JP4604188B2 - 架空送電線の直線スリーブ接続部の改修方法及び架空送電線の直線スリーブ接続部の改修部の構造 - Google Patents
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Description
すなわち、鋼心アルミ撚線の鋼心部の圧縮接続をする鋼スリーブと、この鋼スリーブを含みその両側のアルミ線部に亘って圧縮接続するアルミスリーブとからなる直線スリーブで接続される。
このような直線スリーブの接続部分において、長期間のうちには発熱による障害を起こし、放置すると断線の発生も懸念される。その原因は送電線も長期の間には該直線スリーブ内に送電線の撚りを伝わって雨水等による水分が浸入し、内部腐食を起こし、電気抵抗を増加させることと、アルミスリーブ内の鋼スリーブの位置がスリーブの中心から偏心するいわゆる施工不良が主な原因と考えられている。
特開2002−218615にはアルミ送電線の腐食検知について記載されているが、対応策については全く記載がない。
この状態を放置しておくと、スリーブ及びその近傍の電線が熱劣化によって、最悪の場合断線するという重大事故に至るおそれがある。
本発明はこのような従来の技術による問題を解決した方法及び構造を提供することを目的とする。
直線スリーブの長さL0、下巻用アーマーロッドの巻き付け長さL1、上巻用アーマーロッド巻き付け長さL2としたときに、2L1+L0≧L2になるようにし、上巻用アーマーロッド巻付け端を下巻用アーマーロッドの端部より短く取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の架空送電線の直線スリーブ接続部の改修方法(請求項2)。
下巻用アーマーロッドの上に巻付けられる上巻用アーマーロッドの巻き付け長さは、上巻用アーマーロッド自身の2ピッチ以上の長さとしたことを特徴とする請求項1に記載の架空送電線の直線スリーブ接続部の改修方法(請求項3)。
請求項1〜3のいずれかにより補修されてなることを特徴とする架空送電線の直線スリーブで接続部の改修構造(請求項4)に存する。
図1は耐張鉄塔2基と懸垂鉄塔2基を用いて送電線が架線され、懸垂鉄塔間において、送電線が直線スリーブで接続されている場合の概念図を示している。この図は例示であり、他のケースは当業者が容易に類推できる。
図においてAは耐張鉄塔、Bは懸垂鉄塔でそれぞれ2基の場合である。送電線はWで示され、Sは直線スリーブである。
本発明は該直線スリーブSの両側に露出している送電線Wの表面に、下巻用アーマーロッド1を該直線スリーブS端に密接して巻付け、次いで該直線スリーブSと該下巻用アーマーロッド1の表面に上巻用アーマーロッド2を巻き付けて固定する。その際下巻用アーマーロッド1より上巻用アーマーロッド2が数cm程度僅かに引き込んで短く構成する。
具体的には直線スリーブSの長さをL0とし、下巻用アーマーロッド1の巻き付け長さをL1とし、上巻アーマーロッド2の巻き付け長さをL2としたときに、2L1+L0
≧L2を満足させる。
このように下巻用アーマーロッド1および上巻アーマーロッド2を巻き付けることで、2L1+L0における直流抵抗が低下すること、送電線W及び直線スリーブSを流れる電流が下巻用アーマーロッド1と上巻用アーマーロッド2に分流すること、直線スリーブSの上に上巻用アーマーロッド2が巻きつけられていることで、該部分の外径が大きくなり、熱放散が増大するなどの作用が重畳され、該箇所の温度上昇を大幅に低下させることができる等の作用効果を奏することができ、該箇所の熱劣化を防止することができる。
一方、熱劣化した送電線Wや直線スリーブSの引張強度は規格値より低下してしまうが、下巻用アーマーロッド1と上巻用アーマーロッド2の掌握力により、引張強度のバックアップが図られるという効果を奏する。
2L1+L0<L2の場合には、上巻用アーマーロッド2の先端が下巻用アーマーロッド1の端部より外方向に飛出ることになり、コロナ特性上好ましくない。
又、下巻用アーマーロッド1と上巻用アーマーロッド2の掌握力を期待しているので、2L1+L0<L2の場合、上巻用アーマーロッドが下巻用アーマーロッドより飛出した分は不要な長さである。
実際のアーマーロッドは、予め複数本を扇形に結束したものであってもよい。このようにすることにより巻き付け速度を向上することができる。
図4は送電線Wに下巻用アーマーロッド1が密巻され、更にその上に上巻用アーマーロッド2が適当間隔例えば1本置きに粗巻された状態が示されている。このようにすることにより、上巻用アーマーロッド2はその使用本数を少なくし、空隙により放熱効果を向上することができる。
図5は下巻用アーマーロッドの上に巻付けられる上巻用アーマーロッドの長さ(L2)とピッチ(P)を示したもので、下巻用アーマーロッドの上に巻く長さは電線サイズにより異なるものの、2ピッチ(2P)以上とすることで直線スリーブの引張強度ダウンのバックアップを図り、所定の引張強度を確保することができる。
このとき、上巻用アーマーロッドの全長(L2)は4P+L0以上とする。
本発明は該直線スリーブSの両側に露出している送電線Wの表面に、下巻用アーマーロッド1a(下側),1b(上側)を二重巻きの状態で該直線スリーブS端に密接して重ね巻きし、次いで該直線スリーブSと該下巻用アーマーロッド1bの表面に上巻用アーマーロッド2を巻き付けて固定する。この場合下巻用アーマーロッド1a(下側),1b(上側)の撚り方向は同一の場合と逆の場合とがあるが、同一の場合は、下巻用アーマーロッド1a(下側)の撚りの間に下巻用アーマーロッド1b(上側)が落ち込んで径が小さくなる懸念がある。
なお、下巻用アーマーロッド1より上巻用アーマーロッド2が数cm程度僅かに引き込んで短く構成する。具体的には直線スリーブSの長さをL0とし、下巻用アーマーロッド1a及び1bの巻き付け長さをL1とし、上巻アーマーロッド2の巻き付け長さをL2としたときに、2L1+L0≧L2を満足させることは先に述べたとおりである。
W 送電線
A 耐張鉄塔
B 懸垂鉄塔
L0 直線スリーブSの長さ
L1 下巻用アーマーロッドの巻き付け長さ
L2 上巻用アーマーロッドの巻き付け長さ
P 上巻用アーマーロッドのピッチ
1 下巻用アーマーロッド
1a (下側)下巻用アーマーロッド
1b (上側)下巻用アーマーロッド
2 上巻用アーマーロッド
Claims (4)
- 架空送電線の直線スリーブ接続部の改修にあたり、
送電線を接続した直線スリーブの両側の露出した送電線端に、直線スリーブの外径と略等価になるように下巻用アーマーロッドを巻付け、次いで該直線スリーブと該下巻用アーマーロッドの表面をカバーし、該下巻用アーマーロッドの巻付け端よりやや短い上巻用アーマーロッドを巻付けることを特徴とする架空送電線の直線スリーブ接続部の改修方法。 - 直線スリーブの長さL0、下巻用アーマーロッドの巻き付け長さL1、上巻用アーマーロッド巻き付け長さL2としたときに、2L1+L0≧L2になるようにし、上巻用アーマーロッド巻付け端を下巻用アーマーロッドの端部より短く取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の架空送電線の直線スリーブ接続部の改修方法。
- 下巻用アーマーロッドの上に巻付けられる上巻用アーマーロッドの巻き付け長さは、上巻用アーマーロッド自身の2ピッチ以上の長さとしたことを特徴とする請求項1に記載の架空送電線の直線スリーブ接続部の改修方法。
- 請求項1〜3のいずれかにより補修されてなることを特徴とする架空送電線の直線スリーブ接続部の改修部の構造。
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JP2007275960A JP4604188B2 (ja) | 2007-10-24 | 2007-10-24 | 架空送電線の直線スリーブ接続部の改修方法及び架空送電線の直線スリーブ接続部の改修部の構造 |
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JP2000253550A (ja) * | 1999-03-02 | 2000-09-14 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 電線の圧縮接続部 |
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