JP4612215B2 - 飾り又はインジケータ取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ボールペン、シャープペンシル、マーカーペン、フェルトペン、電子ペン等の筆記具、化粧品用ホルダ、化粧液供給装置等の化粧具等の外軸に飾り又はインジケータを取り付けた飾り又はインジケータ取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の飾り又はインジケータ取付構造としては、外軸に一体的に成形により飾り又はインジケータを形作ったものや、外軸の側面に開口を設け、その開口に飾り又はインジケータとなる飾り部が形成されたものを、圧入したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる上記従来の構造では、飾り又はインジケータが異なる多種類の外軸を製造しなければならない場合、または、飾り又はインジケータに変更があった場合には、その種類毎または変更の都度に外軸を成形する金型を用意する必要がある。そのため、製造コストが高くなるという問題がある。
【0004】
本発明はかかる従来の課題に鑑みなされたもので、飾り又はインジケータの変更を、低コストで容易に行うことができる飾り又はインジケータ取付構造を提供することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のうち請求項1記載の発明は、外軸に飾り又はインジケータが取り付けられた飾り又はインジケータ取付構造において、
周面に開口が形成されると共に径方向に伸縮可能な弾性リングと、前記飾り又はインジケータとなる飾り部を外周面に有すると共に径方向に伸縮可能な飾りリングと、を備え、前記弾性リングの内側に前記飾りリングがはめ込まれ、飾りリングの飾り部が弾性リングの開口から外方を臨むようにして該開口にはめ入れられており、飾りリング及び弾性リングが共に、外軸の外周面に装着されることにより、飾り又はインジケータが外軸に取り付けられることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の前記飾りリングが、1カ所切れ込みが形成されたC型リングであることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の前記弾性リングが、軟質材料から形成されたものであることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の前記飾り部がレンズとなっており、前記外軸の外表面に設けられた表示部が、該レンズとなった飾り又はインジケータから視認可能であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の前記外軸が、飾りリング及び弾性リングが共に装着される外側軸筒と、外側軸筒に対して回転可能となり外側軸筒の内側に配設される内側軸筒とから構成されており、前記表示部は内側軸筒に設けられると共に、前記飾り部に対応する外側軸筒の部分は、前記内側軸筒の表示部を透視可能となっていることを特徴とする。
【0010】
飾り又はインジケータを変更する場合には、変更後の飾り又はインジケータとなる飾り部が形成された飾りリングを用意し、また場合によっては、その変更後の飾り又はインジケータに対応する開口が形成された弾性リングを用意し、その弾性リングの内側に飾りリングをはめ入れ、これらを、外軸の外周面に装着する。これにより、飾りリング及び場合によっては弾性リングを変更するだけでよいため、外軸の変更とは異なり、低コストで容易に飾り又はインジケータの変更を行うことができるようになる。
【0011】
また、飾りリングがC型リングである場合には、切れ込みが拡大・縮小することで径方向に伸縮可能となり、簡単に弾性リングの内側にはめ入れることができるようになり、弾性リングと共に簡単に外軸の外周面に装着できるようになる。但しこれに限ることなく、飾りリングを弾性的な軟質材料からなるリングで構成することも可能である。
【0012】
また、弾性リングが軟質部材から形成される場合には、径方向に伸縮可能となり、簡単にその内側に飾りリングをはめ入れることができるようになり、飾りリングと共に簡単に外軸の外周面に装着できるようになる。また、弾性リングが外軸の中の把持部に位置づけられる場合にはクッション効果を併せ持たせることができる。但しこれに限ることなく、弾性リングをC型リングで構成することも可能である。
【0013】
また、前記飾り部がレンズとなることにより、飾り部に、その内側の外軸に施された表示部を拡大し、そして、それを外部に向けて表示をするインジケータとして作用させることもできる。
【0014】
また、外軸が、外側軸筒と該外側軸筒に対して回転可能となった内側軸筒とから構成されて、前記内側軸筒に表示部が設けられて、前記飾り部に対応する外側軸筒の部分が表示部を透視可能となっている場合に、内側軸筒に回転に応じた複数の表示部を設けておくと、内側軸筒の回転によって、飾り部によって拡大される表示部を切り替えることができ、表示内容を変化させることができる。内筒軸筒の表示部を透視可能となった前記飾り部に対応する外側軸筒の部分は、例えば、外側軸筒の飾り部に対応する部分に開口、切欠等を形成するか、外側軸筒の少なくとも飾り部に対応する部分を透明材質または半透明材質で形成する等の任意の手段により構成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1ないし図5は本発明の第1の実施形態を表す図である。
【0016】
図において、符号10は筆記具であり、先具13、先軸14、ガイドバー15、後軸16、クリップ受台19及び後端キャップ18とで外軸20が構成される。図2に示したように、先具13の後端部内に先軸14の先端部が挿入されて螺着されており、ガイドバー15の前端部内に先軸14の後端部が挿入されて螺着されている。また、ガイドバー15の後部は後軸16内へと伸びて、ガイドバー15の後端に形成された係止部15aが、後軸16内に形成された仕切壁16aに相対回転可能に係止されている。こうして、ガイドバー15を介して後軸16は先軸14に対して、相対回転可能、前後方向にノック移動可能且つ、ガイドバー15と先軸14とを螺着/螺着解除することにより着脱可能に連結される。上記部品で構成される外軸20内には、複数の筆記軸体22が挿入されており、それぞれその先端が先具13の先端口から出没可能となっている。また、各筆記軸体22の後部は、ガイドバー15の後部に形成された案内溝15b内をスライド可能となっている。
【0017】
筆記軸体22の出没動作については、任意の機構が適用可能であるが、この実施形態では、各筆記軸体22の後端にカム部材23が連結されており、このカム部材23は、後軸16の内周面に形成されたカム突起16cに摺接係合可能となっている。また、ガイドバー15の軸方向中間部に形成された段部15dと、各カム本体23との間には、カム部材23を後方へと付勢するリターンスプリング24が介挿されており、従って、カム部材23の後端は、常時、後軸16の内周面に形成されたカム突起16cに押し付けられるようになっている。後軸16を先軸14に対して回転すると、後軸16と、先軸14に対して螺着されたガイドバー15との間で相対回転が発生する。よって、ガイドバー15の案内溝15bにスライド可能となった各筆記軸体22のカム部材23と後軸16に形成されたカム突起16cとの間に相対回転が発生し、カム部材23が後軸16のカム突起16cに沿って移動し、複数の筆記軸体22に連結されたカム部材23の中でいずれかのカム部材23が前進し、そのカム部材23に連結された筆記軸体22がガイドバー15に沿って前進して、その先端が先具13の先端開口より突出するようになっている。後軸16を先軸14に対して回転させる回転方向、または回転角度に応じて、複数の筆記軸体22の中から任意の筆記軸体22を選択的に突出させることができる。
【0018】
後軸16の後端には、クリップ19aが一体に形成されたクリップ受台19が装着されており、このクリップ受台19に後端キャップ18が着脱可能に装着されている。
【0019】
先軸14の外周面には、ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム等の軟質材料からなるグリッパー30が嵌着されている。グリッパー30は、先軸14の外周面で、先具13の後端面とガイドバー15の前端面との間に装着される。
【0020】
一方、後軸16の外周面に形成された溝16b内には、弾性リング32及び飾りリング34が装着されており、これらによって、クリップ19aと軸方向に整列するようにして、飾り(又はインジケータ)Dが構成されている。
【0021】
弾性リング32は、ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、軟質プラスチック等の軟質材料からなり、その材料の性質により径方向に伸縮可能となっている。図4に示したように弾性リング32の周面には、開口32aが形成されており、弾性リング32の開口32aの周囲は、窪み部32bとなっている。
【0022】
一方、図5に示したように、飾りリング34は、一カ所切れ込み34bが形成されたC型リングとなっており、従って、切れ込み34bが拡大・縮小することで飾りリング34全体が径方向に伸縮可能となっている。切れ込み34bと対向する部分に、所望の飾り又はインジケータが形作られた飾り部34aが形成され、飾り部34aの周囲は、平坦部34cとなっている。
【0023】
弾性リング32の内側に飾りリング34がはめ込まれており、飾り部34aが開口32aにはめ入れられて、開口32aから臨むようにして外方に露出しており、弾性リング32のその窪み部32bの中央に位置づけられている。
【0024】
以上の飾りリング34、弾性リング32及び後軸16の取付けは次のようにして行われる。図3に示したように、この飾りリング34は、弾性リング32の中に挿入されて、その飾り部34aが弾性リング32の開口32aから外方を臨むようにして、開口32aにはめ入れられる。挿入の際には、飾りリング34の径方向の伸縮性と、さらに弾性リング32の材質による径方向の伸縮性を利用して、飾りリング34を径方向に縮小させる一方で、弾性リング32を径方向に拡大させながら、作業を行うことができる。
【0025】
こうして一体化した飾りリング34と弾性リング32をさらに、後軸16の溝16b内に挿入する。この挿入の際も、飾りリング34の径方向の伸縮性と、さらに弾性リング32の材質による径方向の伸縮性を利用して、飾りリング34及び弾性リング32を共に径方向に拡大させながら、作業を行うことができる。以上のようにして、簡単に飾りDを後軸16に取り付けることができる。
【0026】
後軸16に、これらの飾りリング34及び弾性リング32を安定して装着するべく、後軸16の溝16bは、図2に示したように、弾性リング32を受ける収容部16b1と飾りリング34を受ける収容部16b2をそれぞれ有していると良い。
【0027】
飾りDを変える場合には、飾りリング34を別のものに取り替える。新しい飾りリング34には、異なる形状または異なる色の飾り部34aが形成されており、飾り部34aの形状の変更により、弾性リング32の開口32aもこれに対応してその形状を変更する必要がある場合には、弾性リング自体も取り替える。また、例えば、飾り部34aの色が異なるといった、形状変化を伴わない変更の場合には、同じ弾性リング32を使用することができる。新たな飾りリング34を、弾性リング32の内側にはめ入れたものを、後軸16の溝16b内に装着することで、別の飾りDを取り付けることができる。製造コストがかかる後軸16については、何らの変更の必要もなく、飾りリングと場合によっては弾性リングを交換するだけで良く、これらの部品は、それぞれ金型を用意したとしても大きなコストがかからないため、低コストで変更を行うことができる。飾りDの形状または色を変えることによって、美観を備えつつ商品の見分けを行うことができるようになり、また、随時、自由に形状のデザインを変えることができるようになる。また、弾性リング32が軟質材料から形成されているので、その部分を使用者が把持する場合に、クッション作用を果たすことができる。
【0028】
図6は、本発明の第2の実施形態を表す図である。この実施形態では、飾りリング34の飾り部34aが少なくとも透明または半透明材料で形成されており、飾り部34aがレンズとなっている。そして、後軸16の溝16bの前記飾りリング34を収容する収容部16b2の前記飾り部34aが配置される部分には、開口16dが形成されている。そして、ガイドバー15の該後軸16の開口16dに対応する部分には、文字、記号または絵柄等の表示が印刷された表示部15eが設けられている。前述のようにガイドバー15(内側軸筒に対応)は、後軸16(外側軸筒に対応)に対して相対回転し、開口16dに対応する部位が変化するので、その部位に応じて異なる印刷を施した複数の表示部15eを設けておくとよい。
【0029】
このような構成によれば、レンズとなった飾り部34aを介して、外軸20を構成するガイドバー15に設けられた表示部15eの印刷が拡大されて外軸20の外部から視認することができるようになる。また、使用する筆記軸体22を変えるために後軸16をガイドバー15に対して回転させると、これに同期して飾り部34aから見えるガイドバー15の表示部15eを変化させることができる。例えば、ガイドバー15の複数の表示部15eを、それぞれ収容されている筆記軸体22の種類を表すものとし、飾り部34aによって拡大して見える表示部15eがその時点で先具13の先端口から突出する筆記軸体22の種類を表すように、複数の表示部15eの位置を適宜調整することにより、使用者に分かり易いものとすることもできる。
【0030】
また、図6に示した実施形態では、飾り部34aに対応して後軸16に開口16dを形成していたが、この代わりに、後軸16の対応する部分を含む一部または後軸16全体を透明の材質で構成することにより、飾り部34aを介してガイドバー15に設けた表示部15eが見えるようにすることもできる。または、その変形例として、後軸16に開口16dを設けたり後軸16を透明の材質で構成する代わりに、後軸16の飾り部34aに対応する外周面に文字、記号または絵柄等の表示が印刷された表示部を設けることにしても良く、この表示部をレンズとなった飾り部34aを介して拡大することにしてもよい。
【0031】
尚、以上の実施形態では、後軸16に飾りDを設ける場合について説明したが、これに限るものではなく、先軸14、または他の外軸20の部分に設けるようにしても良いことは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、飾り又はインジケータを変える場合に、飾りリング及び場合によって弾性リングを交換することで、飾り又はインジケータの変更を簡単に行うことができるようになる。また、その取付作業も簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による飾り又はインジケータ取付構造が適用された筆記具の全体図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】飾りリング、弾性リング及び後軸の分解斜視図である。
【図4】(a)は弾性リングの平面図、(b)は(a)の4b−4b線に沿って見た断面図、(c)は(a)の4c−4c線に沿って見た断面図である。
【図5】(a)は飾りリングの平面図、(b)は(a)の5b−5b線に沿って見た断面図、(c)は(a)の矢印5cから見た矢視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による飾り又はインジケータ取付構造が適用された筆記具の全体図である。
【符号の説明】
10 筆記具
15 ガイドバー(内側軸筒)
16 後軸(外側軸筒)
20 外軸
32 弾性リング
32a 開口
34 飾りリング
34a 飾り部
D 飾り(インジケータ)
Claims (5)
- 外軸に飾り又はインジケータが取り付けられた飾り又はインジケータ取付構造において、
周面に開口が形成されると共に径方向に伸縮可能な弾性リングと、前記飾り又はインジケータとなる飾り部を外周面に有すると共に径方向に伸縮可能な飾りリングと、を備え、前記弾性リングの内側に前記飾りリングがはめ込まれ、飾りリングの飾り部が弾性リングの開口から外方を臨むようにして該開口にはめ入れられており、飾りリング及び弾性リングが共に、外軸の外周面に装着されることにより、飾り又はインジケータが外軸に取り付けられることを特徴とする飾り又はインジケータ取付構造。 - 前記飾りリングは、1カ所切れ込みが形成されたC型リングであることを特徴とする請求項1記載の飾り又はインジケータ取付構造。
- 前記弾性リングは、軟質材料から形成されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の飾り又はインジケータ取付構造。
- 前記飾り部はレンズとなっており、前記外軸の外表面に設けられた表示部が、該レンズとなった飾り又はインジケータから視認可能であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の飾り又はインジケータ取付構造。
- 前記外軸は、飾りリング及び弾性リングが共に装着される外側軸筒と、外側軸筒に対して回転可能となり外側軸筒の内側に配設される内側軸筒とから構成されており、前記表示部は内側軸筒に設けられると共に、前記飾り部に対応する外側軸筒の部分は、前記内側軸筒の表示部を透視可能となっていることを特徴とする請求項4記載の飾り又はインジケータ取付構造。
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- 2001-04-06 JP JP2001107965A patent/JP4612215B2/ja not_active Expired - Fee Related
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