JP4618194B2 - 放電装置 - Google Patents

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本発明は、電源回路から電位差を付与された放電部でストリーマ放電を行う放電装置に関し、特に放電部でのスパークの防止策に係るものである。
電極対の間でストリーマ放電を行う放電装置が知られており、室内の空気を清浄化する空気清浄機等に適用されている。
特許文献1には、この種の空気清浄機が開示されている。この空気清浄機に搭載される放電装置は、電源回路と、該電源回路と電気的に接続される放電部とで構成されている。電源回路には、高圧の直流電源が設けられている。一方、放電部は、放電電極と対向電極とから成る複数の電極対で構成されており、各電極対がケーシングに形成される空気通路内に配置されている。
この放電装置では、電源回路から放電部へ電位差が付与されることで、各電極対の間でストリーマ放電が生起する。具体的に、このストリーマ放電では、放電電極から対向電極へ向かって低温プラズマが進展し、この低温プラズマの進展に伴い活性種(高速電子、イオン、ラジカル、その他の励起分子等)が空気中で生成する。ケーシング内の空気通路に導入された室内空気は、これらの活性種と接触する。その結果、室内空気中の有害成分や臭気成分が酸化分解されて除去される。
また、この放電装置では、放電部の性能(空気浄化能力)を安定させるために、放電部への出力電流を一定に制御するようにしている。具体的に、この放電装置の電源回路は、例えば図7に示すような放電部への出力特性を有している。つまり、この電源回路では、電源本体の無負荷電圧値Vmを上限値としながら、放電部の出力電流がIcで一定となる定電流制御が行われる。その結果、この放電装置では、ストリーマ放電時の放電電流が一定に保たれるため、上述した活性種の生成量も一定となり、放電部の性能が安定する。
特開2003−53129号公報
ところで、特許文献1のようにして、放電部への出力電流を一定とする制御(定電流制御)を行うようにすると、放電部でのスパーク(火花放電)の発生リスクが高くなってしまうことがある。
具体的に、例えば図7に示すような電源回路の出力特性を有する放電装置において、電極対の表面に絶縁性の物質が過剰に付着したりすると、電極対の間の抵抗値も急増することがある。このような場合、従来の放電装置では、出力電流Icを一定に保つために、出力電圧Vが急上昇することになる。その結果、放電部の出力点がスパークリスクの高い出力点(例えば図7のb点)に至り易くなり、放電部でスパークが生じてしまう可能性も高くなる。
一方、このような放電部でのスパークの発生を抑制するために、例えば図8に示すように、電源本体の無負荷電圧値を低いレベル(Vm’)に設定することも考えられる。しかしながら、このようにすると、例えば放電部の放電特性(負荷特性)が図8のL線のような特性である場合において、無負荷電圧値をVm’とした場合のストリーマ放電の出力点(c’点)と、無負荷電圧値をVmとした場合のストリーマ放電の出力点(c点)とを比較すると、無負荷電圧Vm’での放電電流値の方が小さくなってしまう。つまり、図8のように無負荷電圧値を低いレベルに設定すると、無負荷電圧値が一定となる出力特性上でストリーマ放電が作動した場合に、その放電電流値が小さくなってしまい、性能の低下を招くことになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スパークの発生リスクが低く、且つストリーマ放電の性能を充分に発揮できる放電装置を提供することである。
第1の発明は、電極対(41,42)を有する放電部(40)と、該放電部(40)へ電位差を付与して該電極対(41,42)の間でストリーマ放電を生起させる電源回路(60)とを備えた放電装置を前提としている。そして、この放電装置は、上記電源回路(60)が、出力電圧が所定の範囲内のときには出力電流が一定となる第1出力特性と、出力電圧が上記所定範囲を超えるときには該出力電圧が高くなるにつれて出力電流が小さくなる第2出力特性とを有するように構成され、上記電源回路(60)は、出力電流が一定に制御される電源本体(61)と、該電源本体(61)と上記放電部(40)の間の通電経路に接続される抵抗器(62)とを備え、上記電源本体(61)の無負荷電圧値Vm[kV]と、上記第1出力特性の出力電流値Ic[mA]と、上記電極対(41,42)の電極間距離d[mm]と、上記抵抗器(62)の抵抗値R[MΩ]とが、R≦(Vm−d)/Icの関係式を満たしていることを特徴とするものである。
第1の発明の電源回路(60)は、ストリーマ放電を行う放電部(40)への電流/電圧出力特性として第1出力特性と第2出力特性とを有する。
上記第1出力特性は、放電部(40)で放電電流を一定にし、放電装置の性能を安定させるための出力特性である。つまり、この第1出力特性上においては、電源回路(60)から放電部(40)への出力電流が所定の電圧範囲(以下、第1出力電圧範囲と称する)の間で一定となる。その結果、第1出力特性上では、放電部(40)で生起するストリーマ放電の放電電流が一定に制御される。なお、上記第1出力電圧範囲には、ストリーマ放電を安定させて生起させることができ、且つスパークリスクも低い電圧範囲(定格出力電圧範囲)を設定するのが望ましい。また、第1出力特性上で一定となる出力電流値は、ストリーマ放電の性能を充分得ることができる出力電流(定格出力電流)を設定するのが望ましい。
第2出力特性は、第1出力特性よりも高い電圧範囲において、放電部(40)でスパークの発生を抑制しつつ、ストリーマ放電を作動させるための出力特性である。具体的に、この第2出力特性は、上記第1出力電圧範囲の最大点を下限とする所定の電圧範囲において、この最大点から出力電圧が上昇するにつれて、出力電流が小さくなる特性を有する。このため、第2出力特性では、図7に示すようなスパークリスクの高い領域を避けるようにして出力点が推移する。その結果、本発明では、従来の放電装置のように放電部(40)の出力点が、スパークリスクの高い出力点(図7のb点)に至ることがないので、この第2出力特性上におけるスパークの発生が未然に回避される。
一方で、この第2出力特性では、第1出力特性の最大点から更に出力電圧が上昇する。このため、第2出力特性上でストリーマ放電が作動した場合、その放電電流値も増大することとなり、放電装置の性能も向上する。
の発明では、電源回路(60)に電源本体(61)と抵抗器(62)とが設けられる。電源本体(61)では、その出力電流を一定に制御するように出力電圧を昇降させる制御が行われる。一方、抵抗器(62)は、電源本体(61)と放電部(40)との間の通電経路に設けられる。つまり、抵抗器(62)は、電源本体(61)から放電部(40)へ流れる出力電流に対して所定の抵抗(即ち、電圧降下)を付与する。以上のような構成により、第2の発明の放電装置の電源回路には、上述した第1出力特性及び第2出力特性が付与されることになる。
具体的には、例えば図6に示すように、無負荷電圧Vmで出力電流値Icでの定電流制御を行う電源本体(61)と、抵抗値Rの抵抗器(62)とを電源回路(60)に設けた場合、第1出力特性上では、無負荷電圧Vmに対してR×Icの電圧降下が付与されることとなる。一方、電極対(41,42)の間の抵抗値が更に上昇して、電源回路(60)の出力電流値が低下する(例えば0.5Ic)となると、抵抗器(62)によって付与される電圧降下もR×0.5Icと減衰する。その結果、電源回路(60)では、出力電圧の上昇に伴い出力電流が減少する第2出力特性が得られることになる。
また、このように電源本体(61)と放電部(40)の間に抵抗器(62)を設けると、仮に放電部(40)でスパークが発生した場合に、この際に電極対(41,42)の間で流れるスパーク電流自体も抑えられる。
の発明では、上記第1出力特性上で安定したストリーマ放電が作動するように、無負荷電圧値Vm[kV]、出力電流値Ic[mA]、電極間距離d[mm]、抵抗値R[MΩ]の関係が設定される。なお、上記Vmは、その単位を[kV]で表したときの数値を、Icは、その単位を[mA]で表したときの数値を、Rは、その単位を[MΩ]で表したときの数値をそれぞれ表している。つまり、R≦(Vm−d)/Icの関係式は、上記Vm,Ic,d、Rを数値として視た場合について、本願発明者らが経験的に求めた関係式であり、この関係式を満たすことで、第1出力特性上で安定的にストリーマ放電を行うことができる。
本発明では、電源回路(60)に第1出力特性と第2出力特性とを付与するようにしている。このため、本発明によれば、第1出力特性上において、一定の放電電流でのストリーマ放電を行うことができ、放電装置の性能の安定化を図ることができる。
一方、本発明では、放電装置の周囲環境の変化等に伴い電源回路(60)の出力電圧が第1出力電圧範囲を超えようとすると、放電部(40)の出力点が第2出力特性上を推移するようにしている。つまり、本発明では、電源回路(60)の出力電圧が第1出力電圧範囲を越えて更に上昇すると、その出力電流が徐々に小さくなるようにしている。このため、本発明によれば、放電部(40)の出力点がスパークリスクの高い点に至ることを未然に防ぐことができ、スパークの発生頻度を確実に低減できる。
更に、本発明の第2出力特性は、例えば図8に示すように無負荷電圧値Vm自体を低いレベル(Vm’)に設定するものではない。このため、本発明によれば、第2出力特性上において比較的高い放電電流でストリーマ放電を作動させることができる。従って、この放電装置の性能を最大限に発揮させることができる。
また、上記第の発明では、定電流制御が行われる電源本体(61)と、放電部(40)の間に抵抗器(62)を設けることで、上記第1出力特性及び第2出力特性を電源回路(60)に付与するようにしている。即ち、第の発明によれば、比較的シンプルな電源回路(60)の構成によって、上記作用効果を奏することができる。
また、第の発明によれば、仮に電極対(41,42)の間でスパークが生じた場合に、抵抗器(62)がスパーク電流自体を低減させる効果も発揮する。従って、本発明によれば、スパークの発生に伴う騒音を低減でき、スパークに伴う周辺機器の故障リスクも低減できる。
更に、第の発明では、上記電源本体(61)の無負荷電圧値Vm[kV]と、上記第1出力特性の出力電流値Icと、上記電極対(41,42)の電極間距離d[mm]と、上記抵抗器(62)の抵抗値R[MΩ]とが、R≦(Vm−d)/Icの関係式を満たすようにしている。その結果、第の発明によれば、第1出力特性上でストリーマ放電を確実に作動することができ、この放電装置の性能の安定化を図ることができる。
本実施形態に係る放電装置(70)は、家庭用の空気清浄機(10)に搭載されるものである。この空気清浄機(10)は、室内空気中の塵埃、アレルゲン、臭気成分、及び有害成分等を除去し、室内を清浄化する。
<空気清浄機の全体構成>
まず、空気清浄機(10)の全体構成について図1及び図2を参照しながら説明する。なお、図1は空気清浄機(10)の分解斜視図であり、図2は空気清浄機(10)の内部を上方から視た図である。
空気清浄機(10)は、一端が開放された箱形のケーシング(11)と、該ケーシング(11)の開放端面に装着される前面カバー(12)とを備えている。上記ケーシング(11)の前面寄りの左右側面及び上面、さらに上記前面カバー(12)の中央部には、室内空気が導入される空気吸込口(13)が形成されている。一方、ケーシング(11)の天板の背面側寄りには、室内空気が流出する空気吹出口(14)が形成されている。
ケーシング(11)内には、空気吸込口(13)から空気吹出口(14)までに亘って室内空気が流れる空気通路(15)が形成されている。この空気通路(15)には、室内空気の流れの上流側から下流側に向かって順に、プレフィルタ(16)、イオン化部(30)、ストリーマ放電部(40)、静電フィルタ(17)、触媒フィルタ(18)、及び遠心送風機(19)が配置されている。また、ケーシング(11)の後部下側寄りには、詳細は後述する電源ユニット(65)が設けられている。
<プレフィルタ及びイオン化部の構成>
プレフィルタ(16)は、室内空気中に含まれる比較的大きな塵埃を捕集するフィルタである。一方、イオン化部(30)は、プレフィルタ(16)を通過した比較的小さな塵埃を帯電させるものである。このイオン化部(30)は、「コ」の字型の水平断面が左右方向に連なる形状の波形部材(50)の前面側に設けられている。なお、本実施形態では、空気通路(15)に2つの波形部材(30a)が左右方向に配列されている。
上記波形部材(50)の前面側には、波形部材(50)によって区画される複数の略柱状の空間が形成されており、この空間が前側開放部(51)を構成している。そして、各前側開放部(51)には、イオン化線(31)及び電極板(32)が設けられている。
上記イオン化線(31)は、各前側開放部(51)の左右方向におけるほぼ中心にそれぞれ配置されている。各イオン化線(31)は、線状ないし棒状に形成され、波形部材(50)の上端から下端に亘って張架されている。
上記電極板(32)は、各前側開放部(51)の左右側壁によって構成され、対応するイオン化線(31)の両側にそれぞれ配置されている。これら電極板(32)はイオン化線(31)の外周面に対峙する板状に形成され、イオン化線(31)と平行な姿勢となっている。
また、波形部材(50)の最下流側の各面は、アース電極(33)を構成している。このアース電極(33)は、イオン化線(31)と静電フィルタ(17)との間を遮断するようにしてイオン化線(31)と静電フィルタ(17)との間に位置している。そして、アース電極(33)は、イオン化線(31)から静電フィルタ(17)へのスパーク等の放電を抑止して、静電フィルタ(17)を保護している。
<ストリーマ放電部の構成>
ストリーマ放電部(40)は、波形部材(50)の後面側に設けられている。具体的に、波形部材(50)の後面側には、該波形部材(50)によって区画される複数の略柱状の空間が形成されている。そして、この空間のうち水平断面積が広い2つの空間が後側開放部(52)を構成している。ストリーマ放電部(40)は、これら2つの後側開放部(52)にそれぞれ設けられている。図3及び図4に示すように、ストリーマ放電部(40)の後側開放部(52)には、一対の放電電極(41)と対向電極(42)とが複数組設けられている。放電電極(41)は、図3(放電電極の要部拡大斜視図)に示すように、水平断面が「コ」の字型で上下方向に延在する電極保持部材(43)に支持されている。具体的に、電極保持部材(43)の所定の部位には、前方に向かって屈曲形成された複数の支持板(44)が形成されている。そして、棒状の放電電極(41)は、該放電電極(41)を挟み込むようにしてかしめられた支持板(44)の先端部によって支持されている。以上のようにして、放電電極(41)の両端部は、支持板(44)から上下方向に突出した状態となっている。なお、本実施形態において、上記放電電極(41)は、線径が約0.2mmのタングステン線で構成されている。
一方、対向電極(42)は、上記波形部材(50)の後方側の面によって構成されている。また、電極保持部材(43)と波形部材(50)との間には、絶縁性のスペーサ(45)が設けられている。以上のようにして、上記放電電極(41)と対向電極(42)とは実質的に平行な姿勢となっており、各放電電極(41)と対向電極(42)とが電極対を構成している。そして、放電電極(41)の先端部から対向電極(42)までの間の距離が一定間隔に保持されている。なお、本実施形態において、各電極対(41,42)の間の電極間距離は6.1mmとなっている。
<静電フィルタ及び触媒フィルタの構成>
静電フィルタ(17)は、イオン化部(30)及びストリーマ放電部(40)の下流側に配置されている。この静電フィルタ(17)は、上流側の面が上記イオン化部(30)によって帯電された比較的小さな塵埃を捕集する集塵面を構成する一方、下流側の面には光触媒(光半導体)が担持されている。この光触媒は、ストリーマ放電部(40)によるストリーマ放電によって生成される低温プラズマ中の反応性の高い物質(電子、イオン、水酸化ラジカルなどの活性種)によって更に活性化され、室内空気中の有害成分や臭気成分の分解を促進する。なお、この光触媒は、例えば二酸化チタンや酸化亜鉛、あるいはタングステン酸化物や硫化カドミウムなどが用いられる。また、静電フィルタ(17)は、水平断面が波形状に屈曲して形成された、いわゆるプリーツフィルタで構成されている。
上記触媒フィルタ(18)は、静電フィルタ(17)の下流側に配置されている。この触媒フィルタ(18)は、ハニカム構造の基材の表面にプラズマ触媒を担持したものである。このプラズマ触媒は、上記光触媒と同様に、ストリーマ放電部(40)の放電によって生成される低温プラズマ中の反応性の高い物質(電子、イオン、水酸化ラジカルなどの活性種)によって更に活性化され、室内空気中の有害物質や臭気物質の分解を促進する。このプラズマ触媒には、マンガン系触媒や貴金属系触媒、更にこれらの触媒に活性炭などの吸着剤を添加したものが用いられる。
<放電装置の全体構成>
図5に示すように、空気清浄機(10)に搭載される放電装置(70)は、上記ストリーマ放電部(40)と、該ストリーマ放電部(40)へ電位差を付与する電源回路(60)とが電気的に接続されて構成されている。電源回路(60)には、上述した電源ユニット(65)が設けられている。
電源ユニット(65)には、樹脂製のケーシング内に電源本体(61)と抵抗器(62)とが一体的に組み込まれて収納されている。電源本体(61)は、無負荷電圧値Vmが6.6[kV]となる直流式の高圧電源で構成されている。また、電源本体(61)は、その出力電流が一定に制御される、いわゆる定電流電源で構成されており、一定に制御される出力電流値Icが0.037[mA]に設定されている。上記抵抗器(62)は、電源本体(61)のプラス側と、ストリーマ放電部(40)の放電電極(41)との間の通電経路に直列に接続されている。この抵抗器(62)の抵抗値Rは、10[MΩ]に設定されている。以上のような構成により、本実施形態の電源回路(60)は、ストリーマ放電部(40)への電圧/電流出力特性として、図6に示すような第1出力特性と第2出力特性とを有している。この電源回路(60)の出力特性についての詳細は後述する。
−運転動作−
まず、上記実施形態の空気清浄機(10)の基本的な運転動作について図1及び図2を参照しながら説明する。空気清浄機(10)の運転中は、遠心送風機(19)が運転され、室内空気がケーシング(11)内の空気通路(15)を流通する。
ケーシング(11)内に導入された室内空気は、まずプレフィルタ(16)を通過する。プレフィルタ(16)では、室内空気中の比較的大きな塵埃が除去される。その後、室内空気は、イオン化部(30)及びストリーマ放電部(40)へと流れる。
イオン化部(30)では、各イオン化線(31)から該イオン化線(31)の両側の電極板(32)に向かってコロナ放電が行われる。つまり、イオン化部(30)では、空気の流れと直交する方向に放電が行われる。その結果、室内空気中の比較的小さな塵埃が帯電する。このようにして帯電した塵埃は、室内空気が静電フィルタ(17)を通過する際、この静電フィルタ(17)の上流側の集塵面に捕集される。
ストリーマ放電部(40)では、放電電極(41)と対向電極(42)との間でのストリーマ放電により低温プラズマが発生している。この低温プラズマには、オゾンなどの反応性の高い物質(活性種)が含まれている。そのため、この活性種は、室内空気と接触して室内空気中の有害成分や臭気成分を分解する。
その後、室内空気は、静電フィルタ(17)を通過する。静電フィルタ(17)では、その集塵面において上述のように塵埃が捕集されるとともに、その下流側の面に担持される光触媒によって活性種が更に活性化される。このため、室内空気中の有害成分や臭気成分が更に分解される。
その後、室内空気は触媒フィルタ(18)を通過する。触媒フィルタ(18)では、上記活性種が一層活性化し、室内空気中の有害物質や臭気物質が一層分解される。また、触媒フィルタ(18)では、室内空気中に残存する臭気成分や有害成分などが吸着処理される。以上のようにして清浄化された室内空気は、遠心送風機(19)へと取り込まれ、空気吹出口(14)から室内へ吹き出される。
−電源回路の出力特性−
上述のような空気清浄機(10)の運転中には、電源回路(60)の出力特性が図6のようになる。具体的に、空気清浄機(10)の運転開始時に電源本体(61)がオンすると、電源回路(60)の電圧/電流出力が増大し、ストリーマ放電部(40)の出力点が第1出力特性上を推移する。この第1出力特性上では、電源回路(60)の出力電流IがIcで一定となるように、a点からb点までの間の出力電圧の範囲(第1出力電圧範囲)内で電源回路(60)の出力電圧Vが調節される。その結果、空気清浄機(10)の通常運転では、ストリーマ放電部(40)の放電電流も一定となり、低温プラズマの発生に伴う活性種の発生量も一定となる。従って、このようにしてストリーマ放電部(40)の出力点が第1出力特性上を推移する場合、空気清浄機(10)の空気浄化能力も一定に維持される。なお、第1出力電圧範囲は、放電装置(70)でストリーマ放電を安定して行うための定格電圧範囲が、また、第1出力特性上の出力電流値Icは、放電装置(70)でストリーマ放電の性能を充分得ることができるための定格電流値がそれぞれ設定されている。
一方、この空気清浄機(10)のストリーマ放電部(40)において、放電電極(41)や対向電極(42)の表面に絶縁性の塵等が過剰に付着したりすると、電極対(41,42)の間の抵抗値が急増することがある。このような場合、電源回路(60)では、その出力電流をIcで一定に維持させようとするため、その出力電圧Vも急上昇する。その結果、従来の定電流制御を行う放電装置では、例えば図7に示すように、その出力点がスパークリスクの高い出力点(例えばb点)に至ることとなり、放電部でスパークが発生し易くなる。このため、従来の放電装置では、このような放電部の周囲環境等の変化に伴い、ストリーマ放電を継続して行うことが困難となる場合があった。そこで、本実施形態の放電装置(70)では、このようなスパークの発生を回避すべく、電源回路(60)に第2出力特性を付与するようにしている。
本実施形態の電源回路(60)の第2出力特性は、該電源回路(60)に抵抗器(62)を接続することで実現されている。この抵抗器(62)は、電源本体(61)からストリーマ放電部(40)の出力電圧に所定レベルの電圧降下を付与する。
具体的に、電源本体(61)では、出力電流をIcで一定としながら、出力電圧が調節されるが、この電源本体(61)の出力電圧が無負荷電圧Vmに達するまでは、抵抗器(62)によって付与される電圧降下がR×Icとなる。その結果、電源回路(60)の出力特性として、上述した第1出力特性が得られことになる。一方、電源本体(61)の出力電圧が無負荷電圧Vmに至っているにも拘わらず、電極対(41,42)の間の抵抗値が更に増大すると、電源回路(60)の出力電流は次第に減衰していく。その結果、抵抗器(62)によって付与される電圧降下も低下することから、結果として電源回路(60)に2出力特性が得られる。
即ち、第2出力特性は、電源回路(60)の出力電圧が第1出力電圧範囲を超えるときに、出力電圧が高くなるにつれて出力電流が小さくなる特性となる。このため、第2出力特性上では、第1出力電圧範囲の最大点Vbから無負荷電圧値Vmに至るまでの範囲において、スパークリスクの高い領域を回避するように出力電圧Vが上昇する。このため、この放電装置(70)では、ストリーマ放電部(40)の周囲環境の変化に伴い出力電圧が急上昇しても、スパークの発生が効果的に抑制される一方、この第2出力特性上においてもストリーマ放電を行うことが可能となる。
−抵抗器の抵抗値Rの設定−
ところで、電源回路(60)に接続される抵抗器(62)は、上記第1出力特性上で安定したストリーマ放電が作動するように、その抵抗値R[MΩ]が設定されている。この点について、以下に詳細に説明する。
まず、第1出力特性上の第1出力電圧範囲の最大点Vb[kV]は、抵抗器(62)の抵抗値R[MΩ]、第1出力特性上の出力電流値(定電流値)Ic[mA]、電源本体(61)の無負荷電圧値Vm[kV]との関係において、次の(式1)によって求められる。
Vb=Vm−(R×Ic)・・・・(式1)
一方、ストリーマ放電部(40)の放電の安定性は、その出力電圧Vと電極対(41,42)の電極間距離dとの関係によって概ね支配されるため、放電の安定化を図るためには出力電圧V[kV]と電極間距離d[mm]との関係を最適に設計する必要がある。ここで、本願発明者らは、出力電圧V[kV]と電極間距離d[mm]との関係が、V>1.0×dとなると、ストリーマ放電が安定しなくなることを実験的に求めた。つまり、ストリーマ放電を安定的に行うための定格出力電圧の上限値をVo[kV]とすると、Voは次の(式2)で表すことができる。
Vo=1.0×d・・・・(式2)
ここで、第1出力特性上において上限値Voでのストリーマ放電を作動させるためには、上述した第1出力特性の最大点Vbを定格出力電圧の上限値Vo以上とする必要があるので、以下の(式3)を満たす必要がある。
Vb≧Vo・・・・(式3)
従って、上述した各式より、抵抗器(62)の抵抗値Rが、以下の(式4)を満たせば、第1出力特性上で出力電圧Voでのストリーマ放電を行うことができる。
R≦(Vm−d)/Ic・・・・(式4)
本実施形態では、この(式4)を充足させるように抵抗器(62)の抵抗値Rが設定されている。具体的に、本実施形態では、電源本体(61)の無負荷電圧値Vm=6.6[kV]、電極対(41,42)の間の電極間距離d=6.1[mm]、第1出力特性上の定電流値Ic=0.037[mA]に設定されているので、(式4)を満たすように、抵抗器(62)の抵抗値が、R≦約13.5[MΩ]に設定されている(R=10[MΩ])。なお、上記電源本体(61)の無負荷電圧値Vmは、スパークの発生を確実に抑えるための経験値として、Vm≦1.2×dの関係式を満たすように設定されている。
−実施形態の効果−
上記実施形態では、図6に示すように、電源回路(60)に第1出力特性と第2出力特性とを付与するようにしている。このため、上記実施形態によれば、第1出力特性上において、定格電流値Icでのストリーマ放電を行うことができ、この放電装置(70)の性能、ひいてはこの空気清浄機の性能の安定化を図ることができる。
一方、上記実施形態では、放電装置(70)の周囲環境の変化等に伴い電源回路(60)の出力電圧が上昇すると、ストリーマ放電部(40)の出力点が第2出力特性上を推移する。つまり、上記実施形態では、電源回路(60)の出力電圧Vが第1出力電圧範囲の最大点Vbを越えて更に上昇すると、その出力電流Iが徐々に小さくなる。このため、上記実施形態によれば、放電部(40)の出力点がスパークリスクの高い点(例えば図7のb点)に至ることを未然に防ぐことができ、スパークの発生頻度を確実に低減できる。
更に、上記実施形態の第2出力特性は、例えば図8に示すように無負荷電圧値Vm自体を低いレベルに設定するものではない。このため、上記実施形態によれば、第2出力特性上において比較的高い放電電流でストリーマ放電を作動させることができる。従って、この放電装置(60)の性能を最大限に発揮させることができる。
また、上記実施形態では、電源本体(61)と放電部(40)の間に抵抗器(62)を設けることで、図6に示すように、電源回路(60)に第1出力特性と第2出力特性とを付与するようにしている。即ち、上記実施形態によれば、比較的シンプルな電源回路(60)の構成によって、スパークの発生を効果的に抑制することができる。
また、このように電源回路(60)に抵抗器(62)を設けるようにすると、仮に電極対(41,42)の間でスパークが生じた場合に、この抵抗器(62)がスパーク電流自体を低減させる効果も発揮する。従って、上記実施形態によれば、スパークの発生に伴う騒音の低減化、あるいはスパークに伴う周辺機器の故障リスクの低減化を図ることができる。
更に、上記実施形態によれば、上記電源本体(61)の無負荷電圧値Vm[kV]と、上記第1出力特性の出力電流値Icと、上記電極対(41,42)の電極間距離d[mm]と、上記抵抗器(62)の抵抗値R[MΩ]とが、R≦(Vm−d)/Icの関係式を満たすよう、抵抗器(62)の抵抗値Rを設定している。このため、上記実施形態によれば、第1出力特性上で確実にストリーマ放電を生起させることができ、放電装置(70)の性能の安定化を図ることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、電源本体(61)のプラス側と放電電極(41)の間に抵抗器(62)を設けるようにしている。しかしながら、この抵抗器(62)を電源本体(61)のマイナス側(又はアース側)と対向電極(42)の間に設けるようにしても良い。また、抵抗器(62)を必ずしも電源本体(61)と共に電源ユニット(65)内に設けなくてもよく、この抵抗器(62)を例えば放電電極(41)や対向電極(42)の近傍の通電経路に設けてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、電源回路から電位差を付与された放電部でストリーマ放電を行う放電装置のスパークの防止策として有用である。
実施形態に係る空気清浄機の全体構成を示す概略斜視図である。 空気清浄機の内部を上方から視た構成図である。 放電電極の周囲を拡大した概略斜視図である。 ストリーマ放電部を上方から視た図である。 電源回路の概略構成を示すブロック図である。 電源回路の出力特性を示すグラフである。 従来例1の電源回路の出力特性を示すグラフである。 従来例2の電源回路の出力特性を示すグラフである。
10 空気清浄機
40 ストリーマ放電部(放電部)
41 放電電極(電極対)
42 対向電極(電極対)
60 電源回路
61 電源本体
62 抵抗器
70 放電装置

Claims (1)

  1. 電極対(41,42)を有する放電部(40)と、該放電部(40)へ電位差を付与して該電極対(41,42)の間でストリーマ放電を生起させる電源回路(60)とを備えた放電装置であって、
    上記電源回路(60)は、出力電圧が所定の範囲内のときには出力電流が一定となる第1出力特性と、出力電圧が上記所定範囲を超えるときには該出力電圧が高くなるにつれて出力電流が小さくなる第2出力特性とを有するように構成され
    上記電源回路(60)は、出力電流が一定に制御される電源本体(61)と、該電源本体(61)と上記放電部(40)の間の通電経路に接続される抵抗器(62)とを備え、
    上記電源本体(61)の無負荷電圧値Vm[kV]と、上記第1出力特性の出力電流値Ic[mA]と、上記電極対(41,42)の電極間距離d[mm]と、上記抵抗器(62)の抵抗値R[MΩ]とが、R≦(Vm−d)/Icの関係式を満たしていることを特徴とする放電装置。
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