JP4608486B2 - 設計支援装置、設計支援方法、ならびに、プログラム - Google Patents

設計支援装置、設計支援方法、ならびに、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、設計支援装置、設計支援方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムに関するものである。
従来から、CAD/CAM(Computer Aided Design/Computer Aided Manufacturing)システム等のコンピュータを用いた設計支援の手法が提案されている。一方で、多数の部品から構成される各種の機器等の設計においては、各種の部品やこれらを結合した機器が要求を満たすか、十分に注意を払う必要がある。このような局面においても、コンピュータによる支援が望まれている。
一方で、設計対象を実際に試作・製造した場合に不具合が生じないかを設計段階で人間が簡単に知ることは難しく、このような知識を得るためには長年の経験や勘が必要とされてきた。
しかしながら、設計対象が多様化・複雑化する今日では、技術者の経験や勘に頼るのではなく、これを「知識」として共有し、設計段階でこれらの知識を利用するようなコンピュータを用いた設計支援環境が求められている。
本発明は、設計対象に不具合等が生ずる可能性を設計段階で発見するのに好適な設計支援装置、設計支援方法、ならびに、これらをコンピュータに実現させるためのプログラムを提供することができる。
本発明の第1の態様は、不具合レコード記憶部と、辞書部と、入力受付部と、不具合レコード検索部と、順序判断部と、出力部と、を備える設計支援装置であって、前記不具合レコード記憶部は、1以上の定義属性、1以上の不具合モード、並びに、任意に制御属性、ストレス属性もしくはストレングスを含む不具合レコードを記憶し、前記辞書部は、不具合モード辞書部と定義属性辞書部とを含み、前記不具合モード辞書部は、不具合モードを原因名として、定義属性、制御属性、ストレス属性、ストレングス、もしくは、不具合モードを結果名として、含む関連レコードを記憶し、前記定義属性辞書部は定義属性、および、一部の前記定義属性間の順序関係を記憶し、前記入力受付部は、定義属性、制御属性、もしくは、ストレス属性の1以上の入力を受け付け、前記不具合レコード検索部は、(a)前記不具合レコードから、前記入力を受け付けられた定義属性、制御属性、もしくは、ストレス属性を含む不具合レコードを検索し、表示対象不具合レコードとして記憶し、(b)前記表示対象不具合レコードの不具合モードを原因名として含む関連レコードを検索し、(c)当該検索された関連レコードの結果名を定義属性、制御属性、ストレス属性、ストレングス、もしくは、不具合モードに含む不具合レコードを前記表示対象不具合レコードの中から検索し、(d)前記(c)工程で不具合レコードが検索された場合に、当該検索された不具合レコードを結果不具合レコードとし、前記(b)工程の表示対象不具合レコードを原因不具合レコードとした、前記原因不具合レコードと前記結果不具合レコードとの間の因果方向を含む因果連鎖関係を記憶し、(e)前記(b)工程の関連レコード検索が全ての前記表示対象不具合レコードの不具合モードについて行われるまで、上記(b)〜(d)工程を繰り返し、前記順序判断部は、前記表示対象不具合レコードの中から1以上の前記因果連鎖関係を有する2以上の不具合レコードからなる因果連鎖不具合レコード群を抽出して記憶し、当該因果連鎖不具合レコード群に含まれる不具合レコード同士の定義属性間に、定義属性辞書部に記憶された順序関係があると判断された場合に、当該順序関係と前記因果方向とを比較し、前記順序関係と前記因果方向とが同一の場合、前記2つの不具合レコード間の全ての因果連鎖関係を正順序連鎖として記憶し、前記順序関係と前記因果方向とが異なる場合、前記2つの不具合レコード間の全ての因果連鎖関係を逆順序連鎖として記憶し、前記出力部は、 前記表示対象不具合レコード、および、不具合レコード間の正順序連鎖と逆順序連鎖の関係を表示する、設計支援装置である。
前記正順序連鎖と前記逆順序連鎖が、互いに形態の異なる図形で表示されてもよい。前記因果連鎖不具合レコード群において、当該因果連鎖不具合レコード群に含まれる2つの不具合レコードの定義属性の前記順序関係が同順位の場合、前記2つの不具合レコード間の全ての因果連鎖関係を正順序連鎖として記憶することができる。また、前記逆順序連鎖表示の有無が選択可能であってもよい。
また、前記不具合レコード出力部が表示手段であることができる。表示手段としては、CRT、液晶ディスプレイ、プリンタ等が挙げられる。
本発明の第2の態様は、第1の態様の設計支援装置として機能させるためのプログラムである。
また、本発明の第3の態様は、第2の態様のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
また、本発明の第4の態様は、1以上の定義属性、1以上の不具合モード、任意に制御属性、ストレス属性もしくはストレングスを含む不具合レコードを記憶する不具合レコード記憶部と、不具合モードを原因名として、定義属性、制御属性、ストレス属性、ストレングス、もしくは、不具合モードを結果名として含む関連レコードを記憶する不具合モード辞書部と、前記定義属性辞書部は定義属性、および、一部の前記定義属性間の順序関係を記憶する定義属性辞書部とを含む辞書部と、入力受付部と、不具合レコード検索部と、順序判断部と、出力部と、を用いる設計支援方法であって、前記入力受付部が、定義属性、制御属性、もしくは、ストレス属性の1つ以上の入力を受け付ける工程、前記不具合レコード検索部が、(a)前記不具合レコードから、前記入力を受け付けられた定義属性、制御属性、もしくは、ストレス属性を含む不具合レコードを検索し、表示対象不具合レコードとして記憶し、(b)前記表示対象不具合レコードの不具合モードを原因名として含む関連レコードを検索し、(c)当該検索された関連レコードの結果名を定義属性、制御属性、ストレス属性、ストレングス、もしくは、不具合モードに含む不具合レコードを前記表示対象不具合レコードの中から検索し、(d)前記(c)工程で不具合レコードが検索された場合に、当該検索された不具合レコードを結果不具合レコードとし、前記(b)工程の表示対象不具合レコードを原因不具合レコードとし、前記原因不具合レコードと前記結果不具合レコードとの間の因果方向を含む因果連鎖関係を記憶し、(e)前記(b)工程の関連レコード検索が全ての前記表示対象不具合レコードの不具合モードについて行われるまで、上記(b)〜(d)工程を繰り返す工程、前記順序判断部が、前記表示対象不具合レコードの中から1以上の前記因果連鎖関係を有する2以上の不具合レコードからなる因果連鎖不具合レコード群を抽出して記憶し、当該因果連鎖不具合レコード群に含まれる不具合レコード同士の定義属性間に、定義属性辞書部に記憶された順序関係があると判断された場合に、当該順序関係と前記因果方向とを比較し、前記順序関係と前記因果方向とが同一の場合、前記2つの不具合レコード間の全ての因果連鎖関係を正順序連鎖として記憶し、前記順序関係と前記因果方向とが異なる場合、前記2つの不具合レコード間の全ての因果連鎖関係を逆順序連鎖として記憶する工程、および、
前記出力部が、前記表示対象不具合レコード、および、不具合レコード間の正順序連鎖と逆順序連鎖の関係を表示する工程を含む設計支援方法である。
前記正順序連鎖と前記逆順序連鎖が、互いに形態の異なる図形で表示されてもよい。
前記因果連鎖不具合レコード群において、当該因果連鎖不具合レコード群に含まれる2つの不具合レコードの定義属性の前記順序関係が同順位の場合、前記2つの不具合レコード間の全ての因果連鎖関係を正順序連鎖として記憶することができる。また、前記逆順序連鎖表示の有無が選択可能であってもよい。
また、前記不具合レコード出力部が表示手段であることができる。表示手段としては、CRT、液晶ディスプレイ、プリンタ等が挙げられる。
本明細書において、「不具合モード」とは、設計対象に生じる望ましくない状態をいう。例えば、固着や、疲労破損などの故障状態やピンホールやボイドなどの不良状態、またはそれらを引き起こす状態や特性の変化などが挙げられる。「定義属性」とは、不具合モードが発生する対象を示す属性であり、設計対象であるアイテム名(ベアリング、ギアなどの部品名、電源回路や制御回路などの回路名や、溶接工程、ネジ締め工程などの工程名など)、またはその部品や工程がもつ要素、属性、特性(機能、機構、構造、材料、要素作業など)をいう。「ストレス属性」とは、定義属性をもつ対象に対して与えられ、不具合モードを引き起こす制約条件や作用をいう。「ストレングス」とは、不具合モードの発生を防止・抑制するために定義属性をもつ対象がもつべき耐性や抑制力をいう。「制御属性」とは、ストレングスの大きさを実現するために具体的に設計するパラメータをいう。
また、本明細書において、定義属性間の順序関係とは定義属性同士の順序が存在する場合の関係をいう。例えばある定義属性同士の間で時系列的な関係が存在するときには、時系列上で前にある定義属性が、時系列上で後にある定義属性よりも前に位置するような順序関係を構成する。因果方向とは、上流の事象から下流の事象への方向を正とする方向を因果方向という。すなわち、原因の事象から結果の事象への方向を正とする方向を意味する。
また、順序関係と因果関係とが同一とは、前の順序にある定義属性が因果方向の上流にあり、後の順序にある定義属性が因果方向の下流にあることを意味する。
他方、順序関係と因果関係とが異なるとは、前の順序にある定義属性が因果方向の下流にあり、後の順序にある定義属性が因果方向の上流にあることを意味する。
本発明の他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記の設計支援装置として機能させ、あるいは、コンピュータに上記の設計支援方法を実行させるように構成する。
上記のプログラムは、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)やFD(Flexible Disk)などの各種の記録媒体に記録することができるほか、インターネットなどのコンピュータ通信網を介して配布することができる。
以上説明したように、本発明によれば、設計対象に不具合等が生ずる可能性を設計段階で発見するのに好適な設計支援装置、設計支援方法、ならびに、これらをコンピュータに実現させるためのプログラムを提供することができる。
図1は、情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
図2は、本発明の一つの実施形態に係る設計可否報告設計支援装置の基本構成を示す模式図である。
図3は、定義属性辞書部と制御属性辞書部に記憶される情報のデータ構造の概要構成を示す模式図である。
図4は、ストレングス辞書部に記憶される情報のデータ構造の概要構成を示す模式図である。
図5は、ストレス辞書部に記憶される情報のデータ構造の概要構成を示す
図6は、比較報告辞書部に記憶される情報のデータ構造の概要構成を示す模式図である。
図7は、設計可否報告設計支援装置の設計支援処理の手順を示すフローチャートである。
図8は、制御属性辞書部に記憶されている部分の概要構成を示す。
図9は、本発明の実施形態の1つにかかる因果連鎖表示設計支援装置の概要構成を示す模式図である。
図10は、因果連鎖表示設計支援装置にて実行される処理の制御の流れを示すフローチャートである。
図11は、不具合レコードの1つの様子を示す説明図である。
図12は、辞書部に記憶される情報の様子を示す説明図である。
図13は、構成品目名の入力を受け付けるためのフォームを示す説明図である。
図14は、ターム展開によって得られた定義属性、制御属性、もしくは、ストレス属性を表示するフォームを示す説明図である。
図15は、ID1〜9における正順序連鎖と逆順序連鎖を示す図である。
図16は、ID1〜9の不具合レコードとその連鎖の関係を表示するフォームを示す説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の2つの実施の形態(A:設計可否報告設計支援装置 B:因果連鎖表示設計支援装置)について説明する。
情報処理装置の概要構成
データ構造が記録された記録媒体を処理して、本発明の設計支援装置として機能しうる典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、図1を参照して説明する。
情報処理装置101は、CPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)102によって制御される。情報処理装置101に電源を投入すると、CPU102は、ROM103に記憶されたIPL(Initial Program Loader;初期プログラムローダ)を実行する。
IPLは、ハードディスク104、FDドライブ110に装着されたFD、CD−ROMドライブ111に装着されたCD−ROMなどの記録媒体に記憶されたOS(Operating System;オペレーティング・システム)プログラムを読み出して実行するプログラムである。
OSを起動した後、CPU102は、キーボード105やマウス106などにより入力されたユーザの指示にしたがって、あるいは、ハードディスクなどにあらかじめ記述された設定ファイルの内容にしたがって、ハードディスクなどに記憶されたアプリケーションプログラムを実行する。
当該アプリケーションプログラムを実行することにより、情報処理装置101は、設計支援装置として機能することとなる。
ハードディスク104、FDドライブ110に装着されたFD、CD−ROMドライブ111に装着されたCD−ROMなどの記憶媒体に、定義属性、制御属性、ストレングス情報、ストレス情報、不具合レコードが記録されることになる。
CPU102は、このプログラムの実行の際に、RAM107を一時的な作業用記憶領域として用いる。このほか、一時的な作業用記憶領域として、CPU102内に設けられたレジスタやキャッシュ(図示せず)が使われる。
プログラムの実行に伴ない、ユーザに不具合レコードを報告したり、途中経過を見せるため、CPU102は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)などの表示装置108に当該情報を表示することができる。マウス106による指示操作では、マウス106を移動することにより、画面に表示されたカーソルが移動し、マウス106をクリックすることにより、カーソルが指すメニュー項目を選択することができる。
情報処理装置101は、NIC(Network Interface Card)やモデムなどのインターフェース109を介してインターネットなどのコンピュータ通信網と通信を行うことができる。インターフェース109を介して受信した設計対象に関する情報を処理の対象としたり、処理した不具合レコードをインターフェース109を介して送信したり、インターフェース109を介して受信したプログラムを実行したり、などができる。
また、各種の不具合レコードを他のコンピュータに配置し、ユーザには、当該不具合レコードのURL(Universal Resource Locator)と当該不具合レコードの要約を提示することとし、ユーザが必要に応じてインターフェース109を介して当該URLから不具合レコードの詳細を得るような態様を採用することもできる。
A:設計可否報告設計支援装置
1.設計可否報告設計支援装置の構成
図2は、本発明の一つの実施形態において利用される設計支援装置の基本構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
設計支援装置201は、定義属性辞書部202と、ストレングス辞書部203と、ストレス辞書部204と、比較報告辞書部205と、入力受付部206と、定義属性取得部207と、制御属性取得部208と、ストレングス取得部209と、ストレス取得部210と、報告情報取得部211と、ストレングス計算部212と、ストレス計算部213と、比較報告部214と、制御属性辞書部215と、代用関係取得部216と、を備える。また、図示されていないが、設計支援装置201は、定義属性辞書部202、ストレングス辞書部203、ストレス辞書部204、比較報告辞書部205および制御属性辞書部215を含む辞書部を有する。
以下、各構成について説明する。
(1)定義属性辞書部
定義属性辞書部202は、各定義属性を、その性質に基づく4つの分類(「単位工程」、「要素作業」、「工程要素」、「製品要素」)と合わせて記憶し、さらに、記憶された各定義属性は、その性質に基づいて階層的に記憶する。
ここで、単位工程とは、作業対象物に対して品質特性の付与若しくは評価を実施するために存在する作業場の総体であり、要素作業の集合で構成されている。例えば単位工程としては、例えば、「溶接」、「接着」、「カシメ」、「洗浄」、「調整」、「検査」等が挙げられる。製造工程で具体的に使用される単位工程の概念は,当該単位工程に入出力されるワーク情報や工法情報,品質特性情報などを付与し,一般的な単位工程の概念から、さらに具体化した概念であってもよい。例えば、「UV嫌気接着」、「配管アーク溶接」、「プレート洗浄」、「ベルトテンション調整」、「機器導通検査」などが挙げられる。
要素作業とは、単位工程の中に構成され、作業対象物に状態の変化や評価を付与するために実施される作業である。作業対象物は単位工程に入力されるワークの他、その段取りのために何らかの状態変化が必要とされる設備や治工具、作業環境なども含まれる。同じ単位工程内の要素作業の間には順序が存在し、要素作業の集合によって単位工程が構成される。例えば、要素作業としては、「定置」、「保持」、「塗布」、「硬化」、「脱却」、「移動」、「フラックス塗布」、「はんだ塗布」、「移動」、「浸透」、「表面硬化」、「内部効果」、「注入」、「UV照射」、「嫌気」、「搬送」、「発泡」、「浸漬」、「冷却」等が挙げられる・
工程要素とは、単位工程や要素作業を構成する、人、機械、材料、方法、測定、環境に関するものである。例えば、工程要素としては、「作業対象物」、「照射器」、「リード線」、「矯正治具」、「着磁ヨーク」、「着磁マグネット」等が挙げられる。
製品要素とは、出荷後の製品の構成要素に関するものである。例えば、製品要素としては、ギア,軸受,モータ,リード線等が挙げられる。
定義属性辞書部202における定義属性は、互いに関連付けられて記憶されている。具体的には、各定義属性はその性質に基づいて階層化され、順序(例えば作業順序)があるものについてはその順序を含めて記憶されている。ここで、定義属性辞書部202に記憶される定義属性等について、「UV嫌気接着」(単位工程)という定義属性を例に挙げて説明する。具体的には、「UV嫌気接着」は、その上位語に「接着」(単位工程)を有し、また、「UV嫌気接着」中に構成される要素作業として、作業順序順に「定置」→「保持」→「塗布」→「硬化」→「脱却」を有する。
(2)定義属性辞書部202と制御属性辞書部215とストレス辞書部204に記憶される情報のデータ構造
図3は、定義属性辞書部202と制御属性辞書部215とストレス辞書部204に記憶される情報のデータ構造の概要構成を示す模式図である。
定義属性辞書部202は、図3に示すとおり、定義属性と、定義属性間の関連性を対応付けて記憶する。たとえば、図3によれば、「プラスチック」、「ポリカーボネート」、「ポリアセタール」、「ポリアミド」、「軸受」、「滑り軸受」、「ころがり軸受」、「ボール軸受」、「ロール軸受」等の定義属性がそれらの関連性と共に記憶されている。さらに、図3によれば、定義属性である「プラスチック」に3つの定義属性「ポリカーボネート」、「ポリアセタール」、「ポリアミド」が属することも記憶されている。
定義属性である「ポリアミド」に関連するパラメータとして、制御属性である「ポリアミド摩耗係数Kpa」がある。 また、定義属性である「すべり軸受」に関連するパラメータとして、制御属性である「保証稼働時間Hr」「摩耗許容量δ」「摩耗係数K」がある。制御属性辞書部215は、これらの制御属性を記憶する。
定義属性である「すべり軸受」に関連するパラメータとして、ストレスである「軸受にかかる圧力P」「軸受摺動速度V」がある。ストレス辞書部204は、これらのストレス属性を記憶する。
さらに、定義属性に関連するパラメータ名と、当該パラメータ名のそれぞれが、制御属性であるか、ストレス属性であるかについて、定義属性辞書部202が記憶しても良いし、各パラメータが属する制御属性辞書部215またはストレス辞書部204が記憶しても良い。
また、制御属性辞書部215は、ある制御属性のパラメータ値が他の制御属性のパラメータ値を代用可能である場合、当該代用可能なパラメータ名と、当該被代用可能なパラメータ名と、を代用関係として記憶する。
たとえば、制御属性辞書部215には、上記の制御属性のパラメータである「摩耗係数K」「ポリアミド摩耗係数Kpa」「保証稼働時間Hr」「摩耗許容量δ」が記憶されているほか、「ポリアミド摩耗係数Kpa」は「摩耗係数K」を代用可能である旨の代用関係を記憶している。たとえば、 図3に示すように、これらの代用関係は、階層構造によって整理されている。
また、図8には、複数の制御属性の代用関係のうち、計算関係が制御属性辞書部215に記憶されている部分の概要構成を示す。
一方、代用関係取得部216は、ステップS706において、制御属性辞書部215から取得された制御属性のパラメータ名を計算結果パラメータ名とする計算関係と、その計算用パラメータ名と、を取得する。
さらに、入力受付部206は、ステップS707において、取得された制御属性のパラメータ名が取得された計算関係の計算結果パラメータ名である場合、当該計算結果パラメータ名のパラメータ値、もしくは、これにかえて、当該計算用パラメータ名のパラメータ値の入力をさらに受け付ける。
たとえば、「軸受の断面積S」がストレングス値を計算するのに必要なパラメータ名として取得された制御属性であるである場合、入力受付部206は、上記取得された計算関係により、『「軸受長さL」と「軸受の内径D」』もしくは「軸受の断面積S」のいずれか一方の入力を受け付ければよいこととなる。
そして、ストレングス計算部212は、ステップS708において、取得されたストレングス値を計算する手順が取得された計算関係の計算結果パラメータ名のパラメータ値を用い、入力受付部206により、当該計算結果パラメータ名のパラメータ値にかえて、当該計算用パラメータ名のパラメータ値の入力が受け付けられた場合、制御属性辞書部215から当該計算関係の計算手順を取得し、入力を受け付けられた計算用パラメータ名のパラメータ値を用いて当該計算手順によりパラメータ値を計算し、計算結果パラメータ名のパラメータ値を、当該計算されたパラメータ値で代用して、ストレングス値を計算する。
すなわち、「軸受の断面積S」が入力された場合には、その値をそのまま使い、『「軸受長さL」と「軸受の内径D」』が入力された場合には、「軸受の断面積S」にかえて「D・L」を使うことにより、ストレングス値を計算する。
本発明により、ストレングス値を計算するのに必要なパラメータ値が、すでにユーザから入力済みのパラメータ値から計算可能な場合には、そのパラメータ値を用いて自動的に計算を行ってストレングス値を計算し、ユーザの入力負担を低減することができる。
なお、本基本構成では、制御属性のみについてこのような計算関係を記憶して利用することとしたが、ストレス属性やストレス属性と制御属性の相互についても同様の計算関係を適用することができる。たとえば、「軸受にかかる圧力P」(ストレス属性)は、「軸受にかかる力F」(ストレス属性)と「軸受の断面積S」(制御属性)から「P=F/S」のように計算可能である。したがって、これらの計算関係を利用して、制御属性同士の計算関係と同様に、パラメータの入力の手間を減らすことができる。
このほか、本基本構成の設計支援装置201は、以下のように構成することができる。
すなわち、定義属性辞書部202は、ある定義属性と、他の定義属性と、の親子関係をさらに記憶する。
たとえば、「軸受」には「すべり軸受」と「ころがり軸受」があり、「ころがり軸受」には「ボール軸受」と「ロール軸受」があるが、これらの親子関係を以下のように記憶させることができる。
・「軸受」(親)−「すべり軸受」(子)
・「軸受」(親)−「ころがり軸受」(子)
・「ころがり軸受」(親)−「ボール軸受」(子)
・「ころがり軸受」(親)−「ロール軸受」(子)
これは親子関係の階層構造の一部を抜き出したものである。
また、「スプリング」についても、同様に以下のような親子関係を考えることができる。
・「スプリング」(親)−「プレートスプリング」(子)
・「スプリング」(親)−「コイルスプリング」(子)
・「コイルスプリング」(親)−「圧縮コイルスプリング」(子)
・「コイルスプリング」(親)−「引張コイルスプリング」(子)
・「コイルスプリング」(親)−「捻りコイルスプリング」(子)
このように、親子関係を用いていわゆるis−a関係を表すことができる。たとえば「すべり軸受」は「軸受」である(すべり軸受is a軸受)。親子関係は、is−a関係を表現するのに限られるものではない。後述するように親子関係は、その他の関係を表現するのにも適用できる。
一方、定義属性取得部207は、当該定義属性取得部207により既に取得された定義属性を子とする親子関係が定義属性辞書部202に記憶されている場合、当該親子関係の親の定義属性と、当該親の定義属性に関連するパラメータ名と、そのそれぞれが制御属性であるか、ストレス属性であるか、の旨と、をさらに取得する。
たとえば、上記例とは異なり、設計対象が「ロール軸受」である場合には、「ロール軸受」の制御属性・ストレス属性のほか、「ころがり軸受」の制御属性・ストレス属性や、「軸受」の制御属性・ストレス属性も取得されることになる。
上記のように、親子関係でis−a関係を表現することとした場合には、ある定義属性からより一般的な定義属性へ調査範囲を広げることになる。言い換えれば、この場合は、「子」から「親」へ調査範囲を広げることとなる。したがって、後述するように、is−a関係以外の関係を親子関係で表現することもできる。『「親子関係」は、単に調査範囲をどの方向に広げるのか、の基底方向を示すだけの「関係」である』と考えてもよい。
取得される制御属性・ストレス属性が多くなれば、これらのいずれかを用いることにより計算可能なストレングス値やストレス値の種類も飛躍的に増えることとなる。また、得られる報告情報も増えることが期待される。
本基本構成により、親子関係にある定義属性について、その親の方向へ調査範囲を広げて、より多くの報告情報が得られるようにすることができる。特に、親子関係が、『親は「より一般的なもの」を、子は「より具体的なもの」を、それぞれ表現する』ように構成されている場合は、調査範囲を一般的な方向へ広げることができる。
なお、親子関係を、より一般的な関係として取り扱うこともできる。すなわち、定義属性辞書部202は、ある定義属性を親とし、他の定義属性を子とする親子関係と、当該ある定義属性を子とし、当該他の定義属性を親とする親子関係と、をともに記憶しうるものとすることができる。
この場合は、互いが親であり子である関係であるから、「対等の関係」「何らかの強い関連性がある関係」に対応付けるのが自然である。すなわち、「親子関係」のデータ構造を利用することにより、「対等の関係」「何らかの強い関連性がある関係」を表現することができる。
すなわち、この場合は、親子関係で表現されるものはis−a関係のみではない。equals−to関係(対等の関係、同値関係)やrelates−to関係(何らかの強い関連性がある関係)が表現されることになる。
上記のように、親子関係は、調査の範囲を広げる方向を規定する関係であり、定義属性同士にどのように親子関係を当て嵌めるか、は、設計対象の種類や当該設計支援装置201が利用される分野によって適宜変更することができる。したがって、互いが親であり子であるような親子関係のみをrelates−to関係として考えてもよいし、一方が親であり一方が子であって、その逆が成立しない関係をrelates−to関係に追加してもよい。
このような表現を用いることにより、ある定義属性が取得された場合に、それ自体の制御属性・ストレス属性のほか、それと「対等の関係」「何らかの強い関連性がある関係」にある定義属性の制御属性・ストレス属性も取得されることとなるので、さらに調査範囲を広げて、より多くの報告情報が得られるようにすることができる。
また、上記基本構成では、親子関係がある場合には、子から親へ調査範囲を広げていたが、これを逆にすることも可能である。
すなわち、定義属性取得部207は、当該定義属性取得部207は、既に取得された定義属性を親とする親子関係が定義属性辞書部202に記憶されており、当該親子関係の子の定義属性が複数ある場合、そのいずれか1つ以上を選択する入力を受け付けて、当該選択された子の定義属性と、当該子の定義属性に関連するパラメータ名と、そのそれぞれが制御属性であるか、ストレス属性であるか、の旨と、をさらに取得する。
たとえば、上記例では「すべり軸受」を設計対象としていたが、ここでは、設計対象が「軸受」である場合を考える。この場合は、まず、ユーザに対して「すべり軸受」と「ころがり軸受」のいずれであるか、入力を求める。これに対して「ころがり軸受」と答えた場合には、さらに「ボール軸受」と「ロール軸受」のいずれであるか、入力を求める。これに対して「ロール軸受」と答えた場合には、「軸受」の制御属性・ストレス属性のほか、「ころがり軸受」の制御属性・ストレス属性、「ロール軸受」の制御属性・ストレス属性も取得することとなる。
このように、子の方向に調査範囲を広げるのは、特に、親が材料や部品の定義属性であり、子がその商品名、部番名、その子を設計している図面名である場合に好適である。
これにより、親子関係にある定義属性について、その子の方向へ調査範囲を広げて、より多くの報告情報が得られるようにする一方で、ユーザに制限を課すよう適宜促して、調査範囲が爆発しないようにすることができる。特に、親子関係が、『親は「より一般的なもの」を、子は「より具体的なもの」を、それぞれ表現する』ように構成されている場合は、調査範囲を具体的な方向へ広げることができる。たとえば、一般的な「すべり軸受」では生じないが、A社製の部番Bの「すべり軸受」では生ずるような不具合を取得することが可能である。
この態様は、親子関係を利用して「対等の関係」「何らかの強い関連性がある関係」を表現した場合にも適用でき、調査範囲を広げて、より多くの報告情報が得られるようにする一方で、ユーザに適宜制限を課すよう促して、調査範囲が爆発しないようにすることができる。
本基本構成は、上記基本構成に加えて、排他的な関係をも考慮するようにしたものである。
すなわち、定義属性辞書部202は、ある定義属性と、他の定義属性と、の排他的関係をさらに記憶する。
たとえば、「プラスチック」については以下のような排他的関係が考えられる。
・材料観点では「ポリアミド」「ポリカーボネート」「ポリアセタール」
・熱特性観点では「熱可塑性」「熱硬化性」
・導電性観点では「導電性」「非導電性」
上記のような階層構造によって定義属性を整理して記憶している場合には、容易に排他的関係を記憶することができる。
一方、比較報告辞書部205により記憶される報告情報は、当該報告情報に関連する定義属性を含む。
さらに、比較報告部214は、取得された報告情報のうち、当該所定の条件を満たし、かつ、入力された定義属性との排他的関係が定義属性辞書部202に記憶される定義属性を含まない報告情報を報告する。
たとえば、入力された定義属性が「ポリアミド」であっても(上記基本構成のように調査範囲を親や子・対等関係・何らかの関連性に対して適宜広げた場合にあっては特に)、「ポリアミド」ではないものについての報告情報が得られることがままある。したがって、比較報告部214は、入力された定義属性が「ポリアミド」である場合には、「ポリカーボネート」や「ポリアセタール」に関する報告情報は捨てて、ユーザには報告しない。
また、入力受付部206は、設計対象から排除すべき排除定義属性の入力をさらに受け付けることとし、あらかじめユーザに不必要な定義属性を指定させて、比較報告部214は、取得された報告情報のうち、当該所定の条件を満たし、かつ、入力された排除定義属性を含まない報告情報を報告することとしてもよい。
さらに、比較報告部214は、取得された報告情報のうち、当該所定の条件を満たし、かつ、これが含む定義属性のいずれか少なくとも1つが、入力された定義属性である報告情報を報告することとしてもよい。
すなわち、上記例では、明示的に報告情報が「ポリアミド」を含む場合にのみ、当該報告情報を報告する、というものである。
これらにより、得られた報告情報を、さらに精選して、不要な報告情報をできるだけ排除し、必要な報告情報をユーザに提示することができるようになる。
(3)ストレングス辞書部
ストレングス辞書部203は、ストレングスと、これを計算するのに必要な制御属性のパラメータ名と、当該パラメータ値を用いてストレングス値を計算する手順(計算手段)とを記憶する。
図4は、ストレングス辞書部203に記憶される情報のデータ構造の概要構成を示す模式図である。本図に示すように、ストレングス辞書部203はいわゆる表形式で情報を蓄積する。
表401の各行が各ストレングスに対応し、ストレングスを記録する列402、制御属性のパラメータ名を1つまたは複数記憶する列403、ストレングス値を計算する手順を記憶する列404のように整理されて記憶される。
(4)ストレス辞書部
さらに、ストレス辞書部204は、ストレス名と、当該ストレスに関連するパラメータ名と、当該パラメータ値を用いてストレス値を計算するための計算手段と、を記憶する。
たとえば、図4に示すように、ストレス辞書部204には、ストレス名として「PV値」が記憶されている。これを計算するのに必要なストレス属性のパラメータとして「軸受にかかる圧力P」「軸受摺動速度V」が記憶され、これらを用いてストレス値を計算する手順として式「PV値=P・V」が記憶されている。
ストレス辞書部204は、ストレスと、これを計算するのに必要なパラメータ名と、当該パラメータ値を用いてストレス値を計算する手順(計算手段)とを記憶する。
図5は、ストレス辞書部204に記憶される情報のデータ構造の概要構成を示す模式図である。本図に示すように、ストレス辞書部204は、ストレングス辞書部203同様、いわゆる表形式で情報を蓄積する。
表501の各行が各ストレスに対応し、ストレス名を記録する列502、ストレス属性のパラメータ名を1つまたは複数記憶する列503、ストレス値を計算する手順を記憶する列504のように整理されて記憶される。
(5)比較情報辞書部
比較報告辞書部205は、ストレングスと、ストレス名と、これらの比較の手順と、その比較の結果が所定の条件を満たす場合に報告されるべき報告情報と、を対応付けて記憶する。
図6は、比較報告辞書部205に記憶される情報のデータ構造の概要構成を示す模式図である。本図に示すように、比較報告辞書部205に記憶される情報も表形式で整理されている。
図6の表601の各行が各報告情報に対応し、ストレス名を記録する列602、ストレングスを記憶する列603、これらを比較する手順を記憶する列604、比較の結果が満たすべき条件を記憶する列605、報告情報を記憶する列606のように整理されて記憶される。
たとえば、図6に示すように、比較報告辞書部205にストレス名として「PV値」が、ストレングスとして「限界PV値」が、記憶されている。さらに、これらの比較の手順として式「PV値>限界PV値」が記憶され、これが満たされる場合に報告されるべき報告情報とが記憶されている。
当該報告情報は「軸受に不具合が生ずる」旨の知識、および、これに関連する知識である。これらの知識には、過去に生じた不具合事例を提示する知識情報や当該知識情報が保存されているURL(Universal Resource Locator)、データベース名、データベースの問い合わせ式、データベース内のレコード番号など、種々のものを含めることができる。また、当該不具合が生ずる結果、さらにどのような症状が発生しうるかを推測させるための情報や、当該不具合が生じる原因を推測するために必要な情報を含んでいてもよい。
また、図6と同様に、図11も比較報告辞書部205に記憶される情報のデータ構造の概要構成を示す模式図である。図11の情報群は定義属性、制御属性、ストレス、不具合モードを含み、「不具合レコード」という。以下、図11を参照して不具合レコードを説明する。
不具合レコードには、以下の情報が、それぞれ指定されている。
・定義属性として「金属」「曲げ加工」「コーナ」。
・制御属性として「コーナR↓」「靭性↓」。
・ストレングスとして「疲労強度↓」。
・ストレス属性として「繰り返し数↑」「曲げ部への荷重↑」。
・不具合モードとして「疲労破壊」。
なお、これらの名前の末尾に出現する「↑」や「↓」は、「変動形態」と呼ばれるものであり、これらを除いたものをそれぞれの名前として考えても良い。
本例では、不具合モードは「疲労破壊」の1つだけであるが、同義語や類義語など、複数の不具合モードを1つの後述する関連レコードに記憶しても良い。
一方、辞書部は、不具合モードを原因名として、定義属性、制御属性、ストレス属性、ストレングス、もしくは、不具合モードを結果名として、これらを対応付けた関連レコードを記憶する。
図12は、このような辞書部に記憶される関連レコードの情報の様子を示す説明図である。辞書部に記憶される情報は、図12の表によって表現され、具体的には、表の各行が関連レコードである。
1つの関連レコードである前記表の1つの行には、原因名として、いずれかの不具合レコードに記憶される不具合モードが指定される。また、結果名として定義属性、制御属性、ストレス属性、ストレングス、もしくは、不具合モードが記憶される。この際に、ストレス属性などの名前には、「↑」や「↓」などの情報が付与されることがある。
関連レコードが意味するところは、当該原因名の不具合モードが生ずると、当該結果名の定義属性、制御属性、ストレス属性、ストレングスに影響が生じたり、他の不具合モードが生じたりする、ということである。すなわち、「ある不具合が別の不具合の原因となる」という連鎖を関連レコードによって表現するのである。
また、「↑」や「↓」などは、ストレス属性などに与える影響が、当該パラメータを大きくしたり小さくしたりする方向に働く、ということを意味する。たとえば、本表の第1行は、「加工硬化」が生じると「靭性」が下がる旨を表す関連レコードである。
図12では、原因名として、不具合モードを1つだけ指定した例を示しているが、複数列挙する形をとっても良い。この場合は、当該原因名に指定される不具合モードが同時に生ずる際に、当該結果名の定義属性、制御属性、ストレス属性、ストレングスに影響が生じたり、他の不具合モードが生じたりする、ということに対応する。この場合、特に、複数指定された不具合モードを「同時原因名」と呼び、これに対する結果名を「同時結果名」と呼ぶ。
なお、図6では、ストレス「PV値」とストレングス「限界PV値」とに対して、比較手順は「>」比較の結果が満たすべき条件は「真」が記憶されているが、たとえば、比較手順は「−(引き算)」比較の結果が満たすべき条件は「正」のような、各種の計算や条件を記憶させることも可能である。
2.設計支援装置で実行される処理
図7は、上記のように種々の情報があらかじめ記憶されている環境下で実行される設計支援処理の手順を示すフローチャートである。以下、本図を参照しつつ説明する。
(1)定義属性名の入力受付(ステップS701) まず、入力受付部206は、設計対象の定義属性の入力を受け付ける(ステップS701)。
これにより、CAD/CAMシステムにおいて設計者が設計した設計対象の情報を受け付けたり、設計者から直接設計対象の情報を受け付けたりすることになる。 本例では、設計者は「ポリアミド軸受」を設計しているのであるから、ここで入力される定義属性は「ポリアミド」「すべり軸受」である。一般的には、これ以外の種々の定義属性も入力されることになる。
(2)パラメータ名等を取得(ステップS702)
そして、定義属性取得部207は、入力された定義属性のうち定義属性辞書部202に記憶されている定義属性と、当該定義属性に関連するパラメータ名と、そのそれぞれが制御属性であるか、ストレス属性であるか、の旨と、を取得する(ステップS702)。
この際に、制御属性取得部208は、定義属性取得部207により取得された制御属性のパラメータ名を制御属性辞書部215から取得して、これらが制御属性辞書部215に記憶されていることを確認する。
なお、本例では、定義属性辞書部202は、制御属性のパラメータ名を文字列として記憶することとなっているが、制御属性の識別番号を記憶するような形態を採用してもよい。この場合、制御属性辞書部は、制御属性の識別番号と、そのパラメータ名を表す文字列と、を対応付けて記憶することとなり、制御属性取得部208は、制御属性のパラメータの識別番号から、制御属性辞書部215を参照して、制御属性のパラメータ名を得る処理を行う。
これにより、「ポリアミド」(定義属性)について「ポリアミド摩耗係数Kpa」(制御属性)が、「すべり軸受」(定義属性)について「保証稼働時間Hr」(制御属性)、「摩耗許容量δ」(制御属性)、「摩耗係数K」(制御属性)、「軸受にかかる圧力P」(ストレス属性)、「軸受摺動速度V」(ストレス属性)が、取得されることになる。
(3)ストレングス名等を取得(ステップS703)
そして、ストレングス取得部209は、ストレングス辞書部203から、取得された制御属性のパラメータ名を用いて計算可能なストレングスと、当該ストレングス値を計算する手順と、を取得する(ステップS703)。
これにより、「保証稼働時間Hr」(制御属性)、「摩耗許容量δ」(制御属性)、「摩耗係数K」(制御属性)からストレングス「限界PV値」と、これが「δ/(Hr・K)」により計算可能である旨が取得される。
(4)ストレス名等を取得(ステップS704)
一方、ストレス取得部210は、ストレス辞書部204から、取得されたストレス属性のパラメータ名を用いて計算可能なストレス名と、当該ストレス値を計算する手順と、を取得する(ステップS704)。
これにより、「軸受にかかる圧力P」(ストレス属性)、「軸受摺動速度V」(ストレス属性)からストレス名「PV値」と、これが「P・V」により計算可能である旨が取得される。
(5)比較・報告情報等を取得(ステップS705) さらに、報告情報取得部211は、取得された計算可能なストレングスと、取得された計算可能なストレス名と、が対応付けて比較報告辞書部205に記憶されている場合、これらに対応付けられて記憶されている比較の手順と、その比較の結果が所定の条件を満たす場合に報告されるべき報告情報と、を、取得する(ステップS705)。
本例では、ストレングス「限界PV値」と、ストレス名「PV値」とが対応付けて比較報告辞書部205に記憶されているため、比較手順として「PV値>限界PV値」と、この比較結果が成立する場合に「軸受に不具合が生ずる」旨の報告情報と、が取得されることになる。
(6)代用関係を取得(ステップS706)
さらに、代用関係取得部216は、取得された制御属性のパラメータ名から、制御属性辞書部215に代用関係として記憶されている制御属性のパラメータ名の対を取得する(ステップS706)。
本例では、制御属性のパラメータ「ポリアミド摩耗係数Kpa」でパラメータ「摩耗係数K」を代用可能である旨が取得されることになる。
(7)パラメータ値の入力を受付(ステップS707)
そして、入力受付部206は、当該比較の手順と、当該報告情報と、が報告情報取得部211により取得された場合、取得された制御属性のパラメータ値と、取得されたストレス属性のパラメータ値と、の入力をさらに受け付ける。また、入力受付部206は、取得された制御属性のパラメータ名が取得された代用関係の被代用可能なパラメータ名である場合、当該被代用可能なパラメータ名のパラメータ値、もしくは、これにかえて、当該代用可能なパラメータ名のパラメータ値の入力をさらに受け付ける(ステップS707)。
これにより、入力受付部206は、以下のパラメータ名のパラメータ値の入力を、設計者もしくはCAD/CAMシステムに促すこととなる。
・「保証稼働時間Hr」
・「摩耗許容量δ」
・「摩耗係数K」もしくは「ポリアミド摩耗係数Kpa」のいずれか一方
・「軸受にかかる圧力P」
・「軸受摺動速度V」
(8)ストレングス値を計算(ステップS708)
ストレングス計算部212は、取得されたストレングス値を計算する手順により、入力された制御属性のパラメータ値からストレングス値を計算する。この際に、ストレングス計算部212は、取得されたストレングス値を計算する手順が取得された代用関係の被代用可能なパラメータ名のパラメータ値を用い、入力受付部206により、当該被代用可能なパラメータ名のパラメータ値にかえて、当該代用可能なパラメータ名のパラメータ値の入力が受け付けられた場合、当該被代用可能なパラメータ名のパラメータ値を、当該代用可能なパラメータ名のパラメータ値で代用して、ストレングス値を計算する(ステップS708)。
本例では、「摩耗係数K」が入力された場合には式「δ/(Hr・K)」により、「ポリアミド摩耗係数Kpa」が入力された場合には式「δ/(Hr・Kpa)」により、「限界PV値」なるストレングス値が計算されることになる。
(9)ストレス値を計算(ステップS709)
さらに、ストレス計算部213は、取得されたストレス値を計算する手順により、入力されたストレス属性のパラメータ値からストレス値を計算する(ステップS709)。
本例では、式「P・V」により「PV値」なるストレス値が計算されることになる。
(10)ストレングス値とストレス値は条件を満たすか否か(ステップS710〜S712)
そして、比較報告部214は、計算されたストレングス値と、計算されたストレス値と、を、取得された比較の手順により比較し(ステップS710)、その結果が所定の条件を満たす場合(ステップS710;Yes)、取得された報告情報を報告して(ステップS711)、本処理を終了する。
一方、満たさない場合(ステップS710;No)、報告情報が発見されなかった旨を報告して(ステップS712)、本処理を終了する。
すなわち本例では、計算されたストレス値(PV値)とストレングス値(限界PV値)とを「PV値>限界PV値」により比較し、これが成立する場合に、「軸受に不具合が生ずる」旨の報告情報が報告されることになる。これによって、ユーザーは、当該設計は軸受けに不具合が生じるため、設計変更が必要であることを知り得る。他方、「PV値>限界PV値」が成立しない場合には、「軸受に不具合が生じない」旨の報告情報が報告されることになる。これによって、ユーザーは、当該設計は軸受けに不具合が生じないことを知り得る。
本実施例に示すように、設計対象の定義属性と制御属性の入力をユーザから受け付けることによって、ストレングス値とストレス値とを計算して、報告情報をユーザに提示することができる。
また、本実施例では、ある制御属性と別の制御属性の代用関係を考えて、ある制御属性の値が入力されていなくても、これと代用可能な制御属性の値が入力されていれば、これを用いてストレングス値を計算し、ユーザの入力負担を低減することができる。
さらに、各種の制御属性のパラメータ値が他のパラメータ値から計算可能な場合に対応することもできる。
すなわち、制御属性辞書部215は、ある制御属性のパラメータ値が他の制御属性のパラメータ値を用いる計算手順により計算可能である場合、当該計算手順と、当該計算手順に用いられる計算用パラメータ名と、当該計算手順の計算結果パラメータ名と、を計算関係としてさらに記憶する。
たとえば、「軸受長さL」「軸受の内径D」があれば、「軸受の断面積S」を手順「S=L・D」により計算することができる。
B:因果連鎖表示設計支援装置
1.因果連鎖表示設計支援装置の構成
因果連鎖表示設計支援装置901は、設計可否報告設計支援装置201の基本的構成を含む。
図9は、本実施形態に係る因果連鎖表示設計支援装置901の概要構成を示す模式図である。因果連鎖表示設計支援装置901は、記憶部902と、辞書部903と、入力受付部904と、検索部905と、表示部906と、を備える。
まず、記憶部902は、上述した、設計対象の1個以上の定義属性、1つ以上の不具合モード、並びに、任意に制御属性、ストレス属性もしくはストレングスを対応付けて、不具合レコードとして記憶する。また、報告情報の識別番号を不具合モードとする。尚、データベースの構成によっては不具合レコードは単純な表形式のものとして構成しても良い。
辞書部903は、定義属性辞書部202、ストレングス辞書部203、ストレス辞書部204、比較報告辞書部205、制御属性辞書部215を含む。
入力受付部904は、上述した設計可否報告設計支援装置201の入力受付部と同様であるが、因果連鎖表示設計支援装置901の入力受付部904は構成品目を受付、さらに定義属性以外のパラメータである、制御属性やストレス属性を受け付ける。
検索部905は、入力受付部で入力された情報に関係する全ての表示対象不具合レコードの検索する。
表示部906は、不具合レコードを表示し、さらにその不具合レコード間の因果連鎖関係も表示できる。
2.設計支援装置の処理
因果連鎖表示設計支援装置901を用いて、因果連鎖等の設計対象についての知識を得ることができる。以下、本実施形態において行われる処理について、順次説明する。
(1)構成品目名の入力を受付
まず、入力受付部904は、設計対象である構成品目名の入力を促す(ステップS1001)。図13は、構成品目名の入力を受け付けるためのフォームを示す説明図である。ユーザは、フォームの構成品目名入力欄に構成品目名を入力し、ターム展開ボタンをクリックする。以下では、構成品目として「spring plate」を入力した場合を考える。
(2)タームを取得(展開) すると、設計支援装置901は、入力された構成品目名に基づいて、定義属性辞書部202、制御属性辞書部215、ストレス辞書部204に記憶された定義属性、制御属性、ストレス属性(以下、適宜「ターム」という。)を取得(展開)する(ステップS1002)。
上述の、設計可否報告設計支援装置201の基本構成においては、「ポリアミド軸受」の設計を行う際に、入力受付部206が、定義属性の入力を促し、ユーザが「ポリアミド」「すべり軸受」を入力した場合を例としてとりあげ、これらの定義属性から、「ポリアミド摩耗係数Kpa」(制御属性)、「保証稼働時間Hr」(制御属性)、「摩耗許容量δ」(制御属性)、「摩耗係数K」(制御属性)、「軸受にかかる圧力P」(ストレス属性)、「軸受摺動速度V」(ストレス属性)、「PV値」(ストレス属性)、「限界PV値」(ストレングス)などの各種の名前が取得(展開)され、さらに、これらに関連する各種の名前を階層構造にしたがって取得(展開)していたが(S701〜S706)、因果連鎖表示設計支援装置901においても、これと同様の手法を採用する。
すなわち、構成品目名と定義属性とを対応付けて記憶するデータベースが別途用意されている。もしくは、上記記憶部902等に記憶されており、入力された構成品目名から定義属性を得て、この定義属性から上記の基本構成と同様に、定義属性を取得(展開)する。
さらに、展開された定義属性から、上記の基本構成と同様に、制御属性、ストレス属性を展開するのである。
(3)タームをの入力を受付 ついで、入力受付部904は、定義属性、制御属性、もしくは、ストレス属性の1つ以上の入力を受け付ける(ステップS1003)。図14は、ターム展開によって得られたタームを、定義属性、制御属性、もしくは、ストレス属性ごとに整理して表示するフォームを示す説明図である。
フォームには、構成品目の着目語として「Spring plate」が表示されている。また、定義属性としては「板金」「SUS」「曲げ加工」が、ストレス属性として「plate springへの荷重」が、制御属性として「plate spring板厚」「plate spring降伏点」が、それぞれ表示されている。
ユーザは、これらから、所望の定義属性、制御属性、もしくは、ストレス属性を選び、表示されている名前の左側にあるチェックボックスをチェックして、図13に表示されるフォームに戻って、検索実行ボタンをクリックする。
(4)不具合レコードを検索 すると、検索部905は、まず、記憶部902に記憶された不具合レコードのうち、入力を受け付けられた定義属性、制御属性、もしくは、ストレス属性を含む不具合レコードを検索する(ステップS1004)。ここで、不具合レコードとは、、設計可否報告設計支援装置201で用いられる不具合レコードと同様であり。具体的には、図11に示すように、定義属性、制御属性、ストレス、不具合モードを含む情報群である。
(5)関連レコードを検索 そして、これまでに検索された不具合レコードのそれぞれについて、辞書部903に記憶された関連レコードのうち、これまでに検索された不具合レコード(原因不具合レコード)に含まれる不具合モードを原因名として含む関連レコードを検索する(ステップS1005)。ここで、関連レコードとは、設計可否報告設計支援装置201で用いられる関連レコードと同様であり、図12の表によって表現され、具体的には、表の各行が関連レコードである。
この際、当該ステップで検索された不具合レコードを原因不具合レコードとして記憶する。
(6)関連する不具合レコードを検索 さらに、記憶部902に記憶された不具合レコードのうち、これまでに検索された関連レコードが結果名として含む定義属性、制御属性、ストレス属性、ストレングス、もしくは、不具合モードを含む不具合レコードを検索する(ステップS1006)。
(7)全ての表示対象不具合レコードの検索
そして、新たな不具合レコードが検索されたか否かを判定する(ステップS1007)。ここで、新たな不具合レコードが発見された場合(ステップS1007;Yes)、当該不具合レコードを結果不具合レコードとして記憶し、また、S1005で検索された不具合レコードを原因不具合レコードとして記憶し(ステップS1008)、さらに当該原因不具合レコードと結果不具合レコードとの間の関係を因果連鎖関係として記憶し(ステップS1009)ステップS1005に戻る。ここで、因果連鎖関係には、原因不具合レコードと結果不具合レコードとの間の因果方向を含む。ここで因果方向とは、原因不具合レコードから結果不具合レコードへの方向を正とする方向を意味する。
一方、新たな新たな不具合レコードが発見されなかった場合(ステップS1007;No)、全ての表示対象不具合レコードが検索されたことになる。このようにして、ステップS1004で検索された不具合レコードに関連する全ての不具合レコードを検索する。以下、前記検索された全ての不具合レコードを、「表示対象不具合レコード」という。
(8)因果連鎖不具合レコード群を抽出
次に、因果連鎖表示設計支援装置901の順序判断部(非図示)によって行われるステップを説明する。
以下に、因果連鎖表示設計支援装置901の順序判断部および表示部906について、S1001〜S1008のステップを経て、前記表示対象不具合レコードとして9個の不具合レコード(ID1〜ID9)が検索された場合を例にしながら具体的に説明する。
ここで、ID1〜ID9の不具合レコード間にはS1005〜S1007のステップで記憶された以下の6つの因果連鎖関係があるものとする(矢印は因果方向を示す)。
原因→結果
因果連鎖関係1:ID1→ID2
因果連鎖関係2:ID2→ID6
因果連鎖関係3:ID6→ID5
因果連鎖関係4:ID8→ID7
因果連鎖関係5:ID4→ID3
因果連鎖関係6:ID3→ID2
表示対象不具合レコードの中から前記因果連鎖関係を有する全ての不具合レコードをグループ化する。すなわち、1以上の前記因果連鎖関係を有する2以上の不具合レコードからなる因果連鎖不具合レコード群を抽出する(S1010)。
ID1〜ID9によれば、以下の因果連鎖不具合レコード群1〜3が抽出される(矢印は因果方向を示す)。
因果連鎖不具合レコード群1:ID1→ID2→ID6→ID5
因果連鎖不具合レコード群2:ID8→ID7
因果連鎖不具合レコード群3:ID4→ID3→ID2
ID9は、他の不具合レコードと因果連鎖関係を有さないので、因果連鎖不具合レコード群を形成しないことになる。
(9)定義属性時の順序関係の有無を判断
次に、因果連鎖不具合レコード群に含まれる全ての組み合わせの不具合レコード同士の定義属性間に、定義属性辞書部に記憶された順序関係があるか否かを判断する(ステップS1011)。当該順序関係は定義辞書部に記憶されているが、この順序関係を、ユーザが変更することも可能である。
例えば、「UV嫌気接着工程」に関する定義属性は、要素作業に属する5つの定義属性からなり、さらに
定置→保持→塗布→硬化→脱却
という順序関係を有した状態で記憶されている。
また、上述のとおり、定義属性は、その定義属性が属する分類に基づいて4つ(「単位工程」、「要素作業」、「工程要素」、「製品要素」)に分けられている。その中の単位工程または要素作業に属する定義属性間には順序関係が存在する場合があるから、単位工程と要素作業に属する定義属性を有する不具合レコードについてのみ順序関係があるか否かを判断してもよい。
(10)順序関係と因果関係方向との比較
次に、前記順序関係があった不具合レコードについて、その不具合レコードが含まれる因果連鎖不具合レコード群の因果方向と前記順序関係とを比較して同一か否かを判断する(ステップS1012)。前記順序関係と前記因果方向とが同一の場合、前記2つの不具合レコード間の全ての因果連鎖関係を正順序連鎖として記憶し(ステップS1013)、前記順序関係と前記因果方向とが異なる場合、前記2つの不具合レコード間の全ての因果連鎖関係を逆順序連鎖として記憶する(ステップS1014)。なお、同順位については、正順序連鎖として記憶する。
ここで、例えばID1〜9において、因果連鎖不具合レコード群に含まれるID1〜8の不具合レコードの定義属性間に以下の4つの順序関係があるとする。
(定義属性の順序関係)
順序関係1:ID1の定義属性=ID2の定義属性(同順位)
順序関係2:ID2の定義属性→ID5の定義属性
順序関係3:ID7の定義属性→ID8の定義属性
順序関係4:ID2の定義属性→ID4の定義属性
ID1〜9においては、上記順序関係1〜4と因果連鎖不具合レコード群1〜3の因果方向とを比較する。
まず、順序関係1を構成するID1とID2について判断する。順序関係1では、ID1の定義属性=ID2の定義属性(同順位)であるから、因果連鎖不具合レコード群1のID1→ID2の因果連鎖関係は正順序連鎖として記憶される
次に順序関係2を構成するID2とID5について判断する。順序関係2では、ID2の定義属性→ID5の定義属性であり、因果連鎖不具合レコード群1のID2→ID6→ID5の因果方向と一致する。よって、ID2→ID6→ID5の因果連鎖関係は正順序連鎖関係として記憶される。
順序関係3を構成するID7とID8について判断する。順序関係3では、ID7の定義属性→ID8の定義属性の定義属性であり、因果連鎖不具合レコード群2のID8→ID7の因果方向と異なる。よって、ID8→ID7の因果連鎖関係は逆順序連鎖関係として記憶される。
順序関係4を構成するID2とID4について判断する。順序関係4では、ID2の定義属性→ID4の定義属性の定義属性であり、因果連鎖不具合レコード群3のID4→ID3→ID2の因果方向と異なる。よって、ID4→ID3→ID2の因果連鎖関係は逆順序連鎖関係として記憶される。
これらの因果連鎖関係をまとめると、図15に示されるとおりになる。
(11)表示対象不具合レコードとそれらの因果連鎖関係を表示
ついで、表示部906は、前記表示対象不具合レコードを表示する。さらに、前記正順序連鎖の関係にある不具合レコード間を結び付ける図形である正順序連鎖表示図形(例えば、実線の矢印)、および、前記逆順序連鎖の関係にある不具合レコード間を結び付ける図形である逆順序連鎖表示図形(例えば点線の矢印)を表示する(ステップS1015)。
他の表示対象不具合レコードと因果連鎖関係を有さず、因果連鎖不具合レコード群に含まれない不具合レコードは表示されるが、正順序連鎖表示図形や逆順序連鎖表示図形で他の不具合レコードと結び付けられることはない。
ここで、例えばID1〜9においては、まずID1〜9を表示する。さらに、これらの不具合レコード間に存在する因果連鎖関係を矢印で表示する。この際、前記因果連鎖関係が正順序連鎖の場合には正順序連鎖表示図形(実線の矢印)を、逆順序連鎖の場合には正順序連鎖表示図形(実線の矢印)を用いる。
なお、ID9は他の不具合レコードと因果連鎖関係を有しないので、矢印の起点または終点になることはない。
図16は、上記処理を行うことによって、前記ID1〜9の不具合レコードとその連鎖の関係を表示するフォームを示す説明図である。
図16の説明図を用いて、表示部906が不具合レコードとそれらの因果連鎖関係を表示して、本処理を終了する。
このほか、上記基本構成と同様に、ユーザによって指定された定義属性(やこれを展開した定義属性)と排他的な関係にある定義属性を含む関連レコードは除去する、というフィルタリングを行ってもよい。
また、ユーザによって指定された、連鎖表示図形(正順序連鎖表示図形・前記逆順序連鎖表示図形)の表示を削除することもできる。 このようにすると、不具合レコードの連鎖において、発見される不具合レコードの数や連鎖表示図形の数が莫大になるのを防止することができる。
C.本発明のコンピュータプログラム
不具合レコード記憶部と、辞書部と、入力受付部と、不具合レコード検索部と、順序判断部と、出力部と、を備える設計支援装置であって、前記不具合レコード記憶部は、1以上の定義属性、1以上の不具合モード、並びに、任意に制御属性、ストレス属性もしくはストレングスを含む不具合レコードを記憶し、前記辞書部は、不具合モード辞書部と定義属性辞書部とを含み、
前記不具合モード辞書部は、不具合モードを原因名として、定義属性、制御属性、ストレス属性、ストレングス、もしくは、不具合モードを結果名として、含む関連レコードを記憶し、前記定義属性辞書部は定義属性、および、一部の前記定義属性間の順序関係を記憶し、前記入力受付部は、定義属性、制御属性、もしくは、ストレス属性の1以上の入力を受け付け、前記不具合レコード検索部は、(a)前記不具合レコードから、前記入力を受け付けられた定義属性、制御属性、もしくは、ストレス属性を含む不具合レコードを検索し、表示対象不具合レコードとして記憶し、(b)前記表示対象不具合レコードの不具合モードを原因名として含む関連レコードを検索し、(c)当該検索された関連レコードの結果名を定義属性、制御属性、ストレス属性、ストレングス、もしくは、不具合モードに含む不具合レコードを前記表示対象不具合レコードの中から検索し、(d)前記(c)工程で不具合レコードが検索された場合に、当該検索された不具合レコードを結果不具合レコードとし、前記(b)工程の表示対象不具合レコードを原因不具合レコードとした、前記原因不具合レコードと前記結果不具合レコードとの間の因果方向を含む因果連鎖関係を記憶し、(e)前記(b)工程の関連レコード検索が全ての前記表示対象不具合レコードの不具合モードについて行われるまで、上記(b)〜(d)工程を繰り返し、前記順序判断部は、前記表示対象不具合レコードの中から1以上の前記因果連鎖関係を有する2以上の不具合レコードからなる因果連鎖不具合レコード群を抽出して記憶し、当該因果連鎖不具合レコード群に含まれる不具合レコード同士の定義属性間に、定義属性辞書部に記憶された順序関係があると判断された場合に、当該順序関係と前記因果方向とを比較し、前記順序関係と前記因果方向とが同一の場合、前記2つの不具合レコード間の全ての因果連鎖関係を正順序連鎖として記憶し、前記順序関係と前記因果方向とが異なる場合、前記2つの不具合レコード間の全ての因果連鎖関係を逆順序連鎖として記憶し、前記出力部は、 前記表示対象不具合レコード、および、不具合レコード間の正順序連鎖と逆順序連鎖の関係を表示する、設計支援装置を機能させるためのプログラムである。
本発明のプログラムは、一般的には、本発明のシステムにおいて使用するコンピュータ上で、またはネットワーク上で機能し得るプログラム言語、例えば、Perl/Tk、C++、Java(登録商標)、Visual Basic等で作動する。
また、本発明は、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。当該記録媒体としては、例えば、ハードディスク、CDロム、DVDロム、MO、MD等が挙げられる。
設計対象に不具合等が生ずる可能性を設計段階で発見することに用いることができる。
符号の説明
101 情報処理装置
102 CPU
103 ROM
104 ハードディスク
105 キーボード
106 マウス
107 RAM
108 表示装置
109 インターフェース
201 設計可否報告設計支援装置
202 定義属性辞書部
203 ストレングス辞書部
204 ストレス辞書部
205 比較報告辞書部
206 入力受付部
207 定義属性取得部
208 制御属性取得部
209 ストレングス取得部
210 ストレス取得部
211 報告情報取得部
212 ストレングス計算部
213 ストレス計算部213
214 比較報告部
215 制御属性辞書部
216 代用関係取得部
901 因果連鎖表示設計支援装置
902 記憶部
903 辞書部
904 入力受付部
905 検索部
906 表示部

Claims (7)

  1. 不具合レコード記憶部と、辞書部と、入力受付部と、不具合レコード検索部と、順序判断部と、出力部と、を備える設計支援装置であって、
    前記不具合レコード記憶部は、1以上の定義属性、1以上の不具合モード、並びに、任意に制御属性、ストレス属性もしくはストレングスを含む不具合レコードを記憶し、
    前記辞書部は、不具合モード辞書部と定義属性辞書部とを含み、
    前記不具合モード辞書部は、不具合モードを原因名として、定義属性、制御属性、ストレス属性、ストレングス、もしくは、不具合モードを結果名として、含む関連レコードを記憶し、 前記定義属性辞書部は定義属性、および、一部の前記定義属性間の順序関係を記憶し、
    前記入力受付部は、定義属性、制御属性、もしくは、ストレス属性の1以上の入力を受け付け、
    前記不具合レコード検索部は、
    (a)前記不具合レコードから、前記入力を受け付けられた定義属性、制御属性、もしくは、ストレス属性を含む不具合レコードを検索し、表示対象不具合レコードとして記憶し
    (b)前記表示対象不具合レコードの不具合モードを原因名として含む関連レコードを検索し、
    (c)当該検索された関連レコードの結果名を定義属性、制御属性、ストレス属性、ストレングス、もしくは、不具合モード名に含む不具合レコードを前記表示対象不具合レコードの中から検索し、
    (d)前記(c)工程で不具合レコードが検索された場合に、当該検索された不具合レコードを結果不具合レコードとし、前記(b)工程の表示対象不具合レコードを原因不具合レコードとした、前記原因不具合レコードと前記結果不具合レコードとの間の因果方向を含む因果連鎖関係を記憶し、
    (e)前記(b)工程の関連レコード検索が全ての前記表示対象不具合レコードの不具合モード名について行われるまで、上記(b)〜(d)工程を繰り返し、
    前記順序判断部は、前記表示対象不具合レコードの中から1以上の前記因果連鎖関係を有する2以上の不具合レコードからなる因果連鎖不具合レコード群を抽出して記憶し、当該因果連鎖不具合レコード群に含まれる不具合レコード同士の定義属性間に、定義属性辞書部に記憶された順序関係があると判断された場合に、当該順序関係と前記因果方向とを比較し、前記順序関係と前記因果方向とが同一の場合、前記2つの不具合レコード間の全ての因果連鎖関係を正順序連鎖として記憶し、前記順序関係と前記因果方向とが異なる場合、前記2つの不具合レコード間の全ての因果連鎖関係を逆順序連鎖として記憶し、
    前記出力部は、 前記表示対象不具合レコード、および、不具合レコード間の正順序連鎖と逆順序連鎖の関係を表示する、
    設計支援装置。
  2. 前記因果連鎖不具合レコード群において、当該因果連鎖不具合レコード群に含まれる2つの不具合レコードの定義属性の前記順序関係が同順位の場合、前記2つの不具合レコード間の全ての因果連鎖関係を正順序連鎖として記憶する、請求項1に記載の設計支援装置。
  3. 前記正順序連鎖と前記逆順序連鎖が、互いに形態の異なる図形で表示される、請求項1または2に記載の設計支援装置。
  4. 前記逆順序連鎖表示の有無が選択可能である、請求項1〜3のいずれかに記載の設計支援装置。
  5. 前記不具合レコード出力部が表示手段である、請求項1〜4のいずれかに記載の設計支援装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の設計支援装置として機能させるためのプログラム。
  7. 請求項6に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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