発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は短いペプチドおよびその使用に関する。特に、本発明は生物活性を持った短いペプチドに関する。
(背景技術)
ペプチドは疾患の治療ためにおよび医薬品組成物として当該技術では公知である。例えば、(特許文献1)は、平滑筋細胞の増殖に対して抑制活性を有する、それ故、動脈硬化症、血管形成術後の再狭窄、血管移植後の管腔狭窄および平滑筋肉腫のような平滑筋細胞の増殖に関連する病態を予防するおよび治療するのに有用であるペプチドを開示している。(特許文献2)は、上皮増殖ゾーンの増量活動および育毛のような生理学的過程を調節することが見出されている別のペプチドを開示している。さらに、(特許文献3)および(特許文献4)は、ある種のペプチドおよびそれらの医薬品組成物が生物活性であり、免疫応答を調節することができることを提案した。
それ故、生物活性を有する短いペプチドまたはペプチド群を提供することが本発明の目的である。
米国特許第6,191,113号明細書
米国特許第6,184,208号明細書
PCT国際公開第03/006492号パンフレット
米国特許出願第10/237,405号明細書
(発明の開示)
本発明の一態様は、生物活性を包含することが見出されたヘキサペプチドCMS017、イソロイシル−バリル−スレオニル−アスパラギニル−スレオニル−スレオニン(IVTNTT)に関する。試験目的のために、ペプチドL−イソロイシル−L−バリル−L−スレオニル−L−アスパラギニル−L−スレオニル−L−スレオニンが用いられた。本発明のさらなる態様には、イソロイシル−バリル−スレオニル−アスパラギニル−スレオニル−スレオニンを含む、それから本質的になる、またはそれからなる単離されたまたは精製されたペプチドが含まれる。別の態様は、実質的に純粋なIVTNTT(CMS017)ペプチドに関する。
本発明の追加の態様は、ペプチドIVTNTT(CMS017)から本質的になる単離されたまたは精製されたペプチドを包む。特殊な一実施形態では、ペプチドは免疫調整および抗ウィルス活性を有する。
本発明の追加の態様には、ペプチドIVTNTT(CMS017)を含む、それから本質的になる、またはそれからなる医薬品組成物が含まれる。本発明の他の態様は、IVTNTT(CMS017)の機能的誘導体を含む、それから本質的になるまたはそれからなる医薬品組成物に関する。
本発明の別の態様は、ペプチドIVTNTT(CMS017)を提供する工程と前記ペプチドを薬学的に許容可能なキャリアと混合する工程とを含む医薬品組成物の製造方法に関する。
本発明の別の態様は、薬学的に有効な用量のペプチドIVTNTT(CMS017)をヒトに投与することを含む免疫抑制またはウィルス性疾患の影響の低減方法に関する。本発明の追加の態様では、ウィルス性疾患はB型肝炎感染である。
本発明の別の態様は、医薬品組成物としてのペプチドIVTNTT(CMS017)の使用に関する。さらに、ヘキサペプチドは免疫不全またはウィルス性疾患を治療するために使用されてもよい。本発明の幾つかの特定の態様では、B型肝炎感染が治療される。
本発明のさらなる態様は、ペプチドIVTNTT(CMS017)を含有する栄養組成物および栄養サプリメントの製造のためのそれの使用を指向する。
本発明のさらなる態様では、CMS017ペプチド(IVTNTT)およびその機能性誘導体の強化誘導体が提供される。ペプチドIVTNTT(CMS017)の強化誘導体は、ペプチドの治療有効性を改善するまたは増大させるような方法でペプチドIVTNTT(CMS017)に操作可能に結合された強化分子を含む。強化効果は、持続効果、短縮効果、遅発性効果、早発性効果、効果の強度増大、効果の強度減少、副作用の低減、1つもしくはそれ以上の効果の生起、効果の遅延鎮静化、効果の早期鎮静化および個人内の別個の場所へのペプチドのターゲッティングのそれであってもよい。かかる強化分子および強化誘導体の例は以下に記載される。本発明の幾つかの態様では、強化分子はウィルス感染および免疫不全を治療するまたは予防することができるが、それらの治療または予防に限定されない。本発明の追加の態様には、IVTNTT(CMS017)およびその誘導体からなる群から選択されたペプチドを含む、それから本質的になるまたはそれからなるペプチドの治療効果の強化方法であって、治療効果を高める分子に前記ペプチドを操作可能に結合することを含む方法が含まれる。本発明の幾つかの態様では、治療効果を高める前記操作可能に結合される分子は、天然由来ペプチド中のIVTNTT(CMS017)およびその誘導体からなる群から選択されたペプチドに隣接するペプチドではない。本発明の追加の態様には、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドの強化誘導体を含む、それから本質的になるまたはそれからなる医薬品組成物が含まれる。
本発明の一態様は、それらの治療有効性を高める分子、本明細書では「強化分子」としても知られる分子に操作可能に結合された上に開示されたIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択された実質的に純粋なペプチドに関する。かかる分子は、その開示がそのまま参照により本明細書に援用される、「生物活性ペプチド結合体(Biologically active peptide conjugates)」という表題の、2002年12月18日に出願された米国仮特許出願第60/435,796号明細書に記載される方法のいずれかで製造され、使用されてもよい。ペプチドに操作可能に結合されることになる候補分子およびかかる結合を実施する方法は当業者にはおなじみである。IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドに操作可能に結合することができる幾つかの分子には、有機化合物、炭水化物、糖、多糖類、アミノ酸、アミノ酸ポリマー、ペプチド、ステロイド、タンパク質、タンパク質の隔離領域、ハプテン、抗原、脂質分子、脂肪酸、胆汁酸、ポリアミン、プロテアーゼ阻害剤、シリケートおよび先行分子のいずれかの組合せが含まれるが、それらに限定されない。本発明はまた、その治療有効性を高める分子に操作可能に結合された上に開示されたIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択された実質的に純粋なペプチドであって、前記操作可能に結合された分子が天然由来ペプチド中の上に開示されたペプチドに隣接するペプチドではないペプチドにも関する。本発明の別の態様では、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択された実質的に純粋なペプチドは、免疫不全またはB型肝炎感染のようなウィルス感染を治療するおよび/または予防することができるが、それらの治療および/または予防に限定されない。該分子は、共有結合または非共有相互作用で本発明のペプチドに操作可能に結合されてもよい。
特殊な実施形態では、生物学的に有効な分子は、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドに操作可能に結合された時に、結合された分子の一部としてペプチドに特性を与えることによってペプチドの薬物動態を変えることができる。操作可能に結合された分子がペプチドに与えることができる特性の幾つかには、身体内の別個の場所へのペプチドの送達、身体の所望場所でのペプチド活性の濃縮および他の場所でのその効果の低減、ペプチドでの治療の副作用の低減、ペプチドの浸透性の変化、ペプチドの生物利用効率または身体への送達速度の変化、ペプチドでの治療効果の長さの変化、ペプチドの安定性の変更、ペプチド効果の発現および減衰速度の変更、ペプチドに効果を持たせることによる許容作用の提供が含まれるが、それに限定されない。
本発明の別の態様は、その治療有効性を高める分子に操作可能に結合されたIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドを含む、それから本質的になるまたはそれからなる実質的に純粋なペプチドであって、前記操作可能に結合された分子が天然由来ペプチド中のIVTNTT(CMS017)およびその誘導体からなる群から選択されたペプチドに隣接するペプチドではないペプチドに関する。IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドに操作可能に結合することができる幾つかの分子には、有機化合物、炭水化物、糖、多糖類、アミノ酸、アミノ酸ポリマー、ペプチド、ステロイド、タンパク質、タンパク質の隔離領域、ハプテン、抗原、脂質分子、脂肪酸、胆汁酸、ポリアミン、プロテアーゼ阻害剤、シリケートおよび先行分子のいずれかの組合せが含まれるが、それらに限定されない。本発明の追加の態様には、その治療有効性を高める分子に操作可能に結合されたIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドを含む、それから本質的になるまたはそれからなる実質的に純粋なペプチドであって、免疫不全またはB型肝炎感染のようなウィルス感染を治療するおよび/または予防することができるが、それらの治療および/または予防に限定されないペプチドが含まれる。該分子は、共有結合または非共有相互作用で本発明のペプチドに操作可能に結合されてもよい。実質的に純粋なペプチドとその治療有効性を高める分子との間の動作できる結合の効果は、身体内の別個の場所へのペプチドの送達、身体の所望場所でのペプチド活性の濃縮および他の場所でのその効果の低減、ペプチドでの治療の副作用の低減、ペプチドの浸透性の変化、ペプチドの生物利用効率または身体への送達速度の変化、ペプチドでの治療効果の長さの変化、ペプチドの安定性の変更、ペプチド効果の発現および減衰速度の変更、ペプチドに効果を持たせることによる許容作用の提供を含むことができるが、それらに限定されない。
本発明の別の態様は、追加のペプチド配列が結合した状態で、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドを含むペプチドを含有するハブリッドペプチドであって、前記結合した追加配列が天然由来ペプチド中の上に開示されたペプチドに隣接することが見出された配列ではないハブリッドペプチドに関する。特殊な実施形態では、上記のハイブリッドペプチドは、免疫不全またはB型肝炎感染のようなウィルス感染を治療するおよび/または予防することができるが、それらの治療および/または予防に限定されない。特殊な実施形態では、天然由来ペプチド中のIVTNTT(CMS017)およびその誘導体からなる群から選択されたペプチドに隣接することが見出されなかった、これらの結合した追加のペプチド配列は、ハイブリッド分子の一部としてペプチドに特性を与えるおかげで本発明の上記実施形態のペプチドの薬物動態を変えることができる。操作可能に結合された分子がIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドに与えることができる特性の幾つかには、身体内の別個の場所へのペプチドの送達、身体の所望場所でのペプチド活性の濃縮および他の場所でのその効果の低減、ペプチドでの治療の副作用の低減、ペプチドの浸透性の変化、ペプチドの生物利用効率または身体への送達速度の変化、ペプチドでの治療効果の長さの変化、ペプチドの安定性の変更、ペプチド効果の発現および減衰速度の変更、ペプチドに効果を持たせることによる許容作用の提供が含まれるが、それらに限定されない。
本発明の別の態様は、前述のペプチドの治療有効性を高める、かつ、天然由来ペプチド中のIVTNTT(CMS017)またはその機能性誘導体からなる群から選択された前記ペプチドに隣接しないペプチドをコードする第2ヌクレオチド配列とフレームで融合されたIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドをコードする第1ヌクレオチド配列を含む、それから本質的になるまたはそれからなる遺伝子ベクターに関する。それはまた、前述のペプチドの治療有効性を高める、かつ、天然由来ペプチド中のIVTNTT(CMS017)またはその機能性誘導体からなる群から選択された前記ペプチドに隣接しないペプチドをコードする第2ヌクレオチド配列とフレームで融合されたIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドから本質的になるペプチドをコードする第1ヌクレオチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる遺伝子ベクターにも関する。それはさらに、前述のペプチドの治療有効性を高める、かつ、天然由来ペプチド中のIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択された前記ペプチドに隣接しないペプチドをコードする第2ヌクレオチド配列とフレームで融合されたIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドのアミノ酸配列からなるペプチドをコードする第1ヌクレオチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる遺伝子ベクターに関する。特殊な実施形態では、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択された前記ペプチドは、免疫不全またはB型肝炎感染のようなウィルス感染を治療するおよび/または予防することができるが、それらの治療および/または予防に限定されない。操作可能に結合された分子がIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択された前記ペプチドに与えることができる特性の幾つかには、身体内の別個の場所へのペプチドの送達、身体の所望場所でのペプチド活性の濃縮および他の場所でのその効果の低減、ペプチドでの治療の副作用の低減、ペプチドの浸透性の変化、ペプチドの生物利用効率または身体への送達速度の変化、ペプチドでの治療効果の長さの変化、ペプチドの安定性の変更、ペプチド効果の発現および減衰速度の変更、ペプチドに効果を持たせることによる許容作用の提供が含まれるが、それらに限定されない。本発明の別の態様は、上記のベクターのヌクレオチド配列と、天然由来ペプチド中のIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択された前記ペプチドに隣接しないペプチドをコードする第2ヌクレオチド配列とフレームで融合されたIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドのアミノ酸配列を含むペプチドをコードする第1ヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列とからなるリストから選択された核酸配列を含む微生物に関する。
上記の核酸配列のいずれかに関連して、これらの核酸配列から発現されるペプチドおよび/またはハブリッドペプチドは、免疫不全またはB型肝炎感染のようなウィルス性疾患を治療するおよび/または予防することができるが、それらの治療および/または予防に限定されない。
本発明のさらなる態様は、その治療効果を高める分子に操作可能に結合されたIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドを提供する工程と、前記分子と操作可能に結合された前記ペプチドを薬学的に許容可能なキャリアと調合する工程とを含む医薬品組成物の製造方法に関する。本発明はまた、前記ペプチドが免疫不全またはB型肝炎感染のようなウィルス性疾患を治療するおよび/または予防することができるが、それらの治療および/または予防に限定されない前記方法にも関する。IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択された前記ペプチドに結合することができる生物学的に有効な分子の幾つかの例には、有機化合物、炭水化物、糖、多糖類、アミノ酸、アミノ酸ポリマー、ペプチド、ステロイド、タンパク質、タンパク質の隔離領域、ハプテン、抗原、脂質分子、脂肪酸、胆汁酸、ポリアミン、プロテアーゼ阻害剤、シリケートおよび先行分子のいずれかの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。本発明はまた、前記治療効果を高める分子に前記ペプチドを操作可能に結合する工程を含む、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択された前記ペプチドを含むペプチドを含む医薬品の製造方法であって、前記分子が天然由来ペプチド中のIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択された前記ペプチドに隣接しているペプチドではない方法にも関する。該分子は、共有結合または非共有相互作用で本発明のペプチドに操作可能に結合されてもよい。特殊な実施形態では、前記結合された分子が前記ペプチドにそれらの治療効果を高めるために与えることができる特性には、身体内の別個の場所へのペプチドの送達、身体の所望場所でのペプチド活性の濃縮および他の場所でのその効果の低減、ペプチドでの治療の副作用の低減、ペプチドの浸透性の変化、ペプチドの生物利用効率または身体への送達速度の変化、ペプチドでの治療効果の長さの変化、ペプチドの安定性の変更、ペプチド効果の発現および減衰速度の変更、ペプチドに効果を持たせることによる許容作用の提供が含まれるが、それらに限定されない。それはまた、その治療効果を高める分子に操作可能に結合されたIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドのアミノ酸配列から本質的になる実質的に純粋なペプチドを提供する工程と、前記分子と操作可能に結合された前記ペプチドを薬学的に許容可能なキャリアと調合する工程とを含む医薬品組成物の製造方法にも関する。それはさらに、その治療効果を高める分子に操作可能に結合されたIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドからなる実質的に純粋なペプチドを提供する工程と、前記分子と操作可能に結合された前記ペプチドを薬学的に許容可能なキャリアと調合する工程とを含む医薬品組成物の製造方法に関する。
本発明のさらに別の態様は、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択された薬学的に有効用量の実質的に純粋なペプチドをヒトに投与する工程であって、前記ペプチドがその治療有効性を高める分子に操作可能に結合されている工程を含むヒトの治療方法に関する。IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択された前記ペプチドに操作可能に結合することができる生物学的に有効な分子の幾つかの例には、有機化合物、炭水化物、糖、多糖類、アミノ酸、アミノ酸ポリマー、ペプチド、ステロイド、タンパク質、タンパク質の隔離領域、ハプテン、抗原、脂質分子、脂肪酸、胆汁酸、ポリアミン、プロテアーゼ阻害剤、シリケートおよび先行分子のいずれかの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。幾つかの実施形態では、前記操作可能に結合された分子が前記ペプチドにそれらの治療効果を高めるために与えることができる特性には、身体内の別個の場所へのペプチドの送達、身体の所望場所でのペプチド活性の濃縮および他の場所でのその効果の低減、ペプチドでの治療の副作用の低減、ペプチドの浸透性の変化、ペプチドの生物利用効率または身体への送達速度の変化、ペプチドでの治療効果の長さの変化、ペプチドの安定性の変更、ペプチド効果の発現および減衰速度の変更、ペプチドに効果を持たせることによる許容作用の提供が含まれるが、それらに限定されない。
特定の実施形態では、上に記載されたヒトの治療のために使用されるペプチドは、免疫不全またはB型肝炎感染のようなウィルス性疾患を治療するおよび/または予防するために使用されてもよいが、それらの治療および/または予防に限定されない。
本発明のさらなる態様には、その治療効果を高める分子に操作可能に結合されたIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドと薬学的に許容可能なキャリアとを含む、それらから本質的になる、またはそれらからなる医薬品組成物が含まれる。本発明はまた、免疫不全またはB型肝炎感染のようなウィルス性疾患を治療するおよび/または予防することができるが、それらの治療および/または予防に限定されない、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択された前記強化ペプチドにも関する。IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択された前記ペプチドに操作可能に結合することができる生物学的に有効な分子の幾つかの例には、有機化合物、炭水化物、糖、多糖類、アミノ酸、アミノ酸ポリマー、ペプチド、ステロイド、タンパク質、タンパク質の隔離領域、ハプテン、抗原、脂質分子、脂肪酸、胆汁酸、ポリアミン、プロテアーゼ阻害剤、シリケートおよび先行分子のいずれかの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。幾つかの実施形態では、前記操作可能に結合された分子が前記ペプチドにそれらの治療効果を高めるために与えることができる特性には、身体内の別個の場所へのペプチドの送達、身体の所望場所でのペプチド活性の濃縮および他の場所でのその効果の低減、ペプチドでの治療の副作用の低減、ペプチドの浸透性の変化、ペプチドの生物利用効率または身体への送達速度の変化、ペプチドでの治療効果の長さの変化、ペプチドの安定性の変更、ペプチド効果の発現および減衰速度の変更、ペプチドに効果を持たせることによる許容作用の提供が含まれるが、それらに限定されない。
5つの図のそれぞれは、ペプチドをステロイド分子に結合するための例示的な化学反応を例示する。
(好ましい実施形態の詳細な記載)
豚脾臓ペプチド抽出物はヒトB型肝炎感染に治療効果を有することが以前に報告された(Jurin、M.、et al.Effects of low molecular weight glycoproteins in chronic hepatitis B.Hepatogastroenterology.1996;43(10):882−886)。しかしながら、活性成分の分子的性状およびその薬理学は両方とも知られていない。元の抽出物はグリコペプチドの混合物であると報告され、抗HBY活性は免疫システムの刺激によってもたらされると仮定された。不明確な分子組成の混合物であるので、混合物中の個々の活性成分の治療作用を最適化することは不可能である。また、抽出物は動物起源のものであるので、未知の動物疾患のヒトへの感染の可能性を無視することはできない。個々の活性成分を化学的に合成するという究極的な目標を持って、活性成分を選び出し、その治療作用を最適化するために、抽出物の化学組成が分析され、成分のそれぞれの治療活性が試験された。抽出物中のペプチドの多くは、実施例1に下で報告されるように、CMS017がインビトロで最強のHBV阻害剤であって、抗HBV活性を有することが見出された。CMS017はまた実施例2に下で報告されるように免疫刺激性を有することも見出された。CMS017は配列IVTNTTを有し、L−アミノ酸を使用して合成された。CMS017が抗ウィルスおよび免疫刺激性を有するという発見は、IVTNTT分子、より大きなペプチドおよびそれらの配列内にこのペプチドの配列を含有するペプチドをはじめとする、この分子を含有するより大きな分子、ならびにIVTNTTの機能性誘導体が免疫システムを強化するための化合物、抗ウィルス剤、医薬品および食品サプリメントとして有用である可能性があることを示唆する。
本発明の別の実施方法として追加のアミノ酸をIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドのアミノまたはカルボキシル末端に付加させることが可能であることもあることは理解される。かかる実施形態では、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドは、本明細書に記載される治療または機能特性の1つもしくはそれ以上を維持する。例えば、幾つかの実施形態では、1つもしくは2つのアミノ酸がその生物学的機能に影響を及ぼすことなく開示されたペプチドに付加させられてもよい。さらなる実施形態では、3つもしくは4つのアミノ酸を付加させ、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドの機能を依然として維持することもまた可能であることもある。これらはすべて同じペプチドの変異体と言われる。さらに、同じ機能クラス内の別のものへの1アミノ酸の控えめな取り替えのようなペプチドの誘導体が、本発明の別の態様を実施するために使用されてもよい。例えば、非極性または疎水性側鎖を有するペプチドは、生物活性を低下させることなく1側基を別のものに置き換えることが可能であることもある。さらなる例として、リンカー/スペーサーが変異体を形成するためにペプチド中へ挿入されてもよいが、変異体は本研究に使用された元のペプチドのようなそれらの活性部分を依然として保持する。これらもまたペプチドの変異体と考えられる。本明細書で使用されるようなペプチド類似体には、天然アミノ酸の構造を模倣するアミノ酸分子を有するペプチド、例えば異なる主鎖構造の類似体、またはD−アミノ酸置換体が含まれる。さらなる例として、ペプチドを合成するために使用されるアミノ酸はそれらのL光学異性形にあるが、配列中のアミノ酸の1つもしくはそれ以上がD形で置換されたペプチドは類似の生物活性を有する可能性がある。用語「機能性誘導体」は、特許請求の範囲に用いられるところでは、該ペプチドのフラグメント、変異体、類似体または化学的誘導体を含むことを意図される。
「実質的に純粋なペプチド」は、純度が少なくとも10%w/w、より好ましくは20%、さらにより好ましくは40%、ずっとより好ましくは60%、はるかにより好ましくは90%純度より大きいペプチドを意味する。最も好ましい実施形態では、純度は99%より大きい。実質的に純粋なペプチドは、以下に記載されるように複雑な混合物であってもよい医薬品調合物および栄養調合物を調製するために使用することができる。
医薬品調合物でのIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドの使用は、免疫不全またはウィルス性疾患のための可能な治療として用いられてもよい。調合物は、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドが他のペプチドをはじめとする、他の活性な、または不活性な成分と混合されてもよく、例えば、2〜幾つか(例えば3〜5)のペプチドが他の成分ありまたはなしで同じ調合物に加えられてもよい。あるいはまた、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドが、ここにリストされないペプチドと一緒に調合物を調製するために使用されてもよい。それらは静脈内、筋肉内、皮内(intracutaneous)、皮下または皮内(intradermal)の形態で投与することができる。投与の形態は、問題の器官に直接導かれる動脈内注射であってもよい。投与の他の形態は、経皮、粉末またはスプレーのような吸入、および当業者によって知られる送達の他の形である。調合物はまた経口摂取されてもよく、経口摂取後にペプチドの胃内消化を防ぐために使用することができるキャリアまたは当該技術で公知の任意の他のキャリア(例えば、リポソームのような、経皮送達のためのキャリア)を含有してもよい。
本明細書で用いるところでは、用語「ハブリッドペプチド」は、上に明記される配列を有する元の生物活性ペプチドまたはその機能性誘導体中へ挿入された追加のペプチドを含有するが、実質的に類似の活性を依然として保持するペプチドを意味するために用いられる。追加のペプチドには、例えば、外部または細胞中へのハブリッドタンパク質の分泌のシグナルとして1つもしくはそれ以上の原核細胞または真核細胞によって認識されるアミノ酸配列を含有するリーダーペプチドが含まれる。該分泌は、直接分泌であっても、または分泌小胞による間接分泌であってもよい。
本明細書で用いるところでは、専門用語「から本質的になる」は、カルボキシルおよび/またはアミノ末端で追加のアミノ酸と一緒にIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドのアミノ酸配列を含む、かつ、本明細書で提供される前記ペプチドの活性を維持するペプチドまたはポリペプチドを意味する。このように、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドの活性が免疫不全またはウィルス性疾患を治療するおよび/または予防することである非限定的な例として、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチド「から本質的になる」ペプチドまたはポリペプチドは、当該ペプチドに関して本明細書で提供されるような感染を治療するおよび/または予防する活性を有するであろうし、かつ、免疫不全を治療するおよび/またはウィルス感染を予防するペプチドまたはポリペプチドの能力を実質的に低下させる、または上記の障害または疾患のための治療剤および/またはその予防剤としてのペプチドの基本的および新奇な特性への重大な変更を構成するいかなる特性もそれ自体(すなわち、1つもしくはそれ以上の生物活性分子への結合による変性前に)持たないであろう。このように、前述の例では、ウィルス感染の治療および/または予防以外の一次活性を有する、かつ、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドのアミノ酸配列を含有する十分な長さの天然由来ポリペプチドは、その中のどこかに、その配列が十分な長さの天然由来ポリペプチドに含有されるIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチド「から本質的になる」ペプチドまたはポリペプチドを構成しないであろう。同様に、前述の例では、免疫不全の治療および/またはウィルス感染の予防以外の一次活性を有するがIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドのアミノ酸配列を含む遺伝子操作されたペプチドまたはポリペプチドは、その中のどこかに、その配列が遺伝子操作されたペプチドまたはポリペプチドに含有されるIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチド「から本質的になる」ペプチドまたはポリペプチドを構成しないであろう。
当業者は、ペプチドまたはポリペプチドが、IVTNTT(CMS017)ペプチドに関して本明細書に提供される、免疫不全の治療および/またはウィルス感染の予防についての効力検定を用いてペプチドまたはポリペプチドの活性を測定することによって、前述の定義下のIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドから本質的になるかどうかを容易に決定することができる。
好ましい実施形態では、専門用語「から本質的になる」はまた、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドに加えて5つ未満のアミノ酸残基を有するペプチドまたはポリペプチドを意味することもある。より好ましい実施形態では、同じ専門用語はIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドに加えて2つのアミノ酸残基を持ったペプチドを意味する。さらにより好ましい実施形態では、同じ専門用語はIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドに加えて1つのアミノ酸残基を持ったペプチドを意味する。
医薬品調合物は、公知の医薬品キャリアのいずれかを含んでもよい。好適なキャリアの例には、当業者に公知の標準的な薬学的に許容可能なキャリアのいずれかが挙げられる。これらには、生理食塩水、水、オイルおよび水混合物を含むエマルジョンまたはトリグリセリドエマルジョン、ならびに他のタイプの試剤、フィラー、コート錠剤およびカプセルが含まれるが、それらに限定されない。適切なキャリアは、医薬品組成物の投与の形態に基づいて選択されてもよい。
IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドは、静脈注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射、および皮下移植によって投与されてもよい。ペプチドはまた、錠剤、カプセル、懸濁液、溶液などのような経口投与の任意の形で、修正なしに通常の形でもしくは徐放形で、または胃−小腸保護ありもしくはなしで投与されてもよい。ペプチドはさらに、経皮促進デバイスありまたはなしの、軟膏、クリーム、ゲルなどのような局所適用の任意の形で適用されてもよい。ペプチドはまた、それだけでまたは他のペプチド配列と組み合わせて、その遺伝子配列へ読み取られ、発現システムへクローン化されてその結果生じるペプチド分子を作り出し、本明細書に記載されるようなペプチドの活性を利用してもよい。
各ペプチドの用量はkg体重当たり1ng〜10gであってもよい。好ましい用量はkg当たり10ng〜10mg、そして注射形態の投与についてより好ましくはkg当たり1μg〜1mgである。しかしながら、有効用量は、ペプチドの1つもしくはそれ以上が受容体によって機能するかもしれず、それはカスケードの正常な生理学的反応を誘発するので、kg体重当たり1ngほどに低いものであることができる。あるいはまた、ペプチドの1つもしくはそれ以上は、全カスケードの反応のためのただの開始剤であることができる。経口摂取については、量はkg体重当たり1日当たり1ng〜10g、より好ましくはkg体重当たり1日当たり0.1μg〜1g、さらにより好ましくは1日当たり1μg〜10mgであってもよい。
II.遺伝子治療および治療の方法
上記のペプチド配列をベースにする遺伝子治療は、これらのペプチドの1つをコードする核酸配列をデザインすることによって行われる。核酸は化学的に合成され、プロモーターに操作可能に結合され、発現ベクター中へクローン化されてもよい。発現ベクターは次に、ヒト細胞での発現のための遺伝子治療の形としてヒト身体へ投与される。用語「遺伝子ベクター」は、本明細書で用いるところでは、これらの発現ベクターを含む。遺伝子治療のために用いることができるベクターには、アデノ関連ウィルス(Mizuno、M.et al.(1998)Jpn J Cancer Res 89、76−80)、LNSXベクター(Miller、A.D.et al.(1993)Methods Enzymol 217、581−599)およびレンチウィルス(Goldman、M.J.et al.(1997)Hum Gene Ther 8、2261−2268)が含まれる。
ペプチド送達のための他のビヒクルには、ホスト生物の健康に有意の有害な影響なしにペプチドを投与することが望まれるホスト生物中で複製することができる生物へ導入され得る所望のペプチドをコードする発現ベクターが含まれる。例えば、発現ベクターは、ペプチドを投与することが望まれるホスト生物に対して病原性でない生物へ導入されてもよい。幾つかの実施形態では、発現ベクターは、ペプチドが投与されることになるホスト生物の健康に有意の有害な影響を持たない細菌生物または真菌生物で所望のペプチドを生産する。例えば、所望のペプチドをコードする発現ベクターは、乳酸菌、大腸菌(E.Coli)、または酵母のような生物で所望のペプチドを生産する発現ベクターであってもよい。一実施形態では、発現ベクターは、哺乳類の腸で通常見出される微生物または哺乳類の消化管に許容される微生物で所望のペプチドを生産する。所望のペプチドが発現され得る微生物種の幾つかには、L.アシドフィルス(acidophilus)、L.アミロボラス、L.カゼイ、L.クリスパツス、L.ガリナラム、L.ガッセリ、L.ジョンソニイー、L.パラカゼイ、L.プランタラム、L.ロイテリ、L.ラムノススもしくはその他のような乳酸菌(Lactobacillus)種;B.アドレッセンティス、B.アニマルス(animalus)、ビフィズス菌(B.bifidum)、B.ブレーベ、B.インファンティス、B.ラクティス、B.ロンガムもしくはその他のようなビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種;大便連鎖球菌(Enterococcus faecalis)もしくはエンテロコッカス・ファシウム;イヌリヌス菌(Sporolactobacillus inulinus);枯草菌(Bacillus subtilis)もしくはセレウス菌;大腸菌;プロピオン酸菌(Propionibacterium freudenreichii);またはサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)もしくは酵母菌(Saccharomyces boulardii)が含まれるが、それらに限定されない。
化学的に合成されるまたはcDNA分子を生産するためのmRNAの逆転写を含むがそれに限定されない他の方法によって生産される、本発明のペプチドのいずれかをコードする核酸配列は、当業者にはよく知られている遺伝子工学の方法によって所望の生物への遺伝子転写のための発現ベクター中へ組み込まれる。発現ベクターはDNAベクターまたはRNAベクターであってもよい。例えば、発現ベクターはプラスミドまたはウィルス遺伝要素をベースにしてもよい。発現ベクターは、染色体外で複製するベクターであってもまたは染色体中へ一体化するベクターであってもよい。
発現ベクターは、本発明のペプチドをコードする核酸に操作可能に結合されたプロモーターを含む。プロモーターは、誘導プロモーター、または構成的プロモーターのような、制御可能なプロモーターであってもよい。幾つかの実施形態では、プロモーターは所望のレベルのペプチド発現を提供するように選択されてもよい。さらに、必要ならば、発現ベクターは、ペプチドの生産、プレゼンテーションおよび/または分泌を促進するために他の配列を含んでもよい。幾つかの実施形態では、本発明のペプチドをコードする核酸は、ペプチドの分泌を指令する核酸配列に操作可能に結合される。例えば、本発明のペプチドをコードする核酸は、シグナルペプチドをコードする核酸に操作可能に結合されてもよい。
幾つかの実施形態では、本発明のペプチドをコードするように遺伝子操作される発現ベクターは、乳酸菌種および枯草菌のような、哺乳類の正常腸管内菌叢を構成する細菌種で本発明のペプチドの発現に適応させられている発現ベクターであってもよい。かかる発現ベクターの例は、それぞれ、Casasに付与された米国特許第6,100,388号明細書およびBelliniに付与された米国特許第5,728,571号明細書に見出すことができる。これらの文献は、そのまま参照により本明細書に明白に援用される。ペプチドが投与されることになるホスト生物の健康に有害ではない生物で本発明のペプチドの発現を容易にする任意の発現ベクターが用いられてもよいことは理解されるであろう。
幾つかの実施形態では、本発明のペプチドをコードするように遺伝子操作される発現ベクターは、ヒト腸にコロニーを形成することができる、かつ、ある特定形態の下痢を治療するために用いられる、サッカロミセス・セレビシエ、または、好ましくは、酵母菌のような、哺乳類の腸に十分に許容される酵母種で本発明のペプチドの発現に適応させられている発現ベクターであってもよい。異種タンパク質およびペプチドを構成的に発現する、非常に安定である、従って有糸分裂および減数分裂の間ずっと子孫細胞に伝達される、そして高レベルの組み換えタンパク質分泌を指令するシグナルペプチド、またはペプチド群のためのコード配列を含んでもよい酵母発現ベクターを用いることができる。かかる酵母ベクターの例は、そのまま参照により本明細書に明白に援用される、Jang et al.に付与された米国特許第6,391,585号明細書に与えられている。
本発明のペプチドをコードする発現ベクターは生物中へ導入されてもよく、生物中で、当該技術で公知の技法によってペプチドを発現することが意図される。これらの技法には、例えば、化学的に有能な細菌細胞、電気穿孔法または酢酸リチウム形質転換(酵母について)、ならびにこれらの手順に抵抗する細菌種の形質転換での最近の進歩の使用による、細菌、酵母、または他の微生物の伝統的な形質転換法が含まれる。幾つかの実施形態では、発現ベクターは、その開示がそのまま参照により本明細書に援用される、Leer et al.(国際公開第95/35389号パンフレット)によって開示された方法を用いて形質転換に抵抗することが知られている乳酸菌中へ導入される。導入される配列は、微生物染色体DNA中へ組み込まれてもよいし、または染色体外DNA要素として留まってもよい。
発現ベクターを含有するこの遺伝子操作された微生物は次に、持続免疫治療を達成するために消化管、膣、気管など中へ接種することができる。幾つかの実施形態では、本発明のペプチドを発現する生物は、不活性な形態でまたは、好ましくは、生きた形態で取り込まれる。腸でこれらの微生物は前記ペプチドを生産し、分泌によってもしくは微生物の溶解によってそれらを管腔中へ放出するか、または別の方法でペプチドをホストに与え、それによってペプチドはそれらの意図された効果をホスト生物に生み出す。他の実施形態では、ペプチドは鼻腔、膣または小腸の粘膜でホストに与えられる。
治療の別の方法は、特異な核酸をヒト身体中の細胞に送達するための手段としてのリポソームの使用である。核酸(IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドをコードする核酸配列を含有する発現ベクターのような)は、Gao、X.and Huang、L.(1995)Gene Ther 2、710−722および米国特許第6,207,456号明細書に記載されているような細胞取り込みおよび染色体組み込みを促す環境で送達される。あるいはまた、ペプチドそれ自体は、米国特許第6,245,427号明細書に記載されている方法を用いて、リポソーム中にカプセル化し、直接送達することができる。上に示された科学刊行物および特許はすべてそのまま参照により本明細書に援用される。
上述の遺伝子治療に有用な核酸配列および治療の方法には、これらのペプチドおよびその機能性誘導体をコードする配列が含まれる。多数の核酸配列の任意の1つが、退化したコドンシステムに基づいてこれらのペプチドおよびそれらの誘導体をコードするために用いられてもよい。
次の参考文献がそのまま参照により本明細書に援用される。
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III.ペプチドの結合ならびにIVTNTT(CMS017)およびその誘導体での調合物
本発明の生物活性ペプチドは、追加の効果もしくは用途を提供するためにまたはそれらの治療有効性を高めるために他の生物学的に有効なまたは有用な分子に結合されてもよい。多くの潜在的な結合分子、それらの生物学的効果およびペプチドへの分子の結合方法は当該技術では公知である。他の候補結合パートナーについて、それに本発明ペプチドを結合させるための化学反応は必要以上の実験なしに当業者によって推定され得る。有効な分子は以下に記載される。本発明による様々なペプチドがそれらの有効な分子に結合されてもよい方法および生じた結合生成物の生物学的特性の具体的な例が記載される。本発明の他のペプチドもまた類似の反応で結合されてもよいことは理解される。
ペプチドIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体は、特定の細胞または組織タイプに明確な効果を有することができる。ペプチドドラッグへの分子の結合の重要な一目的は、治療中個人の身体内のある特定の場所または区画へのペプチドのターゲッティングである。このような方法で、ペプチドドラッグおよびその効果は、それが意図される治療効果を有する細胞または組織タイプの場所に濃縮させることができる。これは、類似モル量の遊離の非結合ペプチドが有するであろう効果を増大させることができる。逆に言えば、その治療活性部位をターゲットする結合ペプチドドラッグの投薬量は、遊離の非結合形のドラッグから同じ治療効果を得るために必要とされる投薬量よりもかなり低いものであることができる。
その活性が最も望まれる部位へのペプチドドラッグのターゲッティングの別の有益な効果は、望まれない副作用の低減である。特定の細胞または組織タイプで変化を達成するために投与されるペプチドドラッグはまた、時々有害な結果付きで、個人内の他の場所でも作動することができる。ターゲッティング分子への結合によりペプチドに所望の活動場所をターゲットさせることによって、個人の他の場所でのペプチドの濃度およびその結果生じる副作用を減らすことができる。
IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドを含む、それから本質的になる、またはそれからなるペプチドは、個人の身体の全体にわたって異なる場所をターゲットさせるために様々な分子に結合させることができる。ペプチドに所望場所をターゲットさせるための以下に記載される結合技術のいずれか、ならびに当業者にはよく知られている他の結合技術が本発明のペプチドのいずれかで用いられてもよい。例えば、抗B型肝炎ドラッグの肝臓細胞への選択的送達が実証された(そのまま参照により本明細書に援用される、Fiume et al.、Ital J Gastroenterol Hepatol、29(3):275、1997)。この研究で、研究者たちはアデニンアライビノシド・モノホスフェート(ara−AMP)、B型肝炎ウィルスに対して活性なリン酸化ヌクレオシド類似体をラクトサミン化ヒトアルブミン、ガラクトシル末端高分子に結合させた。肝細胞は、末端ガラクトシル残基と高い親和性で相互作用する受容体タンパク質を発現する。この受容体への結合により、結合ドラッグは肝細胞によって選択的に吸収されるであろう。吸収後に、結合ドラッグはリソソームに送達され、そこで結合ドラッグの2成分間の結合が開裂され、ara−AMPをその活性な形態で放出する。上に引用された研究で、結合ドラッグは慢性B型肝炎感染の患者を治療するのに遊離ara−AMPほど有効であったが、遊離ara−AMPの投与が引き起こす神経毒症状のような臨床副作用を引き起こさなかった。かかるアプローチは、本発明のペプチドのいずれかで用いることができる。
同じ研究チームによる、上記のものとの関連研究(Di Stefano et al.、Biochem.Pharmacol.、61(4):459、2001)で、抗ガン化学療法剤、5−フルオロ−2−デオキシウリジン(FUdR)は、該化合物に肝臓をターゲットさせ、そして肝臓微小転移巣を治療するためにラクトサミン化ポリ−L−リジンに結合された。ドラッグは肝臓細胞によって選択的に吸収され、肝臓細胞はFUdRとターゲッティング分子との間の結合を開裂させる。遊離FUdRの一部は次に肝臓細胞を出て、抗ガン剤の局在化した治療濃度が生み出される。この濃度は、肝臓に浸潤した転移細胞への薬理活性のために十分である。ドラッグは肝臓に選択的に濃縮されるので、結合ドラッグの投薬量は、遊離の非結合化合物の最小薬理活性投薬量よりかなり少ないものであることができる。この戦略は、本発明のペプチドのいずれかで利用することができる。例えば、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドへのラクトサミン化ポリ−L−リジンの結合は、肝臓組織にかかわるウィルス感染を治療するために必要な投薬量をかなり減らすことができよう。
身体内の特定の組織または細胞タイプへの化合物のターゲッティングは、多数の異なる組織または細胞タイプについて達成されてきた。例えば、腫瘍細胞はしばしば、ボンベシン、黄体ホルモン−放出ホルモン、およびソマトスタチンのような、異常に高いレベルのペプチドホルモン受容体をそれらの表面上に発現する。一研究では、抗ガン化合物パクリタキセル(タキソール)は、ドラッグをオクトレオチド、ソマトスタチンの類似体と結合させることによって高密度でソマトスタチン受容体を発現するホルモン分泌腫瘍細胞を選択的にターゲットした。オクトレオチド結合タキソールは遊離タキソールとちょうど同じほど有効であったが、正常細胞への毒性は低下した(Huang et al.、Chem.Biol.、7(7):453、2000)。Huang et.al.の技法を用いて本発明のペプチドをペプチドホルモン受容体アゴニストの類似体に結合させると、高レベルの当該特定ペプチドホルモン受容体を発現するターゲッティング細胞に特に治療をもたらすであろう。このアプローチは、任意の数のペプチドホルモン受容体を過剰発現する細胞をターゲットするよう適応させることができる。ドラッグに特異な組織タイプをターゲットさせる別の例では、ポリ(L−アスパラギン酸)がドラッグ送達に特に結腸細胞をターゲットさせるためのキャリア分子として使用された(Leopold et al.、J.Pharmacokinet.Biopharm.、23(4):397、1995)。
ある特定の細胞または組織タイプへのペプチドドラッグの特異なターゲッティングを越えて、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドを含む、それから本質的になる、またはそれからなるペプチドのキャリア分子への結合は、ペプチドドラッグの送達を高め、それによってそれらの治療効果を増大させるまたはさもなければ向上させるための他の方法を提供することができる。以下に記載される結合技術のいずれかが、当業者にはよく知られている他の技術と同様に、本発明のペプチドのいずれかで用いられてもよい。任意のドラッグの有効性は、該化合物がそのターゲットに効率的に送達され得ない場合には妨げられるであろう。ドラッグは、代謝プロセスまたは分解による活性の実質的な損失なしに、活発にまたは他の方法で、その活動の部位に輸送されなければならない。ペプチドドラッグはペプチダーゼの活性にさらされ、高帯電分子として、血液脳関門のような、脂質細胞膜および内皮細胞膜を横切る輸送に抵抗することができる。他の分子への結合は、ペプチドを分解から守るための、かつ、普通は該化合物を締め出すであろう細胞または解剖学的構造区画中へのペプチドドラッグの吸収を高めるための方法を提供する。
ペプチドが普通は締め出される身体内の場所へのペプチドアクセスを可能にすることによって、結合技術はドラッグ投与の新たなルートを切り開くことができる。その化学が下の実施例5に詳述される、そしてそのまま参照により本明細書に援用される、Patel et al.、Bioconjugate Chem.、8(3):434、1997で、研究者たちは、強力な鎮痛作用を持つことが知られているペプチドドラッグ、へプタペプチド・デルトルフィンを、該ペプチドが血液脳関門を横切ることを可能にするよう特にデザインされた有機化合物に結合させた。これは、ドラッグが脳室内注入による代わりに静脈的に投与されるのを可能にする。
Patel et al.でのキャリア分子は、ペプチドに血液脳関門を横切らせることに加えて、該関門を含むそれらの内皮細胞を特にターゲットするようデザインされた。血液脳関門をはじめとする、身体の全体にわたる内皮細胞膜は、配列特異性およびそれらの表面上に広げられている膜結合エンド・ペプチダーゼの濃度に関して不均一である。分子のデザインは、キャリア分子およびその積み荷のターゲッティングを可能にするためのこの特性を生かす。分子は、血液脳関門のエンド・ペプチダーゼと優先的に相互作用するであろうジペプチドArg-Proでその自由端がキャップされている3つの脂肪酸鎖を含有する。帯電したペプチドドラッグ分子の輸送はそのとき親油性脂肪酸鎖によって可能にされる。こうして、ジペプチドでキャップされたトリグリセリド分子は、ターゲッティングおよび血液脳関門を横切る輸送の両方を可能にする。
結合方法はまた、ペプチドドラッグの活性の動力学を高めることもできる。当業者にはよく知られている他の結合技術だけでなく、ペプチド活性の動力学を高めるための以下に記載される結合技術のいずれかが、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドを含む、それから本質的になるまたはそれからなるペプチドで用いられてもよい。Patel et al.は、鎮痛性ペプチドの結合形が血流から脳に入ることができるだけでなく、その上遊離ペプチドと比較して持続した作用を有することを見出した。静脈投与されたドラッグは治療効果を有するためにより時間がかかったが、効果は頭蓋内注入された遊離ペプチドの効果より長く続き、よりゆっくり低下した。研究者たちは、結合ペプチド分子が血清中で著しく安定であり、さらに脳室内注入された時に何の効果も持たず、キャリア分子は血流から脳へのその輸送中に恐らく分解され、除去されることを示唆することを見出した。彼らは、結合体を輸送するおよびキャリア分子を分解するために必要とされる時間が動力学の変化の原因ではないかと考えている。遅延の力学にかかわらす、臨床設定で、結合ペプチド分子の静脈安定性ならびにドラッグ効果の長期の発現および活性は、それをより少ない頻度で投与できることを意味するであろう。より少ない頻度の、従ってより便利な投薬スケジュールは、治療選択肢としての本ドラッグの実用的価値を高める。
当業者に明らかであろうように、Patel et al.の技法および手順は、本発明のペプチドのいずれかを含めて、限定されたサイズ範囲内に入る任意のペプチドの送達に容易に適応できる。例えば、IVTNTT(CMS017)のような、免疫不全またはウィルス感染を治療するおよび/または予防する本発明のペプチドは、Patel et al.によって使用された同じ分子に結合させることができる。脳に影響を及ぼす伝染病持ち個人の治療において、結合分子は、血流から脳へのIVTNTT(CMS017)アクセスを可能にし、かつ、IVTNTT(CMS017)が脳中の細胞または組織にその効果を発揮することを可能にする。キャリア分子のターゲッティングを変えるための修正もまた当業者に明らかであろう。キャリア分子のターゲッティング特性は、脂肪酸鎖の末端のジペプチドマスクを構成する2つのアミノ酸の同一性の関数である。Arg-Proジペプチドは、血液脳関門の内皮膜の表面上に見出される膜結合エンド・ペプチダーゼのセットと優先的に相互作用する。他の内皮細胞および膜は、他のジペプチド組合せによって潜在的にターゲットされることができよう。
結合はまた、消化管によってまたは経皮的に効果的に吸収され得るペプチドドラッグを創製するために研究者たちによって用いられてきた。当業者にはよく知られている他の結合技術だけでなく、以下に記載される吸収を高めるための結合技術のいずれかが、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドを含む、それから本質的になるまたはそれからなるペプチドの吸収を高めるために用いられてもよい。Kramer et al.は、胆汁酸へのペプチドドラッグのカップリングのための手順を記載している。化合物の経口送達後の結合分子についての吸収速度は、ペプチド単独と比べてかなり高められる(J.Biol.Chem.、269(14):10621、1994)。Toth et al.(J.Med.Chem.、42(19):4010、1999)は、吸収速度を上げ、かつ、その活性部位への抗ガンペプチドの送達を高めるために、リポアミノ酸(LAA)またはリポサッカリド(LS)への抗腫瘍性のペプチドドラッグの結合を記載している。彼らの研究では、強い抗増殖性を示すが、低下した薬物動力学を有するソマトスタチンの誘導体がLAAかLSかのどちらかに結合される。生じた結合ドラッグは、腫瘍細胞に対して依然として活性のまま、皮膚および腸上皮の全域で改善された吸収プロフィールならびに分解に対する増加した抵抗性を有する。これらの技法は、本発明のペプチドのいずれかと併せて非常に有用であろう。 腸の上皮を横切る分子の吸収の速度を上げることによって、ペプチドのより多くが血流に送達され、治療中の個人でその効果を発揮することができる。
結合はまた、ペプチドドラッグの持続した放出を提供するために用いられてもよい。当業者にはよく知られている他の結合技術だけでなく、持続した放出を提供するための結合技術のいずれかが、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドを含む、それから本質的になるまたはそれからなるペプチドの持続した放出を提供するために用いられてもよい。Patel et al.の研究で上に見られるように、ペプチドドラッグの持続した送達は結合方法で達成することができる。別の例は、組み換えヒト表皮増殖因子(rhEGF)が生分解性ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)ミクロスフェアでのマイクロカプセル化前にポリエチレングリコール(PEG)に結合される、Kim et al.(Biomaterials、23:2311、2002)の研究である。PLGAでのマイクロカプセル化は、様々な増殖因子および形態形成タンパク質を送達するために幾つかのグループによって用いられてきた(Meinel et al.、J.Controlled Rel.、70:193、2001)。PEGへの結合によって、rhEGFは、非結合の遊離rhEGPと比べてPLGAとのミセル形成の間ずっと水不溶性凝集体の形成におよび水−有機相界面への吸着に抵抗するようになる。結合ホルモンでの調合物の薬物動力学は改善され、遊離ホルモンでのものより長続きする、安定したおよび全体的により大きいドラッグ活性を示した。研究者たちはそれをPEGに結合されたホルモンの高められた物理的安定性のためであると推測している。類似の戦略は、本発明のペプチドのいずれかの持続した放出調合物を創製するために用いることができた。例えば、下の実施例1に見られるように、IVTNTT(CMS017)は強力な抗ウィルス効果を示す。PEGをこのペプチドに結合させ、結合ドラッグをPLGAミクロスフェア中へ組み込むことによって、ドラッグがそのPEG結合体から放出されつつあるため、ドラッグの投薬がより均一であり、感染部位へのペプチドドラッグのより一定の送達を確実にするので、IVTNTT(CMS017)の抗ウィルス効果はより長続きし、より安定であることができる。
ペプチドドラッグの長期放出はその活性を著しく高めることができる。当業者にはよく知られている他の結合技術だけでなく、以下に記載されるペプチドの長期放出を提供するための結合技術のいずれかが、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドを含む、それから本質的になるまたはそれからなるペプチドの長期放出を提供するために用いられてもよい。ldham et al.(Int.J.Oncology、16:125、2000)は、抗ガン剤パクリタキセルを、新しい形態のドラッグ、ポリ(L−グルタミン酸)に結合されたパクリタキセル(PG-TXL)に対して比較している。PG−TXLは遊離パクリタキセルと比較して優れた抗腫瘍活性を有するように見え、該ドラッグが優れた薬物動力学特性を有するか、または作用の優れた方法さえも有する可能性があることを示唆する。しかしながら、研究者たちは、PG−TXLが遊離ドラッグと同じ作用機構によってその効果を発揮し、微小管サブユニットの重合を妨げることによって細胞周期停止を誘発することを見出した。証拠は、結合ドラッグの優れた抗腫瘍活性が結合体からの遊離ドラッグの連続的なおよび安定した放出から生じ、遊離ペプチドの投与と比べてより長い期間その治療濃度を維持することを示唆する。抗感染性特性の本発明のペプチドへのポリ(L−グルタミン酸)テールの付加もまた、それらの特性を高めることができた。
ペプチドの酵素分解は、幾つかのケースでは、ドラッグとしてのペプチドの有効性を低下させることもある。当業者にはよく知られている他の結合技術だけでなく、以下に記載されるペプチドの酵素分解を減らすための結合技術のいずれかが、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドを含む、それから本質的になるまたはそれからなるペプチドの酵素分解を減らすために用いられてもよい。研究者たちは、膜結合ペプチダーゼだけでなく腸での管腔分泌プロテアーゼからペプチドを守るための多数のアプローチを開発してきた。膜結合ペプチダーゼはすべての粘膜組織の表面上に見出され、粘膜組織の横断はしばしばペプチドドラッグにとっての進入経路である。Bernkop-Schurch et al.(J.Drug Target.、7:55、1999)は、ペプシンの阻害剤を含有するペプチドドラッグ調合物の創製を報告している。ペプスタチンの類似体が粘膜接着性ポリマーに共有結合され、この新奇なペプシン阻害剤はインスリンを含有する錠剤に包含された。消化をシミュレートする実験室条件下の培養後に、対照錠剤からのインスリンのすべては代謝されたが、阻害剤を含有する錠剤からのインスリンのほぼ50%は分解から守られた。別の研究で、同じグループは、普通は毒性副作用をもたらして生物活性ペプチドの分解を阻害する投薬量でプロテアーゼ阻害剤を利用した(Bernkop-Schnurch et al.、Adv.Drug Del.Rev.、52:127、2001)。このアプローチは、キチン、甲殻類および他の生物に見出される主要な構造ポリサッカリドから抽出されるキトサン、セルロース関連のアミノポリサッカリドを利用する。キトサンにプロテアーゼ阻害剤を結合させ、この結合分子をペプチドドラッグの調合物に含めることによって、消化管プロテアーゼのかなりの阻害が見られ、遊離プロテアーゼ阻害剤の投与で予期されるであろう副作用なしに、ペプチドの生物利用効率を上げた。該研究では、様々なプロテアーゼ阻害剤は単独でおよび組合せでキトサンキャリアへの結合ために利用された。キトサン−EDTA結合体はまた、活性のためにある種のプロテアーゼにより要求されるミネラル補助因子を結合させることによって、内因性プロテアーゼを阻害した。当業者に容易に明らかであるように、キャリア分子と作動体部分との多数の可能な組合せは、有益な特性をペプチド調合物に与えるために生み出すことができ、調合物のいずれかは本発明のペプチドでの使用に容易に適応することができた。キトサンに結合されたプロテアーゼ阻害剤を用いるペプチドの経口送達のための調合物を創製することによって、本発明のペプチドの経口送達を筋肉内注射の代わりに用いることができた。このアプローチは、この調合物にIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドのより吸収性の結合バージョン(上記の段落で議論された)を用いて、このペプチドおよびその誘導体についてさらに高いレベルの生物利用効率を生み出すことを排除しない。
別の分子によってある場所をターゲートすることに加えて、ペプチドそれ自体がターゲットする分子としての機能を果たすことができる。当業者にはよく知られている他の結合技術だけでなく、分子に以下に記載される所望の場所をターゲットさせるためにペプチドを使用するための結合技術のいずれかがIVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドを含む、それから本質的になるまたはそれからなるペプチドで用いられてもよい。例えば、研究者たちは抗ガンドラッグ・ジフルオロメチルオルニチン(DFMO)を取り上げ、ターゲッティング目的のためにそれをペプチドに結合させた。DFMOは、様々な腫瘍細胞タイプを殺すのに有効である非常に細胞毒性の試剤である。しかしながら、それは身体から急速に除去されので、その治療価値は限定される。この研究で、DFMOは、αメラノトロピンのある特定のフラグメントおよびヒト・メラノーマ細胞株上のメラノトロピン受容体に優先的に結合することが示された2つのアミノ酸置換を含有するフラグメントの類似体に結合された(Suli-Vargha et al.、J.Pharm.Sci.、86:997、1997)。アミノペプチダーゼによるペプチド・フラグメントからのDFMOの解放を容易にするために、ドラッグはペプチドのN−末端に結合された。研究者たちは、結合ドラッグが非結合ドラッグ単独よりメラノーマ細胞を殺すのに有効であることを見出した。
本発明のペプチドの効果は部分的にはペプチドそれ自体に固有のターゲッティング能力のためである。例えば、αメラノトロピン・フラグメントのように、本発明のある特定のペプチドは異なるタイプの細胞の表面上に見出されるある種の受容体に結合する可能性がある。当該ペプチドを結合体として使用することによって、ドラッグは、ドラッグで治療中の個人の身体内のそれらの細胞の場所をターゲットすることができる。
結合体としてのペプチドはターゲッティング以外の機能を果たすことができる。当業者にはよく知られている他の結合技術だけでなく、以下に記載されるペプチドの治療有効性を高めるための結合技術のいずれかが、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドを含む、それから本質的になるまたはそれからなるペプチドの治療有効性を高めるために用いられてもよい。Fitzpatrick et al.は、2つの分子間にペプチド・スペーサーを用いることによって結合抗ガン剤を改良した(Anticancer Drug Design、10:1、1995)。メトトレキシレートは既に、腫瘍細胞によるその摂取および該細胞に対する活性を高めるためにヒト血清アルブミン(HSA)に結合されてきた。いったん細胞によって吸収されると、メトトレキシレートの幾らかはリソソーム中の酵素によって結合体から解放され、次にその細胞毒性を発揮することができる。メトトレキシレートとHSAとの間にリソソーム酵素によって容易に消化される4つのアミノ酸リンカーペプチドを挿入することによって、結合分子から細胞内で生じた活性メトトレキシレートの量は増加した。本発明のペプチドは、特定の酵素との特異な相互作用によってそれらの効果を発揮してもよい。本発明のペプチドをドラッグとそのキャリア分子との間のリンカーセグメントとして、または別のリンカーセグメントに加えて結合分子中へ組み込むことによって、薬物動態を変えることができる。これは、プロテアーゼの活性により耐性があるまたはその影響をより受けやすい、その後結合体からのドラッグ分子放出の速度を下げるまたは上げる、プロドラッグを創製することができる。上記の結合化学療法剤の例で見られるように、ドラッグ分子送達の当該速度の変更は、ドラッグの有効性を大きく高めることができる。
ある特定の細胞へのドラッグの効果は、細胞の活性化状態または細胞近傍もしくは細胞内の他の分子シグナルの存在のような他の因子に依存して変わることもある。幾つかのケースでは、ドラッグが効果を有するために、別の分子またはシグナルが存在する必要がある。Damjancic et al.(Exp.Clin.Endocrin.、95:315、1990)は、内因性グルココルチコイド合成欠乏の患者について、ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(hANP)の効果を研究した。該ペプチドは、グルココルチコイド療法の使用停止中にまたはデキサメタゾンを用いる療法のその後の再開中に患者に与えられた。患者は、該ペプチドホルモンが同時デキサメタゾン治療中に与えられた時にのみ、利尿およびナトリウム排泄が増加してhANPに応答した。グルココルチコイド療法の使用停止中のhANPでの治療は何の効果もなかった。同時ステロイドホルモン投与の効果はまた、ペプチドの活性を高めることができる。Zhu et al.(Acta Pharm.Sinica、28:166、1993)からの報告で、鎮痛性ペプチド・キョートルフィン(KTP)の活性は、短いリンカーセグメントによるヒドロコルチゾンへの結合によってペプチド単独の作用と比べてかなり高められた。ヒドロコリチゾン単独の投与では何の効果も見られなかった。
これらの研究の結果は、結合分子としてのまたは調合物中の成分としてのステロイドホルモンの能力が生物活性ペプチドの活性を許容し得るまたは高め得ることを例示する。本発明のペプチドのいずれかは、ステロイドホルモンへの結合またはその相互適用によって調節されてもまたは活性化されてもよい。Zhu et al.の技法は、本発明のペプチドへのステロイド分子の結合に容易に適応することができる。図1〜5はまた、本発明のペプチドのいずれかにステロイドホルモンを結合させるための例示的な段階的合成反応を提供する。
上に提示された例は、本発明のペプチドのいずれかの有用性および活性を増大させる例示的な方法を提供する。この分野でのさらなる発展は、有効なペプチド−ベース臨床治療剤の創製への障壁を克服するのを助けるであろう。当業者に明らかであるように、ペプチド生化学、薬学研究および臨床試験での使用のために開発された技法、試薬およびプロトコルはすべて、本発明のペプチドのいずれかに容易に適用できる。
実施例
実施例1
CMS017のインビトロ研究
CMS017は配列IVTNTTを有し、L−アミノ酸を用いて合成した。B型肝炎ウィルスでトランスフェクトされた細胞へのCMS017治療の効果を本実験で調べた。
1.原材料
CMS017は、アメリカン・ペプチド・カンパニー社、米国(American Peptide Company,Inc.,USA)によって(L−アミノ酸を用いて)カスタム合成され、普通の生理食塩水で所望の濃度に希釈した。
B型肝炎ウィルス(HBV)でトランスフェクトされたhepG2 2.2.15細胞株は、国立薬剤スクリーニングセンター(National Center for Drug Screening)(上海、中国)および北京大学付属第一病院伝染病部(Department of Infectious Diseases of the First Hospital affiliated to Beijing University)によって供給された。
細胞培地(MEM)はギブコ・カンパニー(GIBCO Company)によって製造された。
HBsAgおよびHBeAgのためのエリサ(ELISA)キットは、上海シーエ・ケーフア・バイオテック.カンパニー(Shanghai Shiye Kehua Biotech.Company)から購入した。
HBV−DNAの測定のための蛍光定量PCRキットは、中山医科大学のダ−アン遺伝子カンパニー(Da−An gene company of Zhongshan Medical University)から購入した。
2.方法
a.インビトロで最大非毒性濃度でのHBsAgおよびHBeAgへのCMS017の阻害効果
対数増殖期で増殖中の2.2.15細胞を採取し、MEM培地(10%子牛血清、100mg/mlペニシリン、および100U/mlストレプトマイシンを含有する)中に2×106/ml細胞懸濁液として再懸濁させた。懸濁液をウェル当たり1.5mlで24−ウェル細胞培養プレートへ接種し、37℃、5%CO2で48時間培養した。1濃度当たり3平行サンプルで、被験物質CMS017を希釈し、2.2.15培養物に加えて0、50、100、200、400、800μg/mlの最終濃度にした。細胞を次に37℃、5%CO2で培養した。上澄液を3日および6日に新しくした。2.2.15細胞培養物へのCMS017の細胞毒性を次に8日にMTT汚染で観察し、CMS017の最大非毒性濃度を測定した。
細胞懸濁液の調製および培養を、CMS017の測定された最大非毒性濃度で、そして平行の負および正対照と共に上記の通り繰り返した(CMS017と同じ濃度のラミブジンを正対照として用いた)。8日目に、細胞培養上澄液中のHBsAgおよびHBeAgの力価を、キット供給業者によって記載された条件を用いる、ELISA[1,2]によって測定した。各被験物質の阻害百分率を以下に示すように計算した。
阻害百分率(%)=(ブランク対照−サンプル)/ブランク対照×100
細胞生存百分率(%)=サンプル(A595−A650)/ブランク対照(A595−A650)×100
b.インビトロでHBV−DNAへのCMS017の阻害効果
細胞懸濁液を調製し、上記の方法1に記載したように培養した。この実験では、ビダラビン・モノホスフェート(Ara-AMP)を正対照物質として使用した。濃度当たり3平行サンプルで、被験物質、CMS017またはAra-AMPを希釈し、活性化細胞培養物に加えて0、20、40、80、160、320μg/mlの最終濃度にした。添加した被験物質入りの培地を3日および6日に取り替えた。8日目に、細胞培養物の上澄液を、キット供給業者によって記載された方法を用いる、蛍光定量PCR[3,4]によるHBV−DNA濃度の測定のために採取した。培養細胞を、各被験物質の細胞毒性の分析のために採取した。ドラッグの阻害百分率を次のように計算した。
阻害百分率(%)=(ブランク対照−サンプル)/ブランク対照×100
細胞生存百分率(%)=サンプル(A595−A650)/ブランク対照(A595−A650)×100
TC50は、試験群での生存細胞の百分率が対照群のそれの50%である被験物質濃度と定義した。IC50は、HBV−DNA濃度の減少の百分率が対照と比較して50%である被験物質濃度であった。これらは、相当する百分率を被験物質濃度に対してプロットすることによって求めた。選択指数(SI)はTC50/IC50として計算した。SIの値が大きければ大きいほど、被験物質の阻害活性は高く、それはより少ない細胞毒性である。
統計的有意性は、ソフトウェアSPSSを用いるt−試験によって分析した。
3.結果
a.HBsAgおよびHBeAgへのCMS017の阻害効果
CMS017の最大非毒性濃度は400μg/mlであることが見出された。表1はこの最大非毒性濃度での計算された阻害百分率を示した。
b.HBV-DNAへのCMS017の阻害効果
表2は被験物質のTC50、IC50、およびSIを示し、表3はそれらの阻害百分率を示した。
4.結論
豚脾臓グリコペプチドはヒトB型肝炎感染に治療効果を有することが報告されてきた。しかしながら、活性成分の化学的性状ははっきりしないままであった。それを化学的に合成し、その治療投与を最適化し、そして他の共存する汚染成分によって引き起こされる望ましくない副作用を排除するという究極的な目標を持って、関係する活性成分を特定するために、豚脾臓抽出物を分子レベルで分析した(エール大学のケック施設(Keck facility of Yale University)を用いて)。個々のペプチド成分を次に化学的に合成し、これらのペプチドのそれぞれを抗ウィルス活性についてスクリーニングした。多数のペプチドがインビトロで様々なレベルの抗ウィルス活性を有することが観察された。これらの中で、CMS017はインビトロで最強の抗ウィルス活性を持ったペプチドの1つである。
本研究で、CMS017は、統計的有意性をもって、インビトロでHBV−DNAのレベルを抑制することができた。50%阻害濃度(IC50)は2.3μg/mlであり、HBV−DNA阻害百分率は160μg/mlの濃度で90.8%であった。CMS017はインビトロで抗ウィルス剤であり、B型肝炎のようなウィルス感染の治療のための抗ウィルス治療医薬品への展開候補であると結論される。
5.参考文献
1.Wu Qing、et al.The inhibition of hepatitis B viral gene expression by antisense
oligo deoxynucleotides.Journal of Anhui University of Medical Science.2001;36(6):434−437
2.Gao Yong、et al.A study of hepatitis B virus(HBV)anti−genome and its inhibitory effect on HBV replication.Zhong Hua Nei Ke Za Zhi.2001;40(4):243−246
3.Ausubel F.M、et al.Short Protocols in Molecular Biology.Science Publishing House.Beijing、1998、the first edition(translation).P596−598
4.Tian Hua、et al.Determination of the serum HBV−DNA of the patients with hepatitis B by FQ−PCR.Journal of Shanghai Medical Laboratory.2001;16(6):363−364
実施例2
CMS017のインビボ研究
次の動物研究はConAによって誘発されるマウスのTリンパ球形質転換へのCMS017の効果を研究するために行った。
1.原材料
a.実験動物
BALB/cマウス、18〜22g、オス、ビタル・リバー社、北京、中華人民共和国(VITAL RIVER,Inc.,Beijing,PR China)によって提供された。
b.試剤
CMS017:CSバイオ、米国(CS Bio,USA)によってカスタム合成された
ウシ胎児血清およびRPMI-1640細胞培地:ギブコ、米国
MTTおよびConA:シグマ(Sigma)、米国
rhIL-2:上海フアキシン・バイオテック社(Shanghai Huaxin Biotech Inc.)、中国
2.方法
a.グループ分けおよび投与
BALB/cマウスをランダムにCMS017用量Iグループ(200μg/kg/日)、CMS017用量IIグループ(50μg/kg/日)、組み換えヒトIL(rhIL)−2グループ(3×105IU/kg/日)、および生理食塩水グループ(0.5ml/日)に分けた。1グループ当たり12匹マウス。
被験物質をすべて生理食塩水に溶解し、1日当たり1回、0.5ml/日で連続28日間腹腔内注射した。
b.細胞免疫性へのペプチドの効果
1.脾臓細胞懸濁液の調製[1,2]
最後の被験物質投与の次の日に、マウスを頸椎脱臼によって犠牲にした。脾臓を無菌で分離し、注射針を用いて冷たいD−ハンク(D-Hank)の溶液に手動で分散させた。分散した細胞懸濁液を、100ゲージ150μm直径ステンレススチール篩によってさらに篩いにかけた。200gで10分間遠心分離後に、上澄液を捨てた。細胞ペレットを10容量のトリス−NH4Clバッファーに再懸濁させ、次に室温で10分間培養した。懸濁細胞を150gで10分間の遠心分離によって集めた。細胞を、上記のような再懸濁および遠心分離による収集によって冷たいD−ハンクの溶液で2〜4回洗浄した。洗浄した細胞を次に、10%ウシ胎児血清を含有するRPMI-1640培地に所望の細胞密度に希釈した。
ii.Tリンパ球形質転換へのペプチドの効果[1,2]
密度4×106/mlの脾臓細胞を96ウェル細胞培養プレートへ100μl/ウェル、マウス当たり効力検定サンプルおよび対照サンプルの両方の3平行ウェルで入れた。各効力検定ウェルに、RPMI−1640中5μg/mlで100μl/ウェルのConAを加え、100μl/ウェルの純RPMI−1640を対照ウェルに加えた。細胞を37℃、5%CO2で68時間培養した。細胞を次に150gで10分間の遠心分離によってペレットにした。RPMI−1640中0.5mg/mlで100μl/ウェルのMTTを細胞ペレットに加え、2分間振盪することによって細胞を再懸濁させた。培養を4時間続けた。150gで10分間遠心分離後に上澄液を捨てた。100μlのHCl−2−プロパノール(1:1)を細胞ペレットに加え、ペレットを3分間振盪した。630nmを基準にするELISA読み取り装置を用いて各ウェルのOD570nmを得た。
2.計算
各マウスにつき3効力検定および3対照ウェルがあった。各マウスの刺激指数(SI)は、先ず3平行ウェルの平均ODを導き出し、次に効力検定ウェルの平均値を対照ウェルのそれで割ることによって得た。
3.結果
50μg/kg/日で、CMS017はTリンパ球形質転換を高め、下の表に示すように、生理食塩水対照グループと比べて統計的に有意な差(P<0.05)を示すことが見出された。
4.結論
ペプチドCMS017がインビトロでTリンパ球形質転換を高め、CMS017が動物への免疫刺激性を有する可能性があると推測できることが見出された。
5.参考文献
1.Principles of Pre−clinical Research of New Drugs、People's Republic of China.1993、7:134−135
2.Shuyun Xu、Rulian Bian、Xiu Chen.Methodology of pharmacological experiment.People's Health Publishing House.1991、1221−1234
実施例3
遺伝子操作された乳酸菌種によるペプチドの送達
以下は、本発明のペプチドを上記のようにホストに送達するための例示的な一方法として提供される。IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドをコードするDNA配列を化学的手段によって合成し、このDNA配列を、当業者にはよく知られている遺伝子工学の標準的な技法を用いて発現ベクター中へ挿入する。選択された発現ベクターは、乳酸菌で機能的な構成的プロモーター、抗生物質への耐性を与え(クローニング手順に役立つために)、かつ、シグナルペプチド配列のような、ペプチドの生産および/または分泌を支援するための他の配列を含んでもよい選択可能な標識遺伝子だけでなく特定の5'−3'配向でのDNA配列の導入のための多重クローニング部位を含有する。かかるベクターの例は、そのまま参照により本明細書に援用される、Pavlaに付与された米国特許第5,592,908号明細書によって提供されている。手短に言えば、この特許は、そのいずれかが本発明のペプチドをコードして乳酸菌で該ペプチドを発現する核酸に操作可能に結合されてもよい、新規プロモーターの前記細菌中での発見方法だけでなく、乳酸菌種で機能する幾つかの公知のプロモーターを議論している。上に引用された米国特許第5,592,908号明細書に記載されたラクトバチルス・ラクティス(Lactobacillus lactis)で活性である16〜35個のほとんどが疎水性のアミノ酸からなるペプチドのような、シグナルペプチドをコードする核酸は、シグナルペプチドをコードする核酸が本発明のペプチドをコードする核酸と共にフレームにあるようにプロモ−ターと本発明のペプチドをコードする核酸との間に置かれる。
ペプチドのコード配列に加えて、合成されたDNA配列は、発現ベクターへの前記DNAの結合およびクローニングに役立つための配列を含んでもよい。例えば、ベクターの多重クローニング部位に見出されるものに対応する制限酵素認識部位は、配列をベクター内で適切な配向でクローンすることができるように、配列の5'および3'末端で合成DNAへ組み込むことができる。ベクターおよび合成DNAの両方が特定の制限酵素で消化され、次に精製される。ベクターと合成FNAとの結合反応に、大腸菌の好適な株への形質転換が続く。形質転換された細菌を、ベクターがそれへの耐性を与える抗生物質を含有する培地で平板培養する。形質転換された細菌のコロニーを増殖培養およびプラスミド調製手順のために選択し、正しい配向での合成DNAの存在が裏付けられる。
この発現ベクターを次に、L.アシドフィルスのような乳酸菌種の細菌ホスト細胞へ形質転換する。形質転換された細胞をベクター配列内に見出される選択可能な標識により選択し、ペプチドの分泌を、ウェスタンブロットを行うことによって、増殖培地中に存在するペプチドのゲル電気泳動または他の標準的な技法を行うことによって検証してもよい。細菌の形質転換されたコロニーを選び、遺伝子操作された細菌の大規模培養物を調製するために用いる。所望のペプチドを発現する遺伝子操作された細菌の培養物を増殖させ、その少なくとも一部をホスト生物の消化管、膣、気管または他の区域に投与し、細菌はその中で複製することができる。必要ならば、細菌培養物は、ホストによる腸消費のためのサプリメントを生産するために様々な方法で処理することができる。これらの処理には、細菌と、溶液、溶媒、分散媒、遅延剤、エマルジョンなどのキャリア剤との組合せに加えて、凍結乾燥または細菌の他の保存方法が含まれる。サプリメントを調製するためのこれらの試剤の使用は当該技術では周知である。例えば、細菌は、ペプチドを発現する生物がホスト生物の腸にコロニーを形成するように、ヒト消費のための発酵乳製品または他の食料品を製造するために用いることができる。乳酸細菌の特異株をヨーグルト、キムチ(kimchee)、チーズおよびバターのような食料品中へ組み込むための多数の異なる方法は、そのまま参照により本明細書に援用される、Ohに付与された米国特許第6,036,952号明細書に開示されている。任意の数のルートの1つによって細菌を消費すると、遺伝子操作された生物は腸にコロニーを形成することができ、腸の粘膜層を通って本発明のペプチドのプレゼンテーションおよび/または吸収を可能にする。
実施例4
枯草菌の遺伝子操作された形によるペプチドの送達
以下は、本発明のペプチドを上記のようにホストに送達するための別の例示的な方法として提供される。IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドをコードするDNA配列を化学的手段によって合成し、このDNA配列を、すべての技術が当該技術で公知である遺伝子工学の技術によって発現ベクターへ挿入する。選択された発現ベクターは、大腸菌および枯草菌の両方で増殖することができる、かつ、形質転換された細胞のコロニーを選択するために抗生物質耐性遺伝子を含有するpTZ18R(ファルマシア、ニュージャージー州ピスカタウェイ(Pharmacia,Piscataway,NJ))のような、シャトル・ベクターを含む。このベクターは、細菌細胞からの発現異種タンパク質の効率的な転送を指図する、枯草菌で活性なシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列だけでなく枯草菌のサック(Sac)B遺伝子に由来するプロモ−ターのような、枯草菌で活性な構成的プロモーターを含有することができる。かかるベクターの例は、その開示がそのまま参照により本明細書に援用される、Fahnestockに付与された米国特許第6,268,169号明細書に開示されている。手短に言えば、上に詳述されたように、本発明のペプチドをコードするDNAは、制限酵素部位および/または当業者にはよく知られている技法によってDNAのクローニングを容易にするための他の配列で合成されるであろう。プラスミド・ストックを生み出すための大腸菌への形質転換、プラスミドの平板培養、選択および増殖の後、プラスミドは次に枯草菌へ形質転換され、形質転換体は平板培養培地中の抗生物質への耐性のおかげで選択される。
遺伝子操作された枯草菌でのペプチド生産およびそれからのペプチド分泌は、SDS−PAGE分析またはウェスタンブロッティング後のオートラジオグラフ検出のためのペプチドの放射性標識のような、当業者に周知の技法を用いて検証される。
遺伝子操作された細菌の培養物を増殖させ、その少なくとも一部をホスト生物の消化管、膣、気管または他の区域に投与し、細菌はその中で複製することができる。
実施例5
遺伝子操作されたサッカロミセス酵母種によるペプチドの送達
以下は、本発明のペプチドを上記のようにホストに送達するための別の例示的な方法として提供される。IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドをコードするDNA配列を化学的手段によって合成し、このDNA配列を、すべての技術が当該技術で公知である遺伝子工学の技術によって発現ベクターへ挿入する。選択された発現ベクターは、pADH1、酵母および大腸菌の両方でのベクターの複製のための部位、選択目的のために栄養要求性酵母突然変異体にプロトトロフィ(prototrophy)を与える遺伝子、多重クローニング部位(MCS)および、必要ならば、シグナルペプチドについてコードする配列のような構成的酵母プロモーターを含む、安定に維持される酵母タンパク質発現ベクターを含む。このようなベクターは商業的に入手可能であり、当該技術で周知であり、または標準的な技法を用いて容易に構築することができる。酵母ベクターへの合成DNAの挿入、大腸菌への形質転換、形質転換された大腸菌の選択的な培地上への平板培養、形質転換された細菌コロニーの選択および前記コロニーからの細菌の増殖培養物からのプラスミドDNAの調製の後に、ベクターを、酢酸リチウム形質転換または電気穿孔法のような周知の技法によってサッカロミセス・セレビシエへ形質転換する。形質転換のために選択されたサッカロミセス・セレビシエの株は、最小培地プレート上で増殖するためにプラスミドに遺伝子を必要とするであろう突然変異栄養要求性株である。形質転換された酵母コロニーを、ベクター上に提供される遺伝子を欠く増殖培地上で酵母を平板培養することによって分離する。ベクターおよびその選択的遺伝子を受け入れた、かつ、当該遺伝子産物を発現しているそれらの酵母のみが最小培地上でコロニーに増殖することができるであろう。ペプチド分泌の検証は、ウェスタンブロットを行うこと、増殖培地に存在するペプチドのゲル電気泳動または他の標準的な技法を行うことによって得ることができる。
酵母の形質転換されたコロニーを選び、大規模培養物を調製するために用いる。所望のペプチドを発現する遺伝子操作された酵母の培養物を増殖させ、その少なくとも一部をホスト生物の消化管、膣、気管または他の区域に投与し、細菌はその中で複製することができる。必要ならば、酵母培養物は、ホストによる腸消費のためのサプリメントを生産するために様々な方法で処理することができる。これらの処理には、細菌と、溶液、溶媒、分散媒、遅延剤、エマルジョンなどキャリア剤との組合せに加えて、凍結乾燥または酵母の他の保存方法が含まれる。サプリメントを調製するためのこれらの試剤の使用は当該技術では周知である。別の実施形態では、形質転換された酵母を、当業者に公知の技法によって、ヨーグルトおよびケフィアのような例えば発酵乳製品などの食品の製造に用いられる。これらの食料品での乳酸生菌培養物と同様に、形質転換された酵母は、少なくとも一時的に腸にコロニーを形成し、腸内腔を通してペプチドをホストに与えるのに役立つ。
実施例6
特定場所へのペプチドのターゲッティング
以下は、本発明のペプチドを身体内の特定の区画、器官、細胞タイプまたは場所に選択的に送達するための例示的な方法として提供される。このケースでは、感染を、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドに個人の腎臓中の組織をターゲットさせることによって治療する。例えば、IVTNTT(CMS017)を当該技術で公知の化学反応により共有結合によって低分子量(LMW)リゾチーム、特に腎臓組織に濃縮する商業的に入手可能なタンパク質部分に結合する。LMWリゾチームへの分子の結合を達成するための技法は文書化されている(Folgert etal.、Br.J.Pharmcology、136:1107、2002)。タンパク質またはペプチドを互いに結合させるための一般技法もまた、当該分野の文献に教示されている(Fischer et al.、Bioconj.Chem.、12:825、2001)。新たに生み出された結合ペプチドサンプルを次に、カチオン交換FPLCのようなクロマトグラフィ法および/または勾配遠心分離によって結合プロセスに使用された化学試剤から精製する。いったん精製されると、結合ペプチドはウィルス性腎炎の治療を必要とする個人に投与される。その抗ウィルス活性のために、IVTNTT(CMS017)は、それとLMWリゾチームとの間の結合のおかげで腎臓組織を優先的にターゲットし、それは腎臓の尿細管の細胞へのLMWリゾチームの親和性のおかげで腎臓組織に選択的に濃縮される。この優先的な送達は、モル当量のIVTNTT(CMS017)それ自体のそれと比較してより大きい抗腎炎効果を可能にする。逆に、それは、ある一定レベルの抗腎炎活性を達成するために必要とされるペプチドドラッグの量を減らすことができる。
実施例7
その活性部位へのペプチドの送達の増強
以下は、脳への神経活性ペプチドの送達を増やすための例示的な方法として提示される。脳の神経細胞によって発現される受容体へその効果を発揮する本発明のペプチドは、当業者に公知の化学的方法によって合成される。あるいはまた、それは遺伝子操作された微生物によって発現し、上記の実施例に詳述するように、かかる生物の培養物から回収することができる。いったん精製された形で得られると、ペプチドは、ペプチドに結合されたトリグリセリドエステル結合部分を生み出すために一連の有機化学反応に利用される。結合部分は、ペプチドの末端カルボキシル炭素とのアミド結合によって本発明のペプチドに接合された第四級置換炭素中心からなる。第四級中心に結合した他の3つの基は、16炭素脂肪酸鎖への炭素エステル結合からなる。脂肪酸鎖それ自体は、鎖をより親油性にし、そしてそれらに特に血液脳関門の内皮細胞膜をターゲットさせる、ペプチドマスクとして公知の末端ジペプチド基に終わる。この合成の手順は、Patel etal.、Bioconjugate Chem.、8(3):434、1997に詳細に説明されており、当業者にはよく知られている一般試薬および装置を利用する。
いったん末梢場所で個人へ導入されると、化合物は、循環系によって身体全体にわたって移動し、血液脳関門の内皮膜と相互作用する。血液脳関門の上皮層を横切る分子の輸送中のジペプチドマスクおよび脂質鎖の段階的な分解は、脳区画への本発明のペプチドの放出をもたらす。そこでペプチドは神経細胞の表面上の受容体と相互作用して脳機能にその効果を発揮する。ドラッグがキャリア部分の同時分解ありで血液脳関門に達し、そして脳に輸送されるために必要とされる時間はドラッグの活性の動力学を変え、遊離ペプチドの脳室内注入と比べてより安定な、かつ、より長く続く効果を生み出す。
実施例8
酵素分解に抵抗するペプチド調合物の創製
以下は、消化管の表面におよびそれに沿って見出されるプロテアーゼおよびペプチダーゼの活性に耐性のある経口投与のための生物活性ペプチドの調合物を創製するための例示的な方法として提供される。本実施例では、IVTNTT(CMS017)およびその機能性誘導体からなる群から選択されたペプチドを、患者への経口投与のための医薬品調合物の製造に利用する。Larionova et al.(Int.J.Pharma.、189:171、1999)に記載されているように、ペプチドを、可溶性デンプンと様々な管腔分泌される刷子縁膜結合したプロテアーゼの強力な阻害剤であるプロテアーゼ阻害剤アプロチニンとを使った微粒子の創製に使用する。手短に言えば、可溶性デンプン、プロテアーゼ阻害剤アプロチニンおよび本発明のペプチドを水性バッファーに溶解する。可溶性デンプン、アプロチニン、およびペプチドの比は、当業者にはよく知られている実験的方法によって決定され、例えば、Larionova et al.は、該比および彼らの研究に使用されるタンパク質に最も有効な調製条件を決定するためにインビトロ模擬消化効力検定を用いた。水溶液を、5%スパン(Span)−80、非イオン界面活性剤を含有するシクロヘキサン(1:3比、v/v)中で機械攪拌下に乳化させる。クロロホルム中の塩化テレフタロイル溶液をエマルジョンに加え、撹拌を30分間継続し、その間にデンプン分子はアプロチニンおよびペプチドと架橋される。当該方法で生み出された微粒子をシクロヘキサン、2%v/vトゥイーン(Tween)85洗剤入り95%エタノール溶液、95%エタノールおよび水で順次洗浄する。微粒子を水に再懸濁させ、凍結乾燥させる。凍結乾燥した化合物は、治療を必要とする個人への経口送達のためにゼラチンカプセル中へ入れることができる。
いったん摂取されると、化合物は溶解したゼラチンカプセルとして放出される。微粒子は、小腸でデンプン分子へのαアミラーゼの作用によって破壊され、アプロチニンおよび本発明のペプチドの漸次放出につながる。同時のおよびペプチドの場所での強力なプロテアーゼ阻害剤アプロチニンの同時放出は、ペプチドの酵素分解を減らし、腸膜を通った吸収に利用可能な無傷のペプチドの割合を増やす。
本発明は、前述の方法およびデータならびに幾つかのケースでのCMS017ペプチド(IVTNTT)の具体的な例を用いて説明されてきたが、これは例にすぎず、本発明への制限と取られるべきではないことは理解される。IVTNTT(CMS017)が本発明の一実施形態を表し、かつ、本発明の同じ原理がIVTNTT(CMS017)の生物学的機能に影響を及ぼすことなく変性された他の機能的に同等のペプチドにも適用できることもまた理解されるべきである。例えば、IVTNTT(CMS017)の同等物には、控えめなアミノ酸置換を有するもの(すなわち、I、V、Nまたは任意のTの1つが疎水性、親水性、正もしくは負に帯電した基のような同じ生化学的タイプ内の残基を有する別のアミノ酸で置き換えられたもの)が含まれる。IVTNTT(CMS017)に同等なペプチドの別の例は、同じ生物活性を保持する、アミノ酸が1つまたは2つより長いような、僅かにより長いペプチドである。さらに、IVTNTTの医療用途について上に記載された疾患または障害は免疫不全および/またはウィルス感染を特に列挙しているが、これらの医療用途は非限定的な例として用いられるにすぎず、特許請求の範囲を限定するために用いられるべきではない。正常な人または任意感染の患者の免疫システムを高めるまたは強化するための健康食品サプリメントとしての使用向けのような、IVTNTTおよびその機能性誘導体の他の可能な/意図される使用が存在することは明らかである。任意のかかる使用もまた本発明の範囲内に入る。
共有結合でペプチドをエストロン分子に結合するための一連の化学反応を示す。
図1と同じ結合を生み出すための第2の代替セットの反応を示す。
共有結合でペプチドをエストラジオール分子に結合するようにデザインされた一連の化学反応を含む。
図3と同じ結合を生み出すための第2の一連の反応を含む。
ペプチドを共有結合によりヒドロコルチゾンの分子に結合させる方法を例示する。