮影を実施する撮像装置を用いた画像の認証装置で、認証結果が最適となるように露出の補正値を設定することは非常に困難であった。
本発明は上述したような課題を解決するためになされたもので、露出の補正値の精度が高く、暗い場所での過剰な補正により画質の劣化が少なく、撮像処理時間が短いブラケット撮影を実施する撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の撮像装置は、被写体を撮像した撮像画像の電荷蓄積時間を可変して画像信号を出力できる固体撮像素子と、
前記固体撮像素子から出力された画像信号に対する利得を制御して画像信号の出力レベルを可変するアナログ信号処理手段と、
アナログ信号処理手段から出力された画像信号がデジタル化された信号を出力するデジタル信号処理手段と、
前記デジタル化された画像信号から、撮像画像における所定の特徴画像を検出し、少なくとも特徴画像が検出できたか否かが判断可能である特徴画像検出可否信号を出力する特徴画像検出可否判定手段と、
前記デジタル化された画像信号と前記特徴画像検出可否信号から、前記撮像画像の前記特徴画像を含む所定の特徴画像領域における所定の露出補正用信号を検出して露出を補正するための特徴画像露出補正値を生成する露出補正値検出手段と、
所定寸法の測光窓積算値から通常撮影又はブラケット撮影の第一の撮影用の第一の露出制御値を演算し、該第一の露出制御値及び前記特徴画像露出補正値からブラケット撮影の露出を変化させた第二以降の撮影用の第二の露出制御値を演算し、前記第一の露出制御値又は前記第二の露出制御値に基づいて、撮影時の露出を制御するための露出制御信号を出力する露出制御手段と
を備え
前記個体撮像素子、前記アナログ信号処理手段及びデジタル信号処理手段は、
前記所定寸法の測光窓内に、前記特徴画像が含まれない場合には、前記第一の露出制御値及び前記第二の露出制御値に基づく前記露出制御信号を用いて、ブラケット撮影を行い、
前記所定寸法の測光窓内に、前記特徴画像が含まれる場合には、前記第一の露出制御値に基づく前記露出制御信号を用いて、撮影を行う
ことを特徴とする。
本発明の撮像装置によれば、人物、顔、指紋、文字等を被写体として、その形状又は色等の特徴画像を検出し、その特徴画像の露出状態を示す信号を露出制御に用いるので、露出の補正値の精度が高く、暗い場所での過剰な補正により画質の劣化が少なく、撮像処理時間が短い撮像装置を提供することができる。
以下の各実施の形態に記載するブラケット撮影は、設定した露出補正量の幅に従い、カメラが自動的に露出を変えながら3画面をオートブラケット撮影する場合として説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
図1の撮像装置は、特徴画像検出可否判定手段14、露出補正値検出手段15、及び、システム制御手段24を基本として構成される。各部の詳細な機能は後述する。図1の撮像装置の内部には、画像選択手段42、特徴画像領域検出手段25、平均輝度検出手段26及び露出補正値生成手段41が設けられ、デジタル信号処理手段5からの輝度信号の特徴画像検出用補正出力VFが入力されることで補正された撮像画像の情報が入力されると共に、特徴画像検出可否判定手段14からの特徴画像検出可否出力VGが入力されることで、補正された撮像画像から特徴画像を含む特徴画像領域を検出し、その特徴画像領域(特徴画像)の露出補正用信号としての平均輝度信号値から特徴画像露出補正値VHを出力する。
図1の撮像装置を構成する手段で、レンズ1は、不図示の被写体からの入射光を固体撮像素子2の受光面上に集光させるものである。固体撮像素子2は、被写体からの入射光を光電変換して、固体撮像素子2の画素配列に依存したRAW出力の電気信号である撮像出力VAとして出力する。アナログ信号処理手段3は、撮像出力VAを相関二重サンプリング処理(CDS)ならびに自動信号増幅処理(AGC)し、増幅出力VBとして出力する。A/D変換手段4は、アナログ信号である増幅出力VBを画像のフレーム単位でデジタル信号に変換し、A/D変換出力VCとして出力する。
デジタル信号処理手段5は、デジタル信号になった撮像出力(A/D変換出力VC)に対して画像処理を行う機能を有する。以下に、デジタル信号処理手段5について図2を用いて詳しく説明する。
図2は、図1のデジタル信号処理手段5の内部構成を示すブロック図である。
積算手段30は、1画面を水平方向と垂直方向に分割して形成される所定寸法の測光窓毎に、A/D変換出力VCを積算した積算値を演算すると共に、その積算値をCPUバス経由でSDRAM11へ出力するようにメモリ制御も実施する。所定寸法の測光窓は、予め設計的に求められるか、ユーザインターフェースによりユーザが設定する。尚、積算値としては、固体撮像素子2の画素配列に対応するRAW信号のRAW積算値や、RAW信号から求めた輝度信号の輝度積算値などである。
画素補間手段31は、入力するA/D変換出力VCからA/D変換クロックを用いて画素を補間し、その補間した信号からRGB形式の映像信号を生成する。YCbCr変換処理手段32は、RGB形式の映像信号をデジタル信号処理手段5で処理可能なYCbCr形式の映像信号に変換する。Y信号処理手段33は、YCbCr形式の映像信号における輝度信号(Y信号)のエンハンス処理等の輝度信号に対する信号処理を行う。
階調変換手段34は、Y信号(輝度信号)の階調を補正し、補正したY信号を特徴画像検出用補正出力VFとして特徴画像検出可否判定手段14及び外部インターフェース手段35に出力する。上記したように本実施の形態では、デジタル信号処理手段5の特徴画像検出用補正出力VFとして撮像画像のY信号(輝度信号)を出力しており、以下の記載中でも特徴画像検出用補正出力VFが輝度信号である場合について説明している。尚、特徴画像検出用補正出力VFとしては、本実施の形態の輝度信号以外にも、特徴画像検出可否判定手段14で特徴画像を検出するために用いることができる信号であればよく、例えば、色差信号(CbCr)、原色RGB信号等を出力させるようにしてもよい。
外部インターフェース手段35は、YCbCr形式の映像信号を、後段に接続された表示手段8や記録手段9等の外部機器で処理できる表示出力信号VI(例えば、YCbCr4:4:2出力形式、RGB出力形式)に変換して出力する。また、外部インターフェース手段35には、外部機器との接続を行う際に、表示デバイスの表示性能を向上させるように画質補正を行う画質補正機能を備えさせることも可能である。
クロマ信号処理手段36は、YCbCr形式の映像信号における2×2のマトリクス等のクロマ信号(CbCr信号)について、色相、彩度を調整する信号処理を行う。
タイミング信号生成手段6は、固体撮像素子2、アナログ信号処理手段3、A/D変換手段4及びデジタル信号処理手段5の同期を取る同期制御手段である。又、デジタル信号処理手段5に対するメモリ機能を拡張させることで、非同期制御の構成も可能である。例えば、タイミング信号生成手段6は、図1のタイミング信号TS1に示したように、固体撮像素子2に対して、Vドライバ7を介する水平駆動及び垂直駆動の各駆動タイミングパルスを生成し、図1のタイミング信号TS2に示したように、電荷読出し(TG)及び電荷掃き出し(SUB)の各駆動タイミングパルスを生成して出力する。
又、タイミング信号生成手段6は、アナログ信号処理手段3に対しても、図1のタイミング信号TS3に示したように、CDS処理を実施させるアナログ信号処理パルス生成し、図1のタイミング信号TS4に示したように、A/D変換手段4に対してA/D変換クロックを生成し、デジタル信号処理手段5に対して駆動パルスを生成し、図1のタイミング信号TS5に示したように、絞り13に対して駆動パルスを生成する。
更に具体的には、例えば、タイミング信号生成手段6に通常撮影用の第一の露出タイミング制御信号ES(1)が入力した場合には、タイミング信号生成手段6は、通常撮影用の第一のタイミング信号TS1(1)及びタイミング信号TS2(1)を固体撮像素子2に出力し、通常撮影用の第一のタイミング信号TS3(1)をアナログ信号処理手段3に出力し、通常撮影用の第一のタイミング信号TS4(1)をA/D変換手段4に出力し、通常撮影用の第一のタイミング信号TS5(1)を絞り13に出力する。また、タイミング信号生成手段6にブラケット撮影用の第二の露出タイミング制御信号ES(2)が入力した場合には、タイミング信号生成手段6は、ブラケット撮影用の第二のタイミング信号TS1(2)及びタイミング信号TS2(2)を固体撮像素子2に出力し、ブラケット撮影用の第二のタイミング信号TS3(2)をアナログ信号処理手段3に出力し、ブラケット撮影用の第二のタイミング信号TS4(2)をA/D変換手段4に出力し、ブラケット撮影用の第二のタイミング信号TS5(2)を絞り13に出力する。
記録手段9は、個体撮像素子2で撮像された撮像画像の映像信号を保持する。
露出制御手段10は、SDRAM11に保持されていた測光窓毎のA/D変換出力VCの積算値を、CPUバス経由で読み出して露出状態を検出し、通常撮影では、前記した測光窓に応じて自動の露出制御を実施する。ブラケット撮影時には、図3等を用いて、以下に詳しく説明するように露出を制御する。
図3は、図1の露出制御手段10の内部構成を示すブロック図である。
第一の露出制御値演算手段38には、固体撮像素子2の出力信号に比例した画像データ信号が積算された積算値がSDRAM11にCPUバス経由で書き込まれていたものが読み出されて入力され、第一の露出制御値を演算し、その第一の露出制御値を露出制御信号生成手段40及び第二の露出制御値演算手段39に出力する。尚、第一の露出制御値は、通常撮影又はブラケット撮影の基準撮影用の露出を制御するための値であり、通常撮影では、自動露出制御において収束される値(露出値)を制御するための値である。
第二の露出制御値演算手段39は、露出補正値検出手段15からの特徴画像露出補正値VH及び第一の露出制御値演算手段38からの第一の露出制御値が入力されて第二の露出制御値を演算し、その第二の露出制御値を露出制御信号生成手段40に出力する。
露出制御信号生成手段40では、第一の露出制御値演算手段38から第一の露出制御値、又は、第二の露出制御値演算手段39から第二の露出制御値が入力され、露出タイミング制御信号ESを生成してタイミング信号生成手段6に出力すると共に、露出ゲイン制御信号EGを生成してアナログ信号処理手段3に出力する。
タイミング信号生成手段6は、受信した露出タイミング制御信号ESに応じて電子シャッタの電荷掃き出しパルス(SUBパルス)数を制御するようにタイミング信号TS2を出力することで露出を制御すると共に、アナログ信号処理手段3のタイミングを制御するためのタイミング信号TS3を出力する。一方、アナログ信号処理手段3は、受信した露出ゲイン制御信号EGに応じて、タイミング信号TS3のタイミングで利得を調整する。
SDRAM11は、CPUバスに接続されており、制御装置からのデータや、画像ファイルを一時保管する。フラッシュメモリ12も、CPUバスに接続されており、制御装置のソフトウェアを保存する。
特徴画像検出可否判定手段14は、入力した撮像画像の輝度信号の特徴画像検出用補正出力VFから、例えば、パターンマッチングの技術を用いて、画像における所定の特徴画像、具体的に例えば、人、顔、目、形状、文字等の特徴画像を検出する。特徴画像検出可否出力VGとしては、少なくとも特徴画像が検出できたか否かが判断できる信号を出力し、可能であれば、検出された特徴画像の明瞭度、信頼度、確度等のレベルを示す信号値を出力する。
尚、上記では本実施の形態の特徴画像検出方法としてパターンマッチングを用いることとして説明したが、本発明に適用可能な特徴画像検出方法はそれに限られるものではなく、入力した撮像画像から特徴画像を検出することが可能であれば、他の任意の検出方法を用いることができる。
例えば、特徴画像の検出には肌色検出の技術を用いることができる。その場合、デジタル信号処理手段5から特徴画像検出可否判定手段14へは、特徴画像検出用補正出力VFとして、輝度信号と色差信号が入力される。すると、特徴画像検出可否判定手段14では、その輝度信号と色差信号の特徴画像検出用補正出力VFから特徴画像を検出し、少なくとも特徴画像が検出できたか否かが判断できる信号、又は、検出された特徴画像の明瞭度、信頼度、確度等のレベルを示す信号値である特徴画像検出可否出力VGを出力する。
特徴画像検出可否判定手段14には、撮像手段41からブラケット撮影された撮像画像が入力され、ブラケット撮影された各撮像画像から最適な特徴画像を検出できる撮像画像が抽出される。この抽出された撮像画像のID(認識符号)に基づき、露出制御手段10では、最適な特徴画像を検出できる撮像画像に対応する露出制御信号が生成される。この特徴画像の検出に最適な露出制御信号を用いて露出制御された撮像画像が後段に出力される。この特徴画像の検出に最適な撮像画像が用いることで、後段の処理時間を短縮することができる。
図4は、図1の露出補正値検出手段15の内部構成を示すブロック図である。
露出補正値検出手段15の内部には、画像選択手段42、特徴画像領域検出手段25、平均輝度検出手段26及び露出補正値生成手段41が設けられ、デジタル信号処理手段5からの輝度信号の特徴画像検出用補正出力VFが入力されることで補正された撮像画像の情報が入力されると共に、特徴画像検出可否判定手段14からの特徴画像検出可否出力VGが入力されることで、補正された撮像画像から特徴画像を含む特徴画像領域を検出し、その特徴画像領域(特徴画像)の露出補正用信号としての平均輝度信号値から特徴画像露出補正値VHを出力する。
画像選択手段42は、ブラケット撮像で露出値が変更された複数の撮像画像の各輝度信号の特徴画像検出用補正出力VFと特徴画像検出可否出力VGが入力され、輝度信号の特徴画像検出用補正出力VFから、特徴画像検出可否出力VGによる特徴画像の検出結果を用いて、特徴画像露出補正値VHを検出するために最適な撮像画像の輝度信号の特徴画像検出用補正出力VFが選択されて特徴画像領域検出手段25に出力される。
特徴画像領域検出手段25は、画像選択手段42で選択された撮像画像の輝度信号の特徴画像検出用補正出力VFが入力され、その撮像画像の輝度信号の特徴画像検出用補正出力VFから特徴画像(人、顔、目、形状、文字等)を含む特徴画像領域を検出する。
又、例えば、上記した肌色検出の場合の特徴画像領域検出手段25ならば、輝度信号値と色差信号値が肌色であると検出できる信号値の領域を特徴画像領域として検出する。このようにして、撮像画像の輝度信号の特徴画像検出用補正出力VF又は輝度信号値と色差信号値から特徴画像を含む特徴画像領域を検出することができ、検出結果が平均輝度検出手段26に出力される。
平均輝度検出手段26は、輝度信号の特徴画像検出用補正出力VFと特徴画像領域検出手段25からの特徴画像を含む特徴画像領域を示す信号が入力され、その特徴画像領域内の露出補正用信号として平均輝度信号値が検出される。
露出補正値生成手段41は、平均輝度検出手段26で検出された特徴画像領域内の平均輝度から、その特徴画像領域内の特徴画像の露出を補正するために用いられる特徴画像露出補正値VHを生成して露出制御手段10に出力する。
図5は、本発明の実施の形態1の特徴画像領域の一例を含む一枚の撮像画像が表示手段8に表示された場合を示した図である。
以下に図5を用いて本実施の形態の画像における特徴画像領域について説明する。
図5の撮像装置で撮像された一枚の画面が表示手段8に表示された画像16では、横長の略長方形の画面の中心近辺に被写体の人物像が配置され、その人物像の周辺部が含まれて表示されている。図5の特徴画像領域17としては、被写体の人物像の顔と一部のその周囲の領域を含む略長方形の領域が抽出されている。
特徴画像領域17は、画像16内の特徴画像18の画像を含む領域であり、後述する露出補正を行うために用いられる領域である。そして、本実施の形態の特徴画像18は、図5に示したように被写体の人物像における目である。本実施の形態の特徴画像領域17としては、顔内の特徴画像18を含んでいればよく、略長方形の領域に限らず、円形等の領域であってもよい。又、図5に示された領域よりもさらに狭い領域を抽出するようにしてもよい。その場合、つまり特徴画像領域17を特徴画像18を含む狭い領域のみに変更した場合には、露出を補正する際に用いられる領域内の平均輝度信号値の精度を高めることができる。
システム制御手段24は、例えば、マイクロプロセッサ又はCPU等の制御手段であり、撮像装置におけるシステム全体の制御を行い、例えば、電源のON/OFF制御、駆動モード切り替え制御、表示装置8への表示制御等を行う。
図1の撮像装置のブラケット撮影時の動作について、図6のタイミングチャートと、図8〜図11のフローチャートを用いて、以下に詳細に説明する。
図6は、本実施の形態の撮像装置におけるブラケット撮影時の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
図6(a)は、撮像装置における個体撮像素子2の垂直同期信号VDを示す。各垂直同期信号VDの間は、個体撮像素子2における1フレームの画像データの転送期間であり、図6(a)にはフレームF0からフレームF7の転送期間が示されている。
図6(b)は、個体撮像素子2の電荷読出しパルスTGを示す。1フレーム毎の転送期間(以後、フレーム転送期間と記載)中には、一度、この電荷読出しパルスTGにより、電荷読出しタイミングT0において電荷が読出される。読み出された電荷は、電荷転送処理期間T1で転送され、転送が終了後、露出検出処理期間T2において、露出制御信号ES/EGが求められ、その後に続くフレーム転送期間中に露出が制御される。
図6(c)は、電荷吐き出しパルスSUBを示す。電荷吐き出しパルスSUBが終了してから次の電荷読出しタイミングT0までの期間に個体撮像素子に電荷が蓄積される。この期間を制御することにより露出時間を調整することができる。尚、本実施の形態では電子シャッタのシャッター優先AEの露出制御の場合について説明しているが、電荷読出しタイミング(T0)、電荷転送処理期間(T1)と露出検出処理期間(T2)の関係については、例えば、メカニカルシャッタのシャッター優先AEの露出制御の場合も同様である。
図6(d)は、ブラケット撮影要求REQBである。
ブラケット撮影が必要な状況は、図1のシステム制御装置24において検出され、システム制御装置24からブラケット撮影要求REQBが出力される。尚、ブラケット撮影が必要な状況とは、例えば、使用者の操作によるブラケット撮影の指示入力があった場合、測光窓毎の輝度積算値や露出値から撮像装置(撮像手段:カメラ)によりブラケット撮影が自動で指定された場合、図示されない上位のサーバ等からのブラケット撮影の要求があった場合、或いは、撮像装置が認証装置に使用される場合においてカウンタやタイマーを動作させて定期的(例えば、1秒毎等)に実施される認証用のブラケット撮影のタスク要求があった場合等である。
図6(e)は、フレーム単位にデジタル信号化された画像信号であるA/D変換出力VCによる、各フレーム毎の露出制御値を示す図である。
図6(a)におけるフレーム:F0の露出制御値を示すのが図6(e)のEP(F0)であり、フレーム:F3の露出制御値EP(F3)までは順に、露出制御手段10からの第一の露出制御値による露出状態の画像データが1フレーム期間遅れてA/D変換出力VCで出力される。つまり、i番目(iはi≧0の整数)のフレームまでの画像データにより露出制御手段10で求められた第一の露出制御値が、i+1番フレームのA/D変換出力VCの露出制御値EP(F(i))となって出力される。
図6(e)では、フレーム:F0の露出制御値が1フレーム期間遅れてEP(F0)、フレーム:F1の露出制御値が1フレーム期間遅れてEP(F1)、フレーム:F2の露出制御値が1フレーム期間遅れてEP(F2)、フレーム:F3の露出制御値が1フレーム期間遅れてEP(F3)で出力される。ここまでは第一の露出制御値による露出状態の画像データである。その後は、フレーム:F4の露出制御値が1フレーム期間遅れてEP(F3)×α1、フレーム:F5の露出制御値が1フレーム期間遅れてEP(F3)×α2、フレーム:F6の露出制御値が1フレーム期間遅れてEP(F6)で出力される。フレーム:F4とフレーム:F5が第二の露出制御値による露出状態の画像データであり、フレーム:F6が第一の露出制御値による露出状態の画像データである。
図6(d)のタイミングでブラケット撮影要求REQBが入力した場合には、その際の露出制御値EP(F2)の次の露出制御値EP(F3)の画像データのA/D変換出力VCが出力されると共に通常撮影からブラケット撮影に移行する。ブラケット撮影が実施されると、露出制御手段10の第一の露出制御値演算手段38では、デジタル信号処理手段5の積算手段30で積算された積算値の入力信号に比例するように第一の露出制御値を演算し、その第一の露出制御値に基づいて第二の露出制御値演算手段39で露出状態の異なる複数の第二の露出制御値が演算され、その第二の露出制御値から露出制御信号生成手段40でブラケット撮影用のタイミングと露出ゲインの制御信号(第二の露出制御信号)が生成されて出力される。そして、システム制御装置24により、自動露出制御による前段のフレームにおける第一の露出制御値が反映された露出状態の撮像画像と、第二の露出制御値が反映された露出状態の撮像画像がフレーム単位で切り替られる。
なお、図6(a)〜(e)では、特徴画像検出期間のブラケット撮像回数を3回に設定しているが、2回以上の回数での設定が可能である。
システム制御手段24には、特徴画像検出可否判定手段14の特徴画像検出結果VKが入力される。撮像画像から特徴画像が検出できない場合には、露出を変更したブラケット撮影の回数を増やすことで、特徴画像を検出できる確率、及び、特徴画像が認識可能な露出状態の撮像画像が得られる確率を高める。
ブラケット撮影回数を変更する場合には、同時に設定する露出制御値も変更することができる。例えば、ブラケット回数を6回で、露出制御値の補正幅を1EV(露出値)である場合は、例えば、露出制御値を、1/5EV(0.2EV)ステップで補正する構成が可能である。尚、ここでは、均等幅で露出制御の補正値を割り振っているが、0EV、0.25EV、0.4EV、0.5EV、0.6EV、1.0EVのように、補正幅のステップを変えてもよい。
尚、前記したように特徴画像検出可否判定手段14では異なる複数の撮像画像の特徴画像を検出して検出結果に応じて特徴画像検出可否出力VGを出力する。露出補正値検出手段15では、特徴画像検出可否出力VGを用いて複数の撮像画像から露出補正に適した撮像画像を選択し、その選択された撮像画像の特徴画像領域の各輝度信号の特徴画像検出用補正出力VFから平均輝度を検出し、特徴画像領域の平均輝度から特徴画像露出補正値VHを生成して第二の露出制御値演算手段39に出力する。従って、より詳しくは、露出制御手段10の第二の露出制御値演算手段39では、特徴画像露出補正値VHと前記した第一の露出制御値に基づいてブラケット撮影用の露出状態の異なる複数の第二の露出制御値が演算される。そして露出制御手段10の露出制御信号生成手段40では、その第二の露出制御値に基づいてブラケット撮影用の複数の露出タイミング制御信号ES(2)と露出ゲイン制御信号EG(2)(第二の露出制御信号)を生成してタイミング信号生成手段6とアナログ信号処理手段3に各々出力する。
つまり、第一の露出制御値は、デジタル信号処理手段5の積算手段30で積算された積算値の入力信号に比例した信号から露出制御値を演算することに対して、第二の露出制御値では、特徴画像検出結果を用いてその領域の平均輝度信号値を検出し、それにより第一の露出制御値を補正するようにして露出制御値を演算することが異なる。
尚、露出制御信号生成手段40は、ブラケット撮影要求REQBが入力しない場合には、自動露出制御による前段のフレームの露出制御値である第一の露出制御値に基づいて通常撮影用の露出タイミング制御信号ES(1)と露出ゲイン制御信号EG(1)(第一の露出制御信号)を各フレーム毎に連続して生成する。これにより、撮像画像の露出値が連続的に切替えられる。
本実施の形態では、ブラケット撮影期間として3フレームかかる構成として説明しているので、(図6(a)〜(e))では、フレームF4からフレームF6がブラケット撮影要求の期間を示している。尚、ブラケット撮影に指定されるフレーム数は、本実施の形態に示した3フレームに限らず、2フレーム以上の任意のフレームであればよい。
図8は、図1の撮像装置における第一の露出制御値/第一の露出制御信号に基づく通常撮影処理を示すフローチャートである。
図9は、図1の撮像装置における第一の露出制御値の検出処理を示すフローチャートである。
図10は、図1の撮像装置における第二の露出制御値/第二の露出制御信号に基づくブラケット撮影処理を示すフローチャートである。
図11は、図1の撮像装置における第二の露出制御値の検出処理を示すフローチャートである。
通常撮影では、露出制御手段10は、あらかじめ設計的に決められた所定寸法の測光窓やユーザインターフェースによりユーザが設定した所定寸法の測光窓に応じて、自動で露出制御する。
図8において撮像装置の電源が投入された場合、初期処理が開始される(S100)。初期処理では、撮像装置内のレジスタがイニシャライズされ、数フレーム分の自動制御処理が実施されることで、初期の第一の露出制御信号(露出タイミング制御信号ES(1)と露出ゲイン制御信号EG(1))が決定される。
図8の初期処理(S100)終了後、撮像装置は、フレーム単位毎にブラケット撮影要求の有無(通常撮影処理か?、或いは、ブラケット撮影処理か?)を検出する(S101)。ブラケット撮影要求が無い場合(S101:No)には、通常撮影処理に進んで(S102)、第一の露出制御値検出処理(S103)を実行したら、再びステップS101に戻ってブラケット撮影要求の有無の検出を行う。
通常撮影処理(S102)では、図8に示したように電荷蓄積開始処理(S201)、電荷蓄積終了検出処理(S202)、電荷転送処理(S203)が実施される。電荷蓄積開始処理(S201)から電荷蓄積終了検出処理(S202)までの電荷の蓄積期間は、図6(c)のSUBパルス終了時点から図6(b)のTGパルス(電荷読出し)までの期間と同等であり、電荷の蓄積期間、即ち露出時間を制御することにより電荷蓄積量を調整することができる。電荷転送処理(S203)は、図6(b)中の電荷転送処理期間T1で示される。
次に、図8の第一の露出制御値検出処理(S103)では、図9に示したようにデジタル信号処理手段5の積算手段30で積算処理(S210)が実施され、露出制御手段10の第一の露出制御値演算手段38で第一の露出制御値検出処理(S211)が実施される。
図9の積算処理(S210)で、露出制御手段10の第一の露出制御値演算手段38で第一の露出制御値を求める場合には、デジタル信号処理手段5の積算手段30で、測光窓毎に蓄積電荷を積算した積算値が検出される。
また、それと同時に、測光窓毎の最大値、最小値、輝度信号値のヒストグラム検出がデジタル信号処理手段5の一部の機能により行われる。
図9の第一の露出制御値検出処理(S211)は、露出制御手段10により、積算処理(S210)で求められた積算値から第一の露出制御値を求め、それからさらに第一の露出制御信号(露出タイミング制御信号ES(1)と露出ゲイン制御信号EG(1))を求める処理である。撮像装置に第一の露出制御値を露出タイミング制御信号ES(1)と露出ゲイン制御信号EG(1)により設定する場合は、図6(e)に示されたように通常撮影時の自動露出制御が実施される場合である。
本実施形態の撮像装置を認証装置に用いる場合について考えると、例えば、その撮像装置の測光窓内に図5の特徴画像領域17が含まれる場合は、第一の露出制御信号は、特徴画像18を検出するために有効な値となっている可能性が高いのでブラケット撮影の必要性は低い。しかし、測光窓内に特徴画像領域17が含まれない場合は、その特徴画像領域17内では、黒つぶれや、信号飽和している場合が考えられ、特徴画像18を検出するのに十分な輝度信号値あるいはコントラストを満たしていない可能性が高くなる。従って、本実施形態の撮像装置では、測光窓内に特徴画像領域が含まれない場合、特徴画像の認識精度を向上させるためにはブラケット撮影の必要性が高いことから、その場合にはブラケット撮影を実施する。尚、この場合の特徴画像とは、通常撮影の第一の露出制御信号をもとにした画像において、露出を補正するための信号値を設定するための画像である。
図8のブラケット撮影要求が検出されたか否かの判定(S101)が実施される場合(S101:Yes)には、ブラケット撮影処理(S106)が実施される。最初にブラケット撮影が実施される場合、第一の露出制御値を用いてブラケット撮影用に露出が補正されて撮影される。その後、ブラケット要求が解除され(S107)、ブラケット撮影要求の解除後に、第二の露出制御値検出処理(S104)が実施される。
第二の露出量検出処理(S104)では、通常撮影の露出制御値が考慮された露出補正値が求められる。第二の露出制御値検出処理の後は、再びブラケット撮影要求が検出されたか否かの判定(S101)へ戻る。
ブラケット撮影処理(S106)では、通常撮影において得られた第一の露出制御値と、あらかじめ環境及び露出条件を考慮した実験結果より第一の露出制御値が統計的に最適となるように処理されたブラケット撮影用の第二の露出制御値が求められ、その第二の補正値を用いてブラケット撮影が実施される。
ブラケット撮影処理(S106)が終了すると、ブラケット要求が解除され(S107)、次いで、第二の露出制御値成処理(S104)が実施される。第二の露出制御値検出処理(S104)としては、図11に示したように、特徴画像検出可否判定処理(S403)、画像特徴検出処理(S405)、第二の露出制御値生成処理(S404)が、特徴画像検出可否判定手段14、露出補正値検出手段15及び露出制御手段10で実施される。
この第二の露出制御値検出処理(S104)で設定された特徴画像露出補正値VHが反映された露出制御信号を第二の露出制御信号(図6(e))とする。第二の露出制御信号は、ブラケット撮影要求が入力される毎に繰返して生成され、最適な特徴画像を検出できる撮像画像が得られるまで繰返される。本実施の形態のブラケット撮影では、露出制御値を多くすることでブラケット撮影枚数を多くして撮影を行い、それにより特徴画像の判別(認証)に最適な一枚の撮像画像を得る方法や、所定枚数のブラケット撮影を繰り返し、それにより特徴画像を検出して特徴画像露出補正値VHを生成することで露出値を収束させる方法等が可能である。尚、ブラケット撮影枚数を多くして撮影を行った場合、その枚数に応じて第二の露出制御信号の調整幅を分割した特徴画像露出補正値VHを設定することで、さらに細かく露出値を調整することが可能である。
尚、図8では、第二の露出制御値検出処理(S104)は、ブラケット撮影要求(REQB)が入力されたか否かが判断された(S101)後であり、通常の初期状態では、通常撮像の第一の露出制御値検出処理(S103)のみが先に実施されることで、通常撮影処理時間が短縮されている。
図12は、露出補正値検出手段15で特徴画像領域を検出してその平均輝度信号値から特徴画像露出補正値VHを求める場合の輝度の信号波形を示した図である。
図12は、縦軸が図5の画像16の輝度の出力信号値であり、横軸が図5の画像16上の水平位置を示している。Yb1からYb2は、画像から特徴画像を認識するために実験により統計的に得られた最適な特徴認識用の輝度信号値の範囲であり、Yb1がその下側の境界の輝度信号値を示し、Yb2がその上側の境界の輝度信号値を示している。特徴画像領域17の破線のライン19の各位置における平均輝度信号値を示し、図12中では、破線が通常撮影処理の露出制御による補正前の輝度信号値Yav1を示し、実線がブラケット撮影処理の露出制御により露出が補正された後の輝度信号値Yav2を示す。破線の輝度信号値Yav1と実線の輝度信号値Yav2で、左右端部に比べて中心の輝度信号値が上昇している部分が、輝度が特徴画像領域17内で比較的高くなる顔部に相当している。
まず、電源投入後には通常撮影処理で露出制御が実施された結果、特徴画像領域17内の顔部の特徴画像領域平均輝度信号値はYav1となる。先に説明した特徴認識用の輝度信号値の範囲から、露出アンダー側の特徴画像露出補正値VHであるα1を以下の式(1)から求め、露出オーバー側の特徴画像露出補正値VHであるα2を以下の式(2)から求める。
α1=K1×Yb1/Yav1 ・・・(1)
α2=K2×Yb2/Yav1 ・・・(2)
ここで、式(1)の各補正係数K1、K2は実験や統計的手法により求められた数値であり、K1は0≦K1の補正係数であり、式(2)のK2はK2≦1の補正係数である。尚、特徴画像露出補正値VHは、上記した露出アンダー側と露出オーバー側に一個ずつ設定される場合に限らず、ブラケット撮影枚数に応じて任意数の特徴画像露出補正値VHを持つようにしてもよい。
続いて、ブラケット撮影要求が入力した場合には、ブラケット撮影処理(S106)が実行される。ブラケット撮影処理(S106)は、図10に示されたように、ブラケット撮影回数に関して、ブラケット撮影回数を初期設定するか、ブラケット撮影回数自体を検出するか、ブラケット撮影回数を規定値と比較するか、ブラケット撮影回数を1だけ増加させる処理(S310、S311、S316、S317)と、ブラケット撮影回数に応じて第二の露出制御値を設定する処理(S312)を行う点が異なるのみで、その他の処理(S313、S314、S315)は、図8に示した通常撮像処理(S201〜S203)と同一の処理である。規定の枚数のブラケット撮影が終了(S316)すると、ブラケット要求が解除(S107)された後、第二の露出制御値検出処理(S104)が実施される。
図13は、ブラケット撮影の特徴画像露出補正値VHを説明するための図であり、ブラケット撮影時の最初の通常撮像画面(撮影1)と補正されたブラケット撮像画面(撮影2、3)の一例を示している。
撮像状態1は、通常撮影と同様な自動露出制御による特徴画像領域17の平均輝度レベル(APL)と、通常撮影の自動露出制御により選択されて一定になるように露出制御された測光窓のAPLが、ほぼ同一である場合のブラケット撮影の各画像の状態を示したものである。撮像状態2は、特徴画像領域17のAPLが測光窓のAPLに比べて低い場合のブラケット撮影の各画像の状態を示したものである。撮像状態3は、特徴画像領域17のAPLが測光窓のAPLに比べて高い場合のブラケット撮影の各画像の状態を示したものである。
図13の撮像状態1は、特徴画像領域17のAPLと測光窓のAPLがほぼ同一の場合であるため、特徴画像領域17の信号も最適な露出状態となる。このような撮像状態における特徴画像露出補正値VHの値α1、α2を以下の式(3)に従うように設定する。
α1≦1≦α2 ・・・(3)
(K1=K2=1の場合)
すると、露出アンダー側の特徴画像露出補正値α1により露出値が補正されたブラケット撮像画面は、撮像状態1の撮影2に示したように特徴画像領域17が暗めに写ることになる。また、露出オーバー側の特徴画像露出補正値α2により露出値が補正されたブラケット撮像画面は、撮像状態1の撮影3に示したように特徴画像領域17が明るめに写ることになる。
このように特徴画像露出補正値VHを設定してブラケット撮影することにより、暗めの撮像結果、明るめの撮像結果と、中間の撮像結果の3枚の撮像画面が得られる。その3枚の撮像画面より特徴画像を検出し、例えば画像認証に充分な輝度の特徴画像が検出できた場合には処理を終了する。画像認証に充分な輝度の特徴画像が検出できなかった場合は、最初の撮像画像の露出条件を変更するか、特徴画像露出補正値を変更してから再度ブラケット撮影を行い、画像認証に充分な輝度の特徴画像を検出する。
図13の撮像状態2は、特徴画像領域のAPLが、周りのAPLに比べ低く、特徴画像のコントラストが低く、黒つぶれする傾向となる場合であるので、特徴画像露出補正値VHの値α1、α2を以下の式(4)に従って1以上に設定することで、黒つぶれを抑制し、コントラストがはっきりとすることが可能となる。
1≦α1≦α2 ・・・(4)
(K1=K2=1の場合)
図13の撮像状態3は、特徴画像領域のAPLが、周りのAPLに比べ高く、特徴画像または、周辺が白くつぶれがちな傾向の画像となり、認証しにくい場合であるので、特徴画像露出補正値VHの値α1、α2を以下の式(5)に従って1以下に設定することで、白つぶれを抑制し、コントラストがはっきりとすることが可能となる。
α1≦α2≦1 ・・・(5)
(K1=K2=1の場合)
さらに、一度目のブラケット撮影により特徴画像が検出できた場合でも、その特徴画像が検出できた特徴画像露出補正値VHの方向(補正値を明るくする方向、又は、補正値を暗くする方向)に、異なる特徴画像露出補正値VHを用いてブラケット撮影を行うことで、さらに検出精度を向上させることができる。
このようにブラケット撮影の各撮像結果から特徴画像領域の露出状態をAPLで検出し、その特徴画像領域のAPLに応じて露出補正を行うことで、特徴画像を検出して画像認証に最適な露出となるように最適な特徴画像露出補正値VHを短時間で求めることができ、特徴画像の検出精度が高くなるように制御することができる。
実施の形態2.
本発明の撮像装置は、図1に示した実施の形態1の撮像装置の構成に限らず、例えば、信号や情報の伝達経路としてCPUバスをさらに有効活用した構成でも同一の機能を実現することができる。
図14は、本発明の実施の形態2の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
図14では、図1に示した実施の形態1と比較した場合、特徴画像検出可否判定手段14と露出補正値検出手段15がCPUバスに接続され、CPUバスにより信号や情報が伝達される構成となっている点が異なっている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
デジタル信号処理手段5は、積算値と特徴画像検出可否判定手段14に用いる出力信号(実施の形態1の特徴画像検出用補正出力VFと同等の信号)をCPUバスに出力し、CPUバスに接続されたSDRAM11に保持する。
特徴画像検出可否判定手段14には、ブラケット撮影された撮像画像がCPUバス経由で入力される。
また、SDRAM11では、特徴画像検出可否判定手段14の特徴画像検出可否出力VGと、露出補正値検出手段15の出力である特徴画像露出補正値VHをSDRAM11内に保持する。
露出制御手段10は、SDRAM11内に保持された積算値を用いて通常撮影用の第一の露出制御信号(ES(1)、EG(1))を求め、特徴画像露出補正値VHを用いて、ブラケット撮影用の第二の露出制御信号(EG(2)/ES(2))を求めて、ブラケット撮影時の露出を補正する。
このような構成を採用することで、露出制御手段10、露出補正値検出手段15、特徴画像検出可否判定手段14を単一のマイクロプロセッサ(例えば、システム制御手段24)で制御手段を構成できるため、撮像装置の基板面積を小型化することができる。また、マイクロプロセッサにより露出制御手段10、露出補正値検出手段15、特徴画像検出可否判定手段14を制御することで、高度な画像処理を実現でき、アルゴリズムの改定、性能改善を容易にすることができる。
実施の形態3.
本発明の撮像装置は、図1及び図14に示した実施の形態1及び2の撮像装置のようなデジタル信号処理手段5の出力を用いてオープンループ型で露出を制御してブラケット撮影する構成の場合に限らず、表示手段8に表示された画像を外部センサ手段により検出するクローズドループ型で露出を制御してブラケット撮影をする構成の場合でも可能である。
以下に、クローズドループ型で露出を制御してブラケット撮影をする本実施の形態について、図15のシステム構成と、図16のフローチャートを用いて説明する。
図15は、本発明の実施の形態3の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示した実施の形態1の撮像装置と図15に示した本実施の形態の撮像装置では、表示装置8に表示された画像から、撮像装置の撮像範囲内に認証を行おうとする被写体があるか無いかを検出する外部センサ手段23が追加されている点が異なる。その他の同一符号が付与された構成ブロックの機能は同一である。
尚、図14に示された実施の形態2の構成の場合も、本実施の形態と同様に外部センサ手段23を追加することで、同様の効果を実現することができる。
図16は、図15の撮像装置における全体的な処理動作を示すフローチャートである。
図16において初期処理(S108)では、実施の形態1の初期処理(S100)と同様の処理に加えて、露出制御のブラケット撮影における特徴画像露出補正値VHの初期値として、実験による統計処理より得られた値が設定される。
外部センサ検出処理(S109)では、表示装置8に表示された画像から、外部センサ手段23を用いて、撮像装置の撮像範囲内に認証を行おうとする被写体があるか無いかを検出する。検出されない場合(S109:No)には、再度ステップS109の処理が繰り返される。外部センサ手段23により認証を行おうとする被写体が検出された場合(S109:Yes)には、システム制御手段24により露出ブラケット撮影要求の有無(出力されたか否か)が検出される(S110)。
ブラケット撮影要求の出力が検出された場合(S110:Yes)には、その撮像装置では、図10のステップS106に示したようなブラケット撮影処理(S111)の最初の露出段階の撮影が実施される。検出されない場合(S110:No)には、再度ステップS110の処理が繰り返される。
その最初の露出段階の画像の撮影後には、さらに初期の特徴画像露出補正値VHを用いてブラケット撮影が実施され、それらの撮影された画像から、特徴画像検出可否判定手段14で撮像画像内に特徴画像が存在するかを検出する特徴画像検出の可否判定処理(S112)が実施され、特徴画像が検出可である場合(S112:Yes)には、露出補正値検出手段15で露出補正値再生成検出処理(S113)が実施される。
尚、図14に示された実施の形態2の構成のようなシステム構成では、CPUバスを用いることで、システム制御手段24が本機能を行う構成も可能である。
特徴画像検出可否判定手段14にて特徴画像が検出された(S112:Yes)後に、特徴画像の露出値の最適化(露出補正値の再生成)が必要であることが検出された場合(S113:Yes)には、露出補正値検出手段15で特徴画像露出補正値VHが再度生成され、露出値制御手段10及びタイミング信号生成手段6で露出制御が実施される。このように露出補正値を再生成することで、特徴画像の検出及び認証処理を高精度にすることができる。尚、本実施の形態では、特徴画像露出補正値VHの再生成後の撮像処理がブラケット撮影処理になるが、通常撮影処理としても良い。
また、特徴画像の露出値の最適化(露出補正値の再生成)が必要でないと検出された場合(S113:No)は、露出補正値検出手段15での特徴画像露出補正値VHの再生成、再生成後の露出制御を行う必要が無く、特徴画像検出、認証処理を高速化することができる。
次に、特徴画像検出可否判定手段14にて特徴画像が検出できない場合(S112:No)は、ステップS110に戻って露出ブラケット撮影要求の出力が検出され、初期の特徴画像露出補正値VHが再設定される。再設定後の特徴画像露出補正値VHで再度ブラケット撮影処理(S111)が実施され、ブラケット撮影処理結果から特徴画像検出可否判定手段14で特徴画像検出の可否が判定される(S112)。
本実施の形態では、特徴画像検出可否判定処理(S112)がブラケット撮影処理(S111)後に実施されることで、特徴画像検出と認証処理の精度を向上させることができる。
実施の形態4.
図17は、本発明の実施の形態4の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示した実施の形態1の撮像装置と図17に示した本実施の形態の撮像装置では、特徴画像検出可否判定手段14、露出補正値検出手段15と露出制御手段10の実現方法が異なる点と、露出制御手段10からデジタル信号処理手段43を制御する手段を追加した点が異なる。その他の同一符号が付与された構成ブロックの機能は同一である。
図18は、図17のデジタル信号処理手段5の内部構成を示すブロック図である。
図2に示した実施の形態1の撮像装置のデジタル信号処理手段5と、図18に示した本実施の形態の撮像装置のデジタル信号処理手段5では、階調変換手段37が異なっている。図18の階調変換手段37では、Y信号処理手段33の出力が入力されて階調変換が実施され特徴画像検出用補正出力VFを出力するために、複数の階調変換特性のテーブルが保持され、それらの階調変換特性のテーブルは階調制御信号ETにより切替えられる。その他の同一符号が付与された構成ブロックの機能は同一である。
尚、図18に示したデジタル信号処理手段5は、図14に示した実施の形態2、又は、図15に示した実施の形態3の構成にも適用することができ、同様の効果を得ることができる。
図19は、図17の露出補正値検出手段15の内部構成を示すブロック図である。
図4に示した実施の形態1の撮像装置の露出補正値検出手段15と、図19に示した本実施の形態の撮像装置の露出補正値検出手段15では、コントラスト検出手段29が構成されている。その他の同一符号が付与された構成ブロックの機能は同一である。
コントラスト検出手段29は、図5に示された特徴画像領域内のコントラスト値の差を検出して出力する。その検出されたコントラスト差に応じて、露出補正値生成手段41では特徴画像露出補正値VHを生成する。尚、コントラスト差の数値は、実験データを統計処理して得られた数値である。
特徴画像領域内のコントラスト差(例えば、特徴画像の輝度信号値と特徴画像領域内の平均輝度信号値の差)の値が、コントラスト検出用の閾値よりも小さい場合は、現在の露出値は、特徴画像を認識しにくい露出状態であると判断できる。その場合は、撮像画像は黒つぶれしている可能性が高いので、特徴画像露出補正値VHの値α1、α2を以下の式(6)に従って1以上に設定する。
1≦α1≦α2 ・・・(6)
(K1=K2=1の場合)
この撮像画像が黒つぶれしている可能性が高い場合は、図18の階調変換手段37を、階調制御信号ETにより、入力信号が小さい場合に出力信号が大きくなる階調変換特性(例えば、γ=2.0)となるように設定する。
特徴画像領域内のコントラスト差がコントラスト検出用の閾値と同程度または、より大きな場合は、十分に特徴画像を認識できる露出状態であると判断できる。その場合は、撮像画像は標準的な撮影結果である可能性が高いので、特徴画像露出補正値VHの値α1を以下の式(7)に従って1以下に、特徴画像露出補正値VHの値α2を以下の式(7)に従って1以上に設定する。
α1≦1≦α2 ・・・(7)
(K1=K2=1の場合)
この場合、撮像画像は標準的な撮影結果である場合は、階調変換手段37を、階調制御信号ETにより、入力と出力の特性がリニアである階調変換特性や、入力信号が大きい場合に出力信号が小さくなる階調変換特性(例えば、γ=0.7)となるように設定する。
このように特徴画像領域のコントラスト差に応じて、ブラケット撮影の特徴画像露出補正値VHを切替えることで、特徴画像検出精度を向上させ、検出時間を短縮させることができるという効果を有する。
尚、特徴画像領域のコントラスト差が小さい場合、特徴画像露出補正値VHを大きくすると、A/D変換出力VCが飽和してしまう可能性がある。そこで、特徴画像露出補正値VHとAPLにより飽和してしまう可能性が高い場合は、階調変換手段37の階調変換特性を、特徴画像が検出しやすくなるように切替えるようにする。この階調変換特性を切替えることで、A/D変換出力を飽和させること無く特徴画像を検出できるという効果を有する。
実施の形態5.
上記した実施の形態4では、特徴画像領域内のコントラスト差を用いて露出が補正されたが、初期状態や特徴画像が認識されていない状態では、コントラスト差の検出範囲を特徴画像領域以上に拡大した方が良い場合があり、以下に説明する本実施の形態では、特徴画像領域を拡大した領域における平均輝度信号値と、最小輝度信号値又は最大輝度信号値を検出し、その検出結果に応じて特徴画像露出補正値VHを制御する場合を説明する。
例えば、拡大した領域の最小輝度信号値と、平均輝度信号値のコントラスト差が小さい場合は、特徴画像露出補正値VHの値α1、α2を以下の式(8)に従って1以上に設定する。
1≦α1≦α2 ・・・(8)
(K1=K2=1の場合)
また、拡大した領域の最小輝度信号値と、平均輝度信号値のコントラスト差が同等または大きい場合は、特徴画像露出補正値VHの値α1を以下の式(9)に従って1以下に、特徴画像露出補正値VHの値α2を以下の式(9)に従って1以上に設定する。
α1≦1≦α2 ・・・(9)
(K1=K2=1の場合)
本実施の形態では、実施の形態4と同様な効果に加えて、初期状態や特徴画像が認識されていない状態でも、特徴画像検出精度を向上させ、検出時間を短縮させることができるという効果を有する。
尚、上記の各実施の形態では、平均輝度信号値とコントラスト値を用いてブラケット撮影の露出を補正する場合について説明を行ったが、本発明はこれに限らず、例えば、露出補正値検出手段15の内部ブロックで「信号値」と、「雑音又は分散」を検出することでS/N比を求め、そのS/N比を検出の基準として用いてブラケット撮影の露出を補正するようにしてもよい。
本発明の実施の形態1の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。 図1のデジタル信号処理手段5の内部構成を示すブロック図である。 図1の露出制御手段10の内部構成を示すブロック図である。 図1の露出補正値検出手段15の内部構成を示すブロック図である。 図1の撮像装置で特徴画像領域の一例を含む一枚の撮像画像が表示手段8に表示された場合を示した図である。 図1の撮像装置におけるブラケット撮影時の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。 図1の撮像装置における処理動作を示すフローチャートである。 図1の撮像装置における第一の露出制御値/第一の露出制御信号に基づく通常撮影処理を示すフローチャートである。 図1の撮像装置における第一の露出制御値の検出処理を示すフローチャートである。 図1の撮像装置における第二の露出制御値/第二の露出制御信号に基づくブラケット撮影処理を示すフローチャートである。 図1の撮像装置における第二の露出制御値の検出処理を示すフローチャートである。 図1の露出補正値検出手段15で特徴画像領域を検出してその平均輝度信号値から特徴画像露出補正値VHを求める場合の輝度の信号波形を示した図である。 ブラケット撮影の特徴画像露出補正値VHを説明するための図である。 本発明の実施の形態2の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。 図15の撮像装置における全体的な処理動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。 図17のデジタル信号処理手段5の内部構成を示すブロック図である。 図17の露出補正値検出手段15の内部構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 レンズ、 2 固体撮像素子、 3 アナログ信号処理手段、 4 A/D変換手段、 5 デジタル信号処理手段、 6 タイミング信号生成手段、 7 Vドライバ、 8 表示手段、 9 記録手段、 10 露出制御手段、 11 SDRAM、 12 FLASHメモリ、 13 絞り、 14 特徴画像検出手段、 15 露出補正値検出手段、 16 画面、 17 特徴画像領域、 18 特徴画像、 19 図12の説明に用いる信号値を示すライン、 23 外部センサ手段、 24 システム制御手段、 25 特徴画像領域検出手段、 26 平均輝度検出手段、 29 コントラスト検出手段、 30 積算手段、 31 画素補間手段、 32 YCbCr変換処理手段、 33 Y信号処理手段、 34 階調変換手段、 35 外部インターフェース手段、 36 クロマ信号処理手段、 38 第一の露出制御値演算手段、 39 第二の露出制御値演算手段、 40 露出制御信号生成手段、 41 露出補正値生成手段、 42 画像選択手段、 EG 露出ゲイン制御信号、 ES 露出タイミング制御信号、 EG/ES 露出制御信号(露出ゲイン制御信号/露出タイミング制御信号)、 EG(1) 通常撮影用の第一の露出ゲイン制御信号、 ES(1) 通常撮影用の第一の露出タイミング制御信号、 EG(1)/ES(1) 通常撮影用の第一の露出制御信号、 EG(2) ブラケット撮影用の第二の露出ゲイン制御信号、 ES(2) ブラケット撮影用の第二の露出タイミング制御信号、 EG(2)/ES(2) ブラケット撮影用の第二の露出制御信号、 ET 階調制御信号、 TS タイミング信号、 VA 撮像出力、 VB 増幅出力、 VC A/D変換出力、 VF 特徴画像検出用補正出力、 VG 特徴画像検出可否出力、 VH (特徴画像の)特徴画像露出補正値、 VI 表示出力信号、 VK 特徴画像検出結果。

Claims (15)

  1. 被写体を撮像した撮像画像の電荷蓄積時間を可変して画像信号を出力できる固体撮像素子と、
    前記固体撮像素子から出力された画像信号に対する利得を制御して画像信号の出力レベルを可変するアナログ信号処理手段と、
    アナログ信号処理手段から出力された画像信号がデジタル化された信号を出力するデジタル信号処理手段と、
    前記デジタル化された画像信号から、撮像画像における所定の特徴画像を検出し、少なくとも特徴画像が検出できたか否かが判断可能である特徴画像検出可否信号を出力する特徴画像検出可否判定手段と、
    前記デジタル化された画像信号と前記特徴画像検出可否信号から、前記撮像画像の前記特徴画像を含む所定の特徴画像領域における所定の露出補正用信号を検出して露出を補正するための特徴画像露出補正値を生成する露出補正値検出手段と、
    所定寸法の測光窓積算値から通常撮影又はブラケット撮影の第一の撮影用の第一の露出制御値を演算し、該第一の露出制御値及び前記特徴画像露出補正値からブラケット撮影の露出を変化させた第二以降の撮影用の第二の露出制御値を演算し、前記第一の露出制御値又は前記第二の露出制御値に基づいて、撮影時の露出を制御するための露出制御信号を出力する露出制御手段と
    を備え
    前記個体撮像素子、前記アナログ信号処理手段及びデジタル信号処理手段は、
    前記所定寸法の測光窓内に、前記特徴画像が含まれない場合には、前記第一の露出制御値及び前記第二の露出制御値に基づく前記露出制御信号を用いて、ブラケット撮影を行い、
    前記所定寸法の測光窓内に、前記特徴画像が含まれる場合には、前記第一の露出制御値に基づく前記露出制御信号を用いて、撮影を行う
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記デジタル信号処理手段から出力される前記デジタル化された画像信号は、
    1画面を水平方向と垂直方向に分割して形成される所定寸法の測光窓毎に積算したその積算値、及び、前記測光窓毎に前記画像信号が変換された輝度信号、色差信号、コントラスト差信号、RGB信号の内の少なくとも一つの信号である
    ことを特徴とした請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記露出補正値検出手段は、
    前記ブラケット撮影された各撮像画像から、前記所定の露出補正用信号と前記特徴画像検出可否信号を用いて、画像認識された特徴画像が最適に検出できた一枚の撮像画像を選択する
    ことを特徴とした請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記露出補正値検出手段は、
    前記所定の露出補正用信号として、
    前記画撮像画像の画像信号から得られた特徴画像領域の輝度信号、色差信号、コントラスト差信号、RGB信号の少なくとも一つの信号値を用いる
    ことを特徴とした請求項1〜3の何れかに記載の撮像装置。
  5. 前記露出補正値検出手段は、
    前記所定の露出補正用信号として、
    前記特徴画像領域の画像信号から得られた特徴画像領域の信号値の平均値を用いる
    ことを特徴とした請求項4記載の撮像装置。
  6. 前記露出制御手段は、前記露出制御信号を、前記固体撮像素子、前記アナログ信号処理手段及び前記デジタル信号処理手段の動作タイミングと前記アナログ信号処理手段の利得を制御するために出力する
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の撮像装置。
  7. 前記特徴画像検出可否判定手段は、
    ブラケット撮影による複数の撮像画像における所定の特徴画像を検出し、所定の特徴画像が検出された撮像画像についての特徴画像検出可否信号を出力する
    ことを特徴とした請求項1〜6の何れかに記載の撮像装置。
  8. 前記特徴画像検出可否判定手段は、
    特徴画像検出可否信号として検出された特徴画像の明瞭度、信頼度、確度等のレベルを示す信号値を出力する
    ことを特徴とした請求項1〜7の何れかに記載の撮像装置。
  9. 前記特徴画像検出可否判定手段は、
    前記画撮像画像の画像信号から得られた特徴画像領域の輝度信号から、パターンマッチングの技術を用いて前記特徴画像を検出する
    ことを特徴とした請求項1〜8の何れかに記載の撮像装置。
  10. 前記特徴画像検出可否判定手段は、
    前記画撮像画像の画像信号から得られた特徴画像領域の輝度信号及び色差信号から、肌色検出の技術を用いて前記特徴画像を検出する
    ことを特徴とした請求項1〜8の何れかに記載の撮像装置。
  11. 前記デジタル信号処理手段から出力される画像信号は、
    前記特徴画像検出可否判定手段と前記露出補正値検出手段とに直接に出力される
    ことを特徴とした請求項1〜10の何れかに記載の撮像装置。
  12. 前記デジタル信号処理手段、前記特徴画像検出可否判定手段、及び、前記露出補正値検出手段は、システム全体を制御するシステム制御手段とバスにより接続され、
    前記デジタル信号処理手段から出力される画像信号は、
    前記バスを介して前記特徴画像検出可否判定手段と露出補正値検出手段とに出力される
    ことを特徴とした請求項1〜10の何れかに記載の撮像装置。
  13. 前記デジタル信号処理手段からの前記デジタル化された画像信号に基づく画像を表示させる表示手段、及び、該表示手段に表示された画像を検出する外部センサ手段を備え、
    前記特徴画像検出可否判定手段は、前記外部センサ手段が画像を検出した場合に、その撮像画像における所定の特徴画像を検出する
    ことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の撮像装置。
  14. 複数の階調変換特性のテーブルが保持され、前記デジタル化された画像信号の階調を補正し、補正した画像信号を出力する階調変換手段を備え、
    前記露出補正値検出手段は、前記所定の露出補正用信号として、コントラスト差信号を用い、
    前記露出制御手段は、前記階調変換手段の階調変換特性のテーブルを切り替えるための階調制御信号を出力する
    ことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の撮像装置。
  15. 前記露出補正値検出手段は、前記所定の特徴画像領域が拡大された特徴画像領域における所定の露出補正用信号を検出する
    ことを特徴とする請求項請求項1〜10の何れかに記載の撮像装置。
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