JP4611345B2 - 水電解セル、それを用いた水電解スタック及び水素製造装置 - Google Patents

水電解セル、それを用いた水電解スタック及び水素製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、水電解効率を向上させた水電解セル、それを用いた水電解スタック及び水素製造装置に関する。
純水を直接電気分解することにより、高純度の水素ガス及び酸素ガスを発生する水電解装置が種々提案されている。
図8を参照して従来の固体高分子膜型水電解装置を説明する。
図8は従来技術に係る水電解装置を示す概略図である。図9は水電解スタックの水流れを示す模式図である。図10は水電解セルの概略図である。図11は従来の水電解セルの平面図である。図12は図11のA−A矢視断面図である。図13は固体高分子電解質膜の平面図である。図14は従来のガス溜まり部位が発生する水電解セルの平面図である。
図8に示すように、従来の固体高分子膜型水解装置(水電解装置)110は、固体高分子電解質膜111によって内部が陽極室112と陰極室113に区画された水電解槽114と、上記陽極室112の固体高分子電解質膜111側に電解水115を供給する水供給手段と、水電解により発生した酸素(O2 )及び水素(H2 )を分離する酸素分離手段及び水素分離手段とを具備してなる固体高分子膜型水電解装置であって、上記固体高分子電解質膜111が鉛直方向に立設されてなる水電解槽114の上方に水供給タンク120を設置してなり、水供給タンク120からの水を循環水121として固体高分子電解質膜111に自然循環しつつ供給するようにしている。すなわち、上記電解槽114内の固体高分子電解質膜111は鉛直軸方向に立設されており、上記陰極室113側に循環水121を供給する循環水供給手段122は、電解槽114の上方側に設置してなる水供給タンク120と、上記水供給タンク120からの循環水121を自然落下による降下流を電解質膜の下端側から供給しつつ循環させる降下ライン123と、発生した水素(H2 )を上昇流として循環水と共に水素(H2)/水(H2 O)の二相流124として水素分離手段へ送給する上昇ライン125とを備えてなるものである。
一方、酸素側においては、水供給タンク132から供給された電解水115を約60℃程度まで冷却する冷却手段133と、該冷却手段133の下流側に介装され水中の汚染物を除去するフィルタ134と、該フィルタ134の下流側に介装され電解水115を80℃以上まで加熱する加熱手段135と、電解水115を循環させる循環ポンプ136とを備えてなり、電解水115を陽極室112内に供給して酸素(O2 )/水(H2 O)の二相流137を形成している。上記水供給タンク132は循環水121側の水供給タンク120と同様に、気水分離機能を有しており、酸素を分離している。
このように、固体高分子電解質膜111で発生する水素が、水電解槽114の上方側に設置した水供給タンク120からの自然循環水121によって固体高分子電解質膜111の下端側から入流され、固体高分子電解質膜111に沿って上昇する際に、上昇二相流として固体高分子電解質膜111の界面から水素を取り除くことになるので、気泡の抜けが良好となり、電解効率を向上するようにしている。
ここで、電解効率向上のためには、図9に示すように、陽極側と陰極側電極が両面に形成された固体高分子電解質膜111を立設してなる電解セル150を複数集合させて水電解スタック151を構成して多量の酸素及び水素の製造をしている。
図9では、水電解スタック151の四隅に水素側水供給口152−1、酸素側水供給口152−2と出口153−1、153−2とを対角線上に配置している。そして、循環水121を供給する水素側水供給口152−1と酸素側水供給口152−2とを、ガスの出口である水素/水・二相流124の出口153−1と、酸素/水・二相流137の出口153−2とをクロスする位置となるようにし、水電解スタック151内を通過する循環水121の流れがクロスするようにし、均温化を図るようにしている。
この水電解セルの概略を図10に示す。図10に示すように、水電解セル150は、一対のセパレータ162,163と、該セパレータ162,163の間に設けられた固体高分子電解質膜111と、該固体高分子電解質膜111とセパレータ162、163の間に介装され、水の流動抵抗が小さく(圧力損失が小さい)、しかも電気抵抗が小さい給電体164とから構成されている。なお、前記給電体164はその周囲をパッキン165で囲み、図11に示すように該パッキン165には水供給ヘッダ166と水排出ヘッダ167とが設けられており、循環水121の供給及び排出を効率よくしている。
この結果、水素側における気泡の抜けが良好となるので固体高分子電解質膜111に対しての電流密度を、例えば1〜3A/cm2 程度と向上させることができる。このときの上昇流の流速としては、0.3〜1.0m/s程度としている。ここで、上記水供給タンク120は、水素分離手段を兼用しており、水素を分離する気水分離タンクを構成している(特許文献1及び2)。
特開2002−285368号公報 特開2005−330514号公報
ところで、水電解スタック151を構成するセパレータ162は給電体164がその中心に位置すると共に、その周囲にパッキン165が取付けられている。
そして、水電解装置として使用する場合は固体高分子電解質膜111をセパレータ162、163で両側から挟み込むようにしているので、この状態で循環水121を給電体164部分に通水し、直流電力をセパレータ162から対極のセパレータ163へ投入すると固体高分子電解質膜111の電極170部分で水が電気分解され、水素と酸素が発生するが、従来技術にかかる電極170の塗布範囲は給電体164よりも若干広くなっており、給電体164全体で電気分解が行われている。
しかしながら、給電体164の端部では循環水121の流れがほとんどないため、冷却が効率よく行われず、図14に示すように、ガス溜り部位168が発生し、電気分解により給電体164端部の温度が上昇し、固体高分子電解質膜111の破損が発生する場合がある。
そこで、給電体164の端部での温度上昇を防止すると共に、給電体164端部のガス滞留を解消し、水電解効率の向上を図ることが切望されている。
本発明は、前記問題に鑑み、給電体の端部での温度上昇を防止すると共に、給電体端部のガス滞留を解消し、水電解効率の向上を図ることができる水電解セル、それを用いた水電解スタック及び水素製造装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、一対のセパレータと、該一対のセパレータの間に設けられた陽極及び陰極が両面に形成された固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜とセパレータの間に介装された給電体とからなる水電解セルであって、電極形成面が水電解により発生するガスのガス溜まりが発生する部位を除いて形成されてなり、前記固体高分子電解質膜と給電体との間に、陽極及び陰極面が水電解により発生するガスのガス溜まり部位を除いて電解反応を行うように電解領域を規制する絶縁シートを介装してなることを特徴とする水電解セルにある。
第2の発明は、第1の発明において、前記絶縁シートは、前記給電体の周囲よりも内側位置に電解領域を規制することを特徴とする水電解セルにある。
第3の発明は、一対のセパレータと、該一対のセパレータの間に設けられた陽極及び陰極が両面に形成された固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜とセパレータの間に介装された給電体とからなる水電解セルであって、電極形成面が水電解により発生するガスのガス溜まりが発生する部位を除いて形成されてなり、前記電極形成面の周囲が、給電体の周囲よりも3〜20mm内側に位置するように形成されてなることを特徴とする水電解セルにある。
第4の発明は、第3の発明において、前記固体高分子電解質膜と給電体との間に、前記給電体の周囲よりも内側位置に電解領域を規制する絶縁シートを介装してなることを特徴とする水電解セルにある。
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記給電体は、その周囲に固体高分子電解質膜と略同一形状のパッキンを備えてなると共に、該パッキンには、四隅の対角線上に設けた水供給孔及び水排出孔と、前記水供給孔から給電体に循環水を導入する水供給ヘッダと、前記給電体に導入された循環水を水排出孔へ排出する水排出ヘッダとを有することを特徴とする水電解セルにある。
第6の発明は、第5の発明において、前記給電体がメッシュ状であることを特徴とする水電解セルにある。
第7の発明は、第1乃至6のいずれか一つの水電解セルを複数積層させてなることを特徴とする水電解スタックにある。
第8の発明は、第7の水電解スタックを有してなり、陽極側給電体と陰極側給電体とに循環水を供給し、両給電体間に直流電流を印加し、陰極側に水素ガスを取り出してなることを特徴とする水素製造装置にある。
本発明によれば、一対のセパレータの間に設けられた陽極及び陰極が両面に形成された固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜とセパレータの間に介装された給電体とからなる水電解セルであって、前記電極形成面が水電解により発生するガスのガス溜まりが発生する部位を除いて形成されてなるので、循環水の供給が滞ることがなく、給電体の端部での温度上昇を防止すると共に、給電体端部のガス滞留が解消され、水電解効率の向上を図ることができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[第1の実施の形態]
本実施の形態に係る水電解装置に用いる水電解セルについて、図面を参照して説明する。図1−1〜図1−3は、実施の形態に係る水電解セルを示す構成図を各々示し、図1−1は固体高分子電解質膜の平面図、図1−2は水電解セルの平面図、図1−3は水電解セルの断面図である。
図1−1〜図1−3に示すように、本実施の形態に係る水電解セル50Aは、一対のセパレータ62、63と、該一対のセパレータ62、63の間に設けられた陽極側及び陰極側電極が両面に形成された固体高分子電解質膜51と、該固体高分子電解質膜51とセパレータ62、63の間に介装された給電体64とからなる水電解セル50であって、電極形成面70Aが水電解により発生するガス(水素ガス又は酸素ガス)のガス溜まりが発生する部位を除いて形成されてなるものである。
本実施形態では、従来と同様に、水電解セル50Aの四隅に循環水供給孔52−1、52−2と排出孔53−1、53−2とを対角線上に配置している。そして、循環水16を供給する水素側水供給口52−1と酸素側水供給口52−2とを、ガスの出口である水素/水・二相流16−1の出口53−1と、酸素/水・二相流16−2の出口53−2とをクロスする位置となるようにし、水電解セル50A内を通過する循環水16の流れが積層した際にクロスするようにし、均温化を図るようにしている。
ここで、図1−2においては、酸素/水・二相流16−2の面を図示しているが、その裏面側は水素/水・二相流16−1となる。
なお、図1−2中、符号65はパッキン、6は循環水16の水導入ヘッダ、67は水排出ヘッダを各々図示する。
また、給電体64の構造は、特に限定されるものではないが、好ましくは、メッシュ状とするのがよい。
本実施の形態では、給電体64をメッシュ状として、その厚みを4mm程度としている。また、複数の目開きの異なるメッシュ状の給電体を積層するようにしてもよい。すなわち、セパレータ62側がメッシュの目開きが大きい給電体としており、水の通水性を良好なものとしている。一方、固体高分子電解質膜51側はメッシュの目開きが小さい給電体として、電気抵抗が小さくなるように、固体高分子電解質膜51と給電体64との接触が良好となるようにしてもよい。これにより、給電体64は、循環水の水路機能と給電機能とを併せ持つものとなる。
また、このような水電解セル50の厚さは90〜180μm程度として、電極厚さは20〜40μm程度としている。
本実施の形態によれば、前記電極形成面70Aが水電解により発生するガス(水素ガス又は酸素ガス)のガス溜まりが発生する部位を除いて形成されてなるので、循環水16の供給が滞ることがなく、給電体64の端部での温度上昇を防止すると共に、給電体64端部のガス滞留が解消され、水電解効率の向上を図ることができる。
[第2の実施の形態]
本実施の形態に係る水電解装置に用いる水電解セルについて、図面を参照して説明する。図2−1は、本実施の形態に係る固体高分子電解質膜の平面図、図2−2は水電解セルの平面図である。
図2−1及び図2−2に示すように、本実施の形態の水電解セル50Bは、電極形成面70Bの周囲が、給電体64の周囲の内側に位置するように形成されてなるものである。
すなわち、図2−2に示すように、電極形成面70Bが給電体64の周囲よりも幅Dだけ内側となるように、点線の枠内とすることで、循環水16の供給が滞ることがなく、給電体64の端部での温度上昇を防止すると共に、給電体64端部のガス滞留が解消され、水電解効率の向上を図ることができる。
ここで、前記電極形成面70Bの周囲が給電体64の周囲よりも幅Dが3〜20mm内側に位置(給電体形状に合わせて六角形(略亀の甲型)とする。)するように形成されてなる。より好ましくは、幅Dを5〜20mm程度とするのがよい。
また、本実施の形態の給電体64の大きさは、L1=365mm×W1=275mmであり、その内側に形成される電極形成面70BはL2=340mm×W2=240mmとするのがよい。
このように、前記電極形成面70Bの周囲が給電体64の周囲よりも3〜20mm内側に位置するように形成することにより、給電体64端部での電気分解が無く、給電体64端部の温度上昇を防止できる。
また、発生ガスの滞留も起きにくくなり、固体高分子電解質膜51が乾燥することも防止できる。
本構造にて確認試験を実施した結果、従来構造のガス溜まりが発生する構造では、電解時の加熱を防止することが可能で、気相の滞留による冷却不足を防止することができる。
[第3の実施の形態]
本実施の形態に係る水電解装置に用いる水電解セルについて、図面を参照して説明する。図3−1、3−2は、実施の形態に係る水電解セルを示す構成図を各々示し、図3−1は絶縁シートの平面図、図3−2は水電解セルの平面図である。
図3−1及び図3−2に示すように、本実施の形態の水電解セル50Cは、前記固体高分子電解質膜と給電体64との間に、前記電極形成面の周囲が給電体64の周囲よりも内側位置となるように電解領域を規制して電解反応を行う絶縁シート80を介装してなる。前記絶縁シート80は、電解領域を規制するように開口部81が形成されている。
そして、給電体64の端部から10mm程度内側の範囲までを覆うことができる開口部81を有する絶縁シート80を介装することで、循環水16の供給が滞ることがなく、給電体64の端部での温度上昇を防止すると共に、給電体64端部のガス滞留が解消され、水電解効率の向上を図ることができる。
ここで、前記絶縁シート80は、例えばテフロン(登録商標)等の良好な絶縁性と百数十度の耐熱性があることが望ましい。
セパレータと固体高分子セルの間に絶縁シート80を挟み込み、給電体64の端部から10mm程度をマスキングすることで、給電体64端部の電流通過を防止し、電気分解を防止することができる。
この絶縁シート80を介装することにより、固体高分子電解質膜51が製作過程での水による膨潤などにより電極形成面サイズがはみだした場合においても、水電解反応の反応場を規制することができるので、好ましい。
この結果、本実施の形態に係る絶縁シート80を介在させることにより、実施例1と同様に本構造にて給電体64端部の温度上昇を防止することができる。
また第1又は第2の実施の形態の水電解セルと組み合せて使用することでさらにその効果が向上することとなる。
[第4の実施の形態]
次に、前記水電解セルを用いた水電解装置について説明する。
図4は、本実施の形態に係る水電解装置を示す概略斜視図であり、図5はその縦断面図(図7のB―B矢視断面図)、図6はその正面図、図7は図6のC−C矢視図である。
これらの図面に示すように、本実施の形態に係る水電解装置10は、容器本体11内の下端面から所定間隔を有して設けられ、循環する循環水12を浄化する浄化層13と、容器本体11の頂部11aから垂下し、容器本体11内を第1の部屋14−1と第2の部屋14−2とに分離する仕切板25と、容器本体11の外部に設けられ、循環水を電気分解して水素と酸素を発生する前述した水電解セル50A(50B又は50C)を複数積層してなる水電解スタック15と、該水電解スタック15に浄化した循環水16を供給する水供給管17と、水電解スタック15から循環水16に同伴されてなる水素/水・二相流18−1を容器本体11の第1の部屋14−1に送給する第1の送給管19−1と、水電解スタック15から循環水16に同伴されてなる酸素/水・二相流18−2を容器本体11の第2の部屋14−2に送給する第2の送給管19−2と、第1の部屋14−1から水素を排出する水素排出部20と、第2の部屋14−2から酸素を排出する酸素排出部21とを具備してなり、水電解スタック15に供給する循環水12を浄化しつつ自然循環してなるものである。図5中、符号30は保温材、31はヒータ等による加熱部である。
ここで、本実施の形態では、前記容器本体11を仕切る仕切板25により容器本体内を第1の部屋14−1と第2の部屋14−2とに分離しているが、前記仕切板25は少なくとも浄化層13に接するようにすることが望ましい。これは第1の部屋14−1で発生する水素と第2の部屋14−2で発生する酸素との接触を防止する必要があるからである。よって、より望ましくは仕切板25が浄化層13の下方部まで垂下しているほうがよい。
また、発生する水素と酸素とが接触することがないように、水素/水・二相流18−1を第1の部屋14−1に送給する第1の送給管19−1に連結された水素発生管19−1aと、酸素/水・二相流18−2を第2の部屋14−2に送給する第2の送給管19−2に連結された酸素発生管19−2aの出口部分の周囲をかこむように例えばセラミックスや焼結材料等で覆い、下方側へ水素又は酸素の移動を防止するようにしてもよい。この場合には、水素と酸素が交わることがないので、仕切板25は浄化層13まで到達していなくてもよい。
また、容器本体11内の水面を一定にするように図示しない圧力計により、各部屋の圧力を測定し、各部屋が均圧となるように調整するようにしている。
このため、水素ガスの水素排出部20には水素ガス排出管20aが接続され、バルブ20bの開閉により適宜調整している。同様に、酸素ガスの酸素排出部21には酸素ガス排出管21aが接続され、バルブ21bの開閉により適宜調整している。
また、図5に示すように、水電解により水が消費されるので、容器本体11には水レベル計43を設置し、ボールタップ41等により所定量の水が給水管を介して給水42されるようにしている。
本実施の形態では容器本体11内を加圧しているが、本発明はこれに限定されず、常圧であってもよい。なお、外部に電解スタックを設置する場合には、セルのシール性から数から数10圧とするのが好ましい。これにより、高圧の水素ガスを得ることができる。
また、容器本体11を耐圧容器として、数気圧〜800気圧とするようにしてもよい。
この場合には、容器本体11内に支持部材により支持された水電解スタック15を浄化層13の下部に設置している。そして、水電解スタック15下側に設けた各々設けた水供給口に酸素側循環水及び水素側循環水を供給している。また、循環水の流れをクロスするように供給することにより、水電解スタック15内部に熱の片寄りを是正し、均温化を図ることができる。
この結果、高圧の水素を得ることができるので、コンプレッサ等を用いることなくそのまま例えば水素自動車等の燃料タンクに供給することができる。よって、高い高圧容器内部に水電解スタック15を配設すると共に、該水電解スタック15に供給する電解水を自然循環とすることができるので、コンパクトを図ると共に所内効率がさらに向上する。
ここで、本実施の形態の浄化層13は例えば直径数mm程度のイオン交換樹脂から構成されている。イオン交換樹脂を充填するために、容器本体11の下端面から所定の距離で網又は細孔を有する支持部材13aが設けられており、この支持部材13aにイオン交換樹脂を充填している。この充填量は循環水を効率よく浄化する量とすればよく、またその厚さは後述する循環水の圧力損失に繋がるので、圧力損失がバランスするような所定の厚さとすればよい。
この浄化層13の例えばイオン交換樹脂等を循環水が通過することにより循環水中の不純物を除去し、水電解効率の向上を図ることができる。すなわち、供給した外部からの水や水電解時により発生する不純物が水電解時において膜の表面に付着すると膜での電解効率が低減するのが、浄化層13を通過させることでこれを解消することができる。
ここで、前記イオン交換樹脂としては、例えば「ダウエックス*マラソン*C600」(商品名:ダウ・ケミカル日本社製)、「ダイヤイオンTSA1200」(商品名:三菱化学社製)、又は「ダイヤイオンSAT1200&SMT1200」(商品名:三菱化学社製)を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、図5に示すように、本実施の形態では容器本体11の周囲を保温材30により保温するようにしている。これは、水電解により発生した熱(投入される電力のうち水電解に使用される以外の電力はほとんど熱に変換する。)を外部に逃がすのを防止し、熱的自立の完全化を図るためである。この結果、循環水を約80℃で長期間に亙って安定して循環することができる。
なお、発熱により循環水の温度が所定の温度よりも高くなるような場合には、外部から給水量を調節して温度を調整するようにすればよい。
また、本実施の形態では加熱部31を容器本体11の下方側に設けている。この加熱部31は例えばヒータ等を用いることができるが、本装置により発生した酸素と水素を燃料源としたボイラを用いるようにしてもよい。
ここで、加熱部31は起動時において使用すれば、その後は電解時におけるジュール熱により熱的自立を図ることができる。
このような水電解装置10において、本実施の形態に係る水電解セル50A(50B又は50C)を複数積層してなる水電解スタック15とすることで、循環水16の供給が滞ることがなく、給電体64の端部での温度上昇を防止すると共に、給電体64端部のガス滞留が解消され、水電解効率の向上を図ることができる。すなわち、従来技術においては、電解効率が65%であったものが75%と上昇した。これは、給電体64端部におけるガス滞留が無くなり、有効電解面積が増大したことによる。また、給電体64の面接触性が向上した結果、電解効率の大幅な向上を図ることとなった。なお、この結果、水素の発生量を大幅に向上させることができる。
以上のように、本発明にかかる水電解セルは、循環水の供給が滞ることがなく、給電体の端部での温度上昇を防止すると共に、給電体端部のガス滞留が解消され、水電解効率の向上を図ることができ、長期間に亙って安定して運転することができ、且つ運転効率が大幅に向上するので、水素を効率的に製造することに用いて適している。
第1実施の形態に係る固体高分子電解質膜の平面図である。 第1実施の形態に係る水電解セルの平面図である。 第1実施の形態に係る水電解セルの断面図である。 第2実施の形態に係る固体高分子電解質膜の平面図である。 第2実施の形態に係る水電解セルの平面図である。 第3実施の形態に係る絶縁膜の平面図である。 第3実施の形態に係る水電解セルの平面図である。 第4実施の形態に係る水電解装置を示す概略斜視図である。 図7のB―B矢視断面図である。 図4の正面図である。 図6のC−C矢視断面図である。 従来技術に係る水電解装置を示す概略図である。 水電解スタックの水流れを示す模式図である。 水電解セルの概略図である。 従来の水電解セルの平面図である。 図11のA−A矢視断面図である。 固体高分子電解質膜の平面図である。 従来のガス溜まり部位が発生する水電解セルの平面図である。
10 水電解装置
11 容器本体
12 循環水
13 浄化層
14−1 第1の部屋
14−2 第2の部屋
16 浄化した循環水
17 水供給管
18−1 水素/水・二相流
18−2 酸素/水・二相流
19−1 第1の送給管
19−2 第2の送給管
20 水素排出部
21 酸素排出部
50A〜50C 水電解セル
51 固体高分子電解質膜
64 給電体
65 パッキン
70A、70B 電極形成面
80 絶縁シート

Claims (8)

  1. 一対のセパレータと、
    該一対のセパレータの間に設けられた陽極及び陰極が両面に形成された固体高分子電解質膜と、
    該固体高分子電解質膜とセパレータの間に介装された給電体とからなる水電解セルであって、
    電極形成面が水電解により発生するガスのガス溜まりが発生する部位を除いて形成されてなり、
    前記固体高分子電解質膜と給電体との間に、陽極及び陰極面が水電解により発生するガスのガス溜まり部位を除いて電解反応を行うように電解領域を規制する絶縁シートを介装してなることを特徴とする水電解セル。
  2. 請求項1において、
    前記絶縁シートは、前記給電体の周囲よりも内側位置に電解領域を規制することを特徴とする水電解セル。
  3. 一対のセパレータと、
    該一対のセパレータの間に設けられた陽極及び陰極が両面に形成された固体高分子電解質膜と、
    該固体高分子電解質膜とセパレータの間に介装された給電体とからなる水電解セルであって、
    電極形成面が水電解により発生するガスのガス溜まりが発生する部位を除いて形成されてなり、
    前記電極形成面の周囲が、給電体の周囲よりも3〜20mm内側に位置するように形成されてなることを特徴とする水電解セル。
  4. 請求項3において、
    前記固体高分子電解質膜と給電体との間に、前記給電体の周囲よりも内側位置に電解領域を規制する絶縁シートを介装してなることを特徴とする水電解セル。
  5. 請求項1乃至のいずれか一つにおいて、
    前記給電体は、その周囲に固体高分子電解質膜と略同一形状のパッキンを備えてなると共に、
    該パッキンには、四隅の対角線上に設けた水供給孔及び水排出孔と、
    前記水供給孔から給電体に循環水を導入する水供給ヘッダと、
    前記給電体に導入された循環水を水排出孔へ排出する水排出ヘッダとを有することを特徴とする水電解セル。
  6. 請求項において、
    前記給電体がメッシュ状であることを特徴とする水電解セル。
  7. 請求項1乃至のいずれか一つの水電解セルを複数積層させてなることを特徴とする水電解スタック。
  8. 請求項の水電解スタックを有してなり、
    陽極側給電体と陰極側給電体とに循環水を供給し、両給電体間に直流電流を印加し、陰極側に水素ガスを取り出してなることを特徴とする水素製造装置。
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