JP4628098B2 - 肝細胞癌を診断する方法と組成物 - Google Patents

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Description

本発明の技術分野は、肝細胞癌(HCC)の診断である。
本発明は、2002年7月3日に出願されたアメリカ合衆国仮特許出願第60/393,982号の恩恵を主張するものであり、その全体が本明細書中に援用される。
連邦政府の資金援助を受けた研究または開発
本発明は、国立保健研究所からの助成金番号第U19A148214号という名目での政府の支援によってなされた。政府はこの発明に関して所定の権利を有する。
肝細胞癌(HCC)は、世界中で肝臓癌に最も広く見られる形態である。この疾患の発生率は地理的に異なっており、アジアでは1/5,000、西欧諸国では1/20,000である(Wildi他、2002年)。慢性肝臓疾患の患者は、肝細胞癌へと進むリスクが大きい。このリスクは、肝硬変を有する患者についてもいえることであり、こうした患者は、この疾患の進行を注意深く追跡されるべきである。
現在のところ、HCCの診断は難しい。一般に用いられている方法は、MRI、CT、超音波などの画像化技術であるが、非常に早い段階でこの疾患を検出するのにはほとんど役立たない。たいていの癌と同様に、HCCを初期に検出できると、医師が行なえる治療の選択肢が多くなり、患者の予後もよい(BefelerとBisceglie、2002年)。
より優れた造影剤により感度が向上し、現在使用されている走査法の適用範囲が広がるであろう。造影剤と共役する抗体その他の標的剤により、HCC細胞の表面で特異的または選択的に発現するタンパク質が標的されうる。そのような共役体は、この疾患を初期段階で診断するのに役立つであろう。
文献には、HCCであることを示す血清診断マーカーがいくつか記載されている。それは、例えばα-フェトプロテイン(AFP)、レンズマメ凝集素反応分画(AFP-L3)、des-γ-カルボキシ・プロトロンビン、つまりPIVKA-II(Shimizu他、2002年;Ikoma他、2002年;Fujiyama他、1986年;Nakarai他、2002年)である。残念なことに、これら血清タンパク質のレベル上昇は、最高でもHCCの患者の約50%でしか検出されない。HCC診断の感度を増大することは、AFP、AFP−L3、PIVKA−IIに関する試験を組み合わせることによって実現できる。しかしこれら3つの試験をすべて組み合わせても、感度は約87%にしかならない(Fujiyama他、2002年)。
HCCに対して特異的で、HCC患者の多くの割合に存在する新しい血清診断マーカーにより、HCC疾患の診断がかなり改良され、そして、一般に利用されている走査法、及び/又は現在利用できる全ての血清診断アッセイの組み合わせよりもコスト効率が向上するであろう。
従来技術のこのような制約や問題点、ならびにその他の制約や問題点は、本発明によって解決される。
本発明は、患者の試料(例えば組織、血漿、血清など)を用いて特異的HCC関連タンパク質群の存在とレベルを調べることによる肝細胞癌(HCC)の検出に関する。これらタンパク質のいくつかは細胞に結合するものもあり、一方細胞に結合しないタンパク質もある。これらタンパク質の1つ以上のレベルが患者のサンプル中で上昇しているということは、その患者が肝細胞癌であることを示唆している。HCC関連タンパク質の定量化に基づくHCC診断は、多数のパラメータを明らかにする研究成果に依存することになろう。パラメータとしては、(a)(非限定的に対照レベルの一例として)正常な人のサンプルと病気の人のサンプルにおけるHCC関連タンパク質の相対レベルの測定と、(b)使用されるアッセイの特異性、感度、再現性などが挙げられよう。
本発明は、従来の走査法によるHCCの早期診断の感度を向上させることを目的として、特異的試薬により標的されうる腫瘍マーカーを同定することに関する。HCC細胞の表面に特異的に発現するタンパク質は、細胞結合性HCCタンパク質に対して特異的に結合する抗体または他の標的試薬(例えば可溶性の受容体またはリガンド)により標的されうる。標的部分を造影剤と共役させることにより、構造体を視覚化することができる。
本発明で役に立つタンパク質としては、ホスホリパーゼA2(グループXIII)(配列番号1〜2);ホスホリパーゼA2(グループVII)(配列番号12);抗トロンビンIII(配列番号3);アポリポタンパク質B(配列番号4);グループC特異的ビタミンD結合タンパク質(配列番号5〜6);γ-グルチミル・ヒドロラーゼ(配列番号7);ニカストリン(配列番号8);妊娠関連血漿タンパク質A、血漿グルタミン酸塩カルボキシペプチダーゼ(配列番号11);分泌輸送膜タンパク質-3(配列番号9〜10);及び本明細書に記載した他の仮想的タンパク質がある。本発明の方法で役に立つタンパク質のすべてがHCCの患者だけに見られるわけではない。いくつかのタンパク質は、HCCを患う患者とHCCではない人の両方に見られる。これらの場合、HCC患者は、本発明に記載した1以上のタンパク質の量が有意に増大していることにより、病気ではない人と区別される。
本発明は、好ましい態様の以下の詳細な記載を参照することにより最もよく理解できる。以下の記載は、説明的であり、例示的であり、かつ典型的であり、添付の特許請求の範囲により定義される範囲を限定するものとして捉えるべきではない。
C型肝炎(HCV)に感染していて肝細胞癌(HCC)患う患者から採取した腫瘍サンプルの発現マイクロアレイ分析を行ない、HCVに感染している硬変非腫瘍組織及び正常な肝臓と比較したとき、肝細胞癌の腫瘍組織で特異的に上方制御されている遺伝子が同定された。
肝臓サンプルとHCCサンプルは、外科手術中に採取した。関係者全員からは、あらかじめインフォームド・コンセントを取っておいた。HCCサンプルは、HCVに感染した患者からの21サンプルと、B型肝炎に感染した患者からの1サンプルを含んだ。さらに、正常で病気ではない肝臓のサンプルを4つと、HCVに感染していて肝硬変だがHCCの徴候はない8つのサンプルを、分析に使用した。
全RNAをGeiss他(2001年)に記載されているようにして単離した。RNAの増幅は、AmpliScribe転写キット(エピセンター・テクノロジーズ社、マディソン、ウィスコンシン州)を製造者が記載しているようにして使用し、T7 RNAポリメラーゼ・プロトコル(Eberwine、1996年)に従って行なった。増幅したRNAサンプルの品質は、アジレント2100バイオアナライザー(アジレント・テクノロジーズ社、パロ・アルト、カリフォルニア州)の中でキャピラリー電気泳動を利用して評価した。
cDNAマイクロアレイは、ワシントン大学の発現アレイ技術センターが、リサーチ・ジェネティクス社(セントルイス、ミズーリ州)から入手した配列確認済みのI.M.A.G.E.共同事業体のクローンを増幅して得られたPCR産物を用いて構成した(Lennon他、1996年)。マイクロアレイは、以前に報告されているようにして構成した(Geiss他、2001年)。ヒト高密度セットは2つのアレイからなり、それぞれ7,296個のヒト・クローンを2組と多数の追加対照配列を含んでおり、合計すると14,976クローンであった(独自のI.M.A.G.E.cDNAクローンが約13,597個)。どの回の実験でも、色素標識を逆にした2枚のスライドを調べる操作を実施した(Geiss他、2000年;Geiss他、2001年に記載されている蛍光逆転法)。1回の実験で、1個の遺伝子につき、合計で少なくとも4回の独立したハイブリダイゼーション測定を行なった。
プローブの合成プロトコル、マイクロアレイのハイブリダイゼーション、洗浄条件は、以前に報告されている(Geiss他、2001年)。マイクロアレイを走査し、慣行のスポット発見プログラムであるスポット-オン・イメージを利用して画像を定量化した(Geiss他、2000年;Geiss他、2001年)。このプログラムは、分析したサンプル対の各遺伝子の発現レベルの標準偏差と平均値の割合を計算する。生データとサンプル情報を慣行的に設計されるデータベースである発現アレイ・マネージャ(Expression Array Manager)に入れ、マイクロアレイの発現データを記憶し分析するためのソフトウエア・パッケージであるロゼッタ・バイオソフトウエア社のレゾルバー(登録商標)バージョン3.0(ロゼッタ・バイオソフトウエア社、カークランド、ワシントン州)を用いて評価した。このパッケージは、一般的な統計的手続き(クラスター化、トレンド分析、BLAST関連アルゴリズムに基づくホモロジー検索など)のほか、生物学的変動と実験上の変動を補正するための洗練された誤差モデルを装備する。
発現マイクロアレイのデータは、異なった2通りの方法で処理した。第1の方法は、HCVに感染した患者のサンプルだけを調べ、同じ患者からの腫瘍でない肝臓サンプルと比べて2倍を超えて有意に(p<0.01)上方制御された遺伝子を分類する操作を含んでいた。次に、10人以上の患者からのこの判定基準に合致した遺伝子を、HCVに感染していて肝硬変になっているが腫瘍ではない患者からのサンプルと比較して、並びに正常で健康な肝臓のサンプルと比較して分析された。これらの対照サンプルで遺伝子発現が変化しなかったり下方制御されている場合には、その遺伝子を診断標的として使用できるかどうかを、国立バイオテクノロジー情報データベース・センター(Unigene、OMIM、LocusLink、HomoloGene)で利用できる情報と、この遺伝子のタンパク質産物の位置と機能に関して現在出版されている文献を用いてさらに調べた。この遺伝子のタンパク質産物で、上記の条件に合致しており、(a)分泌されるか、形質膜上に存在していると思われ、(b)肝臓で優勢に、あるいは特異的に発現していることが認められるものは、HCCを診断するための指標になる可能性がある。以下は、こうしたタンパク質の幾つかの例であり、対応するアミノ酸配列及びそのバリアントは、本出願に添付した配列表中に含まれる。
PGLA2G13(ホスホリパーゼA2グループXIII;IMAGE EST:297107;GenBank AF349540;Unigene:333175;mRNA:NM 032562;タンパク質:NP 115951;(配列番号1〜2));
SERPINC1(セリン・プロテイナーゼ阻害剤またはシステイン・プロテイナーゼ阻害剤;抗トロンビンIII;IMAGE EST:85643;GenBank X68793;Unigene:Hs.75599;mRNA:000488;タンパク質:NP 000479;(配列番号3));
APOB(アポリポタンパク質B;IMAGE EST:206632;GenBank X04506;Unigene:Hs.585;mRNA:NM 000384;タンパク質:NP 000375;(配列番号4));
GC(グループC特異的ビタミンD結合タンパク質;IMAGE EST:195340;GenBank M12654;Unigene:Hs.198246;mRNA:NM 000583;タンパク質:NP 000574;(配列番号5〜6));
GGH(γ-グルチミル加水分解酵素;コンジュガーゼ(conjugase);フォリルポリγグルタミル加水分解酵素;IMAGE EST:809588;GenBank U55206;Unigene:Hs.78619;mRNA:NM 003878;タンパク質:NP 003869;(配列番号7));
NCSTN(ニカストリン;IMAGE EST:199645;GenBank R96527;Unigene:Hs.4788;(配列番号8))。
HCCサンプル中では上方制御されていたが対照サンプル中では上方制御されていない多数の遺伝子の機能は未知である。本明細書には、これら遺伝子のタンパク質産物と、それをHCCの診断マーカーとして使用することが含まれている。これらの遺伝子産物は以下の通りである:
IMAGE EST:241475;GenBank H90421;Unigene:Hs.41407として特定される遺伝子によってコードされるタンパク質;
IMAGE EST:293094;GenBank N91620;Unigene:Hs.12160として特定される遺伝子によってコードされるタンパク質;
IMAGE EST:430221;GenBank AA010360;Unigene:Hs.60380として特定される遺伝子によってコードされるタンパク質;
IMAGE EST:52990;GenBank R15441;Unigene:Hs.4774として特定される遺伝子によってコードされるタンパク質;
IMAGE EST:153779;GenBank R48248;Unigene:Hs.183171;mRNA:NM 024838;タンパク質:NP 079114仮想タンパク質FLJ22002(配列番号13)として特定される遺伝子によってコードされているタンパク質。
マイクロアレイのデータを処理する第2の方法でも同様の結果が得られた。エラー確率を用いて最初の13,597個の遺伝子セットから絞り込みを行ない、HCC腫瘍組織とそれに対応する非腫瘍組織の比較を伴う20回の実験のうちの少なくとも4回で発現制御の差が95%の信頼性(p≦0.05)で2倍を超える2302個の遺伝子セットを得た。次にキーワード検索をこの遺伝子セットに適用し、分泌が想定されるタンパク質及び/又は形質膜タンパク質をコードしている遺伝子を同定した。多くの腫瘍で下方制御される遺伝子を除くために、得られた少量の遺伝子セットを手作業で絞り込みを行った。最終的に11個の遺伝子からなるセットが選択され、そして合計で4回の実験について二次元クラスター分析に使用された。11個の遺伝子のうちの4個は、非腫瘍肝臓での実験に対し、全ての腫瘍の約60〜70%で遺伝子の発現が顕著に上方制御された。また、その4個の遺伝子はすべて、正常な肝臓サンプルに対するプール腫瘍サンプルを含む実験において有意に上方制御された。これら4個の遺伝子の産物を以下に示す。その中にはすでに示したタンパク質がいくつか含まれている。対応するアミノ酸配列とそのバリアントは、この出願に添付した配列表に記載されている。
SCAMP3(分泌輸送膜タンパク質-3;IMAGE EST:156045;GenBank R72518、Unigene:Hs.200600;mRNA:NM 005698;タンパク質:NP 005689;(配列番号9〜10));
PGCP(血漿グルタミン酸塩カルボキシペプチダーゼ;IMAGE EST:796263;Unigene:Hs.197335;(配列番号11))Gingras他、1999年;
PGLA2G13(ホスホリパーゼA2グループXIII;IMAGE EST:297107;GenBank AF349540;Unigene:333175;mRNA:NM 032562;タンパク質:NP 115951;(配列番号1〜2));
PLA2G7(ホスホリパーゼA2グループVII;IMAGE EST:238821;GenBank H65029;Unigene:Hs.93304;mRNA:NM 005084;タンパク質:NP 005075;(配列番号12))。
どちらかの方法で同定されたタンパク質のうちのいくつかは、HCCの診断に用いることができよう。患者サンプル中の1以上のこれらタンパク質が増大したレベルになることは、疾患であることを示唆している。診断用タンパク質は、細胞に結合するか、または細胞に結合しない状態で発現する。診断法は、診断用タンパク質または予測用タンパク質が細胞に結合しているか、それとも細胞に結合していないかによって異なるであろう。
非細胞結合性タンパク質としては、PGCP(配列番号11)、PLA2G13(配列番号1〜2)、PLA2G7(配列番号12)、SERPINC1(配列番号3)、APOB(配列番号4)、GC(配列番号5〜6)、及びGGH(配列番号7)などが挙げられる。HCCの診断は、患者のサンプル(例えば血液、血漿、血清、尿など)に含まれるこれらのタンパク質を個別に、あるいは組み合わせて定量化することによって得られる。
患者のサンプル中に存在している非細胞結合性タンパク質の量を従来法で測定する。その方法としては、非限定的にELISA、サンドイッチELISA、放射免疫検定(RIA)のほか、特異的抗体の使用に基づいた他の競合結合アッセイが挙げられる。非細胞関連タンパク質が酵素(PGCP(配列番号11);PLA2G7(配列番号12);PLA2G13(配列番号1〜2);SERPINC1(配列番号3);GGH(配列番号7))である場合には、そのタンパク質の定量化を行なう活性アッセイも利用することができる。
上記の方法に加えて、あるいは上記の方法に代えて、HCCは、標的剤-造影剤共役体を用いた画像化法または走査法により診断されうる。本発明のこの態様に適した好ましいタンパク質は、細胞結合性タンパク質であるSCAMP3(配列番号9〜10)とNCSTN(配列番号8)であり、標識技術や走査技術と組み合わせて使用されるとき、造影標的としての使用を見出されるだろう。
本発明を実施する上で役立つ標的剤としては、非限定的に抗体、可溶性受容体、可溶性リガンドのほか、HCC細胞が発現するタンパク質と特異的に結合する試薬などが挙げられる。標的剤を造影剤と共役させると、腫瘍細胞を可視化することができる。
本発明を実施する上で役立つ造影剤としては、非限定的に放射性同位体、高電子密度色素のほか、走査技術で見ることのできる多彩な他の試薬などが挙げられる。そのような試薬については文献に詳しく記載されている(例えばVera他、1995年;Shen他、1996年;Matsumura他、1994年;Reimer他、1994年;Koral他、1994年;Winzelberg他、1992年;Perkins他、1993年を参照のこと)。
標的分子-造影剤共役体を患者の静脈内に投与した後にイメージング装置を使用すると、腫瘍の可視化が可能になる、及び/又は腫瘍がより見やすくなる。標的分子-造影剤共役体は、細胞結合性HCC関連タンパク質と結合するか、あるいは細胞結合性HCC関連タンパク質である受容体を介して取り込まれる可能性がある。
本発明の他の方法として、肝臓組織のサンプルを使用する方法がある。本発明のこの態様では、患者のサンプルを生検または従来技術で知られている他の方法で取得されうる。
組織サンプルの分析に役立つ本発明の一実施態様は、造影剤と共役する細胞結合性HCC関連タンパク質に対して特異的な抗体を用いた免疫細胞化学技術または免疫組織化学技術を使用することを含む。
さらに、組織サンプルは、1以上の細胞結合性HCC関連タンパク質または非細胞結合性HCC関連タンパク質の転写をRT−PCRまたは核酸ハイブリダイゼーション法で調べることによって評価することができる。
HCCの診断は、上記の方法を利用してこれらのタンパク質を個別に、あるいは組み合わせて定量化することによって得られる。
この明細書で直接関係するのは、組み換えヒトPLA2G13(配列番号1〜2)に結合するポリクローナル抗体の開発と、その抗体を利用したPLA2G13(配列番号1〜2)の定量化または可視化である。以下に説明するウサギの免疫化によるポリクローナル抗血清の生成とウエスタン・ブロット分析の利用は、当業者には馴染みがある。
組み換えヒトPLA2G13(配列番号1〜2)を用いて、あるいはヒトPLA2G13(配列番号1)の一部である合成ペプチド(配列番号14〜16)を担体タンパク質に結合させたものを用いてウサギを免疫化することにより、ポリクローナル抗体は作られた。担体タンパク質と共役させるための手段としてペプチド#1の5’末端にシステイン残基が付加されたそれぞれのペプチド配列を以下に示す。
(配列番号14)、ペプチド#1:5’ CSDTSPDTEESYSD 3’
(配列番号15)、ペプチド#2:5’ CSDLKRSLGFVSKVE 3’
(配列番号16)、ペプチド#3:5’ CAEEEKEEL 3’
組み換えヒトPLA2G13(配列番号1〜2)、あるいはペプチド#1又は#3と共役した担体タンパク質を用いて免疫化されたウサギからの抗血清は、組み換えヒトPLA2G13(配列番号1)と結合する抗体を含んでいた。このことは、ウエスタン・ブロット・アッセイで確認した。
ウエスタン・ブロット・アッセイで使用した組み換えヒトPLA2G13(配列番号1)を公知の分子生物学的方法と生化学的方法を利用して大腸菌の中で発現させ、大腸菌から精製した。同様のタンパク質にこれらの方法を適用した場合については、Koduri他(2002年)に概略が記載されている。さらに、組み換えヒトPLA2G13(配列番号1)を、同様のタンパク質に関してValentinら(1999年)が記載しているようにして再び折り畳ませ、その特徴を明らかにした。すると元のコンホメーションになっていることがわかった。元のコンホメーションになっている組み換えヒトPLA2G13(配列番号1)と結合するポリクローナル抗体は、ヒトまたはヒト由来の物質に含まれる内在性または未変性のPLA2G13(配列番号1〜2)と結合する傾向がある。PLA2G13(配列番号1)と結合するポリクローナル抗体を作ることにより、抗体に基づいたアッセイの開発が可能になり、患者の内在性PLA2G13(配列番号1〜2)の検出を行なったり、患者由来の物質に含まれるPLA2G13(配列番号1〜2)の検出と定量化を行なったりすることができる。さらに、抗PLA2G13(配列番号1)抗体は、造影剤共役体の標的部分として機能することができる。
上記の説明は説明的、例示的、かつ典型的であるので、添付の請求項によって定義される範囲を限定するように捉えるべきではない。
参考文献
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22)Wildi, S.他、(2002年)、Swiss Surg.、第8巻、61〜66ページ

Claims (8)

  1. 哺乳動物においてHCCの存在を検出する方法であって、以下のステップ:
    a) 哺乳動物から得られた生物学的サンプルを提供するステップ;
    b) 該サンプルをアッセイして、少なくとも1のHCC関連タンパク質を定量するステップ;及び
    c) 該少なくとも1のHCC関連タンパク質の量を対照レベルと比較するステップであって、該HCC関連タンパク質がホスホリパーゼA2グループXIII(PLA2G13)を含むステップ、
    を含む前記方法。
  2. 前記サンプルのアッセイが、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、並びにモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、又はモノクローナル抗体とポリクローナル抗体の組み合わせを使用する競合アッセイからなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記サンプルのアッセイが、HCC関連タンパク質と特異的に相互作用する受容体分子を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記サンプルのアッセイが、活性アッセイを含み、そして前記HCC関連タンパク質が、定量的化学反応又は定量的生物反応に関与する酵素からなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ポリクローナル抗体が、PLA2G13に結合する抗体を含む、請求項2に記載の方法。
  6. 取得された前記生物学的サンプルが生検によるものである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記生物学的サンプルが、肝臓組織のサンプルである、請求項1に記載の方法。
  8. 哺乳動物においてHCCを検出する方法であって、以下のステップ:
    a) 該哺乳動物の肝臓組織から得られたサンプルを提供するステップ;及び
    b) 逆転写ポリメラーゼ・チェーン反応(RT-PCR)と核酸ハイブリダイゼーション法からなる群から選ばれる少なくとも1の方法により、HCC関連タンパク質の少なくとも1の転写をアッセイするステップであって、該HCC関連タンパク質はホスホリパーゼA2グループXIII(PLA2G13)を含むステップ、
    を含む前記方法。
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