JP4625454B2 - Rnaを作製するための工業的方法および該方法を行うためのシステム - Google Patents

Rnaを作製するための工業的方法および該方法を行うためのシステム Download PDF

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Description

本発明は、興味対象のRNA (RNA of interest)を作製するための工業的方法に関する。
本発明は、興味対象のRNAの工業的作製を行うためのシステムにも関する。
医薬品の製造(干渉RNAまたはsiRNA)、RNA構造の研究(結晶化、NMR、複合体(complexes))および特にsiRNAを用いるこれらの遺伝子の発現の阻害による細胞培養におけるインビトロまたはインビボでの遺伝子機能の分析のために、興味対象のRNAの大量生産に対する必要性が実際に存在する。
特異的なRNA配列を生産するために通常用いられる方法は、実質的に、インビトロ転写または化学合成である。
インビトロ転写反応は、バクテリオファージ(SP6、T7またはT3) RNAポリメラーゼを用いる。これらの合成反応からの収率および得られる産物の量は、通常、制限される。これは、特に、ヌクレオチド濃度(例えば、>8 mMのヌクレオチド濃度の阻害効果)、反応媒体を構成する種々の元素の濃度、特にMg++イオンの濃度のような制限因子が原因である。一般に、マグネシウム濃度は、インビトロ転写反応において過剰でなければならないと認識されている。Mg++イオンと組み合わせてのピロホスファターゼの使用も提案されており、転写反応収率を向上させると考えられている。
ポリヌクレオチドのインビトロ合成において遭遇する別の問題は、比較的低いイオン濃度でのファージポリメラーゼの阻害である。
これらの種々の問題点を避けるために、改良反応媒体の使用が米国特許第5,256,555号で提案されており、この特許は、以前は阻害濃度であると考えられていた高い全モル濃度(12 mM〜40 mM)のヌクレオチドと、ヌクレオチドの全モル濃度に対して飽和より低いMg++、ピロホスファターゼおよびMg++-ヌクレオチドまたはトリス-ヌクレオチドの有効モル量とを含む反応媒体の使用を記載している。
提案された種々の改良にもかかわらず、興味対象のRNAを作製するためのインビトロ転写は、以下の問題点を有する。
- 転写産物の不均一性を増大させ、RNAの完全な精製を必要とする付随的な好ましくない反応(N+1活性)の誘導;
- 合成されるRNAの量およびサイズに関する制限;
- 比較的高い生産コスト。
興味対象のタンパク質をインビボ、特に酵母細胞で産生するための細胞系が存在するが、興味対象のRNAを産生するための類似のシステムは存在しない。
特に:
- 米国特許第3,272,714号は、亜鉛およびリン酸の濃度ならびに酸素吸収係数が制御された培地で培養された酵母からのRNAの工業的作製に関する。記載されたこの方法は、興味対象のRNAを特異的に作製することはできないが、大量の内因性の全ての酵母RNA(全酵母RNA)の作製を可能にする。
- 欧州特許出願第0 317 209号は、異種タンパク質の工業的製造に関する。酵母での興味対象の異種遺伝子の発現レベルを増大させるために、細胞質形質転換の標準的プロトコル(塩化リチウム)に従って興味対象の遺伝子の発現ベクターで形質転換された通常の酵母株を、この同じベクターで形質転換された、ミトコンドリアゲノムの全部または部分的な欠失により得られる呼吸欠損酵母株(rho0およびrho-株)で置き換えることが推奨される。上記の形質転換された呼吸欠損酵母は、発酵性(fermentable)炭素源(グルコース)を含有する培地で培養される。タンパク質の作製について記載されたこのシステムをRNAの作製に置き換えたとしても、興味対象のRNAを特異的に作製することは可能ではなく、全酵母RNAフラクション中の興味対象のRNAの割合が増大した内因性の酵母RNAと外因性の興味対象のRNAとの混合物を作製することだけが可能になるであろう。
よって、本出願人は、通常用いられる方法の問題点を有さず、よってインビボで細胞系においていずれの対象RNAを大量にまたは高い収率でかつ従来技術のインビトロ法で得られるものよりかなり低いコストで合成することを可能にする点で実際の必要性により見合った方法を提供することを目的とした。
ミトコンドリアは、それ自体の遺伝情報を有する細胞小器官である。酵母ミトコンドリアDNAは、ミトコンドリアの呼吸機能に必要ないくつかのタンパク質の遺伝子と、ミトコンドリアタンパク質の合成系の機能に必要ないくつかの遺伝子を含む(図1)。ミトコンドリア形質転換の方法(バイオリスティックボンバード法(biolistic bombardment method))は、ミトコンドリア遺伝子の機能とその発現の調節の分析を目的として酵母において開発された(Johnstonら, Science, 1988, 240, 1538; Bonnefoyら, Methods in Enzymology, 2001, 350, 97, 111; AnzianoおよびButow, P.N.A.S., 1991, 88, 5592〜5596)。第一段階において、ミトコンドリアDNAを欠く酵母株(rho0株)は、金属の微小弾丸(microprojectiles)上に吸着された外因性DNAでボンバードされて合成rho-株を産生する。通常はプラスミドである外因性DNAは、分析されるべき遺伝子の全部または部分と、マーカーもしくはレポーター(非発酵性(non-fermentable)培地での増殖を許容する呼吸鎖の遺伝子)の断片とを有する。第二段階において、外因性DNAを取り込んだ合成rho-酵母は、上記のマーカーまたはレポーター遺伝子に変異を含むrho+テスター酵母との交雑(crossing)および非発酵性培地において増殖可能な二倍体を産生可能な合成rho-酵母の単離により同定される。
このようにして同定された合成rho-株は、上記のミトコンドリア遺伝子の研究に適切な酵母株(上記の遺伝子に変異を有する株または野生株(逆遺伝学(reverse genetics)))と交雑させ、ミトコンドリア遺伝子のシス効果(相同的組換え)またはトランス効果を交雑から得られた酵母において分析する。
本出願人らは、rho0酵母株が、興味対象の異種RNA (ミトコンドリア遺伝子によりコードされないRNA)をコードするDNAで有利に形質転換され、それらのミトコンドリアにおいて興味対象のRNAを作製するのに用いることができることを示している。このRNAは、安定な形で大量に合成rho-株のミトコンドリアから、該合成rho-株のミトコンドリアにおいて作製されるRNAだけが形質転換に用いられるDNAによりコードされるものである限りは、容易に単離される。
よって、本発明の主題は、興味対象の異種RNAを作成する方法であり、該方法は少なくとも以下の工程を含む。
(1) ミトコンドリアDNAを欠く酵母細胞(rho0株)、特にS. cerevisiaeのミトコンドリアを、ミトコンドリア転写用の調節要素の制御下の上記の興味対象の異種RNAをコードするDNA、およびミトコンドリア転写レポーター遺伝子または該レポーター遺伝子の断片を含むミトコンドリア転写ベクターで形質転換する。よって、本発明による方法は、その種内または種間の起源にかかわらないいずれの異種DNA配列(酵母以外の生物のミトコンドリアDNAまたは葉緑体DNAを含む)および天然に存在しない合成DNA配列の転写も許容する。ミトコンドリア形質転換体または合成rho-株は、このようにして得られる。
(2) 興味対象のDNAを取り込んだ酵母ミトコンドリア形質転換体を同定する。
(3) 工程(2)で選択された、好ましくは指数増殖期の酵母ミトコンドリア形質転換体を培養する。
(4) 工程(3)に従って培養した酵母ミトコンドリア形質転換体からミトコンドリアを単離する。および
(5) 上記のミトコンドリアから興味対象の異種RNAを抽出して精製する。
本発明による方法の条件下では、得られるRNAは安定である。
本発明の方法は、ミトコンドリア転写ベクターから1種以上の興味対象のRNAを同時に作製することを可能にする。
定義(図1〜3を参照)
- 「酵母細胞」、「酵母株」、「細胞」、「酵母」および「」の用語は、本発明の関係において同等であるとみなされ、区別なく用いられる。以下に定義されるrho+、rho0およびrho-酵母株についても同じである。
- 興味対象の異種RNA:酵母ミトコンドリアゲノムにコードされていないいずれの天然または合成のRNA。
- rho + :野生株と同様に無傷で機能的なミトコンドリアDNAまたはその配列内にmit-型のミトコンドリアの呼吸機能を不活性化する局所的な改変を有するミトコンドリアDNAを含む酵母株(図1)。
- rho 0 :非発酵性炭素源を含有する培地で増殖できずかつミトコンドリアタンパク質合成がないことにより特徴付けられるミトコンドリアDNAを欠く酵母株(図1)。
- rho - :ミトコンドリアゲノムの大きな、常に50%を超える欠失を含む酵母株。ミトコンドリアゲノムの保存領域が直接またはパリンドロームとして反復され、野生型酵母細胞に存在するものと同等のミトコンドリアDNAの集団(mass)を再構築する。rho-型の欠失は、ミトコンドリアのタンパク質合成に必要なミトコンドリア遺伝子の少なくとも1つを、これらの遺伝子がミトコンドリアゲノムに均一に分布されていれば、いつも連行する。よって、rho-株は、全てのミトコンドリアタンパク質合成活性の欠損、よって細胞小器管の呼吸機能の全体の不活性化を有するrho0株と表現型が等しい(図1)。
- 合成rho - :そのミトコンドリアが、外因性DNA (異種DNA)で特に酵母細胞の上記のバイオリスティックボンバード法により形質転換された、最初はrho0の酵母株。この形質転換は、いずれのDNA断片、特に細菌ベクター(プラスミド)を複製および保持できる酵母細胞の能力により可能になる。上記の理由により、合成rho-細胞のミトコンドリアではタンパク質を合成できない。一方、ミトコンドリア転写装置はこれらの細胞において機能する。よって、ミトコンドリア転写シグナル配列の制御下に興味対象の遺伝子を有するDNA断片を、rho0細胞のミトコンドリアに導入することにより、そのミトコンドリアにおいて、上記の遺伝子のRNAのみを発現し、対応するタンパク質を発現しない酵母株を得ることが可能になる。天然のrho-株内と同様に、ミトコンドリアに人工的に導入されたDNAは、野生型rho+株のミトコンドリアに存在するものと同等のDNAの集団を細胞小器管で産生するように反復する。興味対象の遺伝子は、よって、合成rho-株において比較的高いコピー数(約1 kbの目的遺伝子について3000を超える)で存在する。これらの特性が(天然の) rho-細胞のものと類似であるので、類推によってこれらの細胞を合成rho-細胞という(図2)。
- mit - :ミトコンドリアエネルギーシステムのサブユニット一つをコードするミトコンドリア遺伝子、例えばCOXIIまたはCOX2遺伝子の配列において局所的な改変(ヌクレオチドの置換、短い欠失または挿入)を有する酵母株。
- ミトコンドリア形質転換体:特に、上記のバイオリスティック法により酵母細胞のボンバードにより得られる形質転換体。rho0株のボンバードは、合成rho-形質転換体であるミトコンドリア形質転換体の作製をもたらす。いずれのベクターもボンバードに用い得るが、ミトコンドリア形質転換体の同定には、酵母ミトコンドリアゲノムのマーカー、例えばCOX2遺伝子または該遺伝子の断片を含むベクターが必要である。
- ミトコンドリア組換え体:これらは、合成rho-株をrho+株と接触させた後に相同的組換えにより得られる。
- 栄養要求性マーカー:生合成経路の既知の遺伝子またはアミノ酸、ヌクレオチド、炭素ベースの物質の使用などにおける変異。
驚くべきことに、本発明による方法は:
- 容易に工業化でき(通常の培養槽を用いて)、そして
- 興味対象のRNAを大量に、低いコストで、精製後に容易に準備され得る興味対象のRNAを得ることを有利に可能にする。
さらに、本方法は次の利点を有する。
- 酵母における興味対象のRNAのインビボ合成を含むという事実は、全ての細胞の品質管理、特に:(1) 最大限の転写忠実性、現在の方法に比較して数オーダーの大きさでエラー導入の危険性をかなり最小限にする、そして(2) 酵母ミトコンドリア内にはRNAの編集がないので、その遺伝子の配列と比較してRNAの配列を変える効果を有する転写後修飾の不在から利益を受けることを許容する。
- 作製コストは、RNAの長さに本質的に依存しない。これらは比較的安価な試薬(培地およびRNA精製用の物質)の購入から本質的になるが、従来技術の方法は非常に高価な試薬(ヌクレオチド、酵素キット)を大量に用いる。
よってこのような方法は、従来技術によるインビトロでのRNAの作製方法について、経済的でかつ作製される分子の品質の観点からも特に有利な代替を構成する。
本発明によると、工程(1)に先立って、興味対象のRNAをコードするDNAを、特にPCRにより増幅することができ、これを次いで上記のミトコンドリア転写ベクターにクローニングする。このような場合、オリゴヌクレオチドプライマーは次のようにして得られる。オリゴヌクレオチドP1は、転写+1に近接する興味対象のDNAの5'領域に相補的である。これは、増幅されたDNAを転写ベクターにクローニングするための制限部位と、任意に、興味対象のRNAの精製を促進する部位とを含むのが有利である。オリゴヌクレオチドP2は、それ自体で、転写停止に近接する興味対象のDNAの3'領域に相補的である。ここでまた、該オリゴヌクレオチドは、増幅されたDNAのクローニングのための制限部位と、任意に、興味対象のRNAの精製を促進する配列とを含むのが有利である。興味対象のRNAの精製を促進する配列は、特に、固相に結合したオリゴヌクレオチドに相補的な配列である。例えば、オリゴdA配列は、特に磁気ビーズに結合したオリゴdTを用いて、このようにして得られたオリゴA-RNAを精製することを可能にする。有利には、興味対象のRNAの精製を促進する上記の配列は、切断可能な配列である。
本方法の有利な実施形態によると、興味対象のRNAをコードする上記のDNA配列は、酵母ミトコンドリアで機能的なプロモーターおよび転写ターミネーターの制御下にある。用い得る調節配列のうち、限定されないが、ミトコンドリア遺伝子の発現用のシグナル配列、例えばCOX1およびCOX2を挙げることができる。
本発明による方法の別の有利な実施形態によると、上記のミトコンドリア転写レポーター遺伝子は、酵母の呼吸鎖のタンパク質の一つをコードする遺伝子[アポシトクロムbの遺伝子、およびシトクロムオキシダーゼ(COX)のサブユニットI、IIおよびIIIの遺伝子]である。上記の遺伝子は、プロモーター、コーディング配列および転写ターミネーターを含む機能的転写ユニットに対応する。
ミトコンドリア形質転換レポーター遺伝子を有するベクター、好ましくは細菌起源のベクター(プラスミド)、例えばプラスミドpUC18を用いる場合は、本発明によるシステムにおいて2つのRNAのみ:レポーター遺伝子(COX2)のRNAおよび興味対象のRNAが産生される。よって、これらの2つのRNAは、それらのそれぞれのサイズにより例えば電気泳動、HPLC、NMR、アフィニティなどにより簡単に分離される。さらに、このレポーター遺伝子は、形質転換テスター株に存在するレポーター遺伝子のmit-対立遺伝子の相補を、トランス(トランス相補性(transcomplementation))または相同的組換えにより許容する。
本発明による方法の別の有利な実施形態によると、上記のミトコンドリア形質転換ベクターは、上記で規定されるミトコンドリア形質転換レポーター遺伝子の断片を有する。レポーター遺伝子(COX2)を、転写されないこの同じ遺伝子の断片で置き換える場合、興味対象のRNAの精製は、上記の興味対象のRNAがミトコンドリアに存在する唯一のRNAである場合に、より簡単である。さらに、このレポーター遺伝子断片は、形質転換テスター株に存在する上記のレポーター遺伝子のmit-対立遺伝子の相同的組換えによる相補を許容する。
上記で規定されるミトコンドリア形質転換ベクターは、次のようにして改良することもできる。(i) 興味対象の遺伝子のより大きい安定性を許容する配列、例えばS. cerevisiae のような酵母のOri配列(ミトコンドリアDNAの複製起点)を加えることによる、ミトコンドリア内のベクターの複製効率を増大させるための導入、および/または(ii) 上記で規定されるRNAの精製を促進する配列と、任意に、RNA成熟配列を除去する配列の導入。
本発明による方法の別の有利な実施形態によると、工程(1)による形質転換は、上記のミトコンドリア転写ベクターの金属微小弾丸(タングステンまたは金)上への吸着、およびそれ自体で知られた方法、例えばN. Bonnefoyら(Methods in Enzymology, 2001, 350, 97〜111)による文献に記載されたようなバイオリスティック法に従う上記の微小弾丸の上記の細胞への発射を含む。用いられる装置は、例えばPDS-1000/Heシステム(BioRad)である。この装置は、ペトリ皿上の細胞の層の方向に微細な粒子を加速するヘリウム衝撃波を用いる。これらの粒子のサイズは直径0.45μmであり、これは酵母細胞の直径の約10%を表す。限定された数の細胞において、これらの微小弾丸は酵母の壁を横切りミトコンドリアに到達する。rho0細胞のミトコンドリアはそれら自身のいずれのDNAも有さないので、バイオリスティックにより導入されたDNAがこれらの細胞小器管に存在する唯一のDNAであり、合成rho-細胞はこのようにして得られる。
本発明による方法の別の有利な実施形態によると、ミトコンドリアDNAを欠く酵母細胞は、rho0株のものである。限定しない例としては、DBY947株由来の次のrho0株を挙げることができる:ATCC 201440 (MCC109rho0 [MATa, ade2-101, ura3-52, karl-1 (rho0)]) ATCC 201442 (MCC123rho0 [MATa, ade2-101, ura3-52, karl-1 (rho0)])およびDFS160rho0 (M.E. Sanchiricoら, EMBO J., 1998, 17, 19, 5796〜5804. d; Steeleら, PNAS, 1996, 93, 5253〜5257)。
本発明による方法の別の有利な実施形態によると、ミトコンドリアDNAを欠く上記の酵母細胞は、ミトコンドリア内のRNA分解タンパク質をコードする遺伝子が不活性化(修飾または欠失)されるように改変されている。ミトコンドリアRNAのターンオーバーに関与する、すべて核起源であるいくつかのミトコンドリアタンパク質、例えばSuv3pおよび3'-5' エキソリボヌクレアーゼ(DSS1p)のサブユニットが今日までに知られている。これらのタンパク質の遺伝子が不活性化された酵母株(ΔSUV3またはΔDSS1株)、例えば特にΔSUV3ΔiおよびΔDSSΔi株(Dziembowskiら, J. Biol. Chem., 2003, 278, 1603〜1611)またはATCC 4002799、4012799、4022799および4032799株を用いることにより、本発明の方法に従ってミトコンドリアで合成されるRNAの安定性を増大させることができる。
本発明による方法の別の有利な実施形態によると、ミトコンドリアDNAを欠く上記の酵母細胞は、外因性RNAポリメラーゼをコードしかつミトコンドリア標的配列を有するそれらの染色体に組み込まれた遺伝子のコピー(染色体コピー)を含む。
酵母細胞内で機能的な外因性RNAポリメラーゼ配列およびミトコンドリア標的配列は知られている。これらは、当業者に公知の通常の技術に従って、相同的組換えにより酵母染色体に導入される。
ミトコンドリアタンパク質の大多数は核起源である。このことは、特に、DNAのRNAへの転写に必要なタンパク質装置の場合に当てはまる。よって、この装置は、ミトコンドリアに導入され、細胞がrho0であり、よってミトコンドリアDNAを欠くときであっても機能的なままである。一方、RNAのタンパク質への翻訳のための装置の一部分は、ミトコンドリアゲノムにコードされる。よって、ミトコンドリアゲノムが存在しないとき、つまりこれは合成rho-細胞の場合に、ミトコンドリアに導入された外来DNAは、タンパク質に翻訳されない。この関係において、バイオリスティックにより導入されたDNAは、得られる合成rho-細胞のミトコンドリアに存在する唯一のDNAである。これはRNAに転写されるが、このRNAはタンパク質に翻訳されない。
上記の方法の別の有利な実施形態によると、工程(1)は、上記のミトコンドリア転写ベクターと、核選択マーカー、例えば形質転換細胞のための栄養要求性マーカー、例えばLEU2を含む酵母で複製可能なベクターとで酵母を共形質転換することを含む。上記のベクターは、例えばpFL46L (ATCC No. 77210)またはYep351 (ATCC No. 37672)である(図3)。プラスミドが有する野生型の遺伝子は、よって、形質転換細胞が有する変異遺伝子を機能的に相補する。
本発明による方法の別の有利な実施形態によると、工程(2)は以下を含む。
(a0) 工程(1)の最後で得られた合成rho-形質転換酵母を、rho+ mit-型の酵母テスター株と、上記の形質転換細胞の同定を促進するように交雑させる。上記のテスター株は、局所的改変(ヌクレオチド置換(点突然変異)、短い欠失または挿入)を、工程(1)で用いられるミトコンドリア形質転換レポーター遺伝子、例えば酵母の呼吸鎖の遺伝子の一つ、例えばCOX2またはこの遺伝子の断片に対応するミトコンドリアゲノムの領域に有する。対応する野生型配列(遺伝子または遺伝子断片)は、工程(1)でrho0宿主株のミトコンドリアを形質転換するのに用いられるミトコンドリア転写ベクターが有する。
(b0) 一旦交雑させると非発酵性培地上で増殖できる二倍体細胞を与えるミトコンドリア形質転換体(合成rho-細胞)を同定する。興味対象の遺伝子とテスター株のミトコンドリアDNAに存在するmit-変異の野生型対立遺伝子とを有するミトコンドリア転写ベクターをそのミトコンドリアに有する宿主株の細胞だけが、親のミトコンドリアDNAの組換えの後に、非発酵性培地(呼吸培地)上で増殖するそれらの能力により明らかにされるrho+ mit+組み換え二倍体細胞を、そのような培地上でのベルベットへの二倍体のレプリカの後に与える。この培地上では、例えば、ミトコンドリア転写ベクターがレポーター遺伝子断片を有する場合、交雑の親(rho0宿主株およびrho+ mit-テスター株)またはこの交雑に由来するrho+ mit-非組み換え二倍体のいずれも増殖可能でない。この工程は、rho0宿主株のボンバードの後に得られる最初の皿上に、ミトコンドリアが興味対象の遺伝子を有するミトコンドリア転写ベクターを獲得したこの宿主株の細胞がある領域を明らかにすることを可能にする。および
(c0) ミトコンドリア形質転換ベクターを有するミトコンドリア形質転換体であると同定された単離酵母コロニー(合成rho-細胞)が得られるまで上記の交雑を繰り返す。
より具体的には、ボンバードの後に得られる核形質転換体を、それ自体でrho+ミトコンドリアDNAを有するが、呼吸培地上で増殖するのを妨げるmit-変異も有する株と交雑させる。対応する野生型配列は、合成rho-に含まれるミトコンドリア転写ベクターが有するレポーター遺伝子またはレポーター遺伝子断片に存在する。このようにして、交雑の後に、変異ミトコンドリアDNAおよび対応する野生型配列が合成rho-にともに存在する。次いで、相同的組換えは、mit-変異を修正することができ、得られる二倍体は再び呼吸増殖を有し、よって用語「マーカーレスキュー」を有する。実際には、ボンバードの後に1000〜10,000の核形質転換体が皿の上に分布していると考えられ、これらのうちミトコンドリア形質転換体でもあるものを同定することが意図される。よって、この皿は同じ培地の皿(ストック皿)上およびrho+ mit-テスター株の層上のベルベット(ペトリ皿上のクローンの同じ配置を保つため)にレプリカされる。交雑の後に、後者を、マーカーレスキューを許容したクローンを正確に指摘するために呼吸培地にレプリカする。次いでストック皿(交雑していない、元の皿のレプリカ)に戻ることにより、対応する一倍体の合成rho-クローンを回収する。なぜならこれらは最終的に選択されたものだからである(図3)。
言い換えると、工程(a0)で交雑させた2つの株は、非発酵性培地上で増殖できない。よって、この種類の培地上で増殖する能力を回復した組換えクローンを正確に指摘するのは簡単である。非発酵性培地上で交雑をレプリカする前に、特異的培地(栄養要求性マーカーの点で特異的)上で二倍体を選択することは必要でない。ミトコンドリアにミトコンドリア転写ベクターを有する宿主株の細胞だけが、交雑の後に、非発酵性培地上で増殖できるクローンを与えることができる。
いくつかの場合:組換え二倍体、しかしマーカー遺伝子がベクター内の全体であるならば非組換え二倍体(合成rho-のDNAにより産生されたRNAによるトランス相補)も可能であり、最後に、組換えまたは非組換え細胞質転換体(2つの株のうちの1つのkar 1-1突然変異は核融合を遅らせ、それにもかかわらず細胞質の、よってミトコンドリアの融合を受けた一倍体を交雑の後に得ることを可能にする)が可能である。
工程(c0)において、ミトコンドリア形質転換体の精製は、ストック皿(交雑していない)から、非発酵性培地上で交雑後に増殖するクローンを正確に指摘した領域を採取し、個々のコロニーとして細胞を再び平板培養した後に交雑を繰り返すことにより行なわれる。よって、この工程(c0)は、2または3回目に、純粋なミトコンドリア形質転換体のコロニーを得ることを可能にする。実際に、1つの皿の5000のクローンから純粋なクローンを回収したと確信することは不可能であるが、合成rho-を精製することが好ましい混合領域だけを回収したと確信することは可能であることが問題である。このために、回収した領域を個々のコロニーとして平板培養し、同じテスター交雑を再び行う。約3回の連続した精製の後に、純粋な合成rho-クローンを得た。
変形として、工程(2)は、
(a1) 適切な培地で培養することによる、上記で規定される核マーカーによる酵母細胞の第一選択または予備選択、
(b1) (a1)で選択された酵母細胞からの、上記で規定される工程(a0)、(b0)および(c0)による第二選択
を含む。
例えば、rho0細胞を一旦ボンバードすると、これらを酵母増殖に最適温度である28℃でインキュベートする。まず、細胞を、該細胞の栄養要求性マーカーに対応するアミノ酸またはヌクレオチドを欠く選択培地でインキュベートする。この変異は、該細胞の増殖を、例えば、もはや合成され得ないアミノ酸の培地への添加に非依存性にする。ミトコンドリア形質転換体を同定するために、選択培地上で増殖可能な酵母を反対の性の株と交雑させる。この株はmit-であり、そのミトコンドリアDNAは存在するが、COX2遺伝子は欠失されている。二倍体を非発酵性炭素源を含む培地上で選択する。COX2を有するプラスミドでミトコンドリアが形質転換された酵母だけが、この種類の培地上でmit- COX2-株と生育可能な二倍体を形成することができる(合成rho-におけるCOX2「野生型」RNAによるDNA組換えまたはトランス相補)。この交雑は、そのミトコンドリアにおいて興味対象のRNAを産生可能なミトコンドリア形質転換体であると同定される単離コロニーが得られるまで繰り返される(図3)。
好ましくは、そして本発明によると、例えばCOX2遺伝子内にmit-変異を有する株との交雑の後に、この変異の相補は、親のミトコンドリアネットワークの融合の後に、合成rho-株により提供される野生型遺伝子(COX2)のメッセンジャーRNAの翻訳によりトランスで一過的におこり得る。この交雑は、興味対象のRNAを産生するために興味対象の形質転換体を同定して選択するための試験を構成する。
言い換えると、rho0細胞のボンバードの後に、核形質転換体はまず選択されるのが好ましい。それらが生み出すコロニーが互いにうまく分離されていないものが多数存在する(ペトリ皿当たり5000)。よって、第一工程では、テスター株との交雑(ベルベット上でのレプリカ)は、元のショット皿上で、ミトコンドリア形質転換体(一般に、皿当たり約10)を含む領域を明確にすることを可能にする。この領域の細胞は、希釈され、うまく分離されたコロニーを今回は得るように固体培地上で再び平板培養される。これらの個々のコロニーは、mit-テスター株との交雑により再び試験され、そのミトコンドリアに興味対象のDNAを有する細胞に由来するものを同定する。
本発明による別の実施形態によると、本発明による方法の工程(4)に従うミトコンドリアの単離は、上記の細胞の溶解または粉砕の後に、公知の方法により、特にスクロース勾配でまたはGuerin B.ら, Methods Enzymol., 1979, 55, 149〜59に記載の方法に従ってミトコンドリアを単離することを含むのが有利である。
好ましくは、本発明による方法の工程(4)は、上記の細胞の溶解または粉砕の後に、好ましくは750 g〜12,500 gの間の速度での少なくとも2回の適切な遠心分離工程と、最終の遠心分離ペレットの回収とによるミトコンドリアの単離を含むのが有利である。
本発明によると、工程(5)によるミトコンドリアRNAの精製は、通常の技術により行われる。これは、di Rago JP.ら, J. Biol. Chem., 1988, 263, 12564〜12570に記載されたプロトコル、または連続的なフェノール抽出による興味対象のRNAの抽出および精製からなる工程を、適切な樹脂への吸着によるRNAの精製とそれに続く適切な溶液、特に水中でのRNAの分離とからなる工程で置き換えた改変プロトコルにより行うことができる。
本発明による方法の別の実施形態によると、工程(5)によるRNAの精製は、
- 混入核酸、特にミトコンドリアの周囲に付着した多くのRNAを、第一のバッファーが少なくとも1種の二価イオンキレート剤、例えばEDTAおよびEGTAを含みかつ第二のバッファーがRNアーゼと任意にDNアーゼとを含む適切なバッファーの存在下に除去し、
- 少なくとも1種の界面活性剤と二価イオンキレート剤の存在下に、7〜8の範囲内のpHでミトコンドリアを溶解させ、例えば次のバッファー:1% SDS、10 mM EDTAおよびTris/HCl, pH 7.5が挙げられる;そして
- いずれの適切な手段により興味対象のRNAを単離して精製する
ことを含む。
水溶液中でこのようにして精製されたRNAは、アッセイされ、アガロースゲル上で分析され、配列決定される。
上記のRNAは、そのまま用いられ得るか、または想定される使用に従ったさらなる修飾工程に付され得る。通常の技法により行なわれるこれらの修飾のうち、限定されないが、成熟配列の切断;特にインビボでのRNAの安定性を増加させるための化学修飾、特にsiRNAを形成するための二本鎖ハイブリダイゼーション、遺伝子全体をカバーする小さい断片を得るための消化を挙げることができる。
本発明の主題は、外因性RNAポリメラーゼをコードしかつミトコンドリア標的配列を含む遺伝子の染色体コピーを含む、ミトコンドリアDNAを欠く酵母株でもある。好ましくは、上記の株は、上記で規定されるrho0および/またはΔSUV3もしくはΔDSS1細胞から得られる。
本発明の主題は、上記で規定されるミトコンドリアDNAを欠く酵母ミトコンドリア形質転換体でもある。好ましくは、該形質転換体は、rho0および/またはΔSUV3もしくはΔDSS1であるかおよび/または上記で規定される外因性RNAポリメラーゼを含む株から得られる。
本発明の主題は、上記で規定されるミトコンドリアDNAを欠く酵母細胞のミトコンドリア形質転換体の、興味対象の異種RNAの工業的作製のための使用でもある。
本発明の主題は、
- ミトコンドリア転写の調節要素の制御下で興味対象の異種RNAをコードするDNA、およびミトコンドリア形質転換レポーター遺伝子または該レポーター遺伝子の断片を含む、少なくともミトコンドリア転写ベクターで形質転換された酵母細胞(合成rho-細胞)、
- 上記の形質転換細胞(ミトコンドリア形質転換体)を選択するのに適切な少なくとも1種の培地、
- rho+ mit-型のテスター酵母細胞、
- 適切な発酵槽および培地、ならびに
- ミトコンドリアを合成rho-細胞から単離してそこから興味対象のRNAを抽出するための適切なバッファー
を含むことを特徴とする、予備選択された興味対象の異種RNAの工業的製造を行うためのシステムでもある。
上記の形態の他に、本発明は次に続く記載から明らかになるその他の形態をも含む。以下の記載は、本発明の主題である方法の実施例および添付の図面に言及する。添付の図面において:
- 図1は、S. cerevisiaeのミトコンドリアDNAを図示する。ミトコンドリアDNAは、特に:ATPシンターゼの3つのサブユニット(6、8、9);呼吸鎖の4つのサブユニット;2つのrRNA + 1つのミトリボソーム;24のtRNAをコードする。
- 図2は、マーカーレスキューの原理を説明する。
- 図3は、合成rho-株の構築を表す。
- 図4は、RIP1遺伝子を含むミトコンドリア転写ベクターで形質転換された合成rho-酵母のミトコンドリアRNAのノザンブロッティング分析を示す。
これらの実施例は、本発明の主題を説明するためにのみ与えられるのであり、限定するものではないことが明確に理解されるべきである。
実施例:本発明の方法によるRIP1遺伝子のRNAの作製
A) 材料および方法
1) ミトコンドリア転写ベクター
COX1発現シグナル配列に挟まれた、呼吸鎖複合体IIIのサブユニットをコードするRIP1遺伝子のミトコンドリアのコード版であるRIP1m遺伝子がクローニングされたpJM2 (野生型COX2を有するpTZ18-U;YIN J.ら, Tsinghua Science and Technology, 1999, 4, 2; Bio-Rad)。
2) 核選択マーカーを含むシャトルベクター
Yep352 (2μ, URA3) (ATCC No. 37673)
3) ミトコンドリアDNAを欠くS. cerevisiae細胞の、1)および2)に記載のベクターでの形質転換
W303-1B (ATCC No. 201238)/A/50とよばれるW303-1B株のrho0誘導体(Matα, ade2, trp1, his3, leu2, ura3)を、1)および2)に記載のベクターで、N. Bonnefoyら(Methods in Enzymology, 2001, 350, 97〜111)による文献に記載されたバイオリスティック法でPDS-1000/He バイオリスティック装置(BioRad)を用いて共形質転換(cotransform)する。
4) 形質転換細胞の同定方法
まず、核形質転換体を、ウラシルを欠く合成培地上で選択する。ミトコンドリア形質転換体を、URA3+核形質転換体の中から、テスター株TF145 (MATα, ade2) (Speno H.ら, J. Biol. Chem., 1995, 270, 43, 25363〜25369)との交雑の後に非発酵性培地上で増殖する二倍体を発生するその能力によって同定する。このテスター株は、ミトコンドリア遺伝子COX2に欠失を含む(cox2-17)ので、非発酵性培地(呼吸培地)上で増殖できない。
5) 酵母細胞培養条件
ミトコンドリア形質転換体を、発酵槽で指数増殖期の中間(medium)が得られるまで、炭素源としてガラクトースを含有するリッチ培地で培養する。
6) ミトコンドリアおよびRNAの精製方法
6.1) ミトコンドリアの単離
酵母ミトコンドリア形質転換体を、発酵槽で指数増殖期の中間が得られるまで、すなわち3〜4の間のODが得られるまで培養する。次いでこれらを回収し、溶解または粉砕し、そのミトコンドリアを常法により精製する。
簡単に、用いたプロトコルは次のとおりである。
ミトコンドリア形質転換体のミトコンドリアを、媒体(1.35 Mソルビトール)中のザイモリアーゼを用いてその細胞壁を消化した後に単離して精製する。この媒体は、細胞壁が除かれた細胞(スフェロプラストと呼ばれる)の完全性を浸透圧的に防御する。スフェロプラストを、ミトコンドリアの完全性を維持するバッファー(0.6 Mソルビトール)中の浸透圧ショックに付す。細胞破壊片(核、細胞壁)を、スフェロプラストの溶解物の数回(少なくとも2)の低速(750 g)の遠心分離で除去する。最終の上清を高速(12 500 g)で遠心分離してミトコンドリアをペレット化する。
より具体的には、条件は次のとおりである。
I/ 酵母の回収
酵母は低速で遠心分離する(4℃、3800 gで10分)。
II/氷冷蒸留水での酵母の2洗浄
次いで、ペレットを冷却蒸留水(4℃)中に採取する。
遠心分離を4℃、3800 gで5分間行う。上清を除き、洗浄を蒸留水で第2回目に行い、その後、同じ条件でさらなる遠心分離を行う。
III/ 細胞壁の軟化
2-メルカプトエタノールは、細胞壁の種々のマンノプロテイン間のジスルフィドブリッジを壊して、その後のザイモリアーゼの作用を促進する。培養の600 nmでのODに基づいて、酵母の乾燥重量を次の式:
DW (g) = 0.28 OD volume_culture (L)
に基づいて測定する。
インキュベーションを、20 ml-バッファー/DW-gの容積で行う。
次いで、ペレットをプレインキュベーションバッファーSH (0.5 M 2-メルカプトエタノール、0.1 M Tris-Base, pH 9.3)中に採取し、10分間、30℃で攪拌しながらインキュベートする。
IV/ KCl洗浄バッファーを用いる酵母の洗浄
これらの洗浄の目的は、還元剤の全ての影響を除くことである。
KClバッファー(0.5 M KCl, 10 mM Tris-Base, pH 7.0)を、SHプレインキュベーションバッファーに加える。遠心分離を4℃、3800 gで5分間行う。上清を除く。次いで、KClバッファーでの洗浄を2回続けて行う。
V/ ザイモリアーゼを用いる30℃での細胞壁の消化
ザイモリアーゼは細胞壁を破壊する。
酵母の細胞壁はキチンのバックボーンからなり、そこに他のタンパク質が付加している。
細胞壁を消化するために、一つの可能性は、細菌Arthrobacter luteusが産生するザイモリアーゼまたは酵素混合物(シトヘリカーゼ(cytohelicase)):カタツムリ(Helix pomatia)の胃液酵素を用いることにより酵母プロトプラストを得ることである。
ペレットを、10〜15 mg-ザイモリアーゼ/10 ml-消化バッファー(1.35 Mソルビトール、1 mM EGTA、10 mMクエン酸、30 mMリン酸二ナトリウム、pH 5.8)の割合で消化バッファーに採取する。
ザイモリアーゼ消化を、細胞の80〜90%が消化されたときに、KClでプロトプラストを洗浄するためのバッファーで容積を合わせることにより停止する。
次いで遠心分離を12,500 gで5分間行う。
VI/ プロトプラストの洗浄
べレットを、プロトプラスト(またはスフェロプラスト = 細胞壁が除かれた細胞)用洗浄バッファー(0.75 Mソルビトール、0.4 Mマンニトール、0.1% BSA、10 mM tris-マレエート、pH 6.8)中に迅速に採取する。遠心分離を12,500 gで5分間行う。上清を除き、次いでペレットを第2回目に洗浄する。
VII/ ホモジナイズおよび粉砕
ペレットを数mlのホモジナイズバッファー(0.6 Mマンニトール、2 mM EGTA、0.2% BSA、10 mM tris-マレエート、pH 6.8)中に採取する。調製物を陶器(potter)のホモジナイザーに入れる。陶器のホモジナイザーを約10分間上下に動かす。調製物を中ぐらいの速度で混合し、最大量の沈殿を回収し、混合物全体をいくつかのチューブに再分配する。
VIII/ 分画遠心分離法によるミトコンドリアの単離
低速(750 g)遠心分離を4℃で8分間行う。上清は保存する。ペレットはホモジナイズバッファーに任意に採取し、遠心分離することができ、上清は前の上清に加えることができる。
高速(12,500 g)での遠心分離を4℃で10分間行い、上清を除去する。
ペレットを回収バッファー(0.6 Mマンニトール、2 mM EGTA、10 mM tris-マレエート、pH 6.8)に採取する。
低速遠心分離(8分間、750 g、4℃)を行ない、その後上清の高速遠心分離(10分間、12,500 g、4℃)を行う。上清を除去し、第3の低速/高速遠心分離サイクルを任意に行う。
IX/ ミトコンドリアの最後の回収
ミトコンドリアペレットを回収バッファー(マンニトール、EGTA、tris-マレエート、pH 6.8、上記で規定)の最小容積に採取し、ホモジナイズするために陶器のホモジナイザーに移す。
X/ 収率
2リットルの培養当たり約2〜4 gの酵母が得られる。
ザイモリアーゼを用いるミトコンドリアの調製は、1〜1.5 mlのミトコンドリアを30 mg/mlのミトコンドリアタンパク質の濃度で、すなわち30〜45 mgのタンパク質を得ることを可能にする。
6.2) RNA抽出
a) 方法A
まず、ポリソームおよびミトコンドリアの周囲にあるRNAをミトコンドリアから除くために、ミトコンドリアをEDTAおよびEGTAの存在下にインキュベートする。次いで、これらをEDTAやEGTAを含まないバッファーで洗浄し、この同じバッファー中にRNアーゼおよびDNアーゼの存在下に、ミトコンドリアの周囲にあるRNAおよび残存核DNAをミトコンドリアから除くために、インキュベートする。RNアーゼおよびDNアーゼの作用は、12,500 gで遠心分離することにより中止する。次いで、興味対象のRNAを、上記のDi Ragoら, 1988に記載のミトコンドリアRNA抽出プロトコルに従って抽出する。ミトコンドリアペレットをEDTAおよびEGTAを含有するバッファーで洗浄し、1% SDS、10 mM EDTAおよびTris HCl、pH 7.5の存在下に溶解させる。核酸を連続的なフェノール抽出により精製する。最終の水相をクロロホルム:イソアミル酸の作用により任意に洗浄し、次いで核酸を沈殿させる。この工程において、ミトコンドリアDNAはDNアーゼの添加により任意に分解される。このようにして精製されたRNAは、アッセイされ、アガロースゲル上で分析され、配列決定される。
より具体的には、ミトコンドリアRNA抽出プロトコルは次のとおりである。
10 mM EDTAを回収バッファー(上記で規定)に加えた。種々の遠心分離を4℃で行う。
- 12,500 gで10分間の遠心分離。
- EDTAまたはEGTAを含まない回収バッファー中での回収。
- 12,500 gで10分間の遠心分離。
- EDTAまたはEGTAを含まない回収バッファー中でのペレットの採取。RNアーゼおよびDNアーゼの添加ならびに37℃で15分間のインキュベーション。
- 12,500 gで10分間の遠心分離。
- EDTAおよびEGTAを含む回収バッファーでの洗浄、その後の遠心分離。
- 溶解バッファー(2% SDS, 10 mM EDTA, 10 mM Tris HCl, pH 7.5)でのペレットの採取、および同じ容積の49:49:2 フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール混液の添加。混合物は3分間ボルテックスし、4℃で2分間放置し、2〜3分間再びボルテックスする。
- 8,000 g、4℃で5分間の遠心分離。
- 約5回の水相の除去およびフェノール/クロロホルム混液の添加。
- 最終の水相への0.3 M酢酸ナトリウム、pH 5.2、および2.5容量の100%エタノールの添加。混合物を-80℃で15分間放置し、次いで8,000 g、4℃で20分間遠心分離し、ペレットを洗浄した。
- 75μlの200 mM バナジル-リボヌクレオシド複合体(RNアーゼ阻害剤)と2μlのRNアーゼフリーDNアーゼ(50%グリセロール中に0.5 mg/mlの濃度)とを含有する3 mlの10 mM MgCl2、20 mM Tris/アセテートバッファー中でのペレットの採取。
- 1容量の49:49:2 フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール、次いで1容量の24:1 クロロホルム/イソアミルアルコール、次いで1容量の水飽和ジエチルエーテルでのDNアーゼの除去。
- 0.3 Mの酢酸ナトリウムおよび2.5容量の100%エタノールの添加による水相でのRNAの沈殿。
- 50〜100μlの滅菌水でのペレットの採取。
- RNAのアッセイおよび確認、次いで必要であればさらなる調製および精製。
b) 方法B
ミトコンドリアを、まず、EDTA、EGTAおよびRNアーゼの存在下に、ミトコンドリア区画の外周囲に通常は付着している細胞質ゾルRNAを試料から完全に除くために、インキュベートする。次いで、ミトコンドリアの内部にあるRNAの抽出を、適切な市販で入手可能なキット(Rneasy Protect Starter Kit (商標), QIAGEN, カタログ番号74121)を用いて行う。この手順において、ミトコンドリアの試料を特定のバッファーを用いて溶解し、その後直ちにRNAの精製を行う。このRNAの精製は、単一工程に、試料のRNAのみの適切な樹脂への吸着、その後の水を用いるRNAの分離を含む。このように精製されたRNAは、アッセイされ、アガロースゲルで分析され、配列決定される。
B) 結果
精製ミトコンドリアRNAは、RIP1遺伝子に特異的なP32-標識DNAプローブと、コントロールとして、放射性標識された、内因性ミトコンドリア遺伝子COX1に特異的なDNAプローブを用いてノザンブロッティング法により分析する。
RIP1プローブでのシグナルの存在およびCOX1プローブでのシグナルの不在は、合成rho-株のミトコンドリアが興味対象のRNAを含有するが、内因性ミトコンドリアRNAを含有しないことを示す(図4)。これに比べて、rho+ mit+ 野生型酵母株のミトコンドリアRNAを用いると、COX1プローブでシグナルが観察されるが、RIP1プローブを用いては観察されない。
よって、これらの結果は、合成rho-株のミトコンドリアが、興味対象のRNAを特異的に作製し得ることを示す。
上記から明らかになるように、本発明は、上記でより詳細に述べた実施、実行および適用のその方法のものに限定されない。これに対して、本発明は、本発明の関係および範囲を逸脱することなく当業者が想到するであろう本発明の全ての変形を含む。
S. cerevisiaeのミトコンドリアDNAを図示する。 マーカーレスキューの原理を説明する。 合成rho-株の構築を表す。 RIP1遺伝子を含むミトコンドリア転写ベクターで形質転換された合成rho-酵母のミトコンドリアRNAのノザンブロッティング分析を示す。

Claims (20)

  1. 少なくとも以下の工程;
    (1) ミトコンドリアDNAを欠く酵母細胞のミトコンドリアを、ミトコンドリア転写用の調節要素の制御下の興味対象の異種RNAをコードするDNAの少なくとも1コピー、およびミトコンドリア形質転換レポーター遺伝子または該レポーター遺伝子の断片を含むミトコンドリア転写ベクターで形質転換し、
    (2) 興味対象のDNAを取り込んだ酵母ミトコンドリア形質転換体を同定し、
    (3) 工程(2)で選択した酵母ミトコンドリア形質転換体を培養し、
    (4) 工程(3)で得られた酵母ミトコンドリア形質転換体からミトコンドリアを単離し、そして
    (5) 該ミトコンドリアから興味対象の異種RNAを抽出して精製する
    を含むことを特徴とする、興味対象の異種RNAを作製する方法。
  2. ミトコンドリアDNAを欠く前記酵母細胞がrho0細胞であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. ミトコンドリアDNAを欠く前記酵母細胞が、ΔSUV3またはΔDSS1株から得られることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. ミトコンドリアDNAを欠く前記酵母細胞が、外因性RNAポリメラーゼをコードしかつミトコンドリア標的シグナルを有する遺伝子の染色体コピーを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
  5. 興味対象のRNAをコードする前記DNAが、酵母ミトコンドリア内で機能的なプロモータと転写ターミネーターとの制御下にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 前記ミトコンドリア形質転換レポーター遺伝子が、酵母呼吸鎖のタンパク質の1つをコードする遺伝子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 前記ミトコンドリア転写ベクターが、ミトコンドリアDNAの複製起点の配列を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
  8. 工程(1)に従う形質転換が、前記ミトコンドリア転写ベクターの金属微小弾丸への吸着および該微小弾丸の前記細胞への発射を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 工程(1)が、前記ミトコンドリア転写ベクターと核選択マーカーを含む酵母で複製可能なベクターとを用いる前記酵母細胞の共形質転換を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 前記核マーカーが、前記形質転換細胞の栄養要求性マーカーであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 工程(2)が、
    (a0) 工程(1)で得られた酵母ミトコンドリア形質転換体をrho+ mit-型の酵母テスター株と交雑させ、
    (b0) 一旦交雑させると非発酵性培地上で増殖できる二倍体細胞を与えるミトコンドリア形質転換体を同定し、そして
    (c0) ミトコンドリア形質転換ベクターを有するミトコンドリア形質転換体であると同定される単離酵母コロニーが得られるまで前記の交雑を繰り返す
    ことを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
  12. 工程(2)が、
    (a1) 選択培地で培養することによる、前記の核マーカーによる酵母細胞の第一選択または予備選択、
    (b1) 工程(a1)で選択された酵母細胞からの、請求項11で規定される工程(a0)、(b0)および(c0)による第二選択
    を含むことを特徴とする請求項9または10に記載の方法。
  13. 前記方法の工程(4)によるミトコンドリアの単離が、前記細胞の溶解または粉砕と、次いで好ましくは750 g〜12,500 gの速度での少なくとも2回の遠心分離工程と、最終の遠心分離ペレットの回収とを含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
  14. 工程(5)が、
    - 第一のバッファーが少なくとも1種の二価イオンキレート剤を含みかつ第二のバッファーがRNアーゼと任意にDNアーゼとを含む適切なバッファーの存在下に、混入核酸を除去し、
    - 少なくとも1種の界面活性剤と二価イオンキレート剤との存在下に、7〜8の範囲内のpHでミトコンドリアを溶解させ、そして
    - 興味対象のRNAを単離および精製する
    ことを含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
  15. ミトコンドリアDNAを欠き、外因性RNAポリメラーゼをコードしかつミトコンドリア標的シグナルを有する遺伝子の染色体コピーを含むことを特徴とする改変酵母細胞。
  16. ミトコンドリアDNAを欠き、ミトコンドリアが請求項1および5〜7のいずれか1つで規定されるミトコンドリア転写ベクターで形質転換されたことを特徴とする改変酵母細胞。
  17. ΔSUV3またはΔDSS1株から得られることを特徴とする請求項15または16に記載の改変酵母細胞。
  18. rho0株から得られることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1つに記載の改変酵母細胞。
  19. ミトコンドリアDNAを欠く酵母ミトコンドリア形質転換体の、興味対象の異種RNAの工業的作製のための使用。
  20. - 請求項1および57のいずれか1つで規定される少なくとも1つのミトコンドリア転写ベクターで形質転換された、ミトコンドリアDNAを欠く酵母細胞、
    - 前記形質転換細胞を選択するための非発酵性炭素源を含む少なくとも1種の培地、
    - rho+ mit-型の酵母テスター細胞、
    - 発酵槽および培地、ならびに
    - 合成rho-細胞からミトコンドリアを単離し、そこから興味対象の異種RNAを抽出するための試
    を含むことを特徴とする興味対象の異種RNAの工業的作製を行うためのシステム。
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