JP4612188B2 - アトピー性疾患および新生物細胞増殖を治療または予防するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド - Google Patents
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Description
発明の背景
(a)発明の属する分野
本発明は、喘息、過好酸球増加症、またはアトピー性疾患に存在する炎症性反応を阻害し、そして新生物細胞増殖を阻害するため、特定の細胞受容体に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを単独であるいは組み合わせて使用することに関する。
【0002】
(b)先行技術の記載
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、医薬品の新規分野である。一般的には、アンチセンスとは、我々自身のDNA中に見出されるものと同一の構成を有し、一本鎖DNAになぞらえる、小さな合成オリゴヌクレオチドを使用することをいう。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、その標的とする遺伝子の一部の配列に接着することができ、そして遺伝子発現を阻害することができるように、その標的とする遺伝子の一部の鏡像配列として設計される。遺伝子発現は、アデノシンとチミン、あるいはグアノシンとシトシンとが、水素結合を介して相互作用するワトソン-クリック塩基対合にしたがって、センスオリゴヌクレオチドが特定のメッセンジャーRNA(mRNA)のセンス標的とハイブリダイゼーションすることにより阻害する。これらの単純な塩基対合規則は、アンチセンスオリゴヌクレオチドと細胞RNAの相互作用を決定し、それによりアンチセンスオリゴヌクレオチドの設計が可能になる。この新規戦略の主要な利点は、副作用および毒性に対する可能性が低く抑えられた作用の特異性である。この治療戦略は、潜在的には、1またはいくつかの遺伝子の過剰発現が疾患の存在または残存を引き起こすと考えられているいずれの疾患に対しても適用することが可能である。結果として、癌およびウィルス性疾患に対する治療剤として多数のアンチセンスオリゴヌクレオチドの研究が行われてきた。
【0003】
炎症性メディエーターに関する細胞表面上の受容体発現をアンチセンスオリゴヌクレオチドが阻害できるかどうかについて評価するための研究は、ほとんど行われていなかった。
【0004】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して、インターロイキン(IL)-6受容体の発現を阻害することができ、そしてその結果急性炎症メディエーターであるインターロイキン-6の細胞に対する効果を阻害することができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを利用して喘息性炎症に関与する細胞上または癌性細胞上の受容体を阻害することができるかどうかを評価した研究は、一つも行われていなかった。
【0005】
喘息は、最近25年間で罹患率が2倍になった、人口の5〜10%が罹患する疾患である。この疾患は、気道のウィルス感染(細気管支炎)後の幼児、子供、そして職業誘導性喘息において、特に注目されてきた。喘息の正確な原因は未だわかっていない。しかしながら、ウィルスなどの剤が、喘息持ちの患者の気道に見られる異常な炎症の永続化、そして疾患の残存に関与していると考えられる。
【0006】
この理由のため、喘息の第一に行われる治療として現在推奨されているのは、コルチコステロイドや抗ロイコトリエンなどの強力な抗炎症性薬剤の投与である。このような治療は多くの患者において有効であるが、患者の中にはコルチコステロイドに対して耐性のものがいる。この薬剤投与は、長期間の副作用を伴う強力な免疫抑制性のものであってもよいが、アレルギーあるいは喘息の予防には効果が示されなかった。
【0007】
抗ロイコトリエンは、アレルギーおよび喘息に幾ばくか効果があるが、コルチコステロイドほど有効ではない。
いくつかの炎症性メディエーターが、喘息を伴う患者の気道における炎症の発生および永続に機能を果たしている。いくつかのメディエーターは、好酸球の化学走性を介して(ケモカイン類:CCR3と呼ばれる受容体を介するほとんどの喘息性炎症に作用する、RANTES、エオタキシン1、2、MCP-3、4)あるいは内皮細胞の活性化を介して(IL-4、IL-13)、気道中に炎症性細胞を引き寄せる。その他のメディエーターは呼び水となり、気道中の炎症性細胞の生存の増大を引き起こす(IL-3、IL-5、GM-CSF、IL-4)。このように、これらのメディエーターは、好酸球に特異的なケモカイン、またはヘルパーTリンパ球2型表現型のサイトカイン(Th2:IL-3、IL-4、IL-5、IL-13、およびGM-CSF)のいずれかからなる。
【0008】
喘息の改善は、気道中のこれらの炎症性メディエーターが減少した場合に示された。
アレルギーは、非常に一般的なものであり、例えば人口の30%がアトピー性鼻炎にかかっている。アレルギーは、異常なIgE産生とアレルゲンに対する炎症により特徴付けられる。IgEおよびアレルゲンの存在下では、マスト細胞などのエフェクター細胞が脱顆粒し炎症性メディエーターを放出し、喘息に見られるものと同一の炎症性細胞の補充を引き起こす。アトピー性鼻炎、鼻のポリポーシスおよび慢性の副鼻腔炎(sinusitis)においては、喘息の際に見られると同様な過剰な炎症性メディエーターが見出される。IL-4およびIL-13は、IgEの産生およびTh2表現型を有する細胞の誘導に必要である。
【0009】
癌は、ヒトの死因の第二であり、不死化細胞の異常な増殖により特徴付けられる。これらの細胞の永続および増殖に関与する機構の一つは、受容体を介して機能し、そして細胞増殖を導く成長因子の放出によるものである。これらの成長因子の中でも、いくつかの腫瘍細胞に対してGM-CSFは重要な成長因子であることが示されてきた。癌性細胞の増殖を成長因子に対する受容体をブロックすることにより阻害することは、特定の癌の治療において重要でありうる。
【0010】
喘息あるいはアトピーに存在する炎症性反応を阻害するため、そして新生物細胞の増殖を阻害するため、Th2サイトカインあるいはTh2サイトカインに応答する細胞を引き寄せるメディエーターのいずれかに対する受容体のいずれかに対する少なくとも一つの特異的な共通受容体を指向するアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を提供することが望ましい。
【0011】
受容体をコードする核酸に対して指向するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供し、これらの受容体を阻害することにより、これらのオリゴヌクレオチドを喘息、アレルギー、一般的な炎症および癌の治療においておよび/または予防において利用することができるようにすることも非常に好ましい。
【0012】
発明の概要
本発明の一つの目的は、喘息あるいはアトピーに見られる炎症性反応を阻害するため、および新生物細胞増殖を阻害するため、例えば、IL-3、IL-5およびGM-CSFに対する共通βサブユニット、あるいはIL-4およびIL-13に対する少なくとも一つの共通サブユニット、あるいは受容体CCR3などの、細胞受容体の少なくとも一つの共通サブユニットを指向するアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、IL-4およびIL-13受容体の共通サブユニットをコードする核酸配列を指向するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供し、これらの受容体を阻害することにより、これらのオリゴヌクレオチドを喘息、アレルギー、一般的炎症あるいは癌を治療および/または予防する際に利用することができるようにすることである。
【0014】
本発明の別の目的は、IL-3、IL-5およびGM-CSF受容体に対する共通βサブユニットをコードする核酸配列を指向するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供し、これらの受容体を阻害することにより、これらのオリゴヌクレオチドを喘息、アレルギー、一般的炎症あるいは癌の治療および予防に利用することができるようにすることである。
【0015】
本発明の別の目的は、ケモカインに対するCCR3受容体をコードする核酸配列を指向するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供し、この受容体を阻害することにより、これらのオリゴヌクレオチドを喘息、アレルギー、一般的炎症あるいは癌の治療および予防に利用することができるようにすることである。
【0016】
本発明の別の目的は、喘息、アレルギー、一般的炎症あるいは癌の治療および/または予防においてより強力な効果を得るために、IL-4およびIL-13の共通サブユニット、あるいはIL-3、IL-5およびGM-CSFの共通βサブユニット、あるいはCCR3受容体をコードする核酸配列を指向する少なくとも2つのアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む治療的に有効な組成物を提供することである。
【0017】
発明の詳細な説明
細気管支炎は、喘息の発症に対して素因を有する幼児の気道のウィルス感染である。この症状は、喘息、アトピーアレルギー性炎症の発症の前にヒトにおいて得ることができるもっとも最初のものであるため、研究された。後述するように、Th1対Th2サイトカイン比のアンバランス、すなわちTh2サイトカインの優勢、が、喘息の発症の前に存在する。一態様において、本発明はこのアンバランスを元に戻し、そしてその結果喘息およびアレルギーを予防しあるいは治療することを目的とする。
【0018】
細気管支炎に罹った幼児血液から単離したリンパ球において得られた結果から、初期の喘鳴の発生の前にTh1およびTh2サイトカイン産生の間にアンバランスが存在することが示唆されそして確認された。実際、図1は、細気管支炎後に喘鳴を起こす幼児からのリンパ球で、ハウスダスト-ダニ抗原に暴露した後、IL-4(Th2サイトカイン)の産生が増大したことを示す。図1において、リンパ球は、細気管支炎の5ヶ月後の幼児血液から単離し、そしてハウスダスト-ダニ抗原の存在下で培養した。培養3日後の培養上清中のIL-4を測定した。最近90日間のうちに少なくとも1度喘鳴を起こした被検体と、細気管支炎後の最初の5ヶ月間のすべてで喘鳴を起こさなかった被検体との結果を示す。アスタリスクは、IL-4レベルが535 pg/mlである被検体を示す。さらに、細気管支炎後の最初の5ヶ月間のほとんどで喘鳴を起こした幼児において、インターフェロンγ((IFN、Th1サイトカイン)産生がより低く、そしてIL-4産生がより高いことがわかった。
【0019】
Delphiのコンセンサスにより喘息なし、喘息可能性あるいは喘息蓋然性であるかどうかについて決定することにより、これらの幼児の症状を、2年間にわたりモニターした。両親あるいは兄弟姉妹(sibling)における喫煙歴およびアトピーあるいは喘息の存在を記録し、そして細気管支炎を加療中の32人の幼児、そして4.9ヶ月後に肺機能テストを行ったサブグループ(n=19)において、IL-2に応答する血液単核細胞IFNおよびIL-4産生を評価した。
【0020】
図2Aおよび2Bにおいて、リンパ球は、細気管支炎に罹っている被検体から単離し、そしてIL-2の存在下で3日間培養した。上清を回収し、そしてサイトカインをELISAで測定した。20日間以上喘鳴を起こした被検体(喘鳴の多い群、n=9)と喘鳴を起こしたのが20日未満の被検体(喘鳴の少ない群、n=6)についての結果を示す。
【0021】
喘息可能性および喘息蓋然性を有する幼児は、喘息を有さない幼児と比較した場合、細気管支炎を起こしているときおよびその4.9ヶ月後において、IFN産生がより低くなっていた(p<0.05、図3Aおよび3B)。
【0022】
図3Aおよび3Bにおいて、細気管支炎を起こしているとき(3A、n=32)あるいは4.9ヶ月後(3B、n=19)の単核細胞から、単球を部分的に枯渇し、そしてIL-2と共に3日間培養した。上清を回収し、IFN産生についてELISAにより測定した。細気管支炎の後2年後に喘息なし(なし)、喘息可能性(可能性) および喘息蓋然性(蓋然性)として評価された患者についての結果を示す。“*”で同定した結果については、可能性群および蓋然性群対喘息なしについてのKruskall-Wallis試験およびMann-Whitney U試験を使用して、p<0.05の確率が見いだされた。“**”で同定した結果については、Kruskall-Wallis試験を使用してp=0.08の確率が見いだされたものである。“++”で同定した結果については、可能性群および蓋然性群対喘息なしについてのMann-Whitney U試験を用いてp<0.05の確率が見いだされたものである。
【0023】
IL-4産生は、グループごとに異ならなかった。細気管支炎に罹っているときのIFN産生と、細気管支炎4.9ヶ月後の異常気道機能のマーカー(機能的残留能力(FRC)のVmax、図4A)および気道反応性の増大(PC40ヒスタミン、図4B)との間には、顕著な正の相関が見いだされた。
【0024】
図4Aおよび4Bにおいて、サイトカイン産生を細気管支炎に罹っているときに測定し、そして肺機能を4.9ヶ月後に測定した。肺機能はアメリカ胸部学会(American Thoracic Society)により推奨される方法により評価した。機能的残留能力の最大呼気流量(Vmax FRC)を、次の手順を用いる迅速胸腹部圧迫技術(RTC)により評価した。事前に抱水クロラール100 mg/Kg体重(最大用量1000 mg)で事前に鎮痛された患者を、腹部および胸部を覆い圧力リザーバーに結合させた膨らませることができるジャケット中で頚部を若干伸ばした状態で仰向けに静置した。30 cm H20の圧力から開始し、5 cm H20ずつ増大させて使用して、FRCでの呼気流量の測定を、Vmax FRCが達成されるまで得た。流量は、Fleisch No. 1の肺タコグラフに連結しそして組み込んだ軟クッションマスクを用いて測定した。最高値を基線Vmax FRCを示すために選択したこの圧力で、3つの追加の技術的な修正操作を行った。すべてのこれに引き続くVmax FRC操作を、同じ手順を使用して行った。
【0025】
ヒスタミンに対する細気管支の反応性を、8リットル/分で駆動するHudsonの上昇気流#2ネブライザー(updraft #2 nebuliser)を使用して評価し、5分間隔で1分間の間にヒスタミンの倍濃度である0.0625 mg/mlから始めて最大8.0 mg/mlを投与した。Vmax FRCをそれぞれの噴霧の後に測定した。チャレンジ試験は、Vmax FRCが少なくともベースライン値から40%の減少に至ったとき、あるいはヒスタミンの最大濃度が達成されたときに終了した。心拍数および酸素飽和を、Ohmeda BIOX 3740パルス酸素メーターを使用して、研究の間ずっと継続的にモニターした。
【0026】
IFN産生の欠損は、幼児における喘息の発生の主要な一因である。興味深いことに、この欠損は、喘息を有する成人およびアトピーを発症する前の新生児において存在する。したがって、喘息あるいはアレルギーを発症する前でさえも存在するTh1(IFN)サイトカインに対する、Th2(IL-4、IL-13、IL-5など)の比産生において、アンバランスが存在し、Th1サイトカインに対するTh2サイトカインの比は、これらの疾患の発症前および疾患にかかっている間に増加する。
【0027】
Th2サイトカインの産生または効果における異常な増大に依存するアレルギー、喘息または新生物細胞増殖の発症を治療または予防するため、したがってTh2サイトカインの効果を減少させることが好ましいことがわかった。
【0028】
したがって、後述する事実を提供する。肺中に呼吸される本発明の一態様に従うアンチセンスオリゴヌクレオチドをその中に残存させ、そして少なくとも24時間の間非分解性でありそして強力な状態で活性でありそして残存する細胞に入る(図5および実施例1を参照)。
【0029】
本発明の好ましい態様に従うアンチセンスオリゴヌクレオチドは、IL-4およびIL-13受容体の少なくとも一つの共通サブユニットを指向する。これらのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、実施例IIに示すように、これらの受容体の機能的サブユニットを阻害する際に有効である。
【0030】
本発明の一態様に従うアンチセンスオリゴヌクレオチドは、IL-3、IL-5およびGM-CSF受容体の共通βサブユニットを指向する。これらのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、これらの受容体を阻害し、そしてしたがって生存のためのこれらの増殖因子に依存する癌性細胞または炎症性細胞の増殖および機能を阻害するために有効である(実施例IIIを参照)。
【0031】
本発明の別の態様に従うアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ケモカインのCCR3受容体を指向する。これらのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、これらの受容体を阻害し、そしてしたがって炎症細胞および癌性細胞、あるいは感染性生物の、この受容体に依存する流入、生存、および増殖または機能を阻害するために有効である(実施例IV参照)。
【0032】
本発明は、以下の実施例を参照することにより、より容易に理解することができるが、これらは次の発明を説明するためにあり、その範囲を限定するためのものではない。
【0033】
【実施例】
実施例 I
アンチセンス・オリゴヌクレオチドの効果的な投与
治療が効果的に行われるために、第1に投与された物質の、肺、およびそれが効果を有する細胞への経路を見出し、第2に副作用を伴わずに無傷のままであることが必要である。肺に吸入されたアンチセンス・オリゴヌクレオチドは肺および気道に沈着し、その効果を有する細胞に進入し、少なくとも24時間の間、肺の生理に影響を与えることなく未分解の状態を保持する。事前にFITCでタグをつけた本発明のアンチセンス・ホスホロチオエート・オリゴヌクレオチド、1マイクログラム(1μg)を噴霧によってラットの肺に投与した。ウレタンを用いてラットに麻酔をした(1 g/kg、腹腔内)。加温パッドを使用して実験中、体温を一定に保持し、直腸温度を電子体温計で連続的にモニタリングした。6 cmのPE-240ポリエチレン・カテーテルをblind経口挿管した後、自発的換気呼吸の際に仰臥体位の動物で肺循環抵抗を測定した。小型のPlexiglas(登録商標)ボックス(容量265 ml)内に気管内チューブの先端を配して流量を測定した。ピエゾ抵抗示差圧変換器(piezoresistive differential pressure transducer)(Micro-Switch 163PCOID36, Honeywell, Scarborough Ont. Canada)に連結したフライシュno.0呼吸気流計をボックスの反対側に接続して気流を測定した。肺内外圧差(Ptp)の測定には、水を充填したカテーテルを下部第3食道に配したものを使用したが、これを示差圧変換器(Transpac II, Abbott, Illinois)の一方の口に接続し、他方の口はPlexiglasボックスに接続した。食道カテーテルは、ポリエチレン・チューブ(PE-240, 長さ10 cm)並びにより小さい口径のチューブ(PE-160)の先端(6 cm)からなる。
【0034】
圧および流量シグナルを増幅し、8ポール・ベッセル・フィルター(eight-pole bessel filters)(9 モデル902LPF, Frequency Devices, Haverhill, MA)を、カットオフ頻度を100 Hzにして通過させた。データをコンピューターに保存した。肺循環抵抗は1次多重回帰によって、市販のソフトウェア(RHT Infodat 社, Montreal, PQ)で実施したような運動方程式に合わせて算出した。
【0035】
器具を使用した後、1μgのタグをつけたホスホロチオエート・オリゴヌクレオチドを含有する食塩水の噴霧剤を5分間投与した。ボックスの片側の口に接続したハドソン噴霧器を使用して0.18 ml/分の排出量でこれを生成した。測定間に新鮮な空気流でボックスを洗浄し、CO2の蓄積を防止した。肺循環抵抗を攻撃感染後、5、10、15、20、および30分後、そして続いて15分毎に計8時間測定した。肺循環抵抗はこの時間にわたって変化しなかった。その後ラットを放血して殺し、肺を回収してオリゴヌクレオチドがまだ存在するかどうかを測定した。肺をパラホルムアルデヒドで固定し、アルカリホスファターゼでタグをつけた抗FITC抗体を使用してオリゴヌクレオチドの位置を測定し、組織サンプルをファーストレッドで染色し、細胞の核をヘキスト(Hoechst)で後染色した。図5Aにおいて留意すべきことに、オリゴヌクレオチド(赤色)は全ての型の細胞に広く存在する。オリゴヌクレオチドは細胞質まで浸透しており(5B)、炎症細胞にも観察された(マクロファージ、5Cの中段)。
【0036】
他の実験では、ラットをペントサルで麻酔し、アンチセンスの噴霧後に覚醒させた。全身麻酔の24時間後、5 mlの食塩水を投与し、穏やかに吸引して気管支肺胞洗浄(BAL)を行った。BALを400×gで10分間遠心分離し、上清を凍結し、分析のために細胞をスライド上に遠心分離した。図6Aで留意すべきことに、マクロファージは主たる細胞型である。図6Bで、FITC標識したオリゴヌクレオチド(緑色蛍光)が細胞質に存在する。FITC標識したオリゴヌクレオチドを洗浄液またはラットの肺から、抗原の攻撃感染の24時間後に抽出した。図7で留意すべきことに、アンチセンス・オリゴヌクレオチドは、その独自のコントロール(レーン3)またはFITCでタグをつけた別のオリゴヌクレオチド(エオタキシン(eotaxin)、レーン4)と比較した場合、投与の24時間後、BAL(レーン1)、肺(レーン2)で無傷である。
【0037】
図5から7に示されるように、本発明のアンチセンス・オリゴヌクレオチドは肺に吸入され、細胞に浸透し、24時間以上の間、無傷のままである。
実施例 II
IL-4 および IL-13 レセプターの共通サブユニットを阻害するアンチセンス・オリゴヌクレオチド
インターロイキン-4はIgEの生成、喘息およびアトピーの発生および存続に関与する。IL-4の作用に対して行われる療法は喘息、アレルギー、または腫瘍性細胞の増殖の予防に効果的でありうるが(この媒介物に依存する)、最近明らかになったところによれば別のTh2サイトカイン(IL-13)はIL-4と同様の効果を有する。興味深いことに、IL-4およびIL-13は少なくとも2つの共通のサブユニットを共有しており、これはメッセージのシグナル変換が起こるのに必要である。
【0038】
実験を行って、IL-4およびIL-13レセプターの共通のサブユニットに対するアンチセンス・オリゴヌクレオチドがこれらのレセプターの発現を阻害するかどうかを評価した。RAJI細胞はIL-4およびIL-13レセプターを高レベルに発現する。これらの細胞を、10%熱不活性化ウシ胎仔血清、ペニシリン、ストレプトマイシン、およびl-グルタミンを補足したRPMI 1640中で5%CO2中、37℃で培養した。12時間の間、細胞を培養液のみ、またはIL-4/IL-13の共通サブユニットに対するセンスもしくはアンチセンス・オリゴヌクレオチドを含有する培養液中で培養した。細胞を回収し、3回洗浄した後、抗ヒトIL-4レセプター抗体(R and D systems、カタログ番号MAB230)で染色したが、これはIL-4またはIL-13によって誘引されるヒト細胞表面レセプター介在型生理活性を阻害することが明らかになっている。図8において留意すべきことに、アンチセンス・オリゴヌクレオチドOD1:5'-agaccttcat gttcccagag-3'(SEQ ID NO:1)、OD2:5'-gttcccagag cttgccacct-3'(SEQ ID NO:2)、またはOD3:5'-cctgcaagac cttcatgtt-3'(SEQ ID NO:3)は、フローサイトメトリーで評価すると、生理活性型のIL-4レセプターの発現を阻害する。1列目は、未染色(左)または非特異的モノクローナル抗体への暴露(右)を行った細胞において、蛍光が存在しないことを示している。2列目は、RAJI細胞がIL-4レセプターを発現し(92%)、蛍光強度が非常に高い(レセプターが多い)ことを示している。右側では、RAJI細胞を10μMolのアンチセンス・オリゴヌクレオチドOD1と共に12時間インキュベートしたが、わずか66%の細胞しかこのレセプターを発現せず、蛍光強度は非常に低い(各細胞でわずかのレセプター)ことを示している。3列目は、アンチセンス・オリゴヌクレオチドOD2(52%)およびOD3(58%)との12時間のインキュベート後、同様の結果を示している。
【0039】
更なる実験を行って、アンチセンス・オリゴヌクレオチド(OD3、OD2、およびOD1)がRAJI細胞でIL-4レセプター発現を阻害するかどうかを免疫沈降およびウェスタンブロットによって評価した。図9で留意すべきことに、3000万個のRAJI細胞を前述のように、以下のいずれかを含有する完全培地中で12時間培養した:20μMのセンス・オリゴヌクレオチドOD4(左から1番目のレーン)、10μMのOD4(左から2番目のレーン)、10μMのアンチセンス・オリゴヌクレオチドOD3(左から3番目のレーン)、10μMのアンチセンス・オリゴヌクレオチドOD2(左から4番目のレーン)、10μMのアンチセンス・オリゴヌクレオチドOD1(左から5番目のレーン)、培養液のみ(左から6番目のレーンおよび第2のゲルの右端のレーン)、20μMのアンチセンス・オリゴヌクレオチドOD2(右側のゲルの左から1番目のレーン)。総タンパク質を抽出し、2μgのIL-4と共に一晩インキュベートした。10μg/mlの抗IL-4抗体(R and D systems)を50μlのプロテインAおよびプロテインG-セファロースTMに結合させたものをその後20℃で2時間添加した。セファロースTMビーズを10回洗浄し、アガロースゲルを使用して残存するタンパク質を分離した。その後、残存タンパク質をImmobilon-P-milliporeTM膜上に転写し、ウサギ・ポリクローナル抗IL-4-R-アルファ抗体(Santa Cruz biotechnology社, カタログ番号sc-684)で染色してウェスタンを行った。結果が示すところによれば、センス・オリゴヌクレオチドはIL-4レセプター発現に影響せず、10μMの有効な本発明のアンチセンス・オリゴヌクレオチドはIL-4レセプター発現を阻害し、そして20μMのアンチセンス・オリゴヌクレオチドOD2はほとんど完全に有効である。
【0040】
IL-4およびIL-13レセプターに共通のサブユニットが少なくとも2つ存在するので、更なる実験を実施して、IL-13レセプターのアルファ'鎖に対するアンチセンス・オリゴヌクレオチドがRAJI細胞においてIL-4/13レセプター発現も阻害するかどうかを測定した。図10で留意すべきことに、アンチセンス・オリゴヌクレオチドA1.3:5'-CGCCCACAGC CCGCAGAGCC-3'(SEQ ID NO:4)はRAJI細胞でアルファ'レセプター発現を阻害した。RAJI細胞をアンチセンス(10または20μM)またはセンス・オリゴヌクレオチド(10μM)を含有する培養液中で3時間、その後、完全培地中で9時間インキュベートした。この後、mRNAを抽出した。IL-13Rアルファ'鎖、そしてコントロールのIL-2Rガンマ鎖およびG3PDH転写物を半定量性RT-PCRで評価した。結果を左から右へ、以下のように示す:未処理の抹消血単核細胞(PBMNC、レーン2)、完全培地中のRAJI細胞(レーン3、4)、10μMのA1.3を含有するRAJI細胞(レーン5)、10μMのA1.3およびそのセンス相対物を含有するRAJI細胞(S1.3、レーン6)、20μMのA1.3を含有するRAJI細胞(レーン7)、およびcDNA未含有(レーン8)。in vitroでも有効な他のアンチセンス・オリゴヌクレオチドの配列には以下がある:A1.1:5'-CTCCATGCAG CCTCTCGCCT-3'(SEQ ID NO:5);A1.4:5'-CCGCCGGCGC AGAGCAGCAG-3'(SEQ ID NO:6);およびA1.5:5'-CGCCCCCGCC CCCGCCCCCG-3'(SEQ ID NO:7)。
【0041】
用量応答試験をアンチセンス・オリゴヌクレオチドOD2を使用して実施し、RAJI細胞におけるIL-4/IL-13レセプター発現を阻害するのに最適な濃度を決定した。図10は免疫染色実験を示すが、ここで留意すべきことに、OD2も免疫染色試験で評価したところレセプター発現を阻害した。RAJI細胞を以下を含有する完全培地中で12時間培養した:5μM OD2(上段左)、10μM OD2(中段左)、20μM OD2(下段左)、オリゴヌクレオチド未含有(上段右)、10μMのOD2と同じ配列に対するセンス・オリゴヌクレオチド(中段右)、または30μMのOD2と同じ配列に対するセンス・オリゴヌクレオチド(下段右)。スライドをメタノール-アセトン中、-20℃で10分間固定した。ユニバーサル・ブロッキング溶液(DAKO)を含有するトリス-バッファーで15分間処理した後、スライドを抗IL-4レセプター血清(Santa Cruz biotechnology社, カタログ番号sc-684)と共に最終希釈1/200で一晩4℃でインキュベートし、その後5μg/mlのアルカリホスファターゼ標識したヤギ抗ウサギIgGと共にインキュベートした。細胞の核をヘマトキシリンで1分間染色した。これらの実験条件下で20μMのOD2はほとんど完全にIL-4レセプター発現を阻害した。
【0042】
IgE抗体の生成はアレルギー、喘息、およびある種の腫瘍性症状の重要な要素である。実験を実施してIL-4およびIL-13レセプターの共通のサブユニットであるアルファ(OD2)およびアルファ'(A1.3)に対するアンチセンス・ホスホロチオエート・オリゴヌクレオチドの、IgE生成に対する影響を評価した。ヒトBリンパ球を種々の指標(indication)から外科的に除去した口蓋扁桃から単離した。単核細胞をFicoll-HypaqueTM(Pharmacia)密度遠心分離で精製した。E-ロゼットにより、ノイラミニダーゼ処理した(Calbiochem. La Jolla, CA)ヒツジ赤血球を用いてBリンパ球をT細胞から分離した。単球を2時間、プラスチック製ペトリ皿に付着させて除去した。Bリンパ球の純度は慣例的に98%であった。B細胞(2×105/200μl/ウェル)を、10%FCS、10 mg/ml L-グルタミン、50 U/ml ペニシリン、および50 ng/ml ストレプトマイシンを補足したRPMI 1640から成る完全培地中で培養した。200 U/mlのIL-4(R&D Systems)および0.1μg/mlの抗CD40 mAb(Pharmingen)を併用して、アンチセンスまたはセンス・オリゴヌクレオチド(10μM)の存在下または非存在下で14日間、細胞を刺激した。上清を回収し、IgEをELISA(Kallestad, Sanofi Diagnostics, Chaska, Minn.)で、製造者の説明書に従って測定した。表1で留意すべきことに、A1.3およびOD2アンチセンス・ホスホロチオエート・オリゴヌクレオチドはいずれも、それらのセンス相対物に比較した場合、ヒトIgEの生成を阻害する。
【0043】
表 1
抗CD40+IL-4刺激したヒトB細胞におけるアンチセンス・オリゴヌクレオチドによるIgE生成の阻害
【0044】
【表1】
【0045】
前述のように、Th-2サイトカインであるインターロイキン-4とTh-1サイトカインであるIFN-γの生成の間の不均衡についてはアレルギーおよび喘息で既に記載した。実験を実施してIL-4およびIL-13レセプターの共通のサブユニットであるアルファ(OD2)およびアルファ'(A1.3)に対するアンチセンス・ホスホロチオエート・オリゴヌクレオチドの、IL-4およびIFN-γ生成に対する影響を評価した。ヒト単核細胞懸濁液を臍帯血(UCB)から得るために、Ficoll-HypaqueTMグラジエントで、400 g、30分間遠心分離した。単核球を、7.5%ウシ胎仔血清(FCS)を補足したRPMI 1640中、5%CO2インキュベーター内で37℃で2時間、プラスチック製フラスコに付着させて除去した。PHA(1μg/ml)での臍帯血T細胞の刺激を、TH1極性化条件[ヒトrIL-12(2 ng/ml;R&D Systems)プラスIL-4に対する中和mAb(200 ng/ml;R&D Systems)]またはTH2極性化条件[ヒト組み換えIL-4(200 U/ml)プラス ヒトIL-12に対する中和mAb(2μg/ml;R&D Systems)]下で、10μMのアンチセンスまたはセンス・オリゴヌクレオチドの存在下または非存在下で行った。バッチのオリゴヌクレオチドを、サイトカインの添加の3時間前に培養液に添加した。IL-2を3日目に添加した。1週間後および2週間後、同じ極性化条件下でオリゴヌクレオチドの存在下または非存在下で培養液を再び刺激し、10日後の培養液を分析した。細胞を回収し、3回洗浄し、PMA(50 ng/ml)プラスイオノマイシン(500 ng/ml)を用いて37℃で48時間、再刺激し、上清中のIL-4およびIFN-γの生成をELISA(R&D Systems)で、製造者の説明書に従って分析した。図12において留意すべきことに、IL-4/13レセプターの共通のサブユニットに対するアンチセンス・オリゴヌクレオチドはIL-4の生成を阻害し、IFN-γの生成を増加させた。左から右に、精製したUBCを以下の条件で培養した:Th-2刺激条件;Th-2刺激条件でOD2に対するセンス・オリゴヌクレオチドの存在下;Th-2刺激条件でOD2に対するアンチセンス・オリゴヌクレオチドの存在下;そしてTh-2刺激条件でアンチセンス・オリゴヌクレオチドA1.3の存在下。
【0046】
図8から12に示すように、IL-4/IL-13レセプターの共通サブユニット、アルファおよびアルファ'に対する本発明のアンチセンス・オリゴヌクレオチドはIL-4/13レセプター発現、その機能性要素、IgE生成、および前駆体からTh-2型細胞へのスイッチングの阻害に有効である。
【0047】
実施例 III
IL-3 、 IL-5 および GM-CSF 受容体に共通のベータサブユニットを阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド
インターロイキン-3、5およびGM-CSFは、好酸球増殖および生存に関与する重要なサイトカインである。これらのサイトカインは、喘息およびアトピー性疾患で増加し、そしてまた特定の腫瘍性疾患の不定性増殖にも関与する。興味深いことに、IL-3、IL-5およびGM-CSFは、情報伝達に関与する共通のベータサブユニットを共有する。
【0048】
IL-3、IL-5およびGM-CSF受容体に共通のベータサブユニットに対して向けられる、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、本受容体の発現および機能を阻害することが可能であるかどうか評価する実験を行った。TF-1およびU937細胞は高レベルのGM-CSF受容体を発現する。さらに、TF-1細胞は、生存に関し、GM-CSFに依存している。これらの細胞を、10%の熱不活性化ウシ胎児血清、ペニシリン、ストレプトマイシンおよびl-グルタミンを補ったRPMI 1640中で、37℃で5%CO2中で培養した(TF-1細胞には、GM-CSFを補った)。これらを12時間、培地単独で、またはIL-3、IL-5およびGM-CSF受容体に共通のベータサブユニットに対するセンス(107S:5'-ACCATCCCGC TGCAGACCC-3'(SEQ ID NO:8))またはアンチセンス(107A:5'-GGGTCTGCAG CGGGATGGT-3'(SEQ ID NO:9))オリゴヌクレオチドを含む培地で培養した。細胞を回収し、そして3回洗浄した。その後RNAを回収し、そして受容体のベータ鎖の存在を、半定量的RT-PCRにより評価した。図13において、アンチセンスオリゴヌクレオチドが、TF1細胞(13A)およびU937細胞(13B)において、共通のベータ受容体のmRNA発現を阻害したことに注目すべきである。図13Aにおいて、左から右に読むと、コントロール、センス、およびアンチセンス処理細胞におけるベータアクチンのmRNA発現が示され(レーン2、3、4);コントロール、センス、およびアンチセンス処理細胞における共通の受容体のmRNA発現が示される(レーン5、6、7)。レーン7でバンドが存在しないことは、TF1細胞において、共通のベータサブユニットのmRNA発現を阻害するのに、アンチセンスオリゴヌクレオチドが有効であることを示す。図13Bにおいて、右から左に読むと、ミスマッチ、アンチセンス、センスおよびコントロール(未処理)細胞における共通のベータサブユニットのmRNA発現が示され(レーン1、2、3、4);ミスマッチ、アンチセンス、センスおよびコントロール(未処理)細胞におけるG3PDHのmRNA発現が示される(レーン6、7、8、9)。レーン2でバンドが存在しないことは、U937細胞において、共通のベータサブユニットのmRNA発現を阻害するのに、アンチセンスオリゴヌクレオチドが有効であることを示す。
【0049】
さらなる実験を行い、TF1細胞において、アンチセンスオリゴヌクレオチド(107A)がIL-3、IL-5およびGM-CSF受容体に共通のベータサブユニットを阻害したかどうか、免疫沈降およびウェスタンブロッティングにより評価した。図14において、3000万のTF1細胞を、10μMのセンスオリゴヌクレオチド107Sまたはアンチセンスオリゴヌクレオチド107A(一番右のレーン)のいずれかを含む完全培地中で、先に記載されるように12時間培養した。GM-CSFベータ鎖受容体に対するモノクローナル抗体を用いた免疫沈降により、タンパク質を抽出した。その後、ポリアクリルアミドゲル上の電気泳動の後、抽出物をImmobilon-P-millipore膜上に移し、そしてその後、ウサギポリクローナル抗GM-CSF-R-ベータ抗体により、受容体のGM-CSFベータ鎖を明らかにした。結果は、同じ濃度(10μM)で、センスオリゴヌクレオチドは共通のベータ鎖発現に影響を及ぼさないのに対し、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、IL-3、IL-5およびGM-CSF受容体に共通のベータサブユニットを阻害することを示す。
【0050】
アンチセンスオリゴヌクレオチド107Aを用い、用量反応実験を行い、TF1細胞増殖を遮断するであろう最適濃度を決定した。図15に見られるように、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドを用い、細胞増殖を阻害することが可能である。TF1細胞を、血清不含培地中で増加する濃度のオリゴヌクレオチドの存在下で培養し、そしてその後、ウシ胎児血清およびGM-CSFを、それぞれ最終濃度10%および1 ng/mlになるよう添加した。培養をさらに2日間行い、そしてその後、4時間に渡り、細胞生存および増殖の指標として、MTT色素を有色ホルマザン産物に還元する能力に関し、細胞をアッセイした。結果は未処理細胞により得られたMTT由来ホルマザンの吸光度のパーセンテージとして表される。ドット=平均±標準偏差。実験は三つ組で行った。吸光度は、570-595 nmで読み取った。
【0051】
図16において、アンチセンスオリゴヌクレオチド107Aは、センスプローブまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドを含まないコントロールと比較した際、細胞増殖を有意に阻害することが可能であることに注目すべきである。TF1細胞を、アンチセンスオリゴヌクレオチド(一番右)、センスオリゴヌクレオチド(右から二番目)、コントロール培地(GM-CSFを含む、右から三番目)またはGM-CSFを含まない培地(右から4番目)の存在下で2日間培養し、そしてその後、上述のようなMTT色素を還元する能力に関し、細胞をアッセイした。
【0052】
本発明に一致する他のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、20μモルの濃度で有効であることが示されてきている。これらのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、限定ではなく、オリゴヌクレオチド106:5'-ggtctgcagc gggatggtt-3'(SEQ ID NO:10);108:5'-agggtctgca gcgggatgg-3'(SEQ ID NO:11);110:5'-gcagggtctg cagcgggat-3'(SEQ ID NO:12);101:5'-gcagcgggat ggtttcttc-3'(SEQ ID NO:13);100:5'-cagcgggatg gtttcttct-3'(SEQ ID NO:14);および105:5'-gtctgcagcg ggatggttt-3'(SEQ ID NO:15)である。
【0053】
GM-CSF、IL-3およびIL-5受容体に共通のベータ鎖に対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドが、in vivoで、好酸球の流入を阻害することが可能であるか決定する実験を行った。図17において、アンチセンスオリゴヌクレオチドRB141A:5'-TGGCACTTTA GGTGGCTG-3'(SEQ ID NO:16)が、in vitroで、GM-CSF、IL-3およびIL-5受容体に共通のラットベータ鎖のmRNA発現を阻害するのに有効であることに注目すべきである。左にあるのは、コントロール、RB141Aおよびセンス処理SS141骨髄細胞におけるG3PDH遺伝子に関する半定量的RT-PCRの結果である。右にあるのは、右から左に、GM-CSF、IL-3およびIL-5受容体に共通のベータサブユニットの半定量的RT-PCRの結果であり;レーン2はRB141Aを用いた遺伝子発現の阻害を示す(AS 141)。ブラウンノルウェイ(Brown Norway)ラットをペントタール(65 mg/kg、i.p.)で麻酔した。これらをその後、屠殺し、下肢を回収し、そして大腿を単離した。骨を70%エタノール中で10分間インキュベーションした。骨の両端を切断し、そして15 mlのRPMI 1640の注入および吸引により、骨髄を得た。細胞を2回洗浄し、そして培地単独で、10μM RB141Aまたは10μMのセンスオリゴヌクレオチドRB141S:5'-CAGCCACCTA AAGTGCCA-3'(SEQ ID NO:17)を含む、RPMI 1640中で、37℃で5%CO2中で6時間、インキュベーションした。
【0054】
さらなる実験において、200 mgの水酸化アルミニウムと混合した1.25 mgの卵白アルブミンを皮下注射することにより、ブラウンノルウェイラットを卵白アルブミンに対し能動的に感作した。第14日目に、ラットに500μlの0.9%NaCl中の500μgのRB141Aを腹腔内投与した。翌日、65 mg/kgペントタールでの全身麻酔および気管内挿管後、50μlの0.9%NaCl中の200μgのアンチセンスを気管内または腹腔内いずれかに投与する。20分後、50μl中の200μgの卵白アルブミンを気管内または腹腔内いずれかに注入することにより、卵白アルブミン攻撃を行う。8時間後、全身麻酔後、ラットに再び挿管し、そして5回の5 ml点滴注入からなる肺洗浄または8 mlでの腹腔洗浄を行う。細胞を洗浄し、計数し、そしてCytospin III中でスライド上に遠心分離する。差別的細胞計数を行う。図Aにおいて、GM-CSF、IL-3およびIL-5受容体に共通のベータ鎖に対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドRB141Aは、肺または腹腔への好酸球流入をおよそ50%阻害することに注目すべきである。図18Aに、RB141の効果を示す腹腔液から得られた結果を示す(AS141)。図18Bに、RB141の効果を示す肺BALからの結果を示す(AS141)。
【0055】
これらの結果は、GM-CSF、IL-3およびIL-5受容体に共通のベータ鎖に対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドが、異なるアレルギー性疾患で起こる、好酸球流入および/または生存の阻止に重要であることを示す。
【0056】
図15ないし18から示すことが可能であるように、IL-3、IL-5およびGM-CSF受容体に共通のベータサブユニットに対して向けられる、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、受容体発現、細胞増殖、好酸球補充および生存を阻害するのに有効である。
【0057】
実施例 IV
ケモカインの CCR3 受容体を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド
CCR3受容体に関し考慮すべき事柄が2つある:1)該受容体はTh2上に発現され、そしてTh1リンパ球上に発現されない、2)CCR3受容体は、アレルギー性または喘息性炎症の部位への好酸球の補充に重要である。ケモカインであるエオタキシン(Eotaxin)、MCP-4およびRANTESは、それらのほとんどの影響を、CCR3受容体を通じ伝える。これらのケモカインは、アレルギーおよび喘息患者の肺に存在し、そして該患者の肺で増加する(Lamkhiouedら、Journal of Immunology, 159:4593-4601, 1997)。図19は、エオタキシンがアレルギーおよび喘息患者の肺の上皮細胞および炎症細胞で増加していることを示す。喘息患者および正常コントロールの、気道(19A、19B、19E)およびBAL細胞における(19C、19D、19Fないし19H)、エオタキシンmRNA(19Aないし19D)およびタンパク質(19Eないし19H)の発現および細胞分布を評価した。エオタキシンmRNA発現は、正常(19B)気道に比べ、喘息(19A)のもので増加している。目立った染色は、アレルギー喘息気道の上皮細胞(Ep)で、そして多くの炎症細胞(矢じり)で観察される。図19Cおよび19Dは、それぞれ、喘息患者および正常コントロールから得られたBAL細胞のサイトスピン調製のin situハイブリダイゼーションの代表的な例である。生検細胞試料および生検切片に、エオタキシンmRNAに相補的なFITC標識アンチセンスリボプローブをハイブリダイズさせた。BAL中で陽性にハイブリダイズしている細胞の大部分は、マクロファージと一致する形態を示した(矢じり)。図19Eは、喘息患者の各生検切片中のエオタキシンの免疫組織化学検出を示す。エオタキシン免疫反応性は、ファーストレッド(fast red)色原体で視覚化し、そして上皮および炎症細胞に位置決定された(矢じり)。図19Fは、二重免疫組織化学により、喘息患者由来のBAL細胞におけるCD-68陽性マクロファージ(茶色)とエオタキシン免疫反応性(赤)が共に局在していることを示す。二重陽性細胞の例は、矢じりで示されている。図19Gおよび19Hは、それぞれ、喘息患者および正常コントロールから得られたBAL細胞のエオタキシン免疫蛍光染色を示す。好酸球中のエオタキシン免疫染色に注目されたい(矢じり)。
【0058】
喘息のアレルギー患者の肺に存在する異なるケモカインの、精製好酸球の走化性に対する寄与もまた、評価した。したがって、喘息患者で肺気管支肺胞洗浄を行った。centriconTMカラムを用い、上清を10倍に濃縮した。異なるケモカインに対して向けられる抗体の、BAL液に反応した好酸球移動に対する阻害性効果を表2に評価する。走化性アッセイを行う前に、BAL液を、緩衝液、コントロールAb、ポリクローナルウサギ抗エオタキシン、抗MCP-4、抗RANTES AbまたはこれらのAbの混合物と、1時間プレインキュベーションした。各アッセイにおいて、BAL中に用いたエオタキシンの濃度が示されている。実験は48ウェル微量走化性チャンバー(NeuroProbe)を用い、行った。ポリカーボネートフィルター(5μm孔サイズ)上でヒト好酸球の移動を行った。好酸球(2×106細胞/ml)をRPMI培地に再懸濁し、チャンバーに装填し、37℃、5%CO2で60分間インキュベーションし、そしてフィルターを固定し、そしてRALキット(Labonord、フランス)で染色した。5つの選択した高倍率視野(倍率×400)で、顕微鏡により好酸球を計数した。異なる走化性アッセイからの結果を比較するため、走化性指数(CI)を以下のように計算した:CI=(試験試料の計数)/(コントロール培地の計数)。該式において、試験試料の計数は、BALまたはエオタキシンに向かって移動した細胞の数を表し、コントロール計数は、RPMIに反応した細胞の移動の平均である。3人の個人から得た好酸球に対して行った実験に関し、移動阻害パーセンテージおよび信頼区間を示す。阻害パーセンテージは、式:100-((Ab処理液中の移動細胞数の平均)/(未処理液中の移動細胞数の平均))×100により計算した。
【0059】
表 2
気管支肺胞洗浄(BAL)液に反応した好酸球移動に対する抗体(Ab)の阻害性効果
【0060】
【表2】
【0061】
aBAL試料単独と比較し、信頼区間に関しp<0.05;および
bBAL試料単独と比較し、信頼区間に関しp<0.01
NRS:正常ウサギ血清。
【0062】
表2において、大部分CCR3受容体を通じ作用する3つのケモカインは、喘息BAL中の好酸球の走化作用のおよそ50%の原因である。
これらの結果は、(CCR3受容体を通じて作用する)ケモカインは、アレルギー性喘息で増加しそして重要であり、そしてアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いたCCR3受容体の阻害は、したがって、アレルギーおよび喘息の治療において重要であることを示す。
【0063】
CCR3受容体に対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドが、本受容体のmRNA発現を阻害することが可能であるかどうか決定する実験を行った。図20において、CCR3受容体に対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチド(CCR3AS 86(RC86A):5'-CTGGGCCATC AGTGCTCTG-3'、SEQ ID NO:18)が、好酸球経路へと分化しているHL60細胞において、CCR3のmRNAの発現を阻害するのに有効であることに注目すべきである。mRNA調製を標準化するのに用いたハウスキーピング遺伝子はG3PDH(451 bpのバンド、右のゲル)であった。左のゲルは、センスオリゴヌクレオチド(CCR3SS 86:5'-CAGAGCACTG ATGGCCCAG-3';SEQ ID NO:19)に比べ、RC86AがCCR3のmRNAを阻害することを示す(中央のレーン)。HL60細胞(クローン15)は、10%の熱不活性化ウシ胎児血清、ペニシリン、ストレプトマイシン、l-グルタミンおよび0.5モルの酢酸を補ったRPMI 1640中で、37℃で5%CO2中で10日間培養することにより、好酸球様細胞に分化させ、培地単独で、10μM CCCR3AS1または10μM CCR3SSと6時間培養した。トライゾールを用いmRNAを単離し、そしてmRNAの量をG3PDHで標準化した後、CCR3のmRNAの発現を、培地中で(コントロール)、CCR3AS 86(中央のレーン)とまたはCCR3SS 86(右のレーン)と培養した細胞から得たmRNAで評価した。
【0064】
CCR3受容体に対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドが、CCR3受容体でトランスフェクションされているGhost細胞上の本受容体のmRNA発現を阻害することが可能であるか評価する実験もまた、行った。これらの細胞をNIHから得て、そしてMLV BABE-puroベクターを用いたレトロウイルス感染を介し、CCR3遺伝子を導入した。図21、右のゲルにおいて、CCR3受容体に対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチド(RC86A)が、10μモルのアンチセンスとインキュベーションされていないコントロールに比べ、CCR3受容体のmRNA発現を阻害するのに有効であることに注目すべきである。左のゲルは、ハウスキーピング遺伝子G3PDHに関し得られた結果を示す。
【0065】
CCR3受容体に対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドが、本受容体の機能を阻害することが可能かどうか評価するさらなる実験を行った。図22において、CCR3受容体に対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチド(RC269AS:5'-CCCTGACATA GTGGATC-3'、SEQ ID NO:20)およびRC86Aが、好酸球におけるカルシウム流動(走化作用の徴候)を阻害するのに有効であることに注目されたい。Ficoll Hypaque遠心分離、赤血球溶解に続き、MACS細胞選別装置上の抗CD16被覆磁気ビーズを用いた陰性選択(好中球を除くため)により、喘息患者から得た血液から、ヒト好酸球を精製した。好酸球をその後、洗浄し、そして10%の熱不活性化ウシ胎児血清、ペニシリン、ストレプトマイシンおよびl-グルタミンを補ったRPMI 1640中の組換えヒトIL-5(1.6 ng/ml)と、37℃で5%CO2中で一晩インキュベーションした。細胞を洗浄し、そしてその後、10μMのRC269ASまたは10μMのRC269S 5'-GATCCACTAT GTCAGGG-3'(SEQ ID NO:21)の存在下または非存在下で、4時間、RPMI 1640中でインキュベーションし、洗浄し、そしてRPMI 1640中に2.5×106細胞/mlで再懸濁し、そして3μMの濃度のFura-2Mと45分間インキュベーションした。細胞をPBSで2回洗浄し、そしてカルシウム緩衝液(PBS、1 mM HEPES、1 mM Ca++)に再懸濁した。エオタキシン刺激直後のカルシウム流出を、Perkin Elmer L50B分光光度計で測定した(励起340 nm、スリット5 nmおよび発光492 nm、スリット5 nm)。
【0066】
その後、CCR3受容体に対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドが、in vivoで、好酸球の流入を阻害することが可能であるか決定する実験を行った。図23において、ホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドRCC3A4 5'-ACTCATATTC ATAGGGTG-3'(SEQ ID NO:22)が、in vitroで、ラットCCR3のmRNA発現を阻害するのに有効であることに注目されたい。左に、アンチセンスを含まないコントロール培地、CCR3受容体発現に対し有効でないことが証明されているアンチセンスであるCCR3A2(5'-GCCAACACAG CATGAACG-3'、SEQ ID NO:23)を含む培地、およびRCC3A4(10μモル)を含む培地で処理した骨髄細胞における、G3PDH遺伝子に関する半定量的RT-PCRの結果を示す。右には、右から左へ、ラットCCR3受容体の半定量的RT-PCRの結果を示し;レーン1はRCC3A4を用いた遺伝子発現の阻害を示す。ブラウンノルウェイラットをペントタール(65 mg/kg、i.p.)で麻酔した。これらをその後、屠殺し、下肢を回収し、そして大腿を単離した。骨を70%エタノール中で10分間インキュベーションした。骨の両端を切断し、そして15 mlのRPMI 1640の注入および吸引により、骨髄を得た。細胞を2回洗浄し、そして培地単独で、10μMのRC3A2または10μMのRCC3A4を含む培地で、RPMI 1640中で、37℃で5%CO2中で6時間、インキュベーションした。
【0067】
さらなる実験は、CCR3受容体に対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドが、in vivoで、腹腔へのそして肺への好酸球流入を阻害するのに有効であることを示す。200 mgの水酸化アルミニウムと混合した1.25 mgの卵白アルブミンを皮下注射することにより、ブラウンノルウェイラットを卵白アルブミンに対し能動的に感作した。第14日目に、ラットに500μlの0.9%NaCl中の500μgのRCC3A4または0.9%NaClを腹腔内投与した。翌日、1.25 mgの卵白アルブミンを腹腔内投与することにより、ラットを攻撃する。8時間後、ラットを65 mg/kgのペントタールで麻酔し、腹腔を開き、そして8 mlのRPMI 1640で洗浄する。洗浄溶液を回収し、細胞を洗浄し、計数し、そしてCytospin III中でスライド上に遠心分離する。差別的細胞計数を行う。図18Aにおいて、CCR3受容体に対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドRCC3A4は、腹腔への好酸球流入をおよそ60%阻害することに注目すべきである。
【0068】
さらなる実験において、200 mgの水酸化アルミニウムと混合した1.25 mgの卵白アルブミンを皮下注射することにより、ブラウンノルウェイラットを卵白アルブミンに対し能動的に感作した。第14日目に、ラットに500μlの0.9%NaCl中の500μgのRCC3A4または0.9%NaClを腹腔内投与した。翌日、65 mg/kgペントタールでの全身麻酔および気管内挿管後、50μlの0.9%NaCl中の200μgのアンチセンスを気管内投与する。20分後、50μl中の200μgの卵白アルブミンを気管内注入することにより、卵白アルブミン攻撃を行う。8時間後、全身麻酔後、ラットに再び挿管し、そして5回の5 ml点滴注入からなる肺洗浄を行う。細胞を洗浄し、計数し、そしてCytospin III中でスライド上に遠心分離する。差別的細胞計数を行う。図18Bにおいて、CCR3受容体に対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドRCC3A4は、肺への好酸球流入をおよそ66%阻害することに注目すべきである。
【0069】
これらの結果は、CCR3受容体に対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドが、異なるアレルギー性疾患で起こる好酸球流入およびしたがってそれらの影響の阻止において、重要であることを示す。
【0070】
さらに、サイトカインIL-5(IL-5受容体を通じて作用する)でのプライミングは、細胞が刺激された際、細胞の走化作用を増加させるかまたはケモカインを放出させることが可能である。
【0071】
図24は、IL-5での好酸球のプライミングが、好酸球をエオタキシンで刺激した際の該細胞の走化作用を増加させることを示す。IL-5(IL-5受容体を通じて作用する)と好酸球をプレインキュベーションすると、試験したすべての用量で、エオタキシンにより誘導される走化作用が増加する。走化作用のピークは、プライミングしたものでより高く、これはエオタキシンの効果に対するIL-5の相乗効果を示唆する。用量反応曲線は、エオタキシンに対する精製ヒト好酸球の走化活性(黒い四角)およびIL-5とのプレインキュベーション後のポリカーボネートフィルターを通じた移動(閉じた円)を示す。Ficoll-Paque(Pharmacia)密度遠心分離により、末梢血から単核細胞および顆粒球を精製した。デキストラン沈降により顆粒球を得た。磁気細胞選別系(Miltenyi Biotec)を用い、抗CD16および抗CD13被覆免疫磁気微小ビーズにより、4℃でヒト好酸球をさらに精製した。ギムザで染色した後に概算した好酸球集団の純度の度合いは、92および100%の間であった。結果を、5つの高倍率視野の平均±SDとして示している。コントロール血清は走化性にまったく影響を及ぼさなかった。「*」で同定される結果は、各濃度のエオタキシンで、プライミングしていない好酸球と比べ、p<0.01で異なる可能性を表す。
【0072】
図25aないし25Iは、IL-5での好酸球のプライミングが、細胞におけるケモカインの量を増加させ、そして免疫グロブリンでの刺激後、その放出を増加させることを示す。IL-5で好酸球を一晩プレインキュベーションすると、コントロール(図25F)と比較した際、エオタキシン(図25A)およびMCP-4(図25B)の発現が増加した。好酸球をIgE-抗IgEで刺激すると、やはりエオタキシン(図25C、25D、25E)またはMCP-4(図25G、25H、25I)を放出するであろう。好酸球は上述のように精製し、そして組換えヒトIL-5(1 ng/ml)と一晩インキュベーションした。このインキュベーションは、培地単独でインキュベーションしたコントロール細胞(図25F)と比べ、細胞におけるエオタキシン(図25A)およびMCP-4(図25B)を増加させた。IgEと15分間のプレインキュベーションした後、抗IgEに曝露することによる好酸球の刺激は、15分(図25C、25G)、2時間(図25D、25H)または12時間(図25E、25I)で進行性にエオタキシン(図25C、25D、25E)またはMCP-4(図25G、25H、25I)を放出させる。
【0073】
したがって、異なる受容体(例えばIL-5およびCCR3受容体)に対して向けられる、本発明と一致したアンチセンスオリゴヌクレオチドの組み合わせは、アレルギー、喘息または腫瘍性細胞増殖の治療において相乗効果を有する。
【0074】
GM-CSF、IL-3およびIL-5受容体に共通のベータ鎖に対して向けられるアンチセンスホスホロチオエートRB141A並びにCCR3受容体に対して向けられるアンチセンスホスホロチオエートRCC3A4の組み合わせが、どちらか単独の場合と比較して、抗原攻撃後の肺への好酸球補充に対し相乗効果を持つかどうか評価するため、ブラウンノルウェイラットで実験を行った。200 mgの水酸化アルミニウムと混合した1.25 mgの卵白アルブミンを皮下注射することにより、ブラウンノルウェイラットを卵白アルブミンに対し能動的に感作した。第14日目に、ラットに500μlの0.9%NaCl中の500μgのRCC3A4および500μgのRB141Aまたは0.9%NaClを腹腔内投与した。翌日、65 mg/kgペントタールでの全身麻酔および気管内挿管後、60μlの0.9%NaCl中の180μgの各アンチセンスを気管内投与する。20分後、60μl中の200μgの卵白アルブミンを気管内投与することにより、卵白アルブミン攻撃を行う。8時間後、全身麻酔後、ラットに再び挿管し、そして5回の5 ml点滴注入からなる肺洗浄を行う。細胞を洗浄し、計数し、そしてCytospin III中でスライド上に遠心分離する。差別的細胞計数を行う。図18Bにおいて、CCR3受容体並びにGM-CSF、IL-3およびIL-5受容体に共通のベータサブユニットに対して向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドRCC3A4およびRB141Aは、肺への好酸球流入に対する相乗効果を持つことに注目すべきである。好酸球流入の阻害は、およそ90%であった。
【0075】
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、アレルギーおよび喘息における可溶性IL-4受容体の使用に比べ、以下の利点を有する:a)実施例1に示されるように、これらの分子の大きさがはるかに小さいため、組織中に分散し、そして受容体を発現している細胞(上皮細胞、平滑筋細胞)に浸透することが可能になり;b)IL-13もまたアレルギーおよび喘息で増加しているため、IL-4およびIL-13受容体に共通のサブユニットに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用により、IgE産生の多くの観点でIL-4の効果と類似のIL-13の効果を遮断することにより、より広い効果が可能になり;そしてc)多くのサイトカイン(IL-3、IL-5およびGM-CSFまたはIL-4およびIL-13またはCCR3(エオタキシン、RANTESおよびMCP-4))の受容体に対する抗受容体オリゴヌクレオチドの組み合わせは、炎症性カスケードにおける特定の個体の異種性が存在する疾患において、より広い効果を可能にするであろう。
【0076】
さらに、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の利点を有する:a)アンチセンス抗受容体オリゴヌクレオチドは(サイトカイン自体に向けられた場合)、投与部位に存在する組織または炎症細胞に直接作用し、そして媒介体の放出を潜在的に遮断することにより間接的に作用するのではないであろうし;b)アンチセンス抗受容体オリゴヌクレオチドは、アレルギーおよび喘息の患者の血液中で産生されそして増加するサイトカインの分散により影響を受けないであろうし;そしてc)本発明の1つのアンチセンス抗受容体オリゴヌクレオチドは、アレルギーまたは喘息で増加していることが示されている2つまたは3つの媒介体の影響を遮断し、したがって1つの媒介体または受容体に対してのみ向けられる1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドより広い影響を有し、そしてしたがって利点を有するであろう。
【0077】
本発明は、特定の態様と関連して記載されてきているが、さらなる修飾が可能であり、そして本出願は、一般的に本発明の原理にしたがった本発明のいかなる変形、使用または適応も含むよう意図されることが理解されるであろうし、そして本発明が関連する当業内に既知のまたは習慣的な実施に由来するような、そして先に示される本質的な特徴および付随する請求項の範囲に適用してもよいような、本開示からの逸脱を含む。
〔配列表〕
SEQUENCE LISTING
<110> Topigen Pharmaceuticals Inc.
<120> ANTISENSE OLIGONUCLEOTIDES FOR TREATING
OR PREVENTING ATOPIC DISEASES AND NEOPLASTIC CELL
PROLIFERATION
<130> 003149
<140> JP 2000-554846
<141> 1999-06-17
<150> CA2235420
<151> 1998-06-17
<160> 23
<170> FastSEQ for Windows Version 3.0
<210> 1
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Antisense oligonucleotide inhibiting the common
subunit of IL-4 and IL-13 human receptor
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<223> Antisense oligonucleotide inhibiting the common
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<223> Antisense oligonucleotide inhibiting the common
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IL-3, IL-5 and GM-CSF rat receptor
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human receptor
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<223> Antisense oligonucleotide inhibiting the CCR3 rat
receptor
<400> 23
gccaacacag catgaacg 18
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、初期の喘鳴を有する被検体における、ハウスダスト-ダニ抗原に対する応答におけるIL-4産生が増加することを示す。
【図2】 図2Aおよび2Bは、喘鳴の重症度の予想として、細気管支炎に罹っているときのサイトカイン産生を示す。
【図3】 図3Aおよび3Bは、IL-2に応答する際の血液単核細胞によるいIFN産生と、幼児における細気管支炎後2年の喘息の発生との関連を示す。
【図4】 図4Aおよび4Bは、幼児における細気管支炎時にIL-2に応答する際のインターフェロンγ産生と、Vmax FRC(4A)またはPC40ヒスタミン(4B)との相関を示す。
【図5】 図5Aから5Cは、ラット肺中に噴霧若しくは呼吸させた8時間後の、FITC標識アンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの分布を示す。
【図6】 図6Aおよび6Bは、投与24時間後のラットの肺洗浄中で回収された、炎症性細胞(図6A)および炎症性細胞(緑色蛍光)中への道筋を見いだしたFITC-標識アンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチド(図6B)を示す。
【図7】 図7は、投与後24時間後のラットの気管支肺胞洗浄(BAL)および肺(バイオプシー)から回収された場合に、対照アンチセンスオリゴヌクレオチド(Eot.FITC)と比較して、アンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが依然として正常であることを示すゲルを示す。
【図8】 図8は、フローサイトメトリーにより検出する場合に、アンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチドOD1、OD2およびOD3がRAJI細胞におけるIL-4およびIL-13産生を阻害することを示す。
【図9】 図9Aおよび9Bは、免疫沈降およびウェスタンにより検出する場合に、本発明の一態様に従うアンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチドOD1、OD2およびOD3が、RAJI細胞におけるIL-4受容体のタンパク質発現を阻害することを示す。
【図10】 図10は、アンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチドA1.3がIL-4/IL-13受容体のαサブユニットのmRNA発現を阻害することを示す。
【図11】 図11Aから11Fは、免疫化学により検出する場合に、RAJI細胞におけるIL-4およびIL-13受容体のタンパク質発現を阻害する場合の、アンチセンスオリゴヌクレオチドOD2の用量反応を示す。
【図12】 図12は、アンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチドOD2およびA1.3がヒト臍帯血Th-2前駆細胞におけるIL-4産生の阻害とIFN-γ産生の増大を示す。
【図13】 図13Aおよび13Bは、アンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチド107Aが、TF1(図13A)およびU937(図13B)細胞におけるIL-3、IL-5およびGM-CSF受容体の共通βサブユニットのmRNA発現(半定量的RT-PCR)を阻害することを示す。
【図14】 図14は、免疫沈降およびウェスタンにより検出する場合に、アンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチド107Aが、TF1細胞におけるIL-3、IL-5およびGM-CSF受容体の共通βサブユニットのタンパク質発現を阻害することを示す。
【図15】 図15は、アンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチド107Aが、用量反応としてTF1細胞増殖を阻害することを示す。
【図16】 図16は、アンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチド107Aが、TF1細胞成長を阻害することを示す。
【図17】 図17は、ラット骨髄細胞中のGM-CSF、IL-3およびIL-5受容体のmRNA発現を阻害することを示す。
【図18】 図18Aおよび18Bは、アンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチドRB141A(ラットGM-CSF、IL-3およびIL-5受容体のβサブユニットを指向する)、RCC3A4(ラットCCR3受容体を指向する)、あるいは両方の組合せが、卵白アルブミンチャレンジ後の腹腔(左)または肺(右)中で好酸球の流入を阻害することを示す。
【図19】 図19Aから19Hは、エオタキシンmRNA(図19Aから19D)およびタンパク質(図19Eから19H)の発現および細胞分布を、アレルギー性喘息の患者(図19A、19C、19E、19F、19G)および正常対照(図19B、19D、19 H)の、気道中(図19A、19B、19E)およびBAL細胞(図19C、19D、19Fから19H)について示す。
【図20】 図20は、CCR3受容体を指向するアンチセンス(RC86A、図中ではCCR3AS 86と呼ばれる)の、好酸球経路中に分化したHL60細胞(クローン15)におけるCCR3 mRNA発現に対する影響を示す。
【図21】 図21は、CCR3受容体を指向するアンチセンスRC86Aの、CCR3受容体をトランスフェクトしたGhost細胞中でのCCR3 mRNA発現に対する影響を示す。
【図22】 図22は、CCR3受容体を指向するホスホロチオエートアンチセンスRC86AおよびホスホロチオエートアンチセンスRC 269の、精製ヒト好酸球におけるカルシウム移動に対する影響を示す。
【図23】 図23は、CCR3受容体を指向するホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドRCC3A4の、ラット骨髄細胞におけるCCR3 mRNA発現に対する影響を示す。
【図24】 図24は、IL-5を用いてあらかじめインキュベーションすることの、エオタキシンにより誘導される化学走性に対する影響を示す。
【図25】 図25Aから25Iは、IL-5を用いて一晩あらかじめインキュベーションすることの、ケモカイン産生に対する影響を示す。
Claims (28)
- IL-3受容体、IL-5受容体およびGM-CSF受容体の共通βサブユニットをコードする核酸配列に対する、アンチセンスオリゴヌクレオチド。
- SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、およびSEQ ID NO:16からなる群から選択される配列を有する、請求項1に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
- 請求項1または2に定義した少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドを、医薬的に許容可能な担体とともに含む、喘息、アレルギー、過好酸球増加症、炎症、または増殖因子感受性の癌を治療および/または予防するための医薬組成物。
- 喘息、アレルギー、過好酸球増加症、炎症、または増殖因子感受性の癌を治療および/または予防するための医薬の製造のための、請求項1または2に定義したアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用。
- 喘息、アレルギー、過好酸球増加症、炎症、または増殖因子感受性の癌を治療および/または予防するための医薬の製造のための、請求項3に定義した医薬組成物の使用。
- IL-3受容体、IL-5受容体およびGM-CSF受容体の共通βサブユニットをコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチド、およびIL-4受容体およびIL-13受容体の共通サブユニットをコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、医薬組成物。
- IL-3受容体、IL-5受容体およびGM-CSF受容体の共通βサブユニットをコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、およびSEQ ID NO:16として示されるアンチセンスオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項6に記載の医薬組成物。
- IL-4受容体およびIL-13受容体の共通サブユニットをコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、およびSEQ ID NO:7として示されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項6に記載の医薬組成物。
- IL-3受容体、IL-5受容体およびGM-CSF受容体の共通βサブユニットをコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、およびSEQ ID NO:16として示されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択され、そしてIL-4受容体およびIL-13受容体の共通サブユニットをコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、およびSEQ ID NO:7として示されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項6に記載の医薬組成物。
- CCR3受容体をコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項6に記載の医薬組成物。
- CCR3受容体をコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、およびSEQ ID NO:23として示されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項10に記載の医薬組成物。
- IL-3受容体、IL-5受容体およびGM-CSF受容体の共通βサブユニットをコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチド、およびCCR3受容体をコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、医薬組成物。
- IL-3受容体、IL-5受容体およびGM-CSF受容体の共通βサブユニットをコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、およびSEQ ID NO:16からなる群から選択される、請求項12に記載の医薬組成物。
- CCR3受容体をコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、およびSEQ ID NO:23として示されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項12に記載の医薬組成物。
- IL-3受容体、IL-5受容体およびGM-CSF受容体の共通βサブユニットをコードする核酸に対する少なくとも一つのオアンチセンスリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、およびSEQ ID NO:16として示されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択され、そしてCCR3受容体をコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、およびSEQ ID NO:23として示されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項12に記載の医薬組成物。
- 喘息、アレルギー、過好酸球増加症、炎症、または増殖因子感受性の癌を治療および/または予防するための医薬の製造のための、請求項6に定義した医薬組成物の使用。
- IL-3受容体、IL-5受容体およびGM-CSF受容体の共通βサブユニットをコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、およびSEQ ID NO:16として示されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項16に記載の使用。
- IL-4受容体およびIL-13受容体の共通サブユニットをコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、およびSEQ ID NO:7として示されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項16に記載の使用。
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- 喘息、アレルギー、過好酸球増加症、炎症、または増殖因子感受性の癌を治療および/または予防するための医薬の製造のための、請求項10に定義した医薬組成物の使用。
- IL-3受容体、IL-5受容体およびGM-CSF受容体の共通βサブユニットをコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、およびSEQ ID NO:16として示されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項20に記載の使用。
- IL-4受容体およびIL-13受容体の共通サブユニットをコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、およびSEQ ID NO:7として示されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項20に記載の使用。
- CCR3受容体をコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、およびSEQ ID NO:23として示されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項20に記載の使用。
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- 喘息、アレルギー、過好酸球増加症、炎症、または増殖因子感受性の癌を治療および/または予防するための医薬の製造のための、請求項12に定義した医薬組成物の使用。
- IL-3受容体、IL-5受容体およびGM-CSF受容体の共通βサブユニットをコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、およびSEQ ID NO:16として示されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項25に記載の使用。
- CCR3受容体をコードする核酸に対する少なくとも一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、およびSEQ ID NO:23として示されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項25に記載の使用。
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