JP4612982B2 - 磁性細胞分離カラムにおける選択された細胞の改変方法 - Google Patents

磁性細胞分離カラムにおける選択された細胞の改変方法 Download PDF

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、選択された細胞を改変するプロセスにおける高勾配磁性細胞分離(HGMS)技術の使用に関する。
【0002】
(背景技術)
先行技術は、体外で細胞を改変する種々の方法および技術を扱う。蛍光部分に結合された抗体の連結による細胞の表面染色は、ひとつのよくある改変である。固定後の細胞内染色もまた、一般的である。κおよびλ軽鎖は、このような染色によって標的化され、そしてモノクローナル腫瘍細胞集団をアッセイするため使用され得る。この種類の染色は、しばしば特異的であるが、細胞は、無数の非特異的方法(薬学的因子または化学的因子への曝露、ホルモンまたは細胞性活性を媒介することが公知の他の化合物、あるいは組換え産物を引き起こす遺伝子によるトランスフェクションなどによって)において改変され得る。従って、細胞改変技術は、研究指向の可能性および処置指向の可能性の両方を有する。
【0003】
先行技術において、染色のような改変は、懸濁物中の細胞を用いてか、または異なる表面(顕微鏡スライドなど)に固定化された細胞の単層を用いてかのいずれかで行われ、改変因子が全ての細胞に等しく近づくことを可能にする。これらの様式で、細胞を染色する方法または別の改変する方法は、当該分野で公知である。単層改変における最近の進歩は、Lebkowskiら、Isolation,Activation,Expansion and Gene Transduction of Cell Based Theraputics Using Polysterene Immunoaffinity Devices、Cell Separation Methods and Applications、Recktenwaldら、編(1998)および米国特許第5,912,177号に例示される。しかし、これらの方法は、時間がかかり得、そしてしばしば多数の洗浄工程を必要とし得、細胞損失の潜在的な危険を引き起こす。これらの方法は、少ない数の細胞が含まれる場合、特に問題がある。
【0004】
先行技術において、凝集形態(遠心分離後に形成されたペレットなど)の細胞を改変することは、推奨されない。細胞を不可逆的な凝集を防ぐため互いから分離する必要がある場合、ホルムアルデヒドなどの架橋因子は、同様の問題を示す。
【0005】
非常にしばしば、実施者は、異種混合物または懸濁物(リンパまたは血液など)の中で1つの細胞型を改変することを望む。なぜなら、改変の後に、その特異的細胞型が、研究され、または処置もしくは試験レジメントの一部として患者へ戻されるためである。そのような状況において、標的化されたクラス以外の細胞の改変は、悪影響を有し得る。細胞分離の種々の方法は、これらの必要性に応じるために開発された。
【0006】
当該分野において最近の細胞分離技術の概説は、Cell Separation Methods and Applications、Recktenwaldら、編(1998)によって提供される。使用される1つの細胞分離技術は、磁性細胞分離を含み、それにより標的細胞は、磁性マーカーで標識化され得、そして次いで選択的に磁場に対して曝露されるチャンバまたはカラムに維持され得る。Kantorら(1998、Magnetic Cell Sorting with Colloidal Superparamagnetic Particles、Cell Separation Methods & Applications);Gee(1998、Immunomagnetic Cell Separation Using Antibodies and Superparamagnetic Microspheres、Cell Separation Methods & Applications);およびMiltenyi,S.、米国特許第5,411,863号は、磁性細胞分離技術を開示する。高勾配磁性分離について、代表的には、磁性マーカーに結合された選択された細胞を含む異種懸濁物を、カラムを通過させ、選択された細胞を磁気的にカラムに付着させ得るか、またはカラム中の強磁性のマトリックスに付着し得る。残りの懸濁物は、選択され磁化された細胞をカラムに結合させたまま溶出される。磁場が、取り除かれる場合、その選択された細胞は、溶出され得る。
【0007】
非磁性細胞分離プロセスは、細胞改変を容易にするため使用され得る。これらの方法は、免疫アフィニティー細胞分離技術を含み、その方法はしばしば磁性細胞分離方法よりも好ましくない。なぜなら、免疫アフィニティー細胞分離技術は、しばしば細胞損失の増加ならびに試薬の使用および塩濃度の増加を生じ、溶出液の透析を必要とし得るためである。Lebkowskiら(1998、Isolation Activation,Expansion,and Gene Transduction of Cell−Based Therapeutics Using Polystyrene Immunoaffinity Devices、Cell Separation Methods and Applications)は、方法を開示し、それによって末梢血単核細胞(PBMC)の選択されたクラスは、免疫アフィニティープロセスによって明確に選択され得、そこで選択された細胞は、ポリスチレン構造に共有結合的に結合されるモノクローナル抗体またはレクチンによって固定化され、そして次いで、固定化されている間に培養され、活性化され、または遺伝子改変される。幹細胞を改変する同様の方法は、米国特許第5,912,177号に開示される。しかし、これらの方法の主な不都合は、選択された細胞を平坦な表面または別の二次元の表面に結合し、選択されるべき細胞の数に関する相当な表面面積を必要とすることである。細胞は、図1に例示されるように単層を形成しなければならない。さらに、選択のために使用される抗体は、装置自体に加えられ、そしてそのような技術は、各所望される標的に対して特殊な装置または構造を必要とする。さらに、選択された細胞をそれらの構造から開放し、そして再懸濁することは、時間がかかるプロセスであり得る。
【0008】
磁性細胞分離技術は、米国特許第5,622,831号および米国特許第5,876,593号において記載されるように、細胞を固定化するため使用されてきた。米国特許第5,622,831号は、固定化された細胞を開放しそして再懸濁するために複雑な転換メカニズムを必要とし、そして米国特許第5,876,593号は、カラムを使用しないが、その代わり実質的に一次元の単層として細胞を固定化することを必要とする。
【0009】
HGMSカラムにおいて選択された細胞を改変することは、有利であり、HGMSカラムは、免疫アフィニティー系に対する磁性系のさらなる利点(固定化された細胞、増加した細胞濃度、減少した試薬の使用、およびより有効な濃度の改変試薬の単純な再懸濁など)を運ぶ。
【0010】
(発明の開示)
本発明は、選択された細胞を改変する方法を提供し、その方法は、高勾配磁性分離(HGMS)カラムに保持され、磁気的に標識化された選択された細胞を改変し、それによって改変された選択された細胞を生成する工程を包含する。本発明はまた、選択された細胞を改変する方法を提供する。その方法は、細胞集団をHGMSカラムに適用する工程であって、この細胞集団が、磁気的に標識化された選択された細胞を含み、そしてこの磁気的に標識化された選択された細胞が、このカラムに保持される工程;およびこのカラムに保持された選択された細胞を改変し、それによって改変された選択された細胞を生成する工程を包含する。他の局面において、この方法はさらに、カラムから改変された選択された細胞を除去する工程を包含する。さらなる局面において、本発明は、取り除かれた選択された細胞を第2の高勾配磁性細胞分離カラムに適用して、その結果この選択された細胞がこの第2カラムによって保持される、追加の工程;およびこの第2のカラムによって保持され選択された細胞を改変する工程を包含する。
【0011】
他の実施形態において、高勾配磁性細胞分離カラムは、カラムの全容量に対して高容量のマトリックスを含む。さらなる実施形態において、このマトリックスは、カラムの全容量の50%より大きく、そしてその上さらなる実施形態において、このマトリックスが、カラムの全容量の60%より大きい。その上さらなる実施形態において、マトリックスは、強磁性球体を含む。他の実施形態において、除去は、この磁場の除去による。
【0012】
いくつかの実施形態において、改変工程は、選択された細胞を細胞内染色する工程;選択された細胞を透過させる工程;磁気的に標識化された選択された細胞を第2の標識で標識化する工程;生物学的反応性化合物を選択された細胞に結合する工程;選択された細胞を目的の遺伝子を含む発現ベクターでトランスフェクトする工程;酵素を選択された細胞に適用する工程;薬学的因子を選択された細胞に適用する工程;生物学的因子または化学的因子を選択された細胞に適用する工程;あるいは多数の改変因子を適用する工程を包含する。いくつかの実施形態において、生物学的反応性化合物として、抗体、リガンド、タンパク質、ペプチド、核酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、レクチン、脂質または酵素が挙げられる。
【0013】
(発明の実施のための最良の形態)
本発明は、高勾配磁性細胞分離(HGMS)カラム中に保持された選択された細胞を改変することにより、選択された細胞を改変するためのプロセスを提供する。本発明は、陽性選択、すなわち、直接的な選択にかけられた特定の細胞集団の改変に関する。選択された細胞を含む細胞の集団(例えば、全血)に対してこの方法を実施することにより、この選択された細胞集団は、富化され得る。本発明は、従来技術と比較して、必要な工程の数を実質的に減少し、ここで富化プロセスおよび改変プロセスは別々に行われる。
【0014】
本発明は、選択された細胞または標識化された選択された細胞に対する特異性を可能にすることを意図されるHGMSカラムデバイスまたは方法論を使用する。本発明の1つの特定の利点は、HGMSシステムで使用され得る増加した細胞濃度およびこの方法における工程の数の減少である。例えば、本発明のいくつかの局面において、サンプル(例えば、全血)は直接生物体から得られ、細胞は例えば全血における磁性標識化により選択され、この全血はHGMSに適用され、このカラムに保持された選択された細胞は改変され、そしてこの改変された選択された細胞は溶出され、そして間に起こる遠心分離工程なしで分析に移され、それにより自動化の機会を提供し、そして細胞損失の潜在性を減少させる。
【0015】
本発明の別の利点は、プロセスの間の温度制御をする機会である。HGMSは、インキュベーターもしくは冷蔵庫で、および/または所望の温度で緩衝液を使用して進められ得る。熱伝導性マトリックス(例えば、スチールボール、スチールウールまたは他の球体)を含むHGMSマトリックスの使用は、プロセスの間に温度を制御する機会を提供する。
【0016】
本発明の別の利点は、磁場を変化させて磁場のオンとオフとを切り換えることにより、細胞をHGMS上の相から相へ(すなわち、移動相から固定相へ、または固定相から移動相へ)迅速に移動し得ることである。好ましい実施形態において、磁場は、カラムを磁石に対して移動することにより、またあるいは電磁石を変化させることにより、調整され得る。
【0017】
(定義)
本明細書中で使用される場合、「選択された細胞」は、実施者が改変を所望する細胞である。代表的には、細胞は、いくつかの特徴を有しており、この特徴が不均一系懸濁物においてこれらの細胞を他の細胞と区別させ、そしてこの特徴により細胞を標識化および分離することが可能となる。本発明に従って、選択された細胞は、HGMSカラム上に保持され、カラム上に保持される間に改変され、次いで溶出される。
【0018】
選択された細胞の「保持」は、選択された細胞が、不要な細胞が除去される間カラム中に残ることを確実にする。代表的には、選択された細胞の保持は、固定化による。
【0019】
本明細書中で使用される場合、磁性細胞分離カラムにおける選択された細胞の「固定化」は、連続的な固定位置におけるカラム中の細胞の保持をいう。
【0020】
磁性細胞分離カラムからの選択された細胞の「除去」は、保持または固定化に続いて選択された細胞を溶出することを含む。高純度の選択された細胞が所望される状況において、この選択された細胞は、除去されて適切な緩衝液中に再懸濁され得る。あるいは、選択された細胞は、本明細書中に記載されるようにカラム中での選択された細胞の改変後に、除去されてそして元々の懸濁物に戻され得る。
【0021】
本明細書中で使用される場合、「標識化」は、細胞にマーカーを付着するプロセスであり、これにより、さらなる処理の後のある時点に、これらの細胞が不均一系懸濁物から分離され、および/もしくは検出され、分析され、または計数されることが可能になる。標識は、特異的に、選択された細胞に標的化され得るが、標的化される必要はない。このようなマーカーまたは標識としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:着色、放射性、蛍光性、または磁性の、抗体に結合体化した分子もしくは粒子、または細胞もしくは細胞成分に結合することが既知である他の生物学的分子もしくは粒子。抗体は、それらの特定の細胞型を標的にする能力のために、標識成分としてしばしば使用される。抗体の代替として役立ち得る他の生物学的に反応性の標識成分としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:遺伝的プローブ、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、糖、ポリヌクレオチド、酵素、補酵素、補因子、抗生物質、ステロイド、ホルモンまたはビタミン。
【0022】
本明細書中で使用される場合、細胞の「磁気的標識化」は、磁性標識を細胞に付着することを意味し、このような標識化は、磁性特性を有する粒子または分子をこの細胞に付着することにより達成される。1つの実施形態において、磁性標識は、磁性粒子に結合体化した抗体を含む。磁性粒子に結合体化された抗体を含む磁性標識は、Miltenyi Biotec GmbH(Friedrich Ebert Str.68,D−51429 Bergish Gladbach, Germany)から市販される。このような標識は、必要に応じて蛍光性粒子または放射性の標識または成分も含む。
【0023】
本明細書中で使用される場合、「磁性細胞分離カラム」は、高勾配磁性細胞(HGMS)カラムである。HGMSカラムは、例えば、Methods and Materials for Improved High Gradient Magnetic Separation of Biological Materialsと題するMiltenyi,S.の米国特許第5,411,863号に記載され、Miltenyi Biotec GmbH(Friedrich Ebert Str.68,D−51429 Bergish Gladbach, Germany)から市販される。
【0024】
本明細書中で使用される場合、「高勾配磁性細胞分離」は、磁場中に配置されたチャンバまたはカラムにおいて磁性材料を選択的に保持するための手順であり、この方法はまた、磁性粒子で選択的に標識化された非磁性標的に適用され得る。チャンバにわたって与えられる磁性勾配の存在下で、磁気的に標識化された標的は、チャンバに保持される。チャンバがマトリックスを含有する場合、磁気的に標識化された標的は、マトリックスと結合するようになる。磁性標識を有さない物質はチャンバを通過する。次いで、保持された物質は、磁場の強度を変化させることにより、または磁場を消去することにより、溶出(除去)され得る。磁気的に標識化された標的については、酵素切断部位をさらに含む磁性ビーズを用いるような他の手段によっても放出が可能であり、ここで酵素切断(カラムの内側または外側のいずれかで)磁性標的を放出する。あるいは、保持された物質は、例えば、pH変化またはイオン強度の変化により放出され得る。選択された細胞の保持および放出のプロセスは、図3A〜3Bに示される。磁場は、永久磁石または電磁石のいずれかにより供給され得る。所望の標的物質の選択性は、磁性粒子に結合する特異的結合パートナーにより与えられる。磁場が印加されるチャンバは、しばしば適切な磁化率の物質のマトリックスを備え、マトリックスの表面に近い体積においてチャンバ中に局所的に高磁場勾配を誘導する。これにより、かなり弱い磁化粒子の保持が可能となる。Miltenyi,S.、米国特許第5,411,863号を参照のこと。
【0025】
好ましくは、磁性細胞分離カラムは、高体積のマトリックスを含むカラムを使用する。マトリックスは、強い局所磁場勾配を与えるように供給され、そしてしばしばポリマー被覆スチールウールのような強磁性物質である。好ましくは、生体適合性ポリマーで被覆された強磁性球の密充填マトリックスが使用される。Kantorら、Magnetic Cell Sorting with Colloidal Superparamagnetic Particles in Cell Separation Methods and Applications(1998)を参照のこと。マトリックス体積は、好ましくは全カラム体積の50%より多く、そして好ましくは全カラム体積の60%より多い。鉄球マトリックスを含有する、市販のMS+カラムまたはVS+カラム(Miltenyi Biotec GmbH(Friedrich Ebert Str.68,D−51429 Begish Gladbach, Germany)は、表1に詳述されるように、低い自由カラム体積で高い結合細胞の容量を提供する。
【0026】
【表1】
Figure 0004612982
カラム内で固定化されて、選択された細胞は、保持されている間に、実施者により改変され得る。
【0027】
本明細書中で使用される場合、細胞を「改変する」とは、選択された細胞を、その以前の状態から物理的、生物学的または化学的に変更する任意のプロセスをいう。本発明の範囲内の改変の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:抗体または蛍光マーカーもしくは放射性マーカーまたは生物学的リガンドおよび生物学的基質のような標識で)細胞を標識化すること、細胞内染色、表面染色、固定、浸透化(permeabilization)、遺伝的組換え、活性化、トランスフェクション、感染および酵素、生物学的改変異因子、または薬理学的因子または化学的因子の適用により引き起こされる他の細胞変化。
【0028】
本明細書中で使用される場合、「改変因子」は、広義に、改変を起こし得る任意の因子をいう。このような改変因子としては、以下が挙げられ得るが、これらに限定されない:抗体、リガンド、タンパク質、ペプチド、核酸、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、レクチン、脂質、生物学的改変因子、固定因子、薬理学的因子、化学的因子、浸透化因子、細胞内染料、表面染料、発現ベクター、および酵素。
【0029】
本明細書中で使用される場合、「固定(fixation)」または「固定化(fixing)」は、例えば、その元のサイズを維持するか、細胞物質の最小限の損失を受けるか、またはその細胞内成分の反応性を保持することにより、細胞の特定の状態を保存し、好ましくはインビボでの細胞の構造の正確な提示の維持をもたらすように作用する任意のプロセスをいう。好ましい固定化因子としては、ホルムアルデヒド溶液、ホルマリン、グルタルアルデヒドおよび他の因子が挙げられる。ホルムアルデヒド固定化は、好ましくはインキュベーション工程を含み、ここでホルムアルデヒド溶液は、最適な温度で細胞に浸透する時間を与えられる。ホルムアルデヒド固定は、細胞が細胞分離カラムに保持される間に達成され得るが、好ましくはカラムに加えられる前の細胞で達成される。固定は、磁性標識化の前または後に行われ得る。固定工程およびインキュベーション工程の後、細胞は、分離およびさらなるカラム上での改変のために細胞分離カラムに直接加えられ得る。これにより、カラムに固定化された細胞に対して固定が行われる場合に起こり得る凝集体の形成が減少する。
【0030】
本明細書中で使用される場合、「細胞内染色」とは、以下が挙げられるがこれらに限定されない細胞内分子、成分または構造への標識の結合のプロセスをいう:タンパク質、酵素、ヌクレオチド、染色体、免疫グロブリンもしくは免疫グロブリン成分、または膜。代表的には、細胞は、細胞内染色の前に浸透化される。
【0031】
本明細書中で使用される場合、細胞の「浸透化」とは、細胞の細胞質または細胞内分子、成分もしくは構造へのアクセスを促進する任意のプロセスをいう。浸透化は、ホルムアルデヒド、エタノールまたは界面活性剤への曝露を含むがこれらに限定されない当該分野で公知の任意の方法により行われ得る。緩衝液中のサポニンは、本発明に従って首尾よく使用された。
【0032】
本明細書中で使用される場合、「トランスフェクション」は、培養細胞のDNAの取り込みによる遺伝的改変であり、これは、通常、目的の遺伝子を含む、プラスミドまたは他の型のDNAベクターの形式で適用される。トランスフェクションは、当該分野において公知の任意の方法によるものであり得、この方法としては、リン酸カルシウム媒介トランスフェクションまたはDEA−デキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、あるいは、アデノウイルスベクターまたはレトロウイルスベクターのようなウイルスベクターの使用を通じて、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書中で使用される場合、「ベクター」は、小さなキャリアDNA分子であり、この中に、DNA配列が、複製および/または発現される宿主細胞へ導入されるために挿入され得る。ベクターは、プラスミド、バクテリオファージ、あるいは植物ウイルスまたは動物ウイルスから誘導され得る。
【0034】
本明細書中で使用される場合、「生物学的修飾因子」は、生存細胞の活動に、反応または変化をもたらし得る、任意の生物学的化合物である。このような修飾因子は、細胞活動を加速または減速し得、有糸分裂を刺激または遅延し得、特定の遺伝子を活性化または不活性化し得、細胞の受容性または透過性を増加または減少し得、あるいは他の変化をもたらし得る。生物学的修飾因子の例としては、薬理学的因子、サイトカイン、インターロイキン、ホルモン、増殖因子、および他の細胞間シグナルまたは細胞内シグナルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書中で使用される場合、「薬理学的因子」は、疾患または機能不全の処置のために利用可能な多くの物質のいずれかである。
【0036】
本明細書中で使用される場合、「化学的因子」は、細胞との化学反応をもたらす多くの物質のいずれかである。化学的因子の例としては、酸、塩基、染料、および溶媒が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
(選択された細胞のHGMSおよび改変)
本発明は、好ましくは、まず、磁性粒子(典型的には、直径20〜100mm)を含む標識で、選択された細胞を標識化することによって達成される。このようなミクロビーズは、種々のモノクローナル抗体に共有結合される磁性ミクロビーズをして、市販され(例えば、Miltenyi Biotec GmbH、Friedrich Ebert Str.68、D−51429 Bergisch Gladbach、GermanyからのMicroBeads)そしてこの標識化は、当該分野において公知の手法で達成され得る。選択された細胞の蛍光標識化も、この段階で行われ得る。可能ならば、細胞は、好ましくは、この工程で洗浄され、そして適切な緩衝液(例えば、PBS/BSA/EDTA)中に懸濁される。
【0038】
磁気的に標識化され選択された細胞は、次いで、高勾配磁性細胞分離(HGMS)カラムに適用される。HGMSカラムは、米国特許第5,411,863号に記載され、そしてMACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離カラムとして、Miltenyi Biotec GmbH(Friedrich Ebert Str.68、D−51429 Bergisch Gladbach、Germany)から市販される。しかし、当該分野において周知の任意の高勾配磁性細胞分離が、本発明に従って使用され得る。
【0039】
磁性細胞分離カラムは、非標識化細胞(およびほかの不要な物質)を流通させつつ、選択された細胞をカラムに保持する。典型的に、カラムは、強磁性マトリックスを含み、そして強い外部磁場内に置かれ、そして標識化され、選択された細胞は、磁気的にカラム内のマトリックスに固定される。好ましくは、カラムは、細胞が固定されている間に洗浄され、保持される細胞集団の同質性を増す。
【0040】
カラムに選択的に保持されるが、この選択された細胞は、比較的同質である。このことは、これらの細胞の選択的改変のための最適な設定を提供する。なぜなら、改変の効率を最大にしつつも、改変因子濃度が最小にされ得るからである。さらに、連続改変または複数の改変が、本発明に従って達成され得る。例えば、固定された細胞が改変され、リンスされ、次いで、染色され、カラムから溶出され得る。あるいは、固定された細胞は、改変され、リンスされ、そして除去され、カラムの外で操作され、次いでカラムに再適用され、固定され、そして染色され、次いで、もう一度取り除かれ得る。改変は、固定および/または透過化処理(permeabilization)を含み、これに続いて、細胞内染色のような、さらなる改変が行われ得る。他の改変としては、上記および以下の実施例に記載されるような表面染色が挙げられる。このプロセスを記載するフローチャートは、図2に提供される。
【0041】
改変の範囲は、分析プロトコルまたは染色プロトコルに限定されず;むしろ、当該分野において公知の任意の細胞改変が、本発明に従って適合され得る。従って、例えば、カラム内に保持される細胞に対する、任意の改変因子(生物学的修飾因子、薬理学的因子、化学的因子、または酵素)の適用による改変は、本発明の範囲内である。以下の実施例は、本発明の範囲を説明するために提供されるが、本発明の範囲を限定しない。
【0042】
(実施例)
(実施例1:CD−138陽性末梢血単核細胞の固定および細胞内および表面の組み合わせ染色)
末梢血単核細胞(PBMC)を、CD138を発現するU266ミエローマ細胞株の細胞と、200:1の比で混合した(すなわち、結果として、PBMC中に0.5%のU266細胞、となる)。5×107の細胞を、PBS/BSA/EDTA(緩衝液)1000μl中で、MicroBeads(Miltenyi Biotec GmbH、Friedrich Ebert Str.68、D−51429 Bergisch Gladbach、Germany)に結合したマウス抗CD−138mAb B−B4を用いて、8℃で15分間標識化した。フィコエリトリンと結合体化したマウス抗CD−138mAb B−B4(CD138.PE)(Miltenyi Biotec GmbH(Friedrich Ebert Str.68、D−51429 Bergisch Gladbach、Germany))を、さらに15分間8℃で加えた。この細胞を洗浄し、そして緩衝液500μl中に再懸濁した。
【0043】
CD138陽性細胞を、MACS(登録商標)磁性細胞分離システム(Miltenyi Biotec GmbH、Friedrich Ebert Str.68、D−51429 Bergisch Gladbach、Germany)で富化した。磁気的に標識化された細胞懸濁物を、MiniMACS分離ユニット(Miltenyi Biotec GmbH、Friedrich Ebert Str.68、D−51429 Bergisch Gladbach、Germany)内の分離カラムの上部でピペッティングした。この細胞懸濁物を、通過させ、そしてカラムを緩衝液500μlで3回洗浄した。この流出液を、陰性画分として集めた。カラムを分離器から取り外し、そして適切な管上に配置した。2%のホルムアルデヒド(Merck)を含むPBS/EDTA0.5mlを、カラムの上部でピペッティングし、そして磁気的に標識化された細胞を、プランジャーを用いて流し出した。溶出された細胞を、室温(RT)で20分間インキュベートし、そしてMiniMACS分離ユニット内の第2分離カラムの上部に直接適用した。細胞懸濁物を通過させ、そしてカラムを0.5%のサポニンを含む緩衝液(Serva(Carl−Benz−Str.7、69115 Heidelberg、Germany)からのサポニン緩衝液)500μlで2回洗浄した。流出液を陰性画分として集めた。次いで、10μg/mlのヤギ抗ヒトλFITC(Southern Biotechnology Associates(SBA)160A Oxmoor Boulevard、Birmingham、Alabama 35209、USA)および2μg/mlのフィコエリトリンと結合体化したマウス抗CD−138mAb B−B2(Miltenyi Biotec GmbH、Friedrich Ebert Str.68、D−51429 Bergisch Gladbach、Germany)を含むサポニン緩衝液100μlをカラムに適用し、そして室温で10分間インキュベートした。このカラムを、サポニン緩衝液500μlで1回洗浄した。カラムを分離器から取り外し、そして適切な容器内に置き、溶出液を受けた。0.5mlの緩衝液を、カラムの上部でピペッティングし、そして磁気的に標識化された細胞を、プランジャーを使用して流し出した。
【0044】
並行して、CD138陽性細胞を、MiniMACS分離を2回繰り返すことによって富化し、分離効率を比較した。
【0045】
もとの細胞(すなわち、MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離前の細胞)、(第1および第2のMACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離の)陰性細胞画分、ならびにMACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離の陽性細胞画分を、フローサイトメトリーによって分析した。FACScanおよびCELLQuestリサーチソフトウェア(Becton Dickinson、Mountain View、CA)を、フローサイトメトリー分析のために使用した。死細胞および細胞片を、それらの散乱性質、および、生細胞に対するヨウ化プロピジウム(PI;0.3μg/ml)による染色に従って除外した。
【0046】
その結果を、図4A〜図4Cに示す。図4Aは、CD138.PE染色 対 MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離前の細胞のPI染色を示す。コントロール分離の間に、CD138陽性細胞は、(生細胞の98%の純度に対応して、)すべての(ゲートされない)細胞の間で52%の純度にまで富化され、CD138陽性細胞は、固定および細胞内染色を含む分離の際に、すべての(ゲートされない)細胞の間で64%の純度にまで富化された。図4Bは、CD138.PE染色 対 CD138陽性細胞に対してゲートすることを伴う第2のMACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離後の、固定された陽性細胞画分のFL3自己蛍光を示す。フローサイトメトメーターのFL3チャネルは、650nm以上の蛍光を集光する。図4Cは、ヒト免疫グロブリンλ軽鎖の細胞内染色 対 ゲートされた細胞上のCD138.PE染色を示す。ほとんど全てのCD138陽性細胞が、U266細胞に対して報告されたように、細胞内λ軽鎖を発現する。陽性画分におけるCD138+細胞の回収も、両方の分離において、大変類似していた(それぞれ、81%および91%)。従って、分離効率は、両方の場合に対して同じであった。
【0047】
(実施例2:白血球搬出サンプルの分画および細胞内染色)
複数の骨髄腫患者の白血球搬出サンプルを、PBS/BSA/EDTA(緩衝液)中でマウス抗CD138 mAb B−B4と結合体化したMicroBeads(Miltenyi Biotec GmbH,Friedrich Ebert Str.68,D−51429 Bergisch Gladbach,Germany)と8℃で15分間標識化した。フィコエリトリンと結合体化したマウス抗CD138 mAb B−B4(CD138.PE)(Miltenyi Biotec GmbH,Friedrich Ebert Str.68,D−51429 Bergisch Gladbach,Germany)を8℃でさらに5分間にわたり加えた。細胞を洗浄し、そして2ml緩衝液に再懸濁した。CD138は正常形質細胞および悪性形質細胞において発現する。
【0048】
CD138陽性細胞を、MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離を用いて富化した。磁性標識化された細胞懸濁物を、MidiMACS分離ユニット(Miltenyi Biotec GmbH,Friedrich Ebert Str.68,D−51429 Bergisch Gladbach,Germany)中のVS+分離カラムの上部においてピペッティングし、細胞懸濁物を通過させ、そしてそのカラムを3×3mlの緩衝液で洗浄した。排出液を陰性画分として収集した。カラムを分離器から取り外し、そして適切なチューブ上に配置した。5mlのPBS/EDTAをカラムの上部においてピペッティングし、磁性標識化された細胞をプランジャを用いて排出させた。細胞の一部を2回目のMiniMACS分離に直接適用した。その細胞の他方の部分(5×105細胞/ml)に、同じ容量の、4%ホルムアルデヒド(Merck)を含む緩衝液を加え、そして20分間室温でインキュベートした。次いで、この細胞を2つのサンプルにわけ、そして2つのMiniMACS分離ユニット中の2つの分離カラムの上部に直接適用した。その細胞懸濁物をそのカラムに通し、そしてそのカラムを2×500μlの、0.5%サポニンを含む緩衝液(サポニン緩衝液、Serva,Carl−Benz−Str.7,69115 Heidelberg,Germany)で洗浄した。この排出液を陰性画分として収集した。次いで、100μlの、2μg/mlのCD138.PEおよび10μg/mlヤギ抗ヒトλ.FITC(SBA,160A Oxmoor Boulevard,Birmingham,Alabama 35209,USA)を含むサポニン緩衝液を一方のカラムに適用し、そして100μlの、2μg/ml CD138.PEおよび10μg/mlヤギ抗ヒトκ.FITC(SBA,160A Oxmoor Boulevard,Birmingham,Alabama 35209,USA)を含むサポニン緩衝液を他方のカラムに適用した。両方のカラムを室温で10分間インキュベートした。それらのカラムを、1×500μlのサポニン緩衝液およびそして1×500μl緩衝液で洗浄した。それらのカラムを分離器から取り外し、そして適切なチューブに配置した。0.5mlの緩衝液を各々のカラムの上部でピペッティングし、そして磁性標識化された細胞をプランジャを用いて排出させた。
【0049】
もとの細胞(すなわち、MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離の前)、(第一および第二のMACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離の)陰性細胞画分、およびMACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離の陽性細胞画分をフローサイトメトリーで分析した。FACScanおよびCELLQuest研究ソフトウェア(Becton Dickinson,Mountain View,CA)をフローサイトメトリー分析のために用いた。死んだ細胞および細胞砕片を散乱特性および生きている細胞についてのヨウ化プロピジウム(PI;0.3μg/ml)での染色に従って、排除した。
【0050】
その結果を図5A〜図5Dおよび図6A〜図6Dにおいて示す。図5Aおよび図5Bは、MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離の前および後の生きている細胞のCD138.PE染色を示す。図6Aおよび図6Bは、CD138陽性細胞におけるゲーティングを伴う第二のMACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離の後の、固定された細胞の陽性画分のCD138.PE染色対FL3自己蛍光を示す。ドットプロットである6Cおよび6Dは、ゲーティングされた細胞における、ヒト免疫グロブリンλ(6C)またはκ軽鎖(6D)対CD138.PE染色の細胞内染色を示す。約96%のCD138陽性細胞は、細胞内κ軽鎖を発現し、他方、対応して4%のCD138陽性細胞は、細胞内λ軽鎖を発現する。このことは、モノクローナル腫瘍細胞集団の存在を示す。
【0051】
(実施例3:異種懸濁物からのU266細胞の選択的細胞内染色)
癌細胞株SLBR3の細胞を、骨髄腫細胞株U266の細胞と、1:1の比率で混合した。2×106の細胞を、100μlのPBS/BSA/EDTA(緩衝液)中のマウス抗CD138 mAb B−B4と結合体化されたMicroBeads(Miltenyi Biotec GmbH,Friedrich Ebert Str.68,D−51429 Bergisch Gladbach,Germany)およびマウス抗ヒト上皮抗原(HEA) MicroBeads(Miltenyi Biotec GmbH,Friedrich Ebert Str.68,D−51429 Bergisch Gladbach,Germany)で、8℃で15分間標識化した。これらの細胞を洗浄し、そして1ml緩衝液中に再懸濁した。次いで、4%ホルムアルデヒド(Merck)を含有する緩衝液を1ml加え、そして室温で20分間インキュベートした。
【0052】
磁性標識化しそして固定した細胞懸濁物を、MiniMACS分離ユニット中で分離カラムの上部において直接ピペッティングした。この細胞懸濁物をそのカラムに通し、そしてそのカラムを2×500μlの0.5%サポニンを含む緩衝液(サポニン緩衝液、Serva、Carl−Benz−Str.7,69115 Heidelberg,Germany)で洗浄した。排出液を陰性画分として収集した。次いで、10μg/mlヤギ抗ヒトλ.FITC(SBA,160A Oxmoor Boulevard,Birmingham,Alabama 35209,USA)を含むサポニン緩衝液を100μlそのカラムに適用し、そして室温で10分間インキュベートした。このカラムを分離器から取り外し、そして溶離液を収集するために適切な容器に配置した。0.5mlの緩衝液を、そのカラムの上部でピペッティングし、そして磁性標識化された細胞を、プランジャを用いて排出させた。
【0053】
並行して、2×106の細胞を2%ホルムアルデヒド(Merck)を含む緩衝液中で室温で20分間固定した。この細胞を、サポニン緩衝液で洗浄し、15μlの、10μg/mlのヤギ抗ヒトλ.FITC(SBA,160A Oxmoor Boulevard,Birmingham,Alabama 35209,USA)を含むサポニン緩衝液中に再懸濁し、そして室温で10分間インキュベートした。この細胞をサポニン緩衝液で洗浄し、そして緩衝液中に再懸濁した。
【0054】
MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離からのコントロールサンプルおよび陽性細胞画分をフローサイトメトリーにより分析した。FACScanおよびCELLQuest研究ソフトウェア(Becton Dickinson,Mountain View,CA)をフローサイトメトリー分析のために使用した。
【0055】
結果を図7A〜図7B、および以下の表2に示す。図7Aおよび図7Bは、カラム上で(7A)またはカラムの外側(7B)で染色された細胞のヤギ抗ヒトλ.FITC染色を示す。両方のサンプルにおいて、約50%の細胞は、U266細胞について報告されるように非常に類似する染色強度を伴って、細胞内κ軽鎖を発現する(表2)。従って、そのカラムにおける細胞の染色は、懸濁物における染色と、少なくとも同程度の効率である。
【0056】
【表2】
Figure 0004612982
(実施例4:ストレプトアビジン/ビオチン結合を含む、CD138細胞における異なるIgクラスの表面染色)
4×108の末梢血単核細胞(PBMC)を、2mlのPBS/BSA/EDTA(緩衝液)中のマウス抗CD138 mAb B−B4と結合体化したMicroBeads(Miltenyi Biotec GmbH,Friedrich Ebert Str.68,D−51429 Bergisch Gladbach,Germany)で、8℃で30分間標識化した。この細胞を洗浄し、そして2mlの緩衝液中に再懸濁した。
【0057】
CD138陽性細胞を、MACS(登録商標)磁性細胞分離システム(Miltenyi Biotec GmbH,Friedrich Ebert Str.68,D−51429 Bergisch Gladbach,Germany)を用いて富化した。磁性標識化された細胞懸濁物を、MiniMACS分離ユニット中の分離カラムの上部においてピペッティングし、細胞懸濁物を通過させ、そしてそのカラムを3×500μlの緩衝液で洗浄した。排出液を陰性画分として収集した。そのカラムを、その分離器から取り外し、そして溶離液を収集するために適切な容器上に配置した。1.5mlの緩衝液をそのカラムの上部においてピペッティングし、そして磁性標識化された細胞をプランジャを用いて排出させた。溶出した細胞を分け、そしてMiniMACS分離ユニットにおける3つの異なる分離カラム(a、bおよびc)の上部に直接適用した。その細胞懸濁物をそのカラムに通し、そして各々のカラムを2×500μl緩衝液で洗浄した。その排出液を陰性画分として収集した。次いで、フィコエリトリンと結合体化したマウス抗CD138 mAb B−B4(CD138.PE)(Miltenyi Biotec GmbH,Friedrich Ebert Str.68,D−51429 Bergisch Gladbach,Germany)、マウス抗CD19.Cy5および(a)5μg/mlのマウス抗ヒトIgA.ビオチン、(b)5μg/mlマウス抗ヒトIgM.FITCまたは(c)2μg/mlのマウス抗ヒトIgG.FITCを含む100μlの緩衝液(すべてSouthern Biotechnology Associates,SBA 160A Oxmoor Boulevard,Birmingham,Alabama 35209,USAから入手した)を、異なるカラムにそれぞれ適用し、そして室温で10分間インキュベートした。各々のカラムを500μl緩衝液で洗浄した。(a)について、さらに100μlの、2μg/mlストレプトアビジン.FITCを含む緩衝液を適用し、続いて室温で10分間インキュベートし、そして500μlの緩衝液での洗浄工程を行った。これらのカラムを分離器から取り外し、そして溶離液を収集するために適切な容器上に配置した。0.5mlの緩衝液を、各々のカラムの上部においてピペッティングし、そして磁性標識化された細胞をプランジャを用いて各々から排出させた。
【0058】
もとの細胞(すなわち、MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離)およびMACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離の陽性細胞画分をフローサイトメトリーで分析した。FACScanおよびCELLQuest研究ソフトウェア(Becton Dickinson,Mountain View,CA)を、サイトメトリー分析のために使用した。死んだ細胞および細胞砕片を、散乱特性、およびヨウ化プロピジウム(PI;0.3μg/ml)での染色に従って、排除した。
【0059】
正常PBMC由来のCD138+細胞の過半数(約50%)は、表面IgAを発現するが、他方、約32%は、表面IgMを発現し、そして約3%は、表面IgGを発現する。
【0060】
(実施例5:全血からのCD45直接単離の際の、CD19リンパ球対CD4リンパ球の表面染色)
1mlのヘパリン処理したヒト血液を、20μlのヒトCD45MicroBeads(Miltenyi Biotec GmbH,Friedrich Ebert Str.68,D−51429 Bergisch Gladbach,Germany)で、室温で30分間標識化した。次いで、1mlのPBS/EDTAを加えた。
【0061】
次いで、CD45陽性細胞を、MACS(登録商標)磁性細胞分離システム(Miltenyi Biotec GmbH,Friedrich Ebert Str.68,D−51429 Bergisch Gladbach,Germany)を用いて富化した。磁性標識化された細胞懸濁物を、MiniMACS分離ユニットにおける分離カラムの上部においてピペッティングした。この細胞懸濁物をそのカラムに通し、そしてそのカラムを2×500μlの緩衝液で洗浄した。この排出液を、陰性画分として収集した。次いで、フィコエリトリンと結合体化したCD19 mAb(CD19.PE)およびFITCと結合体化したCD4 mAb(CD4.FITC)を含む100μlの緩衝液をそのカラムに適用し、そして室温で10分間インキュベートした。このカラムを500μlの緩衝液で洗浄した。そのカラムを分離器から取り外し、そして溶離液を収集するために適切な容器に配置した。0.5mlの緩衝液を、各々のカラムの上部においてピペッティングし、そして磁性標識化された細胞を、プランジャを用いて排出させた。
【0062】
MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離の陽性画分を、フローサイトメトリーで分析した。、FACScanおよびCELLQuest研究ソフトウェア(Becton Dickinson,Mountain View,CA)をフローサイトメトリー分析のために使用した。死んだ細胞、核のない細胞および細胞砕片を、散乱特性(R1ゲーティング)およびヨウ化プロピジウム(PI、0.3μg/ml)およびLDS751(1μg/ml)(R2ゲーティング)に従って排除した。
【0063】
図9Cに示されるように、CD19+B細胞、CD4++T細胞およびCD4dim単球は、陽性画分において明らかに識別され得る。有意な数の二重陽性細胞は存在しない。これは、B細胞、T細胞または単球のように異なるサブタイプのCD45+リンパ球がCD45 MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離およびそのカラムにおける染色の際に安定な凝集物を形成する場合に予想されたことである。
【0064】
図10は、マトリクスに付着した磁性標識化されたCD8+細胞を伴うMS+カラムの鉄球マトリクスのラスター電子顕微鏡写真である。図10は、細胞がマトリクス表面全体にわたって均質には配分されていないが、異なる領域には濃縮していることを示す。細胞は、単層としては固定されていない。その代わり、しばしば多くの細胞は、非常に緊密に近寄っている。
【0065】
上記発明を、明確さおよび理解の目的のために例示および例を挙げるために詳細に記載したが、当業者には、特定の変化および改変が実施され得ることは明白である。したがって、説明および実施例は、本発明の範囲を限定するものと理解されるべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって記載される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、Lebkowskiらの先行技術教示下で固定化された細胞を示す。
【図2】図2は、本発明に従う代表的な改変プロセスのフローチャートである。
【図3】図3A〜3Bは、一連の代表図である。図3Aは、カラムにおいて標識化されていない細胞の溶出および標識化された細胞の保持を可能にする磁性細胞分離カラム手段(北磁場および南磁場を示す)に適用された標識化された細胞と標識化されていない細胞の混合物を示す。図3Bは、磁場の除去および分離懸濁物への標識化された細胞の溶出を示す。
【図4】図4A〜4Cは、末梢単核血球にスパイクされた(spiked)単離された骨髄腫細胞(U266)におけるλ軽鎖の細胞内染色を示す実施例1の結果に関する一連のFACSドットプロットである。図4Aは、CD138.PE対MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離による分離前のU266骨髄腫細胞でスパイクされたPMBCのPI染色を示し;図4Bは、CD138.PE染色対CD138陽性細胞上のゲーティング(gating)を用いたMACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離による第2の分離後の固定された陽性細胞画分のFL3(フローサイトメーターのFL3チャンネルは650nm以上の蛍光を収集する)を示し;そして4Cは、ヒト免疫グロブリンλ軽鎖の細胞内染色対ゲートされた細胞上のCD138.PE染色を示す。
【図5】図5A〜5Dは、骨髄腫患者の白血球搬出からのCD138+形質細胞の単離を示す実施例2の結果に関する一連のFACSドットプロットである。図5Aは、MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離による分離前の生白血球のCD138.PE染色対FL1−H(フローサイトメーターのFL1−Hチャンネルは、525nm〜545nm間の蛍光を収集する)を示し;図5Bは、MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離による分離後の生白血球のCD138.PE染色対FL1−Hを示し;図5Cは、前方散乱(Forward Scatter)(FSC)対分離前の白血球の側方散乱(Sideward Scatter)(SSC)シグナルを示し;そして図5Dは、陽性細胞画分のFSC/SSCシグナルを示す。
【図6】図6A〜6Dは、骨髄腫患者から単離された形質細胞におけるκ/λ軽鎖の細胞内染色を示す実施例2の結果に関する一連のFACSドットプロットである。図6Aおよび図6Bは、CD138.PE染色対CD138陽性細胞上のゲーティング(R1に従う)を用いるMACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離による第2の分離後の固定された細胞の陽性画分のFL3自己蛍光を示し;図6Cは、ヒト免疫グロブリンλ軽鎖の細胞内染色対ゲートされた(gated)細胞上のCD138.PE染色を示し;そして図6Dは、ヒト免疫グロブリンκ軽鎖の細胞内染色対ゲートされた細胞上のCD138.PE染色を示す。
【図7】図7A〜7Bは、実施例3の結果に関する一連のドットプロットである。図7Aは、MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離カラム上で染色された細胞のヤギ抗ヒトλ.FITC染色を示し;そして図7Bは、MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離カラム外で染色された細胞のヤギ抗ヒトλ.FITC染色を示す。
【図8】図8A〜8Eは、CD138 MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離における表面Igの染色を示す実施例4の結果に関する一連のFACSドットプロットである。図8Aは、CD19.Cy5TMの染色対MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離前のCD138.PEを示し;図8Bは、CD19.Cy5TMの染色対MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離後の陽性細胞画分のCD138.PEを示し;図8Cは、表面IgA.FITC染色対CD138陽性細胞上にゲートされた陽性細胞画分のCD138.PEを示し;図8Dは、表面IgM.FITC染色対CD138陽性細胞上にゲートされた陽性細胞画分のCD138.PEを示し;そして図8Eは、表面IgG.FITC染色対CD138陽性細胞上にゲートされた陽性細胞画分のCD138.PEを示す。
【図9】図9A〜9Cは、全血からのCD45 MACS(登録商標)高勾配磁性細胞分離におけるリンパ球の免疫表現型を示す実施例5の結果に関する一連のFACSドットプロットである。図9Aは、リンパ球上のゲーティングを用いる陽性細胞画分のFSC/SSCシグナルを示し;図9Bは、CD19.PEの染色対有核細胞上のLDSゲートを用いる陽性細胞画分のLDSを示し;そして、図9Cは、CD4.FITCの染色対R1およびR2によってゲートされた陽性細胞のCD19.PEを示す。
図10は、鉄球マトリックスに付着された磁気的に標識化されたCD8+細胞を有するMS+カラムの鉄球マトリックスのラスター電子顕微鏡写真である。

Claims (18)

  1. 選択された細胞を改変する方法であって、該方法は、以下の工程
    (a)細胞集団を高勾配磁性分離カラムに適用する工程であって、ここで該カラムは、該カラムの全容量の50%より大きい容量のマトリックスを含み、該細胞集団が、磁気的に標識化され、選択された細胞を含む、工程;
    (b)標識化されていない細胞を通過させる一方で、該磁気的に標識化され、選択された細胞を該カラム内に保持する工程;
    (c)該選択された細胞が該カラムによって保持されている間に該選択された細胞を洗浄する工程;そして
    該選択された細胞が該カラムによって保持されている間に、該選択された細胞を改変する工程
    包含し、ここで、工程(c)は任意であり、そして、該改変する工程が、標識化、細胞内染色、表面染色、固定、浸透化、遺伝的組換え、活性化、トランスフェクションおよび感染からなる群より選択される、方法。
  2. 前記マトリックスの容量が、前記カラムの全容量の60%より大きい、請求項に記載の方法。
  3. 前記改変する工程が、前記選択された細胞の細胞内染色を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記改変する工程が、前記選択された細胞を透過させる工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記改変する工程が、前記選択された細胞の第2の標識化を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記改変する工程が、生物学的反応性化合物を前記選択された細胞に結合する工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  7. 請求項に記載の方法であって、ここで前記生物学的反応性化合物として、抗体、リガンド、タンパク質、ペプチド、核酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、レクチン、脂質または酵素が挙げられる、方法。
  8. 前記改変する工程が、発現ベクターを用いて前記細胞をトランスフェクトする工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記改変する工程が、酵素を前記選択された細胞に適用する工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記改変する工程が、薬理学的因子を前記選択された細胞に適用する工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記改変する工程が、生物学的改変因子を前記選択された細胞に適用する工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記改変する工程が、化学的因子を前記選択された細胞に適用する工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記カラムの磁場の強度を変化させるか、または、該カラムの磁場を消去することにより、前記改変の後に該カラムから前記選択された細胞を溶出する工程をさらに包含する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、該方法が、前記溶出された選択された細胞が、第2の高勾配磁性細胞分離カラムに保持されるように、該選択された細胞を該第2のカラムに適用する工程;および該第2のカラムによって保持された該選択された細胞をさらに改変する工程をさらに包含する、方法。
  15. さらに前記第2のカラムの磁場の強度を変化させるか、または、該カラムの磁場を消去することにより、前記さらなる改変の後に該第2のカラムから前記選択された細胞を溶出する工程を包含する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記マトリックスが強磁性球を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記強磁性球が、生体適合性ポリマーによってコートされている、請求項16に記載の方法。
  18. 前記細胞集団がヒト血球を含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
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