JP4617518B2 - スピーカー振動板およびこれを用いたスピーカー - Google Patents

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Description

本発明は、平面振動板や浅いコーン型振動板のようにその全高が低いスピーカー振動板およびこれを用いたスピーカーに関し、特に、長軸および短軸を有する外形が略楕円形、トラック形もしくは長方形のスピーカー振動板、ならびに、このスピーカー振動板を備えるスピーカーに関する。
映像ならびに音声を再生するディスプレイ装置等に用いられるスピーカーでは、主に映像を投影する画面部を大きく確保するために、スピーカーの振動板の外形や、その構造に制約がある場合がある。具体的には、ディスプレイ装置の画面部分の周囲には、スピーカーを取り付けるバッフル部分が幅広く確保できないので、長軸および短軸を有する外形が略楕円形、トラック形もしくは長方形のスピーカー振動板(以下、細長形状振動板という)を用いた正面から見た場合に細長い形状のスピーカーが使用されることが多い。
多用される円形コーン型振動板のスピーカーに比較して、細長形状振動板のスピーカーでは、細長形状振動板の強度不足(特に、細長い長手方向の強度不足)のために共振が発生しやすく、その結果、音圧周波数特性にピーク・ディップが出現して、再生音質の低下を招くことがあるという問題がある。また、幅が狭い細長形状振動板では、全高が高い、つまり深さが深いコーン形状を形成するのに限界があるため、コーン形状とは異なる形状で強度が確保された細長形状振動板が求められている。
従来には、長手方向の異常振動を抑制するように、トラック型振動板を音が放射する方向に凹凸状に連続的に湾曲させるものがある(特許文献1)。また、従来には、平面振動板の全体にリブないし凹凸を設ける、もしくは、波形状に加工することで、これらの平面振動板を細長形状振動板として用いた場合にも、平面振動板の強度を確保して共振を減少させ、スピーカーの音圧周波数特性を平坦にして、再生音質の向上を図ろうとするものがある(特許文献2)。
特開2002−325294号公報 (第1図) 実開昭50−940号公報 (第3図)
しかしながら、従来の細長形状振動板では、再生音質の向上を図る点で不十分な点があった。長手方向の異常振動を抑制するために長手方向にリブないし凹凸を設けると、細長形状振動板の強度が上がっても音圧周波数特性に大きなピーク・ディップが消えない場合があり、再生音質の低下を招くことがあるという問題がある。
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、長軸および短軸を有する外形が略楕円形、トラック形もしくは長方形といった幅が狭い細長形状振動板であって、音圧周波数特性上のピーク・ディップが少なく、再生音質に優れたスピーカー振動板およびスピーカーを提供することにある。
本発明のスピーカー振動板は、長軸および短軸を有する外形が略楕円形、トラック形もしくは長方形のスピーカー振動板であって、振動板の外周側でエッジと接合するエッジ接合部と、エッジ接合部の内周側に設けられてボイスコイルと接合する振動板部と、を有し、振動板部が、エッジ接合部を含む平面として規定される仮想基準平面を有し、仮想基準平面と交差する線として規定される複数の節線ならびに仮想基準平面からの距離が極大になる点を結んだ線として規定される複数の稜線を有する波形状を備え、複数の節線が、振動板の長軸と非平行で交差せず、かつ、振動板の短軸と交差する。
好ましくは、本発明のスピーカー振動板は、振動板部の複数の節線が、振動板の長軸に対して線対称に配置される。
好ましくは、本発明のスピーカー振動板は、振動板部の複数の節線が、振動板の長軸に対して線対称に配置される第1の節線と第2の節線とを含み、第1の節線と第2の節線との短軸方向における離間距離が、短軸上で最も短く、長軸方向の振動板部の端部に向かうにつれて長くなる。
また、好ましくは、本発明のスピーカー振動板は、振動板部の複数の稜線のうち仮想基準平面に投影した場合に長軸上にその投影線が重複する1本の稜線を除く複数の稜線が、振動板の長軸と非平行で交差せず、かつ、振動板の短軸と交差する。
さらに好ましくは、本発明のスピーカー振動板は、振動板部の複数の稜線のうち仮想基準平面に投影した場合に長軸上にその投影線が重複する1本の稜線を除く複数の稜線が、振動板の長軸に対して線対称に配置される。
好ましくは、本発明のスピーカー振動板は、振動板部の複数の稜線のうち仮想基準平面に投影した場合に長軸上にその投影線が重複する1本の稜線を除く複数の稜線が、振動板の長軸に対して線対称に配置される第1の稜線と第2の稜線とを含み、第1の稜線と第2の稜線との短軸方向における離間距離が、短軸上で最も短く、長軸上の振動板部の端部に向かうにつれて長くなる。
また、好ましくは、本発明のスピーカー振動板は、振動板部の複数の節線ならびに複数の稜線を有する波形状が、短軸からの距離xならびに長軸からの距離yを変数に含む余弦関数もしくは正弦関数により規定される。
さらに好ましくは、本発明のスピーカー振動板は、振動板部の複数の節線ならびに複数の稜線を有する波形状が、短軸からの距離xならび長軸からの距離yを変数に含む振幅関数と、余弦関数もしくは正弦関数との乗算値により規定される。
また、本発明のスピーカーは、上記のいずれかの本発明のスピーカー振動板を備える。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明のスピーカー振動板は、長軸および短軸を有する外形が略楕円形、トラック形もしくは長方形のスピーカー振動板であって、振動板の外周側でエッジと接合するエッジ接合部と、エッジ接合部の内周側に設けられてボイスコイルと接合する振動板部と、を有する。振動板部は、外周側のエッジに支持され、内周側のボイスコイルから駆動力を伝達されて音声を再生する。ここで、振動板部は、複数の節線ならびに複数の稜線を有する波形状を備える細長形状であって、本発明のスピーカー振動板は、エッジ接合部を含む平面として規定される仮想基準平面に対して、上下に波うった形状を有するスピーカー振動板である。
なお、本発明において、節線とは、スピーカー振動板がこの仮想基準平面と交差する線として規定され、上下に波うったスピーカー振動板の高さの上下を分ける仮想線であって、平面視したスピーカー振動板に複数現れる。また、稜線とは、スピーカー振動板がこの仮想基準平面からの距離が極大になる点を結んだ線として規定され、波うった形状のスピーカー振動板の頂(ないしは谷底)をつないだ仮想線であって、これらは平面視したスピーカー振動板に複数現れるとともに、文字通りに波うった形状のスピーカー振動板の頂の部分(例えば、短軸に平行な断面において短軸方向の微分値が0になる点を連ねて形成された線)を現している。
より具体的には、本発明のスピーカー振動板は、長軸および短軸を有する細長形状振動板であるので、その波形状とは、仮想基準平面からの高さzが、短軸からの距離xならびに長軸からの距離yを変数に含む余弦関数(もしくは正弦関数)により規定され、また、この余弦関数に短軸からの距離xならびに長軸からの距離yを変数に含む振幅関数を乗算した値で規定される形状である。したがって、短軸からの距離xならびに長軸からの距離yにより滑らかにスピーカー振動板の波形状は変化する。
その結果、本発明のスピーカー振動板は、いわば、短軸方向の波形状の凹凸の間隔が、長軸方向に向かうにつれて漸次的に変化するような独特な波形状を有する。つまり、本発明のスピーカー振動板においては、複数の節線が、振動板の長軸と非平行で交差せず、かつ、振動板の短軸と交差するといった特徴を備え、あるいは、振動板部の複数の稜線のうち仮想基準平面に投影した場合に長軸上にその投影線が重複する1本の稜線を除く複数の稜線が、振動板の長軸と非平行で交差せず、かつ、振動板の短軸と交差する、といった特徴を備える。細長振動板が長軸と短軸に対して軸対称である場合には、振動板の長軸に対して線対称の第1の節線と第2の節線との短軸方向における離間距離が、短軸上で最も短く、長軸方向の振動板部の端部に向かうにつれて長くなる。また、同様に、振動板の長軸に対して線対称の第1の稜線と第2の稜線との短軸方向における離間距離が、短軸上で最も短く、長軸方向の振動板部の端部に向かうにつれて長くなる。
このような波形形状にスピーカー振動板をすることにより、細長振動板の長手方向つまり、長軸方向の強度が向上し、長軸方向に分割共振が生じる共振周波数を高い周波数にシフトすることができる。さらに、短軸方向の波形状の凹凸の間隔が、長軸方向に向かうにつれて漸次的に変化することで、長軸方向に生じやすい分割共振の共振周波数を分散させることができる。その結果、この波形形状を有する細長振動板を用いれば、音圧周波数特性上のピーク・ディップが少なく、再生音質に優れたスピーカーが実現される。
本発明のスピーカー振動板およびこれを用いたスピーカーは、長軸および短軸を有する外形が略楕円形、トラック形もしくは長方形といった幅が狭い細長形状振動板であっても、音圧周波数特性上のピーク・ディップが少なく、再生音質に優れたスピーカーを実現できる。
本発明のスピーカー振動板およびこれを用いたスピーカーは、長軸および短軸を有する外形が略楕円形、トラック形もしくは長方形といった幅が狭い細長形状振動板であっても、音圧周波数特性上のピーク・ディップが少なく、再生音質に優れたスピーカーを実現するという目的を、スピーカー振動板が振動板の外周側でエッジと接合するエッジ接合部と、エッジ接合部の内周側に延設されたボイスコイルと接合する振動板部と、を有し、振動板部が、エッジ接合部を含む平面として規定される仮想基準平面を有し、仮想基準平面と交差する線として規定される複数の節線ならびに仮想基準平面からの距離が極大になる点を結んだ線として規定される複数の稜線を有する波形状を備え、複数の節線が、振動板の長軸と非平行で交差せず、かつ、振動板の短軸と交差するようにすることにより、実現した。
以下、本発明の好ましい実施形態によるスピーカー振動板およびこれを用いたスピーカーについて説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1〜図3は、本発明の好ましい実施形態によるスピーカー振動板1について説明する図である。図1は、スピーカー振動板1についての斜視図であり、細長形状のスピーカー振動板1の長手方向をx方向、幅が狭い方向をy方向、スピーカー振動板1が振動するように加振される方向をz方向としている。スピーカー振動板1は、細長いx方向の強度を上げるように、後述する式に基づいて定まるz方向の高さ分布z(x、y)を有する全体的に波打った形状に成形されている。図1の斜視図において、スピーカー振動板1は、表から見て中央の長手方向に1本の凸の波形状が形成され、その両脇に凹の波形状が形成され、さらにそれらの凹の横に凸の波形状が形成され、これらの凹凸が微妙に変化している。
本実施例において、スピーカー振動板1は、熱硬化性樹脂を含浸させた不織布等の繊維を含む基材を熱硬化させて形成した成形振動板であって、例えば、基材は、無機繊維織布層と天然繊維不織布層とを含む積層体であり、熱硬化性樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂で、振動板の平均厚みt=約0.3mmである。もちろん、スピーカー振動板1は、本実施例に限定されるものではなく、高い弾性率と適度な内部損失を有する公知のスピーカー振動板を形成する素材であれば良く、熱可塑性樹脂のフィルム材を成形したスピーカー振動板であってもよく、または、抄紙により形成した紙材のスピーカー振動板であってもよい。
スピーカー振動板1は、外形がほぼ長方形の矩形振動板であり、長さXLに対して幅YLが狭い細長形状振動板であり、長軸X0と短軸Y0とを基準として線対称な形状を有している。スピーカー振動板1は、その外周側で(図示しない)エッジと接合するエッジ接合部2と、エッジ接合部2の内周側に設けられて(図示しない)ボイスコイルと接合する振動板部3と、を有する。エッジ接合部2は、xy平面上に規定される仮想基準平面P(図1および図2参照。z=0のxy平面。)に含まれる平面、言い換えると、xy平面上に規定される平均厚みtの仮想平面の一部から構成されている。(図示しない)本実施例のスピーカー振動板1を用いたスピーカーでは、振動板部3が外周側のエッジに支持されて、内周側のボイスコイルから駆動力を伝達されてz方向に振動し、音声を再生する。
xy平面上に規定される仮想基準平面Pを基準(z=0)にすると、実施例の波打った形状のスピーカー振動板1の振動板部3のz方向の高さ分布z(x、y)は、長さXL=284[mm]、幅YL=44[mm]である場合に、スピーカー振動板1の振動板部3のz方向の高さz[mm]が、0≦x≦142[mm]、かつ、0≦y≦22[mm]の範囲、つまり、長軸X0と短軸Y0とで区切られたスピーカー振動板1の約1/4の範囲において以下の数式で定められ、記号で記した各定数には、数値例の値を代入する。なお、−142≦x<0[mm]、ならびに、−22≦y<0[mm]の範囲、つまり、他の約3/4の範囲においては、0≦x≦142[mm]、かつ、0≦y≦22[mm]の範囲スピーカー振動板1の形状を、長軸X0ならびに短軸Y0に対して線対称とした形状である。
z(x、y) =(c6*x+c0)
* ( 1−y/c3*c4)
*Cos [2*π*y*c2/((c4*x+c1)
+ (c3−(c5*x+c1))/c3*y) ]
項目 記号 数値例
初期振幅 c0 5
初期周期 c1 50
周期倍率 c2 1.25
短径の1/2 c3 22
周期変化率 c4 0.9
初期周期変化率 c5 0.36
振幅変化率 c6 −0.02
すなわち、スピーカー振動板1の波形状は、仮想基準平面Pからの高さzが、振動板の中心からの距離xならびに距離y(言い換えると、短軸Y0からの距離xならびに長軸X0からの距離y)を変数に含む余弦関数と、距離xならびに距離yを変数に含む振幅関数を乗算した値で規定される形状である。したがって、短軸Y0からの距離xならびに長軸X0からの距離yにより滑らかにスピーカー振動板1の波形状は変化し、凹凸が出現する。このスピーカー振動板1では、短軸Y0方向の波形状の凹凸の間隔が、長軸X0方向に向かうにつれて漸次的に変化するような独特な波形状を有する。
図2は、図1でのx軸方向の位置a、b、c、dおよびeにおけるy軸方向の断面形状を重ね書きした図である。位置a〜eは、長軸X0の半分を凡そ4分割した位置
a(X=0mm)、b(X=35mm)、c(X=70mm)、 d(X=105mm)、e(X=140mm)である。x軸方向の位置aでの断面は、中央の短軸Y0での断面に等しく、また、X軸方向の位置eでの断面は、エッジ接合部2の断面に等しい。ここで、(図示しない)エッジに接合するエッジ接合部2は、xy平面上に規定される仮想基準平面Pに含まれる平面から構成されているので、x軸方向の位置eでの断面ならびに位置a、b、cおよびdにおけるy軸の両端部では、エッジ接合部2の厚みtだけが現れている。なお、本実施例のエッジ接合部2は、仮想基準平面Pに含まれる平面から構成されているが、エッジとの接合のために斜面から形成されている場合にも、エッジ接合部2の最外周側の端部、もしくは、振動板部3の最外周側の端部が仮想基準平面Pに含まれればよい。
長軸X0の方向において、それぞれの位置a〜dの断面形状に現れているように、スピーカー振動板1のz方向の高さz(x、y)が、仮想基準平面Pよりも低くなる部分(z<0)があり、いわば、スピーカー振動板1が仮想基準平面Pを横切っている。節線とは、前述の通り、スピーカー振動板1がこの仮想基準平面Pと交差する線として規定されるので、このスピーカー振動板1には4カ所の節線が出現する。図2には、これらの節線f1〜f4をyz平面に投影した場合の投影線を太線で記載している。なお、これらの節線は、前述の通り、スピーカー振動板1がこの仮想基準平面Pと交差する線として規定されるが、一方で、スピーカー振動板1の波形状の凹凸の様子を規定するものであり、これらの節線の位置関係によってスピーカー振動板1の波形状の基本的形状が現される。このスピーカー振動板1では、後述するように、複数の節線f1〜f4は、長軸X0と交わらない。
また、長軸X0の方向において、位置a〜eの断面形状に現れているように、このスピーカー振動板1は複数の稜線を有しており、これらの稜線の高さ(すなわち、スピーカー振動板1のz方向の高さz(x、y)の絶対値)が、位置aから位置eに至るにつれて徐々に減少する。稜線は、いわば短軸Y0方向の断面においてy方向の微分値が0になる点が連ねて形成された線であり、スピーカー振動板1がこの仮想基準平面Pからの距離が極大になる点を結んだ線として規定される。稜線は、波うった形状のスピーカー振動板の頂(ないしは谷底)をつないだ仮想線であって、これらは平面視したスピーカー振動板1に複数現れるとともに、文字通りに波うった形状のスピーカー振動板1の波形状を現している。図2には、これらの稜線h0〜h4をyz平面に投影した場合の投影線を、太線でそれぞれ記載している。このうち、稜線h0は、仮想基準平面Pに投影した場合に長軸X0上にその投影線が重複する稜線である。また、複数の稜線h1〜h4は、仮想基準平面Pに投影した長軸X0上ではないところに、あらわれる稜線である。
図3は、z方向から平面視した、すなわち、図1の上方向から下側へ見た場合にスピーカー振動板1に現れる複数の節線および稜線の分布を現す図である。スピーカー振動板1は、波形状の凹凸を有するので、もちろん、z方向から平面視した場合にも複数の節線および稜線が同時に見られるのであるが、図3(a)および(b)では図を見やすくするために振動板部3の凹凸形状を省略し、図3(a)に複数の節線f1〜f4を、図3(b)に複数の稜線h0〜h4を、それぞれ実線であらわしている。
図3(a)において、スピーカー振動板1の複数の節線f1〜f4は、それぞれ枝分かれしない線であり、振動板の長軸X0と非平行で交差せず、かつ、短軸Y0と交差する。例えば、仮想基準平面Pと交差する節線f1は、長軸X0と非平行(つまり、長軸X0に対して斜行する。)なので、スピーカー振動板1は、その波形状の凹凸の幅(例えば、f1とf2との間の凸、f1とf3との間の凹、等。)が長軸X0に沿って変化していく波形状となる。また、節線f1とf2は、長軸X0と交差せず、短軸Y0と交差するので、長軸X0ならびに稜線h0を含む凸形状が振動板部3をx軸方向に全長XLに渡って貫いている。節線f1とf3、f2とf4についても、節線f1とf2の場合と同様である。さらに、節線f1とf2とは、長軸X0に対して線対称であり、短軸方向Y0における離間距離F12が、短軸Y0上で最も短く、長軸X0上の振動板部の端部に向かうにつれて長くなる。同様に、節線f3とf4とは、長軸X0に対して線対称であり、短軸方向Y0における離間距離F34が、短軸Y0上で最も短く、長軸X0上の振動板部の端部に向かうにつれて長くなる。
また、図3(b)において、スピーカー振動板1の複数の稜線h0〜h4はそれぞれ枝分かれしない線であり、これらのうち1本の稜線h0は、仮想基準平面Pに投影した場合に長軸X0上にその投影線が重複する。一方、稜線h0を除く他の複数の稜線h1〜h4は、振動板の長軸X0と非平行で交差せず、かつ、短軸Y0と交差する。例えば、仮想基準平面Pと交差する稜線h1は、長軸X0と非平行(つまり、長軸X0に対して斜行する。)なので、スピーカー振動板1は、その波形状の凹凸の幅(例えば、h0とh3との間の凹、h1とh3との間の凸、等。)が長軸X0に沿って変化していく波形状となる。また、稜線h0を除く稜線h1〜h4は、長軸X0と交差せず、短軸Y0と交差するので、稜線h1ならびにh2をそれぞれ含む凹形状、稜線h3ならびにh4をそれぞれ含む凸形状が振動板部3をx軸方向に全長XLに渡って貫いている。さらに、稜線h1とh2とは、長軸X0に対して線対称であり、短軸方向Y0における離間距離H12が、短軸Y0上で最も短く、長軸X0上の振動板部の端部に向かうにつれて長くなる。同様に、稜線h3とh4とは、長軸X0に対して線対称であり、短軸方向Y0における離間距離H34が、短軸Y0上で最も短く、長軸X0上の振動板部の端部に向かうにつれて長くなる。
なお、本実施例のスピーカー振動板1の波形状をあらわす複数の稜線h0〜h4は、図2の断面形状からも分かるように、仮想基準平面Pからの高さzの絶対値が、振動板の中心付近で最も大きく、振動板の中心からの距離xならびに距離y(つまり、短軸Y0からの距離xならびに長軸X0からの距離y)が大きくなるにつれて小さくなる。したがって、エッジに接合するエッジ接合部2付近では、稜線h0〜h4の高さは低くなっていて、滑らかにエッジ接合部2とつながっている。もちろん、複数の稜線h0〜h4の高さは、徐々に低くなる場合に限定されるものではなく、振動板の中心からエッジ接合部2付近までの間に、一定であっても良く、また、高くなったり低くなったりしても良い。
図4(a)は、本実施例のスピーカー振動板1を用いた(図示しない)スピーカーの軸上音圧周波数特性をあらわすグラフである。また、図4(b)は、比較例として、スピーカー振動板1と同じ外形寸法をもった平面振動板を用いた(図示しない)スピーカーの軸上音圧周波数特性をあらわすグラフである。軸上音圧周波数特性は、広い周波数範囲で一定範囲内に(グラフ上では平坦に)なることが好ましく、ピーク・ディップが少ない方が再生音質に優れる。なお、約40Hz付近の大きなピークは、スピーカーの低域再生限界周波数を定める最低共振周波数f0において、共振の鋭さQが大きくて高い音圧レベルとしてあらわれている様子である。
人の音声の周波数帯域を含む200Hz〜2000Hzの範囲において、本実施例の図4(a)の場合には、約6dBの範囲にピーク・ディップが収まっているのに対し、比較例の図4(b)の場合には、最大で約10dBの範囲で周波数特性が乱れ、特に約7k〜8kHzのピーク・ディップが大きくなっている。本実施例のスピーカー振動板1を用いれば、従来の平面振動板に比べて、音圧周波数特性上のピーク・ディップが少なく、再生音質に優れたスピーカーが実現される。本実施例のような波形形状にスピーカー振動板を形成することにより、細長振動板の長軸方向の強度が向上し、さらに、短軸方向の波形状の凹凸の間隔が、長軸方向に向かうにつれて漸次的に変化することで、長軸方向に生じやすい分割共振の共振周波数を分散させることができる。
なお、スピーカー振動板1の振動板部3には、音声信号電流が供給されるボイスコイルが接合されるが、このボイスコイルは、波形状による凹凸を有する振動板部3には、上端部がほぼ円周を有する円筒状のボイスコイルボビンに、振動板部3の波形状による凹凸に対応した凸凹を備える加工を施して、このボイスコイルボビンを介して接合すれば良い。あるいは、スピーカー振動板1の振動板部3は、波形状による凹凸に対応した凸凹を備える接合部材を樹脂により形成し、この接合部材に上端部がほぼ円周を有する円筒状のボイスコイルボビンを介してボイスコイルを接合しても良い。もちろん、スピーカー振動板1が、熱硬化性樹脂を形成した振動板であれば、その振動板部3に上端部がほぼ円周を有する円筒状のボイスコイルボビンが勘合するボイスコイル接合部を、振動板部3のいわば裏面側に設けても良い。この場合は、この裏面側のボイスコイル接合部を除く振動板部3の表裏両面において、振動板部3は、上記の凹凸を有する波形状を有していればよい。
また、上記の実施例のスピーカーでは、ボイスコイルが接合される位置は、振動板部3の中央の一カ所であるが、ボイスコイルの接合位置は、本実施例に限定されない。共振周波数の分散を目的にして、長軸X0と短軸Y0との交点からずらせた位置にボイスコイルを接合しても良い。また、振動板部3の細長形状に合わせて、複数のボイスコイルを接合しても良い。
また、上記の実施例のスピーカー振動板1では、外形がほぼ長方形の細長形状振動板であったが、トラック型や楕円型であってもよく、その複数の節線が、振動板の長軸と非平行で交差せず、かつ、振動板の短軸と交差するような波形状を備える振動板であればよい。
本発明の振動板は、スピーカーのみならず、細長形状の振動板を備えるマイクロホンにも適用が可能である。
本発明の好ましい実施形態によるスピーカー振動板1について説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるスピーカー振動板1について説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるスピーカー振動板1について説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるスピーカーおよび比較例のスピーカーの音圧周波通特性のグラフである。(実施例1、比較例)
符号の説明
1 スピーカー振動板
2 エッジ接合部
3 振動板部
f1〜f4 節線
h0〜h4 稜線

Claims (9)

  1. 長軸および短軸を有する外形が略楕円形、トラック形もしくは長方形のスピーカー振動板であって、
    該振動板の外周側でエッジと接合するエッジ接合部と、該エッジ接合部の内周側に設けられてボイスコイルと接合する振動板部と、を有し、
    該振動板部が、該エッジ接合部を含む平面として規定される仮想基準平面を有し、該仮想基準平面と交差する線として規定される複数の節線ならびに該仮想基準平面からの距離が極大になる点を結んだ線として規定される複数の稜線を有する波形状を備え、
    該複数の節線が、該振動板の該長軸と非平行で交差せず、かつ、該振動板の該短軸と交差する、スピーカー振動板。
  2. 前記振動板部の複数の節線が、該振動板の前記長軸に対して線対称に配置される、請求項1に記載のスピーカー振動板。
  3. 前記振動板部の複数の節線が、該振動板の前記長軸に対して線対称に配置される第1の節線と第2の節線とを含み、該第1の節線と該第2の節線との前記短軸方向における離間距離が、該短軸上で最も短く、該長軸方向の該振動板部の端部に向かうにつれて長くなる、請求項1または2に記載のスピーカー振動板。
  4. 前記振動板部の複数の稜線のうち前記仮想基準平面に投影した場合に前記長軸上にその投影線が重複する1本の該稜線を除く該複数の稜線が、該振動板の該長軸と非平行で交差せず、かつ、該振動板の該短軸と交差する、請求項1から3のいずれかに記載のスピーカー振動板。
  5. 前記振動板部の複数の稜線のうち前記仮想基準平面に投影した場合に前記長軸上にその投影線が重複する1本の該稜線を除く該複数の稜線が、該振動板の前記長軸に対して線対称に配置される、請求項1から4のいずれかに記載のスピーカー振動板。
  6. 前記振動板部の複数の稜線のうち前記仮想基準平面に投影した場合に前記長軸上にその投影線が重複する1本の該稜線を除く該複数の稜線が、該振動板の前記長軸に対して線対称に配置される第1の稜線と第2の稜線とを含み、該第1の稜線と該第2の稜線との前記短軸方向における離間距離が、該短軸上で最も短く、該長軸方向の該振動板部の端部に向かうにつれて長くなる、請求項1から5のいずれかに記載のスピーカー振動板。
  7. 前記振動板部の前記複数の節線ならびに前記複数の稜線を有する前記波形状が、前記短軸からの距離xならびに前記長軸からの距離yを変数に含む余弦関数もしくは正弦関数により規定される、請求項1から6のいずれかに記載のスピーカー振動板。
  8. 前記振動板部の前記複数の節線ならびに前記複数の稜線を有する前記波形状が、前記短軸からの距離xならびに前記長軸からの距離yを変数に含む振幅関数と、前記余弦関数もしくは正弦関数との乗算値により規定される、請求項7に記載のスピーカー振動板。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の前記スピーカー振動板を備える、スピーカー。

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