JP4607064B2 - ストッパー溶接装置 - Google Patents
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Description
なお、前記の17×17の行列状の配置においては、264本の燃料棒の他に、内部に制御棒、可燃毒物棒が挿入される24本の制御棒案内シンブル管及び計装装置等が挿入される1本の炉内計装用案内シンブル管が配置されているのが普通である。
これらのため、ストッパーをシンブル管の長さ方向に沿って溶接でしっかりと取付けることは、細心の注意と高度の熟練が必要であり、時間もかかる。
また、同じく焦点位置の合せも、溶接毎にシンブル管とストッパーの、即ちワークの形状が微小ではあるが相違するため、なかなか困難であり、微妙な相違が溶接不良に繋がりかねない。
シンブル管の外表面にその長さ方向に設置された直方体状のストッパーの長さ方向の両方の側面を、レーザ光を使用してシンブル管に同時に溶接するレーザ溶接機構を有していることを特徴とするストッパー溶接装置である。
この際、レーザ溶接であるためシンブル管の両側から同時に溶接することが容易であり、取付け精度も良好となる。
また、「直方体状」とは、円管状のシンブル管に取付けるため、取付け面にはシンブル管の外形に沿った円弧状の凹みが形成されていたり、頂点部分が縁取りで丸みを帯びていたりするため、厳密には直方体でない場合があり得ることを指す。
また、最終的な照射位置の決定や溶接開始に際して、作業者が各部の確認や微調整を行うこともなされ得る。
前記レーザ溶接機構は、
レーザ光源光を2つに分岐させる分岐用光学系と、
前記ストッパーの両方の側面の溶接箇所に、前記分岐用光学系により分岐されたレーザ光を照射する2個のレーザ照射部と、
前記2個のレーザ照射部が、前記ストッパーの長さ方向の中心線を基準にして線対称にレーザ光を照射する様に制御する照射方向制御部を、
有していることを特徴とするストッパー溶接装置である。
なおこの際、ストッパーの両端の4点を仮止めスポット溶接でシンブル管に固定し、その後上下方向に細長いストッパーの長さ方向の側面を、炉内におけるストッパーの下部側両端から上部側両端の方向にレーザビームの照射を走査して本溶接を行うことが、取付け位置の寸法精度の確保の面からは好ましい。
スプリッター等の光学機器を使用する場合には、レーザ光源光を完全に等分割することが、スプリッター等の入手や、2個のレーザ照射部の製造や制御の面から好ましい。ただし、実際にレーザを照射する2個のレーザヘッドの配置等の都合で、完全に等分割すれば逆に照射エネルギーが等しくならない場合には、2個のレーザヘッドの配置等の都合により生じる不均等を補償する様に分割する様になされていても良い。
なお、エネルギー的に等分割する、例えばP波とS波等に分割する、ためのスプリッターは、他の分割比とするよりも分割比が正確であり、かつそのための光学機器も安価に販売されている。
前記レーザ溶接機構は、
レーザ光源光を4つに分岐させる分岐用光学系と、
前記ストッパーの両方の側面の溶接箇所に、前記分岐用光学系により分岐されたレーザ光を照射する4個のレーザ照射部と、
前記4個のレーザ照射部が、前記ストッパーの中心点を基準にして点対称または中心線を基準にして線対称にレーザ光を照射する様に制御する照射方向制御部を、
有していることを特徴とするストッパー溶接装置である。
ここに、4分割は原則として等エネルギー分割であり、また光学系としてスプリッター等の光学機器を使用する場合には、その手配等の面からは、等分割を2度行うことが好ましい。
なお、特に高い寸法精度が要求されない場合には、その両側の中央部に各2箇所からレーザ光が照射され、照射位置は左右両側とも側面に沿って長さ方向の端部まで移動していく方法を採用しても良い。
なお、レーザパルスを使用する仮止めスポット溶接は、4分割したレーザ光源光を使用して一度に行うことが、取付け位置精度の確保と溶接時間を短縮する面から好ましい。
前記レーザ照射部を、前記ストッパーの側面に垂直な線に対して、上方に15度から45度傾斜した角度でレーザ光を照射する様に制御する照射角度制御部を有していることを特徴とするストッパー溶接装置である。
なお、ポロシティ発生防止等の面からは、傾射角は30±5度程度が好ましい。
前記ストッパーとシンブル管の外表面における、溶接のために照射したレーザ光の光束の中心点が、前記シンブル管とストッパーの長方形状の接触箇所の長さ方向の中心線のある位置を基準にして、0.1mmから0.3mmストッパー寄りにある様に、前記レーザ照射部を制御する照射位置制御部を有していることを特徴とするストッパー溶接装置である。
また、ストッパーとシンブル管の外表面におけるレーザ光の照射の広がりは、直径0.5〜1.0mm程度であるのが好ましく、レーザのピーク出力は1000〜1500kW、好ましくは1200〜1300kW程度である。
前記照射位置制御部は、溶接箇所を撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮影した映像を画像処理して、前記ストッパーとシンブル管の外表面における、溶接のために照射したレーザ光の光束の中心点を見出す画像処理部と、
前記画像処理部が見出した中心点を基に、前記レーザ照射部を制御する中心点位置制御部を有していることを特徴とするストッパー溶接装置である。
撮像部は、絞りを強めたり、足切りを行なったりして、溶接用のレーザ光を照射されて強く輝く箇所のみ撮像する。
画像処理部は、撮像部が撮像した強く輝く箇所の中心点を求めるが、この際強く輝く箇所は本来円形に広がる筈であるが、ストッパーの側面は垂直であり、シンブル管の表面は円筒形であり、さらにレーザ光は斜め上方から照射されていること(請求項4)等を考慮する。
前記レーザ照射部が照射するレーザ光の焦点距離は160〜200mmであり、
レーザ光の焦点が、前記ストッパーとシンブル管の外表面における、溶接のために照射したレーザ光の光束の中心点から1mmないし5mmレーザ照射部側にある様に前記レーザ照射部を制御する焦点位置制御部を有していることを特徴とするストッパー溶接装置である。
なお、焦点位置のずれは、1mmないし3mmが好ましい。
前記焦点位置制御部は、前記レーザ照射部に同軸で装着されたレーザ距離測定部と、
前記レーザ距離測定部が測定した距離を基に前記レーザ照射部の照射距離を制御する照射距離制御部を有していることを特徴とするストッパー溶接装置である。
なお、「レーザ照射部に同軸」とは、実際にレーザを照射するレーザヘッドやレーザヘッドの集光用レンズと一体的に動き、かつ溶接用のレーザ光(の中心線)と距離測定用のレーザ光とが平行であることを指す。
即ち、1つのレーザ発生装置からのレーザ光源光を、レーザファイバーを分岐させたり、スプリッター等の光学機器で分岐させたりして、ストッパーの相互に線対称となる2箇所を同時に溶接するため、溶接歪の発生が少なくなる。
また、レーザ発生装置からのレーザ光源光を、レーザファイバーを分岐させたり、スプリッター等の光学機器で分岐させたりして、ストッパーの相互に点対称または線対称となる4個所を同時に溶接するため、溶接歪の発生が少なくなる。
本実施の形態は、YAGレーザ源からのレーザ光を、光学系を用いて等エネルギーに分岐させ、ストッパーの左右両側面を、相互に線対称に、同じ出力で、同時に溶接することに関する。
以下、本発明を特徴付ける構造、作用、効果について、図1を参照しつつ説明する。
図1は、シンブル管にストッパーをレーザ溶接で取付けている様子を概念的に示す図である。図1において、10はストッパーであり、20はシンブル管であり、30はレーザヘッドであり、31はレーザビームであり、32はストッパーとシンブル管の外表面における、溶接のために照射したレーザ光の照射位置における光束の中心点であり、33はレーザビームの焦点である。
これらにより、溶接の開始に際してストッパー10の位置決めや照射位置や焦点合わせが正確となり、その上それらの誤差に対する許容度が高くなる。
以上の結果、溶け込みが深く、ポロシティの無い溶接が得られることとなる。
なお、各溶接箇所は、最終的には作業者により確認される。
また、レーザヘッドあるいはその溶接用の集光レンズと被照射位置との距離の測定、画像処理装置等を用いてのレーザヘッドの自動シフト、最終位置の確認等についても周知技術であるため、それらの説明は省略する。
本実施の形態は、ストッパーの中心点を基準にして、点対象に4箇所同時に溶接することに関する。
図2を参照しつつ本実施の形態の特徴部分を説明する。図2は、水平に設置されたシンブル管20の外表面の上部中央にほぼ直方体のストッパー10をシンブル管20の長さ方向に置き、上下両端の4箇所をレーザ光源光を4分割したレーザパルスを照射して一度に仮止めスポット溶接し、次いでストッパー10の左右両側にある溶接箇所を、4分割したレーザ光のうち2つでストッパーの炉内における下部側の両端から中央に向かって溶接し、他の2つのレーザ光でストッパーの中央部両側から上部側両端に向かって溶接している途中の様子を上方から見た図である。
ここに、4箇所同時に溶接することとしたのは、ストッパー10はほぼ直方体であり、溶接箇所はその中心点を基準に点対象となっているからである。
従って、CPUはこれらの格納されているデータを参照しつつ、各集光レンズの取り付け角やレーザ発生装置の出力を制御することとなる。
20 シンブル管
30 レーザヘッド
31 レーザビーム
32 照射位置における光束の中心点
33 レーザビームの焦点
Claims (8)
- シンブル管の外表面にその長さ方向に設置された直方体状のストッパーの長さ方向の両方の側面を、レーザ光を使用してシンブル管に同時に溶接するレーザ溶接機構を有していることを特徴とするストッパー溶接装置。
- 前記レーザ溶接機構は、
レーザ光源光を2つに分岐させる分岐用光学系と、
前記ストッパーの両方の側面の溶接箇所に、前記分岐用光学系により分岐されたレーザ光を照射する2個のレーザ照射部と、
前記2個のレーザ照射部が、前記ストッパーの長さ方向の中心線を基準にして線対称にレーザ光を照射する様に制御する照射方向制御部を、
有していることを特徴とする請求項1に記載のストッパー溶接装置。 - 前記レーザ溶接機構は、
レーザ光源光を4つに分岐させる分岐用光学系と、
前記ストッパーの両方の側面の溶接箇所に、前記分岐用光学系により分岐されたレーザ光を照射する4個のレーザ照射部と、
前記4個のレーザ照射部が、前記ストッパーの中心点を基準にして点対称または中心線を基準にして線対称にレーザ光を照射する様に制御する照射方向制御部を、
有していることを特徴とする請求項1に記載のストッパー溶接装置。 - 前記レーザ照射部を、前記ストッパーの側面に垂直な線に対して、上方に15度から45度傾斜した角度でレーザ光を照射する様に制御する照射角度制御部を有していることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のストッパー溶接装置。
- 前記ストッパーとシンブル管の外表面における、溶接のために照射したレーザ光の光束の中心点が、前記シンブル管とストッパーの長方形状の接触箇所の長さ方向の中心線のある位置を基準にして、0.1mmから0.3mmストッパー寄りにある様に、前記レーザ照射部を制御する照射位置制御部を有していることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のストッパー溶接装置。
- 前記照射位置制御部は、溶接箇所を撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮影した映像を画像処理して、前記ストッパーとシンブル管の外表面における、溶接のために照射したレーザ光の光束の中心点を見出す画像処理部と、
前記画像処理部が見出した中心点を基に、前記レーザ照射部を制御する中心点位置制御部を有していることを特徴とする請求項5に記載のストッパー溶接装置。 - 前記レーザ照射部が照射するレーザ光の焦点距離は160〜200mmであり、
レーザ光の焦点が、前記ストッパーとシンブル管の外表面における、溶接のために照射したレーザ光の光束の中心点から1mmないし5mmレーザ照射部側にある様に前記レーザ照射部を制御する焦点位置制御部を有していることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれかに記載のストッパー溶接装置。 - 前記焦点位置制御部は、前記レーザ照射部に同軸で装着されたレーザ距離測定部と、
前記レーザ距離測定部が測定した距離を基に前記レーザ照射部の照射距離を制御する照射距離制御部を有していることを特徴とする請求項7に記載のストッパー溶接装置。
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