A.第1実施例:
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本発明を適用したシナリオ作成・再生システムを示す説明図である。このシナリオ作成・再生システムは、シナリオ作成装置およびシナリオ供給装置としての機能を有するコンピュータPC1と、シナリオ再生装置としての機能を有するプロジェクタ(すなわち投写型表示装置)PJ1とを備えている。コンピュータPC1とプロジェクタPJ1とは、USBケーブルによって接続されている。
なお、本実施例のプロジェクタPJ1は、シナリオファイルに従って、所定形式の画像ファイルを再生可能である。ただし、プロジェクタPJ1が再生する画像ファイルの形式は1つの形式のみである。このため、本実施例のコンピュータPC1は、シナリオファイルSFおよび所定形式の画像ファイルPFを作成してプロジェクタPJ1に供給する。プロジェクタPJ1は、供給されたシナリオファイルSFに従って、所定形式の画像ファイルPFに応じたページ画像ORGをスクリーンSC上に表示させる。
図2は、図1のコンピュータPC1の概略構成を示す説明図である。コンピュータPC1は、CPU300と、外部記憶装置310と、ROM320と、RAM330と、表示部350と、マウスMSやキーボードKBなどの入力部360と、USBインタフェース部380とを備えている。
RAM330内には、シナリオ作成部332Aの機能を実現するシナリオ作成プログラムが格納されている。シナリオ作成部332Aは、ページ毎に順次画像を表示するためのシナリオファイルSFと、シナリオ再生時に用いられる画像ファイルPFとを作成する機能を有している。ただし、本実施例のプロジェクタPJ1は、シナリオファイルSFに従って所定形式の画像ファイルPFのみを再生可能であるため、シナリオ作成部332Aは、所定形式の画像ファイルPFを生成する。また、シナリオ作成部332Aは、作成されたシナリオファイルSFおよび画像ファイルPFを、USBインタフェース部380を介してプロジェクタPJ1に供給する機能を有している。すなわち、シナリオ作成部332AとUSBインタフェース部380とは、シナリオファイルSFをプロジェクタPJ1に供給するシナリオ供給部としての機能を有している。
なお、上記のシナリオ作成部332Aの機能を実現するコンピュータプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。コンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータが読み取って直接実行するようにしてもよい。
この明細書において、コンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。また、オペレーションシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェア装置を動作させるような場合には、そのハードウェア装置自体がコンピュータに相当する。ハードウェア装置は、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とを少なくとも備えている。コンピュータプログラムは、このようなコンピュータに、上述の各手段の機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
なお、この発明における「記録媒体」としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
図3は、図1の投写型表示装置すなわちプロジェクタPJ1の概略構成を示す説明図である。プロジェクタPJ1は、CPU100と、外部記憶装置102と、ROMやRAMなどの内部記憶装置104と、アナログ画像信号入力部108と、画像処理部110と、液晶ライトバルブ駆動部120と、液晶ライトバルブ130と、装飾画像処理部140と、メニュー画像処理部150と、リモコン信号処理部160と、メモリカードMCに格納された画像ファイルなどを読み取るためのメモリカード制御部170と、USBインタフェース部180を備えている。液晶ライトバルブ130は、照明光学系200によってほぼ均一に照明されており、液晶ライトバルブ130において形成された画像光は、投写光学系220によってスクリーンSC上に投写される。図3において、光学系200,220の図示は、簡略化されている。
アナログ画像信号入力部108は、外部の画像供給装置(図示せず)からアナログ画像信号AV1が供給される場合には、アナログ画像信号AV1をAD変換し、デジタル画像データDV1を出力する機能を有している。なお、アナログ画像信号AV1としては、例えば、パーソナルコンピュータから供給されたコンピュータ画像を表すRGB信号や、ビデオレコーダやテレビジョン受信機から供給された動画を表すコンポジット画像信号などの画像信号が供給される。
画像処理部110は、供給される原画像データと装飾画像データとを合成した合成画像データを生成する機能を有している。これにより、原画像データによって表される原画像ORGに、装飾画像データによって表されるポインタ画像PPJなどの装飾画像が重畳された画像をスクリーンSC上に表示させることができる。画像処理部110は、供給された原画像データを図示しないフレームメモリに一旦書き込み、フレームメモリに書き込まれた原画像データを読み出す際に、原画像データと装飾画像データとを合成し、合成された画像データDV2を液晶ライトバルブ駆動部120に供給する。
原画像データとしては、アナログ画像信号入力部108から供給される画像データDV1や、内部記憶装置104から供給されるページ毎のページ画像データ、メニュー画像処理部150から供給されるメニュー画像データ、メモリカードMCから読み取られてメモリカード制御部170から供給される画像データなどが用いられる。一方、装飾画像データとしては、装飾画像処理部140から供給される装飾画像データが用いられる。ここで、装飾画像とは、原画像とは独立して準備される画像を意味しており、原画像内に重畳されることによりスクリーンSC上に表示される。
液晶ライトバルブ駆動部120は、画像処理部110から供給された画像データDV2に応じて、画像表示データSDを生成する。液晶ライトバルブ130は、画像表示データSDによって駆動される。このとき、液晶ライトバルブ130は、照明光学系200からの光を変調し、画像を表す画像光を形成する。
装飾画像処理部140は、装飾画像を表す装飾画像データを生成して、画像処理部110に供給する機能を有している。具体的には、装飾画像処理部140は、ポインタ画像PPJを表すポインタ画像データや、ポインタ画像PPJを用いて範囲指定することにより所望のサイズで作成される特定形状の画像(例えば、指差し画像)や描画画像(例えば、ボックス画像や囲み枠画像)などの種々の装飾画像データを生成して、画像処理部110に供給する。
メニュー画像処理部150は、メニュー画像を表すメニュー画像データを生成して画像処理部110に供給する機能を有している。ユーザは、メニュー画像に従って、プロジェクタPJ1に関する種々の設定を行うことができる。
USBインタフェース部180は、コンピュータPC1から供給されるシナリオファイルSFや画像ファイルPFを受け取り、バス100bを介して内部記憶装置104に供給する機能を有している。
内部記憶装置104は、シナリオファイルSFを再生するためのシナリオ再生部105Aと、供給されたシナリオファイルSFや画像ファイルPFを格納するシナリオ記憶領域107とを備えている。シナリオ再生部105Aは、シナリオファイルSFに従って画像ファイルPFを読み出し、ページ毎のページ画像データを原画像データとして画像処理部110に供給する。ただし、本実施例のシナリオ再生部105Aが読み出す画像ファイルの形式は1つの形式のみであり、この形式は、素材ファイルの形式とは異なる所定形式である。
なお、本実施例では、USBインタフェース部180から供給されたシナリオファイルSFや画像ファイルPFは、内部記憶装置104内のシナリオ記憶領域107に格納されているが、外部記憶装置102やメモリカード制御部170に装着されたメモリカードMCに格納されるようにしてもよい。また、USBインタフェース部180を用いずに、コンピュータPC1において、シナリオファイルSFや画像ファイルPFをメモリカードMCに書き込むようにしてもよい。この場合には、メモリカードMCをメモリカード制御部170に装着して、メモリカードMCからシナリオファイルSFや画像ファイルPFを読み出すようにすればよい。
リモコン信号処理部160は、リモコンRMからの制御信号に基づいてプロジェクタPJ1の各部の機能を制御する。例えば、リモコン信号処理部160は、リモコンRMからの制御信号に基づいて、装飾画像処理部140の機能を制御し、原画像ORG内の所望の位置にポインタ画像PPJを重畳させることができる。
図4は、図1のシナリオ作成・再生システムにおける一連の処理手順を示すフローチャートである。なお、ステップS101〜S106までは、コンピュータPC1の処理を示しており、ステップS107は、プロジェクタPJ1の処理を示している。
ステップS101では、コンピュータPC1の表示部350(図2)にシナリオ作成部332Aに処理を実行させるための実行用アイコンが表示されている。図5は、表示部350に表示されるデスクトップ画面を示す説明図である。図示するように、デスクトップ画面には、シナリオ作成部332Aに処理を実行させるための実行用アイコンEIが含まれている。
ステップS102では、ユーザは、入力部360のマウスMS(図2)を操作して、図5に示すように、所定形式の素材ファイルのファイルアイコンFIを実行用アイコンEIにドラッグ・アンド・ドロップする。
ここで、所定形式の素材ファイルとは、ページ毎のシナリオ情報と画像情報とを含む素材ファイルを意味しており、本実施例では、PowerPoint(Microsoft 社の商標)を用いて生成されたPPT形式のファイル(以下、「PPTファイル」とも呼ぶ)などを想定している。
また、ドラッグ・アンド・ドロップ処理とは、アイコンにマウスポインタを合わせてドラッグし、そのアイコンを他のアイコンなどに重ね合わせてドロップする処理を意味している。具体的には、ステップS102におけるドラッグ・アンド・ドロップ処理は、次の一連の処理を意味している。すなわち、表示部350に表示されたファイルアイコンFIにマウスポインタPPCを合わせ、マウスMSに設けられたスイッチを押し、押したままマウスMSを移動させることにより、ファイルアイコンFIを移動させる(ドラッグ処理)。そして、ファイルアイコンFIを実行用アイコンEIに重ね合わせて、マウスMSのスイッチを離す(ドロップ処理)。
ステップS103では、ステップS102のドラッグ・アンド・ドロップ処理により、シナリオ作成プログラムが起動する。このとき、コンピュータPC1の外部記憶装置310(図2)に格納されていたプログラムは、RAM330内に展開され、シナリオ作成部332Aとして機能する。
ステップS104では、シナリオ作成部332Aは、作成されたシナリオファイルを供給すべき供給先を設定するためのダイアログボックス(図示せず)を表示部350に表示させる。本実施例では、ユーザは、USBインタフェース部380を介して接続されたプロジェクタPJ1(図2)を、シナリオファイルの供給先として設定する。
ステップS105では、シナリオ作成部332Aは、所定形式の素材ファイル(PPTファイル)に含まれるページ毎のシナリオ情報に基づいてシナリオファイルSFを作成し、ページ毎の画像情報に基づいて所定形式の画像ファイルを作成する。ここで、所定形式の画像ファイルとは、シナリオ再生装置であるプロジェクタPJ1に適した形式の画像ファイルを意味しており、本実施例では、JPEG形式の画像ファイル(以下、「JPEGファイル」とも呼ぶ)を想定している。
ステップS106では、シナリオ作成部332Aは、ステップS105で作成されたシナリオファイルSFと画像ファイルPFとを、USBインタフェース部380を介してプロジェクタPJ1に供給する。なお、前述したように、本実施例では、シナリオファイルSFと画像ファイルPFとは、プロジェクタPJ1の内部記憶装置104内のシナリオ記憶領域107(図3)に格納される。
ステップS107では、プロジェクタPJ1は、供給されたシナリオファイルSFに従って処理を実行する。この際、ユーザは、リモコンRMを用いて、プロジェクタPJ1の内部記憶装置104などに格納された複数のシナリオファイルから所望のシナリオファイルを選択するための選択画面を表示させ、所望のシナリオファイルを選択する。図6は、プロジェクタPJ1によって表示されるシナリオファイル選択画面SSMを示す説明図である。なお、このシナリオファイル選択画面SSMは、リモコン信号処理部160からの命令に従って、メニュー画像処理部150がシナリオファイル選択画面を表す画像データを生成し、画像処理部110に供給することによってスクリーンSC上に表示される。ユーザは、シナリオファイル選択画面SSMにおいて、リモコンRMを用いて所望のシナリオファイルを選択する。なお、図6のシナリオファイル選択画面SSMでは、「シナリオファイルB」が選択されている。
シナリオファイル選択画面SSMにおいてシナリオファイルが選択されると、内部記憶装置104内のシナリオ再生部105Aは、シナリオ記憶領域107内のシナリオファイルSFに従って、シナリオ記憶領域107内に格納された画像ファイルPFを順次読み出し、ページ毎のページ画像データを原画像データとして画像処理部110に供給する。これにより、プロジェクタPJ1は、スクリーンSC上に、画像をページ毎に順次投写表示することが可能となる。
なお、本実施例では、シナリオファイル選択画面SSM(図6)においてシナリオファイルが選択された後に、シナリオファイルに従った処理が実行されているが、コンピュータPC1からプロジェクタPJ1にシナリオファイルSFおよび画像ファイルPFが供給されると同時に、シナリオファイルSFに従った処理が実行されるようにしてもよい。
図7は、プロジェクタPJ1に供給されたシナリオファイルの内容の一例を示す説明図である。なお、図7の右方に付された符号「L1」等は、行番号を示す便宜上の符号であり、実際のシナリオファイルには含まれていない。行番号L1の「begin 」および行番号L17の「end 」は、それぞれシナリオファイルに従った処理の開始および終了を意味するコマンドであり、実際には、行番号L2〜L16のコマンドに従って処理が実行される。
シナリオファイルSF1の行番号L2,L4,L6,L9,L11,L13,L15に含まれる「Display 」コマンドは、それに続く「Page1.jpg 」,「Page2.jpg 」,…などのJPEGファイルを読み出して、画像を投写表示させるコマンドである。なお、行番号L2,L4,L6,L9,L11,L13,L15の処理により、ステップS102(図4)で選択された素材ファイル(PPTファイル)に含まれるページ毎の画像が、ページ順に投写表示されることとなる。
シナリオファイルSF1の行番号L3,L5,L8に含まれる「Pause 」コマンドは、ユーザからの入力があるまで、直前の処理を維持するためのコマンドである。例えば、行番号L2で画像が投写表示されると、ユーザがリモコンRMなどで次の処理への移行を指示するまで、行番号L2で指定された画像が表示される。これにより、ユーザは、投写表示される画像を所望のタイミングでページ毎に切り替えることが可能となる。
ところで、PowerPoint(Microsoft 社の商標)では、各ページの画像に音声を組み合わせたり、各ページの画像の表示時間を設定したりすることが可能となっている。このため、PPTファイルのシナリオ情報には、ページ毎の音声情報や表示時間情報が含まれる場合がある。本実施例のシナリオ作成部332Aは、このようなシナリオ情報に従って、シナリオファイルを作成することが可能となっている。なお、シナリオ作成部332Aは、PPTファイルに音声データが含まれている場合には、音声ファイルを作成してプロジェクタPJ1に供給する。
シナリオファイルSF1(図7)の行番号L7に含まれる「Play」コマンドは、PPTファイルのシナリオ情報に含まれる音声情報に基づいて作成されたコマンドである。「Play」コマンドは、それに続く音声ファイル「Wave1.wav 」を読み出して、音声を再生させるコマンドである。これにより、画像を投写表示するとともに、効果音や内容説明などの音声を再生することができるので、プレゼンテーションを効果的に行うことが可能となる。なお、音声は、プロジェクタPJ1内の図示しないスピーカから出力される。
また、シナリオファイルSF1の行番号L10,L12,L14,L16に含まれる「Wait」コマンドは、PPTファイルのシナリオ情報に含まれる表示時間情報に基づいて作成されたコマンドである。「Wait」コマンドは、直前の処理を指定された時間だけ維持するためのコマンドである。例えば、行番号L9で画像が表示されると、「Wait」コマンドに続く「10000msec 」間だけ画像を表示した後に、次の行番号L11の処理へ移行する。これにより、投写表示される画像を自動的にページ送りすることが可能となる。
上記のように、プロジェクタPJ1は、ステップS107において、図7に示すようなシナリオファイルSF1に従って、供給された画像ファイル(JPEGファイル)を読み出し、ページ毎に画像を順次投写表示する。
以上説明したように、本実施例のコンピュータPC1は、シナリオ作成部332Aを備えており、シナリオ作成装置として機能する。シナリオ作成部332Aは、表示部350に、シナリオ作成部332Aに処理を実行させるための実行用アイコンEIを表示させ、マウスMSの操作により、ページ毎のシナリオ情報と画像情報とを含む所定形式の素材ファイル(PPTファイル)のファイルアイコンFIが実行用アイコンEIにドラッグ・アンド・ドロップされると、シナリオ情報に基づいてシナリオファイルSFを作成し、画像情報に基づいて所定形式の画像ファイル(JPEGファイル)PFを生成する。
このようなシナリオ作成装置PC1を用いれば、所定形式の素材ファイルを用いて、シナリオファイルと所定形式の画像ファイルとを容易に作成することが可能となる。また、このようなシナリオファイルと所定形式の画像ファイルとを、所定形式の画像ファイルのみを再生可能なプロジェクタPJ1などのシナリオ再生装置に供給すれば、ページ毎の画像を容易に順次表示させることが可能となる。
A−1.第1実施例の変形例:
上記実施例では、コンピュータPC1は、入力部360として、マウスMSを備えているが、マウスMSに代えて、タブレットや、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティックなどの他のポインティングデバイスを備えるようにしてもよい。これらのポインティングデバイスも、マウスMSと同様の機能を有しており、本発明におけるポインティングデバイスに相当する。
また、上記実施例では、プロジェクタPJ1が再生する所定形式の画像ファイルとして、JPEGファイルを説明した。ただし、JPEGファイルの代わりに、GIFファイルやTIFFファイルであってもよい。すなわち、素材ファイルの形式と異なる形式を有する画像ファイルであればよい。
B.第2実施例:
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図8は、第2実施例におけるシナリオ作成・再生システムを示す説明図である。このシナリオ作成・再生システムは、シナリオ作成装置およびシナリオ供給装置としての機能を有するコンピュータPC2と、シナリオ再生装置としての機能を有する投写型表示装置すなわちプロジェクタPJ2とを備えている。コンピュータPC2とプロジェクタPJ2とは、ネットワークNWを介して互いに接続されている。また、このシナリオ作成・再生システムでは、ネットワークNW上にファイルサーバSBが接続されている。なお、本実施例では、ネットワークNWとしてLANを想定している。
なお、本実施例のプロジェクタPJ2は、シナリオファイルに従って、複数形式の素材ファイルを再生可能である。このため、本実施例のコンピュータPC2は、シナリオファイルSFのみを作成してプロジェクタPJ2に供給する。なお、コンピュータPC2内に格納されている素材ファイルMFは、プロジェクタPJ2やファイルサーバSBに供給されて格納される。プロジェクタPJ2は、供給されたシナリオファイルSFに従って、プロジェクタPJ2やファイルサーバSBに格納された素材ファイルMFを読み出し、素材ファイルMFに応じたページ画像ORGをスクリーンSC上に表示させる。
なお、本明細書において、「ページ」とは、指定された順序に基づいて、個々に表示されるプレゼンテーションシート(スライド)を意味している。そして、「ページ画像」は、プレゼンテーションシートによって表される画像を意味しており、各ページ画像内には、文字や絵柄などが含まれている。スクリーンSC等に表示されるページ毎の画像は、一つのページ画像の全体を表す全体画像であってもよいし、一つのページ画像の一部を表す部分画像であってもよい。
図9は、図8のコンピュータPC2の概略構成を示す説明図である。コンピュータPC2は、CPU300と、外部記憶装置310と、ROM320と、RAM330と、表示部350と、マウスMSやキーボードKBなどの入力部360と、ネットワークインタフェース部390とを備えている。コンピュータPC2は、ネットワークインタフェース部390を介してプロジェクタPJ2と接続されている。
RAM330内には、シナリオ作成部332Bの機能を実現するシナリオ作成プログラムが格納されている。シナリオ作成部332Bは、複数形式の複数の素材ファイルを組み合わせてシナリオファイルSFを作成する機能を有している。
また、シナリオ作成部332Bは、ネットワークインタフェース部390を介して、シナリオファイルSFをプロジェクタPJ2に供給する機能を有している。すなわち、本実施例のシナリオ作成部332Bとネットワークインタフェース部390とは、シナリオファイルSFをプロジェクタPJ2に供給するシナリオ供給部としての機能を有している。さらに、シナリオ作成部332Bは、ネットワークインタフェース部390を介して、素材ファイルMFをプロジェクタPJ2やファイルサーバSBに供給する機能を有している。
なお、上記のシナリオ作成部332Bの機能を実現するコンピュータプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。コンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータが読み取って直接実行するようにしてもよい。
この明細書において、コンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。また、オペレーションシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェア装置を動作させるような場合には、そのハードウェア装置自体がコンピュータに相当する。ハードウェア装置は、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とを少なくとも備えている。コンピュータプログラムは、このようなコンピュータに、上述の各手段の機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
なお、この発明における「記録媒体」としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
図10は、図8のプロジェクタPJ2の概略構成を示す説明図である。プロジェクタPJ2は、CPU100と、外部記憶装置102と、ROMやRAMなどの内部記憶装置104と、アナログ画像信号入力部108と、画像処理部110と、液晶ライトバルブ駆動部120と、液晶ライトバルブ130と、装飾画像処理部140と、メニュー画像処理部150と、リモコン信号処理部160と、メモリカードMCに格納された画像ファイルなどを読み取るためのメモリカード制御部170と、ネットワークインタフェース部190を備えている。液晶ライトバルブ130は、照明光学系200によってほぼ均一に照明されており、液晶ライトバルブ130において形成された画像光は、投写光学系220によってスクリーンSC上に投写される。図10において、光学系200,220の図示は、簡略化されている。
アナログ画像信号入力部108は、外部の画像供給装置(図示せず)からアナログ画像信号AV1が供給される場合には、アナログ画像信号AV1をAD変換し、デジタル画像データDV1を出力する機能を有している。なお、アナログ画像信号AV1としては、例えば、パーソナルコンピュータから供給されたコンピュータ画像を表すRGB信号や、ビデオレコーダやテレビジョン受信機から供給された動画を表すコンポジット画像信号などの画像信号が供給される。
画像処理部110は、供給される原画像データと装飾画像データとを合成した合成画像データを生成する機能を有している。これにより、原画像データによって表される原画像ORGに、装飾画像データによって表されるポインタ画像PPJなどの装飾画像が重畳された画像をスクリーンSC上に表示させることができる。画像処理部110は、供給された原画像データを図示しないフレームメモリに一旦書き込み、フレームメモリに書き込まれた原画像データを読み出す際に、原画像データと装飾画像データとを合成し、合成された画像データDV2を液晶ライトバルブ駆動部120に供給する。
原画像データとしては、アナログ画像信号入力部108から供給される画像データDV1や、内部記憶装置104から供給されるページ毎のページ画像データ、メニュー画像処理部150から供給されるメニュー画像データ、メモリカードMCから読み取られてメモリカード制御部170から供給される画像データなどが用いられる。一方、装飾画像データとしては、装飾画像処理部140から供給される装飾画像データが用いられる。ここで、装飾画像とは、原画像とは独立して準備される画像(付加画像)を意味しており、原画像内に重畳(付加)されることによりスクリーンSC上に表示される。
液晶ライトバルブ駆動部120は、画像処理部110から供給された画像データDV2に応じて、画像表示データSDを生成する。液晶ライトバルブ130は、画像表示データSDによって駆動される。このとき、液晶ライトバルブ130は、照明光学系200からの光を変調し、画像を表す画像光を形成する。
装飾画像処理部140は、装飾画像を表す装飾画像データを生成して、画像処理部110に供給する機能を有している。具体的には、装飾画像処理部140は、ポインタ画像PPJを表すポインタ画像データや、ポインタ画像PPJを用いて範囲指定することにより所望のサイズで作成される特定形状の画像(例えば、指差し画像)や描画画像(例えば、ボックス画像や囲み枠画像)などの種々の装飾画像データを生成して、画像処理部110に供給する。
メニュー画像処理部150は、メニュー画像を表すメニュー画像データを生成して画像処理部110に供給する機能を有している。ユーザは、メニュー画像に従って、プロジェクタPJ2に関する種々の設定を行うことができる。
ネットワークインタフェース部190は、プロジェクタPJ2をLANに接続し、コンピュータPC2からLANを介して供給されるシナリオファイルSFや、シナリオファイルSFで用いられる素材ファイルMFを受け取り、バス100bを介して内部記憶装置104に供給する機能を有している。
内部記憶装置104は、供給されたシナリオファイルSFを再生するためのシナリオ再生部105Bと、ネットワークインタフェース部190から供給されたシナリオファイルSFや素材ファイルMFを格納するシナリオ記憶領域107とを備えている。
なお、本実施例では、ネットワークインタフェース部190から供給されたシナリオファイルSFや素材ファイルMFは、内部記憶装置104内のシナリオ記憶領域107に格納されているが、外部記憶装置102やメモリカード制御部170に装着されたメモリカードMCに格納されるようにしてもよい。また、ネットワークインタフェース部190を用いずに、コンピュータPC2において、シナリオファイルSFや画像ファイルPFをメモリカードMCに書き込むようにしてもよい。この場合には、メモリカードMCをメモリカード制御部170に装着して、メモリカードMCからシナリオファイルSFや画像ファイルPFを読み出すようにすればよい。
シナリオ再生部105Bは、複数種類のアプリケーションプログラムで作成された複数形式の素材ファイルMFを読み出すことができる。すなわち、シナリオ再生部105Bは、複数種類のアプリケーションプログラムで作成された複数形式の素材ファイルMFの内容を見ることのできるビューア機能を備えている。シナリオ再生部105Bは、シナリオファイルSFに従って、シナリオ記憶領域107やファイルサーバSBに格納された素材ファイルMFを読み出し、ページ毎のページ画像データを原画像データとして画像処理部110に供給する。
リモコン信号処理部160は、リモコンRMからの制御信号に基づいてプロジェクタPJ2の各部の機能を制御する。例えば、リモコン信号処理部160は、リモコンRMからの制御信号に基づいて、装飾画像処理部140の機能を制御し、原画像ORG内の所望の位置にポインタ画像PPJを重畳させることができる。
なお、以上の説明からも分かるように、本実施例におけるCPU100と画像処理部110とシナリオ再生部105Bとが、本発明におけるページ画像処理部に相当する。
図11は、図8のシナリオ作成・再生システムにおける一連の処理手順を示すフローチャートである。なお、ステップS201〜S205までは、コンピュータPC2の処理を示しており、ステップS206は、プロジェクタPJ2の処理を示している。
ステップS201では、コンピュータPC2の表示部350に表示されたシナリオ作成部332Bに処理を実行させるための実行用アイコン(図示せず)をマウスMSでダブルクリックして、シナリオ作成プログラムを起動させる。このとき、コンピュータPC2の外部記憶装置310(図9)に格納されていたプログラムは、RAM330内に展開され、シナリオ作成部332Bとして機能する。
ステップS202では、シナリオ作成部332Bが表示部350にシナリオ作成用ウィンドウを表示させる。
図12は、表示部350に表示されるシナリオ作成用ウィンドウSMWを示す説明図である。図示するように、シナリオ作成用ウィンドウSMWは、図中左側のファイル管理領域MNAと、右側下方の縮小画像表示領域SPAと、右側上方の選択素材ファイル情報領域SFAとを含んでいる。
ファイル管理領域MNAは、階層構造で管理されたフォルダを示すフォルダ領域A1と、フォルダ領域A1で指定されたフォルダ内のファイルを示すファイル領域A2とを備えている。ユーザは、所望の素材ファイルが格納されたフォルダをフォルダ領域A1で指定し、ファイル領域A2に所望の素材ファイルのファイルアイコンを表示させることができる。
なお、ファイル管理領域MNAには、ネットワークNWに接続されたファイルサーバSBなどの他の外部装置内に格納された素材ファイルのファイルアイコンを表示させることも可能である。
縮小画像表示領域SPAは、ファイル管理領域MNAで指定された素材ファイルが、ページ毎のシナリオ情報と画像情報とを含む所定形式の素材ファイルである場合に、ページ毎の画像情報をページ毎に縮小画像で表示する領域である。本実施例では、上記の所定形式の素材ファイルとして、PowerPoint(Microsoft 社の商標)を用いて生成されたPPT形式のファイル(以下、「PPTファイル」とも呼ぶ)などを想定している。このように、縮小画像が表示されれば、ページ毎の画像の内容を容易に確認することができる。
選択素材ファイル情報領域SFAは、ユーザによって選択された素材ファイルの情報(選択素材ファイル情報)を、ユーザによって指定された順序で表示するための領域である。なお、シナリオ作成部332B(図9)は、この選択素材ファイル情報領域SFA内の表示内容に応じてシナリオファイルを作成する。
図11のステップS203では、ユーザが素材ファイルを選択して、選択された素材ファイルの情報(選択素材ファイル情報)を選択素材ファイル情報領域SFA内に表示させる。
具体的には、ユーザが、マウスMSを操作することにより、ファイル管理領域MNAに表示される素材ファイルのファイルアイコンを選択し、選択素材ファイル情報領域SFA内にドラッグ・アンド・ドロップする。これにより、選択素材ファイル情報領域SFA内には、ユーザによって選択された素材ファイルに関する選択素材ファイル情報が表示される。
あるいは、ユーザが、マウスMSを操作することにより、縮小画像表示領域SPAに表示されるページ毎の縮小画像を選択し、選択素材ファイル情報領域SFA内にドラッグ・アンド・ドロップする。これによっても、選択素材ファイル情報領域SFA内には、ユーザによって選択された素材ファイルに関する選択素材ファイル情報が表示される。
ここで、ドラッグ・アンド・ドロップ処理とは、アイコン等にマウスポインタを合わせてドラッグし、そのアイコン等を他のアイコンや領域などに重ね合わせてドロップする処理を意味している。具体的には、ステップS203におけるドラッグ・アンド・ドロップ処理は、次の一連の処理を意味している。すなわち、ファイル管理領域MNAに表示されるファイルアイコンや縮小画像表示領域SPAに表示される縮小画像にマウスポインタを合わせて、マウスMSに設けられたスイッチを押したままマウスMSを移動させることによりファイルアイコンや縮小画像を移動させる(ドラッグ処理)。そして、ファイルアイコンや縮小画像を選択素材ファイル情報領域SFAに重ね合わせて、マウスMSのスイッチを離す(ドロップ処理)。
なお、上記の素材ファイルのファイルアイコンや縮小画像の選択は、ネットワークNWに接続されたファイルサーバSBなどの他の外部装置内に格納された素材ファイルについても行うことができる。これにより、他の外部装置内に格納された素材ファイルを選択して、シナリオファイルを作成することが可能となる。
また、素材ファイルの選択は、複数形式の素材ファイルについて行うことが可能である。すなわち、本実施例のシナリオ作成部332Bは、複数形式の素材ファイルを利用してシナリオファイルを作成することができる。
ところで、図12の選択素材ファイル情報領域SFAに示すように、各選択素材ファイル情報は、選択された素材ファイルの作成者と、ファイル名と、素材ファイル内のページを指定するページ指定情報と、指定されたページを表す縮小ページ画像とを含んでいる。ページ指定情報は、ユーザが、ファイル管理領域MNAに表示される素材ファイルのファイルアイコンを選択素材ファイル情報領域SFA内にドラッグ・アンド・ドロップする際に設定される。すなわち、ユーザが素材ファイルのファイルアイコンを選択素材ファイル情報領域SFA内にドラッグ・アンド・ドロップすると、シナリオ作成部332Bはダイアログボックス(図示せず)を表示させ、ユーザはダイアログボックス内で所望のページを指定する。一方、ユーザが、縮小画像表示領域SPAに表示されるページ毎の縮小画像を選択素材ファイル情報領域SFA内にドラッグ・アンド・ドロップする際には、上記のダイアログボックスは表示されず、ページ指定情報は選択素材ファイル情報に自動的に含まれることとなる。
また、選択素材ファイル情報領域SFA内には、各選択素材ファイル情報がユーザによって指定された順序で表示されている。ユーザは、選択素材ファイル情報領域SFA内の各選択素材ファイル情報の並び順を変更することができる。なお、並び順の変更は、各選択素材ファイル情報が表示される短冊形の情報表示画像IPをドラッグ・アンド・ドロップすることによって実行される。
上記のようにして選択素材ファイル情報領域SFAに所望の選択素材ファイル情報が所望の順序で表示されると、ステップS204(図11)においてシナリオファイルが作成される。このとき、シナリオ作成部332Bは、選択素材ファイル情報領域SFA内の表示内容に応じてシナリオファイルを作成する。
ステップS205では、作成されたシナリオファイルSFをプロジェクタPJ2に供給する。なお、本実施例では、ネットワークNWを介して接続されたプロジェクタPJ2が、シナリオファイルSFの供給先として予め設定されている。具体的には、ユーザが図12のシナリオ作成用ウィンドウSMWにおいて、シナリオファイルSFを供給すべき供給先を設定するための設定画面(図示せず)を表示させて、設定画面において供給先を設定する。シナリオ作成部332Bは、作成されたシナリオファイルSFをネットワークNWを介してプロジェクタPJ2に供給する。
また、シナリオ作成部332Bは、シナリオファイルSFで用いられる素材ファイルMFを、ネットワークNWを介してプロジェクタPJ2やファイルサーバSBに供給する。具体的には、シナリオ作成部332Bは、コンピュータPC2の外部記憶装置310などに格納されている素材ファイルMFを用いてシナリオファイルを作成した場合には、コンピュータPC2内に格納されている素材ファイルMFをプロジェクタPJ2やファイルサーバSBに供給する。なお、素材ファイルMFをファイルサーバSBに供給し、プロジェクタPJ2に供給しない場合には、プロジェクタPJ2の外部記憶装置102や内部記憶装置104のメモリ容量を比較的小さくできるという利点がある。また、シナリオ作成部332Bが、ファイルサーバSBに格納されている素材ファイルを用いてシナリオファイルを作成した場合には、ファイルサーバSBに格納されている素材ファイルについては、プロジェクタPJ2に供給されない。
ステップS206では、プロジェクタPJ2は、供給されたシナリオファイルに従って処理を実行する。この際、ユーザは、リモコンRMを用いて、プロジェクタPJ2の内部記憶装置104などに格納された複数のシナリオファイルから所望のシナリオファイルを選択するための選択画面を表示させ、所望のシナリオファイルを選択することができる。図13は、プロジェクタPJ2によって表示されるシナリオファイル選択画面SSMを示す説明図である。なお、このシナリオファイル選択画面SSMは、リモコン信号処理部160からの命令に従って、メニュー画像処理部150がシナリオファイル選択画面を表す画像データを生成し、画像処理部110に供給することによってスクリーンSC上に表示される。ユーザは、シナリオファイル選択画面SSMにおいて、リモコンRMを用いて所望のシナリオファイルを選択する。なお、図13のシナリオファイル選択画面SSMでは、「シナリオファイルB」が選択されている。
シナリオファイル選択画面SSMにおいて、シナリオファイルが選択されると、内部記憶装置104内のシナリオ再生部105Bは、シナリオ記憶領域107内の選択されたシナリオファイルSFに従って、素材ファイルMFを読み出し、ページ毎のページ画像データを原画像データとして画像処理部110に供給する。素材ファイルMFは、シナリオファイルSFで指定された記憶領域から読み出される。すなわち、素材ファイルMFがプロジェクタPJ2のシナリオ記憶領域107に格納されている場合には、シナリオ再生部105Bはシナリオ記憶領域107から素材ファイルを読み出す。また、素材ファイルMFがファイルサーバSB内の記憶領域に格納されている場合には、シナリオ再生部105BはファイルサーバSBから素材ファイルを読み出す。これにより、プロジェクタPJ2は、スクリーンSC上に、画像をページ毎に順次投写表示することが可能となる。
なお、本実施例では、シナリオファイル選択画面SSM(図13)においてシナリオファイルが選択された後に、シナリオファイルに従った処理が実行されているが、コンピュータPC2からプロジェクタPJ2にシナリオファイルSFが供給されると同時に、シナリオファイルSFに従った処理が自動的に実行されるようにしてもよい。
図14は、プロジェクタPJ2に供給されたシナリオファイルの内容の一例を示す説明図である。なお、図14の右方に付された符号「L1」等は、行番号を示す便宜上の符号であり、実際のシナリオファイルには含まれていない。行番号L1の「begin 」および行番号L16の「end 」は、それぞれシナリオファイルに従った処理の開始および終了を意味するコマンドであり、実際には、行番号L2〜L15のコマンドに従って処理が実行される。
シナリオファイルSF1の行番号L2,L4,L6,L8,L10,L12,L14に含まれる「Display 」コマンドは、それに続く素材ファイルを読み出して、画像を投写表示させるコマンドである。「Display 」コマンドには、素材ファイルの格納場所(記憶領域)を示すパス情報とともに、素材ファイル中のページを指定するページ指定情報が含まれている。このため「Display 」コマンドが実行されると、所定の記憶領域に記憶された素材ファイル中の該当ページのみが抽出して読み出される。また、図14に示すように、本実施例のシナリオファイルは、複数種類のアプリケーションプログラムで作成された複数形式の素材ファイルが組み合わされて作成されている。
例えば、プロジェクタPJ2は、シナリオファイルSF2の行番号L2に含まれる「Display 」コマンドに続く「\mem\Picture.ppt/page1」に従って、プロジェクタPJ2のシナリオ記憶領域107内に格納された「Picture.ppt 」ファイルの1ページ目を抽出して読み出す。さらに、行番号L10に含まれる「Display 」コマンドに続く「\\SB\FLDA\Document.doc/page2」に従って、ファイルサーバ「SB」のフォルダ「FLDA」に格納された「Document.doc」ファイルの2ページ目を抽出して読み出す。また、行番号L12に含まれる「Display 」コマンドに続く「\\SB\FLDB\Graph.xls/sheet3」に従って、ファイルサーバ「SB」のフォルダ「FLDB」に格納された「Graph.xls 」ファイルの3シート目(3ページ目)を抽出して読み出す。
シナリオファイルSF1の行番号L3,L5,L7に含まれる「Pause 」コマンドは、ユーザからの入力があるまで、直前の処理を維持するためのコマンドである。例えば、行番号L2で画像が投写表示されると、ユーザがリモコンRMなどで次の処理への移行を指示するまで、行番号L2で指定された画像が表示される。これにより、ユーザは、投写表示される画像を所望のタイミングでページ毎に切り替えることができる。
また、シナリオファイルSF1の行番号L9,L11,L13,L15に含まれる「Wait」コマンドは、直前の処理を指定された時間だけ維持するためのコマンドである。例えば、行番号L8で画像が表示されると、「Wait」コマンドに続く「10000msec 」間だけ画像を表示した後に、次の行番号L10の処理へ移行する。これにより、投写表示される画像を自動的にページ送りすることが可能となる。
なお、各ページの画像の表示時間は、図12のシナリオ作成用ウィンドウSMWにおいて設定することが可能となっている。具体的には、選択素材ファイル情報領域SFA内の各選択素材ファイル情報が表示された各情報表示画像IPを選択してダイアログボックス(図示せず)を表示させ、ダイアログボックスにおいて画像の表示時間を設定する。
このように、プロジェクタPJ2は、ステップS206において、図14に示すようなシナリオファイルSF1に従って、プロジェクタPJ2内の記憶領域やネットワークNWに接続されたファイルサーバなどの記憶領域から複数形式の素材ファイルを読み出し、ページ毎に画像を順次投写表示する。
以上説明したように、本実施例のコンピュータPC2は、シナリオ作成部332Bを備えており、シナリオ作成装置として機能する。シナリオ作成部332Bは、表示部350に、素材ファイルを表示するためのファイル管理領域MNAと、ファイル管理領域MNAにおいてユーザによって選択された素材ファイルの情報をユーザによって指定された順序で表示する選択素材ファイル情報領域SFAと、ファイル管理領域MNA内に表示されるページ毎のシナリオ情報と画像情報とを含む所定形式の素材ファイル(PPTファイル)について、ページ毎の前記画像情報をページ毎に縮小画像で表示する縮小画像表示領域SPAと、を含むシナリオ作成用ウィンドウSMWを表示させる。そして、シナリオ作成部332Bは、選択素材ファイル情報領域SFA内の表示内容に応じて、図14に示すようなシナリオファイルSF1を作成する。
このようなシナリオ作成装置PC2を用いれば、選択素材ファイル情報を選択素材ファイル情報領域SFAに所望の順序で表示させるだけで、容易にシナリオファイルを作成することができる。このように作成されたシナリオファイルをプロジェクタPJ2などのシナリオ再生装置に供給すれば、ページ毎の画像を容易に順次表示させることが可能となる。
また、本実施例のプロジェクタPJ2は、シナリオ記憶領域107に記憶されたシナリオファイルに従って、素材ファイルを読み出し、投写表示されるページ毎の画像を表すページ画像データを準備するページ画像処理部を備えている。このページ画像処理部は、複数の前記素材ファイルに基づいて前記ページ画像データを準備することができる。このようなプロジェクタPJ2をシナリオ再生装置として用いれば、プロジェクタは、ページ毎の画像を容易に順次表示させることが可能となる。
なお、本明細書において、「プロジェクタ」の語は、プロジェクタPJ2のみを含む狭義のプロジェクタを意味するとともに、場合により、プロジェクタPJ2とコンピュータPC2とを含む広義のプロジェクタを意味する。すなわち、第2実施例においては、シナリオ再生装置としてのプロジェクタPJ2とシナリオ供給装置としてのコンピュータPC2とを備えるシナリオ再生システムも、本発明の第5の態様におけるプロジェクタに相当する。
C.第3実施例:
図15は、第3実施例におけるシナリオ再生システムを示す説明図である。このシナリオ再生システムは、素材ファイル供給装置としての機能を有するコンピュータPC3と、シナリオ再生装置としての機能を有する投写型表示装置すなわちプロジェクタPJ3とを備えている。コンピュータPC3とプロジェクタPJ3とは、ネットワークNWを介して互いに接続されている。
なお、本実施例のプロジェクタPJ3は、ページ毎のシナリオ情報と画像情報とを含む所定形式の素材ファイルをそのまま利用して、ページ毎に画像を再生することができる。このため、本実施例のコンピュータPC3は、所定形式の素材ファイルMFをそのままプロジェクタPJ3に供給する。プロジェクタPJ3は、供給された素材ファイルMFに含まれるシナリオ情報に従って、素材ファイルMFに含まれる画像情報を読み出し、素材ファイルMFに応じたページ画像ORGをスクリーンSC上に表示させる。
また、コンピュータPC3は、図15に示すように、ポインティングデバイスとしてマウスMSを備えている。後述するように、コンピュータPC3は、マウスMSの操作に伴う操作情報OPSを生成し、ネットワークNWを介してプロジェクタPJ3に供給する。プロジェクタPJ3は、操作情報OPSに基づいて、例えば、スクリーンSC上に表示されたページ画像ORG内にポインタ画像PPJを表示させることができる。なお、図15において、コンピュータPC3は、プロジェクタPJ3に対して、操作情報OPSを供給しており、ポインタ画像PPJを表す画像データは供給していない。
図16は、図15のコンピュータPC3の概略構成を示す説明図である。このコンピュータPC3は、図9のコンピュータPC2とほぼ同様の構成を有しているが、RAM330内には、素材ファイル供給部336の機能を実現する素材ファイル供給プログラムと、操作情報生成部338の機能を実現する操作情報生成プログラムとが格納されている。
素材ファイル供給部336は、準備された所定形式の素材ファイル(例えば、PPTファイル)をネットワークインタフェース部390を介してそのままプロジェクタPJ3に供給する機能を有している。
操作情報生成部338は、ユーザによる入力部360の操作を検出し、検出結果に基づいて操作情報OPSを生成する機能を有している。なお、生成された操作情報OPSは、ネットワークインタフェース部390を介してプロジェクタPJ3に供給される。
図17は、図15のプロジェクタPJ3の概略構成を示す説明図である。このプロジェクタPJ3は、図10のプロジェクタPJ2とほぼ同様の構成を有しているので、詳細な説明は省略する。
ただし、ネットワークインタフェース部190は、コンピュータPC3からLANを介して供給される素材ファイルMFを内部記憶装置104のシナリオ記憶領域107に供給する機能を有している。また、ネットワークインタフェース部190は、コンピュータPC3からLANを介して供給される操作情報OPSを、バス100bを介してCPU100に供給する機能を有している。CPU100は、操作情報OPSに基づいて、画像処理部110や装飾画像処理部140、メニュー画像処理部150などを制御する。例えば、操作情報OPSに、原画像(ページ画像)ORG内に重畳されるポインタ画像PPJの位置を表す位置情報が含まれている場合には、装飾画像処理部140は、ポインタ画像データを操作情報(位置情報)OPSに基づいて画像処理部110に供給する。これにより、画像処理部110は、原画像データ(ページ画像データ)とポインタ画像データとを操作情報(位置情報)OPSに基づいて合成することができ、この結果、原画像(ページ画像)ORGの所定の位置にポインタ画像PPJが重畳されることとなる。
また、内部記憶装置104は、供給された素材ファイル(PPTファイル)MFを再生するためのシナリオ再生部105Cと、ネットワークインタフェース部190から供給された素材ファイルMFを格納するシナリオ記憶領域107とを備えている。シナリオ再生部105Cは、所定形式の素材ファイルMFの内容を見ることのできるビューア機能を備えている。すなわち、シナリオ再生部105Cは、供給された素材ファイルMFに含まれるシナリオ情報に従って、素材ファイルMFに含まれる画像情報を読み出し、ページ毎のページ画像データを原画像データとして画像処理部110に供給する。
なお、本実施例におけるCPU100と画像処理部110と装飾画像処理部140とシナリオ再生部105Cとが、本発明におけるページ画像処理部に相当する。
図18は、図15のシナリオ再生システムにおける一連の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS301では、コンピュータPC3の表示部350(図16)に素材ファイル供給部336に処理を実行させるための実行用アイコンが表示されている。図19は、表示部350に表示されるデスクトップ画面を示す説明図である。図示するように、デスクトップ画面には、素材ファイル供給部336に処理を実行させるための実行用アイコンEIが含まれている。
ステップS302では、ユーザは、入力部360のマウスMS(図9)を操作して、図19に示すように、所定形式の素材ファイルのファイルアイコンFIを実行用アイコンEIにドラッグ・アンド・ドロップする。ここで、所定形式の素材ファイルとは、ページ毎のシナリオ情報と画像情報とを含む素材ファイルを意味しており、本実施例では、PowerPoint(Microsoft 社の商標)を用いて生成されたPPTファイルなどを想定している。また、ドラッグ・アンド・ドロップ処理とは、前述のように、素材ファイルのファイルアイコンFIにマウスポインタPPCを合わせてドラッグし、実行用アイコンEIに重ね合わせてドロップする処理を意味している。
ステップS303では、ステップS302のドラッグ・アンド・ドロップ処理により、素材ファイル供給プログラムが起動する。このとき、コンピュータPC2の外部記憶装置310(図16)に格納されていたプログラムは、RAM330内に展開され、素材ファイル供給部336として機能する。
ステップS304では、素材ファイル供給部336は、素材ファイルを供給すべき供給先を設定するためのダイアログボックス(図示せず)を表示部350に表示させる。本実施例では、ユーザは、ネットワークインタフェース部390を介して接続されたプロジェクタPJ3(図16)を、素材ファイルの供給先として設定する。なお、このとき、供給先として設定されたプロジェクタPJ3に適した解像度(例えば、XGAなど)も設定され、設定された解像度は操作情報生成部338の処理に利用される。
ステップS305では、素材ファイル供給部336は、素材ファイルをそのままプロジェクタPJ3に供給する。具体的には、素材ファイル供給部336は、ネットワークインタフェース部390を介して素材ファイルをプロジェクタPJ3の内部記憶装置104内のシナリオ記憶領域107に供給する。なお、第2実施例と同様に、素材ファイルは、外部記憶装置102やメモリカード制御部170に装着されたメモリカードMCなどに格納されてもよい。
ステップT301では、プロジェクタPJ3は、素材ファイルが供給されると同時に、素材ファイルのシナリオ情報に従った処理を自動的に開始する。具体的には、プロジェクタPJ3の内部記憶装置104内のシナリオ再生部105Cは、シナリオ記憶領域107に格納された所定形式の素材ファイル(PPTファイル)に含まれるページ毎のシナリオ情報に基づいて、画像情報を読み出し、ページ毎のページ画像データを原画像データとして画像処理部110に供給する。このようにして、プロジェクタPJ3において、シナリオ情報に従って順次画像が投写表示される。
素材ファイル供給部336が、素材ファイルをプロジェクタPJ3に供給すると、ステップS306において、操作情報生成プログラムが起動する。このとき、操作情報生成部338は、表示部350上に操作情報生成領域を含む操作検出用ウィンドウを表示させる。
図20は、コンピュータPC3の表示部350に表示される操作検出用ウィンドウDWを示す説明図である。図20に示す表示部350では、操作検出用ウィンドウDWと、プレゼンテーションにおいて発表する内容などを記したメモを表示するメモ表示ウィンドウMWとが表示されている。
操作検出用ウィンドウDWは、図示するように、「メニュー」ボタンBMと操作情報生成領域GAとを含んでいる。ここで、操作情報生成領域GAとは、マウスMSの操作に伴う操作情報OPSを生成するための領域を意味している。図20において、マウスMSに対応するポインタ画像PPCは、表示部350の全領域内において表示されるが、ポインタ画像PPCが操作情報生成領域GA内に表示される場合にのみ、マウスMSの操作に伴う操作情報OPSが生成される。このようにすれば、ユーザが、操作情報生成領域GA以外の領域においてポインタ画像PPCを表示させてマウスMSを操作する場合には、マウスMSの操作情報OPSが生成されないので、マウスMSを用いて他の操作、例えば、メモ表示ウィンドウMWに表示させるメモを変更するなどの操作を行うことが可能となる。
ステップS307では、操作情報生成部338は、入力部360としてのマウスMSの操作を検出する。なお、マウスMSの操作とは、ユーザがマウスMS自体を移動させる操作や、マウスMSに設けられたスイッチを押す操作などを意味している。そして、ステップS308では、操作情報生成部338は、ステップS307における検出結果に基づいて操作情報OPSを生成する。
前述のように、本実施例の操作情報生成部338は、マウスMSに対応するポインタ画像PPCが操作検出用ウィンドウDWの操作情報生成領域GA内に表示される場合にのみ、マウスMSの操作を検出する。また、本実施例では、ステップS304において、素材ファイルの供給先としてプロジェクタPJ3が設定されるとともに、プロジェクタPJ3に適した解像度が設定されているので、操作情報生成領域GAと、スクリーンSC上に投写表示される原画像(ページ画像)ORGの画像領域とを対応付けることができる。すなわち、操作情報生成領域GA内におけるポインタ画像PPCの位置関係と、原画像(ページ画像)ORG内におけるポインタ画像PPJの位置関係とをほぼ一致させることができる。具体的には、操作情報生成部338は、操作情報生成領域GA内においてポインタ画像PPCが表示される位置を、設定されたプロジェクタPJ3の解像度(ステップS304)に応じて、座標値で求める。仮に、プロジェクタPJ3の解像度がXGA(1024×768)に設定されているときに、ポインタ画像PPCが操作情報生成領域GAの左上端に表示されている場合には座標値を(1,1)とし、中央に表示されている場合には座標値を(512,384)とし、右下端に表示されている場合には座標値を(1024,768)として求める。この座標値情報が、マウスMSの位置情報となり、操作情報OPSとして出力される。
ステップS309では、コンピュータPC3は、操作情報OPSを送信する。
プロジェクタPJ3は、ステップT302において、操作情報OPSに基づいて、画像を表示する。具体的には、操作情報OPSに基づいて、原画像(ページ画像)ORG内の所定の位置(すなわち、操作情報生成領域GA内におけるポインタ画像PPCの位置に対応する位置)にポインタ画像PPJを表示する。
ステップS307〜S309,T302の処理を繰り返し実行することにより、マウスMSの移動と連動させて、スクリーンSC上に投写表示される原画像(ページ画像)ORG内のポインタ画像PPJを移動させることができる。
ステップT303では、プロジェクタPJ3内のシナリオ再生部105Cは、供給された所定形式の素材ファイル(PPTファイル)に含まれるページ毎のシナリオ情報に従った処理を終了する。
ステップS310では、コンピュータPC3は、プロジェクタPJ3から供給される終了情報に従って、操作情報生成プログラムを終了させる。
ところで、ステップS307において、ユーザがマウスMSに設けられたスイッチを押す(クリックする)操作を実行する場合には、ステップT301において、プロジェクタPJ3がシナリオ情報に従って画像を投写表示する際に、画像を順次ページ送りさせることができる。
また、ステップS307において、ユーザがマウスMSに設けられたスイッチを押しながらマウスMSを移動させる操作を実行する場合には、投写表示されるページ画像ORG内において領域を指定することができる。本実施例のプロジェクタPJ3では、領域を指定することにより、ボックス画像や囲み枠画像などのポインタ画像と異なる種類の装飾画像を、ページ画像ORG内の指定領域に重畳することが可能となっている。
上記の説明からも分かるように、ステップS307においては、マウスMSの位置情報のみでなく、マウスMSのスイッチ情報も操作情報OPSとして生成される。
図21は、ページ画像ORG内のポインタ画像PPJを用いて、ページ画像ORG内にボックス画像PBを重畳する際の処理を示す説明図である。ボックス画像PBのサイズは、ページ画像ORG内において、ボックス画像PBの対向する2つの頂点(始点および終点)を指定することによって決定される。図21(A−1)〜(A−3)は、操作検出用ウィンドウDW(図20)に含まれる操作情報生成領域GAを示している。図21(B−1)〜(B−3)は、プロジェクタPJ3によってスクリーンSC上に表示されるページ画像ORGを示している。
図21(A−1)では、コンピュータPC3のマウスMSを操作して、領域を指定するための始点P1Cを指定する。これは、ユーザがマウスMSを移動させることにより、ポインタ画像PPCを始点P1Cに移動させ、マウスMSのスイッチを押すことによって行われる。このとき、図21(B−1)に示すように、ページ画像ORG内では、ポインタ画像PPJによって始点P1Jが指定される。ページ画像ORGにおいて始点P1Jが指定されると、ボックス画像PBの始点を意味する始点画像PSが始点P1J位置に重畳される。
図21(A−2)では、ユーザがマウスMSのスイッチを押したまま、マウスMSを領域の終点P2Cに移動させる。このとき、操作情報生成領域GA内には、始点P1Cおよび終点P2Cを結ぶ線分を対角線とする枠が破線で表示されている。一方、ページ画像ORG内では、図21(B−2)に示すように、始点画像PSが表示されると、ポインタ画像PPJに代えて終点画像PEが表示され、終点画像PEを用いてページ画像ORG内の終点P2Jが指定される。
図21(A−3)では、ユーザがマウスMSのスイッチを押すのを中止する。このとき、図21(B−3)に示すように、ページ画像ORG内では、始点P1Jおよび終点P2Jによって設定された範囲にボックス画像PBが重畳される。
なお、始点画像PSと、終点画像PEと、ボックス画像PBとのそれぞれの装飾画像を表す装飾画像データは、装飾画像処理部140(図17)によって準備され、画像処理部110に供給される。
また、ページ画像ORGに重畳されるボックス画像PBなどの装飾画像の種類は、操作検出用ウィンドウDW(図20)に含まれる「メニュー」ボタンBMを選択することによって予め指定される。すなわち、ユーザがコンピュータPC3の操作検出用ウィンドウDW上でポインタ画像PPCを移動させて「メニュー」ボタンBMを選択すると、メニュー表示開始情報がLANを介してプロジェクタPJ3に供給される。プロジェクタPJ3内のCPU100は、ネットワークインタフェース部190に供給されたメニュー表示開始情報に基づいて、メニュー画像処理部150および画像処理部110を制御し、メニュー画像を原画像ORGとしてスクリーンSC上に投写表示させる。ユーザは、原画像ORG(メニュー画像)内に重畳表示されるポインタ画像PPJを用いて、使用する装飾画像の種類を選択する。なお、リモコンRMを用いてメニュー画像を表示させて、リモコンRMを用いて使用する装飾画像の種類を選択することも可能である。
以上説明したように、本実施例のコンピュータPC3は、素材ファイル供給部336を備えており、素材ファイル供給装置として機能する。素材ファイル供給部336は、表示部350に、素材ファイル供給部336に処理を実行させるための実行用アイコンを表示させ、マウスMSの操作により、素材ファイルのファイルアイコンが実行用アイコンにドラッグ・アンド・ドロップされると、素材ファイルMFをシナリオ記憶領域107に供給する。そして、プロジェクタPJ3は、素材ファイル供給装置PC3から供給され、シナリオ記憶領域107に記憶された素材ファイルを読み出し、シナリオ情報に従って、画像情報によって表されるページ毎の画像を表すページ画像データを準備するページ画像処理部を備えている。
なお、第3実施例においては、シナリオ再生装置としてのプロジェクタPJ3と素材ファイル供給装置としてのコンピュータPC3とを備えるシナリオ再生システムが、本発明の第6の態様におけるプロジェクタに相当する。
本発明の第6の態様におけるプロジェクタを用いれば、シナリオファイルを作成する手間を省略することができる。この結果、プロジェクタは、ページ毎の画像を容易に順次表示させることが可能となる。
C−1.第2および第3実施例の変形例:
第2実施例では、コンピュータPC2は、RAM330内にシナリオ作成部332Bを備えているのみであるが、コンピュータPC2は、第3実施例のコンピュータPC3に備えられた素材ファイル供給部336のような機能を有するシナリオ供給部を備えるようにしてもよい。このようにすれば、ユーザは、コンピュータPC2のシナリオ作成部332Bによって予め準備されたシナリオファイルを、図19に示すように、シナリオファイルのファイルアイコンをシナリオ供給部の実行用アイコンにドラッグ・アンド・ドロップすることによって、プロジェクタ(すなわち投写型表示装置)PJ2に供給することが可能となる。
また、第2実施例では、コンピュータPC2は、RAM330内にシナリオ作成部332Bを備えているのみであるが、コンピュータPC2は、第3実施例のコンピュータPC3のように、ユーザによるマウスMSの操作を検出し、検出結果に基づいて操作情報OPSを生成する操作情報生成部338を備えるようにしてもよい。こうすれば、ユーザはマウスMSを操作することにより、プロジェクタ(すなわち投写型表示装置)PJ2を操作することが可能となる。
上記の場合には、シナリオ再生装置としてのプロジェクタPJ2と、シナリオ供給部や操作情報生成部を有するシナリオ供給装置としてのコンピュータPC2と、を備えるシナリオ再生システムが、本発明の第5の態様におけるプロジェクタに相当する。
第2および第3実施例では、コンピュータPC2,PC3は、入力部360として、マウスMSを備えているが、マウスMSに代えて、タブレットや、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティックなどの他のポインティングデバイスを備えるようにしてもよい。これらのポインティングデバイスも、マウスMSと同様の機能を有しており、本発明におけるポインティングデバイスに相当する。
D.第4実施例:
第4実施例では、本発明に係るセキュリティ機能を有するプロジェクタ、およびこのプロジェクタがネットワークに接続されて構成される画像表示システムについて説明する。
D−1.プロジェクタの構成:
図22および図23を参照して本実施例に係る投写型表示装置(プロジェクタ)の概略構成について説明する。図22は、第4実施例に係るプロジェクタがネットワークに接続されて構成される画像表示システムの構成例を示す説明図である。図23は、第4実施例に係るプロジェクタの内部回路構成を示すブロック図である。
プロジェクタPJ4は、ネットワーク回線NLを介してファイルサーバFS、パーソナルコンピュータPC4と接続されている。パーソナルコンピュータPC4は、アプリケーションプログラムを実行するCPU1050、アプリケーションプログラムを格納しているROM1051、アプリケーションプログラム実行中の処理内容を一時的に格納するRAM1052を備えている。パーソナルコンピュータPC4はまた、アプリケーションプログラム終了時にアプリケーションプログラムによって生成したデータファイル(表示データ)を格納する内蔵型ハードディスクドライブ(HDD)1053、アプリケーションプログラムのユーザインタフェースを表示する表示ディスプレイ1054を備えている。パーソナルコンピュータPC4のHDD1053に格納されたデータファイルは、後述する手順によってファイルサーバFSに転送される。また、パーソナルコンピュータPC4のCPU1050は、データファイルをファイルサーバFSに転送する際には、インデックスファイルを生成し、プロジェクタPJ4に転送する。パーソナルコンピュータPC4に対しては、例えば、キーボード1551、マウス1552といった外部入力装置1055を介してコマンド、データが入力される。
プロジェクタPJ4は、例えば、PCMCIA規格に準拠するメモリカードといった外部記憶装置1041を備えており、パーソナルコンピュータPC4から転送されたインデックスファイルを格納する。プロジェクタPJ4に対しては、例えば、リモコン等の外部入力装置1040を介してコマンド、データが入力される。ファイルサーバFSは、プロジェクタPJ4に代わってデータファイルを格納するサーバであり、複数のディレクトリを有する。また、本実施例では、ファイルサーバFSは、名称としてS1が割り当てられている。データファイルを再生(投写)する場合には、インデックスファイルを用いてプロジェクタPJ4が、ファイルサーバFSに対して該当データファイルの転送を要求すると、要求されたデータファイルはネットワーク回線NLを介してファイルサーバFSからプロジェクタPJ4に転送される。
図23を参照して本実施例に係るプロジェクタPJ4の内部構成について説明する。プロジェクタPJ4は、主としてASP端末としての機能を果たすASP端末部1020と、主として従来のプロジェクタ機能を果たすプロジェクタ部1030とを備えている。すなわち、本実施例に係るプロジェクタPJ4はASPに対応したASP端末として機能し得る。
ASP端末部1020は、ビュワーアプリケーション、ASPに対応したクライアントアプリケーションの実行を初めとする種々の演算処理を実行する第1中央処理装置(CPU)1200、第1CPU1200にて実行するビュワーアプリケーション、クライアントアプリケーション、インデックスファイルに基づきデータファイルを取得するためのアプリケーションを初めとする種々のプログラムを格納する第1リードオンリメモリ(ROM)1202、第1CPU1200の演算結果、データ等を一時的に格納する第1ランダムアクセスメモリ(RAM)1204を備えている。第1ROM1202には、更に表示データを再生(投写表示)する際に実行する認証プログラムが格納されている。第1CPU1200と第1ROM1202とは単方向または双方向通信可能に接続されており、第1CPU1200と第1RAM1204とは双方向通信可能に接続されている。
ASP端末部1020は、第1CPU1200と双方向通信可能に接続され、第1CPU1200からの描画指令に基づいて画像データを生成するグラフィックスコントローラ1210を備えている。グラフィックスコントローラ1210は、画像を生成するためのLSIチップ(図示しない)、生成した画像(表示画像)を記憶するためのビデオメモリ(VRAM)1212を有している。
ASP端末部1020は、プロジェクタPJ4と外部装置との間でコマンドやデータを送受信するためのインタフェースとして、ネットワーク・インタフェース・コントローラ1220、I/Oポート1230、PCMCIA・インタフェース・コントローラ1240、USBコントローラ1250を備えている。ネットワーク・インタフェース・コントローラ1220は、例えば、イーサネット(登録商標)規格に準拠したコントローラであり、ASP端末部1020からネットワーク回線NLへ送信するコマンドやデータをネットワーク通信のプロトコルに従って適切な形式に変換し、あるいは、ネットワーク回線NLから受信した信号をASP端末部1020での処理に適した形式に変換する。I/Oポート1230は一般的な入出力ポートであり、識別回路1232を介して無線入力装置1234と接続されている他、外部入力装置1040やプロジェクタ部1030の第2CPU1300と接続されている。無線入力装置1234は、無線式の入力装置から無線送信された入力データを受信するための入力装置であり、識別回路1232は無線入力装置1234が受信した入力データが自身に向けて送信された入力データであるか否かを識別する。
PCMCIA・インタフェース・コントローラ1240は、PCMCIA規格に従ってASP端末部1020から外部装置へデータを転送し、外部装置からASP端末部1020へデータを転送するコントローラである。本実施例では、例えば、PCカードメモリが外部記憶装置1041として接続されており、パーソナルコンピュータPC4から転送された表示データは外部記憶装置1041に格納される。USBコントローラ1250は、USB規格に従ってASP端末部1020と外部装置との間でデータを転送するコントローラであり、例えば、USBHUB1252を介して外部入力装置1040と接続される。
ASP端末部1020は、この他にASP端末部1020における絶対時間を供給するリアルタイムクロック1260、第1CPU1200からの指令に基づいてサウンドデータを生成する音源1262と接続されている。
なお、ASP端末部1020における第1CPU1200、各コントローラ1210等は、データおよびコマンドを伝達するバスを介して相互に接続されている。
次に、プロジェクタ部1030の構成について説明する。プロジェクタ部1030は、所定のプログラムを実行してプロジェクタ部1030の各回路を制御する第2中央処理装置(CPU)1300、第2CPU1300にて実行するプログラムを格納する第2リードオンリメモリ(ROM)1302、第2CPU1300の演算結果、データ等を一時的に格納する第2ランダムアクセスメモリ(RAM)1304を備えている。第2CPU1300と第2ROM1302とは単方向または双方向通信可能に接続されており、第2CPU1300と第2RAM1304とは双方向通信可能に接続されている。
プロジェクタ部1030は、さらに、映像信号変換回路1310、音声制御回路1320、液晶(LCD)駆動回路1330、光源制御回路1340、冷却ファン制御回路1350、投写光学系1360も備えている。
映像信号変換回路1310は、アナログ−ディジタル変換機能、デコード機能、同期信号分離機能、画像処理機能といった機能を実現する。すなわち、映像信号変換回路1310は、外部映像信号入力端子1312から入力されたアナログ映像信号をディジタル画像データに変換し、変換されたディジタル画像データを同期信号に同期して映像信号変換回路1310内の図示しないフレームメモリに書き込み、あるいは、フレームメモリに書き込まれたディジタル画像データをフレームメモリから読み出す。アナログ映像信号としては、例えば、パーソナルコンピュータから出力されたRGB信号、ビデオテープレコーダ等から出力されたコンポジット映像信号が入力される。アナログ映像信号がコンポジット映像信号の場合には、映像信号変換回路1310は、コンポジット映像信号を復調すると共にRGBの3色の色信号で構成されるコンポーネント映像信号および同期信号に分離し、コンポーネント映像信号をディジタル画像データに変換する。アナログ映像信号がパーソナルコンピュータから出力されたRGB信号の場合には、元々コンポーネント映像信号として入力されると共に同期信号も分離して入力されるので分離処理は不要であり、映像信号変換回路1310は、コンポーネント映像信号をディジタル画像データに変換する。
映像信号変換回路1310には、ASP端末部1020のグラフィックスコントローラ1210から送信されたディジタル映像信号も入力される。かかる場合には、元々ディジタル映像信号として入力されると共に同期信号が分離して供給されるのでアナログ−ディジタル変換処理および分離処理は不要である。
音声制御回路1320は、外部音声信号入力端子1322、スピーカ1324、第2CPU1300、およびASP端末部1020の音源1262と接続されている。音声制御回路1320は、第2CPU1300と接続されており、第2CPU1300からの指令に従い、外部音声信号入力端子1322または音源1262から伝送された音声信号またはサウンドデータに基づいて生成した駆動信号によってスピーカ1324を駆動する。
LCD駆動回路1330は、映像信号変換回路1310によって処理された画像データを受け取り、受け取った画像データに応じてLCD1332を駆動して光源1342から照射された照明光を変調する。LCD1332によって変調された照明光はレンズを含む投写光学系1360を介して被投写面、例えば、投写スクリーン上に投写される。光源1342には光源制御回路1340が接続されており、光源制御回路1340は、第2CPU1300からの指令に従って光源1342のオン、オフ等を制御する。光源1342の背面には光源1342に対して冷却風を送るための冷却ファン1352が配置されている。冷却ファン1352には冷却ファン制御回路1350が接続されており、冷却ファン制御回路1350は、第2CPU1300からの指令に従って冷却ファン1352の回転速度等を制御する。
D−2.プロジェクタの基本的動作:
次に上記構成を備える本実施例に係るプロジェクタPJ4の基本的な動作について図22および図23を参照して説明する。
ネットワーク回線NLを介してプロジェクタPJ4に入力された信号は、ASP端末部1020のネットワーク・インタフェース・コントローラ1220によってASP端末部1020に適した形式に変換され、第1CPU1200へデータおよびコマンドとして転送される。第1CPU1200は、転送されたデータを第1RAM1204に一時的に格納し、転送されたコマンドがASP端末部1020に対するコマンドであるかプロジェクタ部1030に対するコマンドであるかを判別する。転送されたコマンドがプロジェクタ部1030に対するコマンドの場合には、第1CPU1200はI/Oポート1230を介してプロジェクタ部1030の第2CPU1300に対してコマンドを転送する。
一方、転送されたコマンドがASP端末部1020に対するコマンドの場合には、第1CPU1200は、転送されたコマンドに基づいた演算処理を実行する。第1CPU1200は、例えば、第1RAM1204に格納されたデータを外部記憶装置1041に格納する。また、第1CPU1200は、外部記憶装置1041に格納されているデータの再生要求(投写表示要求)がリモコン1040等により入力された場合には、後述するインデックスファイルを用いたデータファイル再生プログラムを実行する。第1CPU1200は、外部記憶装置1041または第1RAM1204に格納されたデータを読み出す(再生する)ために、適切なビュワーアプリケーションを第1ROM1202から読み出して起動し、格納されているデータのユーザインタフェースデータを生成して描画コマンドと共に、グラフィックスコントローラ1210に対して転送する。
あるいは、プロジェクタPJ4がサーバ・ベース・コンピューティング(SBC)のクライアントとして機能する場合には、第1CPU1200は、対応するクライアントアプリケーションを起動して、受信した専用フォーマットを有する表示画像データからユーザインタフェース画面データを生成するようにグラフィックスコントローラ1210に描画コマンドを送信する。グラフィックスコントローラ1210は、受信した描画コマンドに従って、表示画面データに基づいて表示すべきユーザインタフェース画像データ(以下「画像データ」という。)を生成し、グラフィックスコントローラ1210内のVRAM1212中に格納する。
グラフィックスコントローラ1210は、第1CPU1200からの指令に従って、所定のタイミングにてグラフィックスコントローラ1210のVRAM1212に格納されている画像データを読み出し、プロジェクタ部1030の映像信号変換回路1310に転送する。第1CPU1200は、USBHUB1252、USBコントローラ1250、I/Oポート1230を介して外部入力装置1040からコマンドまたはデータを受け取る。第1CPU1200は、外部入力装置1040またはネットワーク回線NLを介して受信したコマンドに従って、RAM1204内に格納されているデータ、または、PCMCIA・インタフェース・コントローラ1240を介してグラフィックスコントローラ1210のVRAM1212中に格納されている画像データを外部記憶装置1041に格納する。
映像信号変換回路1310は、グラフィックスコントローラ1210から画像データを受け取ると、既述の処理を実行してLCD駆動回路1330に処理済みの画像データを転送する。LCD駆動回路1330は、受け取った画像データに応じてLCD1332を駆動制御して所望の画像データを投写スクリーン上に投写させる。
第2CPU1300は、例えば、ネットワーク回線NLからI/Oポート1230を介して転送されたコマンドが光源1342のオンを指示する場合には、光源制御回路1340を介して光源1342をオンする。第2CPU1300は、冷却ファン制御回路1350を介して光源1342の温度に応じて冷却ファン1352の作動状態(回転速度、回転タイミング等)を制御する。
プロジェクタPJ4からネットワーク回線NLへのデータ送信は、第1CPU1200の指令に従ってネットワーク・インタフェース・コントローラ1220を介して実行される。
D−3.画像表示システムにおいて本実施例に係るプロジェクタへインデックスファイルを転送する手順およびプロジェクタにおいてインデックスファイルを用いてデータファイルを表示する手順:
次に、上記構成を備える本実施例に係るプロジェクタPJ4に対してネットワークを介してパーソナルコンピュータPC4からデータファイルを転送する際に実行される処理について図22、図24〜図27を参照して説明する。図24は、パーソナルコンピュータPC4からプロジェクタPJ4に対してデータファイルを転送する際に実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。図25は、パーソナルコンピュータPC4からプロジェクタPJ4に対してデータファイルを転送するために、パーソナルコンピュータPC4の表示ディスプレイ1054上にて実行される手順を概念的に示す説明図である。図26は、図25に示す手順を終了した後に表示ディスプレイ1054上に現れるインデックスファイル情報設定画面の一例を示す説明図である。図27は、インデックスファイルに含まれるデータを概念的に示す説明図である。
パーソナルコンピュータPC4上にてアプリケーションを実行して生成されるプレゼンテーション用データ、ワードプロセッサ用データ等は、アプリケーション実行中はパーソナルコンピュータPC4内のRAM1052に一時的に格納されている。アプリケーション終了時には、パーソナルコンピュータPC4の内蔵HDD1053にデータファイルとして格納される。したがって、HDD1053には過去に生成したデータファイルを含め複数のデータファイルが格納されている。
図24に示す処理ルーチンにおいて、パーソナルコンピュータPC4のCPU1050は、ファイル保存要求の発生を待機し(ステップS100:No)、ファイル保存要求の発生を検出すると(ステップS100:Yes)、ファイルの保存先等の入力を要求する(ステップS110)。
今日の一般的なOSでは、表示ディスプレイ1054上に表されるグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)によって種々の操作を視覚的に実行可能となっている。このようなGUI環境では、図25に示すように、例えば、HDD1053上に格納されている各ファイルに対応するファイルアイコンFLが表示ディスプレイ1054上のウィンドウFWに表示され、また、転送先であるプロジェクタPJ4を示すアイコンPJが表示ディスプレイ1054上に表示される。なお、HDD1053上のファイルをプロジェクタPJ4に移動(転送)する場合には、所望のファイルアイコンFL上にマウスポインタMPを置き、マウス1552の選択ボタンを押し下げたままの状態でマウスポインタMPをプロジェクタアイコンPJ上に移動させた後、選択ボタンを解放する。かかる操作は、ドラッグ・アンド・ドロップ(D&D)として周知のファイル移動操作である。
パーソナルコンピュータPC4のCPU1050は、マウス1552の選択ボタンが押し下げられたままでマウスポインタMPの座標位置がプロジェクタアイコンPJの領域と重なり、マウス1552の選択ボタンが解放されると、ファイル保存要求の発生を検出する。
パーソナルコンピュータPC4のCPU1050は、図26に示すようにデータファイルの保存先、ファイル名、パスワード、メモを入力するためのデータファイル保存情報設定画面CWを表示する。なお、本実施例では、保存先のデフォルト値としては、ファイルサーバFS内の所定のディレクトリが指定されるものとする。また、保存場所情報には、保存先およびファイル名が含まれるものとする。また、パスワードおよびメモは任意の入力事項である。メモ情報は、後述するようにプロジェクタPJ4においてデータファイルのファイル名と同時に表示されるので、例えば、検索時におけるキーワード、覚え書きとして用いることができる。パスワードの設定に際しては、例えば、キーボード1551を介して1〜5までの任意の5つの数字を入力する。
パーソナルコンピュータPC4のCPU1050は、保存先がデフォルト値であるか否かを判定し(ステップS120)、保存先がデフォルト値であると判定した場合には(ステップS120:Yes)、インデックスファイルを生成する(ステップS130)。一方、CPU1050は、保存先がデフォルト値でないと判定した場合には(ステップS120:No)、保存先を変更し(ステップS140)、インデックスファイルを生成する(ステップS130)。インデックスファイルは、図27に示すように、データファイルの保存先IPアドレスD1、ディレクトリD2、ファイル名D3、パスワードD4およびメモD5(設定時)の各データを含むファイルであり、データファイルに含まれるデータそのものは含んでいない。したがって、データファイルのファイルサイズが一般的に、約10KB〜数MBであるのに対して、インデックスファイルのファイルサイズは、約1〜2KBである。また、本実施例では、データファイルの保存先IPアドレスD1およびディレクトリD2の2つのデータによって保存先が構成され、データファイルの保存先IPアドレスD1、ディレクトリD2、およびファイル名D3の3つのデータによって保存場所情報が構成されるものとする。
CPU1050は、保存先、本実施例ではファイルサーバFSにデータファイルを転送し、プロジェクタPJ4の外部記憶装置1041にインデックスファイルを転送して(ステップS150)、本処理ルーチンを終了する。すなわち、データファイルはファイルサーバFS上に格納され、プロジェクタPJ4の外部記憶装置1041には、インデックスファイルが格納される。
次に、プロジェクタPJ4にて外部記憶装置1041に格納されているインデックスファイルを用いてファイルサーバFS上に格納されているデータファイルを再生する際に実行される再生処理について図22、図23、図28〜図33を参照して説明する。図28は、プロジェクタPJ4において外部記憶装置1041に格納されているインデックスファイルを用いてファイルサーバFS上に格納されているデータファイルを再生する際に実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。図29は、第4実施例にて用いられるリモコン1040を模式的に示す説明図である。図30は、プロジェクタPJ4の投写表示画面SRのうち、メニュー画面の一例を示す説明図である。図31は、プロジェクタPJ4の投写表示画面SRのうち、ファイル選択画面の一例を示す説明図である。図32は、プロジェクタPJ4の投写表示画面SRのうち、パスワード入力ボックスPB1の表示の一例を示す説明図である。図33は、プロジェクタPJ4の投写表示画面SRのうち、認証失敗表示ボックスPB2の表示の一例を示す説明図である。
本処理ルーチンにて、コマンドを送信するリモコン1040は、図29に示すように、予め割り当てられた機能を実行するファンクションキーとして機能する1〜5の数字キー1401を備えている。リモコン1040はまた、投写表示された画面SR上にてカーソルまたはポインタ位置を上下左右方向に移動させるためのジョイスティック1402、メニュー呼び出しキー1403、実行キー1404等を備えている。なお、本処理ルーチンの開始前に、リモコン1040のメニュー呼び出しキー1403が操作されて、図30に示すようなメニュー画面が投写表示されているものとする。
プロジェクタPJ4の第1CPU1200は、リモコン1040を介したインデックス画面表示要求の入力を待機する(ステップS200:No)。一方、図30に示すメニュー画面においてジョイスティック1402の操作により「2.インデックス画面表示」のメニューバーMB1が反転表示された状態にて、実行キー1404が押し下げられると、第1CPU1200はファイル選択要求が発生(入力)されたものと判定する(ステップS200:Yes)。第1CPU1200は、ファイル選択要求が発生(入力)したと判定すると、第2CPU1300に対して図31に示すようなインデックス画面を投写表示するよう要求する(ステップS210)。
インデックス画面は、外部記憶装置1041に格納されているインデックスファイルに含まれる情報の内、ファイル名とメモをインデックスバーIBの態様で表示する。第1CPU1200は、インデックス画面にて再生すべきデータファイルが決定されたか否かを判定する(ステップS220)。第1CPU1200は、図31に示すインデックス画面においてジョイスティック1402の操作により所望のデータファイル、ここでは「2.*****.ppt・・・」のインデックスバーIBが反転表示された状態にて、実行キー1404が押し下げられると反転表示されているデータファイルの再生が決定(入力)されたものと判定する。
第1CPU1200は、データファイルの再生が決定したと判定すると(ステップS220:Yes)、設定パスワードの入力を要求する(ステップS230)。すなわち、第1CPU1200は、図32に示すパスワード入力ボックスPB1を投写表示させるように第2CPU1300に要求する。
パスワード入力ボックスPB1に対しては、リモコン1040のファンクションキー1401を介して1〜5の数字の組み合わせからなるパスワードが入力される。第1CPU1200は、入力されたパスワードが設定されたパスワードと符合するか否かを判定し(ステップS240)、両パスワードが符合すると判定した場合には(ステップS240:Yes)、再生が決定されたデータファイルに対応するインデックスファイルから決定データファイルの保存先(ファイルサーバFS)を取得し、決定データファイルの転送を要求する(ステップS250)。
第1CPU1200は、決定データファイルの受信を待機し(ステップS260:No)、ファイルサーバFSから決定データファイルを受信すると(ステップS260:Yes)、決定ファイルの描画処理をグラフィックスコントローラ1210に要求して、決定ファイルの再生を開始する(ステップS270)。グラフィックスコントローラ1210にて描画生成された画像データは、プロジェクタ部1030の映像信号変換回路1310、LCD駆動回路1330、LCD1332、投写光学系1360を介してスクリーン上に投写表示される。
第1CPU1200は、リモコン1040を介して入力されたパスワードが設定パスワードと一致しないと判定した場合には(ステップS240:No)、第2CPU1300に対して図33に示すような認証失敗表示ボックスPB2を投写表示するよう要求し(ステップS280)、選択されたファイルの再生を実行しない。なお、パスワードの誤入力に対しては、所定回数以上パスワードの不符合が続いた場合に決定データファイルの再生を禁止するようにしても良い。
本実施例によれば、パーソナルコンピュータPC4からデータファイルをプロジェクタPJ4に保存する際に、ネットワークを介してデータファイルを取得するために必要な保存先情報を含むインデックスファイルを生成する。そして、プロジェクタPJ4の外部記憶装置1041にはファイルサイズの小さなインデックスファイルを格納し、ファイルサイズの大きなデータファイルはネットワーク上のファイルサーバFSに格納する構成を備えている。また、インデックスファイルのファイルサイズは、既述のように約1〜2KBである。したがって、プロジェクタPJ4は、記憶容量の大きな外部記憶装置1041を備える必要がなく、また、外部記憶装置1041の記憶容量に拘わらず、ファイルサイズの大きなデータファイルを実質的にプロジェクタPJ4に対して転送することができる。すなわち、インデックスファイルはデータファイルの保存先情報等を含むので、プロジェクタPJ4の外部記憶装置1041にインデックスファイルを転送することで、プロジェクタPJ4にデータファイルを転送した場合と同様の実行環境を構築することができる。
プロジェクタPJ4において所望のデータファイルを再生する際には、プロジェクタPJ4は、格納したインデックスファイルを用いてデータファイルの保存先であるファイルサーバFSを特定し、ファイルサーバFSからデータファイルを取得し、再生する。したがって、プロジェクタPJ4は、外部記憶装置1041にデータファイルを直接格納しなくても、インデックスファイルを格納し、利用することによって、データファイルを外部記憶装置1041に格納した場合と同様にしてデータファイルを再生することができる。また、インデックスファイルのファイルサイズは、データファイルのファイルサイズよりも極めて小さいので、より多くのデータファイルをプロジェクタPJ4側に格納した場合と同様の効果を、外部記憶装置1041の記憶容量を拡張することなく実現することができる。例えば、多人数にてプレゼンテーションを行うような場合であっても、プロジェクタPJ4の外部記憶装置1041に全てのデータファイルを格納した場合と同様にして、プロジェクタPJ4を操作することができる。
さらに、プロジェクタPJ4の外部記憶装置1041にインデックスファイルを格納し、ネットワーク上のファイルサーバにデータファイルを格納しておくことにより、パーソナルコンピュータPC4を接続することなく、プロジェクタPJ4を単独で用いてプレゼンテーションを実行することができる。これにより、プロジェクタPJ4を用いる都度、パーソナルコンピュータPC4を接続する手間を省くことができる。
また、上記実施例では、パーソナルコンピュータPC4において、表示ディスプレイ1054上にてファイルアイコンFLをプロジェクタアイコンPJにドラッグ・アンド・ドロップすれば、データファイルに基づいてインデックスファイルが自動的に生成される。生成されたインデックスファイルは、プロジェクタPJ4に転送・保存し、データファイルは任意の保存先(本実施例ではファイルサーバFS)に転送・保存することができるので、視覚的に簡易にファイル転送・保存操作を実行することができる。また、データファイルの転送に際しては、パスワードを設定することもできるので、データファイルの秘匿性を確保することもできる。
さらに、上記実施例では、プロジェクタPJ4は、パスワードが設定されているデータファイルの再生が指示された場合には、パスワード入力ボックスPBを投写表示画面SR上に表示して設定されたパスワードの入力を促する。また、インデックスファイルに含まれるパスワード情報に基づいて入力されたパスワードと設定されたパスワードとが符合するか否かを判定することにより、データファイルの転送を要求する前にパスワードの認証手続きを完了することができる。したがって、パスワードが符合しない限り、ファイルサーバFSからプロジェクタPJ4にデータファイルが転送されることはなく、第3者によるデータファイルへのアクセスを防止することができる。また、パスワードが符合しない限り、データファイルは転送されないので、ネットワーク回線NLのトラフィック量を低減することができる。
D−4.第4実施例の変形例:
上記実施例では、表示ディスプレイ1054上にてファイルアイコンFLをプロジェクタアイコンPJへドラッグ・アンド・ドロップした場合のデータファイルの転送・保存先をネットワーク上に接続されているファイルサーバFSとしたが、端末としての他のパーソナルコンピュータに対して転送・保存するようにしてもよい。
また、パーソナルコンピュータPC4がPCMCIAスロットを有する場合には、パーソナルコンピュータPC4からのインデックスファイルの転送先をPCMCIAスロットに格納されているPCメモリカードとしても良い。かかる場合には、パーソナルコンピュータPC4においてPCメモリカードに予めインデックスファイルを転送した後に、プロジェクタPJ4にPCメモリカードを差し込むことによって、上記実施例と同等の作用効果を得ることができる。
上記実施例では、単一のデータファイルに対して単一のインデックスファイルを生成する(関連付ける)場合について説明したが、1つのインデックスファイルに対して複数のデータファイルを関連付けても良い。かかる場合には、連続して使用するデータファイルの転送を要求する場合に、複数のインデックスファイルを用いることなく、1つのインデックスファイルを用いて複数のデータファイルの転送を要求することができる。
上記実施例では、保存場所情報としてデータファイルの保存先IPアドレスD1、ディレクトリD2、およびファイル名D3の3つのデータを用いているが、各データファイルに対して1つのディレクトリが割り当てられる場合には、保存場所情報は、保存先IPアドレスD1およびディレクトリD2によって構成されても良い。いずれにしても、インデックスファイルに基づいてデータファイルを識別(特定)できればよい。
また、上記実施例では、1〜5の数字を用いてパスワードを設定しているが、この制限は既述のようにリモコン1040によって入力可能な数字に対応したに過ぎず、リモコン1040によって1〜5以外の数字、文字等が入力できる場合には1〜5以外の数字、文字等を用いてパスワードを設定できることは言うまでもない。例えば、リモコン1040に液晶の表示窓を設けておき、ジョイスティック1402を用いて文字等のパスワードを入力するようにしても良い。あるいは、無線式キーボード等を用いて各種数字、文字を入力するようにしても良い。
また、上記実施例における表示ディスプレイ1054上の表示画面、並びに、投写表示画面SRは例示に過ぎず、実施に当たっては適宜、変更され得ることは言うまでもない。
既述のように、上記実施例ではネットワーク端末部に対してASP端末部1020という名称を用いているが、プロジェクタPJ4は必ずしもASP端末である必要あるいはASP端末と呼ばれる必要はない。例えば、ネットワークを介してアプリケーション・データ(ファイル)を受け取り、ビュワーアプリケーションあるいはアプリケーションによってファイルを開いてその表示画面を投写してもよい。かかる場合には、プロジェクタPJ4側でファイル形式を判断して自動的に最適なビュワーを起動してもよく、あるいは、サーバからプロジェクタPJ4に対してファイルと共に適切なビュワーを起動させる起動コマンドを同時に供給してもよい。
上記実施例では、ASP端末部1020およびプロジェクタ部1030にそれぞれCPU、RAM、ROMを備えているが、ASP端末部1020にのみ備えるようにしてもよい。かかる場合には、ASP端末部1020におけるCPUがプロジェクタ部1030の制御を実行する。
また、上記実施例では、プロジェクタ部1030において、外部映像信号入力端子1312、および外部音声信号入力端子1322が備えられているが、ネットワーク接続専用プロジェクタとする場合には、省略してもよい。かかる場合にはネットワーク回線NLを介して、画像データ、音声データが供給されるからである。
上記実施例では、種々のインタフェース・コントローラが備えられているが、ネットワーク・インタフェース・コントローラ1220を除いて、適宜省略可能であることはいうまでもない。
以上、各実施例に基づき本発明を説明したが、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記各実施例では、プロジェクタ(すなわち投写型表示装置)は、電気光学装置として液晶ライトバルブを備えているが、これに代えて、マイクロミラー型光変調装置やCRTなどを備えるようにしてもよい。マイクロミラー型光変調装置としては、例えば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)(TI社の商標)を用いることができる。電気光学装置としては、画像データに応じて画像光を形成するようなものであればよい。
(2)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
産業上の利用可能性
この発明は、例えば、画像を投写表示可能な種々のプロジェクタに適用可能である。