JP2005330514A - 水電解装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水電解設備のコンパクト化を図り所内効率が向上する水電解装置を提供する。
【解決手段】容器本体11内に設けられ、循環する循環水12を浄化する浄化層13と、容器本体11の頂部11aから垂下し、容器本体11内を第1の部屋14−1と第2の部屋14−2とに分離する仕切板25と、循環水を電気分解して水素と酸素を発生する水電解スタック15と、該水電解スタック15に浄化した循環水16を供給する水供給管17と、水電解スタック15からの水素/水・二層流18−1を第1の部屋14−1に送給する第1の送給管19−1と、水電解スタック15からの酸素/水・二層流18−2を送給する第2の送給管19−2と、第1の部屋14−1から水素を排出する水素排出部20と、第2の部屋14−2から酸素を排出する酸素排出部21とを具備してなり、水電解スタック15に供給する循環水12を浄化しつつ自然循環してなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば固体高分子電解質膜を隔膜として用いて水を電気分解して酸素及び水素を製造する水電解装置及び方法に関する。
図10を参照して従来の固体高分子膜型水分解装置を説明する。図10に示すように、固体高分子電解質膜111によって内部が陽極室112と陰極室113に区画された水電解槽114と、上記陽極室112の固体高分子電解質膜111側に電解水115を供給する水供給手段と、水電解により発生した酸素(O2 )及び水素(H2 )を分離する酸素分離手段及び水素分離手段とを具備してなる固体高分子膜型水電解装置であって、上記固体高分子電解質膜111が鉛直方向に立設されてなる水電解槽114の上方に水供給タンク120を設置してなり、水供給タンク120からの水を循環水121として固体高分子電解質膜111に自然循環しつつ供給するようにしている。すなわち、上記電解槽114内の固体高分子電解質膜111は鉛直軸方向に立設されており、上記陰極室113側に循環水121を供給する循環水供給手段122は、電解槽114の上方側に設置してなる水供給タンク120と、上記水供給タンク120からの循環水121を自然落下による降下流を電解質膜の下端側から供給しつつ循環させる降下ライン123と、発生した水素(H2 )を上昇流として循環水と共に水素(H2)/水(H2 O)の二層流124として水素分離手段へ送給する上昇ライン125とを備えてなるものである。
一方、酸素側においては、水供給タンク132から供給された電解水115を約60℃程度まで冷却する冷却手段133と、該冷却手段133の下流側に介装され水中の汚染物を除去するフィルタ134と、該フィルタ134の下流側に介装され電解水を80℃以上まで加熱する加熱手段135と、電解水を循環させる循環ポンプ136とを備えてなり、電解水115を陽極室112内に供給して酸素(O2 )/水(H2 O)の二層流137を形成している。上記水供給タンク132は循環水側のタンク120と同様に、気水分離機能を有しており、酸素を分離している。
このように、電解質膜111で発生する水素が、水電解槽114の上方側に設置した水タンク120からの自然循環水によって膜の下端側から入流され、膜に沿って上昇する際に、上昇二層流として膜の界面から水素を取り除くことになるので、気泡の抜けが良好となり、電解効率を向上するようにしている。なお、電解効率向上のためには通常膜を立設してなるセルを複数集合させてスタックを構成して多量の酸素及び水素の製造をしている。
この結果、水素側における気泡の抜けが良好となるので固体高分子電解質膜111に対しての電流密度を、例えば1〜3A/cm2 程度と向上させることができる。このときの上昇流の流速としては、0.3〜1.0m/s程度としている。ここで、上記水供給タンク120は、水素分離手段を兼用しており、水素を分離する気水分離タンクを構成している(特許文献1)。
特開2002−285368号公報
しかしながら、水の電気分解により発生した水素が陽極室112から陰極室113側に移動する際に、水も同伴するので、水素側の水供給タンク120内に循環水121が溜まるという、問題がある。このため、なお、余剰の水は別途廃棄するか、酸素側の水供給タンク132にポンプを介して供給する必要がある。
また、電解水115を浄化するために、フィルタを設置しているが、電解水115を浄化するために大掛かりな装置となる。
また、特許文献1のような装置では配管が水電解槽114の周囲に張り巡らされ、複雑であるとともに、熱効率の損失が大きなものとなるので、コンパクトで且つ熱効率が向上した水電解設備の出現が望まれている。
本発明は、前記問題に鑑み、水電解設備のコンパクト化を図ると共に、長期間に亙って安定して運転することができ、且つ所内効率が大幅に向上する水電解装置及び方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、容器本体内に設けられ、循環する循環水を浄化する浄化層と、前記容器本体の頂部から垂下し、容器本体内を第1の部屋と第2の部屋とに分離する仕切り板と、前記容器本体の外部に設けられ、循環水を電気分解して水素と酸素を発生する水電解スタックと、該水電解スタックに浄化した循環水を供給する水供給管と、前記水電解スタックから循環水に同伴されてなる水素/水・二層流を容器本体の第1の部屋に送給する第1の送給管と、前記水電解スタックから循環水に同伴されてなる酸素/水・二層流を容器本体の第2の部屋に送給する第2の送給管と、前記第1の部屋から水素を排出する水素排出部と、前記第2の部屋から酸素を排出する酸素排出部とを具備してなり、水電解スタックに供給する循環水を浄化しつつ自然循環してなることを特徴とする水電解装置にある。
第2の発明は、第1の発明において、前記容器本体が耐圧容器であることを特徴とする水電解装置にある。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記水供給管が水電解スタックの酸素側及び水素側に各々供給するものであることを特徴とする水電解装置にある。
第4の発明は、耐圧容器本体内に設けられ、循環する循環水を浄化する浄化層と、前記耐圧容器本体の頂部から垂下し、容器本体内を第1の部屋と第2の部屋とに分離する仕切り板と、前記耐圧容器の本体下部に設けられ、浄化した循環水を電気分解して水素と酸素を発生する水電解スタックと、該水電解スタックに浄化した循環水を供給する水供給部と、前記水電解スタックから循環水に同伴されてなる水素/水・二層流を容器本体の第1の部屋に送給する第1の送給管と、前記水電解スタックから循環水に同伴されてなる酸素/水・二層流を容器本体の第2の部屋に送給する第2の送給管と、前記第1の部屋から水素を排出する水素排出部と、前記第2の部屋から酸素を排出する酸素排出部とを具備してなり、水電解スタックに供給する循環水を浄化しつつ自然循環してなることを特徴とする水電解装置にある。
第5の発明は、第4の発明において、前記水供給部が水電解スタックの酸素側及び水素側に各々供給するものであることを特徴とする水電解装置にある。
第6の発明は、第1乃至5のいずれか一つの発明において、前記浄化層がイオン交換樹脂からなることを特徴とする水電解装置にある。
第7の発明は、第1乃至6のいずれか一つの発明において、前記容器本体の周囲に保温材が設けられていることを特徴とする水電解装置にある。
第8の発明は、第1乃至7のいずれか一つの発明において、前記浄化した循環水を加温する加温部が設けられていることを特徴とする水電解装置にある。
第9の発明は、第1乃至8のいずれか一つの発明において、前記容器本体内に外部より循環水を補充する給水部が設けられていることを特徴とする水電解装置にある。
第10の発明は、第1乃至9のいずれか一つの発明において、前記電解スタックを構成するセルが一対のセパレータと、該セパレータの間に設けられた固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜とセパレータの間に介装され、水の流動抵抗が小さいと共に電気抵抗が小さい給電体とからなることを特徴とする水電解装置にある。
第11の発明は、第1乃至10のいずれか一つの水電解装置を用い、水電解スタックに供給する循環水を浄化しつつ自然循環して水電気分解して水素と酸素とを得ることを特徴とする水電解方法にある。
本発明によれば、自然循環により循環水を水電解スタックに供給するので、従来のような循環水を循環させるポンプが不要となり、装置が簡略化すると共に所内効率の向上を図ることができる。また、容器本体内に浄化層を配設するので、従来のように浄化装置を外部に設置する必要がなくなり、設備のコンパクト化を図ることができる。また、水素同伴水と酸素同伴水を浄化層で浄化した後、一体化するので、従来のようなポンプを用いて余剰水を供給する必要がなくなり、透過水の再利用を図ることができる。これらの結果、水電解装置の系統内の簡素化を図ることができるので、熱的自立を確立することができ、長期間に亙って安定して水電解することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例に係る水電解装置について、図面を参照して説明する。図1は、実施例1に係る水電解装置を示す概略斜視図であり、図2はその縦断面図(図4のA―A矢視断面図)、図3はその正面図、図4は図3のB−B矢視図である。
これらの図面に示すように、本実施例に係る水電解装置10は、容器本体11内の下端面から所定間隔を有して設けられ、循環する循環水12を浄化する浄化層13と、容器本体11の頂部11aから垂下し、容器本体11内を第1の部屋14−1と第2の部屋14−2とに分離する仕切板25と、容器本体11の外部に設けられ、循環水を電気分解して水素と酸素を発生する水電解スタック15と、該水電解スタック15に浄化した循環水16を供給する水供給管17と、水電解スタック15から循環水に同伴されてなる水素/水・二層流18−1を容器本体11の第1の部屋14−1に送給する第1の送給管19−1と、水電解スタック15から循環水に同伴されてなる酸素/水・二層流18−2を容器本体11の第2の部屋14−2に送給する第2の送給管19−2と、第1の部屋14−1から水素を排出する水素排出部20と、第2の部屋14−2から酸素を排出する酸素排出部21とを具備してなり、水電解スタック15に供給する循環水12を浄化しつつ自然循環してなるものである。
図2中、符号30は保温材、31はヒータ等による加熱部である。
ここで、本実施例では、前記容器本体11を仕切る仕切板25により容器本体内を第1の部屋14−1と第2の部屋14−2とに分離しているが、前記仕切板25は少なくとも浄化層に接するようにすることが望ましい。これは第1の部屋14−1で発生する水素と第2の部屋14−2で発生する酸素との接触を防止する必要があるからである。よって、より望ましくは仕切り板が浄化層13の下方部まで垂下しているほうがよい。
また、発生する水素と酸素とが接触することがないように、水素/水・二層流18−1を第1の部屋14−1に送給する第1の送給管19−1に連結された水素発生管19−1aと、酸素/水・二層流18−2を第2の部屋14−2に送給する第2の送給管19−2に連結された酸素発生管19−2aの出口部分の周囲をかこむように例えばセラミックスや焼結材料等で覆い、下方側へ水素又は酸素の移動を防止するようにしてもよい。この場合には、水素と酸素が交わることがないので、仕切板25は浄化層13まで到達していなくてもよい。
また、容器本体内の水面を一定にするように図示しない圧力計により、各部屋の圧力を測定し、各部屋が均圧となるように調整するようにしている。
このため、水素ガスの水素排出部20には水素ガス排出管20aが接続され、バルブ20bの開閉により適宜調整している。同様に、酸素ガスの酸素排出部21には酸素ガス排出管21aが接続され、バルブ21bの開閉により適宜調整している。
また、図2に示すように、水電解により水が消費されるので、容器本体11には水レベル計43を設置し、ボールタップ41等により所定量の水が給水管を介して給水42されるようにしている。
本実施例では容器本体11内を加圧しているが、本発明はこれに限定されず、常圧であってもよい。なお、外部に電解スタックを設置する場合には、セルのシール性から数から数10圧とするのが好ましい。これにより、高圧の水素ガスを得ることができる。
また、図9に示すように容器本体を耐圧容器71として、数気圧〜800気圧とするようにしてもよい。
この場合には、容器本体71内に支持部15aにより支持された電解スタック15を浄化層13の下部に設置している。そして、電解スタック15下側に設けた各々設けた水供給口に酸素側循環水及び水素側循環水を供給している。また、循環水の流れをクロスするように供給することにより、電解スタック15内部に熱の片寄りを是正し、均温化を図ることができる。
この結果、高圧の水素を得ることができるので、コンプレッサ等を用いることなくそのまま例えば水素自動車等の燃料タンクに供給することができる。よって、高い高圧容器内部に水電解スタック15を配設すると共に、該水電解スタック15に供給する電解水を自然循環とすることができるので、コンパクトを図ると共に所内効率がさらに向上する。
ここで、本実施例の浄化層13は例えば直径数mm程度のイオン交換樹脂から構成されている。イオン交換樹脂を充填するために、容器本体11の下端面から所定の距離で網又は細孔を有する支持部材13aが設けられており、この支持部材13aにイオン交換樹脂を充填している。この充填量は循環水を効率よく浄化する量とすればよく、またその厚さは後述する循環水の圧力損失に繋がるので、圧力損失がバランスするような所定の厚さとすればよい。
この浄化層13の例えばイオン交換樹脂等を循環水が通過することにより循環水中の不純物を除去し、水電解効率の向上を図ることができる。すわなち、供給した外部からの水や水電解時により発生する不純物が水電解時において膜の表面に付着すると膜での電解効率が低減するのが、浄化層13を通過させることでこれを解消することができる。
ここで、前記イオン交換樹脂としては、例えば「ダウエックス*マラソン*C600」(商品名:ダウ・ケミカル日本社製)、「ダイヤイオンTSA1200」(商品名:三菱化学社製)、又は「ダイヤイオンSAT1200&SMT1200」(商品名:三菱化学社製)を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、図2に示すように、本実施例では容器本体11の周囲を保温材30により保温するようにしている。これは、水電解により発生した熱(投入される電力のうち水電解に使用される以外の電力はほとんど熱に変換する。)を外部に逃がすのを防止し、熱的自立の完全化を図るためである。この結果、循環水を約80℃で長期間に亙って安定して循環することができる。
なお、発熱により循環水の温度が所定の温度よりも高くなるような場合には、外部から給水量を調節して温度を調整するようにすればよい。
また、本実施例では加熱部31を容器本体11の下方側に設けている。この加熱部31は例えばヒータ等を用いることができるが、本装置により発生した酸素と水素を燃料源としたボイラを用いるようにしてもよい。
ここで、加熱部31は起動時において使用すれば、その後は電解時におけるジュール熱により熱的自立を図ることができる。
また、本実施例では、浄化した循環水16を水電解スタック15に供給する際に、酸素側と水素側の両方に供給するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも酸素側の水供給路側のみに供給するようにすればよい。
この酸素側の水供給路側のみとする場合には、循環する水量を酸素側のみで低減でき、容器本体の直径を小さくすることが可能となり、コンパクト化を図ることができる。
また、その供給方法も図5に示すように、水素側水供給口41−1と酸素側水供給口41−2とを、ガスの出口である水素/水・二層流18−1の出口42−1と、酸素/水・二層流18−2の出口42−2とをクロスする位置となるようにし、水電解スタック15内を通過する循環水の流れがクロスするようにし、均温化を図るようにしている。
また、水電解スタック15を構成するセルにおいても循環水の圧力損失が低下せず、しかも固体高分子膜とは接触率が良好な水を供給する水供給路を兼ねた給電体を用いるようにしている。
このセルの概略を図6に示す。図6に示すように、セル50は、一対のセパレータ52,53と、該セパレータ52,53の間に設けられた固体高分子電解質膜51と、該固体高分子電解質膜51とセパレータの間に介装され、水の流動抵抗が小さく(圧力損失が小さい)、しかも電気抵抗が小さい給電体54とから構成されている。本実施例では給電体54は固体高分子膜51側から順次(本実施例では三層54−1乃至54−3)そのメッシュの目開きを大きくしている。
この給電体54は、セパレータ側がメッシュの目開きが大きい給電体54−3としており、水の通水性を良好なものとしている。一方、固体高分子膜51側はメッシュの目開きが小さい給電体54−1としており、電気抵抗が小さくなるように、固体高分子膜51と給電体54−1との接触を良好としている。これにより、給電体54は、循環水の水路機能と給電機能とを併せ持つものとなる。
例えばセパレータ側の目開きの大きな給電体54−3はメッシュ厚さを例えば0.6mm、メッシュ数が10個/インチ、線径600μmとしている。また、セパレータ側の目開きの小さな給電体54−1はメッシュ厚さを例えば0.1mm、メッシュ数が36個/インチ、線径100μmとしている。そして、線径を変更したり、メッシュの数を多くしたりすることで、その傾斜機能を持たせている。本実施例では、固体高分子膜51に接触する給電体として、図示しないが厚さ0.1mmとし、フォトエッチングにより微細な孔を形成したものを用いている。
なお、本実施例ではメッシュの目開きの大きさにより、傾斜機能を発揮させているが、本発明はこれに限定されるものではなく、循環水の通水性及び電気特性を兼ね備えたものとすればよい。前記電解スタック15は上述したセルを複数枚積層してなるものであり、その能力及び大きさに応じて積層枚数を適宜設定している。
ここで、循環水が自然循環する作用について説明する。
浄化層13を通過する際に水の圧力損失が生じる。この流量が大きい場合には圧力損失が増大する。また電解スタック15においても圧力損失が生じ、流量が多くなると圧力損失が増大する。一方、電解スタック15及び送給管の内部においては一定電流でガスの発生が一定であれば循環流量が大きい場合ボイド率が低下し、循環力が低下する。よって、バランスする適量が存在する。
本実施例では、以下の設計条件に対して行った。
容器本体内の圧力(P)を7ata、電流密度(I)を1A/cm2、温度(T)を80℃とした。また、浄化層13における酸素側の循環水の水流量を0.5L/min/セルとした。
浄化層13の圧力損失ΔPfについて下記式(1)により求めた。
ΔPf=(μu/k)l ・・・(1)
ここで、kは浸透係数(=9.76×10-11)m2、μは粘性係数(PaS)、uは流速(m/s)、lは浄化層厚(m)である。
一方、電解スタック15の酸素側圧力損失ΔPsは以下により求めた。
上記設計条件におけるスタック圧力損失の試験結果を図7に示す。図7の結果を基に下記二次曲線(式(2))で推定した。
ΔPs=380W2 ・・・(2)
ここで、Wは酸素循環流量(l/min/セル)
次に、循環水の循環力について検討する。
循環力ΔPkは、下記式(3)で求めた。尚、電解試験時に得られた酸素のボイド率と質量流量比との関係を図8に示す。
ΔPk=ΔHβρ ・・・(3)
β=0.1052ln(X)+0.7009 ・・・(4)
ここで、ΔHはヘッド差(m)であり、βはボイド率(−)、ρは密度(kg/m3)、Xは質量流量比(−)である。
図8から式(4)を求め、式(3)に代入して循環力を求めた。
以上の結果から、酸素側の浄化層における圧力損失(ΔPf)が77.5(mmH2O)であり、水電解スタックの圧力損失(ΔPs)が89.5(mmH2O)であり、総合圧力損失が167.1(mmH2O)である。
一方、循環力(ΔPk)は167.1(mmH2O)であり、循環水はバランスするように回ることになる。また、循環力をつけるために、ヘッド差ΔHを大きくするようにすればよい。
なお、酸素側の循環計算よりヘッド差ΔHは1m最低必要である。また、容器本体の内径は0.8mとし、浄化層13の厚さを0.65mmとした。なお、ヘッド差を可変可能とするように水素/水・二層流18−1を容器本体11の第1の部屋14−1に送給する第1の送給管19−1と連結する継手19−1bを介して任意の長さの上昇配管19−1aを繋ぐことができるようにしている。また、酸素側のヘッド差を可変可能とするように、酸素//水・二層流18−2を容器本体11の第2の部屋14−2に送給する第2の送給管19−2と連結する継手19−2bを介して任意の長さの上昇配管19−2aを繋ぐことができるようにしている。
このように、容器本体11内を循環水が自然循環するので、従来のようなポンプが不要となり、所内効率が向上する。
次に、水電解装置を運転して循環水が自然循環に循環すると共に、循環の途中において浄化層13により浄化される作用について説明する。
先ず、容器本体11内に浄化層13を充填し、次いで給水を開始する。その後、容器本体内を加圧して、所定圧(7ata)とする。次に、加熱部31により浄化した循環水16を加熱し、所定温度(80℃)とする。その後水電解スタック15に給電し、水電解を開始する。この水電解により水電解スタック15内において水素/水二層流18−1と酸素/水二層流18−2が形成され、水素と酸素との気体が各々上昇する。この上昇流が形成されるにつれて循環が開始される。その後、上述したようにバランスがとれると自然循環となり、水電解スタックからの水素/水二層流18−1と酸素/水二層流18−2が各々第1の送給管19−1と第2の送給管19−2を介して、第1の部屋14−1及び第2の部屋14−2にそれぞれ水素と酸素とを送り、ここで、気液分離が開始される。
すなわち、第1の部屋14−1に導入された水素/水二層流18−1から水素が気体となって分離される。水は下層の浄化層13側へ流れ、ここで、浄化される。また、第2の部屋14−2に導入された酸素/水二層流18−2から酸素が気体となって分離される。分離された循環水12は容器下側に位置する浄化層13側へ流れ、ここで、浄化されて浄化した循環水16となる。
このように、本実施例による水電解装置10は、容器本体11が気液分離部と浄化部とを一体に兼ね備えたものとなり、水素と酸素を分離した水は浄化層13を通過することで、不純物が除去される。その後、浄化した循環水16として水電解スタック15に供給するようにしている。
また、分離された水素と酸素とは各々容器本体頂部に設けられた第1の部屋14−1から水素を排出する水素排出部20と、第2の部屋14−2から酸素を排出する酸素排出部21とにより外部へ排出され、各々利用される。
この結果、本実施例によれば、容器本体内部に浄化部と気液分離部とを兼ね備えていると共に、循環水を自然循環により循環するようにしているので、従来のような設備におけるポンプ及び浄化装置等を外部に設置する必要がなく、しかも配管の取りまわしも少ないので、コンパクトで且つ簡易な構成の水電解装置を提供することができる。この結果、所内効率の大幅な向上を図ることができる。
例えば容器本体(高さ:約2m、直径:0.8m)内の圧力(P)を0.7MPa(7ata)、電流密度(I)を1A/cm2、温度(T)を80℃とし、浄化層13における酸素側の循環水の水流量を0.5L/min/セルとする場合、2.6Nm3/hrの水素を製造することができる。
以上のように、本発明にかかる水電解装置は、水電解設備のコンパクト化を図ると共に、長期間に亙って安定して運転することができ、且つ効率的が大幅に向上するので、水素を効率的に製造することに用いて適している。
実施例に係る水電解装置を示す概略斜視図である。 図4のA―A矢視断面図である。 図2の正面図である。 図3のB−B矢視図である。 水電解スタックの水流れを示す模式図である。 水電解スタックのセルの概略図である。 設計条件におけるスタック圧力損失の試験結果を示す図である。 電解試験時に得られた酸素のボイド率と質量流量比との関係を示す図である。 実施例に係る超高圧の水電解装置を示す概略図である。 従来技術に係る水電解装置を示す概略図である。
符号の説明
10 水電解装置
11 容器本体
12 循環水
13 浄化層
14−1 第1の部屋
14−2 第2の部屋
16 浄化した循環水
17 水供給管
18−1 水素/水・二層流
18−2 酸素/水・二層流
19−1 第1の送給管
19−2 第2の送給管
20 水素排出部
21 酸素排出部
25 仕切板

Claims (11)

  1. 容器本体内に設けられ、循環する循環水を浄化する浄化層と、
    前記容器本体の頂部から垂下し、容器本体内を第1の部屋と第2の部屋とに分離する仕切り板と、
    前記容器本体の外部に設けられ、循環水を電気分解して水素と酸素を発生する水電解スタックと、
    該水電解スタックに浄化した循環水を供給する水供給管と、
    前記水電解スタックから循環水に同伴されてなる水素/水・二層流を容器本体の第1の部屋に送給する第1の送給管と、
    前記水電解スタックから循環水に同伴されてなる酸素/水・二層流を容器本体の第2の部屋に送給する第2の送給管と、
    前記第1の部屋から水素を排出する水素排出部と、
    前記第2の部屋から酸素を排出する酸素排出部とを具備してなり、
    水電解スタックに供給する循環水を浄化しつつ自然循環してなることを特徴とする水電解装置。
  2. 請求項1において、
    前記容器本体が耐圧容器であることを特徴とする水電解装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記水供給管が水電解スタックの酸素側及び水素側に各々供給するものであることを特徴とする水電解装置。
  4. 耐圧容器本体内に設けられ、循環する循環水を浄化する浄化層と、
    前記耐圧容器本体の頂部から垂下し、容器本体内を第1の部屋と第2の部屋とに分離する仕切り板と、
    前記耐圧容器の本体下部に設けられ、浄化した循環水を電気分解して水素と酸素を発生する水電解スタックと、
    該水電解スタックに浄化した循環水を供給する水供給部と、
    前記水電解スタックから循環水に同伴されてなる水素/水・二層流を容器本体の第1の部屋に送給する第1の送給管と、
    前記水電解スタックから循環水に同伴されてなる酸素/水・二層流を容器本体の第2の部屋に送給する第2の送給管と、
    前記第1の部屋から水素を排出する水素排出部と、
    前記第2の部屋から酸素を排出する酸素排出部とを具備してなり、
    水電解スタックに供給する循環水を浄化しつつ自然循環してなることを特徴とする水電解装置。
  5. 請求項4において、
    前記水供給部が水電解スタックの酸素側及び水素側に各々供給するものであることを特徴とする水電解装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
    前記浄化層がイオン交換樹脂からなることを特徴とする水電解装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つにおいて、
    前記容器本体の周囲に保温材が設けられていることを特徴とする水電解装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一つにおいて、
    前記浄化した循環水を加温する加温部が設けられていることを特徴とする水電解装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一つにおいて、
    前記容器本体内に外部より循環水を補充する給水部が設けられていることを特徴とする水電解装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一つにおいて、
    前記水電解スタックを構成するセルが一対のセパレータと、該セパレータの間に設けられた固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜とセパレータの間に介装され、水の流動抵抗が小さいと共に電気抵抗が小さい給電体とからなることを特徴とする水電解装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一つの水電解装置を用い、水電解スタックに供給する循環水を浄化しつつ自然循環して水電気分解して水素と酸素とを得ることを特徴とする水電解方法。
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