JP4615907B2 - ポリカーボネート樹脂成形体 - Google Patents
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Description
従って、このポリカーボネート樹脂成形体は、各種窓、例えば、住宅用窓、ショーウインド、車両用窓、車両用風防、遊戯機械のガラス代替、電気・電子、OA製品のハウジング、カバー、シート製品で傷つき防止等のためにコーティングを必要とする製品などに利用できる。
そのためコーティング処理を行い、それらの欠点をカバーしている。
コーティング処理において、特に硬さが要求される用途では、アルコキシシランの加水分解縮合物、更にはコロイダルシリカを併用したトップコート剤をプライマーを介して塗布することが一般的であるが、プライマーを使用しない場合には、密着力が全く得られず、容易に剥離する。
また、プライマーの使用により、コーティング処理が煩雑となり、コスト上昇に繋がるため、硬さと良好な密着性を有するプライマー不要のコーティング剤の開発が望まれている。
更に、プライマーを使用し、プライマー層に紫外線吸収剤を用いても、長期の屋外暴露により、ポリカーボネート樹脂が劣化し、界面での剥離が起きる。
従って、コーティング剤の更なる改良が求められている。
また、シランカップリング剤として、アミノシランやエポキシシランの少なくとも1種をオルガノシロキサン系塗料に添加することにより、密着性が向上することが知られている(例えば、特許文献3)。
しかしながら、ポリカーボネート樹脂基材上に、耐候剤を含むポリカーボネート樹脂層を設けないと耐候試験により硬化皮膜が容易に剥離する。
1.末端にフェノール性水酸基を50〜500μmol/g有する芳香族ポリカーボネート樹脂成形基体の表面に、イソシアネート基又はブロック化イソシアネート基を有する化合物を含むコーティング剤により、コーティング層を設けたポリカーボネート樹脂成形体であって、コーティング剤が、
一般式(B)
X−Si(OR4)(OR5)(OR6) (B)
(式中、Xは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、アクリロキシ基又はメタクリロキシ基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、メルカプト基、シアノ基、塩素原子及びフッ素原子から選ばれる1個以上の基もしくは原子で置換された炭素数1〜3のアルキル基を示し、R4、R5及びR6は、炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数2〜5のアルコキシアルキル基、炭素数2〜5のアシル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。)で表わされる化合物、一般式(B)で表わされる化合物の加水分解縮合物、
一般式(C)
Si(OR7)(OR8)(OR9)(OR12) (C)
(式中、R7、R8、R9及びR12は、炭素数が1〜10のアルキル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。)で表わされる化合物、一般式(C)で表わされる化合物の加水分解縮合物から選ばれる一種以上の化合物を含み、
イソシアネート基を有する化合物が、一般式(A)
OCN−Y−Si(OR 1 )(OR 2 )(OR 3 ) (A)
(式中、Yは炭素数1〜10のアルキレン基又は他の二価の有機基を示し、R 1 、R 2 及びR 3 は、炭素数が1〜10のアルキル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表わされる化合物であり、ブロック化イソシアネート基を有する化合物が、一般式(A)で表わされる化合物のブロック体であることを特徴とするポリカーボネート樹脂成形体、
2.コーティング剤が、さらに、コロイダルシリカを含む上記1に記載のポリカーボネート樹脂成形体、
3.芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が13,000〜35,000であり、該成形基体が板状、シート状又はフィルム状である上記1または2に記載のポリカーボネート樹脂成形体、
4.ポリカーボネート樹脂成形基体が透明性を有する上記3に記載のポリカーボネート樹脂成形体、
5.ポリカーボネート樹脂成形体が、ガラス代替材料である上記4に記載のポリカーボネート樹脂成形体
に関するものである。
本発明の末端にフェノール性水酸基を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は、フェノール性水酸基の含有量が、50〜500μmol/g、好ましくは80〜300μmol/g、より好ましくは、100〜220μmol/gである。
上記芳香族ポリカーボネート樹脂は、粘度平均分子量が、通常13,000〜35,000、好ましくは14,500〜30,000、より好ましくは、15,000〜25,000である。
また、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、単独で、又は末端のフェノール性水酸基の含有量が異なる芳香族ポリカーボネート樹脂をブレンドして用いることができる。
更に、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、他の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
他の熱可塑性樹脂としては、PET樹脂、PBT樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹脂、PMMA樹脂等が用いられ、併用することにより透明性を有さないものでもよい。
原料として用いられる二価フェノールとしては、例えば、一般式(I)
上記一般式(I)において、X1及びX2は、それぞれ炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。
このX1及びX2は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
a及びbは、それぞれX1及びX2の置換数を示し、0〜4の整数である。
X1が複数ある場合、複数のX1は互いに同一でも異なっていてもよく、X2が複数ある場合、複数のX2は互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(I)で表される二価フェノールとしては、様々なものを挙げることができるが、特に、2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称、ビスフェノールA]が好ましい。
ビスフェノールA以外の二価フェノールとしては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、4、4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等を挙げることができる。
この他、二価フェノールとしては、ハイドロキノン等を挙げることができる。
nは1〜500、好ましくは3〜450、特に好ましくは5〜400の整数である。
また、R5及びR6は、それぞれ脂肪族又は芳香族を含む二価の有機残基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチリレン基、ヘキシレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基など)、一般式(IV)、(V)、(VI)又は(VII)
で表されるo−アリルフェノール残基、p−ビニルフェノール残基、オイゲノール残基、ビスフェノールA残基などが挙げられる。
Aは、単結合又は−O−結合を示す。
これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
例えば、ジクロロメタン(塩化メチレン);トリクロロメタン;四塩化炭素;1、1−ジクロロエタン;1、2−ジクロロエタン;1、1、1−トリクロロエタン;1、1、2−トリクロロエタン;1、1、1、2−テトラクロロエタン;1、1、2、2−テトラクロロエタン;ペンタクロロエタン;クロロベンゼンなどの塩素化炭化水素、トルエン、アセトフェノンなどが挙げられる。
これらの有機溶剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中では、特に塩化メチレンが好適である。
三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N、N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、ジメチルアニリンなどが挙げられ、又、三級アミン塩としては、例えば、これらの三級アミンの塩酸塩、臭素酸塩などが挙げられる。
四級アンモニウム塩としては、例えば、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、トリブチルベンジルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミドなどが、四級ホスホニウム塩としては、例えば、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミドなどが挙げられる。
これらの触媒は、それぞれ単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記触媒の中では、三級アミンが好ましく、特にトリエチルアミンが好適である。
分岐剤としては、例えば、1、1、1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;4、4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール;α、α’、α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1、3、5−トリイソプロピルベンゼン;1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’、α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;フロログリシン、トリメリト酸、イサチンビス(o−クレゾール)等の官能基を3つ以上有する化合物を用いることもできる。
クロロフォーメート基含有芳香族ポリカーボネートオリゴマー又は芳香族ポリカーボネート樹脂は、原料の上記二価フェノールとホスゲン又はホスゲン誘導体を界面重縮合することにより製造することができる。
クロロフォーメート基含有芳香族ポリカーボネートオリゴマーの製造方法については、特に制限はないが、例えば、次に示す方法を好ましく用いることができる。
まず、二価フェノールを含有するアルカリ水溶液を調製し、これと不活性有機溶剤を混合し、撹拌しながら二価フェノールを含有するアルカリ水溶液と不活性有機溶剤との共存下にホスゲン又はホスゲン誘導体を反応させることにより、クロロフォーメート基含有芳香族ポリカーボネートオリゴマーが得られる。
また、アルカリ水溶液中の二価フェノールの含有量は、通常0.5〜20質量%の範囲で選ばれる。
更に、不活性有機溶剤の使用量は、有機相と水相の容量比が5/1〜1/7、好ましくは2/1〜1/4となるように選定するのが望ましい。
反応温度は通常、0〜50℃、好ましくは5〜40℃の範囲で選ばれる。
反応時間には、特に制限はない。
クロロフォーメート基含有芳香族ポリカーボネート樹脂は、例えば、クロロフォーメート基含有芳香族ポリカーボネート樹脂オリゴマーを含む溶液に、アルカリ水溶液又は二価フェノールを含有するアルカリ水溶液を加えて界面重縮合することにより製造することができる。
この際、必要に応じ、触媒を加えてもよい。
ここで、上記クロロフォーメート基含有芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、アルカリ水溶液量を制御するか、所定の反応時間又は反応溶液が所定の粘度に達した時点で酸を添加し、反応を停止することにより制御することができる。
また、他の反応条件により一義的に決められないが、過剰にアルカリ水溶液を使用したり、反応時間を過度に長時間にすると、得られるクロロフォーメート基含有芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量が高くなりすぎ、不活性有機溶剤に不溶な成分が生成する場合がある。
本工程では、(A)工程で得られたクロロフォーメート基含有芳香族ポリカーボネートオリゴマー又は芳香族ポリカーボネート樹脂と、二価フェノールを反応させ、更に界面重縮合を行なう。
この二価フェノールは、当量以下のアルカリ水溶液と接触させることにより、水酸基の一部がアルカリ金属塩に変換されたものである。
この水酸基の一部がアルカリ金属塩に変換された二価フェノールと、クロロフォーメート基含有芳香族ポリカーボネートオリゴマー又は芳香族ポリカーボネート樹脂との反応により、所望の分子量の末端にフェノール性水酸基を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を得ることができる。
水酸基の一部がアルカリ金属塩に変換された二価フェノールの調製方法には、特に制限はない。
該二価フェノールの調製には、二価フェノールの水酸基の当量より少ないアルカリ量の水溶液と混合して調製することが好ましい。
調製された二価フェノール含有水溶液は、二価フェノールがビスフェノールAである場合、水に溶解しないでスラリー状態となっている。
このとき、二価フェノールの水酸基のアルカリ金属塩への変換率(モル%)は、{[アルカリ量(モル)]/[二価フェノールの水酸基量(モル)]}×100により、算出することができる。
二価フェノールの水酸基のアルカリ金属塩への変換率としては、40〜90モル%が好ましく、50〜80モル%が更に好ましい。
変換率が40モル%以上であると、反応に必要な二価フェノールの量が適切で経済的であり、又、未反応二価フェノールの除去が容易となる。
また、90モル%以下であると、生成する芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量制御が容易で、高分子量化せず、不活性有機溶剤に不溶な成分が生成しない。
[b]/[a]が1以上であると、クロロフォーメート基との反応が完結し、10以下であると、二価フェノールの使用量が適切で経済的に有利であり、又、未反応の二価フェノールの除去が容易となる。
反応温度は、通常、10〜50℃、好ましくは20〜40℃の範囲で選定される。
反応時間は、クロロフォーメート基が十分反応すればよく、特に制限はないが、0.1〜5時間が好ましく、0.5〜2時間が特に好ましい。
アルカリ水溶液は、二価フェノールの水酸基の量と当量以上のアルカリ水溶液を加えると、効率的に未反応の二価フェノールを除去することができる。
具体的には、まず、該芳香族ポリカーボネート樹脂溶液に対し、通常、0.01〜5.0モル/リットル濃度の水酸化ナトリウム水溶液を10〜20体積%程度用い、両者を接触させてアルカリ洗浄処理する。
次いで、静置して、水相と有機相に分離したのち、有機相に対し、通常、0.05〜0.5モル/リットル濃度の塩酸を10〜20体積%程度用い、両者を接触させて酸洗浄処理する。
その後、静置して、水相と有機相に分離し、有機相は水洗処理を施す。
水洗処理後、静置して、水相と有機相に分離したのち、この有機相に再び上記と同様の水洗処理を施す。
上記水洗処理は、水相の電導度が、通常0.01μS/m以下になるまで、繰り返し行われる。
最後の水洗処理後、静置、分離して得られた芳香族ポリカーボネート樹脂溶液は、通常、芳香族ポリカーボネート樹脂の単離、回収工程へ供する。
上記成形基体としては、板状、シート状、フィルム状成形体が好ましい。
成形基体中には、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、無機フィラー、帯電防止剤、熱線遮蔽剤等を含んでいてもよい。
具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等である。
また、芳香族系ジイソシアネート、脂肪族系ジイソシアネート、脂環式系ジイソシアネートのブロック体が挙げられる。
これらのブロック体は、上記ジイソシアネート系化合物とブロック化剤を反応させることにより容易に得ることができる。
ブロック化剤としては、通常、オキシム系化合物(例えば、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム)、β−ジカルボニル化合物(例えば、マロン酸ジエチル)、アルコ−ル(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール)、フェノール類(例えば、フェーノール、クレゾール、エチルフェノール)、イミン(例えば、1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメチルピラゾール)、アミン(例えば、ジイソプロピルアミン)、ラクタム、(例えば、カプロラクタム)を用いることができる。
例えば、一般式(A)
OCN−Y−Si(OR 1 )(OR 2 )(OR 3 ) (A)
(式中、Yは炭素数1〜10のアルキレン基又は他の二価の有機基を示し、R1、R2及びR3は、炭素数が1〜10のアルキル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表わされる化合物が挙げられる。
Yの炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基等が挙げられる。
R1、R2及びR3の炭素数が1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
一般式(A)で表わされる化合物の具体例としては、γ−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等である。
また、イソシアネート基とシラン基を有する化合物のブロック体も好ましい。
例えば、上記一般式(A)で表わされる化合物のブロック体が挙げられる。
一般式(A)で表わされる化合物のブロック体の具体例としては、γ−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等のブロック体である。
これらのブロック体は、上記のように、一般式(A)で表わされる化合物とブロック化剤を反応させることにより容易に得ることができる。
本発明のコーティング剤中のイソシアネート基又はブロック化イソシアネート基を有する化合物の濃度としては、通常1〜30質量%、好ましくは3〜15質量%である。
コーティング剤に用いることができる溶剤としては、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシシエタノール、2−ブトキシシエタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチル、酢酸エトキシエチル等が挙げられる。
X−Si(OR 4 )(OR 5 )(OR 6 ) (B)
(式中、Xは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、メルカプト基、シアノ基、塩素原子及びフッ素原子から選ばれる1個以上の基もしくは原子で置換された炭素数1〜3のアルキル基を示し、R4、R5及びR6は、炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数2〜5のアルコキシアルキル基、炭素数2〜5のアシル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。)で表わされる化合物、一般式(B)で表わされる化合物の加水分解縮合物、一般式(C)
Si(OR 7 )(OR 8 )(OR 9 )(OR 12 ) (C)
(式中、R7、R8 、R 9 及びR 12 は、炭素数が1〜10のアルキル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。)で表わされる化合物、一般式(C)で表わされる化合物の加水分解縮合物から選ばれる一種以上の化合物あるいはコロイダルシリカを含むことができる。
上式中、Xの炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
炭素数2〜4のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基等が挙げられる。
置換された炭素数1〜3のアルキル基のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
R4、R5及びR6、又はR7、R8 、R 9 及びR 12 の炭素数が1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
R4、R5及びR6の炭素数2〜5のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシエチル基等が挙げられる。
R4、R5及びR6の炭素数2〜5のアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル等が挙げられる。
一般式(B)で表わされる化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等である。
一般式(C)で表わされる化合物の具体例としては、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラsec−ブチルシリケート、テトラt−ブチルシリケート等である。
コロイダルイシリカの配合量としては、上記一般式(B)で表わされる化合物、一般式(B)で表わされる化合物の加水分解縮合物、一般式(C)で表わされる化合物、一般式(C)で表わされる化合物の加水分解縮合物100質量部に対し、通常、10〜150質量部、好ましくは10〜100質量部配合される。
他の樹脂としては、アクリル系樹脂及びその変性体、メタクリル系樹脂及びその変性体等が挙げられる。
これらの樹脂としては、例えば、一般式(D)
で表わされる繰り返し単位を有する化合物及び一般式(E)
で表わされる繰り返し単位を有する化合物である。
式中、R10の炭素数2〜5のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。
また、R11の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
一般式(D)で表わされる化合物の具体例としては、アクリル酸エチレングリコールモノエステル、メタクリル酸エチレングリコールモノエステル、アクリル酸ブチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ブチレングリコールモノエステル等である。
一般式(E)で表わされる化合物の具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等である。
また、アクリル系樹脂及びその変性体、メタクリル系樹脂及びその変性体等をプライマーとして用いることもできる。
金属酸化物粒子としては、チタン、セリウム、亜鉛等の酸化物を挙げることができ、粒子径は、好ましくは1〜300μm、より好ましくは1〜200μmであり、これらは耐UV性を向上させる。
添加剤としては、例えば、光安定剤、紫外線吸収剤を挙げることができる。
更に、本発明に係るコーティング剤には、必要に応じて、潤滑剤、帯電防止剤を添加することもできる。
コーティング層の厚みは、通常0.5〜30μm、好ましくは1〜20μm、より好ましくは1.5〜15μmである。
厚みが0.5μm以上であると、十分な硬度が発現し、30μm以下であると剥離し難い。
本発明に係るコーティング剤がイソシアネート基を有する化合物を含むコーティング剤である場合、コーティング剤を調製後、なるべく早く使用することが望ましい。
本発明に係るコーティング剤を長期間保存する場合には、ブロック化イソシアネート基を有する化合物を含むコーティング剤が効果が持続し好ましい。
本発明に係るコーティング剤は、通常の熱硬化型のオルガノシロキサン系コーティング剤と同様の条件で塗工し、硬化することができる。
イソシアネート基を有する化合物を含むコーティング剤の場合、硬化温度としては、通常80〜130℃、好ましくは90〜130℃である。
ブロック化イソシアネート基を有する化合物を含むコーティング剤の場合、硬化温度としては、脱ブロック化に必要な温度以上で硬化させ、ブロック化剤の種類に応じ、通常100℃〜末端にフェノール性水酸基を有する芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度Tgを超えない範囲で硬化を行い、好ましくは100〜140℃、より好ましくは100〜130℃である。
この芳香族ポリカーボネート樹脂(PC)の性状を第1表に示す。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂として、以下のようにして製造したPC−1〜PC−4を用いた。
合成例1(PC−1の製造)
出光石油化学製タフロンFN2500(Mv=23,800)100質量部に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを0.1質量部混合し、280℃にて押出し、ペレットを作製した。
得られた芳香族ポリカーボネート樹脂の性状を第1表に示す。
(A)工程:(1)クロロフォーメート基含有芳香族ポリカーボネートオリゴマーの調製工程
5.6質量%水酸化ナトリウム水溶液に、ビスフェノールA(BPA)濃度が13.5質量%になるようにビスフェノールAを溶解し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液(NaOHaq)を調製した。
次に、内径6mm、管長30mの管型反応器に、上記ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を40リットル/hr及び塩化メチレンを15リットル/hrの流量で連続的に通すと共に、ホスゲンを4.0kg/hrの流量で連続的に通した。
管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。
管型反応器を出た反応液は、後退翼を備えた内容積40リットルのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入され、ここに、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を2.8リットル/hr、25質量%水酸化ナトリウム水溶液を0.07リットル/hr、水を17リットル/hr、1質量%トリエチルアミン水溶液を0.64リットル/hrで供給し、29〜32℃で反応を行った。
この槽型反応器から、反応液を連続的に抜き出し、静置することにより、水相を分離除去し塩化メチレン相を採取した。
得られた芳香族ポリカーボネートオリゴマー溶液は、オリゴマー濃度314g/リットル、クロロフォーメート基(CF)の濃度0.73モル/リットルであった。
邪魔板4枚、パドル型撹拌翼2枚及び冷却用ジャケットを備えた50リットル槽型反応器に、上記(1)工程で得られたオリゴマー溶液10リットル、塩化メチレン5.7リットルを仕込み、5℃まで冷却した。
次いで、トリエチルアミン1.0ミリリットルを仕込み、更に、7℃に冷却した6.4質量%水酸化ナトリウム水溶液6410gを、撹拌下に添加し、反応温度を10〜12℃に制御しながら60分間反応を行った。
有機相の一部を採取し、クロロフォーメート基の濃度を測定したところ、0.03モル/リットルであった。
工程(A)に続き、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液スラリー(5.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液1577gに亜二チオン酸ナトリウム1.0gを溶解させ、ビスフェノールA400gを懸濁させたもの)を添加し、撹拌しながら、25〜32℃にて60分間重縮合反応を行なった。
(B)工程で得られた反応液に、塩化メチレン20リットルを加えたのち、5.0質量%水酸化ナトリウム水溶液2632gを加え、20分間撹拌後静置させることにより、芳香族ポリカーボネートを含む有機相と過剰のビスフェノールA及び水酸化ナトリウムを含む水相とに分離し、有機相を反応器下部より抜き出して単離した。
この芳香族ポリカーボネート溶液を、その溶液に対して15体積%の0.2モル/リットルの塩酸で洗浄したのち、純水で2回洗浄を行い、洗浄後の水相の電気伝導度が0.01μS/m以下になったことを確認した。
(C)工程で得られた芳香族ポリカーボネート溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下に110℃にて乾燥処理した。
反応条件及び得られた芳香族ポリカーボネート樹脂の性状を第1表に示す。
合成例2の工程(A)(2)の6.4質量%水酸化ナトリウム水溶液を4106gに、(B)工程の5.0質量%水酸化ナトリウム水溶液を6.4質量%水酸化ナトリウム水溶液5656gに、亜二チオン酸ナトリウムを3.7gに、ビスフェノールAを1876gに、(C)工程の5.0質量%水酸化ナトリウム水溶液を13.6質量%水酸化ナトリウム水溶液4000gに変更した以外は参考例2と同様に反応及び操作を行なった。
工程(A)(2)の有機相である芳香族ポリカーボネート溶液の一部を採取し、クロロフォーメート基濃度を測定したところ、0.22モル/リットルであった。
反応条件及び得られた芳香族ポリカーボネート樹脂の性状を第1表に示す。
合成例2の(B)工程の5.0質量%水酸化ナトリウム水溶液を6.4質量%水酸化ナトリウム水溶液3306gに、(C)工程の5.0質量%水酸化ナトリウム水溶液を6.4質量%水酸化ナトリウム水溶液3667gに変更した以外は参考例2と同様に反応及び操作を行なった。
反応条件及び得られた芳香族ポリカーボネート樹脂の性状を第1表に示す。
〔粘度平均分子量(Mv)〕
ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、[η]=1.23×10-5Mv0.83の式により算出した。
試料10mLに、ナトリウムメトキシドを溶解したメタノール溶液を加えて3分間撹拌し、硝酸で中和したのち、ウラニンを溶解したエタノール溶液を加え黄色に発色させた。
この発色液に既知濃度の硝酸銀水溶液を桃色に変化するまで加えた。
硝酸銀水溶液の使用量からクロロフォーメート基の量を算出した。
試料70mgを0.6mlの重クロロホルムに室温下で溶解後、1H−NMRを測定した。
1H−NMR測定条件
日本電子株式会社製;JNM−LA500
1H核共鳴周波数 ;500MHz
観測周波数の範囲 ;10000Hz
積算回数 ;256回
パルス繰り返し時間;9秒
パルス幅 ;45°
化学シフト ;TMSを0ppmにセットした。
1H−NMRスペクトルでは、末端の水酸基由来のピークのみが、a(7.06、7.05ppm)、b(6.67、6.65ppm)、c(4.87ppm)に観測される。
試料300mgを3mlの重クロロホルムに室温下で溶解後、13C−NMRを測定した。
13C−NMR測定条件
日本電子株式会社製;JNM−LA500
13H核共鳴周波数 ;125.65MHz
観測周波数の範囲 ;25000Hz
積算回数 ;10000回
パルス繰り返し時間;4秒
パルス幅 ;45°
化学シフト ;重クロロホルムの3本のピークのうち、中央のピークを76.91ppmにセットした。
13C−NMRスペクトルでは、末端の水酸基由来のピークのみが、d(114.66ppm)、e(142.16ppm)、f(153.52ppm)に観測される。
また、コーティング剤として、下記のようにして製造したものを用いた。
合成例5(コーティング剤Aの製造)
メチルトリエトキシシラン150g、イソプロパノール45gを反応器内の温度を5℃以下に調節しながら混合攪拌し、コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名:
スノーテックス30、SiO2:30質量%含有)130gを加えた後3時間攪拌した。
続いて、室温で7時間攪拌した後、ジアセトンアルコール45g、イソプロパノール50g、テトラメチルアンモニウムベンゾエートの10質量%水溶液3gをこの順に加え、更に、酢酸を滴下し、pHを6〜7とした。
次に、イソプロパノールを加え、常温で固形物の濃度が20質量%になるように調整し、5日間熟成した。
上記コーティング剤A100質量部に対し、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン20質量%のシクロヘキサノン溶液10質量部を添加し、混合した。
全コーティング剤濃度は20質量%であった。
このコーティング剤Cは、調製後直ちに使用した。
上記コーティング剤B100質量部(固形成分として15質量部)に対し、下記のコーティング剤E(ブロック化イソシアネート基を有するシラン化合物含有コーティング剤)6質量部(固形成分として0.1質量部)を添加し、混合した。
全コーティング剤濃度は15.6質量%であった。
γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン10質量部をシクロヘキサノン50質量部に溶解し、イソシアネート基1当量に対し、マロン酸ジエチル1.2当量を添加し、50℃で1時間反応させた。
次に、この反応液100質量部に対し、触媒としてジ−n−ブチル錫ジラウレート0.0001質量部を加えた。
全コーティング剤濃度は25質量%であった。
γ−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン20質量部をシクロヘキサノン80質量部に溶解したものを用いた。
上記コーティング剤A100質量部に対し、ヘキサメチレンジイソシアネート10質量%のシクロヘキサノン溶液10質量部を添加し、混合した。
全コーティング剤濃度は20質量%であった。
このコーティング剤Gは、調製後直ちに使用した。
上記ポリカーボネート樹脂を表2に示す割合で用い、押し出し機でペレット化し、120℃で4時間以上乾燥後、東芝機械製射出成形機IS150Eを用いて、成形温度270℃、金型温度80℃で、150×150×3mmのテストプレートを射出成形した。
このプレートに、表2に示すコーティング剤をバーコーターを用い、塗膜の厚みが4μmとなるように塗布後、110〜130℃で2時間加熱し、コーティング剤を硬化させた。
この試料について、下記の試験法に従い、傷付き性及び密着性の評価を行なった。
これらの評価結果を表2に示す。
上記PC-2のテストプレートに、コーティング剤Fをバーコーターを用い、塗膜の厚みが0.2μmとなるように塗布後、80℃で30分間乾燥した。
更に、コーティング剤Aをバーコーターを用い、塗膜の厚みが4μmとなるように塗布後、110〜130℃で2時間加熱し、コーティング剤を硬化させた。
この試料について、下記の試験法に従い、傷付き性及び密着性の評価を行なった。
これらの評価結果を表2に示す。
上記PC-2のテストプレートに、コーティング剤Gをバーコーターを用い、塗膜の厚みが4μmとなるように塗布後、110〜130℃で2時間加熱し、コーティング剤を硬化させた。
この試料について、下記の試験法に従い、傷付き性及び密着性の評価を行なった。
これらの評価結果を表2に示す。
実施例5において、テストプレートをA1900に代えた以外は、実施例5と同様にしてコーティング剤を硬化させた。
この試料について、下記の試験法に従い、傷付き性及び密着性の評価を行なった。
これらの評価結果を表2に示す。
CS10Fの摩耗輪を用い、荷重500g、500回転後のヘーズの変化(ΔH%)をデジタル・ヘイズ・コンピューター(スガ試験機製)を用いて、測定した。
尚、×は磨耗試験時(回転中)に剥離したことを示す。
〔密着性試験1:初期密着性〕
JIS K5400に準じ、1mm間隔で縦横11本、計100個の碁盤目を作り、ニチバン製セロテープを接着した後、90度方向に急激に剥がした。
被膜が剥離せずに残った桝目の数を「残存桝目数/100」で表わした。
〔耐久試験後の密着性試験2〕
下記の条件に曝した後、上記密着試験1により評価した。
(耐久試験1:耐久性1)
50℃、湿度95%の恒温恒湿槽内に、200時間試料を放置した。
(耐久試験2:耐久性2)
サンシャインウェザーメータ−(スガ試験機製、サンシャイン・スーパー・ロングライフ・ウエザーメーター)
ブラックパネル63℃、湿度50%、降雨サイクル12/60分、照射強度(300〜450nm)、60mW/cm2
Claims (5)
- 末端にフェノール性水酸基を50〜500μmol/g有する芳香族ポリカーボネート樹脂成形基体の表面に、イソシアネート基又はブロック化イソシアネート基を有する化合物を含むコーティング剤により、コーティング層を設けたポリカーボネート樹脂成形体であって、コーティング剤が、
一般式(B)
X−Si(OR4)(OR5)(OR6) (B)
(式中、Xは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、アクリロキシ基又はメタクリロキシ基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、メルカプト基、シアノ基、塩素原子及びフッ素原子から選ばれる1個以上の基もしくは原子で置換された炭素数1〜3のアルキル基を示し、R4、R5及びR6は、炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数2〜5のアルコキシアルキル基、炭素数2〜5のアシル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。)で表わされる化合物、一般式(B)で表わされる化合物の加水分解縮合物、
一般式(C)
Si(OR7)(OR8)(OR9)(OR12) (C)
(式中、R7、R8、R9及びR12は、炭素数が1〜10のアルキル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。)で表わされる化合物、一般式(C)で表わされる化合物の加水分解縮合物から選ばれる一種以上の化合物を含み、
イソシアネート基を有する化合物が、一般式(A)
OCN−Y−Si(OR 1 )(OR 2 )(OR 3 ) (A)
(式中、Yは炭素数1〜10のアルキレン基又は他の二価の有機基を示し、R 1 、R 2 及びR 3 は、炭素数が1〜10のアルキル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表わされる化合物であり、ブロック化イソシアネート基を有する化合物が、一般式(A)で表わされる化合物のブロック体であることを特徴とするポリカーボネート樹脂成形体。 - コーティング剤が、さらに、コロイダルシリカを含む請求項1に記載のポリカーボネート樹脂成形体。
- 芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が13,000〜35,000であり、該成形基体が板状、シート状又はフィルム状である請求項1または請求項2に記載のポリカーボネート樹脂成形体。
- ポリカーボネート樹脂成形基体が透明性を有する請求項3に記載のポリカーボネート樹脂成形体。
- ポリカーボネート樹脂成形体が、ガラス代替材料である請求項4に記載のポリカーボネート樹脂成形体。
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