JP4620261B2 - 高次の非線形成分による超音波撮像 - Google Patents
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Description
【発明の分野】
本発明は一般的には、医療診断の目的での人体の解剖学的構造の超音波撮像に関する。より具体的には、本発明は高調波撮像(ハーモニック・イメージング)のための方法及び装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
従来の超音波スキャナは、ピクセルの輝度がエコー反射の強度に基づいているような組織の2次元Bモード画像を形成する。エコー反射信号は、基本信号成分と高調波信号成分との組み合わせとなっており、前者の成分は送信されたパルスの直接のエコーであり、後者の成分は有限振幅の超音波伝播によって組織等の非線形媒体において発生されている。
【0003】
近年までは、医用超音波は線形の撮像過程であると考えられていた。波動の伝播経路に沿った高調波信号の発生は障害であると捉えられていた。高調波信号の作用は、音波のパワー測定に困難を生じ、異常なエネルギ吸収パターンを生成することに限定されていた。しかしながら、最近になって、組織の高調波撮像は、他の方法では困難な撮像状況において画質を高め得る能力のため大きな関心を呼んでいる。しばしば、トランスデューサと皮下層との間を往復する低振幅低周波数の波動から生ずるクラッタによって画像が見づらくなる。これらのクラッタ成分は相対的に高次の高調波を生じない(少なくとも有意の水準までは)ので、基本周波数がフィルタ除去されるとクラッタ成分は画像に現われなくなる。
【0004】
組織の高調波撮像を行なう一つの公知の具現化形態では、帯域通過フィルタを用いて基本周波数から第2高調波を分離する。送信信号がf0 を中心とすると仮定すると、受信フィルタは2f0 を中心とする。この方法は、画質を高めるが、具現化上の重大な困難を伴う。受信フィルタのレンジ内に有意の(線形)信号成分を発生しないような送信波形を設計するためには格別の注意を払わなければならない。この設計要件には、マルチレベル・パルサを用いると実効的に対処することができる。第2高調波撮像での最大の問題点は、帯域幅要件である。送信信号が周波数f0 を帯域幅B(すなわちf0 ±B/2)で有すると仮定すると、周波数レンジ2f0 ±Bをカバーする受信フィルタが必要になる。従って、イメージング・システムはf0 −B/2から2f0 +Bまでの通過帯域を設けなければならない。殆どの超音波トランスデューサはこの帯域幅をサポートすることが可能でないので、大きな損失が生ずる。送信帯域を相対的に低い遮断領域へシフトさせると、結果として送信効率が低下する。パルサのエネルギの殆どが熱エネルギへ変換されて、達成可能な音波出力エネルギがトランスデューサの加熱によって制限される。同様に、受信フィルタを相対的に高い遮断領域へシフトさせると、結果として感度が低下する。加えて、反射した第2高調波エコーは、周波数依存性の減衰のため相対的に高い減衰を蒙る。これらの影響が組み合わさって、第2高調波撮像の感度が低下する。
【0005】
第2高調波に漏れる送信エネルギに関連する問題点を回避するために、反対の極性を有する2つのパルスを各々の超音波線毎に送信して、結果として生ずるエコー信号を加算する超音波撮像の方法が考案されている。極性が反対であるため、線形の信号成分は相殺するが、第2高調波信号成分は加算される。このようにして、周波数フィルタを用いずに第2高調波信号と基本信号成分とを分離することができる。しかしながら、第2高調波信号成分は相対的に高い周波数レンジで生ずるので、帯域幅要件は同じままである。同様に、やはり2つの送信パルスを用いる他の方法に、異なる振幅を有する2つの送信パルスを送るものがある。基本信号成分を相殺するために、エコー信号は加重されて減算される。
【0006】
【発明の概要】
診断用超音波撮像において、異なる組織の種別を明瞭に差別化することが可能な態様でパラメトリック高調波撮像が行なわれる。この方法はまた、向上した信号対雑音比(SNR)を有する画像を形成すると共に、イメージング・システムに対して比較的厳しくない帯域幅要件を課す。好適実施例によれば、2次よりも高次の非線形信号成分、好ましくは3次の非線形信号成分が用いられる。奇数次の非線形成分は基本周波数において混成積を生ずるので、これらの成分の受信は、従来の(線形)撮像よりも広い帯域幅を要求することがない。
【0007】
好適実施例によれば、1つの超音波線が異なるレベルの送信電圧において取得される。取得は、同一のビーム形成パラメータを用いるが励起レベルを変化させながらI回にわたって繰り返される。ここで用いられる場合には、「励起レベル」という術語は、励起振幅及び/又は励起位相を意味する。送信された波形の全てが非線形的に歪むが、歪みの程度は励起レベルに依存する。これにより、受信されたエコー信号を適正に結合することにより個々の非線形信号成分を抽出することが可能になる。
【0008】
本発明の好適実施例によれば、予備算出された推定行列がコンピュータ・メモリに記憶され、該推定行列を用いて関心のある非線形信号成分を算出する。予備算出される推定行列は、推定モデルの次数及び励起レベルに依存する。実時間計算は、受信されるエコー信号の線形結合までに簡略化される。n次の非線形信号成分にのみ関心がある場合には、計算負荷の更なる軽減を達成することができる。この場合には、推定行列の第n行を評価するだけでよい。
【0009】
超音波画像の単一の表示ベクトルを形成するためには、異なる励起レベルを有するI個のパルスpi(t) [ここで、i=1,2,....,I]が相次いで送信されて、各回の送信後の反射エコーがビーム形成されて記憶される。ビーム形成された送信ベクトルに沿った各々の時刻tについて、対応するデータ・ベクトルs(t)=[s1(t),s2(t),...,sI(t)]が形成されて、予備算出されている推定行列に乗算されて、推定された非線形応答パラメータを得る。次いで、各々の関心のある非線形成分について推定されたパラメータがそれぞれの包絡線検波器へ送られる。
【0010】
最も単純な例では、表示されるベクトルは、単一の推定された非線形応答パラメータ、例えば、3次の非線形応答パラメータの関数となる。代替的には、表示されるベクトルは、推定された非線形応答パラメータのうち2つ又はこれよりも多いパラメータの関数となる。本発明の好適実施例によれば、推定された非線形応答パラメータが画像表示のために結合され、この結合は、2つの非線形応答パラメータの比を形成するか、2つ若しくはこれよりも多い推定された非線形応答パラメータの任意の線形関数若しくは非線形関数を形成するか、又は非線形応答パラメータに加重した後に、所定の振幅順位を有する加重付きパラメータを用いるかのいずれかにより行なわれる。また、非線形応答パラメータの複数の異なる関数を用いて各々のピクセルの色及び強度を変調させたカラー画像を利用してもよい。
【0011】
【好適実施形態の詳細な説明】
図1には、典型的な従来のディジタル式実時間超音波イメージング・システムが全体的に示されている。この超音波イメージング・システムは、別個に駆動される複数のトランスデューサ素子12を有するトランスデューサ・アレイ10を含んでおり、トランスデューサ素子12の各々が、送信器14によって発生されるパルス波形によってエネルギを与えられると超音波エネルギのバーストを発生する。被検体から反射されてトランスデューサ・アレイ10に帰投した超音波エネルギは、受信を行なう各々のトランスデューサ素子12によって電気信号へ変換されて、一組の送受信(T/R)スイッチ18を介して受信器16に別個に印加される。送信器14及び受信器16は、操作者による命令(コマンド)に応答するホスト・コンピュータ20の制御下で動作する。ホスト・コンピュータ20は、中央処理ユニットと付設されているメモリとを含んでいる。完全な1回の走査は一連のエコーを取得することにより実行され、このときには、送信器14が瞬間的にONにゲート制御されて各々のトランスデューサ素子12にエネルギを与え、各々のトランスデューサ素子12によって発生された後続のエコー信号が受信器16に印加される。1つのチャネルは、他のチャネルがまだ送信している間に受信を開始してもよい。受信器16は、各々のトランスデューサ素子からの別個のエコー信号を合計して単一のエコー信号を発生し、この単一のエコー信号を用いて表示サブシステム22のモニタ上で画像の1つの線を形成する。
【0012】
各々のトランスデューサ素子によって送信される基本波形は、送信系列メモリ26に記憶されているディジタルの送信系列によって決定される。送信アパーチャ内に位置する各々のトランスデューサ素子12は、それぞれのバイポーラ・パルサ24が送信系列メモリ26から当該パルサへ供給されるそれぞれの送信系列に応答して発生するパルス波形によってパルス駆動される。各々の送信系列の「+1」及び「−1」の要素はバイポーラ・パルサ24によって反対の位相を有するパルスへ変換される一方、「0」の要素は無パルスに対応する。励起パルス波形の位相は送信系列によって決定される。
【0013】
ホスト・コンピュータ20の指令下で、送信器14は、超音波エネルギが指向性集束ビームとして送信されるようにトランスデューサ・アレイ10を駆動する。集束を達成するために、送信集束遅延サブシステム28によってバイポーラ・パルサ24に対してそれぞれの時間遅延が付与される一方で、それぞれのパルス振幅は送信レベル制御サブシステム30によって設定される。ホスト・コンピュータ20は、音波パルスが送信される際の条件を決定する。この情報によって、送信集束遅延及び送信レベル制御は、パルサ24によって発生されるべき送信パルスの各々についてのタイミング及び振幅をそれぞれ決定する。パルサ24は続いて、トランスデューサ・アレイ10の素子12の各々に対してT/Rスイッチ18を介して送信パルスを送る。送信集束時間遅延を従来の態様で適当に調節することにより、超音波ビームを送信焦点位置に指向させ集束させることができる。本発明の好適実施例によれば、同じ送信系列及び同じ送信集束時間遅延を用いるが、異なる送信励起レベルを用いて、2つ又はこれよりも多いビームを各々の送信焦点位置に集束させる。
【0014】
超音波エネルギの各々のバーストによって発生されるエコー信号は、各々の超音波ビームに沿って連続したレンジ(距離)に位置する物体から反射している。反射点と各々のトランスデューサ素子との間の伝播経路に差があるので、エコー信号は同時には検出されず、また、エコー信号の振幅は等しくならない。各回の送信毎に、トランスデューサ素子12からのエコー信号は受信器のそれぞれの受信チャネル32へ供給される。ホスト・コンピュータ20の指令下で、受信器は送信されたビームの方向を追跡する。受信器内のサブシステム34が、受け取ったエコー信号に対して適正な受信集束時間遅延34を付与する。時間遅延を付与された受信信号は、各回の送信ファイアリング毎に受信ビーム加算器36において加算されて、超音波ビームに沿った特定のレンジに位置する点から反射した全超音波エネルギを正確に指示するエコー信号を形成する。受信チャネルはまた、受信されたパルスをフィルタ処理するためのサーキットリを有している。
【0015】
従来のシステムにおいては、ビーム加算された受信信号は帯域通過フィルタ処理された後に、信号プロセッサ又は検波器38へ供給され得る。帯域通過フィルタ(図示されていない)は、所望の信号成分を通過させる。検波器38は、帯域通過フィルタ処理後の受信信号を表示データへ変換する。Bモード(グレイ・スケール)では、帯域通過フィルタ処理後の受信信号は、エッジ強調及び対数圧縮のような何らかの追加処理を施した信号の包絡線となっている。スキャン・コンバータ40が、検波器38から表示データを受け取って、このデータを表示に望ましい画像へ変換する。具体的には、スキャン・コンバータ40は、音波画像データを極座標(R−θ)のセクタ型フォーマット又はデカルト座標のリニア型フォーマットから、適当にスケーリングされたビデオ・レートのデカルト座標の表示ピクセル・データへ変換する。次いで、これらの走査変換(スキャン・コンバート)された音波データは、表示サブシステム22に組み込まれているビデオ・プロセッサによって処理されて、表示システムのモニタ上での表示用に形成され、これにより、信号の包絡線の時間変化する振幅をグレイ・スケールとして画像化する。
【0016】
本発明の好適実施例によれば、図1に示す検波器38が、図2に示す形式の信号処理回路によって置き換えられる。加えて、ホスト・コンピュータ20は、イメージング・システムの各構成要素を制御してマルチ送信式パラメトリック高調波撮像を行なうようにプログラムされる。
【0017】
好適実施例の動作について述べると、1つの超音波線が様々な励起レベルにおいて取得される。取得は、同一のビーム形成パラメータを用いるが励起レベルを変化させながらI回にわたて繰り返される。送信された波形の全てが非線形的に歪むが、歪みの程度は励起レベルに依存する。次いで、受信されたエコー信号を適正に結合することにより、所望の非線形信号成分が抽出される。
【0018】
パルスの歪みは、次の形態のテイラー級数によって記述することができる。
【0019】
【数1】
【0020】
ここで、f(p)は反射したエコー信号であり、pは送信された波形である。線形の形態では、a1 を除く全ての係数がゼロとなる。
【0021】
好適実施例によれば、I回の送信を用いてN個のパラメータan (ここで、n=1,2,....,N)を推定する。I個の送信されるパルスは次の式によって与えられる。
【0022】
pi(t)=bi p0(t) (2)ここで、i=1,2,....,Iであり、bi はI個の一意の複素数であり、bi の振幅及び位相は励起波形の振幅及び位相をそれぞれ画定しており、p0(t) はパルス・テンプレート(すなわち基本パルス)である。p0(t) の具体的な形状は本発明の方法には関係しないが、本発明の方法の動作をロバストにするためには係数bi の適正な選択が必要となる。
【0023】
点目標から受信されたエコー信号は、次の式としてモデル化することができる。
【0024】
【数2】
【0025】
ここで、i=1,2,....,Iであり、Nはモデルの次数であり、εi(t) は雑音である。雑音項は熱雑音を含んでいると共に、式(3)には含まれていない高調波応答信号、すなわち、
【0026】
【数3】
【0027】
をも含んでいる。すると、式(3)を行列の表記法で次のように書くことができる。
【0028】
【数4】
【0029】
BはI個の励起レベルに対応してI行、及び非線形モデルの次数を示すN列を有する。
【0030】
本発明の好適実施例によれば、個々の成分an p0 n(t)が推定される。一般的には、未知量an p0 n(t)を既知の量B及びs(t)によって得るために、式(4)を逆行列へ変換することができる。このことを達成する一つの方法は最小自乗法又は最小ノルム法を用いるものである。an p0 n(t)の推定値をxn (t)と定義すると、N>1であるならば、
x(t)=BT(BBT)-1 s(t) (5)
によって与えられる最小ノルム解を用いることができる。他の場合には、
x(t)=(BT B)-1 BT s(t) (6)
によって与えられる最小自乗解を用いてもよい。
【0031】
式(5)及び(6)は、測定値(受信されたエコー信号)s(t)を推定される非線形成分へ写像する。一般的には、推定をよりロバストにするためには、少なくとも未知数と同じだけ多数回の送信(I≧N)が用いられる。推定行列(式(5)のBT(BBT)-1又は式(6)の(BT B)-1BT )は予め算出されてコンピュータ・メモリに記憶されており、また、推定行列は推定モデルの次数及び励起レベルに依存する。実時間計算は、受信されるエコー信号s(t)の線形結合までに簡略化される。n次の非線形信号成分にのみ関心がある場合には、計算負荷の更なる軽減を達成することができる。この場合には、第n行を評価するだけでよい。
【0032】
特に関心のあるのがN=3の場合であり、すなわち3次の非線形成分を抽出する場合である。奇数次数の非線形成分は、これらの成分の混成積のうち1つが送信中心周波数f0 を中心とするという特性を有する。トランスデューサの送信帯域の中心になるようにf0 を選択し、次いで、やはりf0 において3次の混成積のうち1つを受け取ることができる。この混成積の帯域幅は送信帯域幅の3倍の広さがあるが、(第2高調波撮像の場合のような)f0 の倍数における成分よりも遥かに容易に受信することができる。
【0033】
この特性のため、非線形撮像は、極端に広いトランスデューサ帯域幅の必要性なくして達成される。有利なこととして、f0 において受信される信号は、第2高調波撮像で問題となっているような周波数依存性の減衰の増大を蒙らない。従って、トランスデューサ遮断周波数の変化に対するロバスト性を高めると共に、相対的に高い撮像感度を達成することができる。
【0034】
信号処理サブシステムの形態での本発明の好適実施例を図2に全体的に示す。図2の信号処理サブシステムは、図1に示す超音波イメージング・システム内の検波器38の代わりに設置され得る。各回の送信についてのビーム加算された受信信号は、ホスト・コンピュータの制御下で動作するマルチプレクサ42へ供給される。第1の励起レベルでの第1回の送信から生ずる第1のビーム加算された受信信号s1(t) は、ホスト・コンピュータによって第1のマルチプレクサ状態に設定されているマルチプレクサ42によって第1の線メモリ44に入るように切り換えられる。第2の励起レベルでの第2回の送信から生ずる第2のビーム加算された受信信号s2(t) は、ホスト・コンピュータによって第2のマルチプレクサ状態に設定されているマルチプレクサ42によって第2の線メモリ46に入るように切り換えられる。この過程がI回の送信の各回毎に繰り返されて、第Iのビーム加算された受信信号sI(t) が第Iの線メモリ48に記憶される。パルス波形の励起レベルを送信から送信にかけて変化させて、2回の送信の両方ともが同じ励起レベルを有することがないようにする。I個の受信信号s1 (t)乃至sI(t) の全てが取得されて記憶された後に、これらの受信信号は予め算出されている推定行列に乗算される。推定行列の加重係数は図2の文字dniによって表わされており、ここで、下付き文字のnは行列の行を示しており、下付き文字のiは行列の列を示している。加重係数dniはコンピュータ・メモリに記憶されており、ホスト・コンピュータによって乗算器列50へ供給される。各々の受信信号が、推定行列のそれぞれの行の加重係数に乗算されて、N個の積を形成し、次いで、これらの積はそれぞれの加算器へ送られる。単純化のために、図2は第1の加算器52及び第Nの加算器54のみを示している。各々の加算器がI個から成る1組の積を加算する。例えば、i=3及びn=2である場合には、加算器52は和d11s1(t)+d12s2(t)+d13s3(t) を生成する一方、加算器54は和d21s1(t)+d22s2(t)+d23s3(t) を生成する。各々の加算器の出力信号はそれぞれの検波器(例えば、包絡線検波器)へ送られる。単純化のために、図2は第1の検波器56及び第Nの検波器58のみを示している。推定行列の好適実施例によれば、各々の検波器がそれぞれの検波された信号を発生し、各々の検波された信号のうちのかなりの部分がそれぞれの非線形信号成分を含んでいる。撮像に1つの非線形信号成分(例えば、3次の非線形成分)のみを用いることにするのであれば、1つの検波器しか必要でない。2つ又はこれよりも多い非線形信号成分を結合することにするのであれば、同等の数の検波器が必要になる。前者の例では、検波器の出力信号はスキャン・コンバータへ直接送られる。後者の例では、検波器の出力信号は信号結合回路60において結合されて、次いで、従来の態様で走査変換され、ビデオ処理されて表示される。
【0035】
図3に示す本発明の一つの好適実施例によれば、信号結合回路はN個の乗算器から成る列で構成されており、各々の乗算器が、N個の検波器のうちそれぞれの1つの検波器の出力信号と、ホスト・コンピュータによって供給されるそれぞれの加重係数wn とを受け取る。ここでも、単純化のために、図面には第1の乗算器62及び第Nの乗算器64のみを示している。乗算器のそれぞれの積は加算器66によって加算されて、加算器の出力信号がスキャン・コンバータへ送られる。推定行列の加重係数dni及び信号結合回路60によって適用される加重係数wn は、相対的に高次の非線形撮像を達成するように、すなわち次数が3又はこれよりも大きい少なくとも1つの非線形信号成分を用いるように、選択されることを理解されたい。
【0036】
信号結合回路の更なる好適実施例を図4に示す。この実施例では、乗算器の出力信号は順位フィルタ68へ供給され、順位フィルタ68は、任意の所与の瞬間において、順位Kの振幅を有する乗算器の出力信号のみを通過させる。尚、Kの値はホスト・コンピュータによって順位フィルタ68へ供給される。例えば、K=1であるならば、最大の振幅を有する乗算器の出力信号が任意の所与の瞬間にスキャン・コンバータへ通される。このようにして、表示画像内の所与の線を、例えば、線形信号成分及び3次の非線形信号成分、又は2次の非線形信号成分及び3次の非線形信号成分等のように、異なる次数を有する信号成分に基づく受信ベクトルのセグメントで構成することができる。順位フィルタ処理は、スペックルを減少させるために用いることができる。代替的には、任意の所与の瞬間に中位の振幅を有する乗算器出力信号を通過させるようにKを選択する、すなわちK>1とすることもできる。中位の振幅を有する信号は、最大振幅を有する信号を採用することを回避すべきである場合、例えば、最大振幅の信号が信号成分誤差又は干渉の結果である可能性がある場合に採用することができる。
【0037】
図面には示していないが、N個の乗算器の出力信号の比を形成するように信号結合回路を設計してもよく、この比は加算器66又は順位フィルタ68の代わりに比計算回路を用いることにより信号結合回路内で発生されることを理解されたい。
【0038】
ここに開示されたパラメトリック高調波撮像法は、無線周波数信号又はベースバンド信号に適用することができる。後者の場合には、受信ビームフォーマによって発生される無線周波数信号は、復調器によって同相及び直角位相の(I/Q)信号成分へ復調される。次いで、復調器によって発生されたI/Q信号成分が、図2に示す形式のそれぞれの処理サブシステムへ供給される。
【0039】
開示されている動作の方法は、医用超音波撮像に適用可能であり、従来の(線形)撮像に比べて高められた画質及び減少したクラッタ擾乱を提供する。この具現化形態は、従来提案されてきたシステムよりもかなり狭いシステム帯域幅しか要求しない。これにより、経費を低減し得ると共に撮像方法の動作をよりロバストにすることができる。重要なこととして、本発明は、従来のアプローチでは対処しなければならない設計上のトレード・オフを完全に回避するので、超音波システムのその他の側面(例えば、ドプラ感度)が代償にされることがない。
【0040】
本発明の幾つかの好ましい特徴についてのみ図解すると共に記述したが、当業者には多くの改変及び変形が想到されよう。例えば、本発明の方法は、第1回乃至第I回の送信ファイアリングのいずれも同じ励起レベルを有していないが、第(I+1)回の送信ファイアリングが第1回乃至第I回の送信ファイアリングのうち1つと同じ励起レベルを有しているような(I+1)回のファイアリングを送信することを包含している。従って、特許請求の範囲は、本発明の主旨に含まれるような全ての改変及び変形を網羅することを意図しているものと理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 典型的なディジタル超音波イメージング・システムのブロック図である。
【図2】 本発明の好適実施例による受信信号処理サブシステムのブロック図である。
【図3】 本発明の一つの好適実施例による信号結合回路のブロック図である。
【図4】 本発明のもう一つの好適実施例による信号結合回路のブロック図である。
【符号の説明】
10 トランスデューサ・アレイ
12 トランスデューサ素子
Claims (27)
- 物体を撮像する方法であって、
第1回乃至第I回の送信ファイアリング時に1つの送信焦点位置に集束した波動エネルギを送信する工程であって、ここでI>1であり、前記第1回乃至第I回の送信ファイアリングのいずれも同じ励起レベルを有していない送信工程と、
前記第1回乃至第I回の送信ファイアリングにおいて送信され前記物体から帰投した波動エネルギを変換して、第1乃至第Iの組の受信信号をそれぞれ形成する変換工程と、
前記第1乃至第Iの組の受信信号をビーム形成して、受信走査線に沿って取得された音波データを含んでいる第1乃至第Iの受信ベクトルをそれぞれ形成するビーム形成工程と、
前記第1乃至第Iの受信ベクトルに対してそれぞれ第1乃至第Iの推定加重係数を適用して、第1乃至第Iの加重された受信ベクトルをそれぞれ形成する加重工程であって、前記第1乃至第Iの推定加重係数は、前記第1乃至第Iの加重された受信ベクトルが加算されたときに第1の信号成分を強調するように選択されており、該第1の信号成分は3又はこれよりも大きい次数の非線形信号成分である、加重工程と、
前記第1乃至第Iの加重された受信ベクトルを加算して、前記第1の信号成分を含んでいる第1の加算された受信ベクトルを形成する加算工程と、
前記第1の加算された受信ベクトルを処理して、前記第1の加算された受信ベクトルの関数として画像表示データを形成する処理工程と、
前記画像表示データを表示する工程と、
を含んでいる方法。 - 前記処理工程は、前記第1の加算された受信ベクトルを検波する工程を含んでいる請求項1に記載の方法。
- 前記第1乃至第Iの受信ベクトルに対して第(I+1)乃至第2Iの推定加重係数をそれぞれ適用して、第(I+1)乃至第2Iの加重された受信ベクトルをそれぞれ形成する加重工程であって、前記第(I+1)乃至第2Iの推定加重係数は、前記第(I+1)乃至第2Iの加重された受信ベクトルが加算されたときに第2の信号成分を強調するように選択されており、該第2の信号成分は前記第1の信号成分の前記次数と異なる次数を有する加重工程と、
前記第(I+1)乃至第2Iの加重された受信ベクトルを加算して、前記第2の信号成分を含んでいる第2の加算された受信ベクトルを形成する加算工程と、を更に含んでおり、
前記処理工程は、第1及び第2の検波された受信信号をそれぞれ形成するように、前記第1及び第2の加算された受信ベクトルを検波する工程と、少なくとも前記第1及び第2の検波された受信信号を結合して、結合された受信信号を形成する結合工程とを含んでおり、
前記画像表示データは前記結合された受信信号の関数である請求項1に記載の方法。 - 前記結合工程は、
前記第1及び第2の検波された受信信号に対して第1及び第2の信号結合加重係数をそれぞれ適用して、第1及び第2の加重された受信信号を形成する工程と、
前記第1及び第2の加重された受信信号を加算する工程と、
を含んでいる請求項3に記載の方法。 - 前記結合工程は、
前記第1及び第2の検波された受信信号に対して第1及び第2の信号結合加重係数をそれぞれ適用して、第1及び第2の加重された受信信号を形成する工程と、
前記結合された受信信号を形成するように、前記第1及び第2の加重された受信信号の比を算出する工程と、
を含んでいる請求項3に記載の方法。 - 前記結合工程は、
前記第1及び第2の検波された受信信号に対して第1及び第2の信号結合加重係数をそれぞれ適用して、第1及び第2の加重された受信信号を形成する工程と、
前記結合された受信信号を形成するように、前記第1及び第2の加重された受信信号を順位フィルタ処理する工程と、
を含んでいる請求項3に記載の方法。 - 前記波動エネルギは超音波エネルギで構成されている請求項1に記載の方法。
- 電気的起動に応答して波動エネルギを送信し且つ帰投した波動エネルギを電気信号へ変換するために多数のトランスデューサ素子を含んでいるトランスデューサ・アレイと、
該トランスデューサ・アレイに結合されていて、第1回乃至第I回の送信ファイアリング時に1つの送信焦点位置に集束した波動エネルギを送信するために複数の前記トランスデューサ素子を起動するようにプログラムされている送信器であって、ここでI>1であり、前記第1回乃至第I回の送信ファイアリングのいずれも同じ励起レベルを有していない、送信器と、
前記第1回乃至第I回の送信ファイアリングにそれぞれ続いて前記トランスデューサ・アレイにより出力される受信信号の第1乃至第Iの組をビーム形成して、受信走査線に沿って取得された音波データを含んでいる第1乃至第Iの受信ベクトルを形成するようにプログラムされている受信器と、
前記第1乃至第Iの受信ベクトルに対して第1乃至第Iの推定加重係数をそれぞれ適用して、第1乃至第Iの加重された受信ベクトルをそれぞれ形成する加重手段であって、前記第1乃至第Iの加重係数は、前記第1乃至第Iの加重された受信ベクトルが加算されたときに第1の信号成分を強調するように選択されており、該第1の信号成分は3又はこれよりも大きい次数の非線形信号成分である、加重手段と、
前記第1乃至第Iの加重された受信ベクトルを加算して、前記第1の信号成分を含んでいる第1の加算された受信ベクトルを形成する第1の加算器と、
前記第1の加算された受信ベクトルを処理して、前記第1の加算された受信ベクトルの関数として画像表示データを形成する処理サブシステムと、
前記表示画像データを表示する表示サブシステムと、
を備えているイメージング・システム。 - 前記処理サブシステムは、前記第1の加算された受信ベクトルを検波する検波器を含んでいる請求項8に記載のシステム。
- 前記第1乃至第Iの受信ベクトルに対して第(I+1)乃至第2Iの推定加重係数をそれぞれ適用して、第(I+1)乃至第2Iの加重された受信ベクトルをそれぞれ形成する加重手段であって、前記第(I+1)乃至第2Iの推定加重係数は、前記第(I+1)乃至第2Iの加重された受信ベクトルが加算されたときに第2の信号成分を強調するように選択されており、該第2の信号成分は前記第1の信号成分の前記次数と異なる次数を有する、加重手段と、
前記第(I+1)乃至第2Iの加重された受信ベクトルを加算して、前記第2の信号成分を含んでいる第2の加算された受信ベクトルを形成する第2の加算器とを更に含んでおり、
前記処理サブシステムは、前記第1及び第2の加算された受信ベクトルを検波して、第1及び第2の検波された受信ベクトルをそれぞれ形成する検波器と、少なくとも前記第1及び第2の検波された受信信号を結合して、結合された受信信号を形成する信号結合器とを含んでおり、
前記画像表示データは前記結合された受信信号の関数である請求項8に記載のシステム。 - 前記信号結合器は、
前記第1及び第2の検波された受信信号に対して第1及び第2の信号結合加重係数をそれぞれ適用して、第1及び第2の加重された受信信号を形成する加重手段と、
前記第1及び第2の加重された受信信号を加算する第3の加算器と、
を含んでいる請求項10に記載のシステム。 - 前記信号結合器は、
前記第1及び第2の検波された受信信号に対して第1及び第2の信号結合加重係数をそれぞれ適用して、第1及び第2の加重された受信信号を形成する加重手段と、
前記結合された受信信号を形成するように、前記第1及び第2の加重された受信信号の比を算出する比算出回路と、
を含んでいる請求項10に記載のシステム。 - 前記信号結合器は、
前記第1及び第2の検波された受信信号に対して第1及び第2の信号結合加重係数をそれぞれ適用して、第1及び第2の加重された受信信号を形成する加重手段と、
前記結合された受信信号を形成するように、前記第1及び第2の加重された受信信号を順位フィルタ処理する順位フィルタと、
を含んでいる請求項10に記載のシステム。 - 多数のトランスデューサ素子を含んでいて、電気的起動に応答して波動エネルギを送信すると共に、帰投した波動エネルギを電気信号へ変換するトランスデューサ・アレイと、
表示画像データを表示する表示モニタと、
以下の工程(1)乃至(6)を実行するようにプログラムされているコンピュータと、を備えたイメージング・システム。
(1)第1回乃至第I回の送信ファイアリング時に1つの送信焦点位置に集束した波動エネルギを送信するように前記アレイ内のトランスデューサ素子を起動する工程であって、ここでI>1であり、前記第1回乃至第I回の送信ファイアリングのいずれも同じ励起レベルを有していない、起動工程と、
(2)前記第1回乃至第I回の送信ファイアリングに続いて前記トランスデューサ・アレイにより発生された受信信号の第1乃至第Iの組をビーム形成して、受信走査線に沿って取得された音波データを含んでいる第1乃至第Iの受信ベクトルをそれぞれ形成する工程と、
(3)前記第1乃至第Iの受信ベクトルに対して第1乃至第Iの推定加重係数をそれぞれ適用して、第1乃至第Iの加重された受信ベクトルをそれぞれ形成する加重工程であって、前記第1乃至第Iの推定加重係数は、前記第1乃至第Iの加重された受信ベクトルが加算されたときに第1の信号成分を強調するように選択されており、該第1の信号成分は3又はこれよりも大きい次数の非線形信号成分である、加重工程と、
(4)前記第1乃至第Iの加重された受信ベクトルを加算して、前記第1の信号成分を含んでいる第1の加算された受信ベクトルを形成する加算工程と、
(5)前記第1の加算された受信ベクトルを処理して、前記第1の加算された受信ベクトルの関数である画像表示データを形成する処理工程と、
(6)前記画像表示データを前記表示モニタへ送る工程。 - 前記コンピュータは、
前記第1乃至第Iの受信ベクトルに対して第(I+1)乃至第2Iの推定加重係数をそれぞれ適用して、第(I+1)乃至第2Iの加重された受信ベクトルをそれぞれ形成する加重工程であって、前記第(I+1)乃至第2Iの推定加重係数は、前記第(I+1)乃至第2Iの加重された受信ベクトルが加算されたときに第2の信号成分を強調するように選択されており、該第2の信号成分は前記第1の信号成分の前記次数と異なる次数を有する、加重工程と、
前記第(I+1)乃至第2Iの加重された受信ベクトルを加算して、前記第2の信号成分を含んでいる第2の加算された受信ベクトルを形成する加算工程と、を実行するように更にプログラムされており、
前記処理工程は、第1及び第2の検波された受信信号をそれぞれ形成するように、前記第1及び第2の加算された受信ベクトルを検波する工程と、少なくとも前記第1及び第2の検波された受信信号とを結合して、結合された受信信号を形成する結合工程とを含んでおり、
前記画像表示データは前記結合された受信信号の関数である請求項14に記載のシステム。 - 前記結合工程は、
前記第1及び第2の検波された受信信号に対して第1及び第2の信号結合加重係数をそれぞれ適用して、第1及び第2の加重された受信信号を形成する工程と、
前記第1及び第2の加重された受信信号を加算する工程と、
を含んでいる請求項15に記載のシステム。 - 前記結合工程は、
前記第1及び第2の検波された受信信号に対して第1及び第2の信号結合加重係数をそれぞれ適用して、第1及び第2の加重された受信信号を形成する工程と、
前記結合された受信信号を形成するように、前記第1及び第2の加重された受信信号の比を算出する工程と、
を含んでいる請求項15に記載のシステム。 - 前記結合工程は、
前記第1及び第2の検波された受信信号に対して第1及び第2の信号結合加重係数をそれぞれ適用して、第1及び第2の加重された受信信号を形成する工程と、
前記結合された受信信号を形成するように、前記第1及び第2の加重された受信信号を順位フィルタ処理する工程と、
を含んでいる請求項15に記載のシステム。 - 多数のトランスデューサ素子を含んでいて、電気的起動に応答して波動エネルギを送信すると共に、帰投した波動エネルギを電気信号へ変換するトランスデューサ・アレイと、
表示画像データを表示する表示モニタと、
以下の工程(1)乃至(5)を実行するようにプログラムされているコンピュータと、を備えたイメージング・システム。
(1)第1回乃至第I回の送信ファイアリング時に1つの送信焦点位置に集束した波動エネルギを送信するように前記アレイ内のトランスデューサ素子を起動する起動工程であって、ここでI>1であり、前記第1回乃至第I回の送信ファイアリングのいずれも同じ励起レベルを有さない、起動工程と、
(2)前記第1回乃至第I回の送信ファイアリングに続いて前記トランスデューサ・アレイにより発生された受信信号の第1乃至第Iの組をビーム形成して、受信走査線に沿って取得された音波データを含んでいる第1乃至第Iの受信ベクトルをそれぞれ形成する工程と、
(3)前記第1乃至第Iの受信ベクトルに対して推定行列変換を適用して、推定された受信信号を形成する変換工程であって、該推定行列変換は、前記推定された受信信号内の非線形信号成分を強調するように選択されている1組の加重係数を含んでおり、前記非線形信号成分は3又はこれよりも大きい次数を有する、変換工程と、
(4)前記推定された受信信号を処理して、前記推定された受信ベクトルの関数として画像表示データを形成する処理工程と、
(5)前記画像表示データを前記表示モニタへ送る工程。 - 前記推定行列変換は、
x(t)=BT(BBT)-1 s(t)
により与えられる最小ノルム解から導出される請求項19に記載のシステム。 - 前記推定行列変換は、
x(t)=(BT B)-1 BT s(t)
により与えられる最小自乗解から導出される請求項19に記載のシステム。 - 多数のトランスデューサ素子を含んでいて、電気的起動に応答して波動エネルギを送信すると共に、帰投した波動エネルギを電気信号へ変換するトランスデューサ・アレイと、
表示画像データを表示する表示モニタと、
以下の工程(1)乃至(7)とを実行するようにプログラムされているコンピュータとを備えたイメージング・システム。
(1)第1回乃至第I回の送信ファイアリング時に1つの送信焦点位置に集束した波動エネルギを送信するように前記アレイ内のトランスデューサ素子を起動する工程であって、ここでI>1であり、前記第1回乃至第I回の送信ファイアリングのいずれも同じ励起レベルを有さない、起動工程と、
(2)前記第1回乃至第I回の送信ファイアリングに続いて前記トランスデューサ・アレイにより発生された受信信号の第1乃至第Iの組をビーム形成して、受信走査線に沿って取得された音波データを含んでいる第1乃至第Iの受信ベクトルをそれぞれ形成する工程と、
(3)第1乃至第Nの推定された受信信号を形成するように、前記第1乃至第Iの受信ベクトルに対して推定行列変換を適用して、第1乃至第Nの推定された受信信号を形成する変換工程であって、N>1であり、前記推定行列変換は、前記第1乃至第Nの推定された受信信号内の前記第1乃至第Nの信号成分をそれぞれ強調するように選択されている1組の加重係数を含んでおり、前記第1乃至第Nの信号成分のうち少なくとも1つの信号成分が3又はこれよりも大きい次数の非線形信号成分である、変換工程と、
(4)前記第1乃至第Nの推定された受信信号を検波して、第1乃至第Nの検波された受信信号を形成する工程と、
(5)前記第1乃至第Nの検波された受信信号を結合して、結合された受信信号を形成する結合工程と、
(6)前記結合された受信信号を処理して、前記結合された受信ベクトルの関数として画像表示データを形成する処理工程と、
(7)前記画像表示データを前記表示モニタへ送る工程。 - 前記推定行列変換は、
x(t)=BT(BBT)-1 s(t)
により与えられる最小ノルム解から導出される請求項22に記載のシステム。 - 前記推定行列変換は、
x(t)=(BT B)-1 BT s(t)
により与えられる最小自乗解から導出される請求項22に記載のシステム。 - 前記結合工程は、
前記第1乃至第Nの検波された受信信号に対して第1乃至第Nの信号結合加重係数をそれぞれ適用して、第1乃至第Nの加重された受信信号を形成する工程と、
前記第1乃至第Nの加重された受信信号を加算する工程と、
を含んでいる請求項22に記載のシステム。 - 前記結合工程は、
前記第1乃至第Nの検波された受信信号に対して第1乃至第Nの信号結合加重係数をそれぞれ適用して、第1乃至第Nの加重された受信信号を形成する工程と、
前記結合された受信信号を形成するように、前記第1乃至第Nの加重された受信信号のうちの1つの対の比を算出する工程と、
を含んでいる請求項22に記載のシステム。 - 前記結合工程は、
前記第1乃至第Nの検波された受信信号に対して第1乃至第Nの信号結合加重係数をそれぞれ適用して、第1乃至第Nの加重された受信信号を形成する工程と、
前記結合された受信信号を形成するように、前記第1乃至第Nの加重された受信信号を順位フィルタ処理する工程と、
を含んでいる請求項22に記載のシステム。
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