JP4625966B2 - 発熱体、その製造方法、及びその使用 - Google Patents

発熱体、その製造方法、及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス繊維製グリッド基布、ガラス繊維製グリッド基布上に形成された導電性被膜、対向する2つの辺の各端部に沿って配置された導電性塗膜と接続する2つの電極、及び導電性被膜と電極の上に形成された絶縁被覆層を備えた発熱体とその製造方法に関する。
また、本発明は、該発熱体の両面に硫黄コンクリートまたは改質硫黄コンクリートの固化成形体層を配置した構造を有する発熱体パネルに関する。さらに、本発明は、該発熱体を用いたハウス栽培方法に関する。
本発明の発熱体及び発熱体パネルは、例えば、路面の融雪システム、屋根の融雪システム、屋内の結露防止システム、農業分野での保温システムなど、広範な技術分野で利用することができる。
道路や駐車場などの舗装表面上の雪を除去し、舗装路面の凍結を防止するために、発熱体を用いた様々な融雪システムが提案されている。発熱体としては、一般に、通電によって発熱する発熱線及び温水パイプが用いられている。発熱体を敷設するには、道路を掘削して、地中に発熱体を配置する。発熱体上にアスファルトまたはコンクリートを施工して、発熱体を埋設する。車両等の荷重により発熱線が断線したり、温水パイプが破損したりするのを防ぐため、通常、路面から15cm以上の深さの地中に発熱体を埋設する。
このような発熱体を用いた融雪システムは、熱伝導性が不十分なため、降雪初期の初動融雪時に発熱体を発熱させて、路面を融雪可能な1〜3℃の温度にまで昇温させるのに2〜3時間を要する。降雪量が多い場合には、その間に10cm以上の積雪量となることがある。一旦積雪すると、積雪は熱伝導性が低いため、融雪に長時間と多大なエネルギーを必要とする。路面上の積雪が除去されていない道路は、車両の運行にとって極めて危険であり、凍結の可能性も大きい。
降雪前から通電またはボイラー稼動によって、発熱線若しくは温水パイプを発熱させておくと、降雪初期の初動融雪に対応することができる。しかし、降雪期には、長期にわたって雪が降ったり止んだりするため、この方式では、降雪の有無を問わず、連日連夜にわたって通電またはボイラー稼動を行う必要があり、エネルギー消費量が著しく増大する。
発熱線(例えば、ニクロムケーブル)は、断線しやすく、しかも断線箇所を特定することが困難である。発熱線が断線すると、融雪システムの解体が必要となる。温水パイプを用いた融雪システムは、ボイラー管理や給油が煩雑であることに加えて、温水パイプの目詰まりや破損に対する対策などメンテナンス作業が必要である。オイルを用いたボイラー稼動方式では、二酸化炭素の排出問題や、オイルの高騰への対応策も必要となる。
発熱体として発熱線を用いた融雪システムにおいて、ランニングコストを低減するために、幾つかの方法が提案されている。例えば、特開2001−3307号公報(特許文献1)には、熱溶融性樹脂からなる板状材料を格子状に接合した基板上に、複数の発熱線を互いに平行に蛇行配置し、ナイロン製結束具で固定した発熱体が提案されている。この発熱体を用いた融雪システムでは、降雪検知部からの降雪情報に基づいて、スイッチにより複数の発熱線への通電を制御する。
特開平8−60609号公報(特許文献2)には、発熱線を蛇行状に配線し、かつ、蛇行ピッチが小さい領域と蛇行ピッチが大きい領域とを交互に配置した発熱ユニット提案されている。該発熱ユニットを道路面下に埋設し、発熱線に通電すると、発熱線の蛇行ピッチが大きい領域では発熱量が小さいため、積雪が半融解状態となる。半融解状態の積雪箇所は、車両の通過圧力によって積雪が崩されて、融雪が進行する。
特許文献1及び2に開示されている方法は、融雪システムの設備費やランニングコストの低減を主目的とするものであって、発熱線を用いることによりもたらされる前記の如き諸問題を解決するものではない。むしろ、前記方法により、設備費やランニングコストを低減すると、積雪の進行を抑制することができない。発熱線を蛇行配置した平板状の発熱体は、強度が低いだけではなく、その上下層にアスファルトやコンクリートを舗装すると、車両の通過などに伴って、表層の滑りや剥離を生じやすい。そのため、該発熱体は、路面よりかなり深い箇所に埋設する必要があるが、それによって、路面への熱伝導性が低下する。
特開平6−81308号公報(特許文献3)には、工場排水や温泉水などの熱源水を利用したヒートパイプ式融雪装置において、金属製ヒートパイプの必要箇所に防食層を設ける方法が提案されている。この方法によれば、硫酸イオンや炭酸イオンなどの腐食性の強い成分を含有する温泉水を用いても、金属製ヒートパイプの腐食を抑制することができる。しかし、このようなヒートパイプ式融雪装置は、設置、維持管理などに多大なコストを必要とする。
発熱体は、路面の融雪システムだけではなく、屋根の融雪システム、屋内の結露防止システム、床暖房システム、農業分野での保温システムなどの広範な技術分野において利用できることが期待されている。しかし、従来の発熱体は、これらの要求を十分に満足させるものではなく、発熱効率、熱伝導性、施工性、機械物性、耐摩耗性、耐候性、耐光性、耐薬品性、耐久性、エネルギーコストなどの点で、多くの問題点を抱えているのが現状である。
特開2001−3307号公報 特開平8−60609号公報 特開平6−81308号公報
本発明の課題は、発熱効率、熱伝導性、耐熱性、機械物性(引張強さ、耐積載荷重性など)、耐摩耗性、耐候性、耐光性、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性、難燃性、耐久性、施工性などに優れ、融雪システム、屋根の融雪システム、屋内の結露防止システム、床暖房システム、農業分野での保温システムなどの広範な技術分野に利用することができる発熱体とその製造方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、前記発熱体と、硫黄コンクリートまたは改質硫黄コンクリートの固化成形体とを組み合わせてなる、施工性、熱伝導性、機械物性、耐摩耗性、耐酸性、遮水性、難燃性などに優れた発熱パネルを提供することにある。
本発明のさらなる他の課題は、前記発熱体をハウス内の土壌の表層部に埋設して、該発熱体によって土壌の表層部とハウス内の温度を制御するハウス栽培方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、ガラス繊維製グリッド基布、ガラス繊維製グリッド基布上に形成された導電性被膜、対向する2つの辺の各端部に沿って配置された導電性被膜と接続する2つの電極、及び導電性被膜と電極の上に形成された絶縁被覆層を備えた発熱体に想到した。
複数本のガラス繊維を結合した平坦なストラップを格子状に組み立てたガラス繊維製グリッド基布を用いることにより、引張強さなどの機械物性に優れる上、その開口部を利用してアスファルトやコンクリートとの一体化施工を容易に行うことができる。ガラス繊維製グリッド基布上に、結着樹脂中に導電性カーボンブラックとグラファイトとを含有する導電性被膜を形成することにより、該導電性被膜への通電による発熱効率が高く、断線などの問題の発生がなく、耐積載荷重性を含む諸特性に優れ、実質的にメンテナンスフリーの発熱体を得ることができる。該導電性被膜の絶縁被覆層を耐熱ポリマー層により形成することによって、耐熱性、電気絶縁性などに優れた発熱体を得ることができる。
本発明の発熱体は、引張強さ、耐摩耗性、耐積載荷重性などに優れるため、路面下の浅い箇所に埋設することができることに加えて、耐熱性に優れるため、アスファルトやコンクリートとの一体化施工を容易に行うことができる。
本発明の発熱体は、前記の如き諸特性に優れるため、硫黄コンクリートまたは改質硫黄コンクリートの固化成形体と組み合わせることができ、それによって、施工性、熱伝導性、機械物性、耐摩耗性、耐酸性、遮水性、難燃性などに優れた発熱パネルを得ることができる。
本発明の発熱体は、ハウス内の土壌の表層部に埋設すると、発熱効率に優れるため、短時間の通電によってハウス内の温度を所望の温度に制御することができる。本発明の発熱体は、グリッド開口部が存在するため、各種農作物の栽培が可能である。発熱体を60〜80℃の高温に一時的に加熱することにより、土壌中の有害な細菌、その他の微生物を滅菌または駆除することができるため、ハウス内での連作栽培が可能となる。
本発明の発熱体及び発熱パネルは、道路ヒーティング、駐車場ヒーティング、屋根融雪ヒーティング等の融雪システム;床暖房等の家屋暖房システム;育苗用ヒーティング、畜舎床暖房ヒーティング、ハウス栽培等の農業分野でのヒーティングシステムなどの広範な技術分野において利用することができる。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明によれば、ガラス繊維製グリッド基布、該ガラス繊維製グリッド基布上に形成された導電性被膜、対向する2つの辺の各端部に沿って配置された該導電性被膜と接続する2つの電極、及び該導電性被膜と該電極の上に形成された絶縁被覆層を備えた発熱体であって、(A)該ガラス繊維製グリッド基布が、複数本のガラス繊維を結合した幅5〜30mmの平坦なストラップを、開口部の縦及び横の寸法が各々10〜100mmの格子状に組み立てた、平均厚み1〜10mmのガラス繊維製グリッド基布であり、(B)該導電性被膜が、結着樹脂中に平均粒径5〜200μmのグラファイトと一次粒子の平均粒径10〜100nmの導電性カーボンブラックとからなる導電性フィラーを40〜90質量%の割合で含有し、かつ、該導電性フィラー中の導電性カーボンブラックに対するグラファイトの質量比が0.1〜10である導電性被膜であり、並びに(C)該絶縁被覆層が、150℃の温度に5時間連続保持する条件下で溶融及び分解することのない耐熱性ポリマー層であることを特徴とする発熱体が提供される。
また、本発明によれば、ガラス繊維製グリッド基布、該ガラス繊維製グリッド基布上に形成された導電性被膜、対向する2つの辺の各端部に沿って配置された該導電性被膜と接続する2つの電極、及び該導電性被膜と該電極の上に形成された絶縁被覆層を備えた発熱体の製造方法であって、(1)複数本のガラス繊維を結合した幅5〜30mmの平坦なストラップを、開口部の縦及び横の寸法が各々10〜100mmの格子状に組み立てて、平均厚み1〜10mmのガラス繊維製グリッド基布を作製する工程1;(2)合成樹脂水性分散液に、一次粒子の平均粒径が10〜100nmの導電性カーボンブラックと平均粒径が5〜200μmのグラファイトとからなる導電性フィラーを、該導電性カーボンブラックに対する該グラファイトの質量比が0.1〜10で、かつ、全固形分中の該導電性フィラーの含有割合が40〜90質量%で分散した導電性塗料を調製する工程2;
(3)該ガラス繊維製グリッド基布を該導電性塗料中に浸漬して、該ガラス繊維製グリッド基布上に導電性被膜を形成する工程3;(4)該導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布の対向する2つの辺の各端部に沿って、該導電性被膜と接続する2つの電極を配置する工程4;(5)融点が200℃以上の結晶性ポリマー、ガラス転移温度が170℃以上の非晶性ポリマー、及び縮合型芳香族ポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の耐熱性ポリマーからなる厚み20〜1,000μmのフィルムまたはシートを、該導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布の両面と該電極上に融着若しくは接着させて、150℃の温度に5時間連続保持する条件下で溶融及び分解することのない耐熱性ポリマー層からなる絶縁被覆層を形成する工程5;並びに(6)該ガラス繊維製グリッド基布の開口部周辺の導電性被膜上の絶縁被覆層を残しつつ、該開口部を覆う該フィルム若しくはシートを切除する工程6;を含む発熱体の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、ガラス繊維製グリッド基布、該ガラス繊維製グリッド基布上に形成された導電性被膜、対向する2つの辺の各端部に沿って配置された該導電性被膜と接続する2つの電極、及び該導電性被膜と該電極の上に形成された絶縁被覆層を備えた発熱体の製造方法であって、(a)複数本のガラス繊維を結合した幅5〜30mmの平坦なストラップを、開口部の縦及び横の寸法が各々10〜100mmの格子状に組み立てて、平均厚み1〜10mmのガラス繊維製グリッド基布を作製する工程I;(b)合成樹脂水性分散液に、一次粒子の平均粒径が10〜100nmの導電性カーボンブラックと平均粒径が5〜200μmのグラファイトとからなる導電性フィラーを、該導電性カーボンブラックに対する該グラファイトの質量比が0.1〜10で、かつ、全固形分中の該導電性フィラーの含有割合が40〜90質量%で分散した導電性塗料を調製する工程II;(c)該ガラス繊維製グリッド基布を該導電性塗料中に浸漬して、該ガラス繊維製グリッド基布上に導電性被膜を形成する工程III;(d)該導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布の対向する2つの辺の端部に沿って、該導電性被膜と接続する2つの電極を配置する工程IV;(e)該導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布の該導電性被膜と該電極の上に、シリコーン樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、融点が200℃以上の結晶性ポリマーを含有する塗料、及びガラス転移温度が170℃以上の非晶性ポリマーを含有する塗料からなる群より選ばれる少なくとも一種の塗料を塗布して、厚み20〜1,000μmの塗膜を形成することにより、150℃の温度に5時間連続保持する条件下で溶融及び分解することのない耐熱性ポリマー層からなる絶縁被覆層を形成する工程V;を含む発熱体の製造方法が提供される。
本発明によれば、前記発熱体の第一面上及び第二面上に、硫黄と骨材とを含有する硫黄コンクリートまたは改質硫黄と骨材とを含有する改質硫黄コンクリートの固化成形体層が配置されると共に、該発熱体の開口部が該硫黄コンクリート若しくは該改質硫黄コンクリートの固化成形体によって充填されている構造を有する発熱パネルが提供される。
本発明によれば、前記発熱体をハウス内の土壌の表層部に埋設し、該発熱体によって土壌の表層部とハウス内の温度を制御するハウス栽培方法が提供される。
本発明によれば、発熱効率、熱伝導性、耐熱性、機械物性(引張強さ、耐積載荷重性など)、耐摩耗性、耐候性、耐光性、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性、難燃性、耐久性、施工性などに優れ、融雪システム、屋根の融雪システム、屋内の結露防止システム、床暖房システム、農業分野での保温システムなどの広範な技術分野に利用することができる発熱体とその製造方法を提供することができる。
本発明によれば、該発熱体と、硫黄コンクリートまたは改質硫黄コンクリートの固化成形体とを組み合わせてなる、施工性、熱伝導性、機械物性、耐摩耗性、耐酸性、遮水性、難燃性などに優れた発熱パネルを提供することができる。本発明によれば、該発熱体をハウス内の土壌の表層部に埋設して、該発熱体によって土壌の表層部とハウス内の温度を制御するハウス栽培方法を提供することができる。
本発明の発熱体及び発熱パネルを融雪システム等に用いる場合、簡便な施工が可能で、かつ、実質的にメンテナンスフリーであるため、イニシアルコスト及びランニングコストを極めて低くすることができる。本発明の発熱体は、路面の浅い箇所に埋設しても断線や破損のおそれがなく、発熱効率に優れ、かつ、広い面積の加熱が可能であるため、降雪初期に融雪可能な温度にまで路面温度を速やかに上昇させることができる。本発明の発熱体は、耐久性に優れるため、必要に応じて連続的または断続的に通電することにより、路面への積雪及び凍結を防ぐことができる。
本発明の発熱体及び発熱パネルは、例えば、降雪地域での路面や屋根の融雪システム、冬季の家屋暖房システム、結露防止システム、畜舎の床暖房などの畜産分野でのヒーティングシステム、ハウス栽培などの農業分野でのヒーティングシステムなどの広範な技術分野で利用することができる。
1.ガラス繊維グリッド基布
本発明で使用するガラス繊維グリッド基布は、複数本のガラス繊維を結合した幅5〜30mmの平坦なストラップを、開口部の縦及び横の寸法が各々10〜100mmの格子状に組み立てた、平均厚み1〜10mmのガラス繊維製グリッド基布である。
ガラス繊維は、Eガラス、Cガラス、耐アルカリガラス、高強度Tガラスなどからなるフィラメントを集束または撚糸して、ストランド若しくは糸としたものである。複数本のガラス繊維を長さ方向に並列させ、常法によって各ガラス繊維をバインダ(例えば、フェノール樹脂系バインダ)で結合することにより、平坦なストラップ(帯)を得ることができる。
ストラップの幅は、5〜30mm、好ましくは6〜25mm、より好ましくは7〜20mmである。ストラップの幅が狭すぎると、ガラス繊維製グリッド基布の引張強さなどの機械物性が低下する。ストラップの幅が広すぎると、ガラス繊維製グリッド基布の開口部の大きさが制限され、アスファルトやコンクリートとの一体化舗装が困難となりやすい。
ガラス繊維製グリッド基布を構成するストラップの長さ方向の引張強さは、好ましくは10〜30t/m、より好ましくは12〜25t/m、特に好ましくは15〜23t/mである。引張強さは、長さ100mmの短冊型試験片を用いて、引張試験機により引張速度50mm/分、チャック間距離50mmの条件で測定した破断時の引張強さである。得られた測定値を、単位t/mに換算して示した。ストラップの引張強さが小さすぎると、ガラス繊維製グリッド基布の引張強さが低下して、強靭性や耐積載荷重性などが低下する。引張強さが大きすぎるストラップは、その製造が困難である。
ストラップを縦横に格子状に重ね合わせて、重ね合わせた箇所をバインダにより結合することによって、ガラス繊維製グリッド基布を成形する。図1にガラス繊維製グリッド基布の平面図を示す。ガラス繊維製グリッド基布1は、縦方向に配置した複数のストラップ2と横方向に配置した複数のストラップ3を格子状に組み立てたものであって、複数の開口部4を有している。
ガラス繊維製グリッド基布の開口部の縦及び横の寸法は、各々10〜100mm、好ましくは13〜80mm、より好ましくは15〜70mmである。開口部の縦及び横の寸法が小さすぎると、アスファルトやコンクリートとの一体化舗装が困難となりやすい。開口部の縦及び横の寸法が大きすぎると、ガラス繊維製グリッド基布の強度が低下したり、変形したりしやすくなる。
ガラス繊維製グリッド基布の平均厚みは、1〜10mm、好ましくは2〜8mm、より好ましくは3〜7mmである。ガラス繊維製グリッド基布の平均厚みが薄すぎると、引張強さなどの機械物性が低下する。ガラス繊維製グリッド基布の平均厚みが厚すぎると、ガラス繊維製グリッド基布が剛直になりやすい。
本発明の個々の発熱体は、通常、発熱体ユニットを構成する。複数の発熱体ユニットを隣接または一定の間隔を置いて配置することにより、必要な面積の加熱を行うことができる。ガラス繊維製グリッド基布の大きさは、発熱体ユニットの所望の大きさに基づいて適宜定めることができる。発熱体ユニットとしての施工性を考慮すると、ガラス繊維製グリッド基布の縦及び横の各寸法は、好ましくは30cmから5m、より好ましくは40cmから3m、さらに好ましくは50cmから2.5mである。
ガラス繊維製グリッド基布は、耐熱性、強靭性、耐薬品性(耐アルカリ性、耐酸性など)、耐久性に優れている。ガラス繊維製グリッド基布は、発熱体に通電して長時間加熱状態に保持しても、変形することがなく、実質的に収縮することもない。ガラス繊維製グリッド基布は、発熱体を地中に埋設した場合、車両等の積載荷重が大きくても破損することがない。
2.導電性被膜と導電性塗料
ガラス繊維製グリッド基布の上に形成する導電性被膜は、結着樹脂中に平均粒径5〜200μmのグラファイトと一次粒子の平均粒径10〜100nmの導電性カーボンブラックとからなる導電性フィラーを40〜90質量%の割合で含有するものである。
本発明では、グラファイトと導電性カーボンブラックとを組み合わせた導電性フィラーを使用する。導電性フィラーの含有割合は、結着樹脂と導電性フィラーとその他の添加剤成分との合計割合に対する割合を意味する。導電性フィラーの含有割合は、40〜90質量%、好ましくは45〜80質量%、より好ましくは50〜70質量%である。導電性フィラーの含有割合が低すぎると、導電性被膜の表面抵抗率及び体積抵抗率が低下しすぎて、十分な発熱性を得ることができない。導電性フィラーの含有割合が高すぎると、結着樹脂の含有割合が低くなりすぎて、導電性被膜の靭性や耐久性が損なわれる。
導電性カーボンブラックは、一般に、一次粒子の凝集体として結着樹脂中に分散する。導電性カーボンブラックの凝集体は、比表面積とストラクチャーと呼ばれる粒子の連鎖によって物理的特性が特徴づけられ、これらが電導度に影響を与える。結着樹脂中で導電性カーボンブラックの粒子が連結することにより、導電性が発現する。導電性カーボンブラックは、その一次粒子の平均粒径が小さく、かつ、結着樹脂中のストラクチャーが混合条件等によって影響を受けるため、その含有量や製膜条件などの僅かの違いによって、導電性被膜の電導度が大きく変動しやすい。
グラファイトは、層状構造に結晶した板状粒子であるため、導電性カーボンブラックと組み合わせて使用すると、導電性カーボンブラックの粒子の連結性を高めて、それぞれを単独で使用した場合に比べて、高い電導度を安定して発現することができる。銅粉やニッケル粉などの金属系導電性フィラーは、酸化によって導電性が低下する。これに対して、炭素系導電性フィラーである導電性カーボンブラックとグラファイトは、酸化による導電性の低下がない。
導電性カーボンブラックとしては、オイルファーネスブラック、及びアセチレンブラックが好ましい。オイルファーネスブラックには、ケッチェンブラックも含まれる。導電性カーボンブラックの一次粒子の平均粒径(電子顕微鏡で測定した粒度d50)は、10〜100nm、好ましくは15〜80nmである。導電性カーボンブラックの窒素比表面積(液体窒素吸着法による値)は、通常、50〜2,000m/gの範囲内である。
グラファイトとしては、天然黒鉛及び人造黒鉛が用いられる。天然黒鉛は、その形状によって、塊状黒鉛、鱗片状黒鉛、及び土壌黒鉛に分類される。グラファイトの平均粒径(レーザー回折/散乱法による測定値)は、5〜200μm、好ましくは10〜150μm、より好ましくは20〜100μmである。
導電性フィラー中の導電性カーボンブラックに対するグラファイトの質量比(グラファイト/導電性カーボンブラック)は、0.1〜10、好ましくは0.5〜9、より好ましくは1〜8である。この質量比が小さすぎても大きすぎても、導電性被膜の体積抵抗率または表面抵抗率を安定的かつ十分に低くすることが困難となる。
導電性被膜の厚みは、好ましくは50μmから5mm、より好ましくは100μmから4mm、さらに好ましくは300μmから3mm、多くの場合500μmから2mmの範囲内である。導電性被膜の厚みが薄すぎると、発熱効率が低下する。導電性被膜の厚みが大きすぎると、導電性被膜の表面抵抗率や体積抵抗率が飽和傾向を示す上、導電性被膜の可撓性が低下したり、収縮率が高くなったりする。導電性被膜は、150℃での熱収縮率が7%以下であることが好ましい。導電性被膜が熱収縮しやすいと、均一な発熱が困難となる。
導電性被膜の体積抵抗率は、通常、10−1〜10Ω・cm、好ましくは10〜10Ω・cm、より好ましくは10〜10Ω・cmの範囲内である。導電性被膜の体積抵抗率が上記範囲内にあることによって、発熱体としての機能を十分に発揮することができる。体積抵抗率は、JIS K 6911に従って、4探針法により、印加電圧100Vで10mm×10mmの導電性被膜の表面抵抗率を測定し、それに導電性被膜の厚みをかけて算出した値である。
導電性被膜は、通常、ガラス繊維製グリッド基布を導電性塗料中に浸漬する方法(ディッピング法)により形成されたものである。導電性塗料としては、合成樹脂水性分散液に、一次粒子の平均粒径が10〜100nmの導電性カーボンブラックと平均粒径が5〜200μmのグラファイトとからなる導電性フィラーを分散させたものである。全固形分中の導電性フィラーの含有割合は、40〜90質量%である。導電性カーボンブラックに対するグラファイトの質量比は、0.1〜10である。
合成樹脂水性分散液としては、通常、合成樹脂エマルションが好適に用いられる。合成樹脂エマルションの種類としては、例えば、アクリル樹脂系エマルション、酢酸ビニル系エマルション、エチレン酢酸ビニル共重合体系エマルション、スチレン−ブタジエン共重合体系エマルション、プロピオン酸ビニル樹脂エマルション、アルキド樹脂エマルション、アミノ樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルションなどが挙げられる。これらの中でも、可撓性が良好な導電性被膜を形成できる点で、アクリル樹脂系エマルションが好ましい。エマルションの構成成分である合成樹脂は、導電性フィラーの結着樹脂となる。
アクリル樹脂系エマルションは、通常、アルキルアクリレート及び/またはアルキルメタクリレート〔以下、両者を併せて、「アルキル(メタ)アクリレート」と表記する〕60〜98質量%と、その他の共重合可能な少なくとも一種の単量体(コモノマー)2〜40質量%とを乳化重合して得られたエマルションである。アクリル樹脂系エマルションには、架橋剤(例えば、エポキシ系架橋剤)、フェノール樹脂などの各種添加剤を添加することができる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタアクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
共重合可能なその他の単量体としては、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミドなどのN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシエチル(メタ)アクリルアミドなどのN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリルアミド;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族系モノマー;アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基を有するモノマー;酢酸ビニルなどのビニルエステル;などが挙げられる。
アクリル系樹脂は、カルボキシル基や水酸基などの官能基を含有する単量体単位を通常1〜20質量%、好ましくは3〜15質量%の割合で含有するものであることが、ガラス繊維製グリッド基布との密着性や、架橋による強度や耐水性の付与などの観点から好ましい。
ガラス繊維製グリッド基布を導電性塗料中に浸漬して、該ガラス繊維製グリッド基布の表面及び隙間に合成樹脂(結着樹脂)と導電性フィラーとの混合物を付着及び含浸させ、次いで、乾燥させれば、ガラス繊維製グリッド基布の全表面を導電性塗料の塗膜(導電性被膜)で被覆することができる。
3.電極
導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布の対向する2つの辺の各端部に沿って、導電性被膜と接続する2つの電極を配置する。対向する2つの辺は、任意に選択することができる。
電極としては、アルミニウム箔、錫箔などの金属箔;合成樹脂成形体などの誘電体表面に、亜鉛、アルミニウム、または亜鉛とアルミニウムとの合金を蒸着した蒸着金属電極;などが挙げられるが、これらに限定されない。
電極は、導電性被膜と電気的に接続するように配置する。電極には、電源及び/または他の発熱体との接続のために、リード線を接続することができる。リード線は、絶縁被覆層を形成した後に、電極に取り付けてもよい。
4.絶縁被覆層
絶縁被覆層は、150℃の温度に5時間連続保持する条件下で溶融及び分解することのない耐熱性ポリマー層である。
本発明の発熱体は、長時間にわたって通電することにより、高温条件下におかれる。本発明の発熱体は、地中に埋設する際、アスファルトやコンクリートにより包まれて一体化するように施工される。アスファルトは、通常150℃以上、多くの場合200℃以上の温度に加熱して施工される。コンクリートは、硬化時に発熱する。
本発明の発熱体は、硫黄コンクリートまたは改質硫黄コンクリートの固化成形体層と一体化して発熱ユニットを形成するのに用いることができるが、固化成形時に高温条件下におかれる。
そのため、絶縁被覆層は、150℃の温度、好ましくは200℃の温度に5時間連続保持する条件下におかれても、溶融したり分解したりすることがないだけの耐熱性を有することが求められる。
耐熱性ポリマーからなる絶縁被覆層は、例えば、耐熱性ポリマーのフィルムまたはシートによって形成することができる。絶縁被覆層は、耐熱性ポリマーを含有する塗料の塗布によっても形成することができる。
絶縁被覆層としては、融点が200℃以上、好ましくは220℃以上の結晶性ポリマー、ガラス転移温度が170℃以上、好ましくは190℃以上の非晶性ポリマー、及び縮合型芳香族ポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の耐熱性ポリマーからなる厚み20〜1,000μmのフィルムまたはシートであることが望ましい。ここで、厚みが250μm未満をフィルムと呼び、厚みが250μm以上をシートと呼ぶ。
融点が200℃以上のポリマーの好ましい具体例を融点(代表値)と共に例示すると、ポリブチレンテレフタレート(224〜228℃)、ポリエチレンテレフタレート(248〜260℃)などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ナイロン6(220〜228℃)、ナイロン66(260〜265℃)、ナイロン46(290℃)などのポリアミド樹脂;ポリテトラフルオロエチレン(327℃)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体(290〜300℃)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(260〜270℃)、ポリフッ化ビニル(227℃)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(253〜282℃)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(302〜310℃)などのフッ素樹脂;ポリフェニレンスルフィド(280〜295℃)、ポリエーテルエーテルケトン(334℃)、全芳香族ポリエステル(450℃以上)、ポリメチルペンテン(235℃)などのエンジニアリングプラスチック;が挙げられる。これらのポリマーは、一般に結晶性ポリマーである。
ガラス転移温度が170℃以上のポリマーの好ましい具体例をガラス転移温度(代表値)と共に例示すると、ポリフェニレンエーテル(220℃)、ポリアリレート(193℃)、ポリスルホン(190℃)、ポリエーテルスルホン(225〜230℃)、ポリエーテルイミド(217℃)、ポリアミドイミド(280〜285℃)などが挙げられる。これらのポリマーは、一般に非晶性ポリマーである。
熱可塑性ポリイミド(Tg=250℃)は、結晶性ポリマーであるが、通常の成形条件では非晶性であり、成形後の熱処理によって結晶化する。ポリカーボネートは、透明な非晶性ポリマーであるが、融点が246℃の耐熱性ポリマーである。
縮合型芳香族ポリイミド樹脂は、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとを反応させて、その前駆体であるポリアミド酸を合成し、該ポリアミド酸の溶液を用いて製膜した後、熱処理して閉環(イミド化)する方法によりフィルムに成形することができる。
これらの耐熱性ポリマーの中でも、電気的特性、耐熱性、製膜性などの観点から、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、及び縮合型芳香族ポリイミド樹脂が好ましい。
絶縁被覆層は、シリコーン樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、融点が200℃以上の結晶性ポリマーを含有する塗料、及びガラス転移温度が170℃以上の非晶性ポリマーを含有する塗料からなる群より選ばれる少なくとも一種の塗料を塗布して形成することができる。該塗料は、水性媒体を含有するものであることが好ましい。
絶縁被覆層の厚みは、好ましくは20〜1,000μm、より好ましくは50〜800μm、特に好ましくは80〜500μmの範囲内である。多くの場合、絶縁被覆層の厚みが100〜200μmの範囲内で良好な結果を得ることができる。絶縁被覆層の厚みが薄すぎると、電気絶縁性と耐電圧性が不十分となるおそれがあることに加えて、耐熱性、耐摩耗性などが低下する傾向が見られる。絶縁被覆層の厚みが大きすぎると、熱伝導性が低下する。
絶縁被覆層によって、導電性被膜の全面を被覆するとともに、電極をも絶縁被覆する。絶縁被覆層と導電性被膜との間、電気絶縁層と電極との間、及び絶縁被覆層同士の間には、界面での接着性を高めるために、必要に応じて、接着剤層を配置することができる。絶縁被覆層が接着性に乏しいものである場合や、加熱により融着し難いものである場合には、接着剤層を配置することが好ましい。
5.発熱体
本発明の発熱体は、ガラス繊維製グリッド基布、該ガラス繊維製グリッド基布上に形成された導電性被膜、対向する2つの辺の各端部に沿って配置された該導電性被膜と接続する2つの電極、及び該導電性被膜と該電極の上に形成された絶縁被覆層を備えた構造を有している。
図2に、本発明の発熱体の層構成の断面図を示す。本発明の発熱体は、ガラス繊維製グリッド基布5の表面を導電性被膜6で被覆し、該導電性被膜6の上を絶縁被覆層7によって被覆した層構成を有している。発熱体の平均厚みは、好ましくは1.5〜15mm、より好ましくは2〜13mm、さらに好ましくは3〜10mmであるが、これらの範囲に限定されない。
本発明の発熱体は、耐電圧試験で10,350V/10分の高圧条件下での規格仕様に合格するものであることが望ましい。そのために、絶縁被覆層の厚みを前記範囲内で厚くすることが好ましい。
本発明の発熱体は、それ自体が開口部を持つ格子状(グリッド形状)であるため、発熱体を地中に埋設するに際し、その上層及び下層にアスファルトまたはコンクリートを施工すると、アスファルト層またはコンクリート層と発熱体とが剥離することなく一体化する。
本発明の発熱体は、路面の掘削を行うことなく、既存の路面上にアスファルトやコンクリートを用いて敷設することができるが、そのような場合にも、その上層及び下層にアスファルトまたはコンクリートを施工すると、アスファルト層またはコンクリート層と発熱体とが剥離することなく一体化する。発熱体の下層のアルアスファルトまたはコンクリートは、既存の路面に密着する。
既存の路面がアスファルトまたはコンクリートによって舗装されたものである場合には、その上に発熱体を配設し、所望により接着補強剤を散布した後、その上からアスファルトまたはコンクリートを施工すれば、発熱体とアスファルトまたはコンクリートが一体化した構造体を形成することができる。
発熱体とアスファルトまたはコンクリートを一体化施工することができることによって、表層の滑りや剥離のトラブルを防止し、かつ、路面を補強することができる。本発明の発熱体は、機械物性や耐摩耗性、耐久性などに優れており、しかもアスファルトやコンクリートと一体化施工することができることによって、発熱体の上層に配置されるアスファルトまたはコンクリートの厚みを4〜5cmにまで薄くすることができる。
本発明の発熱体は、リード線によって他の発熱体と電気的に接続することにより、マルチヒーティング方式とすることができ、それによって、所望の範囲を加熱することができる。すなわち、各発熱体を発熱体ユニットとして路面上または路面下に敷設すると、必要な加熱領域の全てを加熱することができる。本発明の発熱体は、開口部を有するため、ハウスの土壌表面に埋設しても、水はけが良好である。そのため、本発明の発熱体は、通電によってハウス内の温度を制御することができる上、開口部を利用して農作物を育成することができる。
6.発熱体の製造方法
本発明のガラス繊維製グリッド基布、該ガラス繊維製グリッド基布上に形成された導電性被膜、対向する2つの辺の各端部に沿って配置された該導電性被膜と接続する2つの電極、及び該導電性被膜と該電極の上に形成された絶縁被覆層を備えた発熱体は、例えば、下記の各工程を含む製造方法により製造することができる。
(1)複数本のガラス繊維を結合した幅5〜30mmの平坦なストラップを、開口部の縦及び横の寸法が各々10〜100mmの格子状に組み立てて、平均厚み1〜10mmのガラス繊維製グリッド基布を作製する工程1;
(2)合成樹脂水性分散液に、一次粒子の平均粒径が10〜100nmの導電性カーボンブラックと平均粒径が5〜200μmのグラファイトとからなる導電性フィラーを、該導電性カーボンブラックに対する該グラファイトの質量比が0.1〜10で、かつ、全固形分中の該導電性フィラーの含有割合が40〜90質量%で分散した導電性塗料を調製する工程2;
(3)該ガラス繊維製グリッド基布を該導電性塗料中に浸漬して、該ガラス繊維製グリッド基布上に導電性被膜を形成する工程3;
(4)該導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布の対向する2つの辺の各端部に沿って、該導電性被膜と接続する2つの電極を配置する工程4;
(5)融点が200℃以上の結晶性ポリマー、ガラス転移温度が170℃以上の非晶性ポリマー、及び縮合型芳香族ポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の耐熱性ポリマーからなる厚み20〜1,000μmのフィルムまたはシートを、該導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布の両面と該電極上に融着若しくは接着させて、150℃の温度に5時間連続保持する条件下で溶融及び分解することのない耐熱性ポリマー層からなる絶縁被覆層を形成する工程5;並びに
(6)該ガラス繊維製グリッド基布の開口部周辺の導電性被膜上の絶縁被覆層を残しつつ、該開口部を覆う該フィルム若しくはシートを切除する工程6。
前記工程1及び2については、前述したとおりである。前記工程3では、ガラス繊維製グリッド基布の全表面に均一な厚みの塗膜を形成するために、減圧雰囲気中で浸漬を行うことが好ましい。減圧条件としては、通常5〜70kPa、好ましくは10〜60kPa、より好ましくは20〜50kPaとするが、これらの条件に限定されない。導電性塗料の組成や粘度などによって、好ましい減圧条件を設定することができる。減圧条件下に導電性塗料を浸漬することによって、水性媒体の導電性塗料であっても、ガラス繊維製グリッド基布の表面に均一に塗布することが容易となる。塗布後、塗膜を乾燥させて導電性被膜を形成する。
前記工程5では、導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布を、2枚の耐熱性ポリマーのフィルム若しくはシートによってサンドイッチ状に挟み、四辺を袋状真空融着若しくは接着させる。次いで、耐熱性ポリマーの融点または軟化温度以上の温度に加熱して、該フィルム若しくはシートを導電性被膜上に融着若しくは接着させる。加熱は、電気オーブンを用いて、多くの場合120〜300℃の範囲内の温度に加熱する方法を採用することが好ましい。耐熱性ポリマーのフィルムまたはシートは、互いに重なる部分でも融着または接着する。
接着剤を用いる場合には、通常、接着剤を塗布したフィルムまたはシートを用いるが、必要に応じて、導電性被膜の上に接着剤を塗布してもよい。耐熱性ポリマーからなるフィルムまたはシートの熱収縮を防ぎつつ、その接着性を向上させる必要がある場合には、該耐熱性ポリマーの融点若しくは軟化点より低い温度で接着力を発現する粘着剤を用いることが好ましい。
接着剤としては、例えば、酸変性ポリオレフィン樹脂、グリシジル基含有エチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド・アイオノマー、ポリアクリルイミド樹脂、酸変性線状低密度ポリエチレンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。エチレン−酢酸ビニル共重合体系ホットメルト接着剤;スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)、水添SBS、水添SISなどのゴム系ホットメルト接着剤;ポリアミド系ホットメルト接着剤;ポリエステル系ホットメルト接着剤;ポリイミド系ホットメルト接着剤;などのホットメルト型接着剤を用いることもできる。接着剤のドライフィルムを用いることもできる。
前記工程6では、ガラス繊維製グリッド基布の開口部周辺の導電性被膜上の絶縁被覆層を残しつつ、該開口部を覆う該フィルム若しくはシートを切除する。工程6の後、基板となるガラス繊維製グリッド基布と同形状の格子状の発熱体を得ることができる。
本発明のガラス繊維製グリッド基布、該ガラス繊維製グリッド基布上に形成された導電性被膜、対向する2つの辺の各端部に沿って配置された該導電性被膜と接続する2つの電極、及び該導電性被膜と該電極の上に形成された絶縁被覆層を備えた発熱体は、下記の工程を含む製造方法によって製造することもできる。
(a)複数本のガラス繊維を結合した幅5〜30mmの平坦なストラップを、開口部の縦及び横の寸法が各々10〜100mmの格子状に組み立てて、平均厚み1〜10mmのガラス繊維製グリッド基布を作製する工程I;
(b)合成樹脂水性分散液に、一次粒子の平均粒径が10〜100nmの導電性カーボンブラックと平均粒径が5〜200μmのグラファイトとからなる導電性フィラーを、該導電性カーボンブラックに対する該グラファイトの質量比が0.1〜10で、かつ、全固形分中の該導電性フィラーの含有割合が40〜90質量%で分散した導電性塗料を調製する工程II;
(c)該ガラス繊維製グリッド基布を該導電性塗料中に浸漬して、該ガラス繊維製グリッド基布上に導電性被膜を形成する工程III;
(d)該導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布の対向する2つの辺の端部に沿って、該導電性被膜と接続する2つの電極を配置する工程IV;
(e)該導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布の該導電性被膜と該電極の上に、シリコーン樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、融点が200℃以上の結晶性ポリマーを含有する塗料、及びガラス転移温度が170℃以上の非晶性ポリマーを含有する塗料からなる群より選ばれる少なくとも一種の塗料を塗布して、厚み20〜1,000μmの塗膜を形成することにより、150℃の温度に5時間連続保持する条件下で溶融及び分解することのない耐熱性ポリマー層からなる絶縁被覆層を形成する工程V。
上記工程I〜IVは、前記工程1〜4と同じである。前記工程Vで用いる塗料は、電気絶縁性の塗膜(絶縁被覆層)を形成し得るものである。該塗膜は、破断伸びが大きく(50%以上、好ましくは100%以上、より好ましくは300%以上、さらには好ましくは500%以上)、伸縮性や可撓性などに優れるものであることが望ましい。
7.発熱パネル
本発明の発熱体は、その第一面上及び第二面上に、硫黄と骨材とを含有する硫黄コンクリートまたは改質硫黄と骨材とを含有する改質硫黄コンクリート(modified−sulfur concrete)の固化成形体層を配置すると共に、該発熱体の開口部を該硫黄コンクリート若しくは該改質硫黄コンクリートの固化成形体によって充填することによって、発熱体を該固化成形体と一体化した構造を持つ発熱パネルを作製することができる。
硫黄としては、天然産硫黄、石油や天然ガスの脱硫によって生成した硫黄等を用いることができる。改質硫黄とは、一般に、硫黄と改質剤とを120〜160℃の範囲内の温度で、140℃における粘度が0.05〜3.0Pa・sになるまで溶融混合することにより製造されたものである。
改質剤としては、シクロペンタジエン、シクロペンタジエンのオリゴマー、テトラヒドロインデン、及びオレフィン類からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。シクロペンタジエンのオリゴマーとは、ジシクロペンタジエンなど、シクロペンタジエンの2〜5量体を主成分として含有するものである。オレフィン類としては、ジペンテン、ビニルトルエン、ジシクロペンテンなどが挙げられる。これらの改質剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。改質剤の使用割合は、硫黄に対して、通常0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%である。
骨材の材質としては、一般にコンクリートで用いられる天然石、砂利、砂、硅砂等の天然骨材;再利用可能な産業廃棄物;これらの2以上の組み合わせを使用することができる。上記骨材の他、例えば、シリカ、アルミナ、石英粉、石英質岩石、粘土鉱物、活性炭、ガラス粉末などの無機系資材;有機系資材も骨材として使用することができる。
産業廃棄物としては、例えば、電力事業及び一般産業から排出される石炭灰、研磨屑、各種金属製造時に副生する副生物(例えば、鉄鋼スラグ、鉄鋼ダスト、フェロニッケルスラグ、アルミドロス、鋼スラグ)、焼却灰、焼却飛灰、都市ごみや下水道汚泥高温溶融炉から発生する溶融スラグ、流動床焼却装置で使用した流動砂等が挙げられる。
繊維質充填材を使用することにより、曲げ強度を高め、パネルの用途として用いるときに、薄型化や軽量化することができる。繊維質充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、鋼繊維、アモルファス繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維などが挙げられる。
硫黄固化成形体または改質硫黄固化成形体の靭性を高めるために、繊維状粒子や薄片状粒子を混合することができる。繊維状粒子としては平均長さ1mm以下のウォラスナイト、ボーキサイト、ムライトなどが使用することができる。薄片状粒子としては、平均粒度1mm以下のマイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレークなどを使用することができる。
硫黄固化成形体または改質硫黄固化成形体において、硫黄若しくは改質硫黄と骨材との混合割合は、質量比で通常1:9〜5:5の範囲内である。骨材が最密充填構造をとった場合、その空隙を埋める量の硫黄または改質硫黄を配合することが望ましい。例えば、硫黄または改質硫黄25〜45質量%、砕石15〜40質量%、及び砂25〜45質量%を含有する硫黄コンクリート若しくは改質硫黄コンクリートは、加熱攪拌するとモルタル状になり、冷却すると硬化する。
このように、硫黄コンクリートまたは改質硫黄コンクリートは、加熱溶融させると流動性を示し、冷却すると硬化するため、それらの固化成形体層の中に発熱体を埋設することができる。硫黄コンクリート及び改質硫黄コンクリートの中でも、無害かつ中性で諸特性に優れる点で、改質硫黄コンクリートが好ましい。
改質硫黄コンクリートの固化成形体は、強度が通常のセメントを用いたコンクリートの3倍程度と高い上、耐摩耗性、遮水性、耐酸性、緻密性に優れている。そのため、本発明の発熱パネルは、高強度で耐摩耗性に優れている。改質硫黄コンクリートの固化成形体は、遮水性に優れているため、水分の侵入と凍結による劣化がなく、しかも緻密で空隙が極めて少ないため、発熱体からの熱伝導性が顕著に優れている。
発熱パネルを作製するには、型枠の中に硫黄コンクリートまたは改質硫黄コンクリートを加熱し流動化させて流し込み、その厚みのほぼ中間部位に発熱体を埋設する。その後、環境温度雰囲気中で徐冷すると、硫黄コンクリートまたは改質硫黄コンクリートが固化して、発熱体と一体成形された発熱パネルが得られる。
硫黄コンクリートまたは改質硫黄コンクリートの固化成形体は、薄くても高強度で耐摩耗性に優れるため、発熱パネルの厚みを通常20〜200mm、好ましくは30〜150mm、より好ましくは40〜100mmにまで薄くすることができるが、所望によりそれより薄くまたは厚くすることもできる。
8.発熱体及び発熱パネルの用途
本発明の発熱体は、コンクリート舗装、アスファルト舗装、石張り舗装(タイルやレンガによる舗装を含む)などの舗装方法によって、路面上または路面下に配置することができる。このような舗装方法によって、融雪システムを構築することができる。
発熱体を、舗装をしていない路面または既存の路面を掘り下げた路面下にコンクリートやアスファルトなどと一体化舗装する場合には、予め整地を行うことが望ましい。整地は、速硬性アスファルトを敷設するか、砕石を均等に敷き並べてダンパー等で締め固め、砂で目潰しをする方法を採用する。
コンクリート舗装の場合は、例えば、下層の厚みを3〜10cm、代表的には5cmとし、上層の厚みを2〜8cm、代表的には4cmとし、その間に発熱体を敷設して、コンクリート歩道を形成する。複数の発熱体をリード線で接続したマルチヒーティング方式を採用すれば、各発熱体を一挙にコンクリート舗装することができる。発熱体の敷設時に配線作業を行い、しかる後、上層のコンクリート工事を行う。
アスファルト舗装の場合には、下層の厚みを3〜10cm、代表的には5cmとし、上層の厚みを2〜8cm、代表的には4cmとし、その間に発熱体を敷設して、アスファルト車道を形成する。上層は、細密粒の骨材を含むアスファルト舗装により仕上げることが望ましい。
石張り舗装の場合には、平坦なコンクリート舗装を行い、その上に0.5〜3cm厚のセメントモルタルを均等に敷き、さらに、その上に発熱体を圧着する。配線作業を行った後、二層目のセメントモルタルを厚み2〜8cmで平坦にこすり付ける。セメントモルタルが乾燥しない間に、セメントをミルク状にして散布する。セメントミルクが液状を保持している間に、ヒラピンマットを敷設する。
本発明の発熱体は、既存の路面に敷設することができる。既存の路面がアスファルト路であれば、その上に発熱体を敷き並べ、その上からタックコート(接着補強剤)を散布した後、細粒のアスファルト合材(細かい砂を混ぜたアスファルトモルタル)を代表的には4〜5cmの厚みに手引きし、タンパーやローラーで均一に転圧をかけ舗装を仕上げることができる。
本発明の発熱体の特徴である強力な格子(グリッド)の機能の特徴は、コンクリートやアスファルトの上下層を一体化し、表層の滑りや剥離のトラブルを防止することができる上、路体を補強し、かつ、発熱体に安定した発熱機能を付与することができる点にある。本発明の発熱体は、路表近傍に敷設が可能であり、それによって、迅速な熱伝導による融雪と凍結防止を可能とし、コスト縮減、二酸化炭素削減に直結した安全、安心な融雪用発熱体となる。
発熱パネルの表面に石張りやタイル張り加工をすれば、ハウジングのアプローチや駐車スペースの融雪に使用することができる。
本発明の発熱体及び発熱パネルは、道路や駐車場の融雪だけではなく、屋根の融雪、床暖房、壁面の暖房と結露防止、畜舎の床暖房、育苗用ヒーティング、ハウス栽培のヒーティングシステムなどにも適用することができる。
本発明の発熱体をハウス内の土壌の表層部に埋設すると、該発熱体によって土壌の表層部とハウス内の温度を制御することができる。本発明の発熱体は、ハウス内の土壌の表層部に埋設すると、発熱効率に優れるため、短時間の通電によってハウス内の温度を所望の温度に制御することができる。本発明の発熱体を用いたハウス栽培でのヒーティングシステムでは、例えば2〜7時間の通電によって加熱すると、その後、長時間にわたって加熱しなくてもハウス内の温度を所望の温度に保持することができる。本発明の発熱体は、グリッド開口部が存在するため、水はけがよく、かつ、各種農作物の栽培が可能である。
ハウス内で連作栽培を行う場合、次の農作物の栽培に有害な細菌やその他の微生物が繁殖していると、連作が不可能になる。発熱体を例えば60〜95℃の高温に一時的に加熱することにより、土壌中の有害な細菌、その他の微生物を滅菌または駆除することができる。そのため、本発明の発熱体を用いたハウス栽培でのヒーティングシステムでは、ハウス内での連作栽培が可能となる。
以下に実施例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
複数本のガラス繊維を結合した幅10mmの平坦なストラップを、開口部の縦及び横の寸法がそれぞれ18mmと16mmの格子状に組み立てた、平均厚み3mmのガラス繊維製グリッド基布を用意した。該ガラス繊維製グリッド基布の全体の寸法は、590mm×590mmであった。
アクリル樹脂系エマルション〔日本カーバイド社製ニカゾール533L(登録商標);固形分濃度45質量%〕に、導電性カーボンブラック(一次粒子の平均粒径55nm)とグラファイト(平均粒径44μm)とを、全固形分濃度中の両者の合計含有割合が66質量%、かつ、グラファイト/導電性カーボンブラックの質量比が4となるように加えて、導電性塗料を調製した。
前記ガラス繊維製グリッド基布を該導電性塗料中に減圧雰囲気下に浸漬し、乾燥させて、平均膜厚が0.8mmの導電性被膜を形成した。導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布の対向する2つの辺の各端部に沿って、該導電性被膜と接続するように、細長いアルミニウム箔からなる電極を配置した。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム;厚み150μm)の片面に接着剤(ポリイミド系ホットメルト接着剤)を塗布した。導電性被膜と電極を設けたガラス繊維製グリッド基布の両面を、接着剤層を設けたPETフィルムでサンドイッチ状に挟み込み、四辺を袋状真空接着させた。次いで、180℃の温度に加熱して、PETフィルムを導電性被膜と電極の表面を覆うように融着及び接着させた。その後、開口部のPETフィルムを切除した。
このようにして、グリッド状の発熱体を作製した。導電性被膜の体積抵抗率は、約0.1Ω・cmであった。該発熱体は、高圧〔10,350V/10分(規格仕様)〕での耐電圧試験に合格した。
砕石層の上に5cm厚のアスファルトを舗装し、その上に発熱体を敷設した。配線作業を行った後、発熱体の上に4cm厚のアスファルト(細密粒仕上げ)を舗装した。アスファルトの舗装は、約200℃に加熱したアスファルトを用いて行った。このようにして得られた舗装試験体の面積は、約0.36mである。
降雪状態を想定し、冷凍試験室(平均温度−2.5℃)内に舗装試験体を置いて、同温度になるまで冷却した。この舗装試験体に、印加電圧29.6V及び供給電力57.6Wの条件で通電した。通電から10分後には、表面温度が5℃を超え、30分後には、表面温度が7℃になった。赤外線カメラを用いて舗装し検体の表面温度分布を調べたところ、均一性の高い温度分布を示した。降雪時に、該舗装試験体を屋外に持ち出し、同じ条件で通電したところ、積雪が全くなく、顕著な融雪効果が認められた。
[実施例2]
硫黄をシクロペンタジエンのオリゴマーと約150℃の温度で溶融混合して改質した改質硫黄35質量%、絶乾状の砕石30質量%、及び砂35質量%を含有する改質硫黄コンクリートを用意した。
実施例1で作製した発熱体を収容することができる大きさの型枠内に、高温状態にある改質硫黄コンクリートを流し込み、厚み4cmの下層を設けた。この下層の上に発熱体を配置し、配線作業を行った後、さらに改質硫黄コンクリートを流し込み、厚み3cmの上層を形成した。自然徐冷を行うことにより、約10分で固化成形して発熱パネルを得た。
得られた発熱パネルを用いて、実施例1と同様に、冷凍試験室及び降雪時の屋外での試験を行ったところ、表面への熱伝導率が大きく、同様の優れた結果が得られた。
[実施例3]
実施例1と同様にして作製した縦及び横の寸法が1935mm×965mmの発熱体2枚を制御回路内で直列接続して、1ユニットのマルチヒーティング型発熱体を構成した。敷地面積60mのハウス内の土壌下約30cmに、該マルチヒーティング型発熱体を20cm間隔で5セット埋設した。
印加電圧200V及び供給電力300W/mの条件で各マルチヒーティング型発熱体に6時間通電したところ、土壌下15cmの地温が約25℃に上昇した。ハウス内温度は15℃を示し、その際の外気温は約0℃であった。その時点で通電を止めたが、その後約12時間にわたり熱を保持しており、通電停止12時間経過の計測時点で、土壌下15cmの地温が17℃、ハウス内温度が10℃、及び外気温が約0℃であった。
したがって、本発明の発熱体を用いると、ハウス内温度を一定内の温度に長時間にわたって保持し、かつ、土壌温度を植物生育に適した温度帯に効率よく制御することができる。本発明の発熱体は、グリッド状であるため、水はけが良好であり、グリッドの開口部を利用して作物の育成も可能である。
制御回路内で直列接続していたユニットをスイッチングにより各発熱体を独立回路に変更し、供給電力を1200W/mに増加させた。各マルチヒーティング型発熱体に6時間通電したところ、近傍の土壌温度が約90℃に上昇した。したがって、本発明の発熱体を用いると、加熱温度を制御することにより、土壌中の連作にとって有害な細菌やその他の微生物の駆除が可能であることが分かる。
本発明の発熱体及び発熱パネルは、例えば、降雪地域での路面や屋根の融雪システム、冬季の家屋暖房システム、結露防止システム、畜舎の床暖房などの畜産分野でのヒーティングシステム、ハウス栽培などの農業分野でのヒーティングシステムなどの広範な技術分野で利用することができる。
ガラス繊維グリッド基布の平面図である。 本発明の発熱体の層構成の断面図である。
符号の説明
1 ガラス繊維製グリッド基布
2 縦方向に配置したストラップ
3 横方向に配置したストラップ
4 開口部
5 ガラス繊維製グリッド基布部分の断面
6 導電性被膜
7 絶縁被覆層

Claims (10)

  1. ガラス繊維製グリッド基布、該ガラス繊維製グリッド基布上に形成された導電性被膜、対向する2つの辺の各端部に沿って配置された該導電性被膜と接続する2つの電極、及び該導電性被膜と該電極の上に形成された絶縁被覆層を備えた発熱体であって、
    (A)該ガラス繊維製グリッド基布が、複数本のガラス繊維を結合した幅5〜30mmの平坦なストラップを、開口部の縦及び横の寸法が各々10〜100mmの格子状に組み立てた、平均厚み1〜10mmのガラス繊維製グリッド基布であり、
    (B)該導電性被膜が、結着樹脂中に平均粒径5〜200μmのグラファイトと一次粒子の平均粒径10〜100nmの導電性カーボンブラックとからなる導電性フィラーを40〜90質量%の割合で含有し、かつ、該導電性フィラー中の導電性カーボンブラックに対するグラファイトの質量比が0.1〜10である導電性被膜であり、並びに
    (C)該絶縁被覆層が、150℃の温度に5時間連続保持する条件下で溶融及び分解することのない耐熱性ポリマー層である
    ことを特徴とする発熱体。
  2. 該ガラス繊維製グリッド基布を構成するストラップの長さ方向の引張強さが、10〜30t/mである請求項1記載の発熱体。
  3. 該導電性被膜の厚みが、50μmから5mmの範囲内である請求項1記載の発熱体。
  4. 該絶縁被覆層が、融点が200℃以上の結晶性ポリマー、ガラス転移温度が170℃以上の非晶性ポリマー、及び縮合型芳香族ポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の耐熱性ポリマーからなる厚み20〜1,000μmのフィルムまたはシートである請求項1記載の発熱体。
  5. 該絶縁被覆層が、シリコーン樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、融点が200℃以上の結晶性ポリマーを含有する塗料、及びガラス転移温度が170℃以上の非晶性ポリマーを含有する塗料からなる群より選ばれる少なくとも一種の塗料を塗布して形成した厚み20〜1,000μmの塗膜である請求項1記載の発熱体。
  6. ガラス繊維製グリッド基布、該ガラス繊維製グリッド基布上に形成された導電性被膜、対向する2つの辺の各端部に沿って配置された該導電性被膜と接続する2つの電極、及び該導電性被膜と該電極の上に形成された絶縁被覆層を備えた発熱体の製造方法であって、
    (1)複数本のガラス繊維を結合した幅5〜30mmの平坦なストラップを、開口部の縦及び横の寸法が各々10〜100mmの格子状に組み立てて、平均厚み1〜10mmのガラス繊維製グリッド基布を作製する工程1;
    (2)合成樹脂水性分散液に、一次粒子の平均粒径が10〜100nmの導電性カーボンブラックと平均粒径が5〜200μmのグラファイトとからなる導電性フィラーを、該導電性カーボンブラックに対する該グラファイトの質量比が0.1〜10で、かつ、全固形分中の該導電性フィラーの含有割合が40〜90質量%で分散した導電性塗料を調製する工程2;
    (3)該ガラス繊維製グリッド基布を該導電性塗料中に浸漬して、該ガラス繊維製グリッド基布上に導電性被膜を形成する工程3;
    (4)該導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布の対向する2つの辺の各端部に沿って、該導電性被膜と接続する2つの電極を配置する工程4;
    (5)融点が200℃以上の結晶性ポリマー、ガラス転移温度が170℃以上の非晶性ポリマー、及び縮合型芳香族ポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の耐熱性ポリマーからなる厚み20〜1,000μmのフィルムまたはシートを、該導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布の両面と該電極上に融着若しくは接着させて、150℃の温度に5時間連続保持する条件下で溶融及び分解することのない耐熱性ポリマー層からなる絶縁被覆層を形成する工程5;並びに
    (6)該ガラス繊維製グリッド基布の開口部周辺の導電性被膜上の絶縁被覆層を残しつつ、該開口部を覆う該フィルム若しくはシートを切除する工程6;
    を含む発熱体の製造方法。
  7. ガラス繊維製グリッド基布、該ガラス繊維製グリッド基布上に形成された導電性被膜、対向する2つの辺の各端部に沿って配置された該導電性被膜と接続する2つの電極、及び該導電性被膜と該電極の上に形成された絶縁被覆層を備えた発熱体の製造方法であって、
    (a)複数本のガラス繊維を結合した幅5〜30mmの平坦なストラップを、開口部の縦及び横の寸法が各々10〜100mmの格子状に組み立てて、平均厚み1〜10mmのガラス繊維製グリッド基布を作製する工程I;
    (b)合成樹脂水性分散液に、一次粒子の平均粒径が10〜100nmの導電性カーボンブラックと平均粒径が5〜200μmのグラファイトとからなる導電性フィラーを、該導電性カーボンブラックに対する該グラファイトの質量比が0.1〜10で、かつ、全固形分中の該導電性フィラーの含有割合が40〜90質量%で分散した導電性塗料を調製する工程II;
    (c)該ガラス繊維製グリッド基布を該導電性塗料中に浸漬して、該ガラス繊維製グリッド基布上に導電性被膜を形成する工程III;
    (d)該導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布の対向する2つの辺の端部に沿って、該導電性被膜と接続する2つの電極を配置する工程IV;
    (e)該導電性被膜を形成したガラス繊維製グリッド基布の該導電性被膜と該電極の上に、シリコーン樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、融点が200℃以上の結晶性ポリマーを含有する塗料、及びガラス転移温度が170℃以上の非晶性ポリマーを含有する塗料からなる群より選ばれる少なくとも一種の塗料を塗布して、厚み20〜1,000μmの塗膜を形成することにより、150℃の温度に5時間連続保持する条件下で溶融及び分解することのない耐熱性ポリマー層からなる絶縁被覆層を形成する工程V;
    を含む発熱体の製造方法。
  8. 請求項1記載の発熱体の第一面上及び第二面上に、硫黄と骨材とを含有する硫黄コンクリートまたは改質硫黄と骨材とを含有する改質硫黄コンクリートの固化成形体層が配置されると共に、該発熱体の開口部が該硫黄コンクリート若しくは該改質硫黄コンクリートの固化成形体によって充填されている構造を有する発熱パネル。
  9. 該改質硫黄が、硫黄と、シクロペンタジエン、シクロペンタジエンのオリゴマー、テトラヒドロインデン、及びオレフィン類からなる群より選ばれる少なくとも一種の改質剤との溶融混合物である請求項8記載の発熱パネル。
  10. 請求項1記載の発熱体をハウス内の土壌の表層部に埋設し、該発熱体によって土壌の表層部とハウス内の温度を制御するハウス栽培方法。
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