JP4624164B2 - 継手部を一体に具えた容器及びその製法 - Google Patents

継手部を一体に具えた容器及びその製法 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素系樹脂を用いて回転成形した容器及びその製法に関するものである。
半導体分野の製造装置における洗浄ラインでは、使用される洗浄液用容器は、薬品の純粋性の保持、耐薬品性、耐熱性が要求される。従って、それらについて優れた特性を有するフッ素系樹脂、例えば、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)を用い、比重の大きなフッ素系樹脂でも中空体の成形が可能な回転成形によって製造した容器が実用されている(例えば、出願人が以前に提案した特許文献1)。
又、容器を洗浄ラインの相手接続管部材に繋ぐためには、液漏れを確実に防止するために精度良く仕上げられた継手部を介して行われる。
従来の上記容器と継手部は下記の如く、製造される。
容器口部となるフッ素系樹脂ブロックを回転成形金型にセットし、容器胴部を回転成形する際に、該胴部と該樹脂ブロックを融着一体化する。
回転成形型から容器を取り出した後、樹脂ブロックの軸心に貫通孔加工と内ネジ加工或いは外ネジ加工を行い継手部を形成する。
予め機械加工、射出成形等によって精密に形成された継手部を上記継手部の内ネジに螺合し、或いは締付リングの内向きフランジを継手部の段部に当て、該締付リングを、上記容器継手部の外ネジに螺合して、継手部を容器継手部に取り付けるのである。
特開2004−114392号公報
上記継手部付き容器の場合、下記の問題が生じる。
イ.継手部と容器は別体であるから、部品点数が増える。
ロ.継手部を容器に接合するために、容器側にも必ずネジ加工が必要となる。
ハ.継手部の加工と、容器側のネジ加工は別個に行なわねばならず、手間が掛かる。
ニ.継手部を容器に取り付ける手間が掛かる等、コストアップの要因が多い。
又、容器と継手部の接続部の信頼性、具体的には容器側の継手部のネジ加工等の精度不良による液漏れや、使用中のネジの緩みによる液漏れの虞れがある。従って、洗浄ラインの点検箇所が増え、ネジ部の定期的な追い締めが必要となる等、メンテナンスの手間が増える。
そこで出願人は、容器と継手部を一体的に形成し、容器と継手部の機械的接続を無くして、上記問題の解決を図った。
その製造手順は、回転成形金型に、継手部となる大型のフッ素系樹脂ブロックをセットし、胴部を回転成形する際に、該胴部と該ブロックを融着一体化する。型開き後に、胴部を保持して、樹脂ブロックに切削加工を施して継手部を形成する。
ところが、この種容器の継手部の加工性精度は、部分的には3/100mm乃至7/100mm程度の精度が要求されるが、その精度をクリヤーすることが出来なかった。
これは、フッ素系樹脂容器の剛性が、一般の樹脂容器のそれに比べて大きくても、中空の容器胴部を保持して、保持部とは離れている容器端部の樹脂ブロックに、ドリルやバイトによって切削加工を施すと、容器の加工部の振動を抑えることが出来ず、加工精度が悪くなるからである。
予め、機械加工して精度内に仕上げた継手部を、回転成形金型にセットしておき、胴部を回転成形する際に、胴部と継手部を融着一体化することも考えられる。しかし、回転成形金型を稼動させる加熱炉内の温度雰囲気や、金型冷却の際に継手部が熱変形するので、如何に精度良く継手部を形成しておいても、そのままでは到底使いものにはならず、実用には論外である。
本発明は、継手部を形成するための大型の樹脂ブロックに、後の切削加工のためのチャック掴み部を設けておくことにより、容器胴部を回転形成後に、該胴部に融着一体化したフッ素樹脂ブロックに、高精度の切削加工を可能し、以て、上記問題を解決できる、継手部を一体に具えた容器及びその製法を明らかにするものである。
請求項1の容器(1)の製法は、回転成形金型(6)に、後工程の切削加工によって継手部(3)となり且つ該切削加工の際のチャック掴み部(32)を具えたフッ素系樹脂ブロック(30)を保持せしめておき、回転成形の際に、成形されるフッ素系樹脂製の容器胴部(2)と前記樹脂ブロック(30)とを融着一体化させ、型開き後に、該樹脂ブロック(30)上の前記チャック掴み部(32)を掴んで、切削刃にて樹脂ブロック(30)を切削して相手接続管部材(5)(5a)(5b)に対する継手部(3)を形成する。
請求項2は、請求項1の容器(1)の製法において、フッ素系樹脂ブロック(30)に継手部(3)を形成した後、容器胴部(2)を掴んで該樹脂ブロック(30)上に、容器(1)に被せる保護ケース(4)固定用の外ネジ(35)加工を行う。
請求項3は、請求項1又は2に記載の容器(1)の製法において、容器胴部(2)の回転成形の際に、胴部(2)から樹脂ブロック(30)側に、低く環状に突出する首部(21)が該胴部(2)と一体に回転成形される。
請求項4は、請求項1乃至3の何れかに記載の容器(1)の製法において、樹脂ブロック(30)の容器胴部(2)側となる端面には、予め樹脂ブロック(30)の軸心側に凹む案内面(36)を形成しておき、胴部(2)形成後に樹脂ブロック(30)の軸心に貫通孔(34)を開設する。
請求項5の容器(1)は、フッ素系樹脂の回転成形によって形成された容器胴部(2)に、相手接続管部材(5)(5a)(5b)に対するフッ素系樹脂製の継手部(3)を一体に具えている。
請求項6は請求項5の容器(1)において、容器(1)は保護ケース(4)に収容され継手部(3)が該保護ケース(4)から臨出している。
請求項7は、請求項5又は6に記載の容器(1)において、胴部(2)は継手部(3)側に突出高さの低い環状の首部(21)が形成され、該首部(21)が継手部(3)に一体に繋がっている。
請求項8は、請求項5乃至7の何れかに記載の容器(1)において、フッ素系樹脂ブロック(30)の内端面は、該ブロック(30)の軸心に向けて徐々に凹んでいる。
請求項9は、請求項5乃至8の何れかに記載の容器(1)において、容器胴部(2)は、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)、継手部(3)は、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)にて形成されている。
請求項1の容器(1)の製法では、継手部(3)を形成するためのフッ素系樹脂ブロック(30)を、容器胴部(2)の回転成形時に該胴部と一体化させ、該樹脂ブロック(30)を切削加工して継手部(3)を形成するため、部品点数及び加工箇所を少なくしてコストの低減を図ることができる。
フッ素系樹脂ブロック(30)に、ドリル、バイト等、必要な切削工具を用いて継手部(3)を形成する際、該ブロック(30)上のチャック掴み部(32)を掴んで容器(1)を保持でき、即ち、切削加工位置の近傍を掴んで、必要な切削加工ができるので、切削加工時の該ブロック(30)の振動を可及的に抑えて、高精度の切削加工が可能となる。
出願人が本発明に先立って試みた、容器胴部だけを保持して該胴部端部の樹脂ブロックに切削加工を施した場合には実現出来なかった、この種継手部として必要な精度を、請求項1の発明ではクリヤーできた。
請求項2の容器(1)の製法では、フッ素系樹脂ブロック(30)に継手部(3)を形成した後、胴部(2)を掴んで該樹脂ブロック(30)上に、容器(1)に被せる保護ケース(4)固定用の外ネジ(35)加工を行うから、該外ネジ加工を、継手部(3)を切削加工する際のチャック掴み部(32)に対して行うことができる。このため、継手部付き容器(1)を完成した後に、ブロック(30)上のチャック掴み部(32)は無用の部分とはならない。即ち、高価なフッ素系樹脂を有効に使用できる。
容器胴部(2)を掴んでの樹脂ブロック(30)に対する外ネジ(35)の切削加工では、切削加工時に該胴部が振動する等により、精度の高いネジ形成は出来ないが、容器(1)を保護ケース(4)に固定するためネジ形成には、高精度のネジ加工は不要であり、この点での問題は生じない。
請求項3の容器(1)の製法では、胴部(2)の回転成形の際に、胴部(2)から樹脂ブロック(30)側に低く環状に突出する首部(21)を形成するために、該首部(21)の環状先端がフッ素系樹脂ブロック(30)の内側と融着する。
これによって、容器胴部(2)が熱収縮した際に、首部(21)が一種の緩衝材としての役割をなして、樹脂ブロック(30)との融着部にクラックが発生することを防止し、該融着部の引っ張り強度を高めることができる。
請求項4の容器(1)の製法では、樹脂ブロック(30)の胴部(2)側となる内側端面に予め樹脂ブロック(30)の軸心側に凹む案内面(36)を形成しているため、容器(1)を回転成形金型(6)から取り出してからでは不可能であった樹脂ブロック(30)内面への案内面(36)の形成が可能となった。
尚、上記案内面(36)は、該案内面(36)の中央に位置する貫通孔(36)を液体の排出口とした場合、樹脂ブロック(30)の内端面上に液体が残留することを防止するためのものである。
請求項5の容器(1)は、継手部(3)と容器(1)は一体であるから、部品点数を減らすことができる。又、継手部(3)と容器(1)が別体の場合の様に、継手部(3)を容器(1)に接続するための加工を無くすことができる。継手部(3)を容器(1)に取り付ける手間も不要である。
又、容器(1)と継手部(3)の接続部の加工精度不良による液漏れ、使用中のネジの緩みによる液漏れの不安は解消される。従って、メンテナンスでの点検箇所を減らすことができると共に、容器(1)と継手部(3)のネジ接続部に対する定期的な追い締めの労力からも開放される。
請求項6の容器(1)は、保護ケース(4)に収容されており、容器(1)外側からの衝撃から容器(1)を保護できる。又、容器(1)内に圧力ガスを導入して容器(1)内の液体の排出速度を高めたり、排出速度を一定にする場合には、保護ケース(4)が、容器(1)の内圧による変形や破損を防止できる。
請求項7の容器(1)は、請求項3の効果で述べた様に、容器胴部(2)に形成した首部(21)が該胴部成形時の熱収縮に対して緩衝材の役割をなして、継手部(3)との溶着部にクラックが生じることを防止できる。
請求項8の容器(1)は、フッ素系樹脂ブロック(30)の内端面に、該ブロック(30)の軸心に開設した貫通孔(34)側に凹んでいるから、該樹脂ブロック(30)の内端面上に液体が残留することを防止できる。
請求項9の容器(1)は、胴部(2)は四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)、継手部(3)は該PFAよりも融点の高い四フッ化エチレン樹脂(PTFE)にて形成されるから、回転成形金型(6)に予め継手部(3)の素材となるPTFEブロック(30)をセットしておき、PFAをその溶融温度に加熱して胴部(2)を回転成形する際に、PTFEブロック(30)を溶融させることを防止できる。このため、PTFEブロック(30)とPFA胴部(2)を融着一体化、及び後工程でのPTFEブロック(30)に対する切削加工、該切削加工のためのPTFEブロック(30)に対するチャクキング保持に支障を来すことはない。
図1は、回転成形により形成された本発明の容器(1)を、剛性の高い保護ケース(4)に収容し、脚部材(9)によって、保護ケース(4)と一緒に容器(1)を支持した状態を示し、図2はその断面図である。
容器(1)は、全体がフッ素系樹脂にて形成され、容器胴部(2)上に、相手接続管部材(5)(5a)(5b)に接続するための1又は複数の継手部(3)(3)(3)を突設している。
実施例の容器(1)は、上端に2つの継手部(3)(3)、下端に1つの継手部(3)を有している。
上部の2つの継手部(3)(3)の内、一方の継手部(3)は、容器(1)内の液体を使用場所へ送るための管部材(5)接続用であり、他方の継手部(3)は、窒素ガス等、容器(1)内の液体に対して不活性な圧力ガスを容器(1)内に導入するための管部材(5a)接続用である。
容器(1)下端の継手部(3)は、使い残りの液を排出するための管部材(5b)接続用である。
尚、上記不活性ガスは、容器(1)内の液体の送給速度を速めたり、一定にするためのものである。
実施例の容器胴部(2)は、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)にて形成され、継手部(3)は、PFAよりも融点の高い四フッ化エチレン樹脂(PTFE)にて形成される。該継手部(3)は、後記の如く、インサート成形により容器胴部(2)と融着一体化している。
容器胴部(2)は、外部から容器(1)内の液面高さが分かる程度の乳白色半透明、継手部(3)は白色不透明である。
容器胴部(2)の肉厚は、2〜10mm程度であるが、容器(1)の大きさ、必要強度、経済性、外部から液面高さを判別できる必要性の有無等を考慮して適宜決めればよい。回転成形の場合、回転成形金型(6)への材料樹脂の投入量によって、胴部(2)の肉厚を容易に調整できる。
容器胴部(2)には、継手部(3)の位置に対応して口部が形成されている。実施例の口部は、胴部(2)に単に丸孔(22)を形成しただけではなく、孔縁が低く外側に突出して環状の首部(21)を形成しており、首部(21)は外側へ徐々に肉厚となり、継手部(3)との融着部で最大肉厚となっている。
容器首部(21)の内面は、全周に亘って胴部から継手部(3)端面へ、断面が円弧状を呈する様に縮径しており、首部(21)内面に突出物は存在しない。
実施例の継手部(3)は、丸軸状PTFE樹脂ブロック(30)の外周面を切削加工して形成される。
継手部(3)は、容器首部(21)の外径に対応する太さで容器首部(21)に融着するベース部(31)と、夫々ベース部(31)と同軸に形成され相手管部材(5)(5a)(5b)固定用の外ネジ(以下、「第1外ネジ(33)」と呼ぶ)及び容器(1)固定用の外ネジ(以下、「第2外ネジ(35)」)を有している。
第1外ネジ(33)は、第2外ネジ(35)よりも外側に位置し、第1外ネジ(33)は、第2外ネジ(35)よりも小径である。
各継手部(3)(3)(3)の軸心には、相手管部材(5)が貫通し、或いは相手管部材(5a)(5b)の先端部が途中まで嵌まる貫通孔(34)(34)(34)が開設されている。
ベース部(31)は、第1外ネジ(33)及び貫通孔(34)を切削形成する際に、PTFE樹脂ブロック(30)を掴むためのチャック掴み部(32)を兼用するものであって、少なくともチャックの掴み代分の長さを有している。
但し、実施例のPTFE樹脂ブロック(30)は一様太さの丸軸体であるから、切削加工前はベース部(31)と他の部分の区別は付かない。
図1、図2に示す保護ケース(4)は、ステンレス鋼、PVC(硬化ポリ塩化ビニル)等、耐食性及び剛性に優れた金属材料或いは合成樹脂にて、容器(1)の胴部及び継手部(3)のベース部(31)をそれらの形状に沿って包囲する様に形成される。保護ケース(4)は、上下に2分割可能なケース本体(41)と蓋体(42)とからなり、本体ケース(41)の上端縁と、蓋体(42)の下端縁に突設されたフランジ(43)(44)どうしがボルト止めされている。
保護ケース(4)には、適所に窓孔(45)が開設され、容器(1)内の液面高さをケース外から目視できる。
各継手部(3)の第2外ネジ(35)を含む外側部分は、保護ケース(4)から臨出しており、第2外ネジ(35)に支えリング(37)が螺合される。
支えリング(37)は、短い筒状脚部(38)と、該脚部(38)の一端に内向きフランジ(39)を突設し、フランジ(39)内面に、継手部(3)の第2外ネジ(35)に螺合する内ネジを開設している。
容器(1)の上下に突設した各継手部(3)に支えリング(37)を螺合して、脚部(38)を保護ケース(4)に当てることによって、保護ケース(4)内に容器(1)を宙吊り状態に支持している。
必要に応じて、保護ケース(4)と容器(1)との間に、弾性部材(図示せず)を介装して、保護ケース(4)内に容器(1)を一層安定して保持できる。
容器(1)に対して相手管部材(5)(5a)(5b)を取り付けるには、管部材(5)(5a)(5b)に継手部(3)に対する貫入深さを規制するための膨らみ部(50)を全周に亘って形成しておき、該管部材(5)(5a)(5b)を継手部(3)の貫通孔に挿通して該膨らみ部(50)を該継手部(3)の先端面に当てる。
管部材(5)(5a)(5b)に予め嵌めておいた締付リング(52)を継手部(3)の第1外ネジ(33)に締め付けて、締付リング(52)の内向きフランジ(53)で管部材(5)(5a)(5b)の膨らみ部(50)を継手部(3)側に押圧し、管部材(5)(5a)(5b)を継手部(3)に固定する。
次に、上記容器(1)の製法について説明する。説明を簡潔にするため、容器(1)の継手部(3)は1つとする。
図3a、bに示す回転成形金型(6)を準備する。
回転成形金型(6)は、一端中央部に筒状の保持部(62)を突設し、保持部(62)の軸心を含む面で2分可能である。
図3aに示す如く、金型半体(61)に、容器胴部(2)と容器首部(21)を成形するに足りるPFA樹脂の粉末(20)を投入し、該金型半体(61)の保持部半体(62a)に、継手部(3)となるPTFE製の円柱状樹脂ブロック(30)を配置する。このとき、図6に示す如く、金型(6)の保持部(62)に対して、PTFE樹脂ブロック(30)の内側端面の位置が、保持部(62)の基端から少し先端側にずれた位置になる様に位置決めしてセットする。これは、容器胴部(2)と一体に突出高さの低い首部(21)を形成するためである。
図3bに示す如く、2つの金型半体(61)(61)を閉じて回転成形金型(6)を組み立て、図3cに示す如く、加熱炉(7)内の回転支持枠(8)にセットする。
回転支持枠(8)は、回転駆動装置(図示せず)に連繋された駆動軸(81)と、該駆動軸(81)に直交し回転成形金型(6)を支持する支持軸(82)の2軸で回転成形金型(6)を3次元的に回転させる。
成形温度は、320〜400℃が好ましく、PFA樹脂の融点である310℃、PTFE樹脂の融点である327℃よりも少し高温度の340〜380℃とすることが一層望ましい。
成形時間は2〜4時間とする。
成形温度が320℃以下では、容器胴部(2)を形成するPFA樹脂と、継手部(3)となるPTFE樹脂ブロック(30)の溶着が不十分となる。400℃を越えるとPFA樹脂とPTFE樹脂ブロック(30)の熱分解が進行し易くなる。
図6に示す如く、容器胴部(2)を形成するPFA樹脂はPTFE樹脂ブロック(30)の内側端面の外周部に環状に融着するだけで、該端面の中央部側には融着しない。これは、該端面の中央部側ではPFA樹脂と融着する温度に達しないためである。
加熱炉(7)から回転成形金型(6)を取り出して、冷却炉(図示せず)中にて冷却させると、樹脂の熱収縮によって、容器(1)が金型(6)内面から離型する。
回転成形金型(6)を型開きして容器(1)を取り出し、図4aに示す如く、PTFE樹脂ブロック(30)のチャック掴み部(32)を、マシニングセンター等の三次元切削機のチャックXで掴んで支持し、容器(1)を静止保持したまま、バイト、ドリル等の切削刃(図示せず)を回転させてPTFE樹脂ブロック(30)に、図4bに示す如く、前記第1外ネジ(33)、貫通孔(34)を切削形成する。
貫通孔(34)は、相手管部材(5)に対して隙間が生じない様な孔径精度が必要である。又、相手部材(51)を貫通孔(35)の途中までしか挿通しない場合は、相手管部材に対応して要求される様な形状、例えば、孔内面に段差を設ける等、通常のドリルでは加工出来ない形状を切削加工せねばならない。
次に、図5aに示す如く、胴部(2)を保持部材Yで掴んで、容器(1)を静止保持し、切削刃(図示せず)を回転させてチャック掴み部(32)に第2外ネジ(35)を切削形成する。
尚、図4aに示すPTFE樹脂ブロック(30)、に対する切削加工の際に、必要に応じて容器胴部(2)を、図5aに示す保持部材Yによって補助的に保持しておいてもよい。容器胴部(2)が大型になるほど、該胴部を補助的に支持した方が、切削加工を安定して精度よく行うことができる。
尚、上記容器(1)の製法において、回転成形の工程で、回転成形金型(6)に対する加熱と冷却による、金型(6)内の空気の膨張、収縮に対処するため、金型(6)の内と外を連通させるためのガス抜きパイプ(図示せず)が必要である。ガス抜きパイプは、PTFE樹脂ブロック(30)を貫通して配備しておく。
実施例の様に、継手部(3)が複数の場合、1つの継手部用の樹脂ブロック(30)をガス抜きパイプ挿通用に肉厚筒状体とし、他の継手部用樹脂ブロック(30)は中実体で可い。
筒状体の樹脂ブロックに対しても、前記切削加工によって、筒孔を拡げて相手管部材を挿入する貫通孔(34)を形成するから、切削加工前の樹脂ブロックが肉厚の筒状体であることに問題はない。
上記容器(1)の製法では、胴部(2)の回転成形の際に、胴部(2)からPTFE樹脂ブロック(30)側に低く環状に突出する首部(21)が形成されるために、該首部(21)の環状先端が該樹脂ブロック(30)の内側と融着する。
上記首部(21)は、容器胴部(2)と継手部(3)との融着部の引っ張り強度を高めることに寄与している。
即ち、容器回転成形の冷却工程において、容器胴部(2)が熱収縮した際に、PTFE樹脂ブロック(30)を胴部側に引っ張る力が作用する。PTFE樹脂ブロック(30)は金型(6)の保持部(62)を滑って容器(1)側に移動して、胴部(2)との間にクラックが生じることを防止する役割をなす。首部(21)が一種の緩衝材としての役割を果たして、樹脂ブロック(30)との融着部にクラックが発生することを防止したと言える。
然も、首部(21)の存在によって、PTFE樹脂ブロック(30)が容器胴部(2)の肉厚に食い込むことは防止される。
図6は、首部(21)の突出高さが1.5mmの場合、図7は首部が存在せず、容器胴部(2)に外面にPTFE樹脂ブロック(30)が融着している場合(首部高さ0mm)、図8は、PTFEブ樹脂ブロック(30)が容器胴部の肉厚に食い込んだ状態の場合(首部)高さ−2.0mm)を示しており、下記の表に、それらの融着部の強度を、回転成形温度別で示す。

Figure 0004624164
但し、+10℃の場合、成型品(容器)は離型しなかった。

首部(21)の高さ−2.0mmの場合のみ容器胴部(2)との融着強度は、成形温度により大きく左右され、±0mm、+1.5mmでは成形温度による強度に余り差は生じない。
数値だけ見ると、首部(21)高さが±0mmの方が、首部(21)高さ+1.5mmよりも良好である。しかし、首部(21)の高さが±0mmとなる様に、PTFE樹脂ブロック(30)を回転成形金型(6)の保持部(62)にセットした場合、位置決めの誤差によって、首部(21)がマイナス高さになる虞れがあり、この場合のPTFE樹脂ブロック(30)とPFA樹脂である容器胴部(2)の融着強度の信頼性に問題が生じる。
首部(21)の高さを必要以上に大きくすることは、PFA樹脂を無駄に消費することになるだけであり、PTFE樹脂ブロック(30)との融着強度の向上に寄与しない。
以上のことから、首部(21)の高さは、0mm以上とし、望ましくは3mm以下とする。
図9は、上記引張り強度の試験機を示している。
容器胴部(2)のPTFE樹脂ブロック(30)の付け根近傍を該樹脂ブロックと同心の略円形に切り取り、試験機の挟み部材(101)(102)の間に切取り胴部(2)を挟圧保持し、PTFE樹脂ブロック(30)の軸心を貫通させた引張り治具(103)によって該樹脂ブロック(30)引っ張り、該樹脂ブロック(30)と胴部(2)の融着部が破断したときの荷重を計測した。
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施例では、継手部(3)の切削加工は、継手部(3)の素材であるフッ素系樹脂ブロック(30)を掴んで容器(1)を静止保持し、切削刃を回転させて行なったが、場合によっては、フッ素系樹脂ブロック(30)を掴んだ状態で該樹脂ブロックを含む容器を回転させ、切削刃を該樹脂ブロックに当てて、継手部(3)を切削加工することも可能である。
保護ケースに収容した容器の正面図である。 図1の縦断面図である。 図3回転成形工程の説明図である。 フッ素系樹脂ブロックに継手部を切削加工する手順の説明図である。 フッ素系樹脂ブロックのチャック部に切削加工する手順の説明図である。 首部高さが1.5mmのフッ素系樹脂ブロックと胴部の融着部の断面図である。 首部高さが0mmのフッ素系樹脂ブロックと胴部の融着部の断面図である。 首部高さが−0.2mmのフッ素系樹脂ブロックと胴部の融着部の断面図である。 フッ素系樹脂ブロックと胴部の融着強度を求めるための引張り試験機の使用状態の説明図である。
符号の説明
1.容器
2.容器胴部
3.継手部
30.樹脂ブロック
32.チャック掴み部
6.回転成形金型

Claims (8)

  1. フッ素系樹脂の回転成形によって形成され相手接続管部材(5)(5a)(5b)に対する継手部(3)を有する容器(1)の製法であって、
    回転成形金型(6)に、後工程の切削加工によって継手部(3)となり且つ該切削加工の際のチャック掴み部(32)を具えたフッ素系樹脂ブロック(30)を保持せしめておき、回転成形の際に成形される胴部(2)と前記樹脂ブロック(30)とを融着一体化させ、型開き後に、該樹脂ブロック(30)上の前記チャック掴み部(32)を掴んで、切削刃にて樹脂ブロック(30)の外周部を切削して相手接続管部材(5)(5a)(5b)に対する継手部(3)を形成した後、
    容器胴部(2)を掴んで該樹脂ブロック(30)上に、容器(1)に被せる保護ケース(4)固定用の外ネジ(35)加工を行う、継手部を一体に具えた容器の製法。
  2. 容器胴部(2)の回転成形の際に、胴部(2)から樹脂ブロック(30)側に低く環状に突出する首部(21)が胴部(2)と一体に回転成形される請求項1に記載の、継手部を一体に具えた容器の製法。
  3. 樹脂ブロック(30)の容器胴部(2)側の端面には、予め樹脂ブロック(30)の軸心側に徐々に凹む案内面(36)を形成しておき、胴部(2)形成後に、樹脂ブロック(30)の軸心に貫通孔(34)を開設する請求項1又は2に記載の、継手部を一体に具えた容器の製法。
  4. フッ素系樹脂の回転成形によって形成された容器胴部(2)と、相手接続管部材(5)(5a)(5b)に対するフッ素系樹脂製の継手部(3)とを一体に具え、請求項に記載の方法で製造された、継手部を一体に具えた容器。
  5. 保護ケース(4)に収容され継手部(3)が該保護ケース(4)から臨出している請求項に記載の、継手部を一体に具えた容器。
  6. 容器胴部(2)は継手部(3)側に突出高さの低い環状の首部(21)が形成され、該首部(21)が継手部(3)に融着して一体に繋がっている請求項4又は5に記載の、継手部を一体に具えた容器。
  7. フッ素系樹脂ブロック(30)の内端面は、該ブロック(30)の軸心に向けて徐々に凹んでいる請求項4乃至6の何れかに記載の、継手部を一体に具えた容器。
  8. 容器胴部(2)は、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)、継手部(3)は、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)にて形成されている請求項4乃至7の何れかに記載の、継手部を一体に具えた容器。
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