JP4618594B2 - スライドスイッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、住宅やオフィスに使用される建築用引き違いあるいは上げ下げサッシにおいて、このサッシを構成する障子の開閉に伴って、例えば障子を成すガラス板内に内装される結露防止用の熱線等の電気的負荷への電源との電気的導通を可能としてなるスイッチの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅やオフィスに使用される建築用引き違いあるいは上げ下げサッシにおいて、例えば引き違いサッシの障子を成すガラス板内に内装される結露防止用の熱線等の電気的負荷と電源との電気的導通を可能なようにするためにスイッチを設けようとする時には、主として障子の縦障子枠と枠体の縦枠体においてスイッチを構成する電極を互いに対向するように各々配置し、この障子の閉鎖によって障子の電極と枠体の電極とが当接し、電源と障子を成すガラス板内に内装された熱線等の電気的負荷との電気的導通を可能としてなるスイッチ、すなわち突き当て式スイッチとすることが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記住宅やオフィス等の窓で使用される例えば建築用引き違いサッシにおける、このサッシを構成する障子の開閉に伴って、例えば障子に内装する結露防止用の熱線等の電気的負荷との電気的導通を図る突き当て式スイッチにおいては、この建築用引き違いサッシを構成する障子を縦横障子枠と共に成すガラス板内に内装する熱線等の電気的負荷と電源との電気的導通を可能にするスイッチは、建築用引き違いサッシを構成する障子の閉鎖動作終了後に障子の電極と枠体の電極とが当接するものとなっているから、例えば障子を中途の位置まで摺動させて室内の空気の換気等を行うために開放した場合には、熱線等の電気的負荷と電源との電気的導通は図れず、障子を任意の位置にしたままで熱線等に通電を行って障子を成すガラス板表面に付着した結露の除去ができないものである。即ち、障子の摺動に合わせて建築用引き違いサッシを構成する障子を縦横障子枠と共に成すガラス板内に内装する熱線等の電気的負荷と電源との電気的導通を可能とするようなスイッチはなかった。特に、三枚建てや四枚建の障子にあっては、障子を閉鎖した状態においては枠体に当接しない障子が存在することから、突き当て式スイッチではその枠体に当接しない障子のガラス板内に内装された熱線等の電気的負荷への電気的導通は不可能であった。
【0004】
このため、建築用引き違いあるいは上げ下げサッシを構成する障子の開閉位置に関わらず、例えば障子を縦横障子枠と共に成すガラス板内に内装される結露防止用の熱線等の電気的負荷に対する電力の供給を行えるよう、電源との間で電気的導通が可能となるように、伸縮自在となるカールコードを使用して、常に電源と縦横障子枠と共に障子を成すガラス板内に内装される熱線等の電気的負荷との間で有線による電気的導通を図ろうとするものがあるが、反復する障子の開閉や室内外の気温差により伸縮自在となるように柔軟性に富むカールコード自体が劣化して硬化することから、反復する障子の開閉によるカールコードへの引張力により、最悪の場合には断線等の問題が生じる恐れがある。
【0005】
そこで、この発明は上記従来のものの有する問題を解決するものであり、建築用引き違いあるいは上げ下げサッシにおいて、障子の開閉位置に関わらず、安全にしかも任意の位置で、例えば障子を成すガラス板内に内装される結露防止用の熱線等の電気的負荷への電気的導通を確実に図れるようにするスライドスイッチを提供できるようにするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのために、建築物の開口部周縁に装着される縦枠体と横枠体からなる枠体と、この枠体内に条設されるレールに沿って摺動自在に保持され、熱線等の電気的負荷あるいは発電素子等を内装するガラス板と、このガラス板を四方から固持してなる縦障子枠と横障子枠からなる障子から構成される建築用引き違いあるいは上げ下げサッシにおいて、このサッシの障子の摺動方向に平行な枠体とそれに対向する障子枠のそれぞれ対向する位置に、障子の摺動に応じて当接自在となる電極からなり、該枠体のレールによって形成される凹部に挿嵌される断面コ字状の電極基板の内壁面に、障子の摺動する双方向側の端部に比して中央部が当該当接自在となる対向側の電極側へ向けて突出する曲面を有し、且つ、当該電極側方向に弾撥自在としてなる電極を設けてなる枠体側電極部材を有するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明の実施においては、スイッチを構成する電極が、障子の摺動方向に平行な枠体とそれに対向する障子枠のそれぞれ対向する位置において、障子の摺動に応じて当接自在となるよう設置されることから、その当接位置を任意に設定することで、障子の任意の開閉位置においてガラス板内に内装される例えば熱線等の電気的負荷あるいは発電素子等に対して電気的導通を図ることができ、更に、障子の摺動する双方向側の端部に比して中央部が当該当接自在となる対向側の電極側へ向けて突出する曲面を有し、且つ、当該電極側方向に弾撥自在とすることで、障子の摺動に際しての電極相互の当接を確実とするとともに、障子自体の摺動の円滑性を図ることができるものである。又、スライドスイッチを構成する枠体側電極部材を、枠体とは別体の電極基板を利用して構成することで、ガラス板内の熱線等の電気的負荷に対して通電しうる障子の位置を適宜任意に変更しうるとともに、既存の引き違いあるいは上げ下げサッシにも、このスライドスイッチを簡便に設置することができるものとなる。
【0008】
【実施例】
この発明を図に示す実施例により更に説明する。(1)はこの発明の実施例であるスライドスイッチ(4)を具えるいわゆる三枚建の建築用引き違いサッシであって、この建築用引き違いサッシ(1)は、建築物の開口部周縁に装着される縦枠体(2a)と横枠体(2b)とからなる枠体(2)と、この枠体(2)に条設されるレール(2c)に対して左右方向に摺動自在に保持して設けられる障子(3)からなるものであり、その障子(3)は、例えば結露防止用の熱線等の電気的負荷(3d)を内装するガラス板(3c)と、このガラス板(3c)を四方から縦障子枠(3a)と横障子枠(3b)により固持してなるものであって、この発明の実施例であるスライドスイッチ(4)は、この建築用引き違いサッシ(1)を構成する枠体(2)の横枠体(2b)と障子(3)の横障子枠(3b)との間での電気的導通を可能としているものである。
【0009】
そして、上記スライドスイッチ(4)は、二つの電極(5)(6)に分割されているものであって、この建築用引き違いサッシ(1)を構成する一方の枠体(2)を成す横枠体(2b)内のレール(2c)によって形成される凹部(2d)の所定位置に、リード線(8)を介して電源(9)につながる正、負電極(5a)(5b)を突設する絶縁性の断面コ字状の電極基板(5c)が障子(3)側を開放した形状で設けられることによって、一方の電極(5)が形成される。この電極基板(5c)は正確には断面コ字状の一方の突出部の厚さを厚くしたものであって、正、負電極(5a)(5b)は、それぞれその断面コ字状の突出部の厚さを厚くした側の内壁面から、幅広の帯状の金属を応力によって弾撥自在となるよう中央を突出する曲面を有して構成され、並設されているものである。又、他方の電極(6)は、障子(3)を成す横障子枠(3b)において、ガラス板(3c)内に内装する熱線等の電気的負荷(3d)にリード線(7)を介してつながるものであって、障子(3)の開閉に伴って上記枠体(2)を成す横枠体(2b)のレール(2c)によって形成される凹部(2d)の所定位置に配設された電極基板(5c)に突設される正、負電極(5a)(5b)に当接自在となるよう、その対向する位置に板状の正、負電極(6a)(6b)を絶縁性を有する電極基板(6c)を介して配設することによって構成されるものである。
【0010】
このとき、上記枠体(2)を成す横枠体(2b)のレール(2c)によって形成される凹部(2d)の所定位置に電極基板(5c)が配設されることによって設けられる、リード線(8)を介して電源(9)につながる正、負電極(5a)(5b)と、障子(3)を成す横障子枠(3b)において、ガラス板(3c)内に内装する熱線等の電気的負荷(3d)にリード線(7)を介してつながるものであって、障子(3)の開閉に伴って上記枠体(2)を成す横枠体(2b)のレール(2c)の所定位置に突設される正、負電極(5a)(5b)に当接自在となるよう対向する位置に配設される正、負電極(6a)(6b)とが一致して当接することにより回路が形成され、電源(9)からガラス板(3c)内に内装する熱線等の電気的負荷(3d)への電力の供給が行われるものである。
【0011】
このスライドスイッチ(4)は以上の構成を具えることから、例えばこのスライドスイッチ(4)を具える建築用引き違いサッシ(1)においては、この建築用引き違いサッシ(1)を閉成した場合にのみ、その三枚建の中央に位置する障子(3)を成すガラス板(3c)内に内装する結露防止用の熱線等の電気的負荷(3d)に対して電力の供給が可能なように、建築用引き違いサッシ(1)の枠体(2)を成す横枠体(2b)の略中央部分において、横枠体(2b)のレール(2c)によって形成される凹部(2d)に、リード線(8)を介して電源(9)に接続することとなる正、負電極(5a)(5b)を突設させた電極基板(5c)を設けると共に、この建築用引き違いサッシ(1)の閉成時において上記枠体(2)を成す横枠体(2b)内の正、負電極(5a)(5b)と当接可能となるよう、障子(3)を成す横障子枠(3b)の対向する位置に、リード線(7)を介して障子(3)のガラス板(3c)内に内装する熱線等の電気的負荷(3d)に接続する正、負電極(6a)(6)を配設してなるものである。
【0012】
従って、この建築用引き違いサッシ(1)をレール(2c)に沿って摺動させて閉成することによって、三枚建の中央に位置する障子(3)は建築用引き違いサッシ(1)の中央に移動し、まず枠体(2)を成す横枠体(2b)に設けられた正、負電極(5a)(5b)に、障子(3)を成す横障子枠(3b)に設けられた板状の正、負電極(6a)(6b)が障子(3)の摺動に伴って移動して当接することとなる。その際、横枠体(2b)に設けられた正、負電極(5a)(5b)は応力を受け変形しつつも幅広である帯状であることから、枠体(2)を成す横枠体(2b)の正、負電極(5a)(5b)と障子(3)を成す横障子枠(3b)の正、負電極(6a)(6b)とが確実に当接して電源(9)を含む回路を容易に形成することとなることから、自動的に枠体(2)を成す横枠体(2b)の電源(9)にリード線(8)を介して接続する正、負電極(5a)(5b)から、互いに当接することとなる障子(3)を成す横障子枠(3b)の正、負電極(6a)(6b)を通して、リード線(8)を介して接続する障子(3)のガラス板(3c)内に内装する熱線等の電気的負荷(3d)に対して電力を供給するものとなって、この建築用引き違いサッシ(1)を構成する障子(3)を縦横障子枠(3a)(3b)と共に成すガラス板(3c)表面の結露を蒸発除去することができるものとなる。
【0013】
このとき、枠体(2)を成す横枠体(2b)の正、負電極(5a)(5b)と、障子(3)を成す横障子枠(3b)の正、負電極(6a)(6b)とが一致して当接することにより電源(9)を含む回路が形成されるものとなるから、障子(3)を枠体(2)内に条設されるレール(2c)にそって摺動させても、障子(3)が所定の位置、即ち枠体(2)を成す横枠体(2b)の正、負電極(5a)(5b)と障子(3)を成す横障子枠(3b)の正、負電極(6a)(6b)とがそれぞれ当接することができるよう対向する位置に到達しなければ、上記枠体(2)の正、負電極(5a)(5b)と障子(3)の正、負電極(6a)(6b)とが一致することがなく、例え障子(3)の正、負電極(6a)(6b)のいずれかが枠体(2)の正、負電極(5a)(5b)と当接しても電源(9)を含む回路は形成されないものであるから、電源(9)から電力は供給されず、障子(3)のガラス板(3c)内に内装する熱線等の電気的負荷(3d)の作動はあり得ず、十分に安全を確保することができるものである。
【0014】
更に、上記建築用引き違いサッシ(1)を構成する一方の枠体(2)を成す横枠体(2b)内において条設されるレール(2c)の所定位置に電極基板(5c)を介して突設して設けられる正、負電極(5a)(5b)が、それぞれ電極基板(5c)の断面コ字状の突出部の厚さを厚くした側の内壁面から、幅広の帯状の金属を応力によって弾撥自在となるよう中央を突出するように曲面をもって設けられ、並設されていることによって、この弾性を有する正、負電極(5a)(5b)が、レール(2c)によって形成された凹部(2d)に設けられた電極基板(5c)の断面コ字状の突出部の間隙で障子(3)の摺動に伴って変形して、枠体(2)を成す横枠体(2b)に配設される正、負電極(5a)(5b)と障子(3)を成す横障子枠(3b)に配設される正、負電極(6a)(6b)との間の当接を確実なものとして、障子(3)のガラス板(3c)内に内装する熱線等の電気的負荷(3d)を確実に作動させることができるものとする。又、枠体(2)を成す横枠体(2b)に配設される正、負電極(5a)(5b)が弾性を有するだけでなく、幅広の帯状の金属が中央を突出するように曲面を有して構成されていることから、障子(3)を成す横障子枠(3b)に配設される正、負電極(6a)(6b)が横枠体(2b)に配設される正、負電極(5a)(5b)に当接する方向へ障子(3)が摺動することも、又、その当接位置を超えて障子(3)が更に摺動することも容易となっている。
【0015】
なお、このスライドスイッチ(4)を構成する電極(5)(6)のうち、枠体(2)を成す横枠体(2b)側に設けられる正、負電極(5a)(5b)が弾性を有するように構成されているが、逆に、障子(3)を成す横障子枠(3b)に配設される正、負電極(6a)(6b)を弾性を有する電極としてもよく、更には、双方の電極(5)(6)を弾性を有するものとしてもよい。一方、ガラス板(3c)内に内装する熱線等の電気的負荷(3d)に替えて、発電素子等を内装してもよい。
【0016】
【発明の効果】
以上のとおり、電気的導通を図るスイッチを二分割して、障子の摺動方向に平行な枠体とそれに対向する障子枠のそれぞれ対向する位置に、当接自在となる各電極を設けることで、枠体に対して任意の位置にある障子において、そのガラス板内に内装する結露防止用の熱線等の電気的負荷に対して通電を可能とし、しかも、その電極を弾撥自在且つ曲面を有するものとすることで、その電極の当接を確実にするとともに、障子の摺動の自由度を確保し、更に、電極を枠体とは別体の電極基板に設けることにより、通電を可能とする障子の位置を自在とするとともに、既存のサッシにも容易に設置しうるという優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例であるスライドスイッチを具える建築用引き違いサッシにおけるスイッチの配置を示す図である。
【図2】 この発明の実施例であるスライドスイッチの要部拡大断面図である。
【図3】 この発明の実施例であるスライドスイッチの枠体側の電極の斜視図(イ)と正面図(ロ)とてある。
【図4】 この発明の実施例であるスライドスイッチの障子側の電極の正面図である。
【図5】 この発明の実施例であるスライドスイッチにおける電極の当接状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 建築用引き違いサッシ
2 枠体
2a 縦枠体
2b 横枠体
2c レール
2d 凹部
3 障子
3a 縦障子枠
3b 横障子枠
3c ガラス板
3d 熱線等の電気的負荷
4 スイッチ
5 電極
5a 正電極
5b 負電極
5c 電極基板
6 電極
6a 正電極
6b 負電極
6c 電極基板
7 リード線
8 リード線
9 電源

Claims (1)

  1. 建築物の開口部周縁に装着される縦枠体と横枠体からなる枠体と、この枠体内に条設されるレールに沿って摺動自在に保持され、電気的負荷あるいは発電素子等を内装するガラス板と、このガラス板を四方から固持してなる縦障子枠と横障子枠からなる障子から構成される建築用引き違いあるいは上げ下げサッシにおいて、このサッシの障子の摺動方向に平行な枠体とそれに対向する障子枠のそれぞれ対向する位置に、障子の摺動に応じて当接自在となる電極を設けてなり、該枠体のレールによって形成される凹部に挿嵌される断面コ字状の電極基板の内壁面に、障子の摺動する双方向側の端部に比して中央部が当該当接自在となる対向側の電極側へ向けて突出する曲面を有し、且つ、当該電極側方向に弾撥自在としてなる電極を設けてなる枠体側電極部材を有するスライドスイッチ。
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