JP4605462B2 - 受信装置及び半導体集積回路 - Google Patents

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Description

本発明は受信装置及び半導体集積回路に関し、例えば非接触型IC(Integrated Circuit)カードに対してデータを書き込み及び読み出すリーダライタに適用して好適なものである。
非接触型ICカードは、鉄道の乗車券や定期券、電子マネーカード、行政サービスを利用するための個人特定カード等として普及し始めている。そして非接触型ICカードに対して適用可能な通信方式としては、国際標準化機関(ISO/IEC-14443 (International Standardization Organization/International Electrotechnical Commission-14443)により規定されたものを含めてタイプA、タイプB、FeliCa(登録商標)と呼ばれる3つのタイプが存在する。
ここでタイプAと呼ばれる通信方式(以下、これをタイプA通信方式と呼ぶ)の適用された非接触型ICカード(以下、これをタイプA適用ICカードと呼ぶ)は、リーダライタからデータが要求されると、当該要求されたデータに応じて 13.56〔MHz〕のキャリア(搬送波)の所定部分を 847.5〔KHz〕のサブキャリア(副搬送波)で負荷変調することにより図10(A)に示すような波形の返信信号S1を生成する。この場合、タイプA通信方式では、その返信信号S1に対し1ビットのデータを表すデータ単位期間(ETU:Elementary Time Unit)で、前半部分にのみサブキャリアが重畳されているとき例えば「1」のデータ値を表現し、後半部分にのみサブキャリアが重畳されているとき例えば「0」のデータ値を表現するように規定している。
またタイプBと呼ばれる通信方式(以下、これをタイプB通信方式と呼ぶ)の適用された非接触型ICカード(以下、これをタイプB適用ICカードと呼ぶ)は、リーダライタからデータが要求されると、当該要求されたデータに応じて 13.56〔MHz〕のキャリア全体を 847.5〔KHz〕のサブキャリアで負荷変調して図10(B)に示すような波形の返信信号S2を生成する。この場合、タイプB通信方式では、その返信信号S2に対し1ビットのデータを表す1データ単位期間で、サブキャリアの位相の違いにより「1」のデータ値や「0」のデータ値を表現するように規定している。
さらにFeliCaと呼ばれる通信方式(以下、これをフェリカ通信方式と呼ぶ)の適用された非接触型ICカード(以下、これをフェリカ適用ICカードと呼ぶ)は、リーダライタからデータが要求されると、当該要求されたデータに応じて、13.56 〔MHz〕のキャリアを、 847.5〔KHz〕のサブキャリアを用いずに負荷変調することにより図10(C)に示すような波形の返信信号S3を生成する。この場合、フェリカ通信方式では、その返信信号S3に対し1ビットのデータを表す1データ単位期間で、当該1データ単位期間内におけるレベルの変化の仕方(すなわち、論他「L」レベルから論理「H」レベルへの立上りや、論理「H」レベルから論理「L」レベルへの立下り)により「1」のデータ値や「0」のデータ値を表現するように規定している。
そして従来のリーダライタは、非接触型ICカードがかざされると、ループ状に形成された導電線でなるアンテナ素子(以下、これをループアンテナ素子と呼ぶ)を介して電力供給用の信号に応じた電磁波を放射する。これにより非接触型ICカードは、その電磁波に応じて自身のアンテナ部に誘起される電流を整流して直流電力に変換し、その直流電力を駆動電力としてバッテリーレスでも動作する。この状態でリーダライタは、データを要求する要求信号をループアンテナ素子を介して非接触型ICカードに送信する。そして非接触型ICカードは、リーダライタから送信された要求信号を自己のアンテナ部で受信すると、リーダライタにより要求されたデータに応じてキャリアを負荷変調し、その結果得られた返信信号S1、S2、S3をアンテナ部を介してリーダライタに返信する。
ここでリーダライタは、非接触型ICカードに適用される通信方式が3種類存在するため、非接触型ICカードから返信された返信信号S1、S2、S3をループアンテナ素子で受信すると、当該受信した返信信号S1、S2、S3を復調処理し、得られた復調信号に対する波形の立上りと立下りとの間の時間を計測する。そしてリーダライタは、その計測結果に基づいて、現在、通信中の非接触型ICカードに適用された通信方式を判別する。これによりリーダライタは、通信相手の非接触型ICカードに対し何れの通信方式が適用されていても、当該非接触型ICカードと、これに適用された通信方式に応じて的確に通信し得るようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−342725公報(第3頁、第5頁、図1、図3)
ところでかかる構成のリーダライタにおいて、非接触型ICカードから返信された所定波形の返信信号S1、S2、S3をループアンテナ素子で受信すると、当該ループアンテナ素子の一端にはその返信信号S1、S2、S3がそのまま現れ、当該ループアンテナ素子の他端には返信信号S1、S2、S3の所定波形が反転し、かつ位相のほぼ一致している波形反転信号が現れる。従ってリーダライタは、ループアンテナ素子の一端に現れた返信信号S1、S2、S3と、当該ループアンテナ素子の他端に現れた波形反転信号とを受信部に取り込む。そしてリーダライタは受信部において返信信号S1、S2、S3から例えばローパスフィルタ(Low Pass Filter )を通してキャリア(搬送波)成分を取り除くことにより受信信号を生成し、これを復調部に送出する。またリーダライタは受信部において波形反転信号からも例えばローパスフィルタを通してキャリア成分を取り除くことにより波形反転受信信号を生成し、これも復調部に送出する。
ここで図11に示すように復調部1には、第1の増幅器A1の出力端に対し、負帰還電流調整用の第1及び第2の抵抗R1及びR2が直列接続され、かつ当該第1及び第2の抵抗R1及びR2の接続中点P1に対し第1の増幅器A1の例えば負極入力端が接続されて形成された第1の負帰還増幅回路2が設けられている。また復調部1には、第2の増幅器A2の出力端に対し、負帰還電流調整用の第3及び第4の抵抗R3及びR4が直列接続され、かつ当該第3及び第4の抵抗R3及びR4の接続中点P2に対し第2の増幅器A2の負極入力端が接続されて形成された第2の負帰還増幅回路3が設けられている。因みに第1の負帰還増幅回路2において第2の抵抗R2の一端は、第3のコンデンサC3を介して接地されている。また第2の負帰還増幅回路3において第4の抵抗R4の一端は、第4のコンデンサC4を介して接地されている。
さらに復調部1において第1の負帰還増幅回路2の後段には、第1の増幅器A1の出力端に一端が接続された第1のコンデンサC1と、当該第1のコンデンサC1の他端に、一端が接続され、かつ他端が接地された第5の抵抗R5とから形成された第1のハイパスフィルタ(High Pass Filter)4が設けられている。さらに復調部1において第2の負帰還増幅回路3の後段には、第2の増幅器A2の出力端に一端が接続された第2のコンデンサC2と、当該第2のコンデンサC2の他端に、一端が接続され、かつ他端が接地された第6の抵抗R6とから形成された第2のハイパスフィルタ(High Pass Filter)5が設けられている。
そして復調部1において第1のハイパスフィルタ4の出力端(すなわち、第1のコンデンサC1の他端)は、ゼロクロスコンパレータ6の正極入力端に接続されると共に、第2のハイパスフィルタ6の出力端(すなわち、第2のコンデンサC2の他端)は、当該ゼロクロスコンパレータ6の負極入力端に接続されている。
従って復調部1は、受信部から与えられた受信信号S5を第1の負帰還増幅回路2において第1の増幅器A1の正極入力端に取り込む。これにより第1の負帰還増幅回路2は、第1の増幅器A1において受信信号S5を、負帰還を掛けながら増幅し、得られた第1の増幅信号S6を第1のハイパスフィルタ4に送出する。そして第1のハイパスフィルタ4は、第1の負帰還増幅回路2から与えられた第1の増幅信号S6に対し所定周波数よりも低い低周波数成分を除去する。その結果、第1のハイパスフィルタ4は、高周波数成分でなる高域信号(以下、これを第1の高域信号と呼ぶ)S7を生成し、これをゼロクロスコンパレータ6に送出する。
また復調部1は、受信部から与えられた波形反転受信信号S8を第2の負帰還増幅回路3において第2の増幅器A2の正極入力端に取り込む。これにより第2の負帰還増幅回路3は、第2の増幅器A2において波形反転受信信号S8を、負帰還を掛けながら増幅し、得られた第2の増幅信号S9を第2のハイパスフィルタ5に送出する。そして第2のハイパスフィルタ5は、第2の負帰還増幅回路3から与えられた第2の増幅信号S9に対し、第1のハイパスフィルタ4と同様に所定周波数よりも低い低周波数成分を除去する。その結果、第2のハイパスフィルタ5は、高周波数成分でなり、復調処理に用いる基準信号(以下、これを第2の高域信号と呼ぶ)S10を生成し、これをゼロクロスコンパレータ6に送出する。
ゼロクロスコンパレータ6は、図12(A)に示すように、第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5から与えられた第1及び第2の高域信号S7及びS10を取り込みながら、これら第1及び第2の高域信号S7及びS10同士の交点(すなわち、位相のほぼ一致した第1及び第2の高域信号S7及びS10同士で電位差が0〔V〕となる点であり、以下、これを信号交点と呼ぶ)SCP1を順次検出する。またゼロクロスコンパレータ6は、信号交点SCP1を順次検出しながら当該信号交点SCP1を検出した交点検出タイミングの直後において第1及び第2の高域信号S7及びS10の何れの電圧値が大きいかを判別する。
そしてゼロクロスコンパレータ6は、信号交点SCP1を検出した交点検出タイミングの直後に、正極入力端を介して取り込んだ第1の高域信号S7の電圧値が、負極入力端を介して取り込んだ第2の高域信号S10の電圧値よりも大きければ、当該信号交点SCP1を検出した交点検出タイミングを、矩形波における論理「H」レベルへの立上りタイミングとする。これに対してゼロクロスコンパレータ6は、信号交点SCP1を検出した交点検出タイミングの直後に、正極入力端を介して取り込んだ第1の高域信号S7の電圧値よりも、負極入力端を介して取り込んだ第2の高域信号S10の電圧値が大きければ、当該信号交点SCP1を検出した交点検出タイミングを、矩形波における論理「L」レベルへの立下りタイミングとする。
これに加えてゼロクロスコンパレータ6は、時間的に前後する信号交点SCP1間の論理「H」レベル及び論理「L」レベルを、当該ゼロクロスコンパレータ6に接続された電源電圧(図示せず)から供給される電圧値に応じた値とする。これによりゼロクロスコンパレータ6は、図12(B)に示すように、信号交点SCP1を検出した交点検出タイミングを論理レベルの変化タイミングとして第1の高域信号S7を2値化してなる復調信号S11を生成し、これを後段に出力する。
このようにしてリーダライタは、1つの復調部1において、タイプA適用ICカード、タイプB適用ICカード及びフェリカ適用ICカードの何れで生成された返信信号S1、S2、S3についても復調処理するようにしている。
ここで復調部1において、第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5は、第1及び第2のコンデンサC1及びC2による直流信号を通さないという性質を利用して第1及び第2の増幅信号S6及びS9から低周波数成分を除去して高周波数成分だけを抽出することで、第1及び第2の高域信号S7及びS10を生成している。
そして上述の図10(B)からも明らかなように、タイプB通信方式に準じて生成された返信信号S2は、1データ単位期間全体に渡ってサブキャリアが重畳されていることにより、その1データ単位期間全体が比較的高い周波数成分を有している。従って第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5は、リーダライタがタイプB適用ICカードから返信信号S2を受信したとき、その返信信号S2に基づいて得られた第1及び第2の増幅信号S6及びS9から1データ単位期間全体に渡る周波数成分(すなわち、比較的高い周波数成分)を的確に抽出することができ、かくしてサブキャリアに相当する交流波形の信号でなる第1及び第2の高域信号S7及びS10を生成することができる。
ところが上述の図10(A)からも明らかなように、タイプA通信方式に準じて生成された返信信号S1は、1データ単位期間内のサブキャリアが重畳されている前半部分や後半部分(以下、これをサブキャリア重畳部分と呼ぶ)のみが比較的高い周波数成分を有している。そしてかかる返信信号S1は、1データ単位期間内のサブキャリアが重畳されてはいない残りの後半部分や前半部分(以下、これをサブキャリア未重畳部分と呼ぶ)が、論理「H」レベルに立ち上げられたままの直流信号に近い直線的な波形であるため比較的低い周波数成分を有している。
このため図13(A)に示すように、第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5は、リーダライタがタイプA適用ICカードから返信信号S1を受信したとき、その返信信号S1に基づいて得られた第1及び第2の増幅信号S6及びS9から1データ単位期間内のサブキャリア重畳部分SOA1については周波数成分(すなわち、比較的高い周波数成分)を的確に抽出し得るものの、残りのサブキャリア未重畳部分SOA2については、周波数成分(すなわち、比較的低い周波数成分)を減衰させることになる。その結果、第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5は、返信信号S1に基づく第1及び第2の増幅信号S6及びS9から、1データ単位期間内のサブキャリア重畳部分SOA1については、サブキャリアに相当する交流波形でなり、残りのサブキャリア未重畳部分SOA2については直線的な波形が徐徐に減衰して互いに交差する第1及び第2の高域信号S7A及びS10Aを生成する。
従ってゼロクロスコンパレータ6は、このようなタイプA通信方式に順じた返信信号S1に基づく第1及び第2の高域信号S7A及びS10Aが与えられると、これら第1及び第2の高域信号S7A及びS10Aに基づいて、サブキャリア重畳部分SOA1に対応する部分では図12(B)について上述した場合と同様に矩形波状の信号となるものの、サブキャリア未重畳部分SOA2に対応する部分では本来、図13(B)に示すように論理「H」レベルに立上がったままの波形となるところを、図13(C)に示すように、第1及び第2の高域信号S7A及びS10Aの信号交点SCP1Aを検出した交点検出タイミングを論理「H」レベルから論理「L」レベルへの立下りタイミングとした矩形波状の信号となる復調信号S11Aを生成する。
また上述の図10(C)からも明らかなように、フェリカ通信方式に準じて生成された返信信号S3は、1データ単位期間内の前半部分及び後半部分が論理「H」レベルに立上げられたまま又は論理「L」レベルに立下げられたままの直流信号に近い直線的な波形であるため比較的低い周波数成分を有している。
従って第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5は、リーダライタがフェリカ適用ICカードから返信信号S3を受信したときも、その返信信号S3に基づいて得られた第1及び第2の増幅信号S6及びS9から1データ単位期間内の前半部分及び後半部分からそれぞれ周波数成分(すなわち、比較的低い周波数成分)を減衰させることになる。その結果、第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5は、返信信号S3に基づく第1及び第2の増幅信号S6及びS9から、1データ単位期間内の前半部分及び後半部分でそれぞれ直線的な波形が徐徐に減衰して互いに交差する第1及び第2の高域信号を生成する。
このためゼロクロスコンパレータ6は、このようなフェリカ通信方式に順じた返信信号S3に基づく第1及び第2の高域信号が与えられたときも、本来の波形とは異なり、1データ単位期間の前半部分及び後半部分に対応する部分においてそれぞれ第1及び第2の高域信号の信号交点を検出した交点検出タイミングを、論理レベルの変化タイミングとした矩形波状の信号でなる復調信号を生成する。
そしてリーダライタは、タイプA適用ICカードから返信信号S1を受信した際や、フェリカ適用ICカードから返信信号S3を受信した際に、復調部1のゼロクロスコンパレータ6から本来の波形とは異なる波形の復調信号S11Aが後段に出力されると、当該受信した返信信号S1及びS3を的確に判別し難いことにより、その返信信号S1及びS3の受信に応じた的確な処理を実行することができないという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、受信した信号に応じた処理を的確に実行し得る受信装置及び半導体集積回路を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、搬送波が変調されて生成された所定波形の信号がアンテナ素子で受信されると、受信信号生成部により、当該アンテナ素子で受信された信号から搬送波成分を取り除いて受信信号を生成し、高域信号生成部により、当該受信信号生成部で生成された受信信号から所定周波数よりも低い低周波数成分を除去して高域信号を生成し、第1の復調信号生成部により、所定の基準信号と当該高域信号生成部で生成された高域信号との信号交点を検出した後、当該基準信号及び高域信号同士の電位差が予め設定されたオフセット電位差と一致するタイミングを論理レベルの変化タイミングとして高域信号を2値化してなる第1の復調信号を生成するようにした。
従って本発明では、アンテナ素子で受信された信号が低周波数成分を有している場合に、高域信号生成部によりその低周波数成分を徐徐に減衰させて高域信号を生成したことで、当該高域信号と基準信号とに対し本来、信号交点の存在しないはずの部分に信号交点が生じても、本来の信号交点のみに応じた論理レベルの変化点を有する第1の復調信号を的確に生成することができる。
本発明によれば、搬送波が変調されて生成された所定波形の信号がアンテナ素子で受信されると、受信信号生成部により、当該アンテナ素子で受信された信号から搬送波成分を取り除いて受信信号を生成し、高域信号生成部により、当該受信信号生成部で生成された受信信号から所定周波数よりも低い低周波数成分を除去して高域信号を生成し、第1の復調信号生成部により、所定の基準信号と当該高域信号生成部で生成された高域信号との信号交点を検出した後、当該基準信号及び高域信号同士の電位差が予め設定されたオフセット電位差と一致するタイミングを論理レベルの変化タイミングとして高域信号を2値化してなる第1の復調信号を生成するようにしたことにより、アンテナ素子で受信された信号が低周波数成分を有している場合に、高域信号生成部によりその低周波数成分を徐徐に減衰させて高域信号を生成したことで、当該高域信号と基準信号とに対し本来、信号交点の存在しないはずの部分に信号交点が生じても、本来の信号交点のみに応じた論理レベルの変化点を有する第1の復調信号を的確に生成することができ、かくして受信した信号に応じた処理を的確に実行し得る受信装置及び半導体集積回路を実現することができる。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
図1において、20は全体として第1の実施の形態によるリーダライタを示し、タイプAと呼ばれる通信方式(以下、これをタイプA通信方式と呼ぶ)の適用された図示しない非接触型ICカード(以下、これをタイプA適用ICカードと呼ぶ)、タイプBと呼ばれる通信方式(以下、これをタイプB通信方式と呼ぶ)の適用された図示しない非接触型ICカード(以下、これをタイプB適用ICカードと呼ぶ)、FeliCa(登録商標)と呼ばれる通信方式(以下、これをフェリカ通信方式と呼ぶ)の適用された図示しない非接触型ICカード(以下、これをフェリカ適用ICカードと呼ぶ)の何れとも非接触で通信し得るようになされている。
この場合、リーダライタ20には、ループ状に形成された導電線でなるループアンテナ素子21が搭載されると共に、半導体集積回路22が搭載されている。半導体集積回路22は、全体を統括的に制御する中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit )25に対し、バス26を介して、プログラムやデータ等が記憶されるメモリ部27と、その他回路部28及び29と、変調部30と、復調部31とが接続されると共に、当該変調部30に送信部32が接続され、復調部31に受信部33が接続されて形成されている。そして送信部32及び受信部33は、平衡伝送線を介して半導体集積回路22外部のループアンテナ素子21に接続されている。
中央処理ユニット25は、例えば外部からタイプA適用ICカードと通信するように設定された場合、外部のタイプA適用ICカードに対してデータを要求する要求データを変調部30に送出する。変調部30は、中央処理ユニット25から与えられた要求データを変調処理し、得られた要求信号を送信部32を介してループアンテナ素子21から外部に送信する。
このようにして中央処理ユニット25は、かかる要求信号を所定周期で繰り返し外部に送信する(いわゆる、ポーリング処理を実行する)。この状態で中央処理ユニット25は、リーダライタ20に対してタイプA適用ICカードがかざされたときに要求信号を送信すると、これに応じてタイプA適用ICカードから返信された所定波形の返信信号をループアンテナ素子21で受信する。このときループアンテナ素子21の一端には、その返信信号がそのまま現れる。またループアンテナ素子21の他端には、返信信号の所定波形が反転し、かつ当該返信信号と位相のほぼ一致している波形反転信号が現れる。従って受信部33は、ループアンテナ素子21の一端に現れた返信信号と、当該ループアンテナ素子21の他端に現れた波形反転信号とを取り込む。これにより受信部33は、返信信号から例えばローパスフィルタ(Low Pass Filter )を通してキャリア(搬送波)成分を取り除くことにより、サブキャリア成分でなる受信信号を生成し、これを復調部31に送出する。また受信部33は、波形反転信号からも例えばローパスフィルタを通してキャリア成分を取り除くことにより、サブキャリア成分でなる波形反転受信信号を生成し、これも復調部31に送出する。
ここで図11との対応部分に同一符号を付して示す図2において復調部31は、第1のハイパスフィルタ4の出力端(すなわち、第1のコンデンサC1の他端)に対し、ゼロクロスコンパレータ6の正極入力端と、オフセットコンパレータ40の正極入力端とが接続されている。また復調部31は、第2のハイパスフィルタ6の出力端(すなわち、第2のコンデンサC2の他端)に対し、ゼロクロスコンパレータ6の負極入力端と、オフセットコンパレータ40の負極入力端とが接続されている。そしてゼロクロスコンパレータ6及びオフセットコンパレータ40の出力端には、選択回路41が接続されている。
かかる構成において、復調部31は、タイプA適用ICカードから返信された返信信号が受信されたとき、これに応じて受信部33から与えられた受信信号S20を第1の負帰還増幅回路2において第1の増幅器A1の正極入力端に取り込む。この際、第1の負帰還増幅回路2は、第1の増幅器A1において受信信号S20を、負帰還を掛けながら増幅し、得られた第1の増幅信号S21を第1のハイパスフィルタ4に送出する。そして第1のハイパスフィルタ4は、第1の負帰還増幅回路2から与えられた第1の増幅信号S21に対し所定周波数よりも低い低周波数成分を除去する。その結果、第1のハイパスフィルタ4は、高周波数成分でなる高域信号(以下、これを第1の高域信号と呼ぶ)S22を生成し、これをゼロクロスコンパレータ6及びオフセットコンパレータ40に送出する。
また復調部31は、受信部33から与えられた波形反転受信信号S23を第2の負帰還増幅回路3において第2の増幅器A2の正極入力端に取り込む。この際、第2の負帰還増幅回路3は、第2の増幅器A2において波形反転受信信号S23を、負帰還を掛けながら増幅し、得られた第2の増幅信号S24を第2のハイパスフィルタ5に送出する。そして第2のハイパスフィルタ5は、第2の負帰還増幅回路3から与えられた第2の増幅信号S24に対し、第1のハイパスフィルタ4と同様に所定周波数よりも低い低周波数成分を除去する。その結果、第2のハイパスフィルタ5は、高周波数成分でなり、復調処理に用いる基準信号(以下、これを第2の高域信号と呼ぶ)S25を生成し、これもゼロクロスコンパレータ6及びオフセットコンパレータ40に送出する。
ゼロクロスコンパレータ6は、第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5から与えられた第1及び第2の高域信号S22及びS25を取り込みながら、これら第1及び第2の高域信号S22及びS25同士の交点(すなわち、位相のほぼ一致した第1及び第2の高域信号S22及びS25同士で電位差が0〔V〕となる点であり、以下、これを信号交点と呼ぶ)を順次検出する。またゼロクロスコンパレータ6は、信号交点を順次検出しながら当該信号交点を検出した交点検出タイミングの直後において第1及び第2の高域信号S22及びS25の何れの電圧値が大きいかを判別する。
そしてゼロクロスコンパレータ6は、信号交点を検出した交点検出タイミングの直後に、正極入力端を介して取り込んだ第1の高域信号S22の電圧値が、負極入力端を介して取り込んだ第2の高域信号S25の電圧値よりも大きければ、当該信号交点を検出した交点検出タイミングを矩形波における論理「H」レベルへの立上りタイミングとする。これに対してゼロクロスコンパレータ6は、信号交点を検出した交点検出タイミングの直後に、正極入力端を介して取り込んだ第1の高域信号S22の電圧値よりも、負極入力端を介して取り込んだ第2の高域信号S25の電圧値が大きければ、当該信号交点を検出した交点検出タイミングを矩形波における論理「L」レベルへの立下りタイミングとする。
これに加えてゼロクロスコンパレータ6は、時間的に前後する信号交点間の論理「H」レベル及び論理「L」レベルを、当該ゼロクロスコンパレータ6に接続された電源電圧(図示せず)から供給される電圧値に応じた値とする。これによりゼロクロスコンパレータ6は、信号交点を検出した交点検出タイミングを論理レベルの変化タイミングとして第1の高域信号S22を2値化してなる復調信号S26を生成し、これを選択回路41に送出する。
ところで図3(A)に示すように、タイプA通信方式に準じた返信信号S1に基づく第1及び第2の高域信号S22及びS25においてサブキャリアの重畳されている部分(以下、これをサブキャリア重畳部分と呼ぶ)SOA3は、比較的短い周期の交流波形となっている。従ってかかる第1及び第2の高域信号S22及びS25同士は、信号交点SCP2以降に急激に電位差が大きくなる。
これに対して図3(B)に示すように、その第1及び第2の高域信号S22及びS25においてサブキャリアの重畳されてはいない部分(以下、これをサブキャリア未重畳部分と呼ぶ)SOA4は、第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5の処理に起因して信号交点SCP3が生じても、サブキャリア重畳部分SOA3の交流波形よりも緩やかに変化する波形となっている。従ってかかる第1及び第2の高域信号S22及びS25同士は、信号交点SCP3以降に電位差がわずかに大きくなるだけでその電位差が急激に変化することはない。
このためオフセットコンパレータ40は、ゼロクロスコンパレータ6とほぼ同様構成でなるものの、当該オフセットコンパレータ40で第1及び第2の高域信号S22及びS25を復調処理して得られる復調信号S27に対し論理レベルの変化タイミングを、これら第1及び第2の高域信号S22及びS25同士において電位差が0〔V〕となる信号交点SCP2及びSCP3を検出する交点検出タイミングとするのではなく、これら第1及び第2の高域信号S22及びS25同士の電位差が、予め設定された0〔V〕よりも大きい電位差(以下、これをオフセット電位差と呼ぶ)と一致するタイミング(以下、これを電位差一致タイミングと呼ぶ)に変更している。すなわち、オフセットコンパレータ40は、論理レベルの変化タイミングの検出基準となる電位差の値が0〔V〕に対してオフセットされている。
なお、この実施の形態の場合、オフセット電圧値V1は、第1及び第2の高域信号S22及びS25のサブキャリア未重畳部分SOA4における最大電位差(以下、これを未重畳部分最大電位差と呼ぶ)V2よりも大きく、かつサブキャリア重畳部分SOA3における最大電位差(以下、これを重畳部分最大電位差と呼ぶ)V3よりも小さい値で、さらにその未重畳部分最大電位差V2の値に極力近い値に選定されている。
実際上、オフセットコンパレータ40は、第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5から与えられた第1及び第2の高域信号S22及びS25を取り込みながら、これら第1及び第2の高域信号S22及びS25同士の信号交点SCP2及びSCP3を順次検出する。またオフセットコンパレータ40は、信号交点SCP2及びSCP3を順次検出する毎に当該信号交点SCP2及びSCP3を検出した交点検出タイミングから第1及び第2の高域信号S22及びS25同士の電位差を順次検出して当該電位差の変化を監視する。
そしてオフセットコンパレータ40は、交点検出タイミングから変化を監視している電位差(以下、これを検出電位差と呼ぶ)を、予め設定されたオフセット電位差V1と比較する。その結果、オフセットコンパレータ40は、検出電位差がオフセット電位差V1と一致すると、当該検出電位差がオフセット電位差V1と一致した電位差一致タイミングを、復調信号S27の矩形波における論理レベルの変化タイミングとする。因みにオフセットコンパレータ40は、交点検出タイミングから変化を監視している検出電位差が一度オフセット電位差V1と一致すると、その後は信号交点SCP2及びSCP3を再び検出するまでの間、検出電位差の検出及びオフセット電位差V1との比較を停止する。これによりオフセットコンパレータ40は、第1及び第2の高域信号S22及びS25のサブキャリア重畳部分SOA3において信号交点SCP2直後の電位差一致タイミングのみを論理レベルの変化タイミングとし、当該信号交点SCP2の前後で検出電位差がオフセット電位差V1と一致することで、本来の信号交点SCP2の数以上に論理レベルの変化点が発生することを確実に回避している。
またオフセットコンパレータ40は、オフセット電位差V1と一致した検出電位差に基づき、当該検出電位差に対する電位差一致タイミングにおいて、第1及び第2の高域信号S22及びS25の何れの電圧値が大きいかを判別する。その結果、オフセットコンパレータ40は、電位差一致タイミングにおいて、正極入力端を介して取り込んだ第1の高域信号S22の電圧値が、負極入力端を介して取り込んだ第2の高域信号S25の電圧値よりも大きければ、当該電位差一致タイミングを、矩形波における論理「H」レベルへの立上りタイミングとする。これに対してオフセットコンパレータ40は、電位差一致タイミングにおいて、正極入力端を介して取り込んだ第1の高域信号S22の電圧値よりも、負極入力端を介して取り込んだ第2の高域信号S25の電圧値が大きければ、当該電位差一致タイミングを、矩形波における論理「L」レベルへの立下りタイミングとする。
そしてオフセットコンパレータ40は、電位差一致タイミングにより決定した論理レベルの変化タイミングで立上げる論理「H」レベルと、当該論理レベルの変化タイミングで立下げる論理「L」レベルとを、当該オフセットコンパレータ40に接続された電源電圧(図示せず)から供給される電圧値に応じた値とする。
これにより図4(A)乃至(C)に示すようにオフセットコンパレータ40は、タイプA適用ICカードから返信される返信信号S30(図4(A))に基づいて、サブキャリア未重畳部分SOA4に信号交点SCP3が生じた第1及び第2の高域信号S22及びS25(図4(B))が生成されても、当該第1及び第2の高域信号S22及びS25のキャリア重畳部分SOA3と対応する部分でのみ論理レベルの変化点が存在し、かつキャリア未重畳部分SOA4と対応する部分では論理レベルの変化点が存在しない矩形波状でなる(すなわち、第1の高域信号S22を2値化してなる)復調信号S27を生成し、これを選択回路41に送出する。
この際、選択回路41は、中央処理ユニット25により、タイプA適用ICカードとの通信の実行に応じて、ゼロクロスコンパレータ6及びオフセットコンパレータ40から与えられる復調信号S26及びS27のうち当該オフセットコンパレータ40から与えられる復調信号S27を選択するように設定されている。従って選択回路41は、オフセットコンパレータ40から与えられた復調信号S27を選択して後段に出力する。
また中央処理ユニット25は、例えば外部からタイプB適用ICカードと通信するように設定された場合、外部のタイプB適用ICカードに対してデータを要求する要求データを所定周期で繰り返し変調部30に送出する。従って変調部30は、中央処理ユニット25から順次与えられた要求データを変調処理して要求信号を生成し、これを繰り返し送信部32を介してループアンテナ素子21から外部に送信する(いわゆる、ポーリング処理を実行する)。
この状態で中央処理ユニット25は、リーダライタ20に対してタイプB適用ICカードがかざされたときに要求信号を送信すると、これに応じてタイプB適用ICカードから返信された所定波形の返信信号をループアンテナ素子21で受信する。そして中央処理ユニット25は、その受信した返信信号に基づいて、上述したタイプA適用ICカードとの通信時と同様の処理を順次実行することにより、ゼロクロスコンパレータ6及びオフセットコンパレータ40においてそれぞれ復調信号S31及びS32を生成し、これらを選択回路41に送出する。
この際、選択回路41は、中央処理ユニット25により、タイプB適用ICカードとの通信の実行に応じて、ゼロクロスコンパレータ6及びオフセットコンパレータ40から与えられる復調信号S31及びS32のうち当該ゼロクロスコンパレータ6から与えられる復調信号S31を選択するように設定されている。従って選択回路41は、ゼロクロスコンパレータ6から与えられた復調信号S31を選択して後段に出力する。
さらに中央処理ユニット25は、例えば外部からフェリカ適用ICカードと通信するように設定された場合、外部のフェリカ適用ICカードに対してデータを要求する要求データを所定周期で繰り返し変調部30に送出する。従って変調部30は、中央処理ユニット25から順次与えられた要求データを変調処理して要求信号を生成し、これを繰り返し送信部32を介してループアンテナ素子21から外部に送信する(いわゆる、ポーリング処理を実行する)。
この状態で中央処理ユニット25は、リーダライタ20に対してフェリカ適用ICカードがかざされたときに要求信号を送信すると、これに応じてフェリカ適用ICカードから返信された所定波形の返信信号をループアンテナ素子21で受信する。そして中央処理ユニット25は、その受信した返信信号に基づいて、上述したタイプA適用ICカードとの通信時と同様の処理を順次実行することにより、ゼロクロスコンパレータ6及びオフセットコンパレータ40においてそれぞれ復調信号S33及びS34を生成し、これらを選択回路41に送出する。
この際、選択回路41は、中央処理ユニット25により、フェリカ適用ICカードとの通信の実行に応じて、ゼロクロスコンパレータ6及びオフセットコンパレータ40から与えられる復調信号S33及びS34のうち当該オフセットコンパレータ40から与えられる復調信号S34を選択するように設定されている。従って選択回路41は、オフセットコンパレータ40から与えられた復調信号S34を選択して後段に出力する。
このようにしてリーダライタ20の復調部31は、タイプA通信方式に準じて生成された返信信号S30に基づく第1及び第2の増幅信号S21及びS24や、フェリカ通信方式に準じて生成された返信信号に基づく第1及び第2の増幅信号を第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5に通して生成した第1及び第2の高域信号S22及びS25に対し、本来存在しないはずの信号交点SCP3が生じても、当該信号交点SCP3を検出した交点検出タイミングを論理レベルの変化タイミングと誤って判断することなく、復調信号S27及びS34を生成することができる。
以上の構成において、リーダライタ20は、タイプA適用ICカード、タイプB適用ICカード、フェリカ適用ICカードから返信された所定波形の返信信号をループアンテナ素子21で受信すると、当該ループアンテナ素子21の一端及び他端に現れる互いに波形の反転した返信信号及び波形反転信号からそれぞれキャリア成分を取り除いて受信信号S20及び波形反転受信信号S23を生成した後、当該受信信号S20及び波形反転受信信号S23に基づいて生成した第1及び第2の増幅信号S21及びS24を第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5に通すことで低周波数成分を除去して第1及び第2の高域信号S22及びS25を生成する。
そしてリーダライタ20は、復調部31のオフセットコンパレータ40において、第1及び第2の高域信号S22及びS25の信号交点SCP2及びSCP3を検出すると共に、当該信号交点SCP2及びSCP3を検出した交点検出タイミングからこれら第1及び第2の高域信号S22及びS25同士で変化する検出電位差を、未重畳部分最大電位差V2よりも大きくかつ重畳部分最大電位差V3よりも小さいオフセット電位差V1と比較する。その結果、リーダライタ20は、第1及び第2の高域信号S22及びS25同士の検出電位差がオフセット電位差V1と一致すると、当該検出電位差とオフセット電位差V1とが一致した電位差一致タイミングを、論理レベルの変化タイミングとして第1の高域信号S22を2値化してなる復調信号S27、S32、S34を生成する。
またリーダライタ20は、このとき復調部31のゼロクロスコンパレータ6において、第1及び第2の高域信号S22及びS25の信号交点SCP2及びSCP3を検出し、当該信号交点SCP2及びSCP3を検出した交点検出タイミングを論理レベルの変化タイミングとして第1の高域信号S22を2値化してなる復調信号S26、S31、S33も生成する。そしてリーダライタ20は、タイプA適用ICカードやフェリカ適用ICカードとの通信中は、復調部31の選択回路41において、オフセットコンパレータ40で生成した復調信号S27、S34を選択して後段に出力する。またリーダライタ20は、タイプB適用ICカードとの通信中は、復調部31の選択回路41において、ゼロクロスコンパレータ6で生成した復調信号S31を選択して後段に出力する。
以上の構成によれば、ループアンテナ素子21で所定波形の返信信号を受信して互いに波形の反転した当該返信信号及び波形反転信号を得ると共に、かかる返信信号及び波形反転信号からそれぞれキャリア成分を取り除くことで受信信号S20及び波形反転受信信号S23を生成し、その受信信号S20及び波形反転受信信号S23に基づく第1及び第2の増幅信号S21及びS24を第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5に通すことで低周波数成分を除去した第1及び第2の高域信号S22及びS25を生成する。そしてオフセットコンパレータ40により、第1及び第2の高域信号S22及びS25同士の信号交点SCP2及びSCP3を検出すると共に、その交点検出タイミングから当該第1及び第2の高域信号S22及びS25同士の検出電位差を、未重畳部分最大電位差V2よりも大きくかつ重畳部分最大電位差V3よりも小さくなるように予め設定されたオフセット電位差V1と比較する。その結果、オフセットコンパレータ40により、第1及び第2の高域信号S22及びS25同士の検出電位差がオフセット電位差V1と一致した電位差一致タイミングを論理レベルの変化タイミングとして第1の高域信号S22を2値化してなる復調信号S27、S34を生成するようにした。
従ってリーダライタ20は、タイプA適用ICカードやフェリカ適用ICカードと通信することで、ループアンテナ素子21で受信した返信信号が低周波数成分を有している場合、第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5でその低周波数成分を徐徐に減衰させて第1及び第2の高域信号S22及びS25を生成したために、当該第1及び第2の高域信号S22及びS25同士に対し本来、信号交点SCP3の存在しないはずの部分に信号交点SCP3が生じても、本来の信号交点SCP2のみに応じた論理レベルの変化点を有する復調信号S27、S34を的確に生成することができる。このためリーダライタ20は、その復調信号S27、S34により返信信号を的確に判別することができ、かくして受信した返信信号に応じた処理を的確に実行することができる。
またリーダライタ20では、オフセットコンパレータ40よりもゼロクロスコンパレータ6の方が、復調信号S26、S31、S33における論理レベルの変化タイミングの検出基準となる電位差の値をオフセットさせてはいないことにより、第1及び第2の高域信号S22及びS25に対する復調信号S26、S31、S33の位相遅れ量を極力減らすことができる。このためリーダライタ20では、オフセットコンパレータ40よりもゼロクロスコンパレータ6の方が復調処理の処理精度が高い。
そしてリーダライタ20は、タイプB適用ICカードから返信信号を受信した場合、ゼロクロスコンパレータ6で復調信号S31を生成し、選択回路41により当該ゼロクロスコンパレータ6で生成した復調信号S31を選択して後段に出力するようにした。従ってリーダライタ20は、タイプB適用ICカードとの通信中は、高い処理精度で復調処理して生成した復調信号S31を返信信号に応じた処理に使用することができる。
ただしリーダライタ20では、上述したように、オフセットコンパレータ40で用いるオフセット電圧値V1が、第1及び第2の高域信号S22及びS25における未重畳部分最大電位差V2よりも大きく、かつ重畳部分最大電位差V3よりも小さい値であるものの、当該未重畳部分最大電位差V2の値に極力近い値に(すなわち、0〔V〕に極力近くなるように)選定されている。従ってリーダライタ20は、タイプA適用ICカードやフェリカ適用ICカードとの通信中にオフセットコンパレータ40において復調処理を実行したとき、第1及び第2の高域信号S22及びS25同士の信号交点SCP2を検出した交点検出タイミングに対し、検出電位差とオフセット電位差V1との一致する電位差一致タイミングを極力近づけることができる。このためリーダライタ20は、このようにタイプA適用ICカードやフェリカ適用ICカードとの通信中にオフセットコンパレータ40において復調信号S27及びS34を生成しても、第1及び第2の高域信号S22及びS25に対するこれら復調信号S27及びS34の位相遅れ量を極力減らすことができ、かくしてオフセットコンパレータ40において復調処理の処理精度が低下することを極力回避することができる。
なお上述した第1の実施の形態においては、リーダライタ20において、タイプA適用ICカード、タイプB適用ICカード及びフェリカ適用ICカードの何れから返信信号を受信したときでも、オフセットコンパレータ40及びゼロクロスコンパレータ6の両方で復調信号S26及びS27並びにS31乃至S34を生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、リーダライタ20において、タイプA適用ICカード、タイプB適用ICカード及びフェリカ適用ICカードからそれぞれ返信信号を受信したときに、オフセットコンパレータ40のみで復調信号S27、S32、S34を生成するようにしても良い。この場合、リーダライタ20は、タイプB適用ICカードから返信信号を受信したときでも、オフセットコンパレータ40で生成した復調信号S32を当該返信信号に応じた処理で用いることになるが、かかる復調信号S32も、オフセットコンパレータ40で生成する他の復調信号S27及びS34と同様に、返信信号に応じた処理に充分使用可能な精度を有している。従ってリーダライタ20は、かかる構成とした場合、半導体集積回路22からゼロクロスコンパレータ6及び選択回路41を削減することができ、かくして本発明を実現しつつ回路構成を簡易化することができる。
またリーダライタ20は、タイプA適用ICカード及びフェリカ適用ICカードからそれぞれ返信信号を受信したとき、オフセットコンパレータ40のみで復調信号S27及びS34を生成し、タイプB適用ICカードから返信信号を受信したとき、ゼロクロスコンパレータ6のみで復調信号S31を生成するようにしても良い。このようにすれば、タイプA適用ICカード、タイプB適用ICカード及びフェリカ適用ICカードの何れと通信する場合でも、オフセットコンパレータ40及びゼロクロスコンパレータ6の何れか一方でのみ復調信号S27、S31、S34を生成するため、処理負荷及び消費電力を大幅に低減させることができる。
(2)第2の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付して示す図5は、第2の実施の形態によるリーダライタ50を示し、上述した第1の実施の形態によるリーダライタ20と同様にタイプA通信方式の適用された図示しないタイプA適用ICカード、タイプB通信方式の適用された図示しないタイプB適用ICカード、フェリカ通信方式の適用された図示しないフェリカ適用ICカードの何れとも非接触で通信し得るようになされている。
この場合、リーダライタ50には、一端が接地されたループアンテナ素子51が搭載されると共に、半導体集積回路52が搭載されている。半導体集積回路52は、上述した第1の実施の形態によるリーダライタ20の半導体集積回路22と、受信部53及び復調部54並びに送信部55の構成を除いて同様に構成されている。受信部53及び送信部55は、1本の伝送線を介してループアンテナ素子51の他端に接続されている。
中央処理ユニット25は、例えば外部からタイプA適用ICカードと通信するように設定された場合、ポーリング処理を実行している状態でリーダライタ50に対してタイプA適用ICカードがかざされると、要求信号の送信に応じて当該タイプA適用ICカードから返信された所定波形の返信信号をループアンテナ素子51で受信する。そして受信部53は、ループアンテナ素子51で受信された返信信号を取り込むと共に、当該返信信号から例えばローパスフィルタを介してキャリア成分を取り除くことによりサブキャリア成分でなる受信信号を生成し、これを復調部54に送出する。
ここで図2との対応部分に同一符号を付して示す図6において復調部54は、上述した第1の実施の形態によるリーダライタ20の復調部31に設けられた第1の負帰還増幅回路2と同様構成の1つの負帰還増幅器56と、当該復調部31に設けられた第1のハイパスフィルタ4と同様構成の1つのハイパスフィルタ57とが設けられている。そしてかかるハイパスフィルタ57の出力端(すなわち、第1のコンデンサC1の他端)に対し、ゼロクロスコンパレータ60の正極入力端と、オフセットコンパレータ61の正極入力端とが接続されている。また復調部54においてゼロクロスコンパレータ60の負極入力端と、オフセットコンパレータ61の負極入力端とは接地されている。さらにゼロクロスコンパレータ60及びオフセットコンパレータ61の出力端には、選択回路41が接続されている。
かかる構成において、復調部54は、タイプA適用ICカードから返信された返信信号が受信されたとき、これに応じて受信部53から与えられた受信信号S50を負帰還増幅回路56において第1の増幅器A1の正極入力端に取り込む。この際、負帰還増幅回路56は、第1の増幅器A1において受信信号S50を、負帰還を掛けながら増幅し、得られた増幅信号S51をハイパスフィルタ57に送出する。そしてハイパスフィルタ57は、負帰還増幅回路56から与えられた増幅信号S51に対し所定周波数よりも低い低周波数成分を除去する。その結果、ハイパスフィルタ57は、高周波数成分でなる高域信号S52を生成し、これをゼロクロスコンパレータ60及びオフセットコンパレータ61に送出する。
この場合、図7に示すように、ゼロクロスコンパレータ60は、ハイパスフィルタ57から与えられた高域信号S52を取り込みながら、負極入力端が接地されていることにより得られるほぼ一定な電圧値(すなわち、接地電位)の基準信号S53と、当該高域信号S52との信号交点SCP4(すなわち、高域信号S52及び基準信号S53同士で電位差が0〔V〕となる点である)を順次検出する。またゼロクロスコンパレータ60は、信号交点SCP4を順次検出しながら当該信号交点SCP4を検出した交点検出タイミングの直後において基準信号S53及び高域信号S52の何れの電圧値が大きいかを判別する。
そしてゼロクロスコンパレータ60は、信号交点SCP4を検出した交点検出タイミングの直後に、正極入力端を介して取り込んだ高域信号S52の電圧値が、負極入力端を介して得られた基準信号S53の電圧値よりも大きければ、当該信号交点SCP4を検出した交点検出タイミングを矩形波における論理「H」レベルへの立上りタイミングとする。これに対してゼロクロスコンパレータ60は、信号交点SCP4を検出した交点検出タイミングの直後に、正極入力端を介して取り込んだ高域信号S52の電圧値よりも、負極入力端を介して得られた基準信号S53の電圧値が大きければ、当該信号交点SCP4を検出した交点検出タイミングを矩形波における論理「L」レベルへの立下りタイミングとする。
これに加えてゼロクロスコンパレータ60は、時間的に前後する信号交点SCP4間の論理「H」レベル及び論理「L」レベルを、当該ゼロクロスコンパレータ60に接続された電源電圧(図示せず)から供給される電圧値に応じた値とする。これによりゼロクロスコンパレータ60は、信号交点SCP4を検出した交点検出タイミングを論理レベルの変化タイミングとして高域信号S52を2値化してなる復調信号S54を生成し、これを選択回路41に送出する。
ところで図8(A)に示すように、タイプA通信方式に準じた返信信号S1に基づく高域信号S52においてサブキャリア重畳部分SOA3は、比較的短い周期の交流波形となっている。従ってかかる高域信号S52及び基準信号S53同士は、信号交点SCP4以降に急激に電位差が大きくなる。
これに対して図8(B)に示すように、高域信号S52においてサブキャリア未重畳部分SOA4は、ハイパスフィルタ57の処理に起因して、基準信号S53との信号交点SCP5が生じても、サブキャリア重畳部分SOA3の交流波形よりも緩やかに変化する波形となっている。従ってかかる高域信号S52及び基準信号S53同士は、信号交点SCP5以降に電位差がわずかに大きくなるだけでその電位差が急激に変化することはない。
このためオフセットコンパレータ61は、ゼロクロスコンパレータ60とほぼ同様構成でなるものの、当該オフセットコンパレータ61で高域信号S52を復調処理して得られる復調信号S55に対し論理レベルの変化タイミングを、高域信号S52及び基準信号S53同士において電位差が0〔V〕となる信号交点SCP4及びSCP5を検出する交点検出タイミングとするのではなく、これら高域信号S52及び基準信号S53同士の電位差が、予め設定された0〔V〕よりも大きい所定のオフセット電位差と一致する電位差一致タイミングに変更している。すなわち、オフセットコンパレータ61は、論理レベルの変化タイミングの検出基準となる電位差の値が0〔V〕に対してオフセットされている。
なお、この実施の形態の場合、オフセット電圧値V4(例えば、絶対値)は、高域信号S52及び基準信号S53のサブキャリア未重畳部分SOA4における未重畳部分最大電位差V5(例えば、絶対値)よりも大きく、かつサブキャリア重畳部分SOA3における重畳部分最大電位差V6よりも小さい値で、さらにその未重畳部分最大電位差V5の値に極力近い値に選定されている。
実際上、オフセットコンパレータ61は、ハイパスフィルタ57から与えられた高域信号S52を取り込みながら、当該高域信号S52と、基準信号S53との信号交点SCP4及びSCP5を順次検出する。またオフセットコンパレータ61は、信号交点SCP4及びSCP5を順次検出する毎に当該信号交点SCP4及びSCP5を検出した交点検出タイミングから高域信号S52及び基準信号S53同士の検出電位差を順次検出して当該検出電位差の変化を監視する。
そしてオフセットコンパレータ61は、交点検出タイミングから変化を監視している検出電位差を、予め設定されたオフセット電位差V4と比較する。その結果、オフセットコンパレータ61は、検出電位差がオフセット電位差V4と一致すると、当該検出電位差がオフセット電位差V4と一致した電位差一致タイミングを、復調信号S55の矩形波における論理レベルの変化タイミングとする。因みにオフセットコンパレータ61は、交点検出タイミングから変化を監視している検出電位差が一度オフセット電位差V4と一致すると、その後は信号交点SCP4及びSCP5を再び検出するまでの間、検出電位差の検出及びオフセット電位差V4との比較を停止する。これによりオフセットコンパレータ61は、高域信号S52のサブキャリア重畳部分SOA3において基準信号S53との信号交点SCP4直後の電位差一致タイミングのみを論理レベルの変化タイミングとし、当該信号交点SCP4の前後で検出電位差がオフセット電位差V4と一致することで、本来の信号交点SCP4の数以上に論理レベルの変化点が発生することを確実に回避している。
またオフセットコンパレータ61は、オフセット電位差V4と一致した検出電位差に基づき、当該検出電位差に対する電位差一致タイミングにおいて、高域信号S52及び基準信号S53の何れの電圧値が大きいかを判別する。その結果、オフセットコンパレータ61は、電位差一致タイミングにおいて、正極入力端を介して取り込んだ高域信号S52の電圧値が、負極入力端を介して得られた基準信号S53の電圧値よりも大きければ、当該電位差一致タイミングを、矩形波における論理「H」レベルへの立上りタイミングとする。これに対してオフセットコンパレータ61は、電位差一致タイミングにおいて、正極入力端を介して取り込んだ高域信号S52の電圧値よりも、負極入力端を介して得られた基準信号S53の電圧値が大きければ、当該電位差一致タイミングを、矩形波における論理「L」レベルへの立下りタイミングとする。
そしてオフセットコンパレータ61は、電位差一致タイミングにより決定した論理レベルの変化タイミングで立上げる論理「H」レベルと、当該論理レベルの変化タイミングで立下げる論理「L」レベルとを、当該オフセットコンパレータ61に接続された電源電圧(図示せず)から供給される電圧値に応じた値とする。
これにより図9(A)乃至(C)に示すようにオフセットコンパレータ61は、タイプA適用ICカードから返信される返信信号S56(図9(A))に基づいて、基準信号S53に対し、サブキャリア未重畳部分SOA4に信号交点SCP5が生じる高域信号S52(図9(B))が生成されても、当該高域信号S52のキャリア重畳部分SOA3と対応する部分でのみ論理レベルの変化点が存在し、かつキャリア未重畳部分SOA4と対応する部分では論理レベルの変化点が存在しない矩形波状でなる(すなわち、高域信号S52を2値化してなる)復調信号S55を生成し、これを選択回路41を介して後段に出力する。
また中央処理ユニット25は、例えば外部からタイプB適用ICカードと通信するように設定された場合、ポーリング処理を実行している状態でリーダライタ50に対しタイプB適用ICカードがかざされると、要求信号の送信に応じて当該タイプB適用ICカードから返信された所定波形の返信信号をループアンテナ素子51で受信する。そして中央処理ユニット25は、その受信した返信信号に基づいて、上述したタイプA適用ICカードとの通信時と同様の処理を順次実行することにより、ゼロクロスコンパレータ60及びオフセットコンパレータ61においてそれぞれ復調信号S57及びS58を生成し、これらのうち一方のゼロクロスコンパレータ60で生成された復調信号S57を選択回路41を介して後段に出力する。
さらに中央処理ユニット25は、例えば外部からフェリカ適用ICカードと通信するように設定された場合、ポーリング処理を実行している状態でリーダライタ50に対しフェリカ適用ICカードがかざされると、要求信号の送信に応じて当該フェリカ適用ICカードから返信された所定波形の返信信号をループアンテナ素子51で受信する。そして中央処理ユニット25は、その受信した返信信号に基づいて、上述したタイプA適用ICカードとの通信時と同様の処理を順次実行することにより、ゼロクロスコンパレータ60及びオフセットコンパレータ61においてそれぞれ復調信号S59及びS60を生成し、これらのうち一方のオフセットコンパレータ61で生成された復調信号S60を選択回路41を介して後段に出力する。
このようにしてリーダライタ50の復調部54は、タイプA通信方式に準じて生成された返信信号に基づく増幅信号S51や、フェリカ通信方式に準じて生成された返信信号に基づく増幅信号をハイパスフィルタ57に通して生成した高域信号S52に対し、本来、基準信号S53との間では存在しないはずの信号交点SCP5が生じても、当該信号交点SCP5を検出した交点検出タイミングを論理レベルの変化タイミングと誤って判断することなく、復調信号S55及びS60を生成して選択回路41から後段に出力することができる。
以上の構成において、リーダライタ50は、タイプA適用ICカード、タイプB適用ICカード、フェリカ適用ICカードから返信された所定波形の返信信号をループアンテナ素子51で受信すると、当該受信した返信信号からキャリア成分を取り除いて受信信号S50を生成した後、かかる受信信号S50に基づいて生成した増幅信号S51をハイパスフィルタ57に通すことで低周波数成分を除去して高域信号S52を生成する。
そしてリーダライタ50は、復調部54のオフセットコンパレータ61において、高域信号S52及び基準信号S53の信号交点SCP4及びSCP5を検出すると共に、当該信号交点SCP4及びSCP5を検出した交点検出タイミングからこれら高域信号S52及び基準信号S53同士で変化する検出電位差を、未重畳部分最大電位差V5よりも大きくかつ重畳部分最大電位差V6よりも小さいオフセット電位差V4と比較する。その結果、リーダライタ50は、高域信号S52及び基準信号S53同士の検出電位差がオフセット電位差V4と一致すると、当該検出電位差とオフセット電位差V4とが一致した電位差一致タイミングを、論理レベルの変化タイミングとして高域信号S52を2値化してなる復調信号S55、S58、S60を生成する。
またリーダライタ50は、このとき復調部54のゼロクロスコンパレータ60において、高域信号S52及び基準信号S53の信号交点SCP4及びSCP5を検出し、当該信号交点SCP4及びSCP5を検出した交点検出タイミングを論理レベルの変化タイミングとして高域信号S52を2値化してなる復調信号S54、S57、S59も生成する。そしてリーダライタ50は、タイプA適用ICカードやフェリカ適用ICカードとの通信中は、復調部54の選択回路41において、オフセットコンパレータ61で生成した復調信号S55、S60を選択して後段に出力する。またリーダライタ50は、タイプB適用ICカードとの通信中は、復調部54の選択回路41において、ゼロクロスコンパレータ60で生成した復調信号S57を選択して後段に出力する。
以上の構成によれば、ループアンテナ素子51で所定波形の返信信号を受信し、当該受信した返信信号からキャリア成分を取り除くことで受信信号S50を生成し、その受信信号S50に基づく増幅信号S51をハイパスフィルタ57に通すことで低周波数成分を除去した高域信号S52を生成する。そしてオフセットコンパレータ61により、高域信号S52及び基準信号S53同士の信号交点SCP4及びSCP5を検出すると共に、その交点検出タイミングから当該高域信号S52及び基準信号S53同士の検出電位差を、未重畳部分最大電位差V5よりも大きくかつ重畳部分最大電位差V6よりも小さくなるように予め設定されたオフセット電位差V4と比較する。その結果、オフセットコンパレータ61により、高域信号S52及び基準信号S53同士の検出電位差がオフセット電位差V4と一致した電位差一致タイミングを論理レベルの変化タイミングとして高域信号S52を2値化してなる復調信号S55、S60を生成するようにした。
従ってリーダライタ50は、タイプA適用ICカードやフェリカ適用ICカードと通信することで、ループアンテナ素子51で受信した返信信号が低周波数成分を有している場合、ハイパスフィルタ57でその低周波数成分を徐徐に減衰させて高域信号S52を生成したために、当該高域信号S52と、基準信号S53とに対し本来信号交点SCP5の存在しないはずの部分に信号交点SCP5が生じても、本来の信号交点SCP4のみに応じた論理レベルの変化点を有する復調信号S55、S60を的確に生成することができる。このためリーダライタ50は、上述した第1の実施の形態によるリーダライタ20の場合と同様に、復調信号S55、S60により返信信号を的確に判別することができ、かくして受信した返信信号に応じた処理を的確に実行することができる。
またリーダライタ50は、復調部54において、反転波形信号に基づく高域信号は生成せずに、所定波形の高域信号S52のみを生成し、かかる高域信号S52と基準信号S53との信号交点に応じて復調信号S54及びS55並びにS57乃至S60を生成するため、復調部54に設ける負帰還増幅回路56及びハイパスフィルタ57の個数をそれぞれ1つにすることができ、かくして上述した第1の実施の形態によるリーダライタ20に比べて、復調部54の回路構成を(半導体集積回路52全体としての回路構成も)大幅に簡易化することができる。
さらにリーダライタ50では、上述した第1の実施の形態によるリーダライタ20の場合と同様に、復調部54に対しオフセットコンパレータ61と共にゼロクロスコンパレータ60も設けているため、タイプB適用ICカードとの通信中は、かかるゼロクロスコンパレータ60により高い処理精度で生成した復調信号S57を返信信号に応じた処理に使用することができる。
ただしリーダライタ50では、上述した第1の実施の形態によるリーダライタ20の場合と同様に、オフセットコンパレータ61で用いるオフセット電圧値V4が、高域信号S52及び基準信号S53同士の未重畳部分最大電位差V5よりも大きく、かつ重畳部分最大電位差V6よりも小さい値であるものの、当該未重畳部分最大電位差V5の値に極力近い値に(すなわち、0〔V〕に極力近くなるように)選定されている。従ってリーダライタ50は、タイプA適用ICカードやフェリカ適用ICカードとの通信中にオフセットコンパレータ61において復調処理を実行したとき、高域信号S52及び基準信号S53同士の信号交点SCP4を検出した交点検出タイミングに対し、検出電位差とオフセット電位差V4との一致する電位差一致タイミングを極力近づけることができる。このためリーダライタ50は、このようにタイプA適用ICカードやフェリカ適用ICカードとの通信中にオフセットコンパレータ61において復調信号S55及びS60を生成しても、高域信号S52に対するこれら復調信号S55及びS60の位相遅れ量を極力減らすことができ、かくしてオフセットコンパレータ61において復調処理の処理精度が低下することを極力回避することができる。
なお上述した第2の実施の形態においては、リーダライタ50において、タイプA適用ICカード、タイプB適用ICカード及びフェリカ適用ICカードの何れから返信信号を受信したときでも、オフセットコンパレータ61及びゼロクロスコンパレータ60の両方で復調信号S54及びS55並びにS57乃至S60を生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、リーダライタ50において、タイプA適用ICカード、タイプB適用ICカード及びフェリカ適用ICカードからそれぞれ返信信号を受信したときに、オフセットコンパレータ61のみで復調信号S55、S58、S60を生成するようにしても良い。この場合、リーダライタ50は、タイプB適用ICカードから返信信号を受信したときでも、オフセットコンパレータ61で生成した復調信号S58を当該返信信号に応じた処理で用いることになるが、かかる復調信号S58も、オフセットコンパレータ61で生成する他の復調信号S55及びS60と同様に、返信信号に応じた処理に充分使用可能な精度を有している。従ってリーダライタ50は、かかる構成とした場合、半導体集積回路52からゼロクロスコンパレータ60及び選択回路41を削減することができ、かくして本発明を実現しつつ復調部54の回路構成を(半導体集積回路52全体としての回路構成も)さらに簡易化することができる。
またリーダライタ50は、タイプA適用ICカード及びフェリカ適用ICカードからそれぞれ返信信号を受信したとき、オフセットコンパレータ61のみで復調信号S55及びS60を生成し、タイプB適用ICカードから返信信号を受信したとき、ゼロクロスコンパレータ60のみで復調信号S57を生成するようにしても良い。このようにすれば、タイプA適用ICカード、タイプB適用ICカード及びフェリカ適用ICカードの何れと通信する場合でも、オフセットコンパレータ61及びゼロクロスコンパレータ60の何れか一方でのみ復調信号S55、S57、S60を生成するため、処理負荷及び消費電力を大幅に低減させることができる。
また上述した第2の実施の形態においては、復調部54において高域信号S52と、接地により得られるほぼ一定な電圧値の基準信号S53との信号交点SCP4及びSCP5に基づいて復調信号S54及びS55並びにS57乃至S60を生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、復調部54の内部又は外部にほぼ一定な所定電圧値の基準信号を生成する基準信号生成回路を設け、高域信号S52と、かかる基準信号生成回路で生成された基準信号との信号交点に基づいて復調信号を生成するようにしても良い。さらにリーダライタ50では、復調部54の内部又は外部に高域信号S52の所定波形を反転させ、かつ当該高域信号S52と位相のほぼ一致している基準信号、又はかかる高域信号S52の位相を半周期ずらした基準信号を生成する基準信号生成回路を設け、高域信号S52と、かかる基準信号生成回路で生成された基準信号との信号交点に基づいて復調信号を生成するようにしても良い。このようにしても上述した第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(3)他の実施の形態
なお上述した第1及び第2の実施の形態においては、本発明による受信装置を図1乃至図9について上述したリーダライタ20及び50に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、タイプA通信方式及びフェリカ通信方式のうち少なくとも一方の通信方式に準じて生成された返信信号を受信することができれば、パーソナルコンピュータや携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance )、ゲーム機器等の情報処理装置のように、この他種々の受信装置に広く適用することができる。因みに、かかる情報処理装置を本願発明の受信装置とするには、当該情報処理装置に本願発明の半導体集積回路(すなわち、上述した半導体集積回路22及び52)と共にアンテナ素子を搭載することにより、容易に実現可能である。
また上述した第1及び第2の実施の形態においては、本発明による半導体集積回路を図1乃至図9について上述したリーダライタ20及び50の半導体集積回路22及び52に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成の半導体集積回路に広く適用することができる。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、搬送波が変調されて生成された所定波形の信号を受信するアンテナ素子として、図1乃至図9について上述したリーダライタ20及び50に搭載されたループアンテナ素子21及び51を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、搬送波が変調されて生成された所定波形の信号を受信することができれば、この他種々のアンテナ素子を広く適用することができる。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、アンテナ素子で受信された信号から搬送波成分を取り除いて受信信号を生成する受信信号生成部として、図1乃至図9について上述した受信部33及び53を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、半導体集積回路22及び52の外部に設けられた受信部等のように、この他種々の受信信号生成部を広く適用することができる。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、受信信号生成部により生成された受信信号から所定周波数よりも低い低周波数成分を除去して高域信号を生成する高域信号生成部として、図1乃至図9について上述した第1及び第2のハイパスフィルタ4及び5並びにハイパスフィルタ57を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、受信信号から所定周波数よりも低い低周波数成分を除去して少なくとも1つの高域信号を生成することができれば、半導体集積回路22及び52の外部に設けられたハイパスフィルタ等のように、この他種々の構成でなる高域信号生成部を広く適用することができる。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、所定の基準信号と、高域信号生成部により生成された高域信号との信号交点を検出した後、基準信号及び高域信号同士の電位差が予め設定されたオフセット電位差と一致するタイミングを論理レベルの変化タイミングとして高域信号を2値化してなる第1の復調信号を生成する第1の復調信号生成部として、図1乃至図9について上述したオフセットコンパレータ40及び61を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、所定の基準信号と高域信号との信号交点を検出した後、当該基準信号及び高域信号同士の電位差が予め設定されたオフセット電位差と一致するタイミングを論理レベルの変化タイミングとして当該高域信号を2値化してなる第1の復調信号を生成することができれば、半導体集積回路22及び52の外部に設けられたコンパレータ等のように、この他種々の第1の復調信号生成部を広く適用することができる。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、高域信号生成部により生成された高域信号及び基準信号同士の信号交点を検出し、当該信号交点を検出した交点検出タイミングを論理レベルの変化タイミングとして高域信号を2値化してなる第2の復調信号を生成する第2の復調信号生成部として、図1乃至図9について上述したゼロクロスコンパレータ6及び60を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、高域信号及び基準信号同士の信号交点を検出した交点検出タイミングを論理レベルの変化タイミングとして当該高域信号を2値化してなる第2の復調信号を生成することができれば、半導体集積回路22及び52の外部に設けられたコンパレータ等のように、この他種々の第2の復調信号生成部を広く適用することができる。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、第1の復調信号生成部により生成される第1の復調信号と、第2の復調信号生成部により生成される第2の復調信号とのうち何れか一方を選択して出力する選択部として、図1乃至図9について上述した選択回路41を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1の復調信号生成部により生成される第1の復調信号と、第2の復調信号生成部により生成される第2の復調信号とのうち何れか一方を選択して出力することができれば、半導体集積回路22及び52の外部に設けられた選択回路等のように、この他種々の選択部を広く適用することができる。
本発明は、非接触型ICカードと通信可能なリーダライタ等の受信装置に利用することができる。
第1の実施の形態によるリーダライタの全体構成を示すブロック図である。 復調部の回路構成を示すブロック図である。 オフセットコンパレータによる論理レベルの変化タイミングの検出の説明に供する略線図である。 オフセットコンパレータによる復調信号の生成の説明に供する略線図である。 第2の実施の形態によるリーダライタの全体構成を示すブロック図である。 復調部の回路構成を示すブロック図である。 ゼロクロスコンパレータによる復調信号の生成の説明に供する略線図である。 オフセットコンパレータによる論理レベルの変化タイミングの検出の説明に供する略線図である。 オフセットコンパレータによる復調信号の生成の説明に供する略線図である。 通信方式毎の返信信号の波形の説明に供する略線図である。 従来のリーダライタにおける復調部の回路構成を示すブロック図である。 復調信号の生成の説明に供する略線図である。 タイプA通信方式に準じた返信信号に基づく復調信号の生成の説明に供する略線図である。
符号の説明
20、50……リーダライタ、21、51……ループアンテナ素子、22、52……半導体集積回路、31、54……復調部、2……第1の負帰還増幅回路、3……第2の負帰還増幅回路、4……第1のハイパスフィルタ、5……第2のハイパスフィルタ、6、60……ゼロクロスコンパレータ、40、61……オフセットコンパレータ、41……選択回路、56……負帰還増幅回路、57……ハイパスフィルタ、S20……第1の受信信号、S22……第1の高域信号、S23……第2の受信信号、S25……第2の高域信号、S26、S27、S31、S32、S33、S34、S54、S55、S57、S58、S59、S60……復調信号、S30、S56……返信信号、S50……受信信号、S52……高域信号、S53……基準信号、SCP2、SCP3、SCP4、SCP5……信号交点、V1、V4……オフセット電位差、V2、V5……未重畳部分最大電位差、V3、V6……重畳部分最大電位差。

Claims (22)

  1. 搬送波が変調されて生成された所定波形の信号を受信するアンテナ素子と、
    上記アンテナ素子で受信された上記信号から上記搬送波成分を取り除いて受信信号を生成する受信信号生成部と、
    上記受信信号生成部により生成された上記受信信号から所定周波数よりも低い低周波数成分を除去して高域信号を生成する高域信号生成部と、
    所定の基準信号と、上記高域信号生成部により生成された上記高域信号との信号交点を検出した後、上記基準信号及び上記高域信号同士の電位差が予め設定されたオフセット電位差と一致するタイミングを論理レベルの変化タイミングとして上記高域信号を2値化してなる第1の復調信号を生成する第1の復調信号生成部と
    を具えることを特徴とする受信装置。
  2. 上記アンテナ素子は、
    上記所定波形の上記信号を受信することにより当該信号と、上記所定波形を反転させた波形反転信号とを得て、
    上記受信信号生成部は、
    上記アンテナ素子で得られた上記信号から上記搬送波成分を取り除いて上記受信信号を生成すると共に、上記アンテナ素子で得られた上記波形反転信号から上記搬送波成分を取り除いて波形反転受信信号を生成し、
    上記高域信号生成部は、
    上記受信信号生成部により生成された上記受信信号から上記低周波数成分を除去して上記高域信号を生成すると共に、上記受信信号生成部により生成された上記波形反転受信信号から上記低周波数成分を除去して上記基準信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 上記高域信号生成部により生成された上記高域信号及び上記基準信号同士の上記信号交点を検出し、当該信号交点を検出した交点検出タイミングを上記論理レベルの上記変化タイミングとして上記高域信号を2値化してなる第2の復調信号を生成する第2の復調信号生成部と、
    上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち何れか一方を選択して出力する選択部と
    を具え、
    上記アンテナ素子は、
    通信方式の異なる複数種類の上記信号を受信可能であり、
    上記選択部は、
    上記アンテナ素子で受信された上記信号の上記通信方式に応じて、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち何れか一方を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項2に記載の受信装置。
  4. 上記アンテナ素子は、
    上記搬送波の所定部分が副搬送波で変調されて生成された上記信号を受信し、
    上記選択部は、
    上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  5. 上記アンテナ素子は、
    上記搬送波全体が上記副搬送波で変調されて生成された上記信号を受信し、
    上記選択部は、
    上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  6. 上記アンテナ素子は、
    上記搬送波が副搬送波を用いずに変調されて生成された上記信号を受信し、
    上記選択部は、
    上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  7. 上記第1の復調信号生成部は、
    ほぼ一定な電圧値の上記基準信号と、上記高域信号生成部により生成された上記高域信号との信号交点を検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  8. 上記基準信号と、上記高域信号生成部により生成された上記高域信号との上記信号交点を検出し、当該信号交点を検出した交点検出タイミングを上記論理レベルの上記変化タイミングとして上記高域信号を2値化してなる第2の復調信号を生成する第2の復調信号生成部と、
    上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち何れか一方を選択して出力する選択部と
    を具え、
    上記アンテナ素子は、
    通信方式の異なる複数種類の上記信号を受信可能であり、
    上記選択部は、
    上記アンテナ素子で受信された上記信号の上記通信方式に応じて、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち何れか一方を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項7に記載の受信装置。
  9. 上記アンテナ素子は、
    上記搬送波の所定部分が副搬送波で変調されて生成された上記信号を受信し、
    上記選択部は、
    上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項8に記載の受信装置。
  10. 上記アンテナ素子は、
    上記搬送波全体が上記副搬送波で変調されて生成された上記信号を受信し、
    上記選択部は、
    上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項8に記載の受信装置。
  11. 上記アンテナ素子は、
    上記搬送波が副搬送波を用いずに変調されて生成された上記信号を受信し、
    上記選択部は、
    上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項8に記載の受信装置。
  12. 搬送波が変調されて生成された所定波形の信号を受信するアンテナ素子を有する受信装置に搭載された半導体集積回路であって、
    上記アンテナ素子で受信された上記信号から上記搬送波成分を取り除いて受信信号を生成する受信信号生成部と、
    上記受信信号生成部により生成された上記受信信号から所定周波数よりも低い低周波数成分を除去して高域信号を生成する高域信号生成部と、
    所定の基準信号と、上記高域信号生成部により生成された上記高域信号との信号交点を検出した後、上記基準信号及び上記高域信号同士の電位差が予め設定されたオフセット電位差と一致するタイミングを論理レベルの変化タイミングとして上記高域信号を2値化してなる第1の復調信号を生成する第1の復調信号生成部と
    を具えることを特徴とする半導体集積回路。
  13. 上記受信信号生成部は、
    上記アンテナ素子で上記所定波形の上記信号が受信されることにより得られた当該信号と、上記所定波形を反転させた波形反転信号とを取り込み、当該取り込んだ上記信号から上記搬送波成分を取り除いて上記受信信号を生成すると共に、上記アンテナ素子から取り込んだ上記波形反転信号から上記搬送波成分を取り除いて波形反転受信信号を生成し、
    上記高域信号生成部は、
    上記受信信号生成部により生成された上記受信信号から上記低周波数成分を除去して上記高域信号を生成すると共に、上記受信信号生成部により生成された上記波形反転受信信号から上記低周波数成分を除去して上記基準信号を生成する
    ことを特徴とする請求項12に記載の半導体集積回路。
  14. 上記高域信号生成部により生成された上記高域信号及び上記基準信号同士の上記信号交点を検出し、当該信号交点を検出した交点検出タイミングを上記論理レベルの上記変化タイミングとして上記高域信号を2値化してなる第2の復調信号を生成する第2の復調信号生成部と、
    上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち何れか一方を選択して出力する選択部と
    を具え、
    上記選択部は、
    通信方式の異なる複数種類の上記信号を受信可能な上記アンテナ素子で受信された当該信号の上記通信方式に応じて、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち何れか一方を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項13に記載の半導体集積回路。
  15. 上記選択部は、
    上記アンテナ素子により、上記搬送波の所定部分が副搬送波で変調されて生成された上記信号が受信されたとき、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項14に記載の半導体集積回路。
  16. 上記選択部は、
    上記アンテナ素子により、上記搬送波全体が上記副搬送波で変調されて生成された上記信号が受信されたとき、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項14に記載の半導体集積回路。
  17. 上記選択部は、
    上記アンテナ素子により、上記搬送波が副搬送波を用いずに変調されて生成された上記信号が受信されたとき、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項14に記載の半導体集積回路。
  18. 上記第1の復調信号生成部は、
    ほぼ一定な電圧値の上記基準信号と、上記高域信号生成部により生成された上記高域信号との信号交点を検出する
    ことを特徴とする請求項12に記載の半導体集積回路。
  19. 上記基準信号と、上記高域信号生成部により生成された上記高域信号との上記信号交点を検出し、当該信号交点を検出した交点検出タイミングを上記論理レベルの上記変化タイミングとして上記高域信号を2値化してなる第2の復調信号を生成する第2の復調信号生成部と、
    上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち何れか一方を選択して出力する選択部と
    を具え、
    上記選択部は、
    通信方式の異なる複数種類の上記信号を受信可能な上記アンテナ素子で受信された当該信号の上記通信方式に応じて、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち何れか一方を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項18に記載の半導体集積回路。
  20. 上記選択部は、
    上記アンテナ素子により、上記搬送波の所定部分が副搬送波で変調されて生成された上記信号が受信されたとき、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項19に記載の半導体集積回路。
  21. 上記選択部は、
    上記アンテナ素子により、上記搬送波全体が上記副搬送波で変調されて生成された上記信号が受信されたとき、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項19に記載の半導体集積回路。
  22. 上記選択部は、
    上記アンテナ素子により、上記搬送波が副搬送波を用いずに変調されて生成された上記信号が受信されたとき、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号と、上記第2の復調信号生成部により生成される上記第2の復調信号とのうち、上記第1の復調信号生成部により生成される上記第1の復調信号を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項19に記載の半導体集積回路。
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