JP4621874B1 - 植物の光酸化障害を回避させる方法及び装置 - Google Patents

植物の光酸化障害を回避させる方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】種々の植物の光酸化障害を回避させて、安全性の高い野菜や果実を栽培することが可能な植物の光酸化障害を回避させる方法及び装置を提供する。
【解決手段】植物の光酸化障害を回避させる方法は、水素ガスを溶存させ2μg/Lよりも高い水素濃度の水溶液を植物の根から吸収させることにより、植物を栽培する方法である。植物の根から水溶液とともに水素ガスが吸収され、葉緑体が破壊されることが抑制される。これにより、植物の光酸化障害を回避させて栽培することが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、植物の光酸化障害を回避させる方法及び装置に関する。
植物は葉から大気中の二酸化炭素等の気体を植物体内に取り込むとともに、根から水を取り込んで光合成を行う。光合成においては、細胞内に活性酸素が生成するが、夏場等の強力な光、低温、乾燥、貧栄養など光合成が抑制される場合、過剰の活性酸素が生成してしまう。
過剰に生成した活性酸素は葉緑体に損傷を与え破壊するため、植物の生育に悪影響を及ぼし、植物の枯死にもつながる。このような植物の光酸化障害は、野菜や果実等を栽培し農業を営む者にとっては大きな問題である。
このような状況下、シロイヌナズナ突然変異体を用いた解析から、葉緑体の発達に必須な2つのFeSOD遺伝子であるFSD2及びFSD3が同定され、2つのFeSODを強発現させた植物体は、活性酸素を発生させる薬剤の存在下で光合成の低下を抑制する機能を持つことが解析されている。そして、これらの遺伝子を強発現させることで、活性酸素を除去し、光合成の低下を抑制して植物の栽培が可能であることが示唆されている(非特許文献1)。
明賀 史純、葉緑体の活性酸素の除去に必須な2つの酵素遺伝子を発見−植物に有害な活性酸素を消す、スーパーオキシドディスムターゼの新たな機能を解明−、[online]、平成20年12月2日、独立行政法人 理化学研究所、[平成22年3月8日検索]、インターネット〈URL:http://www.riken.go.jp/r−world/research/results/2008/081202/index.html〉
非特許文献1では、遺伝子操作を行うことから、野菜や果実等の植物の栽培に応用した場合、収穫した野菜等を食用として扱えるか安全性に問題がある。
また、植物の種別に応じた遺伝子操作が必要となるので、コストが高くなるという問題もある。
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、種々の植物の光酸化障害を回避させ、食用として安全性の高い野菜や果実を栽培することが可能な植物の光酸化障害を回避させる方法及び装置を提供することにある。
本発明の第一の観点に係る植物の光酸化障害を回避させる方法は、
水素ガスを溶存させ2μg/Lよりも高い水素濃度の水溶液を植物の根から吸収させ、前記植物体内へ前記水素ガスを取り込ませ前記植物体内の葉緑体を保護しながら栽培することを特徴とする。
また、水素濃度が44.2μg/L以上の前記水溶液を用いることが好ましい。
また、被子植物を栽培することが好ましい。
また、液肥栽培で行うことが好ましい。
また、酸素ガスを溶存させた前記水溶液を用いることが好ましい。
本発明の第二の観点に係る植物の光酸化障害を回避させる装置は、
水素ガスを発生させる水素ガス発生装置と、
水素ガスが溶存された水溶液を製造する水素ガス溶解装置と、
前記水溶液が充填され、植物が栽培される栽培ベッドと、
前記水素ガス溶解装置から前記栽培ベッドへ前記水溶液を供給する水溶液供給ラインと、
前記栽培ベッドから前記水素ガス溶解装置へ前記水溶液を回収する水溶液回収ラインと、
前記栽培ベッド内の前記水溶液の水素濃度を測定する水素濃度測定装置と、
前記水素濃度測定装置で測定された水素濃度に基づいて、前記水素ガス溶解装置で製造される前記水溶液の水素濃度を調節する制御装置とを備え、
前記栽培ベッド内の前記水溶液の水素濃度を2μg/Lよりも高い濃度に維持
前記栽培ベッドで栽培される植物の根から前記水溶液を吸収させ、前記植物体内へ水素ガスを取り込ませ前記植物体内の葉緑体を保護しながら栽培する、
ことを特徴とする。
本発明に係る植物の光酸化障害を回避させる方法では、水素ガスを溶存させ2μg/Lよりも高い水素濃度の水溶液を植物の根から吸収させて植物の栽培を行う。水素ガスが植物体内に取り込まれることにより、葉緑体の破壊が抑制され植物の生育を促進させることが可能である。
また、本発明に係る植物の光酸化障害を回避させる装置では、植物が栽培される栽培ベッド内に充填された水溶液の水素濃度を2μg/Lよりも高い濃度に維持することができる。これにより、安定して植物の根から水素ガスを含有する水溶液を吸収させることができ、植物の葉緑体の破壊が抑制される。
植物の光酸化障害を回避させる装置の概略構成図である。 実施例1における吸光度の測定結果を示すグラフである。 実施例2における被害度の結果を示すグラフである。 実施例2におけるSPAD値を示すグラフである。 実施例4における培養液中の水素濃度とSPAD値の関係を示すグラフである。 実施例5における光照射時間とYieldとの関係を示すグラフである。
(植物の光酸化障害を回避させる方法)
本実施の形態に係る植物の光酸化障害を回避させる方法は、植物の根に水素ガスを溶存させた水溶液を供給し、根から水溶液を吸収させて植物を栽培する方法である。
水素ガスを溶存させた水溶液を植物の根から吸収させることにより、植物体の葉緑体が破壊することを抑制でき、光合成効率が向上し、植物の生育を促進することができる。そのため、野菜や果物等の収量を向上させることができる。
水素ガスを溶存させた水溶液を根から吸収させることで、植物の葉緑体の破壊が抑制されるメカニズムについては定かではないが、以下のように考えられる。
植物の細胞内では、光合成により強酸化剤である活性酸素が生成される。強光(光の長時間照射含む)・乾燥・塩害などの環境ストレス(非生物学的ストレス)や、病害虫などによる生物学的ストレス等、光合成が抑制される場合には、活性酸素が過剰に生成することになる。
活性酸素は非常に強い酸化力を持っており、活性酸素が過剰に生成されると葉緑体が損傷を受け破壊されてしまう。葉緑体が破壊されると光合成効率が低下し、植物の生育が阻害され、やがて枯れていく。
水素ガスを溶存させた水溶液を植物の根から吸収させると、水溶液とともに水素ガスが吸収され、導管等を通じて植物体内を巡るものと考えられる。水素ガスを溶存させた水溶液は非常に低い酸化還元電位を有しており、還元性の水溶液である。このため、植物体内で発生した活性酸素を水素ガスが除去しているものと考えられる。そして、活性酸素が除去されることにより、葉緑体の破壊が抑制されるものと考えられる。
本実施の形態に用いられる水溶液は、水に水素ガスを溶存させた水溶液であり、水素ガスが微細気泡として水溶液中に溶存している。水溶液中における水素ガスの多くは、粒径が1μm以下の微細気泡として存在しており、このような微細気泡は安定性が高いため、植物の根から吸収された水素ガスはそのまま植物体内を巡って葉まで行き渡り、活性酸素を除去し、葉緑体を保護しているものと考えられる。
用いる水溶液の水素濃度は2μg/Lより高いことが好ましい。後述の実施例で説明するが、光合成光量子束密度を362−420μmol/s・mとして、24時間日長でナス科の植物を栽培した場合、水素濃度が2μg/L以下の水溶液では、植物体の葉の葉緑素が減少し障害(クロロシス)が発生したためである。
更に、水素濃度が44.2μg/L以上の水素水を用いることがより好ましい。後述の実施例において、光合成光量子束密度を362−420μmol/s・mとして、24時間日長でナス科の植物を栽培した場合、水素濃度が44.2μg/L以上の水素水を供給すれば植物体の葉の葉緑素がほぼ減少することはなく、障害(クロロシス)が発生しなかったためである。
なお、上記より強い光を植物に照射して栽培する場合、より水素濃度の高い水溶液を用いるとよい。植物に強い光を照射すると、それだけ活性酸素がより過剰に生成する。このため、より過剰な活性酸素を除去すべく、より多くの水素ガスを植物体内に取り込ませる必要がある。このため、照射する光量に応じて、適宜水素濃度を高めた水溶液を植物に供給して栽培するとよい。
なお、水溶液には、水素ガスの他、鉄や亜鉛等、他の栄養成分等が含まれていてもよい。また、水溶液には、植物根が酸素欠乏にならない程度の酸素ガスが溶解されていることが好ましい。植物根が酸素欠乏を起こすと、根からの水溶液の吸収が損なわれるからである。
水溶液を植物に供給するにあたり、植物の根から水溶液を吸収させることができれば、栽培方法について制限はないが、液肥栽培で行うことが好ましい。液肥栽培は養液土耕と養液栽培とに分けられ、養液栽培で行うことがより好ましい。養液栽培とは、培地として土を用いずに、植物の生育に必要な養水分を、水に肥料を溶かした液状肥料(培養液)として与える栽培方法である。この培養液に水素ガスを溶存させることで、好適に栽培できる。また、培養液を閉鎖系で管理することが可能なため、培養液中の溶存させる水素濃度の調節、及び、水素濃度を一定に保つことも可能である。
養液栽培として、水耕栽培、噴霧耕栽培、固形培地耕栽培等が挙げられるが、なかでも、水耕栽培で行うことがより好ましい。水耕栽培とは固形培地を必要としない栽培方法であり、上述した培養液中の水素濃度の調節、並びに、水素濃度を一定に保つことが、より容易に行える。
また、栽培する植物の制限はなく、葉緑体を備えるいずれの植物の栽培も利用可能である。食用植物の栽培を行う観点で言えば、双子葉植物、単子葉植物の被子植物の栽培に用いることが好ましい。なお、後述の実施例において、ナス科の植物の栽培でその効果が実証されていることから、ナス科の植物の栽培に好適に利用可能である。ナス科の植物として、ナス、トマト、トウガラシ、ピーマン等が挙げられる。
また、植物の栽培中、光を照射している際に水溶液を供給するとよい。活性酸素は光エネルギーを受けて光合成をする際に発生するためである。
また、植物工場にて好適に利用することが可能である。植物工場では24時間日長で常時植物に光を照射して栽培することができる。この場合、植物は絶えず光合成を行うことになり、植物体内に絶えず活性酸素が生成することになるが、水素ガスを溶存させた水溶液を植物の根から吸収させることで、水溶液中の水素が植物体内に生成した過剰の活性酸素を除去し、葉緑体を保護する。これにより、葉緑体の破壊が抑制され,光合成効率の低下による生育の阻害や葉焼け(枯死)が抑制され、生育が早められる。植物の生育が早められることで、野菜や果実等の早期収穫が可能となる。
(植物の光酸化障害を回避させる装置)
本実施の形態に係る植物の光酸化障害を回避させる装置1は、図1に示すように、水素ガス発生装置11と、水素ガス溶解装置12と、水溶液供給ライン13と、栽培ベッド14と、水溶液回収ライン15と、水素濃度測定装置16と、制御装置17と、を備える。
水素ガス発生装置11は、例えば、蒸留水を電気分解して水素ガスを発生させる装置である。
水素ガス溶解装置12は、水溶液回収ライン15を通じて回収された水溶液に水素ガス発生装置11で発生させた水素ガスを混合させ、微細気泡の水素ガスを溶存させた所望の水素濃度の水溶液を製造可能な装置である。
水素ガス溶解装置12で製造された水溶液は水溶液供給ライン13を通じて栽培ベッド14に供給される。この栽培ベッド14では種々の植物が栽培される。植物は根から水溶液を吸収し、水溶液に含まれる水素ガスも一緒に吸収するので、葉緑体の破壊が抑制され、光酸化障害が回避される。
また、栽培ベッド14内の水溶液は、水溶液回収ライン15を通じて水素ガス溶解装置12へと回収される。このように、水溶液は循環させて用いられる。なお、水溶液の容器14への供給及び水素ガス溶解装置12への回収は不図示のポンプ等を用いてもよい。
栽培ベッド14には水素濃度測定装置16が設けられている。水素濃度測定装置16は、栽培ベッド14に充填されている水溶液の水素濃度を継続的に測定している。
水素濃度測定装置16で測定した水素濃度は、制御装置17を介して、水素ガス溶解装置12における水溶液の製造にフィードバックされる。そして、水素濃度測定装置16で測定された水素濃度に基づいて、水素ガス溶解装置12にて所望の水素濃度の水溶液が製造され、栽培ベッド14に供給される。例えば、予め設定しておいた栽培ベッド14内の水溶液の水素濃度よりも、水素濃度測定装置16で測定した水素濃度が低くなっている場合には、水素ガス溶解装置にてより高い水素濃度の水溶液を製造するように制御される。
栽培ベッド14内に充填された水溶液に含まれる水素は、微細気泡のガス状態であるため、時間の経過とともに水溶液の水素濃度が低下する。このため、栽培ベッド14に充填されている水溶液の水素濃度が過度に低下し、植物が取り込む水素の量が不足し、植物の光酸化障害を回避させることができなくなるおそれがある。しかしながら、水素濃度測定装置16で測定された栽培ベッド14内の水溶液の水素濃度に基づいて、栽培ベッド14へ供給する水溶液の水素濃度が調節されるので、栽培ベッド14内の水溶液の水素濃度が一定に維持される。栽培ベッド14内の水溶液の水素濃度が2μg/Lよりも高い濃度に維持することができるので、植物の光酸化障害が回避される。
なお、栽培ベッド14内の水溶液の水素濃度をより高い濃度に維持させることも可能である。より強い光を植物に照射して生育する場合、植物体内ではそれだけ活性酸素が過剰に生成するので、過剰な活性酸素を除去すべく、より多くの水素ガスを植物体内に取り込ませる必要がある。このため、照射する光量に応じて、栽培ベッド14内の水溶液の水素濃度を高くして維持するよう適宜設定すればよい。
以下、実施例を参照して植物の光酸化障害を回避させる方法について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
水素を溶存させた水溶液(以下、水素水と記す)が植物から抽出した葉緑素(クロロフィル)に与える影響を検証した。
畑雑草であるスズメノカタビラを採取し、切断した。切断したスズメノカタビラ100gをメタノール100mlに浸漬した。これを一夜冷暗所に置いた後、TOYONo.5Cのろ紙を用いてろ過した。
ろ液を分液濾斗に移し、ろ液と同量のジエチルエーテルと10%NaClを適量加えた。分配後、エーテル画分を減圧濃縮し、最終液量10mlとし、クロロフィルサンプル液として使用した。
試験管にクロロフィルサンプル液5mlと水素水30mlを入れ、40分間、太陽光下に放置した。放置前及び放置後のクロロフィル特有の680nmの吸光度をそれぞれ測定した。以下、これを水素水処理サンプルと記す。
水素水として市販飲料水である−600mV(溶存水素量:1,050μg/L)(株式会社マイナス600ミリボルト製)を使用した。
吸光度の測定は、試験管3本(n=3)を使用し測定した。なお太陽光下放置前の水素濃度はおよそ900μg/Lであった。
また、参考例として、水素水に代えて蒸留水30mlを添加すること以外、上記と同様に行った。以下、これを蒸留水処理サンプルと記す。
水素水処理サンプル及び蒸留水処理サンプルの吸光度の測定結果を図2に示す。
蒸留水処理サンプルでは、太陽光照射前の吸光度が0.37であったが、太陽光照射後では0.16であった。すなわち、太陽光照射前にあったクロロフィルは約44%にまで減少していた。
一方、水素水処理サンプルの吸光度は、太陽光照射前では0.38、太陽光照射後では0.25であり、太陽光照射前にあったクロロフィルは約67%になった。水素水処理サンプルのクロロフィルの減少率は、蒸留水処理サンプルに比べて約23%緩やかだったことから、水素水を添加することによって、光酸化障害によるクロロフィルの分解が抑制されたことがわかる。
培養液に水素水を添加してナスを栽培し、光酸化障害(クロロシス)の発生程度の検証を行った。なお、クロロシスとは、葉緑体が破壊されて葉の緑色が失われる障害である。
室内培養室で室温を25℃に維持し、ナス(品種:千両二号)の種をロックウールに播種して養液栽培を行った。第3葉展開までは12時間日長(光合成光量子束密度:362−420μmol/s・m)で栽培した。なお、用いた培養液は、水に大塚養液土耕3号(大塚化学株式会社製)を窒素成分が150ppmになるように添加し、更に、カルシウム濃度が80ppmになるように塩化カルシウムを添加して調製したものである。
そして、第3葉展開後から、光ストレスを加える区と光ストレスを加えない区とに分けた。光ストレスを加えない区(以下、対照区と記す)は、引き続き12時間日長で栽培した。また、光ストレスを加える区では24時間日長で栽培した。更に、光ストレスを加える区では、培養液に水素水を添加する区(以下、水素水処理区と記す)と、水素水を添加しない区(以下、通常培養液区と記す)とに分けた。なお、いずれの区においても、光合成光量子束密度:362−420μmol/s・mで光を照射した。
水素水処理区において添加した水素水は、マイナス600ミリボルト社製の水素水製造装置(HYDRO BATH)を使用して生成した水素水であり、培養液中の水素濃度が1,600μg/Lになるよう常時調整して水素水を添加した。
なお、対照区について12時間日長で栽培したのは、ナスを24時間日長で栽培すると、以下の文献に、活性酸素が関与して光酸化障害が生じることが報告されているためである。(ナスとピーマンの乾物生産ならびに葉の光生理障害とSOD活性に及ぼす連続光強度の影響 (桝田正治(2002.03.01)Effects of Continuous Light Intensity on Dry Mass Yield, Light−induced Leaf Injury and Superoxide Dismutase Activity in Pepper and Eggplant 植物工場学会誌 14(1) pp.32−37 20020301)
第3葉展開30日後のナスのクロロシスの発生を以下の基準で判定した。そして、クロロシスの発生程度別に各処理区10株について1株当たり5葉を調査し、下記の式1にて被害度を求めた。
発生程度0:クロロシスの発生無し
発生程度1:葉面積の25%にクロロシスが発生
発生程度2:葉面積の25〜50%程度にクロロシスが発生
発生程度3:葉面積の50〜75%程度にクロロシスが発生
発生程度4:葉面積の75〜100%にクロロシスが発生
被害度=(発生程度×葉数)/(調査葉数×4)×100 …(式1)
クロロシス発生程度調査時に、葉緑素計を用いて葉のSPAD(Soil & Plant Analyzer Development)値も測定した。SPAD値は、葉緑素含量を示す値である。なお、SPAD値は、光学濃度差測定方式の葉緑素計(SPAD−502:ミノルタ製)で測定した。
図3に、被害度の結果を示す。
24時間日長で水素水を添加しなかった通常培養液区では、被害度は74であった。一方、24時間日長で水素水を添加した水素水処理区では被害度が13と低かった。培養液への水素水添加によって、クロロシスの発生が軽減されたことがわかる。
また、図4に測定したSPAD値を示す。
24時間日長で処理した区のSPAD値は、通常培養液区では30であった。一方、水素水処理区におけるSPAD値は70であった。被害度が低かった水素水処理区においてSPAD値が高いことから、水素水添加によりクロロシスの発生が抑制されたものと考えられる。
なお、被害度が0であった対照区よりも、被害度が13の水素水処理区の方が高いSPAD値を示したことについては、24時間日長の照明によって、12時間日長の照明よりも、ナスの葉が肉厚になったことが関与していると考えられる。すなわち、水素水処理区では光の照射時間が長いことで、ナスの生育が促進されていると考えられる。
続いて、植物の根から水素水を吸収させ、水素水に含まれる水素ガスが植物体内へ吸収されているか否かを検証した。
養液栽培を行っているレタス(品種:メルボルンMT)(地上部全長15cm)を用いた。そして、実施例2と同様の方法で、培養液中の水素濃度を1,600μg/Lに調整した状態で24時間栽培した。
レタスを用いたのは、培養液からの養水分吸収が導管を通じて吸収される点でナスと同じであること、そして、汁液が容易に得られることを考慮したためである。
地上部の生葉200gをニンニク搾り機で搾汁した。搾汁液20mlについて、水素分析計を用い、水素濃度を測定した。以下、水素水処理区と記す。なお、水素濃度の測定は、溶存水素計DHDI−1(東亜ディーケーケー株式会社製)を用いた。
なお、参考例として、水素水の添加を行わない以外、上記と同様にしてレタスを栽培した。そして、上記同様に、地上部の生葉200gを搾汁して水素濃度を測定した。以下、対照区と記す。
水素濃度測定結果を表1に示す。
Figure 0004621874

水素水を添加していない対照区のレタス葉の搾汁液中の水素濃度は1.3μg/Lであった。一方、水素水を添加した水素水処理区のレタス葉の搾汁液中の水素濃度は3.1μg/Lであった。このことから、水素水を添加した培養液を用いて栽培することで、培養液中の水素が根から吸収され、植物体内へ取り込まれていることがわかる。
ナスの光酸化障害の回避に有効な培養液中の水素濃度下限値を検討した。
実施例2と同様の方法で、培養液中の水素濃度を646μg/Lに調整した区(以下、水素水処理区と記す)と水素水を添加しない区(以下、対照区と記す)を設けた。それぞれの区において、20株ずつ第3葉期のナス(品種:千両二号)(各処理区20株)を24時間日長(光合成光量子束密度:362−420μmol/s・m)で栽培した。
2週間後に対照区に障害が発生した。対照区で障害が発生した時点を起点として、水素水処理区の培養液中の水素濃度を2日おきに段階的に低下させていった。各水素濃度で2日間栽培した後、葉のSPAD値を測定した。
調査葉は水素水処理区中から受光条件が同程度の7株を選び、各株中のマークした1葉の同一部位を継続的に測定した。そして、SPAD値の低下、及び、障害(クロロシス)の発生を目視により確認できた時点で試験を終了した。
なお、試験を開始する前に水素発生装置の水素発生量を調節することで、646〜44.2μg/Lまで培養液中の水素濃度を変化できることを培養ベッド部分の培養液の水素濃度を測定することで事前に確認した後、試験を開始した。
そして、2日おきに培養液中の水素濃度を352μg/L、255μg/L、139μg/L、79.5μg/L、44.2μg/Lと低下させた。
なお、44.2μg/Lよりも低い水素濃度については、水素発生装置の仕様上、それ以下の濃度に設定ができなかったため、別途蒸留水を加えていくことで徐々に培養液中の水素濃度を低下させて行った。そして、ナスに障害(クロロシス)が確認されたときの培養液中の水素濃度を実測した。
図5に培養液中の水素濃度とSPAD値の関係を示す。
培養液中の水素濃度が646μg/L〜79.5μg/Lでは、いずれもSPAD値が約30と変化なく、更に、障害(クロロシス)の発生を目視では確認できなかった。上記の光照射の条件下では、培養液中の水素濃度が79.5μg/Lであれば、ナスの葉緑体の分解を十分抑制でき、24時間日長でも栽培できることがわかる。
また、培養液中の水素濃度が44.2μg/Lでは、SPAD値が若干低下し、葉緑素が分解されたことが伺えるが、視認できるほどの障害(クロロシス)は発生していなかった。
その後、段階的に水素発生装置の水素発生量を減少させて、培養液中の水素濃度を低下させていくと、SPAD値が半分以下に低下し、視認できる障害(クロロシス)が発生した。このときの培養液中の水素濃度を測定すると2μg/Lであった。したがって、上記の光照射の条件下では、培養液中の水素濃度が2μg/Lより高濃度であれば、ナスの栽培が可能であることがわかった。
太陽光と同じ光強度でトマトを栽培し、強い光を照射した場合でも水素水を添加することでトマトの光酸化障害が緩和されるか否か検証した。
まず、12時間日長(光合成光量子束密度:362−420μmol/s・m)でトマトを水耕栽培で15葉まで栽培した。キセノンランプ搭載耐候試験機に15葉まで水耕栽培したトマトを、水素水を培養液に添加した区(以下、水素水処理区と記す)と水素水を添加していない区(以下、対照区と記す)にそれぞれ一株の第8葉〜第11葉を光源ランプから等距離になるようにセットし光合成光量子束密度:1,630μmol/s・mの光を照射した。そして、クロロフィルの蛍光強度をクロロフィル蛍光測定装置(OS−30p:オプティサイエンス製)で測定した。
光照射前、光照射1時間後、2時間後、3時間後について、第8葉〜第11葉の光化学系IIが吸収した光量子あたりの電子伝達量(Yield;φII=(Fm,−Ft)/Fm,)の変化を測定した。
ここでFtは光化学系が定常状態のときに、一定強度の光を照射した場合の蛍光強度を表す。Fmは更に閃光を照射し、光化学系IIのプラストキノンQAを瞬間的に全て還元したときの蛍光強度を表す。
水素水処理区 :水素濃度537μg/L,酸素濃度6.6ppm
対照区 :酸素濃度7.6ppm
試験容器内温度:25℃
図6に光照射時間とYieldとの関係を示す。
水素水処理区及び対照区とも光照射前のYieldはともに0.81であった。
光照射後1時間時点でのYieldは水素水処理区で0.71であった。一方、対照区で0.55であった。水素水処理区におけるYieldが対照区よりも高いことから、水素水処理区のトマトの葉は対照区のトマトの葉よりも、光利用効率が高い光合成を行っていることから、水素水が光酸化障害を抑制したことがわかる。
1 植物の光酸化障害を回避させる装置
11 水素ガス発生装置
12 水素ガス溶解装置
13 水溶液供給ライン
14 栽培ベッド
15 水溶液回収ライン
16 水素濃度測定装置
17 制御装置

Claims (6)

  1. 水素ガスを溶存させ2μg/Lよりも高い水素濃度の水溶液を植物の根から吸収させ、前記植物体内へ前記水素ガスを取り込ませ前記植物体内の葉緑体を保護しながら栽培することを特徴とする植物の光酸化障害を回避させる方法。
  2. 水素濃度が44.2μg/L以上の前記水溶液を用いることを特徴とする請求項1に記載の植物の光酸化障害を回避させる方法。
  3. 被子植物を栽培することを特徴とする請求項1又は2に記載の植物の光酸化障害を回避させる方法。
  4. 液肥栽培で行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の植物の光酸化障害を回避させる方法。
  5. 酸素ガスを溶存させた前記水溶液を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の植物の光酸化障害を回避させる方法。
  6. 水素ガスを発生させる水素ガス発生装置と、
    水素ガスが溶存された水溶液を製造する水素ガス溶解装置と、
    前記水溶液が充填され、植物が栽培される栽培ベッドと、
    前記水素ガス溶解装置から前記栽培ベッドへ前記水溶液を供給する水溶液供給ラインと、
    前記栽培ベッドから前記水素ガス溶解装置へ前記水溶液を回収する水溶液回収ラインと、
    前記栽培ベッド内の前記水溶液の水素濃度を測定する水素濃度測定装置と、
    前記水素濃度測定装置で測定された水素濃度に基づいて、前記水素ガス溶解装置で製造される前記水溶液の水素濃度を調節する制御装置と、を備え、
    前記栽培ベッド内の前記水溶液の水素濃度を2μg/Lよりも高い濃度に維持
    前記栽培ベッドで栽培される植物の根から前記水溶液を吸収させ、前記植物体内へ水素ガスを取り込ませ前記植物体内の葉緑体を保護しながら栽培する、
    ことを特徴とする植物の光酸化障害を回避させる装置。
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